JP4742301B2 - 施錠装置、収納家具 - Google Patents

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Description

本発明は、収納家具本体の収納空間を開閉し得る開閉体に取り付けられる施錠装置、及び当該施錠装置を設けた収納家具に関するものである。
従来より、収納家具本体の収納空間を開閉し得る例えば回転扉等の開閉体に取り付けられる施錠装置として、開閉体を収納家具本体に係留する例えばラッチ機構と、鍵挿入孔に挿入したキーを操作することによって作動する作動子を設けた錠本体とを備え、キーを所定方向に回転させる操作によって、作動子を、ラッチ機構の係留解除を規制する施錠位置又はラッチ機構の係留解除を許容する解錠位置に移動させることにより施開錠可能に構成されたものが知られている(例えば非特許文献1参照)。
「コクヨオフィスファニチャー編2005年版」、コクヨファニチャー株式会社等、2004年12月発行、P.450の上から2段目に示されている各種収納家具。
しかしながら、上記施錠装置を採用している場合、当然のことながら、施錠時及び解錠時ともに、逐一キーを所定の方向に回転させる操作を行わなければならず、今ひとつ施開錠の操作が面倒であるという感が否めない。収納家具本体の収納空間に収納している書類や物品等の収納物の盗難や紛失を防止するセキュリティの観点からは、当該収納物を管理している者が所持しているキーを操作することによって解錠できることが重要であり、キー操作を経ずに勝手に誰でも解錠することができるという事態は避けなければならない。一方、施錠時には、収納空間に収納物を収納した後又は収納空間から収納物を取り出し後に行う施錠操作によって確実に施錠できればセキュリティ上の問題はなく、その施錠操作を、キー操作によらずとも、例えば所定の施錠用ボタンを押す或いは回す等の操作によって施錠できれば、キー操作と比べて格段に施錠時の操作が単純になり、便利である。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、キー操作によって解錠でき、キー操作以外の操作によって施錠することができる施錠装置を提供することにある。
すなわち、本発明の施錠装置は、収納家具本体の収納空間を開閉し得る開閉体に取り付けられる施錠装置であって、前記開閉体を前記収納家具本体に係留する係留機構と、鍵挿入孔及びこの鍵挿入孔に挿入したキーを操作することによって作動する作動子を有する錠本体と、前記キー操作による前記作動子の解錠方向への移動を利用して前記係留機構の係留解除を許容し得る前記係留機構の解錠状態を維持する解錠状態維持機構と、前記キー操作以外の所定の操作力が付与されることにより、前記解錠状態維持機構による前記係留機構の解錠状態を解除し且つ前記係留機構の係留解除を規制し得る前記係留機構の施錠状態に復帰させる施錠状態復帰機構とを具備していることを前提とする。
ここで、「キー操作以外の所定の操作力」とは、所定の操作部をキー操作以外の操作方法、例えば押す、回す、捻る或いはスライドさせる等の操作方法により生じる操作力を意味する。また、意味内容を明確にするために付言すると、係留機構の係留解除を許容し得る状態が「係留機構の解錠状態」であり、係留機構の係留解除を規制し得る状態が「係留機構の施錠状態」である。すなわち、「解錠状態」とは、開閉体の、収納空間を外部と隔離し得る閉止位置から収納空間を外部に連通させた開放位置への移動を許容し得る状態であり、「施錠状態」とは、開閉体の閉止位置から開放位置への移動が禁止される状態である。
このようなものであれば、施錠する場合には、これまでと同様の操作、つまりキー操作によって行うことができ、しかも施錠状態維持機構により係留機構の解錠状態を維持することができるためセキュリティ上の問題も生じることがない一方で、解錠する場合には、キーを用いずに所定の操作によって行うことができ、施錠状態復帰機構により係留機構の施錠状態を確保することができるため、解錠時の手間を省略することができ、施開錠時ともにキー操作が必要であった従来の施錠装置と比較して、操作性及び実用性に優れたものとなる。このようなメリットは、複数の収納家具を設置し、各々の開閉体を個別のキー操作により施錠しなければならない態様と比較した場合に顕著に現れる。また、既存の係留機構及び錠本体をそのまま利用し、解錠状態維持機構及び施錠状態復帰機構を開閉体に新たに取り付けることにより、本願の施錠装置とすることが可能であれば、仕様変更を容易に行うことができ、商品展開も行い易くなる。なお、施錠装置のみを交換する態様、又は本願の施錠装置を設けた開閉体ごと交換する態様も可能である。
本発明は、前記解錠状態維持機構が、前記係留機構の係留解除を規制する施錠位置と前記係留機構の係留解除を許容する解錠位置との間で往復動作する可動体と、前記解錠位置において前記可動体に設けた係合部が係合する被係合部を設けた被係合体と、前記被係合体を前記係合部と前記被係合部とが係合し得る方向に向かって付勢する被係合体付勢部とを備えたものであり、前記係合部と前記被係合部とを係合させることにより前記係留機構の前記解錠状態を維持するようにしていることを特徴とする。このようなものであれば、解錠状態維持機構の構造を簡素なものとしつつ、解錠位置において係合部と前記被係合部とを係合させるとともに、被係合体付勢部によって被係合体付勢部によりこの係合状態をより良好なものとすることができ、係留機構の前記解錠状態を確実に維持することが可能となる。
