JP2014170996A - Mems振動子、mems振動子の製造方法、電子機器、及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動周波数の変動を抑制したMEMS振動子を提供する。
【解決手段】MEMS振動子1は、絶縁部12と、絶縁部の主面に設けられた第1の電極22、及び機能部40と、第1の電極に対し間隙を介して主面12a側に設けられた第2の電極24と、を備え、第2の電極は、基部31と、基部から主面と直交する第1の方向に延設された固定部36と、基部から第1の方向と直交する第2の方向に延設された第1の腕部32と、第1の腕部と並んで基部から第2の方向に延設された第2の腕部34とを有し、第1の電極及び第2の電極を平面視した場合に、第1の電極は、第1の腕部及び第2の腕部の一部と重なる様に設けられるとともに、第2の電極は、固定部が機能部と接続されている。
【選択図】図1
【解決手段】MEMS振動子1は、絶縁部12と、絶縁部の主面に設けられた第1の電極22、及び機能部40と、第1の電極に対し間隙を介して主面12a側に設けられた第2の電極24と、を備え、第2の電極は、基部31と、基部から主面と直交する第1の方向に延設された固定部36と、基部から第1の方向と直交する第2の方向に延設された第1の腕部32と、第1の腕部と並んで基部から第2の方向に延設された第2の腕部34とを有し、第1の電極及び第2の電極を平面視した場合に、第1の電極は、第1の腕部及び第2の腕部の一部と重なる様に設けられるとともに、第2の電極は、固定部が機能部と接続されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、MEMS振動子、MEMS振動子の製造方法、電子機器、及び移動体に関する。
一般に、半導体微細加工技術を利用して形成されたMEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスと呼ばれる機械的に可動な構造体を備えた電気機械系構造体(例えば、振動子、フィルター、加速度センサー、モーター等)が知られている。この中で、MEMS振動子は、水晶や誘電体を使用した振動子・共振子と比較して、振動子の駆動回路や振動の変化を増幅する回路を組み込んで製造することが容易であり、微細化、高機能化に対し有利であることから、その用途が広がっている。
従来のMEMS振動子の代表例としては、基板の厚さ方向に振動する梁型振動子が知られている。梁型振動子は、基板上に設けられた下部電極(固定電極)と、この下部電極に対して間隙を介して設けられた上部電極(可動電極)等からなる振動子である。梁型振動子としては、可動電極の支持の方法によって、片持ち梁型(clamped−free beam)、両持ち梁型(clamped−clamped beam)、両端自由梁型(free−free beam)等が知られている。
片持ち梁型のMEMS振動子は、振動する可動電極の片側が開放されており、このことによって基板からの熱応力などの影響を受けにくい構造となっている。また、こうした片持ち梁型のMEMS振動子の中でも、可動電極の先端部分が互い違いに振動するような構造のMEMS振動子では可動電極の振動が基板部分へも影響するいわゆる振動漏れを少なくした構造になっており、振動の効率を高めることができる。特許文献1には、下部電極の端部を台形状とすることにより振動特性を改善する構造の片持ち梁型のMEMS振動子が開示されている。
しかしながら、基板と可動電極との線膨張係数が異なり、温度変化によって可動電極と、可動電極が固定される基板と、の接続部分に生じる応力によって、可動電極の振動周波数変動が生じる虞があった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態、又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係るMEMS振動子は、絶縁部と、絶縁部の主面に設けられた第1の電極、及び機能部と、第1の電極に対し間隙を介して主面側に設けられた第2の電極と、を備え、第2の電極は、基部と、基部から主面と直交する第1の方向に延設された固定部と、基部から第1の方向と直交する第2の方向に延設された第1の腕部と、第1の腕部と並んで基部から第2の方向に延設された第2の腕部とを有し、第1の電極及び第2の電極を平面視した場合に、第1の電極は、第1の腕部及び第2の腕部の一部と重なる様に設けられるとともに、第2の電極は、固定部が機能部と接続されていること、を特徴とする。
本適用例に係るMEMS振動子は、絶縁部と、絶縁部の主面に設けられた第1の電極、及び機能部と、第1の電極に対し間隙を介して主面側に設けられた第2の電極と、を備え、第2の電極は、基部と、基部から主面と直交する第1の方向に延設された固定部と、基部から第1の方向と直交する第2の方向に延設された第1の腕部と、第1の腕部と並んで基部から第2の方向に延設された第2の腕部とを有し、第1の電極及び第2の電極を平面視した場合に、第1の電極は、第1の腕部及び第2の腕部の一部と重なる様に設けられるとともに、第2の電極は、固定部が機能部と接続されていること、を特徴とする。
この様なMEMS振動子によれば、第2の電極は、その基部から延設される固定部が機能部と接続され、当該機能部を介して絶縁部に接続されているため、絶縁部と、第2の電極と、の線膨張係数の相違から生じる応力を機能部で緩和することができる。これによって、応力による第2の電極の振動周波数の変動やヒステリシスを抑制することができる。
従って、振動周波数が安定したMEMS振動子を得ることができる。
従って、振動周波数が安定したMEMS振動子を得ることができる。
[適用例2]
上記適用例に係るMEMS振動子の固定部は、第2の方向と交差する第3の方向における基部の幅の中心を通り、第2の方向に延伸する仮想線に対して線対称に基部から第1の方向に複数延設されていること、が好ましい。
上記適用例に係るMEMS振動子の固定部は、第2の方向と交差する第3の方向における基部の幅の中心を通り、第2の方向に延伸する仮想線に対して線対称に基部から第1の方向に複数延設されていること、が好ましい。
この様なMEMS振動子によれば、基部の幅の中心を通り第2の方向に延伸する仮想線に対して線対称に基部から第1の方向に複数の固定部が延設され、その固定部が機能部と接続されている。これによって、絶縁部と、第2の電極と、の線膨張係数の相違から生じる応力は、単一の固定部によって第2の電極と、機能部と、が接続される場合と比べて、複数の固定部で接続されることで、さらに緩和することができる。
[適用例3]
上記適用例に係るMEMS振動子の第2の電極と機能部とは、同じ部材で形成されていることを特徴とする。
上記適用例に係るMEMS振動子の第2の電極と機能部とは、同じ部材で形成されていることを特徴とする。
この様なMEMS振動子によれば、第2の電極と、機能部と、が同じ材料で形成されていることで、第2の電極及び機能部の線膨張係数が略等しくなることから、応力による第2の電極の振動周波数の変動やヒステリシスを抑制することができる。
[適用例4]
本適用例に係るMEMS振動子の製造方法は、絶縁部を形成する工程と、絶縁部の主面に第1の電極を形成する工程、及び機能部を形成する工程と、主面側に第1の電極に対し間隙を介して、基部と、基部から主面と直交する第1の方向に延伸する固定部と、基部から第1の方向と直交する第2の方向に延伸する第1の腕部及び第2の腕部と、を含む第2の電極を形成する工程と、を含み、第1の電極、及び第2の電極を形成する工程は、第1の電極及び第2の電極を平面視した場合に、第1の電極は、第1の腕部及び第2の腕部の一部と重なる様に、第1の電極及び第2の電極を形成するとともに、機能部と固定部とを接続する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例に係るMEMS振動子の製造方法は、絶縁部を形成する工程と、絶縁部の主面に第1の電極を形成する工程、及び機能部を形成する工程と、主面側に第1の電極に対し間隙を介して、基部と、基部から主面と直交する第1の方向に延伸する固定部と、基部から第1の方向と直交する第2の方向に延伸する第1の腕部及び第2の腕部と、を含む第2の電極を形成する工程と、を含み、第1の電極、及び第2の電極を形成する工程は、第1の電極及び第2の電極を平面視した場合に、第1の電極は、第1の腕部及び第2の腕部の一部と重なる様に、第1の電極及び第2の電極を形成するとともに、機能部と固定部とを接続する工程と、を含むことを特徴とする。
この様なMEMS振動子の製造方法によれば、絶縁部上に機能部を形成する工程を含み、第2の電極の基部から第1の方向に延伸する固定部を当該機能部に接続することができる。
