JP4740443B2 - ズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラ - Google Patents

ズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メインプリント基板と当該メインプリント基板にコネクタを介して接続されるサブプリント基板とを有する、ズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、特開平11−212163号公報等では、カメラ用の硬質プリント回路(RPC;Rigid Print Circuit)と、鏡枠内電気部品に接続されたフレキシブルプリント回路(FPC;Flexible Print Circuit)と、測距手段等の電気部品に接続されたFPCとを、中継FPCに設け、ここに実装されたFPCコネクタに、それぞれ平行方向に挿入接続する技術が開示されている。尚、同技術では、メイン基板は、カメラの上面部分に配置されている。
【0003】
ところで、近年のカメラのズーム比の向上により鏡枠は大型化しているが、そのようなカメラは、特に鏡枠の全長が伸びていくため、グリップ前面付近のスペースが空く傾向にあり、当該領域はメイン基板の設置に好適である。
【0004】
一方、組立やリペアを考えた場合、各ユニットの電気信号を配線した基板は、上記各ユニットを取り外す際に上記メイン基板と容易に分離可能であり、組み付け時は確実にコンタクトすることが望ましい。従って、メイン基板と上記各ユニットの基板を、FPCコネクタ等で接続することが好適である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、カメラに用いられる電気回路は、当該カメラの各種機能の複雑化に伴って配線が増加していく傾向にある事から、前述した従来技術のように平行に複数のコネクタを配置することが困難になっている。
【0006】
また、カメラは、通常、その上面に表示・操作系が集中して配置される傾向にあり、カメラの中央付近には、撮影レンズの保持・駆動等を行うレンズ鏡枠が配置され、当該位置にはシャッタ駆動機構やフォーカスレンズ駆動機構、及びその状態検知等のセンサ類が含まれることが多くなっている。
【0007】
さらに、カメラの下面には、例えばフィルム駆動やズーム駆動、駆動切換機構等が配置されることが多くなっている。
【0008】
このため、これらの事情を考えて、各基板のスペース効率が良く、組立リペア性が良い構成でプリント基板の構成を考えていかないと、カメラの大型化やコストアップをもたらすことになってしまう。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、プリント基板の構成を効率よく配置、接続することによって、小型でコストが安いズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、ズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラにおいて、第1コネクタ、第2コネクタ及び第3のコネクタがそれぞれ略直交する方向に同一の表面に実装され、上記レンズ鏡筒枠の側方であって当該カメラのグリップ側に上記レンズ鏡枠の光軸に対して垂直に配置され、上記第1コネクタ、上記第2コネクタ及び上記第3のコネクタが実装された上記表面の裏面に上記カメラ全体の制御を行うメイン演算制御手段を実装したメインプリント基板と、上記第1コネクタを介して上記メインプリント基板に接続され、当該カメラの上方に延出した第1のサブプリント基板と、上記第2コネクタを介して上記メインプリント基板に接続され、上記レンズ鏡筒への方向に延出した第2のサブプリント基板と、上記第3コネクタを介して接続され、当該カメラの下方に延出した第3のサブプリント基板とを具備し、上記第1乃至上記第3のサブプリント基板は、それぞれ略90度ずつ異なる方向に延出されていることを特徴とするズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラが提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
先ず、図1は本発明の一実施の形態に係るプリント基板を備えたカメラの外観構成図である。より詳細には、図1(a)は当該カメラの前面及び上面を示しており、図1(b)は当該カメラの裏面及び下面を示している。