また、前記施錠状態復帰機構が、前記被係合体と、前記可動体を前記解錠位置から前記施錠位置に向かって付勢する可動体付勢部とを備えたものであり、前記被係合体の前記被係合部と前記可動体の前記係合部との係合状態を解除し得る方向に前記被係合体を移動させる前記キー操作以外の操作力が付与されることにより、前記解錠状態維持機構による前記係留機構の解錠状態を解除し、且つ前記可動体付勢部の付勢力によって前記可動体を前記解錠位置から前記施錠位置に移動させ、前記係留機構を前記解錠状態から前記施錠状態に復帰させるようにしていれば、被係合体が、解錠状態維持機構及び施錠状態復帰機構として機能し、部品の共通化及び部品点数の削減を図ることができ、施錠状態復帰機構の構造簡素化にも資する。しかも、キー操作以外の操作力によって被係合部と係合部との係合状態を解除さえすれば、可動体付勢部により可動体を解錠位置から施錠位置に自動的に移動させることができ、施錠操作をより単純且つ確実に行うことができる。
可動体付勢部を設けた態様であっても可動体の解錠位置から施錠位置への移動を確実に行えるようにするためには、前記錠本体の前記作動子が、前記キー操作により前記可動体付勢部の付勢力に抗して前記可動体を前記施錠位置から前記解錠位置へ移動させるものであることが好ましい。
前記キー操作以外の所定の操作力が、前記被係合体を前記開閉体の奥行き方向に押し込む操作力であれば、施錠操作を極めて簡単に行うことができる。
好適な実施態様としては、前記係留機構が、前記収納家具本体に形成した被係留部に係留可能なラッチ爪と、当該ラッチ爪の基端部に接続されラッチ爪と共に回動し得る回転軸とを備えたものであり、前記施錠状態において、解錠状態維持機構を構成する部材が前記回転軸に直接又は間接的に当接又は近接することにより回転軸の回動を規制するようにしているものが挙げられる。
加えて、前記解錠状態維持機構及び前記施錠状態復帰機構を、単一のハウジングに設けてユニット化していれば、これらユニット化した前記解錠状態維持機構及び前記施錠状態復帰機構をハウジングごと既存の開閉体へ取り付けることも可能となり、仕様変更も容易に行うことができる。また、開閉体へ取り付ける前段階における保管性、取扱性にも優れたものとなる。
また、本発明の収納家具は、内部に収納空間を有する収納家具本体と、当該収納家具本体に設けられ前記収納空間を開閉し得る開閉体とを具備してなり、当該開閉体に、上述した施錠装置を取り付けていることを特徴とするものである。このようなものであれば、従来のものと比較して操作性及び実用性に優れた収納家具となる。
以上説明したように本発明によれば、解錠する場合には、キー操作によって行うことができる一方、施錠する場合には、キーを用いずに所定の操作によって行うことができるため、施錠時の手間を省略することができ、施開錠時ともにキー操作が必要であった従来の施錠装置と比較して、操作性及び実用性に優れたものとなる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る施錠装置Xは、図1及び図2等に示す収納家具Fを構成する開閉体たる回転扉F2に取り付けられたものである。
先ず、収納家具Fについて簡単に説明する。
この収納家具Fは、前面側に開口した収納空間FSを内部に有する収納家具本体F1と、収納空間FSの前面開口を回転して開閉し得る左右の回転扉F2とを備えているものである。
収納家具本体F1は、例えばスチール素材を折曲成形してなる天板F11、底板F12、左右一対の側板F13、背面板F14を筐形に組み付けることによって前面を開口させた収納空間FSを有する周知のものである。天板F11及び底板F12の前端部に、後述するラッチ機構Aのラッチ爪A1が係留可能な被係留部たる爪受け部F1aをそれぞれ形成している(図2参照)。
各扉F2は、図2等に示すように、収納家具本体F1の側板F13に設けたヒンジ機構F4を利用して回転するものであり、主として扉F2の前面、上下面及び両側面を形成する前枠材F21と、主として後面を形成する後枠材F22とを適宜の取付手段により一体的に組み付けた正面視略矩形状をなすものである。そして、本実施形態では、一方の扉F2(図示例では正面視右側)の自由端側の上下端部に、後述するラッチ機構Aのラッチ爪A1が表出し得るラッチ爪用切欠F1dを形成するとともに、この扉F2の自由端側の所定高さ位置に、扉F2の開閉操作を行うための把手部F31を備えた操作体F3を設けるとともに、把手部F31の取付位置近傍に、施錠装置Xを構成する後述の錠本体Bの前端部及び後述する被係合体C2のボタン部C21がそれぞれ表出し得るように錠本体取付用孔F1b及び被係合体取付用孔F1cを形成している。このような構成をなす一方の扉F2に本実施形態に係る施錠装置Xを取り付けている。なお、他方の扉F2(図示例は正面視左側)の自由端側に設けた薄板状の縁部(図示省略)を、一方の扉F2の自由端側縁部の内側に前後方向に重合させることで、扉F2のみを直接的に収納家具本体F1に係脱し得るようにしている。以下、扉F2に言及する場合は、断りがない限り施錠装置Xを備えた扉F2を指すこととする。
