JP2006245516A - 成膜方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器 - Google Patents

成膜方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高い密着性および膜強度を有し、かつ優れた特性を発揮する無機酸化物膜を容易かつ安価に形成し得る成膜方法、この無機酸化物膜を備える電子デバイス用基板、信頼性の高い電子デバイスおよび電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の成膜方法は、基板(基材)2上に無機酸化物粒子81aを堆積させて、無機酸化物粒子81aの集合物81を膜状に形成する第1の工程と、無機酸化物粒子81aを溶解し得る溶剤82aを集合物81に供給し、無機酸化物粒子81aの表面を溶解させ、無機酸化物粒子81aの溶解物で無機酸化物粒子81a同士の間を充填または無機酸化物粒子81aの表面を被覆する第2の工程と、溶解物を析出させた析出物82bで、集合物81を安定化する第3の工程とを有するものである。また、第3の工程の後、析出物82bを酸化物82cに変化させる処理を施す第4の工程を有するのが好ましい。
【選択図】図6

Description

本発明は、成膜方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器に関するものである。
従来、透明導電膜、絶縁膜、低誘電膜、高誘電膜および電極等に用いられる無機酸化物膜を基材上に成膜する成膜方法としては、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等の気相成膜法が挙げられる。しかしながら、これらの方法は、大がかりな装置が必要であり、また成膜に要する消費エネルギーが大きく、高コストになる等の問題がある。
これに対して、近年、無機酸化物膜の構成材料を含有する液状材料を用いて無機酸化物膜を形成する液相成膜法が提案されている。
例えば特許文献1には、酸化インジウムや酸化錫等よりなる無機酸化物粒子が水系の分散媒に分散された液状材料を、基材上に塗布した後、熱処理を施すことにより、透明導電膜を形成する方法が開示されている。
ところが、この液相成膜法で形成される透明導電膜110は、図10に示すように、無機酸化物粒子120同士の接触が点接触であるとともに、無機酸化物粒子120同士の接触に不十分な部分が生じてしまい、この部分に大きな空隙130が形成される。
このため、液相成膜法で形成される透明導電膜110は、気相成膜法により形成された透明導電膜に比べて、膜表面モフォロジーが悪く、透明導電膜と接触する他の層(部材)との密着性が低いこと、膜強度が低いことや、抵抗値が高いこと等の問題がある。
特開平5−290634号公報
本発明の目的は、高い密着性および膜強度を有するとともに、優れた特性を発揮する無機酸化物膜を容易かつ安価に形成し得る成膜方法、かかる成膜方法により形成された無機酸化物膜を備える電子デバイス用基板、信頼性の高い電子デバイスおよび電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成させる。
本発明の成膜方法は、基材上に無機酸化物粒子を堆積させて、前記無機酸化物粒子の集合物を膜状に形成する第1の工程と、
前記無機酸化物粒子を溶解し得る溶剤を前記集合物に供給し、前記無機酸化物粒子の表面を溶解させ、前記無機酸化物粒子の溶解物で前記無機酸化物粒子同士の間を充填または前記無機酸化物粒子の表面を被覆する第2の工程と、
前記溶解物を析出させた析出物で、前記集合物を安定化する第3の工程とを有することを特徴とする。
これにより、高い密着性および膜強度を有するとともに、優れた導電性を発揮する無機酸化物膜を容易かつ安価に形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記第1の工程において、前記無機酸化物粒子を含有する分散液を前記基材上に供給することにより前記集合物を形成することが好ましい。
かかる方法によれば、比較的容易かつ確実に基材上に集合物を形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記分散液における、前記無機酸化物粒子の含有量は、5〜90wt%であることが好ましい。
これにより、分散液の取扱性が低下するのを防止して、目的とする厚さの無機酸化物膜を容易かつ確実に形成することができる。
本発明の成膜方法では、前記無機酸化物粒子は、球状、針状または葉状をなしていることが好ましい。
無機酸化物粒子として、かかる形状を有するものを選択することにより、集合物を形成した際に、無機酸化物粒子同士の接触面積を増大させることができる。
本発明の成膜方法では、前記第2の工程において、前記無機酸化物粒子の表面を溶解する前後における前記無機酸化物粒子の平均粒径を、それぞれA[nm]、B[nm]としたとき、B/Aが0.2〜0.95なる関係を満足することが好ましい。
これにより、溶解物で確実に無機酸化物粒子同士の間を充填すること、または無機酸化物粒子の表面を被覆することができる。
本発明の成膜方法では、前記第2の工程において、前記無機酸化物粒子の表面を溶解する前における前記無機酸化物粒子の平均粒径は、2〜2000nmであることが好ましい。
これにより、分散液の取扱性が低下するのを防止するとともに、無機酸化物膜の膜厚が不均一なものになるのを防止することができる。
本発明の成膜方法では、前記溶剤は、酸またはアルカリ溶液であることが好ましい。
酸またはアルカリ溶液を用いることにより、無機酸化物粒子を構成する無機酸化物を容易にイオン等に変化させて、溶剤中に溶解(溶出)させることができる。
本発明の成膜方法では、前記第2の工程において、前記溶剤をミストとして前記集合物に供給することが好ましい。
これにより、無機酸化物粒子同士の間に溶剤を均一な割合で入り込ませることができる。その結果、各無機酸化物粒子において、その表面が溶解される速さがほぼ一定なものとなり、無機酸化物粒子の表面を溶解した後におけるこれらの粒径(サイズ)をほぼ均一なものとすることができる。
本発明の成膜方法では、前記第2の工程において、前記集合物および/または前記溶剤に振動を与えつつ、前記溶剤を前記集合物に供給することが好ましい。
これにより、無機酸化物粒子同士の間に溶剤をより確実に入り込ませることができる。また、集合物に振動を与えると、表面が溶解して小径化および/または粒形整形された無機酸化物粒子同士をより確実に密集させる効果も得られる。
本発明の成膜方法では、前記振動は、前記集合物および/または前記溶剤に超音波を付与することにより行われることが好ましい。
かかる方法によれば、集合物および/または溶剤に振動をより容易かつ確実に与えることができる。
本発明の成膜方法では、前記第3の工程は、前記集合物を加熱することにより行われることが好ましい。
加熱によれば、大掛かりな装置等を用いることなく、比較的容易かつ確実に析出物を残存させることができる。
本発明の成膜方法では、前記第3の工程の後、前記析出物を酸化物に変化させる処理を施す第4の工程を有することが好ましい。
これにより、無機酸化物粒子同士が酸化物を介して接合された状態となる。無機酸化物粒子と酸化物とは密着性が高いため、無機酸化物粒子同士が酸化物を介して接合されてなる無機酸化物膜は、より膜強度が優れたものとなる。
本発明の成膜方法では、前記酸化物と、前記無機酸化物粒子を構成する無機酸化物とは、同一組成のものであることが好ましい。
これにより、無機酸化物粒子と酸化物との特性の差がなくなり、無機酸化物膜全体としての特性の向上を図ることができる。
本発明の成膜方法では、前記析出物を酸化物に変化させる処理は、加熱処理であることが好ましい。
加熱処理によれば、析出物を容易かつ安価に酸化物とすることができる。
本発明の成膜方法では、前記析出物を酸化物に変化させる処理は、マイクロ波、レーザー光、赤外線および紫外線のうちの少なくとも1種を照射する照射処理であることが好ましい。
照射処理によれば、基材に照射することなく、選択的に析出物を酸化物とすることができる。
本発明の電子デバイス用基板は、本発明の成膜方法により成膜された無機酸化物膜を備えることを特徴とする。
これにより、成膜精度(信頼性)の高い無機酸化物膜を備える電子デバイス用基板が得られる。
本発明の電子デバイス用基板では、前記無機酸化物膜は、透明導電膜であることが好ましい。
得られる透明導電膜は、優れた導電性を発揮するものとなる。
本発明の電子デバイス用基板では、前記透明導電膜は、その表面抵抗値が100Ω/□以下であることが好ましい。
