JP2005100941A - 透明導電膜、透明導電膜の形成方法、電子デバイスおよび電子機器 - Google Patents

透明導電膜、透明導電膜の形成方法、電子デバイスおよび電子機器 Download PDF

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孝 小池
Mitsuru Sato
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Abstract

【課題】各種膜特性(特に膜表面モフォロジー)に優れる透明導電膜、かかる透明導電膜を形成し得る透明導電膜の形成方法、信頼性の高い電子デバイスおよび電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の透明導電膜は、無機酸化物を主とする導電性粒子81aで構成された多孔質膜81と、多孔質膜81が有する空隙81bを埋め、かつ、その表面の凹凸が緩和または消失するように供給された導電性物質82とを有する。多孔質膜81の表面粗さRaをA[nm]とし、透明導電膜8の表面粗さRaをB[nm]としたとき、B/Aが0.8以下なる関係を満足するのが好ましい。具体的には、透明導電膜81の表面粗さRaは、0.1〜20nmであるのが好ましい。
【選択図】図2



Description

本発明は、透明導電膜、透明導電膜の形成方法、電子デバイスおよび電子機器に関するものである。
例えば液晶画像表示装置では、液晶を駆動する画素電極および走査電極として透明導電膜が設けられている。
この透明導電膜の形成方法としては、酸化インジウムや酸化錫等の光透過性を有する導電性材料を、例えば蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等によって基板上に被着する乾式プロセスがある。しかし、これらの方法は、大がかりな装置が必要であり、また成膜に要する消費エネルギーが大きく、高コストになる等の問題がある。
これに対して、酸化インジウムや酸化錫等よりなる導電性粒子を水系の分散媒に分散された塗液を、基板上に塗布した後、熱処理することにより、透明導電膜を形成する湿式プロセスは、簡易な設備で透明導電膜を形成することができ、実用性の高い方法として期待される(例えば、特許文献1参照)。
ところが、この湿式プロセスで形成される透明導電膜110は、図10に示すように、導電性粒子120同士の接触が点接触であるとともに、導電性粒子120同士の接触に不十分な部分が生じてしまい、この部分に大きな空隙130が形成される。
このため、湿式プロセスで形成される透明導電膜110は、乾式プロセスにより形成された透明導電膜に比べて、膜表面モフォロジーが悪く、透明導電膜と接触する他の層(部材)との密着性が低いこと、膜強度が低いことや、抵抗値が高いこと等の問題がある。
特開平5−290634号公報
本発明の目的は、各種膜特性(特に膜表面モフォロジー)に優れる透明導電膜、かかる透明導電膜を形成し得る透明導電膜の形成方法、信頼性の高い電子デバイスおよび電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の透明導電膜は、無機酸化物を主とする導電性粒子で構成された多孔質膜と、
該多孔質膜が有する空隙を埋め、かつ、その表面の凹凸が緩和または消失するように供給された導電性物質とを有することを特徴とする。
これにより、各種膜特性(特に膜表面モフォロジー)に優れるものとなる。
本発明の透明導電膜では、前記多孔質膜の表面粗さRaをA[nm]とし、前記透明導電膜の表面粗さRaをB[nm]としたとき、B/Aが0.8以下なる関係を満足することが好ましい。
これにより、透明導電膜の表面はより平坦となり、透明導電膜上に設けられる層(部材)との密着性をより向上させることができる。
本発明の透明導電膜では、前記透明導電膜の表面粗さRaは、0.1〜20nmであることが好ましい。
透明導電膜の表面粗さRaを小さくすることにより、透明導電膜上に設けられる層(部材)との密着性の向上が顕著に発揮される。
本発明の透明導電膜では、前記導電性粒子の平均粒径は、2〜2000nmであることが好ましい。
これにより、多孔質膜形成用材料の取り扱いが容易となるとともに、形成された透明導電膜を、より導電性、膜強度および密着性に優れたものとすることができる。
本発明の透明導電膜では、前記導電性物質は、無機酸化物を主とするものであることが好ましい。
無機酸化物を主材料とする導電性物質は、特に高い導電性と透明性とを有する。
本発明の透明導電膜では、前記導電性粒子の主材料である無機酸化物と、前記導電性物質の主材料である無機酸化物とは、同種のものであることが好ましい。
これにより、導電性粒子(多孔質膜)と導電性物質との密着性が向上し、形成された透明導電膜は、より導電性および膜強度が優れたものとなる。
本発明の透明導電膜は、その比抵抗率が1×10−2Ω・cm以下であることが好ましい。
これにより、電子デバイスを構築した際に、かかる電子デバイスをより応答速度の速いものとすることができる。
本発明の透明導電膜の形成方法は、本発明の透明導電膜を形成する透明導電膜の形成方法であって、
前記多孔質膜の空隙を埋め、かつ、前記多孔質膜の表面を覆うように、前記導電性物質となる導電性物質前駆体と液体とを含む液状材料を供給する第1の工程と、
前記導電性物質前駆体を導電性物質に変化させる第2の工程とを有することを特徴とする。
これにより、各種膜特性(特に膜表面モフォロジー)に優れる透明導電膜が得られる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記第1の工程において、前記液状材料の前記多孔質膜への供給は、塗布法により行われることが好ましい。
塗布法によれば、容易かつ確実に、多孔質膜の空隙を塞ぐように、液状材料を供給することができる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記導電性物質前駆体は、加熱により前記導電性物質へ変化するものであることが好ましい。
加熱により導電性物質に変化する導電性物質前駆体を用いることにより、大掛かりな設備を必要とせず、比較的容易に、導電性物質を得ること、すなわち、透明導電膜を形成することができる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記第2の工程に先立って、前記液状材料に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去する液体除去工程を有することが好ましい。
これにより、導電性物質前駆体の導電性物質への変化を、より確実かつ迅速に進行させることができる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記第1の工程に先立って、無機酸化物を主とする導電性粒子を含む液状材料を用いて、前記多孔質膜を形成する多孔質膜形成工程を有することが好ましい。
かかる方法によれば、比較的容易に多孔質膜を形成することができる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記多孔質膜形成工程に先立って、形成すべき前記透明導電膜の形状に対応するパターンの開口部を有するマスクを形成するマスク形成工程を有することが好ましい。
これにより、寸法精度の高い透明導電膜が得られる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記マスクは、その少なくとも表面が撥液性を有するものであることが好ましい。