これによって、第2の電極は、機能部と接続され、絶縁部上に設けることができるため、絶縁部と、第2の電極と、の線膨張係数の相違から生じる応力を機能部で緩和することができる。これによって、応力による第2の電極の振動周波数の変動やヒステリシス等を抑制することができる。従って、振動周波数が安定したMEMS振動子を得ることができる。
これによって、第2の電極は、機能部と接続され、絶縁部上に設けることができるため、絶縁部と、第2の電極と、の線膨張係数の相違から生じる応力を機能部で緩和することができる。これによって、応力による第2の電極の振動周波数の変動やヒステリシス等を抑制することができる。従って、振動周波数が安定したMEMS振動子を得ることができる。
[適用例5]
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法の固定部を形成する工程は、第2の方向と交差する第3の方向における基部の幅の中心を通り、第2の方向に延伸する仮想線に対して線対称に基部から第1の方向に複数の固定部を形成することが好ましい。
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法の固定部を形成する工程は、第2の方向と交差する第3の方向における基部の幅の中心を通り、第2の方向に延伸する仮想線に対して線対称に基部から第1の方向に複数の固定部を形成することが好ましい。
この様なMEMS振動子の製造方法によれば、第2の電極部を機能部に接続する複数の固定部を形成することができる。これによって、絶縁部と、第2の電極と、の線膨張係数の相違から生じる応力は、単一の固定部によって第2の電極と、機能部と、が接続される場合と比べて、複数の固定部で接続されることで、さらに緩和することができるMEMS振動子を得ることができる。
[適用例6]
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法の第2の電極を形成する工程は、形成する第2の電極に不純物を含ませる工程を含むことが好ましい。
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法の第2の電極を形成する工程は、形成する第2の電極に不純物を含ませる工程を含むことが好ましい。
この様なMEMS振動子の製造方法によれば、形成する第2の電極に不純物を含ませることができる。これにより、第2の電極の導電率を高め、第2の電極と、機能部と、の接続に伴う電気抵抗の増加を抑制することができる。
[適用例7]
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法は、第2の電極と、機能部と、に跨がって不純物を分布させる工程を含むことが好ましい。
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法は、第2の電極と、機能部と、に跨がって不純物を分布させる工程を含むことが好ましい。
この様なMEMS振動子の製造方法によれば、互いに接続される第2の電極と、機能部と、に跨がる様に不純物を分布させることができる。これによって、第2の電極と、機能部と、が接続される部分の導電率を高め、第2の電極と機能部との接続に伴う電気抵抗の増加を抑制することができる。
[適用例8]
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法は、少なくとも第2の電極と、機能部と、が接続される部分をシリサイド化する工程を含むことが好ましい。
上記適用例に係るMEMS振動子の製造方法は、少なくとも第2の電極と、機能部と、が接続される部分をシリサイド化する工程を含むことが好ましい。
この様なMEMS振動子の製造方法によれば、第2の電極と、機能部と、が接続される部分をシリサイド化することができる。これによって、シリサイド化された第2の電極と機能部との導電率を高め、第2の電極と機能部との接続に伴う電気抵抗の増加を抑制することができる。
[適用例9]
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかのMEMS振動子を搭載していることを特徴とする。
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかのMEMS振動子を搭載していることを特徴とする。
この様な電子機器は、上述したいずれかのMEMS振動子を搭載することで、周波数変動が抑制された信頼度の高い精度の電子機器を得ることができる。
[適用例10]
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかのMEMS振動子を搭載していることを特徴とする。
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかのMEMS振動子を搭載していることを特徴とする。
この様な移動体によれば、上述したいずれかのMEMS振動子を搭載することで、周波数変動が抑制された信頼度の高い移動体を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
(第1実施形態)
第1実施形態に係るMEMS振動子について、図1から図5を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係るMEMS振動子の概略を模式的に示す平面図である。図2は、図1中の線分A−A’、線分B−B’、線分C−C’のそれぞれで示す部分のMEMS振動子の断面を模式的に示す断面図である。図3は、MEMS振動子の動作を説明する斜視図である。図4及び図5は、図1中の線分A−A’で示す部分のMEMS振動子の断面を模式的に示し、その製造工程を説明する模式図である。
また、図1から図5では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は基板と各電極が積層される厚み方向を示す軸である。
第1実施形態に係るMEMS振動子について、図1から図5を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係るMEMS振動子の概略を模式的に示す平面図である。図2は、図1中の線分A−A’、線分B−B’、線分C−C’のそれぞれで示す部分のMEMS振動子の断面を模式的に示す断面図である。図3は、MEMS振動子の動作を説明する斜視図である。図4及び図5は、図1中の線分A−A’で示す部分のMEMS振動子の断面を模式的に示し、その製造工程を説明する模式図である。
また、図1から図5では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は基板と各電極が積層される厚み方向を示す軸である。
(MEMS振動子1の構造)
本実施形態のMEMS振動子1は、図1及び図2に示す様に、基板10と、第1の可動電極としての下部電極20と、第2の電極としての上部電極30と、機能部40と、を備える。
本実施形態のMEMS振動子1は、図1及び図2に示す様に、基板10と、第1の可動電極としての下部電極20と、第2の電極としての上部電極30と、機能部40と、を備える。
基板10は、後述する下部電極20や上部電極30等が設けられる主面10aを有する。基板10は、その材料として、例えば、シリコン基板やガラス基板等を用いることができる。本実施形態のMEMS振動子1は、基板10としてシリコン基板を用いている。
以降の説明において主面10a側と称する場合は、絶縁部12が設けられる方向として説明する。
以降の説明において主面10a側と称する場合は、絶縁部12が設けられる方向として説明する。
基板10の主面10aと直交する第1の方向(Z軸方向)には、絶縁部12が積層して設けられている。
本実施形態の絶縁部12は、例えば、主面10a側から順に第1絶縁部121と、第2絶縁部122と、で構成されている。第1絶縁部121は、その材料として、酸化シリコン(SiO2)等を用いることができる。また、第2絶縁部122は、その材料として、窒化シリコン(SiN)等を用いることができる。絶縁部12の構成及び材料は、特に限定されることなく、後述する上部電極30等を形成する際のエッチングから基板10を保護することと、基板10と、後述する下部電極20等と、の間の絶縁性能を備えれば適宜変更しても良い。また、以降の説明において主面12a側と称する場合は、絶縁部12の第2絶縁部122が設けられている方向として説明する。
本実施形態の絶縁部12は、例えば、主面10a側から順に第1絶縁部121と、第2絶縁部122と、で構成されている。第1絶縁部121は、その材料として、酸化シリコン(SiO2)等を用いることができる。また、第2絶縁部122は、その材料として、窒化シリコン(SiN)等を用いることができる。絶縁部12の構成及び材料は、特に限定されることなく、後述する上部電極30等を形成する際のエッチングから基板10を保護することと、基板10と、後述する下部電極20等と、の間の絶縁性能を備えれば適宜変更しても良い。また、以降の説明において主面12a側と称する場合は、絶縁部12の第2絶縁部122が設けられている方向として説明する。