かかる範囲の表面抵抗値を有する透明導電膜を備える電子デバイス用基板は、より応答速度の速いものとなる。
本発明の電子デバイスは、本発明の電子デバイス用基板を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子デバイスが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の成膜方法、電子デバイス用基板、電子デバイスおよび電子機器について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
なお、以下では、本発明の電子デバイスを、アクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用した場合を一例として説明する。
<透過型液晶表示装置の構成>
図1は、本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す分解斜視図、図2は、図1に示す透過型液晶表示装置の薄膜トランジスタ付近の拡大縦断面図である。
なお、図1では、図が煩雑となるのを避けるため一部の部材を省略している。また、以下の説明では、図1、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す透過型液晶表示装置10(以下、単に「液晶表示装置10」と言う。)は、液晶パネル(表示パネル)20と、バックライト(光源)60とを有している。
この液晶表示装置10は、バックライト60からの光を液晶パネル20に透過させることにより画像(情報)を表示し得るものである。
液晶パネル20は、互いに対向して配置された第1の基板220と第2の基板230とを有し、これらの第1の基板220と第2の基板230との間には、表示領域を囲むようにしてシール材(図示せず)が設けられている。
そして、これらの第1の基板220、第2の基板230およびシール材により画成される空間には、電気光学物質である液晶が収納され、液晶層(中間層)24が形成されている。すなわち、第1の基板220と第2の基板230との間に、液晶層240が介挿されている。
なお、図示は省略したが、液晶層240の上面および下面には、それぞれ、例えばポリイミド等で構成される配向膜が設けられている。これらの配向膜により液晶層240を構成する液晶分子の配向性(配向方向)が規制されている。
第1の基板220および第2の基板230は、それぞれ、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料等で構成されている。
第1の基板220は、その上面(液晶層240側の面)221に、マトリックス状(行列状)に配置された複数の画素電極223と、X方向に延在する走査線224と、Y方向に延在する信号線228とが設けられている。
各画素電極223は、透明性(光透過性)を有する透明導電膜により構成され、それぞれ、1つの薄膜トランジスタ1を介して、走査線224および信号線228に接続されている。
なお、本実施形態では、第1の基板220と、画素電極223と、走査線224と、信号線228と、次に説明する薄膜トランジスタ1とにより本発明の電子デバイス用基板が構成される。
図2に示すように、薄膜トランジスタ1は、第1の基板220上に設けられ、チャンネル領域320とソース領域316とドレイン領域318とを備える半導体層314と、半導体層314を覆うように設けられたゲート絶縁膜326、絶縁層342と、ゲート絶縁膜326を介してチャンネル領域320と対向するように設けられたゲート電極351と、ゲート電極351上方の絶縁層342上に設けられた導電部356と、ソース領域316上方の絶縁層342上に設けられ、ソース電極として機能する導電部352と、ドレイン領域318上方の絶縁層342上に設けられ、ドレイン電極として機能する導電部354と、ゲート電極351と導電部356とを電気的に接続するコンタクトプラグ355と、ソース領域316と導電部352とを電気的に接続するコンタクトプラグ350と、ドレイン領域318と導電部354とを電気的に接続するコンタクトプラグ353とを有している。
なお、導電部354は、画素電極223と電気的に接続するように、一体的に形成されている。また、導電部352および導電部356は、それぞれ、走査線224および信号線228に電気的に接続されている。
走査線224(導電部352)および信号線228(導電部356)は、それぞれ、導電性を有する金属配線膜により構成されている。また、画素電極223(導電部354)は、透明性(光透過性)を有する透明導電膜により構成されている。この透明導電膜(無機酸化物膜)が、後述する本発明の成膜方法により形成される。
画素電極223を構成する透明導電膜は、構成材料の種類等によっても若干異なるが、その表面抵抗値が100Ω/□以下であるのが好ましく、50Ω/□以下であるのがより好ましい。透明導電膜の表面抵抗値を前記範囲とすることにより、液晶表示装置10をより応答速度の速いものとすることができる。
本実施形態では、図2に示すように、この第1の基板220上に、半導体層314が設けられている。この半導体層314は、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム等の半導体材料で構成される。
前述したように、この半導体層314は、チャンネル領域320とソース領域316とドレイン領域318とを有している。
半導体層314は、チャンネル領域320の一方の側部にソース領域316が形成され、チャンネル領域320の他方の側部にドレイン領域318が形成された構成となっている。
チャンネル領域320は、例えば、真性半導体材料で構成される。
ソース領域316およびドレイン領域318は、例えば、リン等のn型不純物が導入(ドープ)された半導体材料で構成される。
なお、半導体層314の構成はこの構成に限定されず、例えば、ソース領域316およびドレイン領域318は、p型不純物が導入された半導体材料で構成されてもよい。
また、チャンネル領域320は、例えば、p型またはn型不純物が導入された半導体材料で構成されてもよい。
このような半導体層314は、絶縁膜(ゲート絶縁膜326、絶縁層342)で覆われている。このような絶縁膜のうち、チャンネル領域320とゲート電極351との間に介在している部分は、チャンネル領域320と導電部356との間に生じる電界の経路となるゲート絶縁膜として機能する。
ゲート絶縁膜326、絶縁層342の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、SiO2、TEOS(ケイ酸エチル)、ポリシラザン等のケイ素化合物を用いることができる。
なお、ゲート絶縁膜326、絶縁層342は、上述した材料の他、例えば樹脂、セラミックス等で構成することもできる。
ゲート電極351の構成材料としては、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、インジウムオキサイド(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモンティンオキサイド(ATO)、インジウムジンクオキサイド(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta、Ta合金等の導電性材料で構成される。
絶縁層342上には、導電部352、導電部354、および導電部356がもうけられ、これらのものは、それぞれ、ソース領域316、ドレイン領域318、チャンネル領域320の上方に形成されている。
ゲート絶縁膜326と絶縁層342とのソース領域316およびドレイン領域318が形成された領域内には、それぞれ、その厚さ方向に向かって、ソース領域316およびドレイン領域318に連通する孔部(コンタクトホール)が形成されている。
導電部352および導電部354は、それぞれ、この孔部に形成されたコンタクトプラグ350およびコンタクトプラグ353を介して、ソース領域316およびドレイン領域318と電気的に接続されている。
また、ゲート絶縁膜326のゲート電極351が形成された領域内には、その厚さ方向に向かって、ゲート電極351に連通する孔部が形成されている。
導電部356は、この孔部に形成されたコンタクトプラグ355を介して、ゲート電極351と電気的に接続されている。
なお、これらの導電部上には、例えば、SiO、SiN等の材料で構成された、図示しないパッシベーション膜が形成されていてもよい。
また、図1に示すように、第1の基板220の下面には、偏光板225が設けられている。
一方、第2の基板230は、その下面(液晶層240側の面)231に、複数の帯状をなす対向電極232が設けられている。これらの対向電極232は、互いに所定間隔をおいてほぼ平行に配置され、かつ、画素電極223に対向するように配列されている。