これにより、マスクの開口部内面よりマスクの表面に対する、透明導電膜形成用の液状材料の濡れ性を低下させることができる。この濡れ性の違いにより、液状材料を無駄なく開口部内に供給することができ、より寸法精度の高い透明導電膜を形成することができる。また、液状材料がマスクの表面に付着するのを防止することができるため、マスクを除去する場合には、これをより容易かつ確実に行うことができる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記マスクを用いて、少なくとも前記多孔質膜形成工程と前記第1の工程とが行われることが好ましい。
これにより、十分に寸法精度の高い透明導電膜が得られる。
本発明の透明導電膜の形成方法では、前記第2の工程の後、前記マスクを除去するマスク除去工程を有することが好ましい。
これにより、より寸法精度の高い透明導電膜が得られる。
本発明の電子デバイスは、本発明の透明導電膜を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子デバイスが得られる。
本発明の電子デバイスは、本発明の透明導電膜の形成方法により得られた透明導電膜を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子デバイスが得られる。
本発明の電子機器は、本発明の電子デバイスを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
以下、本発明の透明導電膜、透明導電膜の形成方法、電子デバイスおよび電子機器の好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、以下では、本発明の電子デバイスを、アクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用した場合を一例として説明する。
<透過型液晶表示装置の構成>
図1は、本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す分解斜視図である。
なお、図1では、図が煩雑となるのを避けるため一部の部材を省略している。また、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す透過型液晶表示装置1(以下、単に「液晶表示装置1」と言う。)は、液晶パネル(表示パネル)2と、バックライト(光源)6とを有している。
この液晶表示装置1は、バックライト6からの光を液晶パネル2に透過させることにより画像(情報)を表示し得るものである。
液晶パネル2は、互いに対向して配置された第1の基板22と第2の基板23とを有し、これらの第1の基板22と第2の基板23との間には、表示領域を囲むようにしてシール材(図示せず)が設けられている。
そして、これらの第1の基板22、第2の基板23およびシール材により画成される空間には、電気光学物質である液晶が収納され、液晶層(中間層)24が形成されている。すなわち、第1の基板22と第2の基板23との間に、液晶層24が介挿されている。
なお、図示は省略したが、液晶層24の上面および下面には、それぞれ、例えばポリイミド等で構成される配向膜が設けられている。これらの配向膜により液晶層24を構成する液晶分子の配向性(配向方向)が規制されている。
第1の基板22および第2の基板23は、それぞれ、例えば、各種ガラス材料、各種樹脂材料等で構成されている。
第1の基板22は、その上面(液晶層24側の面)221に、マトリックス状(行列状)に配置された複数の画素電極223と、X方向に延在する信号電極224とが設けられ、1列分の画素電極223の各々が1本の信号電極224に、それぞれ、TFD素子(スイッチング素子)222を介して接続されている。
画素電極223は、透明性(光透過性)を有する透明導電膜(本発明の透明導電膜)により構成されている。この透明導電膜は、後述する本発明の透明導電膜の形成方法により形成される。
TFD素子222は、信号電極224から引き出された引き出し部228上に、絶縁膜を介して金属層229が積層されて構成され、金属層229が画素電極223に接続されている。なお、このTFD素子222は、金属/絶縁体/金属のサンドイッチ構造を採るため、正負双方向のダイオードスイッチング特性を有することになる。
なお、スイッチング素子には、TFD素子222に代わり、TFT素子を用いることもでき、この場合、スイッチング素子は、正負双方向のトランジスタスイッチング特性を有することになる。
また、第1の基板22の下面には、偏光板225が設けられている。
一方、第2の基板23は、その下面(液晶層24側の面)231に、複数の帯状をなす走査電極232が設けられている。これらの走査電極232は、信号電極224とほぼ直交するY方向に沿って、互いに所定間隔をおいてほぼ平行に配置され、かつ、画素電極223の対向電極となるように配列されている。
画素電極223と走査電極232とが重なる部分(この近傍の部分も含む)が1画素を構成し、これらの電極間で充放電を行うことにより、各画素毎に、液晶層24の液晶が駆動、すなわち、液晶の配向状態が変化する。
走査電極232も、前記画素電極223と同様に、透明性(光透過性)を有する透明導電膜(本発明の透明導電膜)により構成されている。この透明導電膜も、後述する本発明の透明導電膜の形成方法により形成される。
走査電極232および画素電極223を構成する透明導電膜は、構成材料の種類等によっても若干異なるが、その比抵抗率が1×10−2Ω・cm以下であるのが好ましく、7×10−3Ω・cm以下であるのがより好ましい。透明導電膜の比抵抗率を前記範囲とすることにより、液晶表示装置1をより応答速度の速いものとすることができる。
各走査電極232の下面には、それぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)の有色層(カラーフィルター)233が設けられ、これらの各有色層233がブラックマトリックス234によって仕切られている。
ブラックマトリックス234は、遮光機能を有し、例えば、クロム、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、亜鉛、チタンのような金属、カーボン等を分散した樹脂等で構成されている。
また、第2の基板23の上面には、前記偏光板225とは偏光軸が異なる偏光板235が設けられている。
このような構成の液晶パネル2では、バックライト6から発せられた光は、偏光板225で偏光された後、第1の基板22および各画素電極223を介して、液晶層24に入射する。液晶層24に入射した光は、各画素毎に配向状態が制御された液晶により強度変調される。強度変調された各光は、有色層233、走査電極232および第2の基板23を通過した後、偏光板235で偏光され、外部に出射する。これにより、液晶表示装置1では、第2の基板23の液晶層24と反対側から、例えば、文字、数字、図形等のカラー画像(動画および静止画の双方を含む)を視認することができる。
<透明導電膜>
次に、本発明の透明導電膜について説明する。
図2は、本発明の透明導電膜の縦断面を示す模式図である。
なお、以下の説明では、図2中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図2に示す透明導電膜8は、前述したような画素電極223および走査電極232を構成するものであり、無機酸化物を主(主材料)とする導電性粒子81aで構成された多孔質膜81と、この多孔質膜81が有する空隙81bを埋め、かつ、その表面を覆うように供給された導電性物質82とを有している。これにより、透明導電膜8は、高い導電性を有するとともに、膜強度も優れたものとなる。
また、かかる観点からは、多孔質膜81において、導電性粒子81a同士は、より接触面積が大きくなるように、すなわち、高密度となっている(緻密化している)ことが好ましい。
特に、本発明では、導電性物質82は、多孔質膜81の表面の凹凸を緩和または消失させる程度に供給されている。これにより、透明導電膜8上に設けられる層(部材)との密着性を向上させることができる。
