JP4742503B2 - 成膜方法 - Google Patents
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Description
すなわち、まず、基材の表面を覆うようにSiO2で構成される被膜を形成する。次いで、この皮膜上に、目的とするSiO2膜の形状に対応した形状のレジスト層を形成する。次いで、レジスト層をマスクとして用いて、被膜の不要部分をエッチングにより除去する。最後に、レジスト層を、レジスト剥離液により剥離する。
ところが、レジスト層の形成は、例えば、基材上へのレジスト材料の供給、乾燥、ベーク処理、露光、現像、洗浄、乾燥等の多段階の工程を要する。
このような工程は、極めて煩雑であり、従来、所定パターンのSiO2膜の形成には、時間と手間とを要している。
本発明の成膜方法は、所定パターンのSiO2膜を形成する成膜方法であって、
プラズマ重合により、主としてポリオルガノシロキサンで構成されるポリオルガノシロキサン膜を形成する第1の工程と、
前記ポリオルガノシロキサン膜の前記所定パターンに対応する領域に、紫外線照射およびプラズマ照射の少なくとも一方により第1のSiO2化処理を施して、前記領域に存在するポリオルガノシロキサンをSiO2に変化させる第2の工程と、
SiO2に変化した前記領域を、pH9以上のアルカリ溶液により除去する第3の工程と、
前記第3の工程において残存する前記ポリオルガノシロキサン膜に、第2のSiO2化処理を施して、ポリオルガノシロキサンをSiO2に変化させることにより、前記SiO2膜を得る第4の工程とを有することを特徴とする。
これにより、所定パターンのSiO2膜を容易かつ安価に形成し得る。
また、プラズマ重合法によれば、均質かつ均一な膜厚のポリオルガノシロキサン膜を容易に形成することができる。
また、ポリオルガノシロキサンが有する有機基とSiとの結合をより確実に切断して、酸素原子を導入すること、すなわち、SiO 2 化をより確実に行うことができる。
これにより、ポリオルガノシロキサン膜をより容易かつ確実にSiO2化させることができる。
以下では、本発明の電子部品を配線基板に適用した場合を代表に説明する。
図1は、配線基板の実施形態を示す縦断面図、図2および図3は、それぞれ、図1に示す配線基板の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図1〜図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
第1の層間絶縁層3は、例えば、SiO2のような酸化物や、SiN、TiNのような窒化物等の無機絶縁材料、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノール系樹脂等の有機絶縁材料で構成されている。
また、第1の配線層4、第2の配線層6および接続部7は、それぞれ、例えば、Au、Ag、Pt、Cu、Ni、Alまたはこれらを含む合金等で構成されている。
このような配線基板1は、例えば、次のようにして製造することができる。
第1の層間絶縁膜3は、例えば、例えば、熱酸化法、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法等により形成することができる。
なお、基板2としてSi基板を用い、第1の層間絶縁層3としてSiO2層を形成する場合、この第1の層間絶縁層3の形成には、熱酸化法が好適に使用される。熱酸化法によれば、均質かつ均一な厚さのSiO2層を容易に形成することができる。
第1の配線層4は、まず、第1の層間絶縁層3を覆うように金属膜を形成した後、この金属膜の不要部分を除去することにより形成することができる。
金属膜の形成には、例えば、前述したような乾式メッキ法、湿式メッキ法の他、金属箔の接合等を用いることができる。
また、金属膜の除去方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[3−1] まず、図2(c)に示すように、第1の配線層4を覆うように、第1の層間絶縁層3上に、主としてポリオルガノシロキサンで構成されるポリオルガノシロキサン膜51を形成する(第1の工程)。
このポリオルガノシロキサン膜51を形成する方法としては、例えば、プラズマ重合法、蒸着法、シランカップリング剤による処理、ポリオルガノシロキサンを含有する液状材料による処理等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ジメチルシリコーン、ジエチルシリコーンのようなジアルキルシリコーン、シクロアルキルシリコーン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
キャリアガス(添加ガス)としては、例えば、アルゴン、ヘリウム、窒素等が挙げられる。
高周波の出力は、100〜1000W程度であるのが好ましい。
成膜時のチャンバ内の圧力は、1×10−4〜1Torr程度であるのが好ましい。
原料ガス流量は、1〜100sccm程度であるのが好ましい。一方、キャリアガス流量は、10〜500sccm程度であるのが好ましい。
処理時間は、1〜10分程度であるのが好ましく、4〜7分程度であるのがより好ましい。
このような条件を適宜設定することにより、所望の平均厚さのポリオルガノシロキサン膜51を形成することができる。
この第1のSiO2化処理としては、レジスト層を形成することなくポリオルガノシロキサン膜51の所定パターンの領域510を選択的にSiO 2 化し得る処理であればよく、例えば、紫外線照射、プラズマ照射、電子ビーム照射、加熱等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、第1のSiO2化処理としては、紫外線照射およびプラズマ照射の少なくとも一方を用いるのが好ましい。かかる方法によれば、ポリオルガノシロキサンが有する有機基とSiとの結合をより確実に切断して、酸素原子を導入すること、すなわち、SiO2化をより確実に行うことができる。