画素電極223と対向電極232とが重なる部分(この近傍の部分も含む)が1画素を構成し、これらの電極間で充放電を行うことにより、各画素毎に、液晶層240の液晶が駆動、すなわち、液晶の配向状態が変化する。
対向電極232も、前記画素電極223と同様に、透明性(光透過性)を有する透明導電膜により構成されている。
各対向電極232の下面には、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の有色層(カラーフィルター)233が設けられ、これらの各有色層233がブラックマトリックス234によって仕切られている。
ブラックマトリックス234は、遮光機能を有し、例えば、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、亜鉛、チタンのような金属、カーボン等を分散した樹脂等で構成されている。
また、第2の基板230の上面には、前記偏光板225とは偏光軸が異なる偏光板235が設けられている。
このような構成の液晶パネル20では、バックライト60から発せられた光は、偏光板225で偏光された後、第1の基板220および各画素電極223を介して、液晶層240に入射する。液晶層240に入射した光は、各画素毎に配向状態が制御された液晶により強度変調される。強度変調された各光は、有色層233、対向電極232および第2の基板230を通過した後、偏光板235で偏光され、外部に出射する。これにより、液晶表示装置10では、第2の基板230の液晶層240と反対側から、例えば、文字、数字、図形等のカラー画像(動画および静止画の双方を含む)を視認することができる。
<薄膜トランジスタの製造方法>
次に、薄膜トランジスタ1を製造する具体的な方法の一例について説明する。
図3、図4は、薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。なお、以下の説明では、図3、図4の上側を「上」、下側を「下」として説明する。
[1−1] まず、図3(a)に示すように、第1の基板220の上に半導体層(多結晶シリコン膜)314を形成する。
半導体層314は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、半導体層314を形成する領域に開口部を有するレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとして用いて、開口部に液状の半導体層形成用材料を塗布法により供給した後、所定の処理を施すことにより得ることができる。
なお、前記レジスト層は、第1の基板220上に、レジスト材料を塗布(供給)した後に、このレジスト材料を形成する半導体層314の形状に対応するフォトマスクを介して露光・現像することにより得ることができる。
レジスト材料を塗布する方法としては、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法のような各種塗布法が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、用いるレジスト材料は、ネガ型のレジスト材料およびポジ型のレジスト材料のいずれであってもよい。
レジスト層の除去は、例えば、大気圧または減圧下における酸素プラズマやオゾン蒸気により行うことができる。
また、半導体層形成用材料として、液体水素化ケイ素を用いる場合には、このものを塗布法により開口部に供給した後、次のような所定の処理を施すことにより半導体層(多結晶シリコン膜)314を得ることができる。
まず、開口部に供給した液体水素化ケイ素を乾燥させる。
次に、乾燥して得られた膜を焼成して、膜中の水素化ケイ素を熱分解させて、アモルファスシリコンへと反応させる
次に、アモルファスシリコンにより構成される膜にXeClなどのエキシマレーザーを照射してアニールすることにより、アモルファスシリコンを多結晶化させることにより半導体層(多結晶シリコン膜)314を得る。
その後、半導体層(多結晶シリコン膜)314にチャンネルドープを行うようにしてもよい。具体的には、全面に所定の量の不純物(例えば、n型導電層を形成する場合はPH3イオン)を打ち込んで拡散させるようにすればよい。
[1−2] 次に、図3(b)に示すように、第1コンタクトホール328、329を有するゲート絶縁膜326を形成する。
ゲート絶縁膜326は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、第1コンタクトホール328、329を形成する領域にレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとして用いて、半導体層314が形成された第1の基板220に液状のゲート絶縁膜形成用材料を塗布法により供給した後、所定の処理を施すことにより得ることができる。
例えば、ゲート絶縁膜326の構成材料の前駆体(以下、単に「前駆体」と言う。)を含有するゲート絶縁膜形成用材料を用いる場合には、前駆体をゲート絶縁膜326の構成材料に変化させる処理を行うようにすればよい。
この処理としては、前駆体の種類に応じて適宜選択され、特に限定されないが、例えば、加熱、紫外線の照射等が挙げられる。
なお、この処理に先立って、ゲート絶縁膜形成用材料の調製に用いた溶媒または分散媒の少なくとも一部を除去するようにしてよい。
具体的には、ゲート絶縁膜326が二酸化ケイ素を主成分とするものである場合、その前駆体としては、例えば、ジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラエトキシシラン、テトラキス(ヒドロカルビルアミノ)シラン、トリス(ヒドロカルビルアミノ)シラン等が挙げられ、酸化性雰囲気中で加熱すること等により、二酸化ケイ素に変化させることができる。
また、例えば、ゲート絶縁膜326の構成材料そのものを含有するゲート絶縁膜形成用材料を用いる場合には、液状材料中の溶媒または分散媒を除去する処理を行うようにすればよい。
溶媒または分散媒を除去する方法としては、例えば、加熱による方法、真空(減圧)乾燥、不活性ガスを吹付ける方法等が挙げられる。
[1−3] 次に、図3(c)に示すように、形成すべきチャンネル領域320の位置と対応するように絶縁膜326上にゲート電極351を形成する。
ゲート電極351は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、ゲート電極351を形成する領域に開口部を有するレジスト層を用いて、前記工程[1−1]で説明したのと同様の方法を用いて形成することができる。
なお、ゲート電極351を形成するための液状のゲート電極形成材料としては、例えば、有機金属化合物等を主成分とするものを用いることができる。
[1−4] 次に、ゲート電極351をマスクとして用いて、ソース領域316とドレイン領域318とに所定の量の不純物(例えば、p型導電層を形成する場合はB26イオン)の打ち込みを行う。
これにより、図3(d)に示すように、ゲート電極351の下部に対応する位置がチャンネル領域320となった半導体層314を得ることができる。
[1−5] 次に、図4(e)に示すように、第1コンタクトホール328および第1コンタクトホール329にそれぞれ連通する第2のコンタクトホール344および第2のコンタクトホール345と、第2のコンタクトホール346とを有する絶縁膜342を形成する。
絶縁膜342は、例えば、フォトリソグラフィー法等により、第2コンタクトホール344、345、346を形成する領域にレジスト層を形成した後、このレジスト層をマスクとして用いて、前記工程[1−2]で説明したのと同様の方法を用いて形成することができる。
[1−6] 次に、図4(f)に示すように、第1コンタクトホール328と第2のコンタクトホール344、第1コンタクトホール329と第2のコンタクトホール345、および、第2のコンタクトホール346をそれぞれ埋めるように、コンタクトプラグ350、コンタクトプラグ353、および、コンタクトプラグ355を形成する。
これにより、コンタクトプラグ350とソース領域316とが、コンタクトプラグ353とドレイン領域318とが、コンタクトプラグ355とゲート電極351とが、それぞれ、電気的に接続される。
このような、コンタクトプラグ350、353、355は、まず、各コンタクトホール内を埋めように、かつ、絶縁層342を覆うようにして、導電性材料を供給した後、導電性材料を絶縁層342の上面が露出するまで除去することにより形成することができる。