例えば、前述したような液晶表示装置1に適用した場合には、配向膜(図示せず)との密着性を向上させることができ、その結果、液晶表示装置1において、表示性能の向上を図ることができる。
ここで、多孔質膜81の表面の凹凸を緩和または消失させる程度とは、例えば、多孔質膜81と透明導電膜8との表面粗さRa(JIS B 0601に規定)の関係で表すことができる。
すなわち、多孔質膜81の表面粗さRaをA[nm]とし、透明導電膜8の表面粗さRaをB[nm]としたとき、B/Aが0.8以下なる関係を満足するのが好ましく、0.5以下なる関係を満足するのがより好ましく、0.3以下なる関係を満足するのがさらに好ましい。かかる関係を満足することにより、透明導電膜8の表面はより平坦となり、透明導電膜8上に設けられる層(部材)との密着性をより向上させることができる。
換言すれば、導電性物質82が、多孔質膜81の表面粗さRaを、好ましくは20%以上(より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上)低下するよう供給される。
具体的には、透明導電膜8の表面粗さRaは、0.1〜20nm程度であるのが好ましく、0.1〜10nm程度であるのがより好ましい。このように透明導電膜8の表面粗さRaを小さくすることにより、前記効果がより顕著に発揮される。
さて、導電性粒子81aの主材料(主成分)である無機酸化物としては、導電性を有するものであれば、いかなるものも使用可能であるが、比較的高い透明性(光透過性)を有するものが好ましい。
かかる無機酸化物としては、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を含む酸化物が挙げられる。
これらの中でも、無機酸化物としては、特に、Sn、Ge、Mo、F、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、Teのうちの少なくとも1種を含有する酸化インジウム、F、Sb、Nb、Taのうちの少なくとも1種を含有する酸化スズ、Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ge、Ti、Zr、Hfのうちの少なくとも1種を含有する酸化亜鉛が好ましい。これらの無機酸化物を主材料とする導電性粒子81aは、特に高い導電性と透明性とを有するものとなる。
また、以上のような導電性粒子81aは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
なお、導電性粒子81aとして、Snを含有する酸化インジウム(ITO)を主材料とする粒子を用いる場合には、インジウムとスズとの原子比(インジウム/スズ比)は、99/1〜80/20であるのが好ましく、97/3〜85/15であるのがより好ましい。
このような導電性粒子の形状は、例えば、球状、針状、葉状等のいかなるものであってもよい。
球状の導電性粒子81aを用いる場合、その平均粒径は、2〜2000nmであるのが好ましく、5〜1000nmであるのがより好ましく、10〜500nmであるのがさらに好ましい。導電性粒子81aの平均粒径が小さ過ぎると、導電性粒子81aの多孔質膜形成用材料中での分散性が低下し、多孔質膜形成用材料の調製や基材上への塗布(供給)が困難になるおそれがある。一方、導電性粒子81aの平均粒径が大き過ぎると、形成された透明導電膜8において、導電性粒子81a同士(多孔質膜81)の空隙81bが大きくなり、その結果、膜強度が低下するおそれがある。
なお、他の形状の導電性粒子81aを用いる場合、これらの導電性粒子81aは、その最大長さの平均値が前記平均粒径の範囲となるようにするのが好ましい。
また、導電性粒子81aは、それらをより確実に緻密化(密着)させる観点からは、単一の形状のものを用いるのが好ましいが、2種以上の異なる形状のものを組み合わせて用いるようにしてもよい。
また、導電性物質82も、導電性を有するいかなるものも使用可能であり、前記導電性粒子81aで挙げた無機酸化物の他、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリ(p−フェニレン)、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフルオレン、ポリカルバゾール、ポリシランまたはこれらの誘導体のような導電性高分子材料等を用いることもできる。
これらの中でも、導電性物質82としては、Snを含有する酸化インジウム(ITO)、Sbを含有する酸化スズ(ATO)、Fを含有する酸化スズ(FTO)、および、Al、Ga、B、In、Y、Sc、F、V、Si、Ge、Ti、Zr、Hfのうちの少なくとも1種を含有する酸化亜鉛のうちの1種または2種以上を主材料とするものが好ましい。これらの無機酸化物を主材料とする導電性物質82は、特に高い導電性と透明性とを有する。
特に、導電性物質82の主材料として無機酸化物を用いる場合、この無機酸化物は、導電性粒子81aの主材料である無機酸化物と同種のものとするものが好ましい。例えば、導電性粒子81aがITOを主材料として構成される場合、導電性物質82も、ITOを主材料とするものを用いるのが好ましい。これにより、導電性粒子81a(多孔質膜81)と導電性物質82との密着性が向上し、形成された透明導電膜8は、より導電性および膜強度が優れたものとなる。
なお、この場合、導電性粒子81aの主材料である無機酸化物と、導電性物質82の主材料である無機酸化物とは、それらの組成が若干異なるものであってもよく、同一であってもよい。
このような導電性物質82は、多孔質膜81に対して、導電性物質前駆体として供給した後、かかる導電性物質前駆体を変化させて得られた導電性物質を主とするものが好ましい。このようにして導電性物質82を多孔質膜81に供給することにより、多孔質膜81の空隙81bをより確実に塞ぐことができるとともに、形成された透明導電膜8の表面の凹凸をより小さくすることができる。
これにより、透明導電膜8の導電性、膜強度および密着性をより向上させることができる。
また、導電性物質前駆体の導電性物質への変化は、例えば、加熱、紫外線照射等のいずれの方法により生じるものであってもよいが、特に、加熱により生じるものが好ましい。加熱により導電性物質に変化する導電性物質前駆体を用いることにより、大掛かりな設備を必要とせず、比較的容易に、導電性物質82を得ること、すなわち、透明導電膜8を形成することができる。
以上のようなことを考慮した場合、導電性物質82としては、無機酸化物前駆体を加熱により変化させ得られた無機酸化物(導電性酸化物)を主とするものが特に好ましい。
このような無機酸化物前駆体としては、各前記元素(原子)のアルコキシドや塩、または、これらの誘導体や錯体等が挙げられる。
アルコキシドとしては、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド等が挙げられる。塩としては、例えば、ハロゲン化物、蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩等が挙げられる。
また、誘導体としては、例えば、水和物、中和または加水分解により得られる水酸化物等が挙げられる。錯体としては、例えば、α−またはβ−ジケトン類、α−またはβ−ケト酸類、α−またはβ−ケト酸エステル類、アミノアルコール類等とのキレート化合物が挙げられる。
これらの無機酸化物前駆体は、目的とする無機酸化物の種類等に応じて、1種または2種以上を適宜組み合わせて用いるようにすればよい。
なお、無機酸化物(金属酸化物)前駆体として、インジウム化合物と有機スズ化合物とを組み合わせて用いる場合には、インジウムとスズとの原子比(インジウム/スズ比)は、99/1〜80/20であるのが好ましく、97/3〜85/15であるのがより好ましい。