主面12a側の絶縁部12上には、下部電極20と、機能部40と、が設けられている。また、下部電極20に対して間隙50を介して上部電極30が設けられている。また、機能部40に上部電極30が接続して設けられている。
上部電極30は、基部31と、第1の方向と交差する第2の方向(−Y軸方向)に基部31から延設する第1腕部32と、当該第1腕部32の延伸する第2の方向と交差する第3の方向(X軸方向)、かつ第1腕部32の両側に隙間33を介して並んで第2の方向に基部31から延設する第2腕部34と、を備えている。
また、上部電極30を後述する機能部40に接続するための固定部36が基部31から第1の方向に延設されている。固定部36は、上部電極30及び機能部40をZ軸方向から平面視した場合に、機能部40と重なる様に設けられている。
また、上部電極30を後述する機能部40に接続するための固定部36が基部31から第1の方向に延設されている。固定部36は、上部電極30及び機能部40をZ軸方向から平面視した場合に、機能部40と重なる様に設けられている。
上部電極30を形成する材料として、ポリシリコン等を用いることができる。ポリシリコンは一般的に導電性を有するため、上部電極30は、電極膜等を設けることなく電極としての機能を得ることができる。また、上部電極30は、基部31から延設される第1腕部32、及び第2腕部34を、例えば、フォトリソグラフィー法によって容易に形成することができる。なお、MEMS振動子1の製造方法については、詳細に後述する。
下部電極20は、第1電極22と、第2電極24と、を備える。
図1に示す様に下部電極20、及び上部電極30を平面視した場合に、下部電極20は、第1電極22と、上部電極30の第1腕部32と、の少なくとも一部が重なる様に絶縁部12上(主面12a側)に設けられている。また、下部電極20は、第2電極24と、上部電極30の第2腕部34と、の少なくとも一部が重なる様に絶縁部12上(主面12a側)に設けられている。
なお、下部電極20及び上部電極30を平面視した場合に、第2電極24と第1腕部32、及び第1電極22と第2腕部34が相互に重ならない様に、下部電極20が絶縁部12上(主面12a側)に設けられている。また、第1電極22と、第2電極24と、は電気的に絶縁されている。
図1に示す様に下部電極20、及び上部電極30を平面視した場合に、下部電極20は、第1電極22と、上部電極30の第1腕部32と、の少なくとも一部が重なる様に絶縁部12上(主面12a側)に設けられている。また、下部電極20は、第2電極24と、上部電極30の第2腕部34と、の少なくとも一部が重なる様に絶縁部12上(主面12a側)に設けられている。
なお、下部電極20及び上部電極30を平面視した場合に、第2電極24と第1腕部32、及び第1電極22と第2腕部34が相互に重ならない様に、下部電極20が絶縁部12上(主面12a側)に設けられている。また、第1電極22と、第2電極24と、は電気的に絶縁されている。
下部電極20は、その材料として、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、または、これらを含む合金を用いることができる。例えば、本実施形態の下部電極20は、金(Au)を材料とし、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって設けられている。
機能部40は、機能部40及び上部電極30をZ軸方向から平面視した場合に、上部電極30の基部31と重なる様に主面12a側の絶縁部12上に設けられている。また、機能部40には、前述した上部電極30を支持するための固定部36が接続されている。
なお、機能部40には、上部電極30を駆動させる電気信号と、駆動によって得られる電気信号と、を伝達する配線(図示省略)が接続されている。
なお、機能部40には、上部電極30を駆動させる電気信号と、駆動によって得られる電気信号と、を伝達する配線(図示省略)が接続されている。
機能部40は、その材料として、例えば、上部電極30と同様にポリシリコン等を用いることができる。機能部40を形成する材料は、特に限定されないが線膨張係数が小さい材料が好ましい。線膨張係数の小さい材料を用いることで、絶縁部12と、上部電極30とを接続する固定部36に集中する応力を抑制することができる。
また、上部電極30と、機能部40と、は同じ材料であるポリシリコンを用いることで、絶縁部12、機能部40、及び上部電極30の間で異種材料の接続箇所を抑制することができる。よって、上部電極30と、機能部40と、は同じ材料を用いることで線膨張係数の異なる材料が接続されることで生じる応力を抑制することができる。
また、上部電極30と、機能部40と、は同じ材料であるポリシリコンを用いることで、絶縁部12、機能部40、及び上部電極30の間で異種材料の接続箇所を抑制することができる。よって、上部電極30と、機能部40と、は同じ材料を用いることで線膨張係数の異なる材料が接続されることで生じる応力を抑制することができる。
(MEMS振動子1の動作)
本実施形態のMEMS振動子1は、図示を省略する回路部で生成された駆動信号を、下部電極20と、機能部40に接続されている固定部36を介して上部電極30と、に供給(伝達)することができる。また、上部電極30が振動することによって得られた電気信号を、下部電極20と、機能部40に接続されている固定部36を介して上部電極30と、から取り出すことができる。
また、下部電極20及び上部電極30に駆動信号を供給することによって、第1腕部32と、第2腕部34と、を互い違いに上下振動させることができる。具体的には、上部電極30の第1腕部32と、下部電極20の第1電極22と、の間に電圧が印加される。また、上部電極30の第2腕部34と、下部電極20の第2電極24と、の間に電圧を印加される。それぞれの電極間に逆位相の電圧を印加することで、第1腕部32に生じる電界の方向と、第2腕部34に生じる電界の方向と、が逆向きとなる。
従って、図3に矢印で示す様に,第1腕部32の振動方向と、第2腕部34の振動方向とは逆向きに(逆方向と)なり、駆動信号の印加によって生じた電界により、第1腕部32と、第2腕部34と、が互い違いに上下運動を行う。この様に、3腕構造とすることにより、例えば、図3に示すZ軸方向である上下運動を用いる振動モードにおいてもQ値を高めることが可能となる。
本実施形態のMEMS振動子1は、図示を省略する回路部で生成された駆動信号を、下部電極20と、機能部40に接続されている固定部36を介して上部電極30と、に供給(伝達)することができる。また、上部電極30が振動することによって得られた電気信号を、下部電極20と、機能部40に接続されている固定部36を介して上部電極30と、から取り出すことができる。
また、下部電極20及び上部電極30に駆動信号を供給することによって、第1腕部32と、第2腕部34と、を互い違いに上下振動させることができる。具体的には、上部電極30の第1腕部32と、下部電極20の第1電極22と、の間に電圧が印加される。また、上部電極30の第2腕部34と、下部電極20の第2電極24と、の間に電圧を印加される。それぞれの電極間に逆位相の電圧を印加することで、第1腕部32に生じる電界の方向と、第2腕部34に生じる電界の方向と、が逆向きとなる。
従って、図3に矢印で示す様に,第1腕部32の振動方向と、第2腕部34の振動方向とは逆向きに(逆方向と)なり、駆動信号の印加によって生じた電界により、第1腕部32と、第2腕部34と、が互い違いに上下運動を行う。この様に、3腕構造とすることにより、例えば、図3に示すZ軸方向である上下運動を用いる振動モードにおいてもQ値を高めることが可能となる。
(MEMS振動子1の製造方法)
本実施形態のMEMS振動子1を製造する工程は、絶縁部12や下部電極20や上部電極30が形成される主面10aを有する基板10を準備する工程を含む。また、MEMS振動子1を製造する工程は、基板10の主面10a上に絶縁部12を形成する工程と、絶縁部12の主面12a上に下部電極20を形成する工程と、下部電極20に対して間隙50を介した上部電極30を形成する工程と、を含む。さらに、MEMS振動子1を形成する工程は、機能部40を形成する工程と、機能部40と、上部電極30の基部31と、を接続する工程と、を含む。
以下、図4及び図5を用いて、工程順にMEMS振動子1の製造方法について説明をする。なお、図4及び図5に示す各図は、図1に示す線分A−A’の断面における状態を示している。
本実施形態のMEMS振動子1を製造する工程は、絶縁部12や下部電極20や上部電極30が形成される主面10aを有する基板10を準備する工程を含む。また、MEMS振動子1を製造する工程は、基板10の主面10a上に絶縁部12を形成する工程と、絶縁部12の主面12a上に下部電極20を形成する工程と、下部電極20に対して間隙50を介した上部電極30を形成する工程と、を含む。さらに、MEMS振動子1を形成する工程は、機能部40を形成する工程と、機能部40と、上部電極30の基部31と、を接続する工程と、を含む。
