JP2007088639A - 振動子、振動子の製造方法、および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有する振動子、振動子の製造方法、および電子機器を提供すること。
【解決手段】本発明の振動子(マイクロレゾネータ1)は、基部2と、基部2に対し変位可能に支持された可動部4とを有し、可動部4に通電することにより、可動部4を振動させ、および/または、可動部4の振動状態を検出する振動子であって、可動部4は、その一部に、可動部4の電気抵抗を低下させる処理を施した低抵抗部48を有する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の振動子(マイクロレゾネータ1)は、基部2と、基部2に対し変位可能に支持された可動部4とを有し、可動部4に通電することにより、可動部4を振動させ、および/または、可動部4の振動状態を検出する振動子であって、可動部4は、その一部に、可動部4の電気抵抗を低下させる処理を施した低抵抗部48を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、振動子、振動子の製造方法、および電子機器に関するものである。
ある振動電流の周波数に同調して機械的に振動する振動子は、携帯電話等の電子機器に、通信機器用のバンドパスフィルター、基準クロック、振動式センサ等として、備えられている。
このような振動子としては、シリコンで構成された基板に、半導体製造プロセスを利用したマイクロマシニング技術により、振動を発生するための構造(可動部を有する構造)を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような振動子としては、シリコンで構成された基板に、半導体製造プロセスを利用したマイクロマシニング技術により、振動を発生するための構造(可動部を有する構造)を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
例えば、このような振動子は、可動部と、これに間隙を隔てて対向する電極との間に、電圧を印加することにより、これらの間に静電引力を生じさせ、可動部を振動させる。また、可動部と電極との間の静電容量を検出することにより、可動部の振動状態を検出する。このような振動子の可動部は、振動特性や耐久性、加工精度などの観点から、前述したように、シリコンで構成されている。
しかしながら、可動部がシリコンのみで構成されているため、可動部の電気抵抗が高く、エネルギーの損失が大きい。そのため、振動子に与えたエネルギーに対して、振動子に蓄えられたエネルギーの比(Q値)が小さい。その結果、特許文献1にかかる振動子は、駆動電圧を高くしなければならず、また、検出精度の低いものとなってしまう。
しかしながら、可動部がシリコンのみで構成されているため、可動部の電気抵抗が高く、エネルギーの損失が大きい。そのため、振動子に与えたエネルギーに対して、振動子に蓄えられたエネルギーの比(Q値)が小さい。その結果、特許文献1にかかる振動子は、駆動電圧を高くしなければならず、また、検出精度の低いものとなってしまう。
本発明の目的は、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有する振動子、振動子の製造方法、および電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の振動子は、基部と、
前記基部に対し変位可能に支持された可動部とを有し、
前記可動部に通電することにより、前記可動部を振動させ、および/または、前記可動部の振動状態を検出する振動子であって、
前記可動部は、その少なくとも一部に、前記可動部の電気抵抗を低下させる処理を施した低抵抗部を有することを特徴とする。
これにより、振動子のエネルギーの損失を低減しつつ、振動子の振動特性を優れたものとすることができる。
本発明の振動子は、基部と、
前記基部に対し変位可能に支持された可動部とを有し、
前記可動部に通電することにより、前記可動部を振動させ、および/または、前記可動部の振動状態を検出する振動子であって、
前記可動部は、その少なくとも一部に、前記可動部の電気抵抗を低下させる処理を施した低抵抗部を有することを特徴とする。
これにより、振動子のエネルギーの損失を低減しつつ、振動子の振動特性を優れたものとすることができる。
本発明の振動子では、前記基部に対し固定された固定電極を有し、前記可動部は、前記固定電極に対し間隙を隔てて対向しつつ変位可能に設けられており、前記固定電極と前記可動部との間に電圧を印加することにより前記可動部を振動させ、および/または、前記固定電極と前記可動部との間の静電容量に基づき前記可動部の振動状態を検出することが好ましい。
これにより、圧電素子のような高価な素子を用いることなく、可動部の振動および/または可動部の振動状態の検出を行うことができる。
これにより、圧電素子のような高価な素子を用いることなく、可動部の振動および/または可動部の振動状態の検出を行うことができる。
本発明の振動子では、前記固定電極は、その少なくとも一部に、前記固定電極の電気抵抗を低下させる処理を施した他の低抵抗部を有することが好ましい。
これにより、固定電極でのエネルギー損失を低減することができる。また、可動部と同じ材料で固定電極を構成することができ、振動子の製造工程を簡単化することができる。
本発明の振動子では、前記可動部は、シリコンを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、振動特性を優れたものとしつつ、可動部の耐久性を優れたものとすることができる。また、可動部の製造に際し、可動部の寸法精度を優れたものとすることができる。
これにより、固定電極でのエネルギー損失を低減することができる。また、可動部と同じ材料で固定電極を構成することができ、振動子の製造工程を簡単化することができる。
本発明の振動子では、前記可動部は、シリコンを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、振動特性を優れたものとしつつ、可動部の耐久性を優れたものとすることができる。また、可動部の製造に際し、可動部の寸法精度を優れたものとすることができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、シリサイドを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、低抵抗部の耐久性を優れたものとしつつ、可動部の電気抵抗を低減することができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、シリコンにイオンをドープしたものを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、低抵抗部の耐久性を優れたものとしつつ、可動部の電気抵抗を低減することができる。
これにより、低抵抗部の耐久性を優れたものとしつつ、可動部の電気抵抗を低減することができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、シリコンにイオンをドープしたものを主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、低抵抗部の耐久性を優れたものとしつつ、可動部の電気抵抗を低減することができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、前記可動部の表面に設けられた金属層であることが好ましい。
これにより、可動部の構成材料に関わらず、可動部の電気抵抗を低減することができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、少なくとも、前記可動部の最短通電経路のほぼ全域に亘って形成されていることが好ましい。
これにより、振動子のエネルギーの損失を最大限に低減しつつ、振動子の振動特性を優れたものとすることができる。