【0023】
図1(a)において、符号1はカメラの外装部材である。
【0024】
この外装部材1は、実施の形態に係るカメラの内部機構を被覆して保護し、更にはユーザの操作性、携行性の向上に寄与する。
【0025】
カメラの前面の略中心部には、レンズ鏡枠2が配置されている。このレンズ鏡枠2には、撮影レンズ6が保持されている。
【0026】
また、上記外装部材1の前面には、開閉自在に保持されたレンズバリア3が配置されている。当該レンズバリア3を閉じると上記レンズ鏡枠2が繰り出され、カメラは動作状態となる。これと同時に、必要なときに人工光源として機能するストロボ部17もポップアップする。一方、当該レンズバリア3を閉じると、レンズ鏡枠2は繰り込まれ、カメラは省電力状態に移行する。
【0027】
さらに、カメラの前面には、測光センサ18,セルフLED19、ファインダ窓20、測距センサ21も配置されている。上記測光センサ18は、被写界の光量を検出するものである。上記セルフLED19は、セルフタイマ動作時に点灯・点滅することで計時や動作告知をするものである。
【0028】
上記ファインダ窓20は、撮影レンズ6のズーミング動作に連動して視野をズーミングして、当該ズーミングに対応した撮影範囲を撮影者に示す。上記測距センサ21は、公知の外光式パッシブ方式を採用しており、測距結果をアナログ及びデジタル信号として出力する。
【0029】
さらに、本カメラの上面の所定位置には、押下式のレリーズボタン11が配置されている。当該レリーズボタン11を押下すると所定の撮影動作が実行されることになる。尚、このレリーズボタン11は、半押しで1stレリーズがオンされ、全押しで2ndレリーズがオンされる2段構成となっている。
【0030】
また、カメラの上面には、ズームアップボタン12、ズームダウンボタン13も配置されている。これらズームアップボタン12、ズームダウンボタン13の操作により、撮影レンズの変倍を指示することができる。
【0031】
さらに、外部表示液晶部16の側方には、撮影モード切り替えボタン14、ストロボモード切り替えボタン15も配置されている。
【0032】
これら各種ボタン操作により選択されたモードや駒数を含む各種情報は、外部表示液晶部16に適宜表示されるように構成されている。
【0033】
また、図1(b)に示されるように、この実施の形態に係るカメラの後面には、後蓋4が設けられている。フィルムの装填や取出しの際には、この後蓋4を開閉することになる。さらに、カメラの後面には、電池蓋5も設けられている。電池の装填や交換の際には、この電池蓋5を開閉することになる。
【0034】
この他、符号23はファインダのアイピース、符号22はセルフタイマのためのリモコン受信部、26は強制リワインドSW、27は三脚用の穴部である。
【0035】
上記アイピース23の配設位置の近傍には、充電中やストロボ発光を予告するためのストロボLED24や測距完了等の旨を告知するためのAFLED25等からなる接眼部LEDが配置されている。
【0036】
次に、図2は本発明の実施の形態に係るプリント基板を備えたカメラの機能ブロック並びに各種プリント基板の構成を示す図である。
【0037】
この図2において、符号31はファインダユニット本体(以下、F本体と称する)を示している。このF本体31には、ファインダ窓20、測距センサ21、セルフ窓32、測光窓34等が配置されている。
【0038】
そして、このF本体31には、Aフレキ(PC301)とFフレキ(PC201)とが一体的に組み付けられる。
【0039】
上記Aフレキ(PC301)には、上記F本体31に設けられた測距センサ21の電源を安定化する部品、及び当該測距センサ21を中心としたカメラの温度を検出するサーミスタ等が実装されている。
【0040】
上記Fフレキ(PC201)には、上記測光センサ18、セルフLED19、外部表示液晶部16等の表示部材が実装されている。また、Fフレキ(PC201)には、ズーム操作部材たるズームアップボタン12及びズームダウンボタン13の受けのパターン、撮影モード切り替えボタン14及びストロボモード切り替えボタン15の受けのパターンが形成されている。
【0041】