以下、図4及び図5を用いて、工程順にMEMS振動子1の製造方法について説明をする。なお、図4及び図5に示す各図は、図1に示す線分A−A’の断面における状態を示している。
図4(a)は、MEMS振動子1を形成する基板10が準備された状態を示している。
基板10を準備する工程は、後述する各工程で絶縁部12、下部電極20、上部電極30等が形成される基板10を準備する工程である。基板10は、例えば、シリコン基板等を用いることができる。なお、MEMS振動子1の製造方法の説明においても絶縁部12、下部電極20、上部電極30等が形成される側の基板10の面を主面10aと称している。
基板10を準備する工程は、後述する各工程で絶縁部12、下部電極20、上部電極30等が形成される基板10を準備する工程である。基板10は、例えば、シリコン基板等を用いることができる。なお、MEMS振動子1の製造方法の説明においても絶縁部12、下部電極20、上部電極30等が形成される側の基板10の面を主面10aと称している。
図4(b)は、基板10の主面10aに絶縁部12が形成された状態を示している。
絶縁部12を形成する工程は、上述の工程で準備をした基板10の主面10aに絶縁部12を積層する工程である。
本実施形態のMEMS振動子1の絶縁部12は、基板10の主面10aと直交する第1の方向に当該主面10a側から第1絶縁部121と、第2絶縁部122と、の順で構成されている。なお、MEMS振動子1の製造方法の説明においても第2絶縁部122が形成された側の絶縁部12の面を主面12aと称している。
絶縁部12を形成する工程は、上述の工程で準備をした基板10の主面10aに絶縁部12を積層する工程である。
本実施形態のMEMS振動子1の絶縁部12は、基板10の主面10aと直交する第1の方向に当該主面10a側から第1絶縁部121と、第2絶縁部122と、の順で構成されている。なお、MEMS振動子1の製造方法の説明においても第2絶縁部122が形成された側の絶縁部12の面を主面12aと称している。
第1絶縁部121を形成する工程は、例えば、第1絶縁部121として酸化シリコン(SiO2)膜をCVD法によって形成することができる。第1絶縁部121を形成する工程は、CVD法に限定されること無く、熱酸化法によって基板10としてのシリコン基板の主面10aに酸化シリコン膜を形成しても良い。
なお、第1絶縁部121は、基板10の主面10aに対応して、その略全面に形成されるものである。
なお、第1絶縁部121は、基板10の主面10aに対応して、その略全面に形成されるものである。
第2絶縁部122を形成する工程は、例えば、第2絶縁部122としての窒化シリコン(SiN)膜をCVD法によって形成することができる。第2絶縁部122を形成する工程は、CVD法に限定されること無く、窒素ガスと水素ガスとの雰囲気中で、基板10としてのシリコン基板を加熱することで窒化シリコン膜を形成しても良い。
なお、第2絶縁部122は、第1絶縁部121に対応して、その略全面に形成されるものである。
なお、第2絶縁部122は、第1絶縁部121に対応して、その略全面に形成されるものである。
図4(c)は、絶縁部12の主面12a上に下部電極20と、機能部40と、が形成された状態を示している。
下部電極20を形成する工程は、上述した絶縁部12の主面12a側、即ち、第2絶縁部122上に下部電極20を形成する工程である。
下部電極20の形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む第1電極22と、第2電極24と、をCVD法によって形成することができる。
なお、第2絶縁部122上には下部電極20の他に、後述する工程で機能部40を形成されるため、下部電極20の形成を欲しない第2絶縁部122上の部分(領域)にマスクを施し、下部電極20の形成を行う。これにより、電気的に分離した第1電極22と、第2電極24と、を含む下部電極20を形成することができる。
下部電極20を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD(Physical Vapour Deposition)法等を用いて、各種導電性材料を含む下部電極20を形成しても良い。
下部電極20の形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む第1電極22と、第2電極24と、をCVD法によって形成することができる。
なお、第2絶縁部122上には下部電極20の他に、後述する工程で機能部40を形成されるため、下部電極20の形成を欲しない第2絶縁部122上の部分(領域)にマスクを施し、下部電極20の形成を行う。これにより、電気的に分離した第1電極22と、第2電極24と、を含む下部電極20を形成することができる。
下部電極20を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD(Physical Vapour Deposition)法等を用いて、各種導電性材料を含む下部電極20を形成しても良い。
機能部40を形成する工程は、上述した絶縁部12の主面12a側、即ち、第2絶縁部122上に機能部40を形成する工程である。
機能部40を形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む機能部40をCVD法によって形成することができる。
なお、第2絶縁部122上には機能部40の他に、前述した下部電極20を形成されるため、機能部40の形成を欲しない第2絶縁部122上の部分(領域)にマスクを施し、機能部40の形成を行う。機能部40を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD法等を用いて、各種導電性材料を含む下部電極20を形成しても良い。
機能部40を形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む機能部40をCVD法によって形成することができる。
なお、第2絶縁部122上には機能部40の他に、前述した下部電極20を形成されるため、機能部40の形成を欲しない第2絶縁部122上の部分(領域)にマスクを施し、機能部40の形成を行う。機能部40を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD法等を用いて、各種導電性材料を含む下部電極20を形成しても良い。
下部電極20及び機能部40を形成する工程は、同時に下部電極20と、機能部40と、を形成しても良い。例えば、下部電極20及び機能部40は、ポリシリコンを用いて形成する場合、同時にCVD法によって形成することができる。
下部電極20及び機能部40を形成する工程は、下部電極20及び機能部40として形成したポリシリコン層をフォトリソグラフィー法によってパターニングを行い、機能部40と、第1電極22、第2電極24を含む下部電極20と、を形成することができる。
下部電極20と、機能部40と、を同時に形成することで、MEMS振動子1の形成工程を削減し、生産効率を高めることができる。
下部電極20及び機能部40を形成する工程は、下部電極20及び機能部40として形成したポリシリコン層をフォトリソグラフィー法によってパターニングを行い、機能部40と、第1電極22、第2電極24を含む下部電極20と、を形成することができる。
下部電極20と、機能部40と、を同時に形成することで、MEMS振動子1の形成工程を削減し、生産効率を高めることができる。
図4(d)は、下部電極20と、上部電極30と、の間に間隙50を設けるため、下部電極20と、機能部40と、を覆う様に犠牲層210が設けられた状態を示している。
犠牲層210を形成する工程は、下部電極20と、上部電極30と、の間に間隙50を設けるための中間層である犠牲層210を形成する工程である。
MEMS振動子1は上述の通り、下部電極20に対して、間隙50を介して上部電極30が設けられている。上部電極30は、後述する工程で当該犠牲層210上に形成され、後の工程によって犠牲層210が除去されることで、下部電極20との間に間隙50を設けることができる。
犠牲層210を形成する工程は、例えば、酸化シリコン(SiO2)を含む犠牲層210をCVD法によって形成することができる。犠牲層210を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD法等を用いて、酸化シリコンを含む犠牲層210を形成しても良い。