導電性材料としては、ゲート電極351の構成材料と同様のものを用いることができ、導電性材料の供給も、ゲート電極351を形成する際に用いた方法と同様に行うことができる。
また、導電性材料の除去方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウェットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[1−7] 次に、図4(g)に示すように、絶縁膜342上に、コンタクトプラグ350、コンタクトプラグ353、および、コンタクトプラグ355とが、それぞれ、電気的に接続するように、導電部352、導電部354(画素電極223)および導電部356を形成する。
導電部352および導電部356は、これらを形成する領域に開口部を有するレジスト層を用いて、前記工程[1−1]で説明したのと同様の方法を用いて形成することができる。
なお、導電部352および導電部356を形成するための材料としては、前述したゲート電極形成材料と同様のものを用いることができる。
また、導電部354(画素電極223)は、前述したように、それぞれ、透明性(光透過性)を有する透明導電膜(無機酸化物膜)により構成され、例えば、次のようにして形成される。
まず、前記工程[1−1]で説明したのと同様の方法を用いて、導電部354(画素電極223)を形成する領域に開口部を有するレジスト層を形成する。
次に、レジスト層をマスクとして用いて、この開口部に後述する本発明の成膜方法により無機酸化物膜を形成することにより導電部354(画素電極223)を得ることができる。
なお、薄膜トランジスタ1には、導電部352、354、356を覆うように、二酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)などで構成されたパッシベーション膜(図示せず)を形成するようにしてもよい。
以上のような工程により、薄膜トランジスタ1が形成される。
<成膜方法>
本発明者は、前述したような従来技術の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた。その結果、無機酸化物粒子を用いて高い膜強度を有する無機酸化物膜を形成するためには、無機酸化物膜を構成する無機酸化物粒子を小径化および/または粒形整形すること、換言すれば、無機酸化物粒子の集合物を緻密化することにより、この集合物における粒子間同士の接触面積を増大させることが有効であると考えた。
そして、かかる方法について、さらに検討を重ねた結果、工業的に製造することができる範囲で粒径の小さな無機酸化物粒子を基材上に堆積させた後、この無機酸化物粒子の表面を溶解する方法が、装置やコストの面で特に有効であるとの結論に至った。
また、無機酸化物粒子の溶解物で無機酸化物粒子の間を充填または粒子の表面を被覆した後、この溶解物を析出させることにより、すなわち、この集合物の空隙に溶解物を析出させた析出物を残存させることにより、集合物(得られる無機酸化物膜)の安定性が向上することも分かってきた。
さらに、析出物を酸化物に変化させる場合には、無機酸化物粒子と析出物とがともに酸化物により構成されることとなる。すなわち、得られる無機酸化物膜は、主として酸化物により構成されるものとなる。その結果、この無機酸化物膜の特性の向上を図ることができることも分かってきた。
本発明は、かかる知見に基づいてなされるものである。
以下、本発明の成膜方法の好適な実施形態について説明する。
図5、図6は、それぞれ、本発明の成膜方法を説明するための模式的な図(縦断面図)である。なお、以下の説明では、図5、図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図5、図6に示す成膜方法は、[2−1]基材上に無機酸化物粒子の集合物を膜状に形成する集合物形成工程と、[2−2]無機酸化物粒子を溶解し得る溶剤を集合物に供給して、無機酸化物粒子の溶解物で無機酸化物粒子同士の間を充填する充填工程と、[2−3]無機酸化物粒子の溶解物を析出させた析出物を無機酸化物粒子同士の間に残存させて、集合物を安定化する安定化工程と、[2−4]析出物を酸化物に変化させる処理を施す酸化処理工程を有する。
以下、各工程について順次説明する。
[2−1]集合物形成工程(第1の工程)
まず、基板(平板状の基材)7を用意し、この基板7上に無機酸化物粒子81aを堆積させて、無機酸化物粒子81aの集合物(以下、単に「集合物」という。)81を膜状に形成する。
この基板7の構成材料、形状、寸法等は、特に限定されない。
本発明の透明導電膜の形成方法を、前述したような液晶表示装置10の画素電極223、導電部354の形成に適用する場合には、基板7は、第1の基板220および第2の基板230で挙げたものが使用される。
ここで、集合物81を形成する際に用いる分散液80の調製に用いる分散媒、および、後述する溶剤82aの調製に用いる溶媒として、例えば、水、アルコール類、グリコール類等を用いる場合、基板7の無機酸化物膜8を形成する領域には、親水化処理(親液化処理)を施すようにしてもよい。これにより、分散液80および溶剤82aに対する濡れ性が高くなり、均一な厚さの無機酸化物膜8を形成することができる。
親水化処理としては、例えばプラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射等の物理活性化処理の他、界面活性剤、水溶性シリコン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の付与(塗布)等により行うことができる。
基板7上に集合物81を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、次のようにして行うことができる。
まず、無機酸化物粒子81aを含有する分散液80を、基板7上に供給する(図5(a)参照)。その後、乾燥、加熱処理(焼成)または減圧処理等を行うことにより、分散液80に含まれる分散媒を除去する。これにより、基板7上に無機酸化物粒子81aが堆積して、集合物81が膜状に形成される(図5(b)参照)。
かかる方法によれば、比較的容易かつ確実に基板7上に集合物81を形成することができる。
無機酸化物粒子81aは、主として無機酸化物で構成されるものであり、特に限定されるものではないが、本発明の電子デバイスを前述したような透過型液晶表示装置に適用した場合には、比較的高い透明性(光透過性)を有するものが好ましい。
具体的には、無機酸化物としては、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等の元素(原子)を含む酸化物が挙げられる。
これらの中でも、無機酸化物としては、特に、Sn、Ge、Mo、F、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、Teのうちの少なくとも1種を含有する酸化インジウム、Sb、F、Nb、Taのうちの少なくとも1種を含有する酸化スズ、Al、Co、Fe、In、Sn、Ti、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ge、Zr、Hfのうちの少なくとも1種を含有する酸化亜鉛が好ましい。これらの無機酸化物を選択することにより、これらを主材料とする無機酸化物粒子81aは、優れた導電性と透明性とを発揮するものとなる。そのため、このような無機酸化物粒子81aを用いて形成された無機酸化物膜8も、優れた導電性と透明性とを発揮することとなる。
また、以上のような無機酸化物粒子81aは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
なお、無機酸化物粒子81aとして、Snを含有する酸化インジウム(ITO)を主材料とする粒子を用いる場合には、インジウムとスズとの原子比(インジウム/スズ比)は、99/1〜80/20であるのが好ましく、97/3〜85/15であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
このような無機酸化物粒子81aの形状は、特に限定されないが、例えば、球状、針状、葉状であるのが好ましい。無機酸化物粒子81aとして、かかる形状を有するものを選択することにより、集合物81を形成した際に、無機酸化物粒子81a同士の接触面積を増大させることができる。その結果、後工程[2−3]において、集合物81を安定化させる際の安定度をより高くすることができる。