紫外線の波長は、400nm以下であればよく、特に限定されないが、100〜350nm程度であるのが好ましい。
紫外線の強度は、1000〜3000mJ/cm2程度であるのが好ましく、1400〜2600mJ/cm2程度であるのがより好ましい。
また、紫外線の照射時間は、1〜10分程度であるのが好ましく、3〜7分程度であるのがより好ましい。
プラズマを発生させるガス種としては、例えば、酸素ガス、窒素ガス、不活性ガス(アルゴンガス、ヘリウムガス等)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
高周波の出力は、100〜700W程度であるのが好ましく、300〜500W程度であるのがより好ましい。
ガスの流量は、10〜500sccm程度であるのが好ましく、100〜300sccm程度であるのがより好ましい。
特に、プラズマ照射には、プラズマを発生するガス種として、酸素ガスを含むガスを用いる酸素プラズマ照射を用いるのが好適である。酸素プラズマ照射によれば、酸素プラズマが有機基とSiとを切断するとともに、Siとの結合に利用されるため、ポリオルガノシロキサンをより確実にSiO2に変化させることができる。
ポリオルガノシロキサンは、比較的高い耐アルカリ性を有する化合物であるが、SiO2は、ポリオルガノシロキサンよりアルカリに対して耐性が低い。このため、ポリオルガノシロキサン膜51をアルカリ溶液で処理することにより、SiO2に変化した所定の領域510が選択的に除去され、次工程[3−5]で接続孔50となる孔500が形成される。
これらの中でも、アルカリ溶液としては、特に、アルカリ金属水酸化物の水溶液が好適である。かかるアルカリ溶液を用いることにより、ポリオルガノシロキサン膜51を実質的に除去することなく、SiO2を効率よく除去することができる。
また、アルカリ溶液の温度は、0〜100℃程度であるのが好ましく、15〜75℃程度であるのがより好ましい。かかる温度範囲において、SiO2の除去効率(エッチングレート)がさらに向上する。
ここで、酸処理としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸またはこれらの混合液による処理が挙げられる。
なお、水洗処理および酸処理は、例えば、交互に繰り返し行うようにしてもよい。
第2のSiO2化処理は、SiO2化をより確実に行うことができることから、前記工程[3−2]における第1のSiO2化処理と同様に、紫外線照射およびプラズマ照射の少なくとも一方により行うのが好ましい。
以上のように、本発明によれば、SiO2膜の形成に際して、レジスト層を用いる必要がないので、製造工程数の大幅な削減を図ること、すなわち、製造コストおよび時間の削減を図ることができる。
接続部7は、まず、接続孔50内を埋めように、かつ、第2の絶縁層5を覆うようにして、導電性材料を供給した後、導電性材料を第2の層間絶縁層5の上面が露出するまで除去することにより形成することができる。
導電性材料の供給には、例えば、前述したような乾式メッキ法、湿式メッキ法等を用いることができる。
また、導電性材料の除去方法としては、例えば、前述したような物理的エッチング法、化学的エッチング法等を用いることができる。
第2の配線層6は、まず、第2の層間絶縁層5を覆うように、金属層を形成した後、この金属膜の不要部分を除去することにより形成することができる。
金属層の形成は、例えば、前述したような乾式メッキ法、湿式メッキ法の他、金属箔の接合等を用いることができる。
また、金属層の除去方法としては、例えば、前述したような物理的エッチング法、化学的エッチング法等を用いることができる。
以上の工程を経て、配線基板1が製造される。
前述したような配線基板(本発明の電子部品)1は、各種電子機器に適用することができる。
図4は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
前述したような配線基板1は、例えば、表示部の各画素の切り替えを行うスイッチング素子、本体部1104と表示ユニット1106とを接続するための可撓性配線基板等として内蔵されている。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、表示部を備えている。
前述したような配線基板1は、例えば、表示部の各画素の切り替えを行うスイッチング素子、データを保存するための半導体部品(各種メモリ)、回路基板等として内蔵されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
前述したような配線基板1は、例えば、表示部の各画素の切り替えを行うスイッチング素子、CCDの撮像信号を保存するための半導体部品(各種メモリ)、回路基板1308等として内蔵されている。
以上、本発明の成膜方法、SiO2膜、電子部品および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明のSiO2膜は、前述したような配線基板(電子部品)の他、例えば、薄膜トランジスタの層間絶縁膜、ゲート絶縁膜等に適用することもできる。
Claims (2)
- 所定パターンのSiO2膜を形成する成膜方法であって、
プラズマ重合により、主としてポリオルガノシロキサンで構成されるポリオルガノシロキサン膜を形成する第1の工程と、
前記ポリオルガノシロキサン膜の前記所定パターンに対応する領域に、紫外線照射およびプラズマ照射の少なくとも一方により第1のSiO2化処理を施して、前記領域に存在するポリオルガノシロキサンをSiO2に変化させる第2の工程と、
SiO2に変化した前記領域を、pH9以上のアルカリ溶液により除去する第3の工程と、
前記第3の工程において残存する前記ポリオルガノシロキサン膜に、第2のSiO2化処理を施して、ポリオルガノシロキサンをSiO2に変化させることにより、前記SiO2膜を得る第4の工程とを有することを特徴とする成膜方法。 - 前記ポリオルガノシロキサンは、ジアルキルシリコーンを主成分とするものである請求項1に記載の成膜方法。
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