また、無機酸化物前駆体として、例えば、アルコキシドや塩を用いる場合には、無機酸化物前駆体の無機酸化物への変化(変換)を促進する酸触媒、塩基触媒等を添加するのが好ましい。
酸触媒としては、例えば、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の無機酸や、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等が挙げられる。
<透明導電膜の形成方法>
次に、本発明の透明導電膜の形成方法について説明する。
図3は、本発明の透明導電膜の形成方法を説明するための模式図である。なお、以下の説明では、図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
また、以下の説明では、導電性物質として、その前駆体を加熱により変化させて得られるものを用いる場合を一例に説明する。
図3に示す透明導電膜の形成方法は、[1]多孔質膜の形成工程と、[2]液状材料の供給工程と、[3]液体除去工程と、[4]導電性物質前駆体の熱処理工程とを有している。以下、これらの工程について、順次説明する。
[1]多孔質膜の形成工程
まず、基板(平板状の基材)7を用意し、多孔質膜81を形成する(図2(a)参照)。この基板7の構成材料、形状、寸法等は、特に限定されない。
本発明の透明導電膜の形成方法を、前述したような液晶表示装置1の画素電極223、信号電極224の形成に適用する場合には、基板7は、第1の基板22および第2の基板23で挙げたものが使用される。
ここで、多孔質膜形成用材料および後述する液状材料82aを調製する液体として、例えば、水、アルコール類、グリコール類等を用いる場合、基板7の透明導電膜8を形成する領域には、親水化処理(親液化処理)を施すのが好ましい。これにより、多孔質膜形成用材料および液状材料82aに対する濡れ性が高くなり、均一な厚さの透明導電膜8を形成することができる。
親水化処理としては、例えばプラズマ処理、グロー放電、コロナ放電、紫外線照射等の物理活性化処理の他、界面活性剤、水溶性シリコン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の付与(塗布)等により行うことができる。
次に、導電性粒子81aを液体(分散媒)に分散させた多孔質膜形成用材料を、基板7上に、例えば、塗布法により供給した後、乾燥、熱処理(焼成)等して、多孔質膜81を形成する。
かかる方法によれば、比較的容易に多孔質膜81を形成することができる。
なお、多孔質膜形成用材料中における導電性粒子81aの含有量は、1〜90wt%程度であるのが好ましく、5〜30wt%程度であるのがより好ましい。導電性粒子81aの含有量が少な過ぎると、形成された透明導電膜8において十分な導電性が得られないおそれがある。一方、導電性粒子81aの含有量が多過ぎると、導電性粒子81aの多孔質膜形成用材料中での分散性が低下し、多孔質膜形成用材料の調製や基板7上への供給が困難になるおそれがある。
なお、多孔質膜81の平均厚さは、目的とする透明導電膜8の厚さに応じて適宜設定される。
[2]液状材料の供給工程(第1の工程)
次に、多孔質膜81に、例えば無機酸化物前駆体等の導電性物質前駆体と、液体(溶媒または分散媒)とを含む液状材料82aを供給する(図3(b)参照)。
この液状材料82aに用いる液体としては、例えば、水、メタノール、エタノール、n−またはi−プロパノール、n−、s−またはt−ブタノールのような単価アルコール類、エチレングリコール、トリメチレングリコールのようなグリコール類(多価アルコール類)、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセチルアセトン、イソホロンのようなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル類、メトキシエタノール、エトキシエタノールのようなエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフランのようなエーテル類、酸アミド類、芳香族炭化水素類等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、この液体としては、水、アルコール類、グリコール類、ケトン類を用いるのが好ましい。これらの液体を用いることにより、液状材料82a中で導電性物質前駆体を良好に溶解または分散させることができ、多孔質膜81への液状材料82aの供給を容易かつ確実に行うことができる。
多孔質膜81へ液状材料82aを供給する方法としては、特に限定されず、例えば、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、キャップコート法、ディスペンサー法、スプレーコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、LSMCD法等の各種塗布法を用いるのが好適である。
塗布法によれば、容易かつ確実に、多孔質膜81の空隙81bを塞ぐように、液状材料82aを供給することができる。
[3]液体除去工程(液状材料の乾燥工程)
次に、液状材料82a中の液体の一部または全部を除去(脱分散媒)する(図3(c)参照)。これにより、導電性物質前駆体の導電性物質82への変化を、より確実かつ迅速に進行させることができる。
この液体の除去は、例えば、室温での放置または加熱により行うことができる。
液体を除去する際の温度は、液体の種類等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、20〜300℃程度であるのが好ましく、50〜200℃程度であるのがより好ましい。
また、液体を除去する際の時間も、特に限定されず、温度を前記範囲とする場合、10秒〜60分程度であるのが好ましく、5〜10分程度であるのがより好ましい。
また、液体を除去する際の雰囲気は、酸化性雰囲気、非酸化性雰囲気、還元性雰囲気のいずれであってもよい。
[4]導電性物質前駆体の熱処理工程(第2の工程)
次に、導電性物質前駆体に熱処理を施す。これにより、導電性物質前駆体を導電性物質82に変化させて、本発明の透明導電膜8が得られる(図3(d)参照)。
例えば、導電性物質前駆体として、金属アルコキシドを用いた場合には、加熱により金属アルコキシドが加水分解し、アルコールと金属の水酸化物が生成する。さらに、この金属水酸化物に縮合反応が生じることにより、金属酸化物が生成する。
この熱処理の温度(加熱温度)は、特に限定されないが、150〜500℃程度であるのが好ましく、200〜400℃程度であるのがより好ましい。加熱温度が低過ぎると、導電性物質前駆体の導電性物質への変化が十分に進行しないおそれがある。一方、熱処理の温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果が見込めない。
また、熱処理の時間(加熱時間)も、特に限定されず、加熱温度を前記範囲とする場合、1分〜24時間程度であるのが好ましく、10〜300分程度であるのがより好ましい。前記範囲の加熱時間で、導電性物質前駆体の導電性物質への変化を十分に進行させることができる。
また、この熱処理における雰囲気は、酸化性雰囲気、非酸化性雰囲気、還元性雰囲気のいずれであってもよい。
なお、熱処理は、複数回に繰り返し行ってもよく、この場合、各熱処理における熱処理条件は、同一であっても異なっていてもよい。
また、透明導電膜8の表面の凹凸が所望の状態となるまで、前記工程[2]〜[4]を繰り返し行うようにしてもよい。
次に、本発明の透明導電膜の形成方法を用いて、所定のパターンの透明導電膜を形成する場合について説明する。
