JP4741274B2 - 横材の上に柱を立てた構造 - Google Patents
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Description
間口間隔の内法寸法が大きく、しかも耐震性に優れたように改良したものであり、ビルトイン形ガレージに好適である。
自動車が通過し得る空間を、垂壁1の下方に形成するように、該垂壁の地上高さHaが2080mmに設定されている。
上記垂壁の高さ寸法Hbは1110mmである。
コンクリート基礎2の上に横材3を載置し、その上に柱4が立てられる。
上記のコンクリート基礎は、規格品のコンクリート型枠を用いて形成されるので、その地上高さ寸法Hcは400mmである。
その結果、柱4の実効寸法(垂壁1の下端からコンクリート基礎2の上端まで)Hdは1680mmになっている。
符号5を付して示したのは間口方向の梁、符号6を付して示したのは奥行方向の梁である。
開口部分には筋交(すじかい)などの補強構造を設けることができないので、やむなく垂壁1を丈夫にして耐震試験を行なったところ、柱4が折れてしまう。
柱を丈夫にしたいが、太さ寸法Wを大きくすると、それだけ自動車の通路幅が狭くなるので好ましくない。
そこで、図示の寸法Wを大きくしないで柱を丈夫にして耐震試験したところ、柱に大きい圧縮方向の力が掛かったとき、該柱を載せている横材3が圧壊してしまった。
柱の間口方向の幅寸法(W)を増大させることなく、該柱に大きい圧縮力が掛かっても横材が圧壊する虞れを無くするにある。
(a)横材3が圧壊しないように、該横材が柱に接している箇所の耐圧力を補強する。
(b)柱の間口方向寸法(W)を大きくせずに、奥行方向寸法を増加する。
(c)自動車通路の高さ寸法を縮めないで柱を短くするため、コンクリート基礎2を高く する。
横材(3)に、ほぼ垂直方向の透孔(3a)が穿たれるとともに、該透孔(3a)の中に耐圧ピン(11)が挿通されており、
かつ、横材(3)とコンクリート基礎(7)との中間に下側受圧板(9)が介装され、該横材(3)と柱(8)との間に上側受圧板(10)が介装されていて、
前記耐圧ピン11の下端が下側受圧板(9)に、同じく上端が上側受圧板(10)に、それぞれ当接していることを特徴とする。
かつ、該耐圧ピンの支持力が下側受圧板で均等に分散されてコンクリート基礎に伝えられる。
このため、柱に対して大きい圧縮荷重が掛かっても、横材そのものには大きい圧縮応力が発生せず、該横材が圧壊する虞れが無い。
従来技術においては、横材の外側に補強部材を配置することしか考えられなかったが、
本発明は「横材そのものの中に、該横材を上下に貫通させて耐圧部材を設ける」という、新規な構成を創作して、横材の圧壊を確実に防止することができた。
例えば地震のとき、「横材や柱で形成されている構造部分」には、圧縮力と引っ張り力とが交互に掛かる。
こうした観点から、請求項1(メーンクレーム)によって圧縮力に耐え得ることは勿論大切であるが、本請求項4を併せて実施することにより抗張力を増加させることの実用的価値は多大である。
すなわち、「柱が垂壁によって補強されていない部分の長さ寸法」は、「垂壁の下縁の高さ寸法からコンクリート基礎の高さ寸法」を減じた寸法出ある。
従って、垂壁の下縁の位置が一定であるとすれば、コンクリート基礎が高くなっただけ柱が短くなる。
柱が短くなれば、曲げに対しても圧縮に対しても強くなる。
かつ、該耐圧ピンの支持力が下側受圧板で均等に分散されてコンクリート基礎に伝えられる。
このため、柱に対して大きい圧縮荷重が掛かっても、横材そのものには大きい圧縮応力が発生せず、該横材が圧壊する虞れが無い。
例えば、従来技術では2階建て家屋用でないと耐え得なかった横材に本発明を適用すると、3階建て家屋の横材として耐え得るようになった。
従来技術においては、横材の外側に補強部材を配置することしか考えられなかったが、