施錠装置Xは、図2〜図4(なお、図4は施錠装置Xを設けた扉F2を正面視した場合の図であり、扉F2を作図の都合上省略している)等に示すように、扉F2を収納家具本体F1に係留する係留機構たるラッチ機構Aと、鍵挿入孔B21及びこの鍵挿入孔B21に挿入した図示しないキーを操作することによって作動する作動子B3を有する錠本体Bと、キー操作による作動子B3の解錠方向への移動を利用してラッチ機構Aの係留解除を許容し得る状態、つまり「ラッチ機構Aの解錠状態(ロック解除状態)」を維持する解錠状態維持機構Cと、キー操作以外の所定の操作力が付与されることにより、解錠状態維持機構Cによるラッチ機構Aの解錠状態を解除し且つラッチ機構Aの係留解除を規制し得る状態、つまり「ラッチ機構Aの施錠状態(ロック状態)」に復帰させる施錠状態復帰機構Dとを具備しているものである。以下、各機構A〜Dについて順に詳述する。
ラッチ機構Aは、図1及び図4等に示すように、収納家具本体F1に形成した爪受け部F1aに係留可能なラッチ爪A1と、ラッチ爪A1の基端部に接続されラッチ爪A1と共に回動し得る回転軸A2とを備えたものである。本実施形態では、ラッチ爪A1を回転軸A2の上端部及び下端部にそれぞれ設け、回転軸A2の回動によりこれら一対のラッチ爪A1を同期回転させる既存の態様を採用している。回転軸A2は、操作体F3の把手部F31に関連付けて設けられ、把手部F31を手前に引いて回動させるとそれに伴って所定方向に回動するように設定している。なお、本実施形態における回転軸A2は、概略四角柱状をなし、図示しないコイルバネによりラッチ爪A1が爪受け部F1aと係合する方向へ付勢されている。この回転軸A2の所定箇所(図示例では把手部F31の下端部近傍部位)に、回転軸A2の長手方向と直交する方向に突出し且つ回転軸A2と共に回動する回動突出部A3を設けている。回動突出部A3は、把手部F31を手前に引く操作力が付与されない状態において、扉F2の前面(前枠材F21のウラ面)から所定距離離間した位置に位置付けられ、把手部F31を手前に引く操作力が付与された場合に、扉F2の前面(前枠材F21のウラ面)との間に形成された隙間を利用して回転軸A2を中心に扉F2の前面(前枠材F21のウラ面)に近接する方向に回動するように設定されている。このような構成を有するラッチ機構Aは、扉F2を収納空間FSを前方に開放させた開放位置から収納空間FSを閉止する閉止位置に移動させると、ラッチ爪A1が収納家具本体F1の爪受け部F1aに係留する一方、扉F2が閉止位置にある場合に、把手部F31を手前に引く操作力が付与されると、それに伴って回転軸A2が所定方向に回動し、その結果、ラッチ爪A1と爪受け部F1aとの係留状態が解除され、扉F2の閉止位置から開放位置への移動を許容し得る。
錠本体Bは、図3及び図4等に示すように、ケースB1と、このケースB1に回動可能に収容されている回動体B2と、回動体B2の後端部側に設けた作動子B3とを備えてなり、扉F2の前枠材F21に形成した錠本体取付用孔F1bを利用して扉F2に取り付けたものである。この取付状態において、回動体B2の前面部に形成した鍵挿入孔B21を扉F2の前面部に表出させている。作動子B3は、例えば薄板状の板金素材からなり、高さ方向に沿って延伸する第1起立片B31と、第1起立片B31の先端から前方(鍵挿入孔B21側)に向かって延伸する水平片B32と、水平片B32の先端から上方に向かって延伸する第2起立片B33と、第2起立片B33の上半部から側方に向かって延伸する作用端部B34(デッドボルト本体)とを一体に有するものである。なお、ケースB1の前面部に、施錠状態にあるのか解錠状態にあるのかを視認することができる表示窓B11を形成している。この表示部B11に特定の文字、色或いは記号等が適宜表示されるようにしている。このような構成を有する錠本体Bは、鍵挿入孔B21にキーを挿入して所定
方向に回動体B2を回動させる操作力が付与されると、図示しない動作変換手段により回動体B2の回転運動が作動子B3の往復運動に変換され、作動子B3がケースB1及び回動体B2に対して相対的にスライド移動する。本実施形態では、図7(同図(a)は錠状態を示し、(b)は錠状態を示す図である)に示すように、キー操作による操作力を付与することにより、作動子B3が上昇位置(Ba)から下降位置(Bb)まで下方へスライド移動し、キーを元の位置に戻す操作力により、下降位置(Bb)から上昇位置(Ba)にスライド移動するように設定している。そして、作動子B3の上昇位置(Ba)から下降位置(Bb)へのスライド移動が、「作動子B3の解錠方向への移動」となる。
解錠状態維持機構Cは、図3〜図6等に示すように、ラッチ機構Aの係留解除を規制する施錠位置(Ca)とラッチ機構Aの係留解除を許容する解錠位置(Cb)との間で往復動作する可動体C1と、解錠位置(Cb)において可動体C1に設けた係合部C12が係合する被係合部C22aを設けた被係合体C2と、被係合体C2を係合部C12と被係合部C22aとが係合し得る方向に向かって付勢する被係合体付勢部C3とを備えたものである。