図4は、所定のパターンの透明導電膜を形成する方法を説明するためのフロー図、図5および図6は、それぞれ、所定のパターンの透明導電膜を形成する方法を説明するための模式図である。なお、以下の説明では、図5および図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、図4〜図6に示す透明導電膜の形成方法について、図3に示す透明導電膜の形成方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の透明導電膜の形成方法では、形成すべき透明導電膜8の形状に対応したパターンの開口部を有するレジスト層(マスク)を用いて、この開口部内に透明導電膜8を形成する。
図4〜図6に示す透明導電膜の形成方法は、[S1]レジスト層の形成工程と、[S2]レジスト層の硬化処理工程と、[S3]レジスト層の撥液処理工程と、[S4]多孔質膜の形成工程と、[S5]液状材料の供給工程と、[S6]液体除去工程と、[S7]導電性物質前駆体の熱処理工程と、[S8]レジスト層の除去工程とを有している。以下、これらの工程について、順次説明する。
[S1]レジスト層の形成工程(マスク形成工程)
まず、基板(平板状の基材)7を用意し、形成すべき透明導電膜8の形状に対応したパターンの開口部11を有するレジスト層(マスク)10を形成する(図5(a)参照)。
これは、基板7上にレジスト材料を供給(塗布)した後、露光・現像してパターニングすることにより得ることができる。
用いるレジスト材料は、光照射部分が硬化するネガタイプ、光照射部分が溶解するポジタイプのいずれであってもよい。
ネガタイプのレジスト材料としては、例えば、ポリケイ皮酸ビニル、ポリビニルアジドベンザジル、アクリルアミド、ポリイミド、ノボラック樹脂を主成分とするもの(例えば、酸発生剤や架橋剤を含有するノボラック樹脂のような化学増幅型樹脂)等が挙げられ、一方、ポジタイプのレジスト材料としては、例えば、o−キノンジアジドノボラック樹脂、ポリイミド等が挙げられる。
また、照射する光としては、例えば、紫外線(g線、i線)、電子線等が挙げられる。
レジスト材料の供給方法としては、特に限定されず、例えば、ディップコート法、スピンコート法、スリットコート法、キャップコート法、ディスペンサー法、スプレーコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、LSMCD法等の各種塗布法を用いるのが好適である。
なお、ネガ型のレジスト材料を各種印刷法により、形成すべきレジスト層10に対応する形状となるように、基板7上に選択的に供給することにより、前記現像工程を省略することができる。
[S2]レジスト層の硬化処理工程
次に、レジスト層10に対して硬化処理を施す。これにより、レジスト層10の少なくとも表面を硬化させる(図5(b)参照)。
レジスト層10の表面を硬化させることにより、レジスト層10の耐熱性や耐薬品性を向上させることができ、後の[S4]以降の工程において、レジスト層10が変質・劣化するのを好適に防止することができる。その結果、所望の形状の透明導電膜8を寸法精度よく形成することができる。
この硬化処理の方法としては、例えば、加熱、紫外線の照射、赤外線の照射、電子線の照射、超音波の付与、高周波の付与等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、硬化処理の際の雰囲気は、例えば、真空状態(または減圧状態)のような非酸化性雰囲気、大気中のような酸化性雰囲気、窒素雰囲気のような還元性雰囲気、アルゴン雰囲気、ネオン雰囲気のような不活性ガス雰囲気等のいずれであってもよい。
硬化処理の具体的な方法を示すと、レジスト層10が形成された基板7を、真空状態において、所定の温度に加熱しつつ紫外線を照射する。真空状態におくことにより、レジスト層10中の水分が効率よく除去されるとともに、紫外線の照射によりレジスト材料の架橋反応が促進する。その結果、レジスト層10の耐熱性や耐薬品性が向上する。
さらに、この後、レジスト層10を所定の温度以上に加熱するようにしてもよい。これにより、レジスト層10の耐熱性や耐薬品性をさらに向上させる効果や、レジスト層10中からガスが放出されるのを防止する効果等を得ることができる。このため、後の工程[S4]以降の工程において、レジスト層10が変質・劣化するのをより確実に防止することができる。
[S3]レジスト層の撥液処理工程
次に、レジスト層10の表面に撥液処理を施す。これにより、開口部11で露出する基板7の表面よりレジスト層10の表面に対する、後の工程[S4]および工程[S5]で用いる液状材料(多孔質膜形成用材料、液状材料82a)の濡れ性を低下させる。
この濡れ性の違いにより、前記液状材料を無駄なく開口部11内に供給することができ、より寸法精度の高い透明導電膜8を形成することができる。また、前記液状材料がレジスト層10の表面に付着するのを防止することができるため、後の工程[S8]においてレジスト層10の除去をより容易かつ確実に行うことができる。
この撥液処理の方法としては、例えば、I:レジスト層10の表面にフッ素原子を導入する方法、II:レジスト層10の表面を撥液性を示す官能基を有するカップリング剤で処理する方法、III:レジスト層10の表面に撥液性材料を付与(塗布)する方法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、Iの方法は、プラズマ等の活性状態としたフッ素系ガス(例えばフッ素、フッ化炭素等)に、レジスト層10を曝すことにより行うことができる。IIおよびIIIの方法は、それぞれ、カップリング剤または撥液性材料を溶媒に溶解して調製した液状材料を、レジスト層10の表面に塗布することにより行うことができる。
IIの方法においてカップリング剤には、官能基として、例えば、フルオロアルキル基、アルキル基、ビニル基等を有するものが好適に使用される。なお、カップリング剤の種類としては、シラン系、アルミニウム系、ジルコニウム系等のいずれもが使用可能である。また、カップリング剤は、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
また、IIIの方法において撥液性材料には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロエチレン−プロペン共重合体(FEP)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
[S4]多孔質膜の形成工程(多孔質膜形成工程)
前記工程[1]と同様の工程を行う(図5(c)参照)。
なお、このとき、レジスト層10の表面には、硬化処理が施されているため、溶媒の接触によるレジスト層10の変質・劣化を好適に防止することができる。また、レジスト層10の表面には、撥液処理が施されているため、多孔質膜形成用材料は、無駄なくかつ確実に開口部11内に供給される。
[S5]液状材料の供給工程(第1の工程)
前記工程[2]と同様の工程を行う(図6(d)参照)。
なお、このとき、レジスト層10の表面には、硬化処理が施されているため、溶媒の接触によるレジスト層10の変質・劣化を好適に防止することができる。また、レジスト層10の表面には、撥液処理が施されているため、液状材料82aは、無駄なくかつ確実に開口部11内に供給される。
[S6]液体除去工程
前記工程[3]と同様の工程を行う(図6(e)参照)。
[S7]導電性物質前駆体の熱処理工程(第2の工程)
前記工程[4]と同様の工程を行う(図6(f)参照)。
なお、このとき、レジスト層10の表面には、硬化処理が施されているため、熱処理によるレジスト層10の変質・劣化を好適に防止することができる。
[S8]レジスト層の除去工程(マスク除去工程)
次に、レジスト層10を除去する。これにより、目的とする形状の透明導電膜8が得られる(図6(g)参照)。