これにより、可動部の構成材料に関わらず、可動部の電気抵抗を低減することができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、少なくとも、前記可動部の最短通電経路のほぼ全域に亘って形成されていることが好ましい。
これにより、振動子のエネルギーの損失を最大限に低減しつつ、振動子の振動特性を優れたものとすることができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、前記可動部の少なくとも一方の面のほぼ全域に亘って形成されていることが好ましい。
これにより、振動子のエネルギーの損失を低減しつつ、振動子の振動特性をより優れたものとすることができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、前記可動部の表面付近にのみ形成されていることが好ましい。
これにより、振動子の振動特性をより優れたものとすることができる。
これにより、振動子のエネルギーの損失を低減しつつ、振動子の振動特性をより優れたものとすることができる。
本発明の振動子では、前記低抵抗部は、前記可動部の表面付近にのみ形成されていることが好ましい。
これにより、振動子の振動特性をより優れたものとすることができる。
本発明の振動子の製造方法は、本発明の振動子を製造する方法であって、
前記可動部を形成するための基板を用意する工程と、
前記基板を加工して、前記可動部に対応する形状のパターンを形成する工程と、
前記パターンの少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、前記低抵抗部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有する振動子を製造することができる。
前記可動部を形成するための基板を用意する工程と、
前記基板を加工して、前記可動部に対応する形状のパターンを形成する工程と、
前記パターンの少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、前記低抵抗部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有する振動子を製造することができる。
本発明の振動子の製造方法は、本発明の振動子を製造する方法であって、
前記可動部を形成するための基板を用意する工程と、
前記基板の少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、処理部を形成する工程と、
前記処理部を有する前記基板を加工して、前記低抵抗部を有する前記可動部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有する振動子を製造することができる。
本発明の電子機器は、本発明の振動子を備えることを特徴とする。
これにより、振動子に必要な電力が少なくて済むため、省電力化を図ることができる。また、振動子の振動特性が優れているため、電子機器の信頼性を高めることができる。
前記可動部を形成するための基板を用意する工程と、
前記基板の少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、処理部を形成する工程と、
前記処理部を有する前記基板を加工して、前記低抵抗部を有する前記可動部を形成する工程とを有することを特徴とする。
これにより、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有する振動子を製造することができる。
本発明の電子機器は、本発明の振動子を備えることを特徴とする。
これにより、振動子に必要な電力が少なくて済むため、省電力化を図ることができる。また、振動子の振動特性が優れているため、電子機器の信頼性を高めることができる。
以下、本発明における振動子の製造方法、振動子、および電子機器を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<振動子>
まず、本発明の振動子の一例を図1ないし図3に基づき説明する。なお、以下の説明では、本発明の振動子をマイクロレゾネータに適用する場合を例に説明する。
<振動子>
まず、本発明の振動子の一例を図1ないし図3に基づき説明する。なお、以下の説明では、本発明の振動子をマイクロレゾネータに適用する場合を例に説明する。
図1は、振動子であるマイクロレゾネータの実施形態を示す平面図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、図1に示すマイクロレゾネータの拡大断面である。なお、図3(a)は、図1中のB−B線断面図、図3(b)は、図3(a)中のC−C線断面である。また、以下の説明では、図2および図3中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1および図2に示すマイクロレゾネータ1は、基部2と、この基部2に固定された一対の固定電極31、32(電極)と、固定電極31、32同士の間で基部2に対し変位可能に設けられた可動部4とを有している。
図1および図2に示すマイクロレゾネータ1は、基部2と、この基部2に固定された一対の固定電極31、32(電極)と、固定電極31、32同士の間で基部2に対し変位可能に設けられた可動部4とを有している。
可動部4は、固定電極31、32に対し間隙を隔てて対向しつつ変位可能に設けられている。そして、可動部4は、固定電極31、32と可動部4との間に電圧を印加することにより可動部4を振動させ、および/または、固定電極31、32と可動部4との間の静電容量に基づき可動部4の振動状態を検出するものである。
より具体的には、可動部4は、各固定電極31、32にそれぞれ間隙を隔てて対向する可動電極41、42と、基部2に支持部51、52を介して固定された固定部45、46と、各可動電極41、42と各固定部45、46とを連結する梁部43、44と、可動電極41と可動電極42とを連結する連結部47とを有している。
より具体的には、可動部4は、各固定電極31、32にそれぞれ間隙を隔てて対向する可動電極41、42と、基部2に支持部51、52を介して固定された固定部45、46と、各可動電極41、42と各固定部45、46とを連結する梁部43、44と、可動電極41と可動電極42とを連結する連結部47とを有している。
各可動電極41、42は、それぞれ、複数の電極指411、421が並設された櫛歯形状をなしている。
このような可動電極41、42と固定部45、46とを連結する梁部43、44は、所定のバネ定数の弾性を有している。また、可動電極41と可動電極42とを連結する連結部47は、可動電極41、42間の距離を固定する機能を有するものである。したがって、可動電極41、42は、連結部47の長手方向に振動可能となっている。
このような可動電極41、42と固定部45、46とを連結する梁部43、44は、所定のバネ定数の弾性を有している。また、可動電極41と可動電極42とを連結する連結部47は、可動電極41、42間の距離を固定する機能を有するものである。したがって、可動電極41、42は、連結部47の長手方向に振動可能となっている。
そして、このような可動部4は、可動電極41、42、固定部45、46、梁部43、44、および連結部47のそれぞれの上面および側面に、可動部4の電気抵抗を低める処理が施されている。すなわち、図2および図3に示すように、可動部4は、その上面および側面のほぼ全域に亘って、可動部4の電気抵抗を低下させる処理(導電性を向上させる処理)を施した低抵抗部(高導電性部)48を有している。
このように可動部4がその一部に可動部4の電気抵抗を低める処理を施した低抵抗部48を有していると、マイクロレゾネータ1(振動子)のエネルギーの損失を低減しつつ、マイクロレゾネータ1(振動子)の振動特性を優れたものとすることができる。
また、可動部4(可動部4の低抵抗部48以外の部分)の構成材料としては、シリコンが好適である。可動部4がシリコンを主材料として構成されていると、振動特性を優れたものとしつつ、可動部4の耐久性を優れたものとすることができる。また、可動部4の製造に際し、可動部4の寸法精度を優れたものとすることができる。