可動体C1は、図5(同図(a)は可動体C1の平面図、(b)は同正面図、(c)は同側面図、(d)は同底面図である)等に示すように、例えば合成樹脂素材からなり、高さ方向に沿って延伸し後方に開口する凹部C11aを有する基体部C11と、基体部C11の下端部から下方に突出し且つ後方を向く爪状の係合部C12と、基体部C11の上端部から前方に突出し且つ後述する施錠位置(Ca)において前記ラッチ機構Aの回動突出部A3と扉F2の前面(前枠材F21のウラ面)との間に形成される前記隙間に介在し得るストッパ部C13と、基体部C11の下端部側から前方に突出し且つ前記施錠体の作動子B3の作用端部B34が当接又は近接する略下向きコ字状の当たり部C14とを備えた一体成型品である。本実施形態における可動体C1は、後述する可動体付勢部D1により上方に向かって付勢されており、作動子B3の前記上昇位置(Ba)から前記下降位置(Bb)へのスライド移動、つまり作動子B3の解錠方向への移動に伴って、ラッチ機構Aの回動突出部A3と扉F2の前面(前枠材F21のウラ面)との間に形成される隙間に介在し得る施錠位置(Ca)から下方へスライド移動して前記隙間に介在し得ない解錠位置(Cb)へ移動する(図7参照)。このように、可動体C1は、施錠位置(Ca)と解錠位置(Cb)との間でスライド移動し得るように設定されている。
被係合体C2は、図6(同図(a)は被係合体C2の平面図、(b)は同正面図、(c)は同側面図である)等に示すように、例えば合成樹脂素材からなり、概略円盤状をなすボタン部C21と、ボタン部C21の後面側から奥行き方向に沿って延伸し且つ後方に開口してなる円筒部C22とを一体に備えた成型品である。ボタン部C21は、その前面部を中心部に向かって漸次窪ませた形状をなしている。円筒部C22は、その外周面における上面側に、肉厚方向に貫通し前記可動体C1の係合部C12が係合可能な被係合部C22aを形成している。この被係合部C22aの後縁部にテーパ面部C22bを形成し、係合部C12がこのテーパ面部C22bに沿って移動することにより被係合部C22aへの係合をよりスムーズに行うことができるようにしている。また円筒部C22の外周面における両側面部に、それぞれ肉厚方向に貫通する貫通孔C22cを形成し、この貫通孔C22cに後述するハウジングHに設けた被係合体保持部H6の係止爪H62を引っ掛けることにより、被係合体C2をハウジングHに取付可能にしている。
被係合体付勢部C3は、図3等に示すように、例えばスプリングバネを用いてなり、前記円筒部C22を外嵌した状態でボタン部C21の後面部と後述するハウジングHの被係合体保持部H6との間に配置されるものである。
このような構成を有する解錠状態維持機構Cは、前記キー操作により、前記錠本体Bの作動子B3が解錠方向へ移動する動作に伴って、作動子B3の作用端部B34が可動体C1の当たり部C14を押圧し、施錠位置(Ca)にある可動体C1を解錠位置(Cb)に移動させ、可動体C1の係合部C12を被係合体C2の被係合部C22aに係合させるとともに、被係合体付勢部C3により、その係合状態が不意に解除されないようにしている。その結果、解錠位置(Cb)に位置決めされた可動体C1のストッパ部C13と前記ラッチ機構Aの回動突出部A3とが干渉し得ず、把手部F31を引く操作力によりラッチ機構Aの回転軸A2が回動し得る状態、すなわち、ラッチ機構Aの係留解除を許容し得る状態である「ラッチ機構Aの解錠状態」が維持されることになる。
施錠状態復帰機構Dは、解錠状態維持機構Cの構成部材である前記被係合体C2と、可動体C1を解錠位置(Cb)から施錠位置(Ca)に向かって付勢する可動体付勢部D1とを備えたものである。
被係合体C2については前述の通りである。
可動体付勢部D1は、図3及び図4等に示すように、例えばスプリングバネを用いてなり、可動体C1とハウジングHとの間に配置されるものである。具体的には、この可動体付勢部D1を、起立姿勢で前記可動体C1の基体部C11の凹部C11aに収容し、その上端部を凹部C11aに設けた下方突出部C11bに嵌装させるとともに、下端部を後述するハウジングHに設けた上方突出部H52に嵌装させている。なお、凹部C11aの上半部は、基体部C11の厚み方向に貫通する窓部C11dとなっており、正面視においてこの窓部C11dから下方突出部C11bを視認することができ、下方突出部C11bと可動体付勢部D1との嵌装作業の便を図っている。
このような構成を有する施錠状態復帰機構Dは、図8及び図9(図8は図4(a)におけるx−x線断面図であり、図9は図8に対応させて示す施錠状態復帰機構Dの作用説明図である)等に示すように、被係合体C2を奥方(扉F2の奥行き方向)に押す操作力が付与された場合、被係合体C2が、被係合部C22aと可動体C1の係合部C12とが係合し得る係合位置(Da)(図8、図9(a)参照)から、その係合状態が解除される係合解除位置(Db)(図9(b)参照)に移動するとともに、可動体付勢部D1の弾性復帰力により可動体C1が解錠位置(Cb)から施錠位置(Ca)へ移動する。その結果、施錠位置(Ca)に位置付けられた可動体C1のストッパ部C13と前記ラッチ機構Aの回動突出部A3とが干渉し得る状態となり、把手部F31を引く操作力を付与してもラッチ機構Aの回転軸A2が回動し得ない状態、すなわち、ラッチ機構Aの係留解除を規制し得る状態である「ラッチ機構Aの施錠状態」となる。
本実施形態では、解錠状態維持機構C及び施錠状態復帰機構Dを、単一のハウジングH内に組み付けてユニット化している。