このレジスト層10の除去方法としては、例えば、大気圧下(または真空中)における酸素プラズマ処理(アッシング処理)、レジスト剥離液による剥離処理、有機溶剤(例えば濃硫酸等)やオゾン水による分解処理等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上のように、本実施形態では、レジスト層10を用いて透明導電膜8を形成するため、寸法精度の高い透明導電膜8が得られる。かかる透明導電膜8は、より特性に優れたものとなる。
また、かかる方法によれば、製造設備の簡素化、製造工程、製造コストおよび製造時間の削減に寄与する。
なお、本実施形態では、マスクをレジスト材料(有機材料)で構成する場合について説明したが、その他、マスクは、例えば、Au、Cr、Ti、Ptまたはこれらを含む合金のような金属、多結晶シリコン(ポリシリコン)、アモルファスシリコンのようなシリコン、窒化シリコン等の無機材料で構成することもできる。
この場合、前記工程[S2]および[S3]のいずれか一方および双方は、省略することもできる。
また、レジスト層(マスク)は、例えば、前記工程[S7]に先立って除去するようにしてもよい。なお、レジスト層は、少なくとも工程[S3]および工程[S4]において用いるようにするのが好ましく、工程[S7](第2の工程)の終了後に除去するのがより好ましい。これにより、より寸法精度の高い透明導電膜8が得られる。
また、マスクは、必要に応じて除去することなく、電子デバイスの構成部材(構成部品として、そのまま使用してもよい。
以上説明したように、本発明の透明導電膜の形成方法では、湿式プロセスによって透明導電膜8を形成するので、簡易な設備および工程により低コストで透明導電膜8を形成することができる。
したがって、このような透明導電膜の形成方法を用いて、図1に示す液晶表示装置1の画素電極223および走査電極232を形成することにより、液晶の駆動性能、耐久性等の各種特性に優れた液晶表示装置1を、低コストで製造することができる。
なお、前記実施形態では、本発明の電子デバイスを、アクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用した場合を代表に説明したが、本発明の電子デバイスは、パッシブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置に適用することができるのはもちろんのこと、反射型液晶表示装置や、電気光学物質として有機または無機EL材料を用いたEL表示装置、電気光学物質として電気泳動粒子を用いた電気泳動表示装置に適用することもできる。
<電子機器>
本発明の電子デバイスは、各種電子機器の表示部に用いることができる。
図7は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このパーソナルコンピュータ1100においては、表示ユニット1106が前述の液晶表示装置(電気光学装置)1を備えている。
図8は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206とともに、前述の液晶表示装置(電気光学装置)1を表示部に備えている。
図9は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、前述の液晶表示装置1が表示部に設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
ケースの内部には、回路基板1308が設置されている。この回路基板1308は、撮像信号を格納(記憶)し得るメモリが設置されている。
また、ケース1302の正面側(図示の構成では裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が液晶表示装置1に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示のように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、回路基板1308のメモリに格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
なお、本発明の電子機器は、図7のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図8の携帯電話機、図9のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、テレビや、ビデオカメラ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、タッチパネルを備えた機器(例えば金融機関のキャッシュディスペンサー、自動券売機)、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電表示装置、超音波診断装置、内視鏡用表示装置)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ、その他各種モニタ類、プロジェクター等の投射型表示装置等に適用することができる。
以上、本発明の透明導電膜、透明導電膜の形成方法、電子デバイスおよび電子機器を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の透明導電膜の形成方法では、任意の目的の工程が1または2以上追加されてもよい。
また、前記実施形態では、導電性物質として、その前駆体を加熱により変化させて得られるものを用いる場合を一例に説明したが、本発明では、導電性物質として、その前駆体を他の方法により変化させて得られるものを用いるようにしてもよい。
また、例えば、導電性物質として導電性高分子材料等を用いる場合には、透明導電膜の形成に際して、導電性高分子材料を適当な溶媒に溶解し、多孔質膜に供給するようにしてもよい。
さらに、本発明の電子デバイスおよび電子機器では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
A.透明導電膜
以下のようにして、実施例A1〜A3および比較例A1〜A3において、それぞれ、透明導電膜をガラス基板上に10個ずつ形成した。
(実施例A1)
<1−1> ガラス基板を用意し、このガラス基板の透明導電膜を形成する領域に、大気圧プラズマにより発生させた活性酸素による親水化処理を施した。
なお、この親水化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、O流量:80sccmとした。
<1−2> 次に、ITO粒子(平均粒径:20nm)の含有量が10wt%となるように、エタノールに分散させて、多孔質電膜形成材料を調製した。
なお、ITO粒子は、インジウム/スズ(原子比)=92.5/7.5のものを用いた。
<1−3> 次に、この多孔質膜形成用材料を、スピンコート法により、ガラス基板上に塗布して被膜を形成した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒で行った。
<1−4> 次に、得られた被膜を、大気(酸化性雰囲気)中、温度150℃×時間5分で、ホットプレートにて乾燥した。
<1−5> 次に、乾燥後の被膜を、窒素雰囲気(非酸化性雰囲気)中、温度400℃×時間10分で熱処理した。これにより、多孔質膜を得た。
なお、得られた多孔質膜の平均厚さは、約80nm、表面粗さRa(A)は、15nmであった。
<1−6> 次に、塩化インジウムおよび塩化スズを、それぞれ、エタノールに溶解して、液状材料を調製した。
なお、塩化インジウムおよび塩化スズの混合比は、インジウム/スズ(原子比)=92.5/7.5とした。
<1−7> 次に、この液状材料を、スピンコート法により、多孔質膜に塗布した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒で行った。