さらに、上記Fフレキ(PC201)には、上記表示液晶部16の駆動や、時計機能やモードスイッチの検出を行う機能を合わせ持った表示CPU(U201)が、圧接・接着方式のフリップチップ実装方式の下、ベアチップ実装されている。上記Fフレキ(PC201)は、上記表示液晶部16や表示CPU(U201)のパターン引き回しのために、両面配線で構成されている。
【0042】
また、上記Fフレキ(PC201)には、上記セルフLED19を含むチップ部品がリフローによって実装される。露出パターンの表面処理は、スイッチの確実な検出のため金メッキ処理がなされている。
【0043】
さらに、上記Fフレキ(PC201)は、メイン基板(PC101)上に実装されたFPCコネクタ(J101)に挿入接続可能である。また、同軸の放射状パターン圧接接続部(以下、ヒマワリと称する)によって、上記Aフレキ(PC301)、及びT基板(PC401)と電気的に接続可能である。
【0044】
また、ファインダの接眼部付近に配置され、スーパーインポーズ表示を行える透過型液晶(例えばポリマネット液晶)が、接続用の小型フレキ基板を介してFフレキ(PC201)に接続されている。
【0045】
符号36はレンズ鏡枠ユニットである。このレンズ鏡枠ユニット36は、レンズ鏡枠2を含み、また内部にはシャッタ用ソレノイドプランジャ(Sプランジャ)により駆動されるシャッタと、フォーカスレンズを駆動するフォーカスレンズドライブモータ(LDモータ)が設けられている。
【0046】
また、このレンズ鏡枠ユニット36には、上記シャッタ機構の動作をモニタするフォトインタラプタ(AEPI)、上記LDモータの動作をモニタするフォトインタラプタ(LDPI)が設けられている。さらに、このレンズ鏡枠ユニット36には、鏡枠のズーム状態がワイド、テレにいることを検出するテレスイッチ、ワイドスイッチも配置されており、これらの全ての電気配線は鏡枠フレキ、即ちKフレキ(PC501)に構成されている。
【0047】
上記Kフレキ(PC501)は、レンズ鏡枠ユニット36から引き出され、メイン基板(PC101)上のFPCコネクタ(J102)に挿入されて接続される。本FPCは、鏡枠可動部で屈曲されるため柔らかくする必要があり、また、コスト的にも有利なため、片面配線のFPCで構成される。
【0048】
さらに、上記Kフレキ(PC501)には、スイッチパターン等が設けられていないため、露出部の表面処理はハンダメッキで構成されている。
【0049】
符号37は、カメラのボディ本体(B本体)である。
【0050】
このB本体37には、グリップ側に電池38の挿入部が設置され、またその横はパトローネ室39となっており、更にパトローネのDXコード読み取りのためDX読み取り用電気接点(DX接点)40が設けられている。
【0051】
さらに、このB本体37において、グリップ側の反対側には、フィルム給送とズーム駆動を行うためのWZモータ41が設けられる。
【0052】
また、B本体37の下部には、WZモータ41から、フィルム巻上げ、巻戻し、ズームアップ、ズームダウンの各駆動を切り換えるための切り換え/駆動力伝達機構43が配置されている。B本体37の下部にあるWZプランジャ42は、上記切り換えを行うようになっている。
【0053】
上記各種電気部品の配線は、B本体37の下部に配置されたWフレキ(PC521)上に形成されている。
【0054】
但し、本実施形態では、WZプランジャ42がメイン基板(PC101)に近いため、上記Wフレキ(PC521)は経由しない。
【0055】
また、上記Wフレキ(PC521)には、上記切り換えや駆動に必要な切り換え機構モニタ用のフォトリフレクタ(CLPR)、フィルム駆動検出用のフォトリフレクタ(WPR)が実装されており、上記B本体37に組み付けられる。
【0056】
さらに、WZモータ41の回転検出用のフォトインタラプタ(MTPI)、デート写し込みLEDの駆動信号ライン、ストロボポップアップ検知スイッチ(POPスイッチ)、デート設定関係の各スイッチ、パノラマ撮影モードと通常モードを切り換えるPNスイッチ等の信号も、上記Wフレキ(PC521)に配線されており、グリップと反対側で他のFPCに接続伝達されたり、リード線で接続されるようになっている。
【0057】
さらに、Wフレキ(PC521)には、B本体37の下部のリワインド(フィルム巻戻し)スイッチのパターンも形成されている。
【0058】