なお、犠牲層210を構成する材料は、後述する工程で下部電極20、上部電極30、機能部40、を残置しつつ、犠牲層210を除去するため、選択的に当該犠牲層210を除去(エッチング)可能な材料である酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物が好適である。犠牲層210は、酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物に限定されることは無く、選択的に当該犠牲層210を除去することができる材料であれば適宜変更して良い。
犠牲層210を形成する工程は、下部電極20と、上部電極30と、の間に間隙50を設けるための中間層である犠牲層210を形成する工程である。
MEMS振動子1は上述の通り、下部電極20に対して、間隙50を介して上部電極30が設けられている。上部電極30は、後述する工程で当該犠牲層210上に形成され、後の工程によって犠牲層210が除去されることで、下部電極20との間に間隙50を設けることができる。
犠牲層210を形成する工程は、例えば、酸化シリコン(SiO2)を含む犠牲層210をCVD法によって形成することができる。犠牲層210を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD法等を用いて、酸化シリコンを含む犠牲層210を形成しても良い。
なお、犠牲層210を構成する材料は、後述する工程で下部電極20、上部電極30、機能部40、を残置しつつ、犠牲層210を除去するため、選択的に当該犠牲層210を除去(エッチング)可能な材料である酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物が好適である。犠牲層210は、酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物に限定されることは無く、選択的に当該犠牲層210を除去することができる材料であれば適宜変更して良い。
図5(e)は、機能部40と、上部電極30から延設される固定部36と、が接続される部分の犠牲層210が部分的に除去された状態を示している。
犠牲層210を部分的に除去する工程は、固定部36が接続される部分の犠牲層210をフォトリソグラフィー法によって除去をする工程である。
犠牲層210を除去する工程は、固定部36と接続される部分の機能部40が露出される様に犠牲層210の除去を行う。
犠牲層210を部分的に除去する工程は、固定部36が接続される部分の犠牲層210をフォトリソグラフィー法によって除去をする工程である。
犠牲層210を除去する工程は、固定部36と接続される部分の機能部40が露出される様に犠牲層210の除去を行う。
図5(f)は、主面12a(主面10a)側の犠牲層210上に固定部36を含む上部電極30が形成された状態を示している。
上部電極30を形成する工程は、主面12a側の犠牲層210上に上部電極30を形成する工程である。また、前述の工程で犠牲層210が除去された部分に上部電極30から延設される固定部36を設ける工程である。また、上部電極30を形成する工程は、固定部36と、機能部40と、を接続する工程でもある。
上部電極30を形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30をCVD法によって形成することができる。また、上部電極30を形成する工程は、例えば、当該工程で形成したポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30となる層を、フォトリソグラフィー法によってパターニングを行い第1腕部32、第2腕部34等の形成を行う。
上部電極30を形成する工程は、主面12a側の犠牲層210上に上部電極30を形成する工程である。また、前述の工程で犠牲層210が除去された部分に上部電極30から延設される固定部36を設ける工程である。また、上部電極30を形成する工程は、固定部36と、機能部40と、を接続する工程でもある。
上部電極30を形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30をCVD法によって形成することができる。また、上部電極30を形成する工程は、例えば、当該工程で形成したポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30となる層を、フォトリソグラフィー法によってパターニングを行い第1腕部32、第2腕部34等の形成を行う。
なお、上部電極30を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD法等を用いて、各種導電性材料を含む上部電極30を形成しても良い。また、上部電極30を形成する工程は、例えば、犠牲層210上に上部電極30の形成を欲する部分が開口したマスクパターンを施し、CVD法やPVD法等で上部電極30となる層を犠牲層210上に形成しても良い。
図5(g)は、上述の工程で形成した犠牲層210が除去された状態を示している。
犠牲層210を除去する工程は、先の工程で形成した犠牲層210を選択的に除去する工程である。
犠牲層210を除去する工程は、犠牲層210を選択的に除去することが求められる。そこで、犠牲層210を除去する工程は、例えば、ウエットエッチング法によって、犠牲層210のエッチング(除去)を行う。ウエットエッチング法による犠牲層210の除去は、フッ酸を含むエッチャント(洗浄液)を用いると好適である。フッ酸を含むエッチャントを用いることで、酸化シリコンを含む犠牲層210に対するエッチング速度が、ポリシリコンを含む下部電極20や上部電極30のエッチング速度に比べて早いことから犠牲層210を選択的、かつ効率的に除去することができる。
犠牲層210を除去する工程は、先の工程で形成した犠牲層210を選択的に除去する工程である。
犠牲層210を除去する工程は、犠牲層210を選択的に除去することが求められる。そこで、犠牲層210を除去する工程は、例えば、ウエットエッチング法によって、犠牲層210のエッチング(除去)を行う。ウエットエッチング法による犠牲層210の除去は、フッ酸を含むエッチャント(洗浄液)を用いると好適である。フッ酸を含むエッチャントを用いることで、酸化シリコンを含む犠牲層210に対するエッチング速度が、ポリシリコンを含む下部電極20や上部電極30のエッチング速度に比べて早いことから犠牲層210を選択的、かつ効率的に除去することができる。
また、下部電極20及び機能部40の下地膜である第2絶縁部122が設けられていることで、耐フッ酸性を有する窒化シリコンを含む第2絶縁部122が、いわゆるエッチングストッパーとして機能することができる。これにより、MEMS振動子1は、犠牲層210を除去する工程によって犠牲層210がエッチングされることで、基板10と、下部電極20及び機能部40と、の絶縁低下を抑制することがきる。
なお、犠牲層210を除去する工程は、ウエットエッチング法に限定されること無く、ドライエッチング法によって犠牲層210の除去を行っても良い。
MEMS振動子1は、犠牲層210を除去されることで、下部電極20と、上部電極30と、の間に間隙50が生じ、上部電極30が振動可能となる。
なお、犠牲層210を除去する工程は、ウエットエッチング法に限定されること無く、ドライエッチング法によって犠牲層210の除去を行っても良い。
MEMS振動子1は、犠牲層210を除去されることで、下部電極20と、上部電極30と、の間に間隙50が生じ、上部電極30が振動可能となる。
上述した犠牲層210を除去することで、MEMS振動子1を製造する工程が完了する。
上述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様なMEMS振動子1によれば、上部電極30、その基部31から延設される固定部36が機能部40と接続され、当該機能部40を介して絶縁部12に接続されているため、上部電極30と、基板10及び絶縁部12と、の線膨張係数の相違から生じる応力を機能部40で緩和することができる。
また、この様なMEMS振動子1の製造方法によれば、絶縁部12上に機能部40を形成する工程を含み、上部電極30の基部31から延伸する固定部36を当該機能部40に接続することができる。
これによって、上部電極30と機能部40と接続され、上部電極30を絶縁部12上に設けることができるため、上部電極30と、基板10及び絶縁部12と、の線膨張係数の相違から生じる応力を機能部40で緩和することができる。
従って、応力による上部電極30の振動周波数の変動やヒステリシスを抑制した、振動周波数が安定したMEMS振動子1を得ることができる。
この様なMEMS振動子1によれば、上部電極30、その基部31から延設される固定部36が機能部40と接続され、当該機能部40を介して絶縁部12に接続されているため、上部電極30と、基板10及び絶縁部12と、の線膨張係数の相違から生じる応力を機能部40で緩和することができる。