また、可動部4(可動部4の低抵抗部48以外の部分)の構成材料としては、シリコンが好適である。可動部4がシリコンを主材料として構成されていると、振動特性を優れたものとしつつ、可動部4の耐久性を優れたものとすることができる。また、可動部4の製造に際し、可動部4の寸法精度を優れたものとすることができる。
低抵抗部48の構成材料としてシリコンを用いる場合、低抵抗部48がシリサイドを主材料として構成されているのが好ましい。これにより、低抵抗部48の耐久性を優れたものとしつつ、可動部4の電気抵抗を低減することができる。
また、低抵抗部48の構成材料としてシリコンを用いる場合、低抵抗部48がシリコンにイオンをドープしたものを主材料として構成されているのが好ましい。これにより、低抵抗部48の耐久性を優れたものとしつつ、可動部4の電気抵抗を低減することができる。
また、低抵抗部48の構成材料としてシリコンを用いる場合、低抵抗部48がシリコンにイオンをドープしたものを主材料として構成されているのが好ましい。これにより、低抵抗部48の耐久性を優れたものとしつつ、可動部4の電気抵抗を低減することができる。
また、低抵抗部48を金属を主材料として構成することも可能である。この場合、可動部4の構成材料に関わらず、可動部4の電気抵抗を低減することができる。
また、低抵抗部48が可動部4の最短通電経路のほぼ全域に亘って形成されている。これにより、マイクロレゾネータ1のエネルギーの損失を最大限に低減しつつ、マイクロレゾネータ1の振動特性を優れたものとすることができる。
また、低抵抗部48が可動部4の最短通電経路のほぼ全域に亘って形成されている。これにより、マイクロレゾネータ1のエネルギーの損失を最大限に低減しつつ、マイクロレゾネータ1の振動特性を優れたものとすることができる。
また、低抵抗部48が可動部4の一方の面のほぼ全域に亘って形成されている。これにより、マイクロレゾネータ1のエネルギーの損失を低減しつつ、マイクロレゾネータ1の振動特性をより優れたものとすることができる。
また、低抵抗部48が可動部4の表面付近にのみ形成されている。これにより、可動部4にシリコンの特性を十分に残して、マイクロレゾネータ1の振動特性をより優れたものとすることができる。
また、低抵抗部48が可動部4の表面付近にのみ形成されている。これにより、可動部4にシリコンの特性を十分に残して、マイクロレゾネータ1の振動特性をより優れたものとすることができる。
一方、各固定電極31、32は、それぞれ、並設された複数の電極指311、321と、固定部312、322とを有している。
そして、各固定部312、322は、それぞれ、支持部53、54を介して基部2に固定されている。
図3に示すように、このような固定電極31、32にも、可動部4と同様に、固定電極31、32の電気抵抗を低下させる処理を施した低抵抗部33を有している。
そして、各固定部312、322は、それぞれ、支持部53、54を介して基部2に固定されている。
図3に示すように、このような固定電極31、32にも、可動部4と同様に、固定電極31、32の電気抵抗を低下させる処理を施した低抵抗部33を有している。
固定電極31と可動電極41とは、電極指311と電極指411とが交互に位置するように、すなわち、互いに噛み合うようにして配置されている。また、固定電極32と可動電極42とも、固定電極31と可動電極41と同様に配置されている。
マイクロレゾネータ1では、これらの電極指311、321および411、421の幅、間隔、厚さ等を調整することにより、共振周波数等の特性を所望のものに設定することができる。
本実施形態では、可動部4を構成する各部のうち、各可動電極41、42および各梁部43、44、連結部47が、また、各固定電極31、32を構成する各部のうち、各電極指311、321が、それぞれ、基部2から浮いた状態、すなわち、所定の距離(後述する第2の層102の厚さ)離間した状態となっている。
マイクロレゾネータ1では、これらの電極指311、321および411、421の幅、間隔、厚さ等を調整することにより、共振周波数等の特性を所望のものに設定することができる。
本実施形態では、可動部4を構成する各部のうち、各可動電極41、42および各梁部43、44、連結部47が、また、各固定電極31、32を構成する各部のうち、各電極指311、321が、それぞれ、基部2から浮いた状態、すなわち、所定の距離(後述する第2の層102の厚さ)離間した状態となっている。
一方、可動部4を構成する各部のうち、各固定部45、46が、また、各固定電極31、32を構成する各部のうち、各固定部312、322が、それぞれ、基部2に固定された状態となっている。
このようなマイクロレゾネータ1では、固定電極31と可動電極41との間に電圧を印加すると、両電極31、41間に静電引力が発生し、可動電極41が固定電極31に接近するように移動する。
このようなマイクロレゾネータ1では、固定電極31と可動電極41との間に電圧を印加すると、両電極31、41間に静電引力が発生し、可動電極41が固定電極31に接近するように移動する。
一方、この固定電極31と可動電極41との間への電圧の印加を停止するとともに、固定電極32と可動電極42との間に電圧を印加すると、両電極32、42間に静電引力が発生し、可動電極42が固定電極32に向かって移動する。
このように、固定電極31と可動電極41との間、および、固定電極32と可動電極42との間に、交互に電圧を印加することにより、可動電極41、42が往復動(振動)する。そして、その振動周波数を可動部4の共振周波数とすると、可動部4を効率よく振動させることができる。このとき、共振周波数は、可動部4の質量(主に可動電極41、42、連結部47の合計質量)と、梁部43、44のバネ定数で定まる変位に対する復元力によって定まる。
このように、固定電極31と可動電極41との間、および、固定電極32と可動電極42との間に、交互に電圧を印加することにより、可動電極41、42が往復動(振動)する。そして、その振動周波数を可動部4の共振周波数とすると、可動部4を効率よく振動させることができる。このとき、共振周波数は、可動部4の質量(主に可動電極41、42、連結部47の合計質量)と、梁部43、44のバネ定数で定まる変位に対する復元力によって定まる。
以上のようなマイクロレゾネータ1にあっては、可動部4がその一部に可動部4の電気抵抗を低める処理を施した低抵抗部48を有するので、マイクロレゾネータ1(振動子)のエネルギーの損失を低減しつつ、マイクロレゾネータ1(振動子)の振動特性を優れたものとすることができる。
このようなマイクロレゾネータ1は、固定電極31、32と可動部4との間に電圧を印加することにより可動部4を振動させ、および/または、固定電極31、32と可動部4との間の静電容量に基づき可動部4の振動状態を検出するので、圧電素子のような高価な素子を用いることなく、可動部4の振動および/または可動部の振動状態の検出を行うことができる。
また、固定電極31、32の一部にも固定電極31、32の電気抵抗を低める処理を施した他の低抵抗部33を有するので、固定電極31、32でのエネルギー損失を低減することができる。また、可動部4と同じ材料で固定電極31、32を構成することができ、後に詳述するようにマイクロレゾネータ1の製造工程を簡単化することができる。
このようなマイクロレゾネータ1は、固定電極31、32と可動部4との間に電圧を印加することにより可動部4を振動させ、および/または、固定電極31、32と可動部4との間の静電容量に基づき可動部4の振動状態を検出するので、圧電素子のような高価な素子を用いることなく、可動部4の振動および/または可動部の振動状態の検出を行うことができる。
また、固定電極31、32の一部にも固定電極31、32の電気抵抗を低める処理を施した他の低抵抗部33を有するので、固定電極31、32でのエネルギー損失を低減することができる。また、可動部4と同じ材料で固定電極31、32を構成することができ、後に詳述するようにマイクロレゾネータ1の製造工程を簡単化することができる。
<マイクロレゾネータの製造方法>
次に、前述したマイクロレゾネータ1を製造する場合の一例を図4ないし図6に基づき説明する。