上記Wフレキ(PC521)は、コストの低減と下部分のスペース節約のために、片面配線のFPCで構成されている。また、Wフレキ(PC521)の表面処理は、スイッチ接点や他FPCとの圧接接続であることから、露出部分で部品実装しない面は金メッキ処理している。
【0059】
そして更に、上記B本体37には、Wフレキ(PC521)と、同軸の放射状パターン圧接接続部、即ちヒマワリによって電気的に接続されるPIフレキ(MTPIハンダ付け)と、DLフレキ(DLED実装、ストロボポップアップ検知スイッチ(POPスイッチ)、デート設定関係の各スイッチ、パノラマ撮影モードと通常モードを切り換えるPNスイッチ等のスイッチパターンやハンダ付けランドである)とが配置されている。
【0060】
また、ストロボコンデンサの充電・発光を行うT基板(PC401)も上記B本体37のグリップ側上部に設けられ、上記Fフレキ(PC201)と圧接接続されて、Fフレキ(PC201)を介してメイン基板(PC101)に接続される。そして、このメイン基板(PC101)は、上記B本体37に形成されたDX端子の前面(グリップ側前面)に配置される。
【0061】
前述したように、FPCコネクタによって、Fフレキ(PC201)、Kフレキ(PC501)、Wフレキ(PC521)は相互に接続されている。
【0062】
ここで、請求項に記載の第1乃至第3のフレキシブルプリント基板とは、Fフレキ(PC401)、Kフレキ(PC501)、Wフレキ(PC521)に相当し、第1乃至第3のコネクタは、コネクタ(J101),(J102),(J103)に相当するものである。
【0063】
次に図3は上記メイン基板(PC101)の詳細な構成を示す図である。
【0064】
即ち、図3(a)はメイン基板(PC101)の上方平面図であり、図3(b)はメイン基板(PC101)の鏡枠方向側面図である。
【0065】
これらの図に示されるように、メイン基板(PC101)の表面には、FPCコネクタ(J101),(J102),(J103)が実装されている。
【0066】
上記FPCコネクタ(J101)はカメラ上面方向を向いて、FPCコネクタ(J102)は鏡枠方向を向いて、FPCコネクタ(J103)は下方向を向いて、それぞれが90度づつ方向を変えて配置されている。
【0067】
また、メイン基板(PC101)の表面には、電池の電源(+)がリード線LW1を介して、電池の電源(GND)がリード線LW2を介して、それぞれメイン基板(PC101)の略中央に半田付けされている。
【0068】
また、ストロボコンデンサのプラス端子もリード線LW3を介して、メイン基板(PC101)に接続されている。
【0069】
メイン基板(PC101)の裏面には、カメラ全体の統括と演算制御を行うメインCPU(以下、MCPUと称する)(U101)、及び小信号系の処理、基準電圧や電流の発生、アクチュエータのプリドライブ制御等のアナログ処理を中心に構成されたインターフェースIC(以下、IFICと称する)(U102)の2つのICがベアチップ実装されている。
【0070】
ここでは、ベアチップ実装はアルミワイヤーによるCOB実装で、ワイヤー接続後に絶縁樹脂で封止される。
【0071】
以上のほか、メイン基板(PC101)の表・裏面に、IC系電源の昇圧用コイル(L101)、その平滑コンデンサ(C101)、MCPU(U101)のメインクロックを発生するセラミック発振子(Y101)、パワートランジスタ、その他チップ抵抗やチップコンデンサ等の各種部品が実装されている。
【0072】
ここで、上記FPCコネクタについて、詳しく説明する。
【0073】
3つのFPCコネクタ(J101),(J102),(J103)は、共に端子が半田メッキされたものであり、所謂「ZIFタイプ」と呼ばれるFPCの固定用ストッパが配設されたものである。
【0074】
この固定用ストッパは、FPCの差込方向と略平行に引き出してロックを解除し、FPCの差込方向と略平行に押し込んでロックする。
【0075】
上記FPCコネクタ(J101)は、補強板なしの両面FPCに対応したものである。例えば、標準挿入厚さが0.18mm程度であり、通常の両面配線FPCの、片側のみカバーレイがないものに相当する。図示のように、Fフレキ(PC201)は両面配線タイプであり、差込部のみ片側カバーレイが開口されていて、上接点のコネクタ(J101)に挿入される。
【0076】