<1−8> 次に、大気(酸化性雰囲気)中、温度150℃×時間5分で、ホットプレートにて、液状材料中のエタノールを除去(乾燥)した。
<1−9> 次に、窒素雰囲気(非酸化性雰囲気)中、温度400℃×時間10分で熱処理を施した。これにより、塩化インジウムと塩化スズとを反応させ、ITO(導電性物質)に変化させた。これにより、透明導電膜を得た。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約100nm、表面粗さRa(B)は、2nm(B/A=0.13)であった。
(実施例A2)
<2−1> ガラス基板を用意し、このガラス基板の透明導電膜を形成する領域に、大気圧プラズマにより発生させた活性酸素による親水化処理を施した。
なお、この親水化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、O流量:80sccmとした。
<2−2> 次に、ATO粒子(平均粒径:120nm)の含有量が5wt%となるように、エタノールに分散させて、多孔質電膜形成材料を調製した。
なお、ATO粒子は、スズ/アンチモン(原子比)=80/20のものを用いた。
<2−3> 次に、この多孔質膜形成用材料を、スピンコート法により、ガラス基板上に塗布して被膜を形成した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒で行った。
<2−4> 次に、得られた被膜を、大気(酸化性雰囲気)中、温度150℃×時間5分で、ホットプレートにて乾燥した。
<2−5> 次に、乾燥後の被膜を、窒素雰囲気(非酸化性雰囲気)中、温度400℃×時間10分で熱処理した。これにより、多孔質膜を得た。
なお、得られた多孔質膜の平均厚さは、約140nm、表面粗さRa(A)は、30nmであった。
<2−6> 次に、ジ−n−ブチルスズ−ジ−アセテート(有機スズ化合物)および塩化アンチモンを、それぞれ、エタノールに溶解して、液状材料を調製した。
なお、有機スズ化合物および塩化アンチモンの混合比は、スズ/アンチモン(原子比)=80/20とした。
<2−7> 次に、この液状材料を、スピンコート法により、多孔質膜に塗布した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒で行った。
<2−8> 次に、大気(酸化性雰囲気)中、温度150℃×時間5分で、ホットプレートにて、液状材料中のエタノールを除去(乾燥)した。
<2−9> 次に、窒素雰囲気(非酸化性雰囲気)中、温度400℃×時間10分で熱処理を施した。これにより、有機スズ化合物と塩化アンチモンとを反応させ、ATO(導電性物質)に変化させた。これにより、透明導電膜を得た。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約150nm、表面粗さRa(B)は、6nm(B/A=0.2)であった。
(実施例A3)
<3−1> ガラス基板を用意し、このガラス基板の透明導電膜を形成する領域に、大気圧プラズマにより発生させた活性酸素による親水化処理を施した。
なお、この親水化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、O流量:80sccmとした。
<3−2> 次に、FTO粒子(平均粒径:150nm)の含有量が10wt%となるように、エタノールに分散させて、多孔質電膜形成材料を調製した。
なお、FTO粒子は、スズ/フッ素(原子比)=40/60のものを用いた。
<3−3> 次に、この多孔質膜形成用材料を、スピンコート法により、ガラス基板上に塗布して被膜を形成した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒で行った。
<3−4> 次に、得られた被膜を、大気(酸化性雰囲気)中、温度150℃×時間5分で、ホットプレートにて乾燥した。
<3−5> 次に、乾燥後の被膜を、窒素雰囲気(非酸化性雰囲気)中、温度400℃×時間10分で熱処理した。これにより、多孔質膜を得た。
なお、得られた多孔質膜の平均厚さは、約120nm、表面粗さRa(A)は、40nmであった。
<3−6> 次に、ジ−n−ブチルスズ−ジ−アセテート(有機スズ化合物)およびフッ化アンモニウムを、それぞれ、エタノール水溶液に溶解して、液状材料を調製した。
なお、有機スズ化合物およびフッ化アンモニウムの混合比は、スズ/フッ素(原子比)=40/60とした。
<3−7> 次に、この液状材料を、スピンコート法により、多孔質膜に塗布した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒で行った。
<3−8> 次に、大気(酸化性雰囲気)中、温度150℃×時間5分で、ホットプレートにて、液状材料中のエタノール水溶液を除去(乾燥)した。
<3−9> 次に、窒素雰囲気(非酸化性雰囲気)中、温度400℃×時間10分で熱処理を施した。これにより、有機スズ化合物とフッ化アンモニウムとを反応させ、FTO(導電性物質)に変化させた。これにより、透明導電膜を得た。
なお、得られた透明導電膜の平均厚さは、約140nm、表面粗さRa(B)は、8nm(B/A=0.2)であった。
(比較例A1)
前記実施例A1と同様にして、ITO粒子で多孔質膜を構成し、これを透明導電膜とした。
なお、得られた多孔質膜の平均厚さは、約80nm、表面粗さRaは、15nmであった。
(比較例A2)
前記実施例A2と同様にして、ATO粒子で多孔質膜を構成し、これを透明導電膜とした。
なお、得られた多孔質膜の平均厚さは、約140nm、表面粗さRaは、30nmであった。
(比較例A3)
前記実施例A3と同様にして、FTO粒子で多孔質膜を構成し、これを透明導電膜とした。
なお、得られた多孔質膜の平均厚さは、約120nm、表面粗さRaは、40nmであった。
[評価1]
各実施例および各比較例で形成した透明導電膜について、それぞれ、比抵抗率、波長550nmの光の透過率を測定し、それぞれ、10個の平均値を求めた。
その結果を表1に示す。
Figure 2005100941
表1に示すように、各実施例の透明導電膜は、対応する各比較例に対して、比抵抗率が低く、導電性に優れるものであった。
[評価2]
各実施例および各比較例で形成した透明導電膜上に、それぞれ、60nmのポリイミド膜を形成した後、このポリイミド膜に対して、ラビング装置を用いてラビング処理を施した。
なお、ラビング処理の条件は、押込み量:0.4mm、回転数:600rpm、送り込み速度:1m/minとした。
そして、目視にてポリイミド膜と透明導電膜との剥離の有無を観察した結果、各実施例で形成された透明導電膜では、いずれも、ポリイミド膜の剥離部分が観察されなかったのに対し、各比較例で形成された透明導電膜では、いずれも、ポリイミド膜の剥離部分の存在が確認された。
この結果は、各実施例で形成された透明導電膜の表面が十分に平坦であり、その結果、ポリイミド膜との密着性が向上したことを示すものと推察される。
B.液晶表示装置
次に、所定パターンの透明導電膜(画素電極223、信号電極224、引き出し部228、走査電極232)を、前記実施例A1〜A3および比較例A1〜A3と同様にして形成して、それぞれ、図1に示すような液晶表示装置(実施例B1〜B3および比較例B1〜B3)を製造した。
(実施例B1)
[I] ガラス基板を用意し、このガラス基板の透明導電膜を形成する面に、大気圧プラズマにより発生させた活性酸素による親水化(親液化)処理を施した。
なお、この親水化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、O流量:80sccmとした。
[II] 次に、ガラス基板の透明導電膜を形成する面に、ネガ型のレジスト材料(東京応化工業株式会社製、「TELR−N101PM」)を、スピンコート法により塗布した。
なお、ガラス基板の回転数は、2000rpmとし、回転時間は、20秒とした。