本発明は「横材そのものの中に、該横材を上下に貫通させて耐圧部材を設ける」という、新規な構成を創作して、横材の圧壊を確実に防止することができる。
例えば地震のとき、「横材や柱で形成されている構造部分」には、圧縮力と引っ張り力とが交互に掛かる。
こうした観点から、請求項1(メーンクレーム)によって圧縮力に耐え得ることは勿論大切であるが、本請求項2を併せて実施することにより抗張力を増加させることの実用的価値は多大である。
すなわち、「柱が垂壁によって補強されていない部分の長さ寸法」は、「垂壁の下縁の高さ寸法からコンクリート基礎の高さ寸法」を減じた寸法出ある。
従って、垂壁の下縁の位置が一定であるとすれば、コンクリート基礎が高くなっただけ柱が短くなる。
柱が短くなれば、曲げに対しても圧縮に対しても強くなる。
この実施形態においては、垂壁1の下縁の地上高Haを確保しつつ、
(a)横材3の耐圧縮力を強め、
(b)柱の耐曲げ力を強め、
(c)入口開口部の間口方向の内法寸法を大きくするため、
下記(イ),(ロ),(ハ)各項のように改造した。
具体的には、図3を参照して後に詳述するが、例えば、水平断面が正方形(1辺の長さ寸法W)の3本の柱を奥行き方向に並べても良い。(該3本の柱を相互に接着して一体化すれば一層望ましい)。説明の便宜上、このように奥行方向寸法を大きく構成した柱を奥行広幅柱と名付けて符号8を付する。従来例(図4)における柱4に比して、間口方向の寸法Wは同じであるが、奥行寸法が3倍であるから、概要的に見たとき少なくとも3倍の強度が得られる。
従来例(図4)におけるコンクリート基礎2の高さ寸法Hcが400mmであったのに比して、本例(図2)では同高さ寸法をHe=800mmに増して、コンクリートせい高基礎7を構成した。
垂壁1の下縁の地上高Haは一定(2080mm)なので、コンクリート基礎が高くなった分だけ柱が短くなり、図示の寸法Hf(横材の1辺寸法を含む)を1280になった。
柱が短くなると、断面の形状寸法が同じであっても、該柱の耐圧縮力や耐曲げ力が著しく増大する。
設計的考慮との誤解を招くが、コンクリート基礎の高さ寸法は簡単に変えられるものではない。施工の実技上、おのずから高さ寸法が定まっている。
すなわち、規格品のコンクリート型枠を組み立て、その中にコンクリートを流し込んでコンクリート基礎を打設するので、型枠寸法と無関係にコンクリート基礎高さ寸法を増すことは極めて困難である。
本例においては、2枚の規格品コンクリート型枠を用いることを念頭に置いて、「規格寸法の2倍」という構成を採った。ただし、特殊型枠を作成する場合を考慮すると「型枠寸法の1倍半」も有り得る。
以上が、請求項5として記載した構成要件の技術的根拠である。
上記上下透孔3aとほぼ等長の耐圧ピン11を挿入した。この耐圧ピンは、ロッドであっても良く、またパイプであっても良い。要するに垂直な圧縮荷重を分担し得る部材であれば良く、例えばピアノ線の束であっても良い。
ピン状の部材は、その断面積が小さくて応力の集中を生じるので、応力分布を均一ならしめるため、耐圧ピン11の上,下端に当接させて上側受圧板10,下側受圧板9を配置してある。
前記基礎パッキン15は、硬質の合成樹脂材で成形され、スペーサとして機能する。該基礎パッキンを配置したことによって、横材3とコンクリートせい高基礎7との間に隙間ができて通風が良くなる。通風が良くなると、木材の湿気が放散されて耐久性が向上するとともに、カビの発生が防止されて衛生的であり、居住性が良くなる。
上記上側受圧板10は、垂直連結板12と一体的に結合(本例においては溶接)されている。該垂直連結板12は、蓋16の開口16aを貫通して奥行広幅柱8の切込8aに嵌めこまれている。この構成部分は、特許文献1の項に挙げた先行技術であり、後に図3を参照して詳しく述べる。