図4は、図1ないし図3に示すマイクロレゾネータの製造方法の第1の例を説明するための図、図5は、図1ないし図3に示すマイクロレゾネータの製造方法の第2の例を説明するための図、図6は、図1ないし図3に示すマイクロレゾネータの製造方法の第3の例を説明するための図である。なお、図4ないし図6は、図1中のA−A線断面に対応する断面を示している。また、以下の説明では、図4中ないし図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
次に、前述したマイクロレゾネータ1を製造する場合の一例を図4ないし図6に基づき説明する。
図4は、図1ないし図3に示すマイクロレゾネータの製造方法の第1の例を説明するための図、図5は、図1ないし図3に示すマイクロレゾネータの製造方法の第2の例を説明するための図、図6は、図1ないし図3に示すマイクロレゾネータの製造方法の第3の例を説明するための図である。なお、図4ないし図6は、図1中のA−A線断面に対応する断面を示している。また、以下の説明では、図4中ないし図6中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
ここで、図4は、低抵抗部33、48がシリサイドを主材料として構成されている場合のマイクロレゾネータ1の製造方法の一例を示し、図5は、低抵抗部33、48がシリコンにイオンをドープしたものを主材料として構成されている場合のマイクロレゾネータ1の製造方法の一例を示し、図6は、低抵抗部33、48が金属を主材料として構成されている場合のマイクロレゾネータ1の製造方法の一例を示している。以下、マイクロレゾネータ1の製造方法として、第1の例ないし第3の例を順次詳細に説明する。
(第1の例)
まず、図4に示す第1の例に係るマイクロレゾネータ1の製造方法を説明する。
図4に示す第1の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法は、[A1]3層構成の基板を用意する工程と、[A2]その基板の一層目を第1のエッチングを施して可動部4および固定電極31、32に対応した形状のパターンを形成する工程と、[A3]そのパターンに低抵抗化処理(シリサイド化)を施して、低抵抗部48を形成する工程と、[A4]その基板の2層目に第2のエッチングを施して支持部51〜54を形成する工程とを有する。以下、各工程を順次説明する。
まず、図4に示す第1の例に係るマイクロレゾネータ1の製造方法を説明する。
図4に示す第1の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法は、[A1]3層構成の基板を用意する工程と、[A2]その基板の一層目を第1のエッチングを施して可動部4および固定電極31、32に対応した形状のパターンを形成する工程と、[A3]そのパターンに低抵抗化処理(シリサイド化)を施して、低抵抗部48を形成する工程と、[A4]その基板の2層目に第2のエッチングを施して支持部51〜54を形成する工程とを有する。以下、各工程を順次説明する。
[A1]基板の用意
まず、図4(a)に示すように、基部101上に、後述する第1のエッチングにより実質的にエッチングされない第2の層102と、第1のエッチングによりエッチングされる第1の層103とがこの順で積層されてなる3層構成の基板10を用意する。
この基板10を構成する各層のうち、第1の層103は、前述したマイクロレゾネータ1の可動部4および各固定電極31、32に、第2の層102は、各支持部51、52、53、54に加工される部分であり、基部101は、基部2となる部分である。
まず、図4(a)に示すように、基部101上に、後述する第1のエッチングにより実質的にエッチングされない第2の層102と、第1のエッチングによりエッチングされる第1の層103とがこの順で積層されてなる3層構成の基板10を用意する。
この基板10を構成する各層のうち、第1の層103は、前述したマイクロレゾネータ1の可動部4および各固定電極31、32に、第2の層102は、各支持部51、52、53、54に加工される部分であり、基部101は、基部2となる部分である。
この基板10としては、各層101、102、103の組み合わせで各種のものが挙げられるが、特に、主としてSiで構成された基部101上に、主としてSiO2で構成された第2の層と、主としてSiで構成された第1の層(活性層)103とがこの順で積層されてなるSOI基板が好適である。以下では、基板10としてSOI基板を用いる場合を例に説明する。
基板10としてSOI基板を用いることにより、第1の層103の厚さが比較的厚いものを作製することができるようになる。このため、形成される各電極指311、321、411、421の厚さを大きくすることができるので、各電極指311、321、411、421の断面積(長手方向に対して垂直な方向での面積)を大きくすることができる。これにより、マイクロレゾネータ1では、静電容量を大きくすることができ、その結果、印加電圧に対する可動部4の変位量を増大させることができる。
また、各電極指311、321、411、421の厚さを大きく設定することができるので、必要とする断面積を確保しつつ、その幅を小さくすることができる。これにより、各固定電極31、32、41、42の小型化、ひいては、マイクロレゾネータ1全体の小型化を図ることができる。また、簡単に、高精度なマイクロレゾネータ1を得ることができる。
第1の層103の厚さ(平均)は、特に限定されないが、0.2〜100μm程度であるのが好ましく、20〜60μm程度であるのがより好ましい。第1の層103の厚さが薄過ぎると、第1の層103の構成材料等によっては、マイクロレゾネータ1において、可動部4の印加電圧に対する変位量を十分に大きくするのが困難となるおそれがあり、一方、第1の層103の厚さを前記上限値を超えて大きくしても、それ以上の効果の増大が期待できないばかりでなく、エッチングを深く垂直に行うことが難しくなる。
[A2]第1のエッチング工程
次に、図4(b)に示すように、前述したような基板10に対し、可動部4に対応した形状のパターン4aを形成する。ここで、パターン4aの大きさは、低抵抗部48の厚さを考慮して、可動部4の大きさよりも小さくなっている。なお、このとき、図示されていないが、基板10に対し、固定電極31、32に対応した形状のパターンもパターン4aと同様に形成する。
次に、図4(b)に示すように、前述したような基板10に対し、可動部4に対応した形状のパターン4aを形成する。ここで、パターン4aの大きさは、低抵抗部48の厚さを考慮して、可動部4の大きさよりも小さくなっている。なお、このとき、図示されていないが、基板10に対し、固定電極31、32に対応した形状のパターンもパターン4aと同様に形成する。
具体的には、まず、基板10の第1の層103上(第2の層102と反対側)のエッチング領域内に、例えばフォトリソグラフィー法等を用いて、可動部(構造体)4および固定電極31、32に対応する形状のマスクを形成する。
次に、形成されたマスクを用いて、第1の層103に対して第1のエッチングを施す。 このとき、第2の層102は、第1のエッチングにより実質的にエッチングされないものであり、第1のエッチングに際して、その侵攻を阻止するストップ層として機能する。
次に、形成されたマスクを用いて、第1の層103に対して第1のエッチングを施す。 このとき、第2の層102は、第1のエッチングにより実質的にエッチングされないものであり、第1のエッチングに際して、その侵攻を阻止するストップ層として機能する。
第1のエッチングには、例えば、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチングのようなドライエッチング、ウェットエッチング等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、ドライエッチング、特に、反応性イオンエッチングを用いるのが好適である。
第1のエッチングとしてドライエッチングを用いることにより、第1の層103に対して異方性の高いエッチングを行うことができ、第1の層103のパターニングを寸法精度よく行うことができる。
第1のエッチングとしてドライエッチングを用いることにより、第1の層103に対して異方性の高いエッチングを行うことができ、第1の層103のパターニングを寸法精度よく行うことができる。