上記FPCコネクタ(J102),(J103)は、補強板ありの片面FPCに対応したものである。例えば、標準挿入厚さが0.3mm程度であり、通常の片面配線タイプのFPCにポリエステル等の補強板を貼って挿入厚を確保する。
コネクタ挿入部には、カバーレイが開口されている。
【0077】
図4は、実施の形態に係るプリント基板を有するカメラのプリント基板間の信号のやり取りを概念的に示した図である。
【0078】
同図に示されるように、T基板(PC401)には、メイントランス、トリガトランス、IGBT、レリーズSW等が実装される。
【0079】
Fフレキ(PC201)には、両面、金メッキが施され、表示CPU(U201)、ズームアップボタン12、ズームダウンボタン13、撮影モード切り替えボタン14、セルフLED19等が実装される。
【0080】
LCDフレキには、外部表示液晶部16等が実装される。FLフレキ(PC601)には、FLCD等が実装される。Aフレキ(PC301)には、AFモジュール等が実装される。M基板(PC101)には、CPU、IFIC、EEP、モータドライバ、汎用コネクタ等が実装される。
【0081】
Kフレキ(PC501)には、LDモータ、STプランジャ、AEPI、LDPI、テレ・ワイドスイッチ等が実装される。Wフレキ(PC521)には、WZモータ、チェック端子、MTPI、CLPR、リワインドSW等が実装される。PIフレキには、MTPI等が実装される。DLフレキには、デートSW、PNSW、写し込みドットLED等が実装される。
【0082】
ここで、上記T基板(PC401)には、2本のリード線を介して電池38が接続され、3本のリード線を介してキセノン管が接続され、2本のリード線を介してBKSWが接続され、3本のリード線を介してM基板(PC101)が接続され、9本の同軸圧接接続(以下、ヒマワリと称する)を介してFフレキ(PC201)が接続される。
【0083】
さらに、上記Fフレキ(PC201)は、コネクタ(J101)を介してM基板(PC101)に接続され、ヒマワリを介してAフレキ(PC301)に接続され、3本の半田付けによりFLフレキに接続され、更にLCDフレキが熱圧着されている。
【0084】
上記M基板(PC101)には、コネクタ(J102)を介してKフレキ(PC501)が接続され、コネクタ(J103)を介してWフレキ(PC521)が接続され、このほか、5本のリード線を介してDX端子40が接続され、2本の半田付けによりWZプランジャ42が接続され、2本のリード線を介してリモコンセンサ33が接続されている。
【0085】
さらに、Wフレキ(PC521)には、8本のヒマワリを介してPIフレキが接続され、12本のヒマワリを介してDLフレキが接続されている。また、PIフレキは、2本のリード線を介してPOPSWが接続され、2本のリード線を介してWZモータ41が接続されている。上記Kフレキは、3本のリード線を介してZSWT,ZSWWが接続されている。
【0086】
この図4に示されるように、FPCコネクタとヒマワリを解除すれば、半田接続の分離無しに、鏡枠ユニットやファインダユニット等を解除することが可能であることが判る。
【0087】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、メイン基板上の、ピン数が多く幅が広いFPCコネクタを、それぞれ方向を90度づつ回転させて基板端面に寄せて実装したため、コネクタ相互の間が広く取れて実装が容易であり実装の歩留まりが良い。また、FPCコネクタへの信号線の引き回しも効率よくレイアウトすることが可能で、基板面積を最小限にすることができ、カメラの小型化や基板のコストダウンにも好適である。
【0088】
さらに、上記FPCコネクタを、それぞれ方向を90度づつ回転させて配置しているため、挿入するFPC同士の近接や干渉がなく、接続作業が容易であり、組立工数やリペア工数を削減することができる。
【0089】
また、FPCコネクタを上方、鏡枠方向、下方にそれぞれ向けて配置しているため、表示操作系が多い上方からの基板と、鏡枠関連の信号を接続する基板と、フィルム、切り替え等の駆動系を接続する下方の基板との信号を、効率よく接続し、無理がない形で固定することができる。
【0090】