ハウジングHは、図3及び図4等に示すように、例えば合成樹脂素材からなり、前方に開放した概略箱状をなすものである。具体的に、このハウジングHは、正面視略矩形状の背面部H1と、背面部H1の各縁部からそれぞれ前方に突出してなる上片部H2、下片部H3及び両側片部H4とを一体に有したものである。ハウジングHは、背面部H1の巾方向中央部の上半部に、他の部位より前方に突出させてなる突出上半部H5を形成し、この突出上半部H5の下端部側に略四角筒状をなして前方に突出し且つ前記可動体付勢部D1の下端部を支持する可動体支持部H51を設け、さらにこの可動体支持部H51に略円柱状をなして上方に突出し且つ可動体付勢部D1の下端部が嵌装可能な上方突出部H52を設けている。前記可動体支持部H51に可動体C1を支持させた状態において、可動体C1がハウジングHの上片部H2と干渉することを防止するために、上片部H2に可動体用切欠H21を形成している。また、背面部H1の巾方向中央部の下半部側に、前記被係合体C2を保持し且つ前方に開放した略円筒状の被係合体保持部H6を設けている。この被係合体保持部H6の内周径を、被係合体C2の円筒部C22の外周径より若干大きく且つボタン部C21の外周径より小さく設定している。被係合体保持部H6は、その上面側における所定領域に開口部H61を形成し、被係合体保持部H6に被係合体C2を保持させた状態において被係合体C2の被係合部C22aが開口部H61から表出し得るようにしている。さらに被係合体保持部H6の内周面に、内方に突出し且つ被係合体C2の円筒部C22の両側面部に形成した貫通孔C22cに引っ掛かり得る係止爪H62を相互に対向する位置に形成している。なお、これら一対の係止爪H62は、被係合保持部H6に被係合体C2を取り付ける際に、弾性変形して貫通孔C22cにスムーズ且つ確実に引っ掛かるように、その周縁部にスリットを形成している。本実施形態におけるハウジングHは、被係合体保持部H6の近傍部位に、錠本体Bの作動子B3を上昇位置(Ba)に向かって付勢する前記作動子付勢部Eを保持する付勢部保持体H7を設けている。作動子付勢部Eは、図3、図4及び図7等に示すように、例えばコイルバネを用いてなり、その一端部E1が作動子B3の水平片B32の下面側に当接し、他端部E2が付勢部保持体H7に設けた突部H71に当接し、作動子B3を前記上昇位置(Ba)に位置付ける方向に付勢するものである。また、ハウジングHの上片部H2及び下片部H3に、ラッチ機構Aの回転軸A2を収容し得る回転軸用スリットH8を相互に対向する位置にそれぞれ形成している。各回転軸用スリットH8の開口巾を、回転軸A2の回動時の径寸法よりも大きく設定し、この回転軸用スリットH8内で回転軸A2が回動し得るようにしている。さらにハウジングHの一方の側片部H4に、扉F2の所定部位に形成した図示しない係合孔に係合可能な係合爪H41を一対設けている。
次に、このような構成を有するハウジングHに、前記解錠状態維持機構C及び前記施錠状態復帰機構Dを組み付ける手順を説明する。
先ず、被係合体C2の円筒部C22に被係合体付勢部C3を外嵌させた状態で、被係合体C2の被係合部C22aが被係合体保持部H6の開口部H61から表出し得るように円筒部C22をハウジングHの被係合体保持部H6に挿入し、円筒部C22の貫通孔C22cに被係合体保持部H6の係止爪H62を弾性変形させながら引っ掛けることにより、被係合体保持部H6に被係合体C2を抜脱不能に保持させる。この保持状態において、被係合体付勢部C3が、被係合体C2のボタン部C21と被係合体保持部H6の先端部との間にある程度圧縮された状態で介在し、且つ被係合体C2を前方に向かって付勢している。次に、可動体C1を、その基体部C11をハウジングHの可動体支持部H51に支持させるようにして取り付ける。この際、可動体C1の基体部C11の凹部C11aに設けた下方突出部C11b及び可動体支持部H51に設けた上方突出部H52を利用して、可動体C1と可動体C1保持部との間に可動体付勢部D1を安定した状態で介在させる。以上の手順により、解錠状態維持機構C及び施錠状態復帰機構DをハウジングHに組み付けた状態において、可動体C1の係合部C12の略真下に被係合体C2の被係合部C22aが位置している。このようにして解錠状態維持機構C及び施錠状態復帰機構Dを単一のハウジングHに組み付けてユニット化している。
このようにハウジングHを利用してユニット化した解錠状態維持機構C及び施錠状態復帰機構Dの扉F2への取付は、扉F2のラッチ機構Aを取り付けてなる後枠材F22に前枠材F21を装着する前段階において、ハウジングHの上片部H2及び下片部H3に形成した回転軸用スリットH8にラッチ機構Aの回転軸A2を収容するとともに、ハウジングHの側片部H4に設けた係合爪H41を扉F2(後枠材F21)に設けた図示しない係合孔に係合させることによってハウジングHを後枠材F22に取り付けることにより行う。そして、ハウジングHの付勢部保持体H7に作動子付勢部Eを保持させ、予め錠本体取付用孔F1bを利用して錠本体Bを取り付けてなる前枠材F21を後枠材F22に取り付けることにより、作動子付勢部Eの一端部E1が作動子B3の水平片B32の下面側に当接する一方、作動子B3の作用端部B34が可動体C1の当たり部C14と当接又は近接する。以上の手順により、ラッチ機構A、解錠状態維持機構C、施錠状態復帰機構D、及び錠本体Bを備えた施錠装置Xを扉F2に取り付けることができる。なお、この取付状態において、錠本体Bの前面部(鍵挿入孔B21を含む)及び被係合体C2のボタン部C21が、前記錠本体取付用孔F1b及び被係合体取付用孔F1cを利用して扉F2の前端部側に表出している。
次に、このように扉F2に取り付けた施錠装置Xの作用及び操作方法について図7〜図9を参照して説明する。