なお、球状の無機酸化物粒子81aを用いる場合、分散媒80に分散させる無機酸化物粒子81aの平均粒径は、2〜2000nmであるのが好ましく、30〜100nmであるのがより好ましい。無機酸化物粒子81aの平均粒径が小さ過ぎると、無機酸化物粒子81aの分散液80中での分散性が低下し、分散液80の調製や基板7上への供給(塗布)が困難になるおそれがある。一方、無機酸化物粒子81aの平均粒径が大き過ぎると、形成される無機酸化物膜8の形状が、無機酸化物粒子81aの形状に依存することとなり、その結果、無機酸化物膜8の膜厚が不均一なものになるおそれがある。
なお、他の形状の無機酸化物粒子81aを用いる場合、これらの無機酸化物粒子81aは、その最大長さの平均値が前記平均粒径の範囲となるようにするのが好ましい。
また、無機酸化物粒子81aは、それらをより確実に緻密化(密着)させる観点からは、単一の形状のものを用いるのが好ましいが、2種以上の異なる形状のものを組み合わせて用いるようにしてもよい。
分散液80の調製に用いる分散媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−またはi−プロパノール、n−、s−またはt−ブタノールのような単価アルコール類、エチレングリコール、トリメチレングリコールのようなグリコール類(多価アルコール類)、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、イソホロンのようなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、メトキシエタノール、エトキシエタノールのようなエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類、酸アミド類、芳香族炭化水素類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、分散媒としては、水、アルコール類、グリコール類等を用いるのが好ましい。これらの液体を用いることにより、分散液80中に無機酸化物粒子81aを良好に分散させることができ、基板7上への分散液80の供給を容易かつ確実に行うことができる。さらには、前述した親水化処理を施すことによる効果をより確実に得ることができる。
基板7上へ分散液80を供給する方法としては、特に限定されず、例えば、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、キャップコート法、ディスペンサー法、スプレーコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いるのが好適である。塗布法によれば、容易かつ確実に分散液80を基板7上に供給することができる。
なお、例えば、薄膜トランジスタ1の製造方法で説明したように、開口部を有するレジスト層をマスクとして用いて、導電部354(画素電極223)のような所定パターンの無機酸化物膜8を形成する場合には、塗布法としてインクジェット印刷法を用いるのが特に好ましい。インクジェット印刷法によれば、開口部に対して分散液80を選択的に供給できることから、分散液80がレジスト層上に無駄に供給されるのを確実に防止することができる。
また、分散液80中における無機酸化物粒子81aの含有量は、5〜90wt%程度であるのが好ましく、10〜30wt%程度であるのがより好ましい。無機酸化物粒子81aの含有量が少な過ぎると、目的とする厚さの無機酸化物膜8を形成するのに必要以上に時間と手間を要するおそれがある。一方、無機酸化物粒子81aの含有量が多過ぎると、無機酸化物粒子81aの分散液80中での分散性が低下し、分散液80の調製や基板7上への供給が困難になるおそれがある。
なお、集合物81の平均厚さは、目的とする無機酸化物膜8の厚さに応じて適宜設定される。
[2−2]充填工程(第2の工程)
次に、無機酸化物粒子81aを溶解し得る溶剤82aを集合物81に供給する(図5(c)参照)。
これにより、無機酸化物粒子81aの表面が溶解されることとなる。その結果、図6(d)に示すように、無機酸化物粒子81a同士の間、すなわち、集合物81の空隙81bを、溶剤82aに溶解した無機酸化物粒子81aの溶解物(以下、単に「溶解物」という。)で充填することができる。
なお、図6(d)に示したように、溶解物で空隙81bを充填する構成に限らず、溶解物で無機酸化物粒子81aの表面を被覆するような構成であってもよい。
また、無機酸化物粒子81aの表面が溶解される際には、その表面が溶解された無機酸化物粒子81a、すなわち、小径化および/または粒形整形された無機酸化物粒子81aが、基板7上において密集することとなる。換言すれば、集合物81は、基板7上において、緻密化することとなる。これにより、無機酸化物粒子81a間同士の接触面積の増大を図ることもできる。
溶剤82aとしては、無機酸化物粒子81aの表面を溶解し得るものであれば、いかなるものを用いてもよく、特に限定されないが、酸またはアルカリ溶液を用いることが好ましい。かかる溶液を用いることにより、無機酸化物粒子81aを構成する無機酸化物を容易にイオン等の溶解物に変化させて、溶剤82a中に溶解(溶出)させることができる。
具体的には、酸溶液としては、塩酸、硝酸、硫酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸のような無機酸や、酢酸、クエン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸のうちの1種または2種以上を組み合わせたものを含有する溶液が挙げられる。
また、アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニアのような無機アルカリや、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミンのような有機アルカリのうちの1種または2種以上を組み合わせたものを含有する溶液が挙げられる。
溶剤82a中における酸またはアルカリの含有量は、用いる酸またはアルカリの種類によっても若干異なるが、1〜8mol/l程度であるのが好ましく、3〜6mol/l程度であるのがより好ましい。酸またはアルカリの含有量を前記範囲内とすることにより、無機酸化物粒子81aの表面を確実に溶解させることができる。
また、溶剤82aを調製する際に用いる溶媒としては、前記工程[2−1]で説明した分散液80を調製する際に用いる分散媒と同様のものを用いることができる。
これらの中でも、溶媒としても、水、アルコール類、グリコール類等を用いるのが好ましい。これらの液体を用いることにより、溶媒中に酸またはアルカリを良好に溶解させることができ、基板7上に形成された集合物81への供給を容易かつ確実に行うことができる。さらには、前述した親水化処理を施すことによる効果をより確実に得ることができる。
溶剤82aを集合物81に供給する方法としては、特に限定されず、例えば、前記工程[2−1]で説明した各種塗布法を用いることができるが、図5(c)に示したように、特に、溶剤82aをミストとして供給するのが好ましい。かかる方法を用いることにより、無機酸化物粒子81a同士の間すなわち集合物81の空隙81bにミストとなった溶剤82aを均一な割合で入り込ませることができる。その結果、各無機酸化物粒子81aにおいて、その表面が溶解される速さがほぼ一定なものとなり、無機酸化物粒子81aの表面を溶解した後におけるこれらの粒径をほぼ均一なものとすることができる。
また、溶剤82aをミストとする方法としては、例えば、溶剤82aに超音波を付与する方法(超音波法)、溶剤82aを噴霧する方法(噴霧法)等が挙げられる。
なお、超音波法により溶剤82aをミスト化する際には、超音波の周波数を、溶剤82aの粘度、比重等に応じて適宜設定すればよい。
ここで、無機酸化物粒子81aの表面を溶解する前後における無機酸化物粒子81aの平均粒径を、それぞれA[nm]、B[nm]としたとき、B/Aが0.2〜0.95なる関係を満足するのが好ましく、0.4〜0.6なる関係を満足するのがより好ましい。かかる関係を満足することにより、溶解物で確実に無機酸化物粒子81a同士の間(空隙81b)を充填すること、または無機酸化物粒子81aの表面を被覆することができる。その結果、次工程[2−3]において、溶解物を析出させた析出物で、確実に無機酸化物粒子81a同士を継ぎ止めること、すなわち、集合物81を安定化させることができる。さらに、無機酸化物粒子81aを確実に小径化および/または粒形整形して密集させることができる。その結果、集合物81における無機酸化物粒子81a間同士の接触面積を好適に増大させることができる。
また、溶剤82aを集合物81に供給する際には、集合物81および/または溶剤82aに振動を与えるようにするのが好ましい。これにより、無機酸化物粒子81a同士の間すなわち集合物81の空隙81bに溶剤82aをより確実に入り込ませることができる。また、集合物81に振動を与えると、表面が溶解して小径化および/または粒形整形された無機酸化物粒子81a同士をより確実に密集させる効果も得られる。