そして、大電流を必要とするシャッタ駆動用のSプランジャのラインを含むKフレキ(PC501)と、対応するコネクタ(J102)は、FPCもコネクタの端子もハンダで表面処理されており、同種金属であるため経年変化がほとんどなく、接触抵抗が安定しているため、シャッタの動作不良などの不具合を起こすおそれがない。FPCが半田で表面処理できるのは、鏡枠はスイッチ受けのパタン等があまり設けられないユニットであるという特性のためである。
【0091】
また、大電流系がないカメラ上面部へのFPCは金メッキで表面処理がなされ、一方、コネクタ(J101)の端子は半田で表面処理が行われるので、異種金属の接合になるが、金と半田の異種金属による腐食は抵抗値の増加が然程でもなく、むしろ上面のスイッチパタンの、接触の信頼性が高く、コネクタは多く出回っている半田メッキの汎用品が利用できるため安価である。
【0092】
さらに、表示系を含む上面方向に伸びるFPCは配線が多く、両面配線になる上、チップ部品などをリフローによって実装するが、コネクタ差込部の補強板がなくても接続可能になっているため、リフローに耐えうるポリイミド等の高価な耐熱補強板を必要とせず、両面FPCで硬さも程々であるため、安価で確実な接続が可能である。
【0093】
また、可動部を含む鏡枠ユニットの信号配線のFPCは片面タイプで柔らかく、また鏡枠ユニットの部品が手ハンダ可能でコネクタ差込部分の耐熱性が不要であるため、安価な耐熱性の低いものでよい。
【0094】
そして、微小信号である測光の光電流ラインは、上方に向いた唯一のコネクタの接触端子のうち、最もレンズ鏡枠方向の接触端子に割り当てられている為、隣接端子への電流のリークの影響が少なく、またノイズも乗り難い部分になる。また、ファインダ本体の測光センサへの引き回しも短く、クロスする他のライン等も少なくて済み、これも上記信号への悪影響を最小限に抑える要因になる。
【0095】
さらに、メイン基板(PC101)から、上方に延出するFPC、側方に延出するFPC、下方に延出するFPCはそれぞれ上接点で引き出されており、接続点から曲げが近い本実施の形態のようなFPCの接続の場合、接続時の傾きやずれが目視で分かりやすく、好ましい。
【0096】
また、各コネクタの信号の分割が、FPCコネクタ(J101)はカメラ上方の表示・信号系のラインでまとめられ、FPCコネクタ(J102)は鏡枠の駆動制御の信号でまとめられ、FPCコネクタ(J103)は下面部品や、鏡枠に対してレンズ鏡枠と反対側のラインを含んでいるため、それぞれの関連ずるファインダ、鏡枠、ボディ本体の分割や確認のために1つのコネクタの着脱によってほぼ可能であるため、操作が容易で好ましい。
【0097】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。
【0098】
例えば、コネクタのロックはスライドタイプに限定されるものでなく、例えばストッパを跳ね上げ解除乃至は倒してロックするタイプの回転固定式のフリップロックタイプのものを採用することもできる。また、実装チップ部品の配置も上記実施の形態で採用したものに限定されるものではない。
【0099】
さらに、メイン基板(PC101)は、鏡枠の左右いずれにあってもよい。また、メイン基板は、その基板材が硬質板以外のフレキシブル基板材で構成されていても良い。また、カメラ内での基板の配置、形状は異なるものであっても良いし、各ユニットの形状、配置、分割も本実施形態に限定されない。
【0100】
また、上面に配置される外部表示用液晶は、Fフレキ上の表示CPUによって表示されているが、これはメイン基板(PC101)上のCPUによって直接駆動されても良い。尚、メイン基板(PC101)は、硬質基板でもよい。
【0101】
尚、本発明の上記実施の形態には、以下の発明が含まれる。
【0102】
(1) カメラ全体の制御を行うメイン演算制御手段を実装したメインプリント基板と、上記メインプリント基板にコネクタを介して接続される第1乃至第3のサブプリント基板と、を備えたカメラにおいて、
上記メインプリント基板は、レンズ鏡枠の左右何れかに当該レンズ鏡枠の光軸に対して垂直に配置され、上記第1乃至第3のサブプリント基板は、それぞれが略90度ずつ異なる方向にコネクタを介して接続され延出されていることを特徴とするプリント基板を備えたカメラ。
【0103】
(2) 上記第1のサブプリント基板は、表示・操作系を含むカメラ上面の電気部品や操作部材に関する信号のラインを含み、
上記第2のサブプリント基板は、レンズ鏡枠関連のアクチュエータ駆動や位置・変位に関する信号のラインを含み、