(1)解錠時の操作方法及び作用
先に、ラッチ爪A1と爪受け部F1aとの係留解除が規制される施錠状態(図7(a)、図8)からその係留解除を許容する解錠状態(図7(b)、図9(a)にする場合の操作方法及び作用について説明する。
先ず、錠本体Bの鍵挿入孔B21にキーを挿入し、当該キーを所定方向に回転させる操作力を付与すると、錠本体Bの回動体B2が回動し、図示しない動作変換機構により作動子B3が作動子付勢部Eの付勢力に抗してケースB1又回動体B2に対して上昇位置(Ba)から下降位置(Bb)へスライド移動する。これにより、可動体C1の当たり部C14が作動子B3の作用端部B34に押圧され、可動体C1全体が可動体付勢部D1の付勢力に抗して下方へ、つまり係合解除位置(Db)から係合位置(Da)へスライド移動し、可動体C1の係合部C12が被係合体C2の被係合部C22aに係合する(図7(b)、図9(a))。より具体的には、前記キー操作に伴い、経時的に、係合部C12の下端部が、被係合部C22aの後縁部に当接し、被係合部C22aの後縁部に形成したテーパ面部C22bに案内されながら下方にスライド移動し、被係合体C2自体を被係合体付勢部C3の付勢力に抗して奥方へ押し込み、被係合部C22aの後縁部を通過して時点で被係合体C2が被係合体付勢部C3の付勢力により前方へ付勢され、係合部C12と被係合部C22aとが係合する。この状態において、可動体C1のストッパ部C13の略全部位がハウジングH内に収容され、ストッパ部C13がラッチ機構Aの回動突出部A3と干渉し得ない。その結果、把手部F31を手前に引く操作力を付与した場合、回転軸A2が回動し、それに伴って一対のラッチ爪A1も同期して回動し、爪受け部F1aとの係留状態を解除することができる。以上の手順により、解錠状態維持機構Cによってラッチ機構Aの解錠状態を維持することができる。なお、本実施形態では、次に説明する施錠操作の簡便性及びキーの抜落防止を図るため、キーを完全に回し切る前段階で係合部C12と被係合部C22aとが係合し得るように設定している。そして、係合部C12と被係合部C22aとを係合させた後、キーを元の位置に戻すことによって、作動子B3を下降位置(Bb)から上昇位置(Ba)にスライド移動させる。この際、作動子付勢部Eの付勢力によって軽い力で作動子B3を下降位置(Bb)から上昇位置(Ba)に復帰させることができる。
(2)施錠時の操作方法及び作用
一方、上記キー操作により解錠状態となったラッチ機構Aを、再度施錠状態とするには、被係合体C2を扉F2の奥行き方向に押し込む操作力を付与する。つまり被係合体C2のボタン部C21を指で押すことにより行う。これにより、被係合体C2が被係合体付勢部C3の付勢力に抗して扉F2の奥行き方向に沿って係合位置(Da)(図9(a)参照)から係合解除位置(Db)(図9(b)参照)にスライド移動し、係合部C12と被係合部C22aとの係合状態が解除されるとともに、可動体付勢部D1によって可動体C1が上方へつまり解錠位置(Cb)から施錠位置(Ca)へスライド移動し、可動体C1のストッパ部C13がハウジングHの上端部よりも上方に位置し、ラッチ機構Aの回動突出部A3と扉F2の前面(前枠材F21のウラ面)との間に形成された隙間に位置付けられる。そして、ボタン部C21から指を離すことによって前記操作力の付与を停止すると、被係合体付勢部C3の付勢力により被係合体C2が係合解除位置(Db)から係合位置(Da)に自動的にスライド移動しながら復帰する。このように、被係合体付勢部C3により、逐一被係合体C2を係合解除位置(Db)から係合位置(Da)に手間が不要となり、操作性向上に資する。
なお、被係合体C2のスライド移動は、被係合体保持部H6の係止爪H62と被係合体C2の円筒部C22の貫通孔C22cとの引っ掛かり状態が維持されたまま行われるため、被係合体C2のスライド移動中に被係合体C2が被係合体保持部H6から抜け外れることがない。このように、前記係止爪H62及び貫通孔C22cが、被係合体C2の係合解除位置(Db)から係合位置(Da)へのスライド移動を確実に行えるように案内するガイド機構として機能している。以上のように、施錠状態復帰機構Dにより、被係合体C2を押し込む操作力を付与する操作に関連付けて可動体C1が解錠位置(Cb)から施錠位置(Ca)に移動するため、把手部F31を手前に引く操作力が付与された場合であっても、回動突出部A3が可動体C1のストッパ部C13と干渉し、回転軸A2の回動が規制され、ラッチ爪A1と爪受け部F1aとの係留状態を解除することができないラッチ機構Aの施錠状態となる。
このように、本実施形態に係る施錠装置Xは、扉F2を収納家具本体F1に係留するラッチ機構Aと、鍵挿入孔B21に挿入したキーを操作することによって作動する作動子B3を有する錠本体Bと、キー操作による作動子B3の解錠方向への移動を利用してラッチ機構Aの係留解除を許容し得る「ラッチ機構Aの解錠状態」を維持する解錠状態維持機構Cと、被係合体C2を扉F2の奥行き方向に押し込む操作力が付与されることにより解錠状態維持機構Cによるラッチ機構Aの解錠状態を解除し且つラッチ機構Aの係留解除を規制し得る「ラッチ機構Aの施錠状態」に復帰させる施錠状態復帰機構Dとを具備しているため、施錠作業はこれまでと同様にキー操作で行うことできる一方、解錠作業は、単に被係合体C2を押すという極めて単純な操作のみで行うことができるため、施開錠時ともにキー操作が必要であった従来のものと比較して、解錠時の手間を省略することができ、実用性に優れたものとなる。また、このような施錠装置Xを設けた扉F2を、既存の収納家具本体F1に取付可能とすることにより、仕様変更及び商品展開を容易に行うことできる。さらに、既存のラッチ機構A及び錠本体Bをそのまま利用し、新たに施錠状態復帰機構D及び解錠状態維持機構Cを扉F2に組み付けることによって本願の施錠装置Xとすることが可能であるため、扉F2ごと交換する態様と比較して仕様変更に掛かるコストを有効に抑えることもできる。