また、集合物81および/または溶剤82aに振動を与える方法としては、例えば、集合物81および/または溶剤82aに超音波を付与する方法や、基板7に振動子を接触させる方法等が挙げられるが、超音波を付与する方法を用いるのがより好ましい。かかる方法によれば、集合物81および/または溶剤82aに振動をより容易かつ確実に与えることができる。
また、超音波の周波数は、1〜1×10kHz程度であるのが好ましく、10〜1×10kHz程度であるのがより好ましい。これにより、無機酸化物粒子81aをより確実に密集させることができる。
なお、本実施形態では、溶剤82aを供給する方法として、前記工程[2−1]において、分散液80に含まれる分散媒のほぼ全てを除去した後、本工程において、新たに調製した溶剤82aを基板7に供給する場合について説明したが、このような方法に限定されるものではない。
例えば、分散液80に含まれる分散媒の少なくとも一部を残存させた状態で、この分散媒に溶剤82aの調製に用いる溶質を溶解させることにより溶剤82aを得る方法を用いることができる。この方法としては、例えば、ガス状の溶質に分散媒を接触させる方法が挙げられる。
かかる方法によれば、分散媒を除去する工程を簡略化できることから、手間とコストの低減を図ることができるという利点もある。
なお、ガス状の溶質としては、特に限定されないが、例えば、二酸化窒素、一酸化窒素、塩酸、二酸化硫黄、フッ化水素、臭化水素およびヨウ化水素等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態では、溶剤82aを集合物81に供給することにより、小径化および/または粒形整形された無機酸化物粒子81aが、基板7上において密集する場合について説明したが、このような場合に限定されず、例えば、無機酸化物粒子81aと溶剤82aとの比重の関係等によっては、溶剤82a中に無機酸化物粒子81aが分散(浮遊)したような状態であってもよい。そして、この状態を維持したまま次工程[2−3]で安定化されていてもよい。
[2−3]安定化工程(第3の工程)
次に、溶解物から、液性成分(気化し得る成分)を除去して、析出物82bを析出させて、図6(e)に示すように、無機酸化物粒子81a同士の間、すなわち、集合物81の空隙81bに残存させる。
これにより、この析出物82bが空隙81bにおいて無機酸化物粒子81a同士、さらには無機酸化物粒子81aと基板7とを継ぎ止めるバインダーとして機能して、集合物81を安定化させることができる。
ここで、安定化とは、集合物81の形状が変形しない程度に、析出物82bにより無機酸化物粒子81a同士が固定されている状態のことを言う。
なお、集合物81をより安定化させるという観点からは、図6(e)に示すように、空隙81bのほぼ全てが析出物82bにより満たされているのが好ましいが、空隙81bの一部に析出物82bが残存すれば、すなわち、無機酸化物粒子81aの表面を析出物82bにより被覆すれば集合物81を十分に安定化させることが可能である。
このように、本発明の成膜方法によれば、緻密化された集合物81の空隙81bに析出物82bが残存する無機酸化物膜8を得ることができる。このような無機酸化物膜8は、集合物81の安定化がなされているため、高い密着性および膜強度を有するものとなる。
また、析出物82bは、無機酸化物粒子81aの溶解物を析出することにより得られたものであり、無機酸化物の構成元素を含んでいる。このため、このような析出物82bを空隙81bに残存させてなる無機酸化物膜8は、集合物81の空隙81bに、無機酸化物と全く異なる組成の材料(例えば樹脂バインダー等)を充填した無機酸化物膜と比較して、高い特性を有するものとなる。したがって、このような無機酸化物膜8を備える前述したような透過型液晶表示装置10(本発明の電子デバイス)も、信頼性の高いものとなる。
具体的には、析出物82bとしては、溶剤82aの構成成分によっても異なるが、例えば、各前記元素(原子)の塩やアルコキシド、または、これらの誘導体や錯体等が挙げられる。
塩としては、例えば、ハロゲン化物、蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等が挙げられる。アルコキシドとしては、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。
また、誘導体としては、例えば、水和物、中和または加水分解により得られる水酸化物等が挙げられる。錯体としては、例えば、α−またはβ−ジケトン類、α−またはβ−ケト酸類、α−またはβ−ケト酸エステル類、アミノアルコール類等とのキレート化合物が挙げられる。
また、析出物82bを空隙81bに残存させる方法、すなわち、溶解物から液性成分を除去して析出物82bを析出させる方法としては、例えば、室温での放置、減圧または加熱等により行うことができるが、これらの中でも、加熱により行うことが好ましい。加熱によれば、大掛かりな装置等を用いることなく、比較的容易かつ確実に液性成分を除去することができる。
液性成分を除去する際の温度は、溶剤82aの種類等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、30〜100℃程度であるのが好ましく、40〜70℃程度であるのがより好ましい。
また、液性成分を除去する際の時間も、特に限定されず、温度を前記範囲とする場合、10秒〜60分程度であるのが好ましく、5〜10分程度であるのがより好ましい。
また、液性成分を除去する際の雰囲気は、酸化性雰囲気、非酸化性雰囲気、還元性雰囲気のいずれであってもよい。
[2−4]酸化工程(第4の工程)
次に、析出物82bに所定の処理を施すことにより、この析出物82bを酸化物82cに変化させる(図6(f)参照)。
これにより、無機酸化物粒子81a同士が酸化物82cを介して接合された状態となる。無機酸化物粒子81aと酸化物82cとは密着性が高いため、無機酸化物粒子81a同士が酸化物82cを介して接合されてなる無機酸化物膜8は、より膜強度が優れたものとなる。
また、無機酸化物膜8のほぼ全ての領域を酸化物により構成させることができることから、無機酸化物膜8全体としての特性の均質化を図ることができる。
さらに、酸化物82cとしては、無機酸化物粒子81aを構成する無機酸化物と同一組成のものが形成されているのが特に好ましい。これにより、無機酸化物粒子81aと酸化物82cとの特性の差がなくなり、無機酸化物膜全体としての特性の向上を図ることができる。
ここで、酸化物82cを、無機酸化物粒子81aを構成する無機酸化物と同一組成のものとするには、前記工程[2−2]で用いる溶剤82aの種類を適宜選択するようにすればよい。
かかる溶剤82aとしては、析出物82bに対して後述するような所定の処理を施すことにより、溶剤82aに由来する元素が、ほぼ完全に無機酸化物膜8中から除去され得るものが好ましい。
なお、この場合、無機酸化物粒子81aを構成する無機酸化物と、酸化物82cとは、それらの組成比が若干異なるものであってもよく、同一であってもよい。
析出物82bを酸化物82cに変化させる所定の処理としては、例えば、酸化性雰囲気において、マイクロ波、レーザー光、赤外線または紫外線等のうちの少なくとも1種を照射する照射処理や、酸化性雰囲気における加熱処理等を用いることができる。
照射処理によれば、基板7に照射することなく、選択的に析出物82bに照射して、析出物82bを酸化物82cに変化させることができる。
加熱処理によれば、析出物82bを容易かつ安価に酸化物82cとすることができる。
例えば、析出物82bが無機物塩である場合には、照射処理や加熱処理により無機物塩から塩が離脱するとともに、雰囲気中の酸素により酸化され、無機酸化物が生成する。
加熱温度は、50〜500℃程度であるのが好ましく、150〜350℃程度であるのがより好ましい。加熱温度が低過ぎると、析出物82bの酸化物82cへの変化が十分に進行しないおそれがある。一方、加熱処理の温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果が見込めない。
加熱時間は、1〜120分程度であるのが好ましく、5〜60分程度であるのがより好ましい。前記範囲の加熱時間で、析出物82bの酸化物82cへの変化を十分に進行させることができる。
また、前記工程[2−3]と本工程とをともに加熱処理を選択して行うこと、すなわち、溶解物からの析出物82bの析出と、析出物82bの酸化とをともに加熱により行うことにより、これらの工程を連続的に行うことができる。その結果、手間とコストの低減を図ることができるという利点もある。