また、この様なMEMS振動子1の製造方法によれば、絶縁部12上に機能部40を形成する工程を含み、上部電極30の基部31から延伸する固定部36を当該機能部40に接続することができる。
これによって、上部電極30と機能部40と接続され、上部電極30を絶縁部12上に設けることができるため、上部電極30と、基板10及び絶縁部12と、の線膨張係数の相違から生じる応力を機能部40で緩和することができる。
従って、応力による上部電極30の振動周波数の変動やヒステリシスを抑制した、振動周波数が安定したMEMS振動子1を得ることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るMEMS振動子について、図6を用いて説明する。
図6は、第2実施形態に係るMEMS振動子を模式的に示す平面図及び断面図である。
図6では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は基板と各電極が積層される厚み方向を示す軸である。
第2実施形態に係るMEMS振動子について、図6を用いて説明する。
図6は、第2実施形態に係るMEMS振動子を模式的に示す平面図及び断面図である。
図6では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は基板と各電極が積層される厚み方向を示す軸である。
(MEMS振動子2の構造)
第2実施形態に係るMEMS振動子2は、上部電極30の基部31から延伸する複数の固定部360が設けられている点が第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1と異なる。その他の構成は略同一であるため、同一の部分には同じ符号を付して説明は簡略もしくは一部省略するものとする。
第2実施形態に係るMEMS振動子2は、上部電極30の基部31から延伸する複数の固定部360が設けられている点が第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1と異なる。その他の構成は略同一であるため、同一の部分には同じ符号を付して説明は簡略もしくは一部省略するものとする。
MEMS振動子2は、図6に示す様に、基板10と、下部電極20と、機能部40と、を備える。
基板10には、その主面10a側に絶縁部12が設けられ、主面10a側から順に、第1絶縁部121と、第2絶縁部122と、が積層して設けられている。
絶縁部12の主面12a側には、下部電極20と、機能部40とが設けられ、さらに、下部電極20に対向する上部電極30が間隙50を介して設けられている。
上部電極30には、当該上部電極30の基部31から第1の方向(−Z軸方向)に延伸する複数の固定部360が設けられている。複数の固定部360は、それぞれが機能部40に接続されている。
MEMS振動子2は、固定部360の部分が第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1とは異なるため、以下に当該固定部360について説明する。
基板10には、その主面10a側に絶縁部12が設けられ、主面10a側から順に、第1絶縁部121と、第2絶縁部122と、が積層して設けられている。
絶縁部12の主面12a側には、下部電極20と、機能部40とが設けられ、さらに、下部電極20に対向する上部電極30が間隙50を介して設けられている。
上部電極30には、当該上部電極30の基部31から第1の方向(−Z軸方向)に延伸する複数の固定部360が設けられている。複数の固定部360は、それぞれが機能部40に接続されている。
MEMS振動子2は、固定部360の部分が第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1とは異なるため、以下に当該固定部360について説明する。
MEMS振動子2の上部電極30は、図6に示す様に複数の固定部360によって機能部40に接続されている。
固定部360は、第1腕部32が延伸する第2の方向と交差する第3の方向において上部電極30の基部31の幅の中心点を通り、かつ、第1腕部32が延設された第2の方向に延伸する仮想線A1に対して線対称に設けられている。
また、上部電極30の基部31には、仮想領域362が設定されている。
仮想領域362は、第1腕部32と第2腕部34との隙間33から、第1腕部32及び第2腕部34が延設されている方向(+X軸方向)と反対方向(−X軸方向)の基部31上に設定されている。
例えば、Z軸方向から上部電極30を平面視した場合に固定部360は、図6(a)に示す隙間33から基部31の方向(−X軸方向)に向かって延伸する仮想領域362に重ならない様に設けられている。
固定部360は、第1腕部32が延伸する第2の方向と交差する第3の方向において上部電極30の基部31の幅の中心点を通り、かつ、第1腕部32が延設された第2の方向に延伸する仮想線A1に対して線対称に設けられている。
また、上部電極30の基部31には、仮想領域362が設定されている。
仮想領域362は、第1腕部32と第2腕部34との隙間33から、第1腕部32及び第2腕部34が延設されている方向(+X軸方向)と反対方向(−X軸方向)の基部31上に設定されている。
例えば、Z軸方向から上部電極30を平面視した場合に固定部360は、図6(a)に示す隙間33から基部31の方向(−X軸方向)に向かって延伸する仮想領域362に重ならない様に設けられている。
この様なMEMS振動子2は、第1腕部32と、第2腕部34と、が互い違いの方向に振動する。互い違いの方向に振動するため、第1腕部32の振動と、第2腕部34の振動と、が基部31に伝達された場合に、当該基部31に設定された仮想領域362の部分で打ち消し合う特性を有する。
そこで、MEMS振動子2は、固定部360を仮想領域362以外の基部31から延設させている。固定部360を分割して複数設けることで、第1腕部32と、第2腕部34との振動を阻害することなく、上部電極30を機能部40に接続(固定)することができる。
そこで、MEMS振動子2は、固定部360を仮想領域362以外の基部31から延設させている。固定部360を分割して複数設けることで、第1腕部32と、第2腕部34との振動を阻害することなく、上部電極30を機能部40に接続(固定)することができる。
その他のMEMS振動子2の構成は、第1実施形態で説明したMEMS振動子1と略同様のため、説明を省略する。
(MEMS振動子2の製造方法)
本実施形態のMEMS振動子2を製造する工程は、第1実施形態で上述したMEMS振動子1の製造工程と略同様である。
MEMS振動子2を製造する工程は、絶縁部12や下部電極20や上部電極30が形成される主面10aを有する基板10を準備する工程を含む。また、MEMS振動子2を製造する工程は、基板10の主面10a側に絶縁部12を形成する工程と、絶縁部12の主面12a側に第1の電極としての下部電極20を形成する工程と、下部電極20に対して間隙50を介した固定部360を含む上部電極30を形成する工程と、を含む。さらに、MEMS振動子2を形成する工程は、機能部40を形成する工程と、上部電極30の基部31と機能部40とを接続する工程と、を含む。
以下に、第1実施形態で説明したMEMS振動子1と異なる固定部360を含む上部電極30を形成する工程について説明する。
本実施形態のMEMS振動子2を製造する工程は、第1実施形態で上述したMEMS振動子1の製造工程と略同様である。
MEMS振動子2を製造する工程は、絶縁部12や下部電極20や上部電極30が形成される主面10aを有する基板10を準備する工程を含む。また、MEMS振動子2を製造する工程は、基板10の主面10a側に絶縁部12を形成する工程と、絶縁部12の主面12a側に第1の電極としての下部電極20を形成する工程と、下部電極20に対して間隙50を介した固定部360を含む上部電極30を形成する工程と、を含む。さらに、MEMS振動子2を形成する工程は、機能部40を形成する工程と、上部電極30の基部31と機能部40とを接続する工程と、を含む。
以下に、第1実施形態で説明したMEMS振動子1と異なる固定部360を含む上部電極30を形成する工程について説明する。
MEMS振動子2の製造方法において犠牲層210を部分的に除去する工程は、固定部360が接続される部分の犠牲層210をフォトグラフィー法によって除去をする工程である。
犠牲層210を除去する工程は、固定部360と接続される機能部40が露出される様に犠牲層210の除去を行う。なお、犠牲層210の除去する工程は、基部31の幅の中心を通る仮想線A1に対して線対称に固定部360が形成できる様に犠牲層210の除去を行う。
犠牲層210を除去する工程は、固定部360と接続される機能部40が露出される様に犠牲層210の除去を行う。なお、犠牲層210の除去する工程は、基部31の幅の中心を通る仮想線A1に対して線対称に固定部360が形成できる様に犠牲層210の除去を行う。