特に、解錠状態維持機構Cが、ラッチ機構Aの係留解除を規制する施錠位置(Ca)とラッチ機構Aの係留解除を許容する解錠位置(Cb)との間で往復動作する可動体C1と、解錠位置(Cb)において可動体C1に設けた係合部C12が係合する被係合部C22aを設けた被係合体C2と、被係合体C2を係合部C12と被係合部C22aとが係合し得る方向に向かって付勢する被係合体付勢部C3とを備えたものであり、係合部C12と被係合部C22aとを係合させることによりラッチ機構Aの解錠状態を維持し得るようにしているため、解錠状態維持機構Cの構造簡素化を図るとともに、被係合体付勢部C3によって係合部C12と被係合部C22aとの係合状態をより良好なものとし不意に係合状態が解除されることを防止することができ、ラッチ機構Aの解錠状態をより確実に維持することが可能となる。
一方、施錠状態復帰機構Dが、被係合体C2と、可動体C1を解錠位置(Cb)から施錠位置(Ca)に向かって付勢する可動体付勢部D1とを備えたものであり、被係合体C2の被係合部C22aと可動体C1の係合部C12との係合状態を解除し得る方向に被係合体C2を移動させる操作力が付与されることにより、解錠状態維持機構Cによるラッチ機構Aの解錠状態を解除し、且つ可動体付勢部D1の付勢力によって可動体C1を解錠位置(Cb)から施錠位置(Ca)に移動させ、ラッチ機構Aを解錠状態から施錠状態に復帰させるようにしているため、施錠状態復帰機構Dの構造簡素化を図るとともに、被係合体C2が、解錠状態維持機構C及び施錠状態復帰機構Dとして機能し、部品の共通化及び部品点数の削減を図ることができる。また、被係合部C22aと係合部C12との係合状態を解除さえすれば、可動体付勢部D1の付勢力により可動体C1を施錠位置(Ca)に自動的に移動させることができ、施錠操作をより単純且つ確実に行うことができる。
加えて、錠本体Bの作動子B3が、キー操作により可動体付勢部D1の付勢力に抗して可動体C1を施錠位置(Ca)から解錠位置(Cb)へ移動させるものであるため、可動体付勢部D1を設けた態様であっても可動体C1の解錠位置(Cb)から施錠位置(Ca)への移動を作動子B3の上昇位置(Ba)から下降位置(Bb)への移動に関連付けて確実に行わしめることができ、施錠操作を的確に行うことができる。
さらに、ラッチ機構Aが、収納家具本体F1に形成した爪受け部F1aに係留可能なラッチ爪A1と、ラッチ爪A1の基端部に接続されラッチ爪A1と共に回動し得る回転軸A2とを備えたものであり、施錠状態において、解錠状態維持機構Cを構成する可動体C1が回転軸A2の回動突出部A3に当接又は近接することにより回転軸A2の回動を規制するようにしているため、ラッチ機構Aの構造を従来のものと略同じ構造としつつ、施錠状態において回転軸A2の回動を可動体C1により確実に規制することができ、より良好な施錠状態を実現することができる。
解錠状態維持機構C及び施錠状態復帰機構Dを、単一のハウジングHに設けてユニット化しているため、既存の扉F2へ取り付けることも可能となり、仕様変更も容易に行うことができる。また、扉F2へ取り付ける前段階における保管性、取扱性にも優れたものとなる。
このような効果を奏する施錠装置Xを設けた扉F2を備えた収納家具Fは、操作性に優れ実用的なものとなる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、係留機構としてラッチ爪を具備したラッチ機構を採用したが、これに限らず、いわゆる閂を具備した機構を係留機構として採用してもよい。
また、施錠状態復帰機構が、被係合体もしくはそれに代わる施錠操作部を、所定方向に回す、捻る又はスライドさせる操作力が付与されることにより、解錠状態維持機構による係留機構の解錠状態を解除して係留機構の施錠状態に復帰させるように構成したものであっても構わない。或いは、施錠状態復帰機構を、開閉体を開閉位置から閉止位置に移動させる(つまり「閉める」)動作に関連付けて、被係合体もしくはそれに代わる施錠操作部を、押す、回す、捻る又はスライドさせる操作力が自動的に付与され、その結果、解錠状態維持機構による係留機構の解錠状態を解除して係留機構の施錠状態となるように構成しても構わない。
前記実施形態では、解錠状態維持機構を構成する可動体が、施錠位置と解錠位置との間で上下方向に沿って略直線状に進退運動する態様を示したが、これに限らず、可動体が、施錠位置と解錠位置との間で一定の軌跡を描きながら往復運動するものであればよく、円弧状の往復運動、或いは曲線上の往復動作するものであってもよい。
また、施錠装置を、回転扉の他、収納家具本体の収納空間を、巾方向にスライド移動して開閉する引き戸や、奥行き方向にスライド移動して開閉する引出しに設けても構わない。