なお、加熱処理は、複数回に繰り返し行ってもよく、この場合、各熱処理における熱処理条件は、同一であっても異なっていてもよい。
また、本工程[2−4]の前において得られた無機酸化物膜8において、目的とする特性が得られている場合には、本工程[2−4]を省略するようにしてもよい。
以上説明した本発明によれば、予め用意する無機酸化物粒子81aの形状が歪な形状のもの等であっても、充填工程[2−2]において、無機酸化物粒子81aの粒形整形がなされるため、無機酸化物粒子81aの表面の凹凸が緩和または消失して、無機酸化物粒子81a同士の接触面積を確実に増大させること、すなわち、集合物81の緻密化を確実に行うことができる。
<電子機器>
本発明の電子デバイスは、各種電子機器の表示部に用いることができる。
図7は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が前述の液晶表示装置(電気光学装置)10を備えている。
図8は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、前述の液晶表示装置(電気光学装置)10を表示部に備えている。
図9は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、前述の液晶表示装置10が表示部に設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が液晶表示装置10に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図7のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図8の携帯電話機、図9のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の成膜方法、電子デバイス用基板、電子デバイス、電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、透過型液晶表示装置が備える導電部および画素電極を形成する方法について説明したが、本発明の成膜方法は、これに限定されず、いかなる膜を形成する場合に適用してもよい。例えば、本発明の成膜方法を、前述したようなゲート電極、ゲート絶縁膜および絶縁膜等の形成に適用してもよい。
また、本発明の電子デバイスは、液晶パネルの適用に限定されるものではない。例えば、有機EL素子、電気泳動表示装置等に適用してもよく、本発明の成膜方法は、これらの表示装置を構成する膜に適用してもよい。
また、本発明の成膜方法は、前述したような電子デバイスの製造に適用するものに限定されず、例えば、装飾品の製造等の膜の形成(成膜)に適用してもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
A.透明導電膜
以下のようにして、実施例A1〜A4および比較例Aにおいて、それぞれ、透明導電膜をガラス基板上に10個ずつ形成した。
(実施例A1)
<1−1> ガラス基板を用意し、このガラス基板の透明導電膜を形成する領域に、大気圧プラズマにより発生させた活性酸素による親水化処理を施した。
なお、この親水化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、O流量:80sccmとした。
<1−2> 次に、ITO粒子(平均粒径:20nm)の含有量が10wt%となるように、エタノールに分散させて、分散液を調製した。
なお、ITO粒子は、インジウム/スズ(原子比)=92.5/7.5のものを用いた。
<1−3> 次に、この分散液を、スピンコート法により、ガラス基板上に塗布した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒で行った。
<1−4> 次に、ガラス基板上に塗布した分散液を、大気(酸化性雰囲気)中、温度150℃×時間5分で、ホットプレートにて乾燥して集合物を得た。
<1−5> 次に、集合物に周波数1×10kHzの超音波を付与した状態で、集合物に対して6mol/lの硝酸水溶液をスプレーにより噴霧することにより、ITO粒子を小径化させた。なお、小径化させた後のITO粒子の平均粒径は、16nmであった。
<1−6> 次に、この集合物を大気(酸化性雰囲気)中、温度50℃×時間5分で、ホットプレートにて乾燥して透明導電膜を得た。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約80nmであった。
(実施例A2)
<2−1> 前記工程<1−1>と同様の工程を行った。
<2−2> 前記工程<1−2>〜工程<1−6>と同様の工程を行った。
<2−3> 次に、得られた透明導電膜に対して大気(酸化性雰囲気)中、温度350℃×時間60分で、ホットプレートにて加熱処理を施した。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約80nmであった。
(実施例A3)
<3−1> 前記工程<1−1>と同様の工程を行った。
<3−2> 前記工程<1−2>〜工程<1−3>と同様の工程を行った。
<3−3> 次に、ガラス基板上に塗布した分散液を、臭化水素雰囲気下に30分間曝露することにより、ITO粒子を小径化させた。なお、小径化させた後のITO粒子の平均粒径は、14nmであった。
<3−4> 次に、この集合物を大気(酸化性雰囲気)中、温度50℃×時間5分で、ホットプレートにて乾燥して透明導電膜を得た。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約75nmであった。
(実施例A4)
<4−1> 前記工程<1−1>と同様の工程を行った。
<4−2> 前記工程<3−2>〜工程<3−4>と同様の工程を行った。
<4−3> 次に、得られた透明導電膜に対して大気(酸化性雰囲気)中、温度350℃×時間60分で、ホットプレートにて加熱処理を施した。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約75nmであった。
(比較例A)
<5−1> 前記工程<1−1>と同様の工程を行った。
<5−2> 前記工程<1−2>〜工程<1−3>と同様の工程を行った。
<5−3> 次に、ガラス基板上に塗布した分散液を大気(酸化性雰囲気)中、温度350℃×時間60分で、ホットプレートにて加熱処理を施して透明導電膜を得た。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約85nmであった。
[評価1]
各実施例および比較例で形成した透明導電膜について、それぞれ、表面抵抗値、波長550nmの光の透過率を測定し、それぞれ、10個の平均値を求めた。
その結果を表1に示す。
Figure 2006245516
表1に示すように、各実施例の透明導電膜は、比較例に対して、表面抵抗値が低く、導電性に優れるものであった。
[評価2]
各実施例および比較例で形成した透明導電膜上に、それぞれ、60nmのポリイミド膜を形成した後、このポリイミド膜に対して、ラビング装置を用いてラビング処理を施した。
なお、ラビング処理の条件は、押込み量:0.4mm、回転数:600rpm、送り込み速度:1m/minとした。
そして、目視にてポリイミド膜と透明導電膜との剥離の有無を観察した結果、各実施例で形成された透明導電膜では、いずれも、ポリイミド膜の剥離部分が観察されなかったのに対し、比較例で形成された透明導電膜では、ポリイミド膜の剥離部分の存在が確認されるとともに、この剥離部分に透明導電膜の一部が付着していた。
この結果は、各実施例で形成された透明導電膜が高い密着性および膜強度を有するものであり、その結果、ポリイミド膜との密着性が向上したことを示すものと推察される。
B.液晶表示装置
次に、所定パターンの透明導電膜(導電部354(画素電極223))を、前記実施例A1〜A4および比較例Aと同様にして形成して、それぞれ、図1に示すような液晶表示装置(実施例B1〜B4および比較例B)を製造した。
(実施例B1)
[I] ガラス基板を用意し、このガラス基板の透明導電膜を形成する面に、大気圧プラズマにより発生させた活性酸素による親水化(親液化)処理を施した。
なお、この親水化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、O流量:80sccmとした。
[II] 次に、ガラス基板の透明導電膜を形成する面に、ネガ型のレジスト材料(東京応化工業株式会社製、「TELR−N101PM」)を、スピンコート法により塗布した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒とした。
次いで、形成すべき透明導電膜の形状に対応した開口部を有するフォトマスクを介して、i線(波長:365nm、強度:120mJ/cm)を照射した後、NMD−W(現像液)により現像した。これにより、レジスト層を得た。
なお、露光時間(i線の照射時間)は、20秒とし、現像時間は、90秒とした。
[III] 次に、真空状態(減圧状態)で、レジスト層を加熱しつつ表面に紫外線(波長:254nm)を照射した。
なお、真空度は、3Torrとし、レジスト層の加熱温度は、100℃とし、紫外線の照射時間は、2分とした。
[IV] 次に、レジスト層の表面に、大気圧プラズマにより発生させた活性フッ素による撥液化処理を3秒間施した。
なお、この撥液化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、CF流量:100sccmとした。
[V] 次に、前記工程<1−2>〜工程<1−6>と同様の工程を行った。
[VI] 次に、酸素プラズマ処理および有機剥離液によりレジスト層を除去した。これにより、透明導電膜を得た。
(実施例B2)
前記工程[V]において、前記工程<2−2>〜工程<2−3>と同様の工程を行って、透明導電膜を形成した。
(実施例B3)
前記工程[V]において、前記工程<3−2>〜工程<3−4>と同様の工程を行って、透明導電膜を形成した。
(実施例B4)
前記工程[V]において、前記工程<4−2>〜工程<4−3>と同様の工程を行って、透明導電膜を形成した。
(比較例B)
前記工程[V]において、前記工程<5−2>〜工程<5−3>と同様の工程を行って、透明導電膜を形成した。
透明導電膜を、前記実施例A1〜A4と同様にして形成した液晶表示装置(実施例B1〜B4)は、いずれも、応答速度が速く、色ムラ等の発生も認められなかった。
これに対し、透明導電膜を、前記比較例Aと同様にして形成した液晶表示装置(比較例B)は、透明導電膜の比抵抗率が1×10−1〜1×10−2Ω・cmと高低効率であった。このため、液晶素子特有のCR時定数が増加、画像信号に対する反応時間が長いもの(低応答速度)であった。また、色ムラの発生も生じた。
さらに、このような現象は、経時的に顕著となった。
本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す分解斜視図である。 図1に示す透過型液晶表示装置の薄膜トランジスタ付近の拡大縦断面図である 薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。 薄膜トランジスタの形成方法の好適な実施形態を示す断面図である。 本発明の成膜方法を説明するための模式的な図(縦断面図)である。 本発明の成膜方法を説明するための模式的な図(縦断面図)である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 従来の方法によって形成された透明導電膜を示す模式図である。
符号の説明
1‥‥薄膜トランジスタ 10‥‥液晶表示装置 20‥‥液晶パネル 220‥‥第1の基板 221‥‥上面 223‥‥画素電極 224‥‥走査線 225‥‥偏光板 228‥‥信号線 230‥‥第2の基板 231‥‥下面 232‥‥対向電極 233‥‥有色層 234‥‥ブラックマトリックス 235‥‥偏光板 240‥‥液晶層 60‥‥バックライト 314……半導体層(多結晶シリコン膜) 316……ソース領域 318……ドレイン領域 320……チャンネル領域 326……ゲート絶縁膜 328……第1コンタクトホール 329……第1コンタクトホール 342……絶縁層 344……第2コンタクトホール 345……第2コンタクトホール 346……第2コンタクトホール 350……コンタクトプラグ 351……ゲート電極 352……導電部 353……コンタクトプラグ 354……導電部 355……コンタクトプラグ 356……導電部 7……基板 8……無機酸化物膜 80……分散液 81……集合物 81a……無機酸化物粒子 81b……空隙 82a……溶剤 82b……析出物 82c……酸化物 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース(ボディー) 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥回路基板 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥データ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ 110‥‥透明導電膜 120‥‥導電性粒子 130‥‥空隙

Claims (20)

  1. 基材上に無機酸化物粒子を堆積させて、前記無機酸化物粒子の集合物を膜状に形成する第1の工程と、
    前記無機酸化物粒子を溶解し得る溶剤を前記集合物に供給し、前記無機酸化物粒子の表面を溶解させ、前記無機酸化物粒子の溶解物で前記無機酸化物粒子同士の間を充填または前記無機酸化物粒子の表面を被覆する第2の工程と、
    前記溶解物を析出させた析出物で、前記集合物を安定化する第3の工程とを有することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記第1の工程において、前記無機酸化物粒子を含有する分散液を前記基材上に供給することにより前記集合物を形成する請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記分散液における、前記無機酸化物粒子の含有量は、5〜90wt%である請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記無機酸化物粒子は、球状、針状または葉状をなしている請求項1ないし3のいずれかに記載の成膜方法。
  5. 前記第2の工程において、前記無機酸化物粒子の表面を溶解する前後における前記無機酸化物粒子の平均粒径を、それぞれA[nm]、B[nm]としたとき、B/Aが0.2〜0.95なる関係を満足する請求項1ないし4のいずれかに記載の成膜方法。
  6. 前記第2の工程において、前記無機酸化物粒子の表面を溶解する前における前記無機酸化物粒子の平均粒径は、2〜2000nmである請求項1ないし5のいずれかに記載の成膜方法。
  7. 前記溶剤は、酸またはアルカリ溶液である請求項1ないし6のいずれかに記載の成膜方法。
  8. 前記第2の工程において、前記溶剤をミストとして前記集合物に供給する請求項1ないし7のいずれかに記載の成膜方法。
  9. 前記第2の工程において、前記集合物および/または前記溶剤に振動を与えつつ、前記溶剤を前記集合物に供給する請求項1ないし8のいずれかに記載の成膜方法。
  10. 前記振動は、前記集合物および/または前記溶剤に超音波を付与することにより行われる請求項9に記載の成膜方法。
  11. 前記第3の工程は、前記集合物を加熱することにより行われる請求項1ないし10のいずれかに記載の成膜方法。
  12. 前記第3の工程の後、前記析出物を酸化物に変化させる処理を施す第4の工程を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の成膜方法。
  13. 前記酸化物と、前記無機酸化物粒子を構成する無機酸化物とは、同一組成のものである請求項12に記載の成膜方法。
  14. 前記析出物を酸化物に変化させる処理は、加熱処理である請求項12または13に記載の成膜方法。
  15. 前記析出物を酸化物に変化させる処理は、マイクロ波、レーザー光、赤外線および紫外線のうちの少なくとも1種を照射する照射処理である請求項12または13に記載の成膜方法。
  16. 請求項1ないし15のいずれかに記載の成膜方法により成膜された無機酸化物膜を備えることを特徴とする電子デバイス用基板。
  17. 前記無機酸化物膜は、透明導電膜である請求項16に記載の電子デバイス用基板。
  18. 前記透明導電膜は、その表面抵抗値が100Ω/□以下である請求項17に記載の電子デバイス用基板。
  19. 請求項16ないし18のいずれかに記載の電子デバイス用基板を備えることを特徴とする電子デバイス。
  20. 請求項19に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2010038566A1 (ja) * 2008-09-30 2012-03-01 コニカミノルタホールディングス株式会社 薄膜トランジスタおよびその製造方法

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