次に、前述のマスクを除去する。後述する第2のエッチングに先立ってマスクを除去することにより、後述する工程[4]において、ウェットエッチングを用いる場合には、マスク材料(レジスト材料や、金属材料)の溶解によるエッチング液の汚染を防止または抑制することができる。
このマスクの除去方法としては、例えば、マスクがレジスト材料で構成される場合には、レジスト剥離液、マスクが金属材料で構成される場合には、リン酸溶液のようなメタル剥離液等を用いることができる。
以上のような工程[A2]により、第1の層103が可動部4、各固定電極31、32に対応する形状にパターンニングされ、パターン4aが形成される。
このマスクの除去方法としては、例えば、マスクがレジスト材料で構成される場合には、レジスト剥離液、マスクが金属材料で構成される場合には、リン酸溶液のようなメタル剥離液等を用いることができる。
以上のような工程[A2]により、第1の層103が可動部4、各固定電極31、32に対応する形状にパターンニングされ、パターン4aが形成される。
[A3]低抵抗化処理(シリサイド化)
次に、図4(c)に示すように、パターン4a上に金属層48aを形成して、パターン4bを得た後に、図4(d)に示すように、パターン4bに熱処理を施して低抵抗部48を形成して可動部4を得る。また、これと同様にて、固定電極31、32に対応するパターンにもイオンを注入する。
次に、図4(c)に示すように、パターン4a上に金属層48aを形成して、パターン4bを得た後に、図4(d)に示すように、パターン4bに熱処理を施して低抵抗部48を形成して可動部4を得る。また、これと同様にて、固定電極31、32に対応するパターンにもイオンを注入する。
より具体的に説明すると、金属層48aの形成は、例えば、パターン4aおよび第2の層102上に一様に金属膜を形成し、この金属膜の一部を除去することにより行う。
金属膜の形成方法としては、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、薄膜の接合等が挙げられる。
金属膜の形成方法としては、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、ゾル・ゲル法、MOD法、薄膜の接合等が挙げられる。
金属膜の構成材料としては、熱処理によりシリコンと拡散してシリサイドを形成する金属であれば、Ti、Co、Ni、W等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、金属膜の一部を除去する方法としては、特に限定されず、例えば、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチングのようなドライエッチング、ウェットエッチング等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、金属膜の一部の除去は、熱処理の後に行ってもよい。この場合、シリサイドにならずにパターン上に残存する金属も同時に除去することができる。
また、金属膜の一部を除去する方法としては、特に限定されず、例えば、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチングのようなドライエッチング、ウェットエッチング等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、金属膜の一部の除去は、熱処理の後に行ってもよい。この場合、シリサイドにならずにパターン上に残存する金属も同時に除去することができる。
また、パターン4aの熱処理は、パターン4bと金属層48aとを互いに拡散させて、シリコンと金属との化合物(シリサイド)を主材料として構成された低抵抗部48を形成する。
この熱処理としては、シリサイドを主材料として構成された低抵抗部48を形成することができるものであれば、特に限定されず、例えば、レーザー、ランプ、電熱ヒータ、電子ビーム等を用いることができる。
また、この熱処理後には、基板10をSC1、SC2洗浄するのが好ましい。
この熱処理としては、シリサイドを主材料として構成された低抵抗部48を形成することができるものであれば、特に限定されず、例えば、レーザー、ランプ、電熱ヒータ、電子ビーム等を用いることができる。
また、この熱処理後には、基板10をSC1、SC2洗浄するのが好ましい。
[A4]第2のエッチング工程
次に、図4(e)に示すように、第2の層102に対して、第1の層103が実質的にエッチングされず、第2の層102をエッチング可能な第2のエッチングを施す。これにより、第2の層102の一部が除去され、可動部4が形成される。なお、このとき、図示しないが、固定電極31、32も可動部4と同様にして形成される。
次に、図4(e)に示すように、第2の層102に対して、第1の層103が実質的にエッチングされず、第2の層102をエッチング可能な第2のエッチングを施す。これにより、第2の層102の一部が除去され、可動部4が形成される。なお、このとき、図示しないが、固定電極31、32も可動部4と同様にして形成される。
この第2のエッチングには、例えば、反応性イオンエッチング、プラズマエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチングのようなドライエッチング、ウェットエッチング等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、ウェットエッチングを用いるのが好適である。
第2のエッチングとしてウェットエッチングを用いることにより、第2の層102を等方的にエッチングすることができる。このため、前記工程[2]において加工されて残存する第1の層103直下の第2の層102も効率よく除去することができる。
第2のエッチングとしてウェットエッチングを用いることにより、第2の層102を等方的にエッチングすることができる。このため、前記工程[2]において加工されて残存する第1の層103直下の第2の層102も効率よく除去することができる。
このウェットエッチングに用いるエッチング液としては、例えばフッ酸等が挙げられる。
このようなエッチング液に基板10を浸漬すると、まず、残存する第1の層103(可動部4、各固定電極31、32および各ダミー部(図示せず))によって覆われていない第2の層102は、上面からエッチングが開始し、等方的にエッチングが進行する。
このようなエッチング液に基板10を浸漬すると、まず、残存する第1の層103(可動部4、各固定電極31、32および各ダミー部(図示せず))によって覆われていない第2の層102は、上面からエッチングが開始し、等方的にエッチングが進行する。
次に、可動部4、各固定電極31、32の直下の第2の層102も、それぞれ、露出した側面側からエッチングが進行して、徐々に除去される。
そして、第2の層102が除去されていくことにより、基部101と第1の層103との間には、間隙が形成されていく。
ここで、固定部45、46は、それぞれ、平面視において、各可動電極41、42および各梁部43、44を構成する帯状体の面積(最大)より面積が大きく設定されている。このため、これらの面積の差により、固定部45、46以外の部分(各可動電極41、42および各梁部43、44)の直下の第2の層102がほぼ完全に除去された時点では、各固定部45、46の直下の第2の層102の一部が残存した状態となる。
そして、第2の層102が除去されていくことにより、基部101と第1の層103との間には、間隙が形成されていく。
ここで、固定部45、46は、それぞれ、平面視において、各可動電極41、42および各梁部43、44を構成する帯状体の面積(最大)より面積が大きく設定されている。このため、これらの面積の差により、固定部45、46以外の部分(各可動電極41、42および各梁部43、44)の直下の第2の層102がほぼ完全に除去された時点では、各固定部45、46の直下の第2の層102の一部が残存した状態となる。
このような時点(状態)で、第2のエッチングを終了すると、残存した第2の層102が支持部51、52となり、この支持部51、52を介して、可動部4は、各固定部45、46において基部101(基部2)に、それぞれ固定される。一方、可動部4の他の部分は、基部101から浮いた状態となる。