「水平断面形状が正方形である通常の柱」を奥行方向に3本並べて構成した。
このため、模式図である図2(B)に描かれている蓋16や、垂直連結板12や、上側受圧板10や、下側受圧板9や、基礎パッキン15などの構成部材の設置所要個数も3個である。
図3は、前掲の図2(B)に描かれた構成部分について、主要構成部材の設置個数全部を描いた分解斜視図である。
本例の奥行広幅柱8は通常の柱(水平断面正方形)を3本並べて相互に接着してある。
本発明を実施する際、3本に限定されるものではなく、2本でも4本出も良い。要するに複数本を並べて相互に固定(接着とは限らない)すれば良い。
また、最初から1本の奥行広幅柱を作成することもできる。この場合、奥行広幅柱の水平断面の2辺の寸法関係は整数倍であることを要しない。
すなわち本発明における奥行広幅柱とは、その水平断面形状において、間口方向の辺の長さ寸法が奥行方向の辺の長さ寸法に比して明確に大きい(例えば1倍半)柱をいうものである。
前記垂直連結板12は、蓋16の開口16aに挿通され、奥行広幅柱8の切込8aに嵌め合わされる。仮想線で描いたのは嵌め合わされた垂直連結板である。ただし、分かり易いように模式化してあり、正確な投影図ではない(本当は、この垂直連結板は切込8aの中に入っている)。
図1は、前掲の図2(B)および図3に示した構成部分の組立状態を描いた垂直断面図である。
アンカーボルト14が基礎パッキン15、下側受圧板9、横材3、及び上側受圧板10を貫通してナット掛けして締結されている。
本発明の基本的な構成に係る耐圧ピン11で横材3の耐圧縮力が補強され、
さらに、アンカーボルト14によって抗張力が補強されており、
その上、垂直連結板12が切込8aに嵌め合わされて、「横ずれ]が防止されている。
さらに加えて、図2を参照して説明した「コンクリート基礎を高くすることによる柱の短縮」と、「柱の奥行寸法増加による強化」とによって、
本実施形態の構造は、垂壁の下縁の地上高を確保し、かつ、垂壁下方開口の間口内法寸法を縮めることなく、耐震性を格段に向上させることができた。
2…コンクリート基礎
3…横材
3a…上下透孔
5,6…梁
7…コンクリートせい高基礎
8…奥行広幅柱
8a…切込
9…下側受圧板
10…上側受圧板
11…耐圧ピン
12…垂直連結板
13…柱脚金物
14…アンカーボルト
15…基礎パッキン
16…蓋
16a…開口
17…連結ピン
Claims (1)
- 住宅に併設されるビルトイン形ガレージのために、コンクリート基礎の上に横材を載せ、該横材の上に柱を立てた構造であって、
底面から垂直上方向へ切込(8a)を入れて、該切込(8a)へ垂直連結板(12)を挿入した各柱を、外部から該垂直連結板(12)を貫通する連結ピン(17)で結合することにより、柱の奥行方向寸法を間口方向寸法よりも伸張した、奥行広幅柱(8)を形成し、
横材(3)に、ほぼ垂直方向の透孔(3a)を穿つとともに、該透孔(3a)の中に耐圧ピン(11)を挿通し、かつ、前記横材(3)とコンクリート基礎(7)との中間に下側受圧板(9)を介装し、前記横材(3)と前記奥行広幅柱(8)との間に前記垂直連結板(12)と一体的に結合した上側受圧板(10)を介装して、前記耐圧ピン(11)の下端を前記下側受圧板(9)に、同じく上端を前記上側受圧板(10)に、それぞれ当接させ、
前記下側受圧板(9)、前記横材(3)、及び前記上側受圧板(10)を貫通する、前記コンクリート基礎(7)の頂面に立設したアンカーボルト(14)を、ナット掛けして締結し、
前記コンクリート基礎(7)の地上高さ寸法を増して、前記奥行広幅柱(8)の高さ寸法を相対的に減じることにより、
間口を広くとりつつ耐震性を確保できることを特徴とする、住宅に併設されるビルトイン形ガレージのための、横材の上に柱を立てた構造。
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