上記第3のサブプリント基板は、フィルム駆動、駆動系の切り替え関連のアクチュエータ駆動や位置・変位に関する信号のラインを含む、
ことを特徴とする上記(1)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0104】
(3) 上記第1のサブプリント基板を接続するコネクタは、当該第1のサブプリント基板が上方に延出される方向に配置され、
上記第2のサブプリント基板を接続するコネクタは、当該第2のサブプリント基板が鏡枠の方向に延出される方向に配置され、
上記第3のサブプリント基板を接続するコネクタは、当該第3のサブプリント基板が下方に延出される方向に配置される、
ことを特徴とする上記(1)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0105】
(4) カメラ全体の制御を行うメイン演算制御手段を実装したメインプリント基板と、
上記メインプリント基板に実装され、上方からのフレキシブルプリント基板をコネクトするための第1コネクタと、
上記メインプリント基板に実装され、側方からのフレキシブルプリント基板をコネクトするための第2コネクタと、
上記メインプリント基板に実装され、下方からのフレキシブルプリント基板をコネクトするための第3コネクタと、
を備え、
上記第1コネクタに差し込むフレキシブルプリント基板は、補強板の貼り付けがなく、上記第1及び第2コネクタに差し込むフレキシブルプリント基板は、補強板の貼り付けを伴っていることを特徴とするプリント基板を備えたカメラ。
【0106】
(5) 上記第1コネクタに挿し込まれるフレキシブルプリント基板は両面フレキシブルプリント基板であり、上記第2及び第3コネクタに挿し込まれるフレキシブルプリント基板は片面フレキシブルプリント基板であることを特徴とする上記(4)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0107】
(6) 上記第1のサブプリント基板は、表示・操作系を含む、カメラ上面の電気部品に、関する信号のラインを含み、
上記第2のサブプリント基板は、レンズ鏡枠関連のアクチュエータ駆動や位置・変位に関する信号のラインを含む、
ことを特徴とする上記(4)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0108】
(7) カメラ全体の制御を行うメイン演算制御手段を実装したメインプリント基板と、
上記メインプリント基板に実装された第1コネクタで接続される第1のサブプリント基板と、
上記メインプリント基板に実装された第2コネクタで接続される第2のサブプリント基板と、
を備えたカメラにおいて、
上記第1コネクタで接続される第1のサブプリント基板の接続は異種金属接合であり、上記第2コネクタで接続される第2のサブプリント基板の接続は同種金属接合である、ことを特徴とするプリント基板を備えたカメラ。
【0109】
(8) 上記第1のサブプリント基板は、スイッチのパターンを含む小信号系ラインを中心とした配線で構成されており、
上記第2のサブプリント基板は、アクチュエータを含む大電流系の配線を含んで構成されている、
ことを特徴とする上記(7)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0110】
(9) 上記第2のサブプリント基板は、シャッタ駆動用のアクチュエータを含むことを特徴とする上記(7)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0111】
(10) カメラ全体の制御を行うメイン演算制御手段が実装され、レンズ鏡枠の左右何れかに、光軸に対して略垂直に配置されたメインプリント基板と、
上記メインプリント基板に実装されたフレキシブルプリント基板コネクタと、
カメラの上面または下面に配置され、これを経由して所定の信号を引き出し、上記フレキシブルプリント基板コネクタで上記メイン基板に接続されるフレキシブルプリント基板と、
を備えており、
上記カメラの上面または下面に配置されたフレキシブルプリント基板コネクタは、単一のコネクタで構成されていることを特徴とするプリント基板を備えたカメラ。
【0112】
(11) 上記フレキシブルプリント基板コネクタは、カメラの上面に配置されたフレキシブルプリント基板に接続するコネクタであり、