以上のような工程を経て、マイクロレゾネータ1が製造される。
以上のような工程を経て、マイクロレゾネータ1が製造される。
(第2の例)
次に、図5に示す第2の例に係るマイクロレゾネータ1の製造方法を説明する。
図5に示す第2の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法は、[B1]3層構成の基板を用意する工程と、[B2]その基板の一層目を第1のエッチングを施して可動部4および固定電極31、32に対応した形状のパターンを形成する工程と、[B3]そのパターンに低抵抗化処理(イオン注入)を施して、低抵抗部48を形成する工程と、[B4]その基板の2層目に第2のエッチングを施して支持部51〜54を形成する工程とを有する。以下、各工程を順次説明する。
次に、図5に示す第2の例に係るマイクロレゾネータ1の製造方法を説明する。
図5に示す第2の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法は、[B1]3層構成の基板を用意する工程と、[B2]その基板の一層目を第1のエッチングを施して可動部4および固定電極31、32に対応した形状のパターンを形成する工程と、[B3]そのパターンに低抵抗化処理(イオン注入)を施して、低抵抗部48を形成する工程と、[B4]その基板の2層目に第2のエッチングを施して支持部51〜54を形成する工程とを有する。以下、各工程を順次説明する。
[B1]基板の用意
まず、図5(a)に示すように、前述した第1の例の工程[A1]と同様の基板10を用意する。
[B2]第1のエッチング工程
次に、図5(b)に示すように、前述したような基板10に対し、可動部4に対応した形状のパターン4cを形成する。ここで、パターン4cの大きさは、可動部4の大きさとほぼ同程度となっている。なお、このとき、図示されていないが、基板10に対し、固定電極31、32に対応した形状のパターンもパターン4cと同様に形成する。
パターン4bの形成方法としては、前述した第1の例のパターン4aの形成方法と同様のものを用いることができる。
まず、図5(a)に示すように、前述した第1の例の工程[A1]と同様の基板10を用意する。
[B2]第1のエッチング工程
次に、図5(b)に示すように、前述したような基板10に対し、可動部4に対応した形状のパターン4cを形成する。ここで、パターン4cの大きさは、可動部4の大きさとほぼ同程度となっている。なお、このとき、図示されていないが、基板10に対し、固定電極31、32に対応した形状のパターンもパターン4cと同様に形成する。
パターン4bの形成方法としては、前述した第1の例のパターン4aの形成方法と同様のものを用いることができる。
[B3]低抵抗化処理(イオン注入)
次に、パターン4cに対しイオン注入法を用いてイオンを注入して、図5(c)に示すように可動部4を得る。また、これと同様にて、固定電極31、32に対応するパターンにもイオンを注入する。
より具体的に説明すると、イオンの注入方法としては、特に限定されず、各種イオン注入法を用いることができる。
次に、パターン4cに対しイオン注入法を用いてイオンを注入して、図5(c)に示すように可動部4を得る。また、これと同様にて、固定電極31、32に対応するパターンにもイオンを注入する。
より具体的に説明すると、イオンの注入方法としては、特に限定されず、各種イオン注入法を用いることができる。
また、注入するイオン種は、特に限定されないが、リンイオン(P3−)、ヒ素イオン(As3−)、ホウ素イオン(B3+)、フッ化ホウ素イオン(BF2+)、等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、イオン注入の際には、イオン注入したくない部分をレジスト材料により保護することができる。
また、イオン注入の際には、イオン注入したくない部分をレジスト材料により保護することができる。
[B4]第2のエッチング工程
次に、前述した第1の例の工程[A4]と同様にして、図5(d)に示すように、第2の層102に対して、第2のエッチングを施す。これにより、第2の層102の一部が除去され、可動部4が形成される。なお、このとき、図示しないが、固定電極31、32も可動部4と同様にして形成される。
以上のような工程を経て、マイクロレゾネータ1が製造される。
次に、前述した第1の例の工程[A4]と同様にして、図5(d)に示すように、第2の層102に対して、第2のエッチングを施す。これにより、第2の層102の一部が除去され、可動部4が形成される。なお、このとき、図示しないが、固定電極31、32も可動部4と同様にして形成される。
以上のような工程を経て、マイクロレゾネータ1が製造される。
(第3の例)
次に、図6に示す第3の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法を説明する。
図6に示す第3の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法は、[C1]3層構成の基板を用意する工程と、[C2]その基板の一層目を第1のエッチングを施して可動部4および固定電極31、32に対応した形状のパターンを形成する工程と、[C3]そのパターンに低抵抗化処理(金属層の形成)を施して、低抵抗部48を形成する工程と、[C4]その基板の2層目に第2のエッチングを施して支持部51〜54を形成する工程とを有する。以下、各工程を順次説明する。
次に、図6に示す第3の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法を説明する。
図6に示す第3の例にかかるマイクロレゾネータ1の製造方法は、[C1]3層構成の基板を用意する工程と、[C2]その基板の一層目を第1のエッチングを施して可動部4および固定電極31、32に対応した形状のパターンを形成する工程と、[C3]そのパターンに低抵抗化処理(金属層の形成)を施して、低抵抗部48を形成する工程と、[C4]その基板の2層目に第2のエッチングを施して支持部51〜54を形成する工程とを有する。以下、各工程を順次説明する。
[C1]基板の用意
まず、図6(a)に示すように、前述した第1の例の工程[A1]と同様の基板10を用意する。
[C2]第1のエッチング工程
次に、前述した第1の例の工程[A2]と同様にして、図6(b)に示すように、基板10に対し、可動部4に対応した形状のパターン4aを形成する。
まず、図6(a)に示すように、前述した第1の例の工程[A1]と同様の基板10を用意する。
[C2]第1のエッチング工程
次に、前述した第1の例の工程[A2]と同様にして、図6(b)に示すように、基板10に対し、可動部4に対応した形状のパターン4aを形成する。
[C3]低抵抗化処理(金属層の形成)
次に、図6(c)に示すように、パターン4a上に金属層からなる低抵抗部48を形成して可動部4を得る。
より具体的に説明すると、金属層からなる低抵抗部48の形成は、例えば、パターン4aおよび第2の層102上に一様に金属膜を形成し、この金属膜の一部を除去することにより行う。
次に、図6(c)に示すように、パターン4a上に金属層からなる低抵抗部48を形成して可動部4を得る。
より具体的に説明すると、金属層からなる低抵抗部48の形成は、例えば、パターン4aおよび第2の層102上に一様に金属膜を形成し、この金属膜の一部を除去することにより行う。
すなわち、金属層からなる低抵抗部48の形成方法としては、前述した第1の例の工程[A3]における金属層48aの形成方法と同様の方法を用いることができる。
金属膜からなる低抵抗部48の構成材料としては、低抵抗部48を形成することができる金属であれば、特に限定されず、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ag、Au、Pt、Pdのような金属(金属単体)、これらの金属を含む合金、これらの金属を含む酸化物等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属膜からなる低抵抗部48の構成材料としては、低抵抗部48を形成することができる金属であれば、特に限定されず、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ag、Au、Pt、Pdのような金属(金属単体)、これらの金属を含む合金、これらの金属を含む酸化物等が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[C4]第2のエッチング工程