MEMS振動子2の製造方法において上部電極30を形成する工程は、主面12a(主面10a側)の犠牲層210上に上部電極30を形成する工程である。また、前述の工程で犠牲層210が除去された部分に、上部電極30から延設される複数の固定部360を設ける工程である。
上部電極30を形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30をCVD法によって形成することができる。また、上部電極30を形成する工程は、例えば、当該工程で形成したポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30となる層を、フォトリソグラフィー法によってパターニングを行い第1腕部32、第2腕部34等の形成を行う。
上部電極30を形成する工程は、例えば、ポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30をCVD法によって形成することができる。また、上部電極30を形成する工程は、例えば、当該工程で形成したポリシリコン等の導電性材料を含む上部電極30となる層を、フォトリソグラフィー法によってパターニングを行い第1腕部32、第2腕部34等の形成を行う。
なお、上部電極30を形成する方法は、CVD法に限定されること無く、PVD法等を用いて、各種導電性材料を含む上部電極30を形成しても良い。また、上部電極30を形成する工程は、例えば、犠牲層210上に上部電極30の形成を欲する部分が開口したマスクパターンを施し、CVD法やPVD法等で上部電極30となる層を犠牲層210上に形成しても良い。
その他のMEMS振動子2の製造方法は、第1実施形態で説明したMEMS振動子1の製造方法と同様のため、説明を省略する。
上述した第2実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様なMEMS振動子2によれば、基部31の中心を通り第1腕部32、第2腕部34が延伸する方向に設定された仮想線A1を中心とする線対称に、基部31から複数の固定部360が延設されている。MEMS振動子2は、当該複数の固定部360が機能部40と接続されている。これによって、上部電極30と、基板10及び絶縁部12と、の線膨張係数の相違から生じる応力は、単一の固定部36によって機能部40と接続される場合と比べて、複数の固定部360で接続されることで、さらに緩和することができる。
従って、応力による上部電極30の振動周波数の変動やヒステリシスを抑制した、振動周波数が安定したMEMS振動子1を得ることができる。
この様なMEMS振動子2によれば、基部31の中心を通り第1腕部32、第2腕部34が延伸する方向に設定された仮想線A1を中心とする線対称に、基部31から複数の固定部360が延設されている。MEMS振動子2は、当該複数の固定部360が機能部40と接続されている。これによって、上部電極30と、基板10及び絶縁部12と、の線膨張係数の相違から生じる応力は、単一の固定部36によって機能部40と接続される場合と比べて、複数の固定部360で接続されることで、さらに緩和することができる。
従って、応力による上部電極30の振動周波数の変動やヒステリシスを抑制した、振動周波数が安定したMEMS振動子1を得ることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を付して重複する説明は省略している。
(変形例1)
第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1、及び第2実施形態で説明したMEMS振動子2の製造方法において、固定部36(360)と機能部40とが接続される部分の電気的抵抗を低減するため、固定部36と、機能部40と、が接続される部分に不純物を分布させる工程を備えることができる。
第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1、及び第2実施形態で説明したMEMS振動子2の製造方法において、固定部36(360)と機能部40とが接続される部分の電気的抵抗を低減するため、固定部36と、機能部40と、が接続される部分に不純物を分布させる工程を備えることができる。
変形例1に係る不純物を分布させる工程は、固定部36と、機能部40と、に跨がって、例えばリン(P)、ボロン(B)等の不純物イオンを分布(注入)させる工程である。不純物を注入する方法は特に限定されないが、例えば、注入する不純物をプラズマ化・イオン化させ、これに高電圧を印加して数KeVから数100KeVまで加速し、その運動エネルギーで注入する方法を用いると好適である。
固定部36、及び機能部40が共にポリシリコンを含み構成されている場合、固定部36、及び機能部40に跨がる様にリン等の不純物が分布されることで、固定部36と、機能部40と、の接続に伴う電気抵抗の増加を抑制することができる。
これにより、固定部36と、機能部40と、を介して出力される上部電極30の振動に伴う電気信号の損失を抑制することができる。
これにより、固定部36と、機能部40と、を介して出力される上部電極30の振動に伴う電気信号の損失を抑制することができる。
(変形例2)
第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1、及び第2実施形態で説明したMEMS振動子2の製造方法において、上部電極30を形成する工程は、上部電極30を例えばリン(P)等の不純物を付加させたドープドポリシリコンとして形成することができる。
第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1、及び第2実施形態で説明したMEMS振動子2の製造方法において、上部電極30を形成する工程は、上部電極30を例えばリン(P)等の不純物を付加させたドープドポリシリコンとして形成することができる。
変形例2に係る上部電極30に不純物を付加する工程は、例えば、CVD法によって上部電極30となるポリシリコン層を形成後に、不純物としてリン(P)等の物質をポリシリコン層に含ませる工程である。
上部電極30に不純物を付加する工程は、例えば、上部電極30としてのポリシリコン層を形成した後に、上部電極30(基板10)と、不純物ソース(例えば、リン)と、を石英管に封入し、拡散炉で加熱することで不純物を上部電極30上に付着させることができる。
上部電極30に不純物を付加する工程は、例えば、上部電極30としてのポリシリコン層を形成した後に、上部電極30(基板10)と、不純物ソース(例えば、リン)と、を石英管に封入し、拡散炉で加熱することで不純物を上部電極30上に付着させることができる。
上部電極30の形成にドープドポリシリコンを用いることで、含まれる不純物により上部電極30の導電率を高めることができる。これにより、機能部40と、上部電極30から延伸する固定部36と、の接続に伴う電気抵抗の増加を抑制することができる。
(変形例3)
第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1、及び第2実施形態で説明したMEMS振動子2の製造方法において、固定部36(360)と機能部40とが接続される部分の導電率を高めるため、固定部36と機能部40とが接続される部分をシリサイド化する工程を備えることができる。
第1実施形態で説明をしたMEMS振動子1、及び第2実施形態で説明したMEMS振動子2の製造方法において、固定部36(360)と機能部40とが接続される部分の導電率を高めるため、固定部36と機能部40とが接続される部分をシリサイド化する工程を備えることができる。
変形例3に係るシリサイド化工程は、金属層と、下部電極20及び機能部40として形成されたポリシリコン層と、を加熱することで、これらの化合層(物)を形成する工程である。また、金属層と、上部電極30と、を加熱することで、これらの化合層(物)を形成する工程である。
下部電極20及び機能部40のシリサイド化工程は、下部電極20及び機能部40として形成されたポリシリコン層上に、例えば、チタン(Ti)等の金属層(膜)をスパッタリング法等によって形成する。また、金属層とポリシリコン層とを加熱して反応させることで、金属と、下部電極20及び機能部40としてのポリシリコンと、の化合物を形成してシリサイド化することができる。
また、上部電極30のシリサイド化工程は、固定部36が接続される機能部40上に、例えば、チタン等の金属層(膜)をスパッタリング法等によって形成する。また、形成した金属層上に、上部電極30を形成する工程で上部電極30を形成した後に、金属層と、上部電極30としてのポリシリコン層と、を加熱して反応させることで、金属と、上部電極30としてのポリシリコンと、の化合物を形成してシリサイド化することができる。
なお、金属層上には自然酸化膜が生成される場合があり、上部電極30を形成する前に当該自然酸化膜を除去する工程を加えると好適である。