次いで、形成すべき透明導電膜の形状に対応した開口部を有するフォトマスクを介して、i線(波長:365nm、強度:120mJ/cm)を照射した後、NMD−W(現像液)により現像した。これにより、レジスト層を得た。
なお、露光時間(i線の照射時間)は、20秒とし、現像時間は、90秒とした。
[III] 次に、真空状態(減圧状態)で、レジスト層を加熱しつつ表面に紫外線(波長:254nm)を照射した。
なお、真空度は、3Torrとし、レジスト層の加熱温度は、100℃とし、紫外線の照射時間は、2分とした。
[IV] 次に、レジスト層の表面に、大気圧プラズマにより発生させた活性フッ素による撥液化処理を3秒間施した。
なお、この撥液化処理の条件は、RF Power:300W、He流量:10SLM、CF流量:100sccmとした。
[V] 次に、前記工程<1−2>〜工程<1−9>と同様の工程を行った。
[VI] 次に、酸素プラズマ処理および有機剥離液によりレジスト層を除去した。これにより、透明導電膜を得た。
(実施例B2)
前記工程[V]において、前記工程<2−2>〜工程<2−9>と同様の工程を行って、透明導電膜を形成した。
(実施例B3)
前記工程[V]において、前記工程<3−2>〜工程<3−9>と同様の工程を行って、透明導電膜を形成した。
(比較例B1)
前記工程[V]において、前記実施例B1と同様にして、ITO粒子で多孔質膜を構成し、これを透明導電膜とした。
(比較例B2)
前記工程[V]において、前記実施例B2と同様にして、ATO粒子で多孔質膜を構成し、これを透明導電膜とした。
(比較例B3)
前記工程[V]において、前記実施例B3と同様にして、FTO粒子で多孔質膜を構成し、これを透明導電膜とした。
透明導電膜を、前記実施例A1〜A3と同様にして形成した液晶表示装置(実施例B1〜B3)は、いずれも、応答速度が速く、色ムラ等の発生も認められなかった。
これに対し、透明導電膜を、前記比較例A1〜A3と同様にして形成した液晶表示装置(比較例B1〜B3)は、いずれも、透明導電膜の比抵抗率が1×10−2Ω・cmを上回って高く、このため、液晶素子特有のCR時定数が増加、画像信号に対する反応時間が長いもの(低応答速度)であった。また、色ムラの発生も生じた。
さらに、このような現象は、経時的に顕著となった。
本発明の電子デバイスを透過型液晶表示装置に適用した場合の実施形態を示す分解斜視図である。 本発明の透明導電膜の縦断面を示す模式図である。 本発明の透明導電膜の形成方法を説明するための模式図である。 所定のパターンの透明導電膜を形成する方法を説明するためのフロー図である。 図4に示す透明導電膜の形成方法を説明するための模式図である。 図4に示す透明導電膜の形成方法を説明するための模式図である。 本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。 本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。 従来の方法によって形成された透明導電膜を示す模式図である。
符号の説明
1‥‥液晶表示装置 2‥‥液晶パネル 22‥‥第1の基板 221‥‥上面 222‥‥TFD素子 223‥‥画素電極 224‥‥信号電極 225‥‥偏光板 228‥‥引き出し部 229‥‥金属層 23‥‥第2の基板 231‥‥下面 232‥‥走査電極 233‥‥有色層 234‥‥ブラックマトリックス 235‥‥偏光板 24‥‥液晶層 6‥‥バックライト 7‥‥基板 8‥‥透明導電膜 81‥‥多孔質膜 81a‥‥導電性粒子 81b‥‥空隙 82‥‥導電性物質 82a‥‥液状材料 9‥‥導電性粒子 10‥‥レジスト層 11‥‥開口部 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース(ボディー) 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥回路基板 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥データ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ 110‥‥透明導電膜 120‥‥導電性粒子 130‥‥空隙

Claims (19)

  1. 無機酸化物を主とする導電性粒子で構成された多孔質膜と、
    該多孔質膜が有する空隙を埋め、かつ、その表面の凹凸が緩和または消失するように供給された導電性物質とを有することを特徴とする透明導電膜。
  2. 前記多孔質膜の表面粗さRaをA[nm]とし、前記透明導電膜の表面粗さRaをB[nm]としたとき、B/Aが0.8以下なる関係を満足する請求項1に記載の透明導電膜。
  3. 前記透明導電膜の表面粗さRaは、0.1〜20nmである請求項2に記載の透明導電膜。
  4. 前記導電性粒子の平均粒径は、2〜2000nmである請求項1ないし3のいずれかに記載の透明導電膜。
  5. 前記導電性物質は、無機酸化物を主とするものである請求項1ないし4のいずれかに記載の透明導電膜。
  6. 前記導電性粒子の主材料である無機酸化物と、前記導電性物質の主材料である無機酸化物とは、同種のものである請求項5に記載の透明導電膜。
  7. 前記透明導電膜は、その比抵抗率が1×10−2Ω・cm以下である請求項1ないし6のいずれかに記載の透明導電膜。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の透明導電膜を形成する透明導電膜の形成方法であって、
    前記多孔質膜の空隙を埋め、かつ、前記多孔質膜の表面を覆うように、前記導電性物質となる導電性物質前駆体と液体とを含む液状材料を供給する第1の工程と、
    前記導電性物質前駆体を導電性物質に変化させる第2の工程とを有することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  9. 前記第1の工程において、前記液状材料の前記多孔質膜への供給は、塗布法により行われる請求項8に記載の透明導電膜の形成方法。
  10. 前記導電性物質前駆体は、加熱により前記導電性物質へ変化するものである請求項8または9に記載の透明導電膜の形成方法。
  11. 前記第2の工程に先立って、前記液状材料に含まれる前記液体の少なくとも一部を除去する液体除去工程を有する請求項8ないし10のいずれかに記載の透明導電膜の形成方法。
  12. 前記第1の工程に先立って、無機酸化物を主とする導電性粒子を含む液状材料を用いて、前記多孔質膜を形成する多孔質膜形成工程を有する請求項8ないし11のいずれかに記載の透明導電膜の形成方法。
  13. 前記多孔質膜形成工程に先立って、形成すべき前記透明導電膜の形状に対応するパターンの開口部を有するマスクを形成するマスク形成工程を有する請求項12に記載の透明導電膜の形成方法。
  14. 前記マスクは、その少なくとも表面が撥液性を有するものである請求項13に記載の透明導電膜の形成方法。
  15. 前記マスクを用いて、少なくとも前記多孔質膜形成工程と前記第1の工程とが行われる請求項13または14に記載の透明導電膜の形成方法。
  16. 前記第2の工程の後、前記マスクを除去するマスク除去工程を有する請求項13ないし15のいずれかに記載の透明導電膜の形成方法。
  17. 請求項1ないし7のいずれかに記載の透明導電膜を備えることを特徴とする電子デバイス。
  18. 請求項8ないし16のいずれかに記載の透明導電膜の形成方法により得られた透明導電膜を備えることを特徴とする電子デバイス。
  19. 請求項17または18に記載の電子デバイスを備えることを特徴とする電子機器。
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