次に、前述した第1の例の工程[A4]と同様にして、図6(d)に示すように、第2の層102に対して、第2のエッチングを施す。これにより、第2の層102の一部が除去され、可動部4が形成される。なお、このとき、図示しないが、固定電極31、32も可動部4と同様にして形成される。
次に、前述した第1の例の工程[A4]と同様にして、図6(d)に示すように、第2の層102に対して、第2のエッチングを施す。これにより、第2の層102の一部が除去され、可動部4が形成される。なお、このとき、図示しないが、固定電極31、32も可動部4と同様にして形成される。
以上のような工程を経て、マイクロレゾネータ1が製造される。
以上説明したような第1〜3の例にかかる製造方法は、いずれも、可動部4を形成するための基板を用意する工程と、基板を加工して、可動部4に対応する形状のパターンを形成する工程と、パターンの少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、低抵抗部を形成する工程とを有するものである。このような製造方法により、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有するマイクロレゾネータ1を製造することができる。
以上説明したような第1〜3の例にかかる製造方法は、いずれも、可動部4を形成するための基板を用意する工程と、基板を加工して、可動部4に対応する形状のパターンを形成する工程と、パターンの少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、低抵抗部を形成する工程とを有するものである。このような製造方法により、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有するマイクロレゾネータ1を製造することができる。
なお、マイクロレゾネータ1の製造方法は、前述したものに限定されない。例えば、パターンを形成する工程と低抵抗化処理とを前述した第1〜3の例と逆にしたものでもよい。すなわち、マイクロレゾネータ1の製造方法は、可動部を形成するための基板を用意する工程と、基板の少なくとも一部に、その電気抵抗を低下させる処理を施して、処理部を形成する工程と、前記処理部を有する前記基板を加工して、前記低抵抗部を有する前記可動部を形成する工程とを有するものでもよい。このような製造方法によっても、エネルギーの損失を低減しつつ、優れた振動特性を有する振動子を製造することができる。また、前述したような櫛歯状の電極を有するマイクロレゾネータ1の製造する際に、櫛歯間のギャップの高精度化を図ることができる。
上述したようなマイクロレゾネータ1は、各種の電子機器に適用することができ、得られる電子機器は、振動子に必要な電力が少なくて済むため、省電力化を図ることができる。また、振動子の振動特性が優れているため、電子機器の信頼性を高めることができる。
次に、このような電子機器(本発明の振動子を備える電子機器)について、図7〜図9に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。
次に、このような電子機器(本発明の振動子を備える電子機器)について、図7〜図9に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。
図7は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピュータ1100には、例えば、基準クロック、計時用クロック、無線機器の発振回路、フィルタ等として機能する振動子1や、アンテナ1101が内蔵されている。
この図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピュータ1100には、例えば、基準クロック、計時用クロック、無線機器の発振回路、フィルタ等として機能する振動子1や、アンテナ1101が内蔵されている。
図8は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)の構成を示す斜視図である。
この図において、携帯電話機1200は、アンテナ1201、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部が配置されている。
この図において、携帯電話機1200は、アンテナ1201、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部が配置されている。
このような携帯電話機1200には、例えば、搬送波、検波用の発振回路、フィルタ、マイコン用クロック、計時用クロック等として機能する振動子1が内蔵されている。
図9は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリ1308に転送・格納される。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、デ−タ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピュータ1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピュータ1440に出力される構成になっている。
このようなディジタルスチルカメラ1300には、例えば、マイクロコンピュータ用クロック、計時用クロック等として機能する振動子1が内蔵されている。
なお、本発明の電子機器は、図4のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図5の携帯電話機、図6のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ等に適用することができる。
なお、本発明の電子機器は、図4のパーソナルコンピュータ(モバイル型パーソナルコンピュータ)、図5の携帯電話機、図6のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ等に適用することができる。
以上、本発明の振動子、振動子の製造方法および電子機器について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の振動子は、前述した実施形態のものに限定されず、各種マイクロレゾネータや、MEMS応用のセンサ(圧力、加速度、角速度、姿勢)等に適用することができる。
例えば、本発明の振動子は、前述した実施形態のものに限定されず、各種マイクロレゾネータや、MEMS応用のセンサ(圧力、加速度、角速度、姿勢)等に適用することができる。
また、本発明の振動子を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、前述した実施形態では、可動部と固定電極との間に静電引力を生じさせることにより、可動部を駆動するものについて説明したが、可動部に圧電素子等の素子を設けて可動部を駆動するものについても、本発明を適用することができる。これと同様に、前述した実施形態では、可動部と固定電極との間の静電容量に基づいて可動部の駆動状態を検出するものについて説明したが、可動部に圧電素子等の素子を設けて可動部の駆動状態を検出するものについても、本発明を適用することができる。
また、前述した実施形態では、可動部と固定電極との間に静電引力を生じさせることにより、可動部を駆動するものについて説明したが、可動部に圧電素子等の素子を設けて可動部を駆動するものについても、本発明を適用することができる。これと同様に、前述した実施形態では、可動部と固定電極との間の静電容量に基づいて可動部の駆動状態を検出するものについて説明したが、可動部に圧電素子等の素子を設けて可動部の駆動状態を検出するものについても、本発明を適用することができる。