なお、金属層上には自然酸化膜が生成される場合があり、上部電極30を形成する前に当該自然酸化膜を除去する工程を加えると好適である。
シリサイド化されることで、上部電極30と、下部電極20及び機能部40と、の導電率を高めることができる。これにより、機能部40と、上部電極30から延伸する固定部36との接続に伴う電気抵抗の増加を抑制することができる。
(実施例)
次いで、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子1及びMEMS振動子2(以下、総括してMEMS振動子1として説明する。)のいずれかを適用した実施例について、図7から図10を参照しながら説明する。
次いで、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子1及びMEMS振動子2(以下、総括してMEMS振動子1として説明する。)のいずれかを適用した実施例について、図7から図10を参照しながら説明する。
[電子機器]
先ず、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子1を適用した電子機器について、図7から図9を参照しながら説明する。
先ず、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子1を適用した電子機器について、図7から図9を参照しながら説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子を備える電子機器としてのノート型(又はモバイル型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、ノート型パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1008を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなノート型パーソナルコンピューター1100には、そのノート型パーソナルコンピューター1100に加えられる加速度等を検知して表示ユニット1106に加速度等を表示するための加速度センサー等として機能するMEMS振動子1が内蔵されている。
図8は、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、携帯電話機1200に加えられる加速度等を検知して、当該携帯電話機1200の操作を補助するための加速度センサー等として機能するMEMS振動子1が内蔵されている。
図9は、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、その落下からデジタルスチールカメラ1300を保護する機能を動作させるため、落下による加速度を検知する加速度センサーとして機能するMEMS振動子1が内蔵されている。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、その落下からデジタルスチールカメラ1300を保護する機能を動作させるため、落下による加速度を検知する加速度センサーとして機能するMEMS振動子1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係るMEMS振動子1は、図7のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図8の携帯電話機、図9のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
次に、図10は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は本発明に係るMEMS振動子1を備える。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知するMEMS振動子1を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が車体1507に搭載されている。また、MEMS振動子1は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
次に、図10は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は本発明に係るMEMS振動子1を備える。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知するMEMS振動子1を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が車体1507に搭載されている。また、MEMS振動子1は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
1,2…MEMS振動子、10…基板、10a…主面、12…絶縁部、12a…主面、20…下部電極、22…第1電極、24…第2電極、30…上部電極、31…基部、32…第1腕部、33…隙間、34…第2腕部、36…固定部、40…機能部、50…間隙、121…第1絶縁部、122…第2絶縁部、210…犠牲層、360…固定部、362…仮想領域、1100…ノート型パーソナルコンピューター、1200…携帯電話機、1300…デジタルスチールカメラ、1500…自動車。
Claims (10)
- 絶縁部と、
前記絶縁部の主面に設けられた第1の電極、及び機能部と、
前記第1の電極に対し間隙を介して前記主面側に設けられた第2の電極と、を備え、
前記第2の電極は、基部と、前記基部から前記主面と直交する第1の方向に延設された固定部と、前記基部から前記第1の方向と直交する第2の方向に延設された第1の腕部と、前記第1の腕部と並んで前記基部から前記第2の方向に延設された第2の腕部と、を有し、
前記第1の電極及び前記第2の電極を平面視した場合に、前記第1の電極は、前記第1の腕部及び前記第2の腕部の一部と重なる様に設けられるとともに、
前記第2の電極は、前記固定部が機能部と接続されていること、を特徴とするMEMS振動子。 - 請求項1に記載のMEMS振動子であって、
前記固定部は、前記第2の方向と交差する第3の方向における前記基部の幅の中心を通り、前記第2の方向に延伸する仮想線に対して線対称に前記基部から前記第1の方向に複数延設されていること、を特徴とするMEMS振動子。 - 請求項1または請求項2に記載のMEMS振動子であって、
前記第2の電極と前記機能部とは、同じ部材で形成されていることを特徴とするMEMS振動子。 - 絶縁部を形成する工程と、
前記絶縁部の主面に第1の電極を形成する工程、及び機能部を形成する工程と、
前記主面側に前記第1の電極に対し間隙を介して、基部と、前記基部から前記主面と直交する第1の方向に延伸する固定部と、前記基部から前記第1の方向と直交する第2の方向に延伸する第1の腕部及び第2の腕部と、を含む第2の電極を形成する工程と、を含み、
前記第1の電極、及び前記第2の電極を形成する工程は、前記第1の電極及び前記第2の電極を平面視した場合に、前記第1の電極は、前記第1の腕部及び前記第2の腕部の一部と重なる様に、前記第1の電極及び前記第2の電極を形成するとともに、
前記機能部と前記固定部とを接続する工程と、を含むことを特徴とするMEMS振動子の製造方法。 - 請求項4に記載のMEMS振動子の製造方法であって、
前記固定部を形成する工程は、前記第2の方向と交差する第3の方向における前記基部の幅の中心を通り、前記第2の方向に延伸する仮想線に対して線対称に前記基部から前記第1の方向に複数の前記固定部を形成すること、を特徴とするMEMS振動子の製造方法。 - 請求項4または請求項5に記載のMEMS振動子の製造方法であって、
前記第2の電極を形成する工程は、形成する前記第2の電極に不純物を含ませる工程を含むことを特徴とするMEMS振動子の製造方法。 - 請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のMEMS振動子の製造方法であって、
前記第2の電極と、前記機能部と、に跨がって不純物を分布させる工程を含むことを特徴とするMEMS振動子の製造方法。 - 請求項4から請求項7のいずれか一項に記載のMEMS振動子の製造方法であって、
少なくとも前記第2の電極と、前記機能部と、が接続される部分をシリサイド化する工程を含むことを特徴とするMEMS振動子の製造方法。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載したMEMS振動子を搭載したことを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載したMEMS振動子を搭載したことを特徴とする移動体。
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