当該コネクタは、上面に配置された表示のための制御信号、レリース信号、測距信号を含んでいる、
ことを特徴とする上記(10)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0113】
(12) 上記フレキシブルプリント基板コネクタは、カメラの下面に配置されたフレキシブルプリント基板に接続するコネクタであり、
当該コネクタは、下面を経由して下面およびメイン基板と反対側に配置された駆動切り替え機構、フィルム駆動機構への駆動制御信号を含んでいる、
ことを特徴とする上記(10)に記載のプリント基板を備えたカメラ。
【0114】
(13) カメラの微小光電流を処理する処理回路部品が実装され、レンズ鏡枠の左右何れかに当該レンズ鏡枠の光軸に対して略垂直に配置されたメインプリント基板と、上記メインプリント基板上に実装されたフレキシブルプリント基板コネクタと、上記コネクタに挿入接続される微小光電流ラインを含んだフレキシブルプリント基板と、を備えたカメラにおいて、
上記コネクタは上方にフレキシブルプリント基板挿入口が向く方向に配置され、上記微小光電流ラインは、上記コネクタの接触端子のうち、最もレンズ鏡枠方向の接触端子に割り当てられている、
ことを特徴とするプリント基板を備えたカメラ。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、第1コネクタ、第2コネクタ及び第3のコネクタがそれぞれ略直交する方向に同一の表面に実装され、レンズ鏡筒枠の側方であってカメラのグリップ側にレンズ鏡枠の光軸に対して垂直に配置され、第1コネクタ、第2コネクタ及び第3のコネクタが実装された表面の裏面にカメラ全体の制御を行うメイン演算制御手段を実装したメインプリント基板を備えたので、プリント基板の構成を効率よく配置、接続することによって、小型でコストが安いズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリント基板を備えたカメラの外観構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリント基板を備えたカメラの機能ブロック並びに各種プリント基板の構成を示す図である。
【図3】メイン基板(PC101)の詳細な構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係るプリント基板を有するカメラのプリント基板間の信号のやり取りを概念的に示した図である。
【符号の説明】
1 外装部材
2 レンズ鏡筒
3 レンズバリア
11 レリーズボタン
12 ズームアップボタン
13 ズームダウンボタン
14 操作モード切り替えボタン
15 ストロボモード切り替えボタン
16 外部表示液晶部
17 ストロボ部
18 測光センサ
19 測光センサ
20 ファインダ窓
21 測距センサ
22 セルフタイマのリモコン受信部
23 ファインダのアイピース
24 ストロボLED
25 AFLED
26 強制リワインドSW
27 三脚用穴

Claims (1)

  1. ズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラにおいて、
    第1コネクタ、第2コネクタ及び第3のコネクタがそれぞれ略直交する方向に同一の表面に実装され、上記レンズ鏡筒枠の側方であって当該カメラのグリップ側に上記レンズ鏡枠の光軸に対して垂直に配置され、上記第1コネクタ、上記第2コネクタ及び上記第3のコネクタが実装された上記表面の裏面に上記カメラ全体の制御を行うメイン演算制御手段を実装したメインプリント基板と、
    上記第1コネクタを介して上記メインプリント基板に接続され、当該カメラの上方に延出した第1のサブプリント基板と、
    上記第2コネクタを介して上記メインプリント基板に接続され、上記レンズ鏡筒への方向に延出した第2のサブプリント基板と、
    上記第3コネクタを介して接続され、当該カメラの下方に延出した第3のサブプリント基板と、
    を具備し、
    上記第1乃至上記第3のサブプリント基板は、それぞれ略90度ずつ異なる方向に延出されている、
    ことを特徴とするズーム可能なレンズ鏡枠を備えたカメラ。
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