また、低抵抗部48は、可動部4の少なくとも一部に形成されていれば、本発明の効果を得ることができる。
例えば、前述した実施形態では低抵抗部33、48を可動部4や固定電極31、32の上面および側面に設けたものについて説明したが、可動部4や固定電極31、32の下面に設けてもよい。この場合、製造工程において、基部2に開口部を形成し、基部2の下方から低抵抗化処理を行うことができる。
また、可動部4の全部を低抵抗化してもよく、可動部4の内部のみを低抵抗化してもよい。例えば、前述した第1の例にかかる製造方法の工程[A3]にてパターン4bの全体をシリサイド化してもよく、また、前述した第2の例にかかる製造方法の工程[B3]にてパターン4cの全体にイオン注入してもよい。
例えば、前述した実施形態では低抵抗部33、48を可動部4や固定電極31、32の上面および側面に設けたものについて説明したが、可動部4や固定電極31、32の下面に設けてもよい。この場合、製造工程において、基部2に開口部を形成し、基部2の下方から低抵抗化処理を行うことができる。
また、可動部4の全部を低抵抗化してもよく、可動部4の内部のみを低抵抗化してもよい。例えば、前述した第1の例にかかる製造方法の工程[A3]にてパターン4bの全体をシリサイド化してもよく、また、前述した第2の例にかかる製造方法の工程[B3]にてパターン4cの全体にイオン注入してもよい。
1……マイクロレゾネータ 2……基部 31、32……固定電極 33……低抵抗部 311、321……電極指 312、322……固定部 4……可動部 4a、4b、4c……パターン 41、42……可動電極 411、421……電極指 43、44……梁部 45、46……固定部 47……連結部 48……低抵抗部 48a……金属層 51、52、53、54……支持部 10……基板 101……基部 102……第2の層 103……第1の層 1100‥‥パーソナルコンピュータ 1101‥‥アンテナ 1102‥‥キーボード 1104‥‥本体部 1106‥‥表示ユニット 1200‥‥携帯電話機 1201‥‥アンテナ 1202‥‥操作ボタン 1204‥‥受話口 1206‥‥送話口 1300‥‥ディジタルスチルカメラ 1302‥‥ケース(ボディー) 1304‥‥受光ユニット 1306‥‥シャッタボタン 1308‥‥メモリ 1312‥‥ビデオ信号出力端子 1314‥‥データ通信用の入出力端子 1430‥‥テレビモニタ 1440‥‥パーソナルコンピュータ
Claims (13)
- 基部と、
前記基部に対し変位可能に支持された可動部とを有し、
前記可動部に通電することにより、前記可動部を振動させ、および/または、前記可動部の振動状態を検出する振動子であって、
前記可動部は、その少なくとも一部に、前記可動部の電気抵抗を低下させる処理を施した低抵抗部を有することを特徴とする振動子。 - 前記基部に対し固定された固定電極を有し、前記可動部は、前記固定電極に対し間隙を隔てて対向しつつ変位可能に設けられており、前記固定電極と前記可動部との間に電圧を印加することにより前記可動部を振動させ、および/または、前記固定電極と前記可動部との間の静電容量に基づき前記可動部の振動状態を検出する請求項1に記載の振動子。
- 前記固定電極は、その少なくとも一部に、前記固定電極の電気抵抗を低下させる処理を施した他の低抵抗部を有する請求項2に記載の振動子。
- 前記可動部は、シリコンを主材料として構成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の振動子。
- 前記低抵抗部は、シリサイドを主材料として構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の振動子。
- 前記低抵抗部は、シリコンにイオンをドープしたものを主材料として構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の振動子。
- 前記低抵抗部は、前記可動部の表面に設けられた金属層である請求項1ないし4のいずれかに記載の振動子。
- 前記低抵抗部は、少なくとも、前記可動部の最短通電経路のほぼ全域に亘って形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の振動子。
- 前記低抵抗部は、前記可動部の少なくとも一方の面のほぼ全域に亘って形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載の振動子。
- 前記低抵抗部は、前記可動部の表面付近にのみ形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の振動子。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の振動子を製造する方法であって、
前記可動部を形成するための基板を用意する工程と、
前記基板を加工して、前記可動部に対応する形状のパターンを形成する工程と、
前記パターンの少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、前記低抵抗部を形成する工程とを有することを特徴とする振動子の製造方法。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の振動子を製造する方法であって、
前記可動部を形成するための基板を用意する工程と、
前記基板の少なくとも一部に、その電気抵抗を低める処理を施して、処理部を形成する工程と、
前記処理部を有する前記基板を加工して、前記低抵抗部を有する前記可動部を形成する工程とを有することを特徴とする振動子の製造方法。 - 請求項1ないし10のいずれかに記載の振動子を備えることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005272740A JP2007088639A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 振動子、振動子の製造方法、および電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005272740A JP2007088639A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 振動子、振動子の製造方法、および電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007088639A true JP2007088639A (ja) | 2007-04-05 |
Family
ID=37975205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005272740A Pending JP2007088639A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 振動子、振動子の製造方法、および電子機器 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2007088639A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009100009A (ja) * | 2007-10-12 | 2009-05-07 | Seiko Instruments Inc | 発振子及び該発振子を有する発振器 |
JP2009165931A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Canon Inc | 容量型超音波トランスデューサの製造方法 |
JP2012029052A (ja) * | 2010-07-23 | 2012-02-09 | Ritsumeikan | 電極構造要素と振動構造要素を近接して配置する方法およびこれを用いたmemsデバイス |
-
2005
- 2005-09-20 JP JP2005272740A patent/JP2007088639A/ja active Pending
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