また、施錠状態において、解錠状態維持機構を構成する部材が係留機構の回転軸に間接的に当接又は近接することにより回転軸の回動を規制するようにしてもよい。
また、各付勢部は、それぞれ所定方向に付勢するものであればよく、コイルバネの他、皿バネ、板バネ、角バネ等の各種バネは勿論のこと、ゴム素材等の弾性素材からなるものを用いても構わない。
また、係留機構が施錠状態又は解錠状態にあることを示す表示部を設けた施錠装置としてもよい。上記実施形態では、表示部の一例として、錠本体BのケースB1に形成した表示窓B11を用いた態様を示したが、これに限らず、表示部を、開閉体の適宜箇所に開口させて形成した表示窓と、施開錠操作時に作動する部材(例えば上記実施形態における錠本体Bの作動子B3や可動体C1、あるいはこれら作動子B3や可動体C1の動作に連動して作動する表示部用作動体等)において表示部を通じて視認可能な部位に形成した係留機構の施錠状態又は解錠状態にあるかを表す表記(文字や記号、色等)とから構成した態様を採用してもよい。このような表示部を設けることにより、係留機構が解錠状態にあるのか施錠状態にあるのかを簡易且つ明確に視認できる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の一実施形態に係る施錠装置を具備した収納家具の全体斜視図。 同実施形態における収納空間を前方に開放した収納家具を一部省略して示す図。 同実施形態に係る施錠装置(ラッチ機構を除く)の分解斜視図。 同実施形態に係る施錠装置を模式的に示す正面図。 同実施形態における可動体を示す図。 同実施形態における被係合体を示す図。 図4の要部を拡大して示す施錠装置の作用説明図。 図4(a)におけるx−x線断面図。 図8に対応させて示す施錠装置の作用説明図。
符号の説明
A…係留機構(ラッチ機構)
A1…ラッチ爪
A2…回転軸
A3…回動突出部
B…錠本体
B21…鍵挿入孔
B3…作動子
C…解錠状態維持機構
C1…可動体
C12…係合部
C2…被係合体
C22a…被係合部
C3…被係合体付勢部
D…施錠状態復帰機構
D1…可動体付勢部
F…収納家具
FS…収納空間
F1…収納家具本体
F1a…被係留部(爪受け部)
F2…開閉体(扉)
H…ハウジング
X…施錠装置

Claims (7)

  1. 収納家具本体の収納空間を開閉し得る開閉体に取り付けられる施錠装置であって、
    前記開閉体を前記収納家具本体に係留する係留機構と、
    鍵挿入孔及び当該鍵挿入孔に挿入したキーを操作することによって作動する作動子を有する錠本体と、
    前記キー操作による前記作動子の解錠方向への移動を利用して前記係留機構の係留解除を許容し得る前記係留機構の解錠状態を維持する解錠状態維持機構と、
    前記キー操作以外の所定の操作力が付与されることにより、前記解錠状態維持機構による前記係留機構の解錠状態を解除し且つ前記係留機構の係留解除を規制する前記係留機構の施錠状態に復帰させる施錠状態復帰機構とを具備しており、
    前記解錠状態維持機構が、前記係留機構の係留解除を規制する施錠位置と前記係留機構の係留解除を許容する解錠位置との間で往復動作する可動体と、前記解錠位置において前記可動体に設けた係合部が係合する被係合部を設けた被係合体と、前記被係合体を前記係合部と前記被係合部とが係合し得る方向に向かって付勢する被係合体付勢部とを備えたものであり、前記係合部と前記被係合部とを係合させることにより前記係留機構の前記解錠状態を維持するようにしていることを特徴とする施錠装置。
  2. 前記解錠状態維持機構が、前記被係合体と、前記可動体を前記解錠位置から前記施錠位置に向かって付勢する可動体付勢部とを備えたものであり、前記被係合体の前記被係合部と前記可動体の前記係合部との係合状態を解除し得る方向に前記被係合体を移動させる前記操作力が付与されることにより、前記解錠状態維持機構による前記係留機構の解錠状態を解除し、且つ前記可動体付勢部の付勢力によって前記可動体を前記解錠位置から前記施錠位置に移動させ、前記係留機構を前記解錠状態から前記施錠状態に復帰させるようにしている請求項1記載の施錠装置。
  3. 前記錠本体の前記作動子が、前記キー操作により前記可動体付勢部の付勢力に抗して前記可動体を前記施錠位置から前記解錠位置へ移動させるものである請求項1又は2記載の施錠装置。
  4. 前記キー操作以外の所定の操作力が、前記被係合体を前記開閉体の奥行き方向に押し込む操作力である請求項1、2又は3記載の施錠装置。
  5. 前記係留機構が、前記収納家具本体に形成した被係留部に係留可能なラッチ爪と、当該ラッチ爪の基端部に接続されラッチ爪と共に回動し得る回転軸とを備えたものであり、前記施錠状態において、解錠状態維持機構を構成する部材が前記回転軸に直接又は間接的に当接又は近接することにより回転軸の回動を規制するようにしている請求項1、2、3又は4記載の施錠装置。
  6. 前記解錠状態維持機構及び前記施錠状態復帰機構を、単一のハウジングに設けてユニット化している請求項1、2、3、4又は5記載の施錠装置。
  7. 内部に収納空間を有する収納家具本体と、当該収納家具本体に設けられ前記収納空間を開閉し得る開閉体とを具備してなり、
    当該開閉体に、前記請求項1〜6何れかに記載の施錠装置を取り付けていることを特徴とする収納家具。
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