JP4738113B2 - 真空蒸着装置用るつぼおよびそれを用いた有機elディスプレイの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は例えば有機ELディスプレイを製造する真空蒸着装置に使用される蒸着用るつぼおよびそれを用いた製造方法に関する。
近年、情報通信の高速化が進むのに伴い、ディスプレイに対しては低消費電力、高速応答性、および表示の高精細度化等のさらなる高性能化が期待されている。これらの性能を実現する高性能なディスプレイの一例として、有機化合物の薄膜積層構造を有し、自発光で、高速応答性、高精細度といった要求の実現が期待できる有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)を用いた有機ELディスプレイが注目されている。
有機EL素子などの有機化合物の薄膜を有する素子の薄膜作製方法としては、一般に真空中での加熱蒸着方法が採用されている。加熱蒸着方法は、通常、るつぼなどの容器に蒸着用有機化合物を収容し、その容器を外側からヒーターなどで加熱し、内部の有機化合物を気化または昇華させて被蒸着物に蒸着する方法である。るつぼの材料は、窒化アルミニウムや、グラファイト、モリブデンなどが知られているが、特にグラファイト製は安価なため、多用されている。また、上部に1つまたは複数の穴をあけた蓋を有するるつぼが報告されている。(特許文献1参照)
特開平6−223970号公報
有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子に対しては、膜厚のばらつきの少ない、より均一な薄膜が成膜されていることが要求されており、その要求特性に応じて、様々な有機化合物が使用されるが、従来から多用されてきた、経済的に安価であるグラファイトるつぼを使用して蒸着をすると、下記のような問題が発生していた。すなわち、グラファイトはその材質に空隙を有しているため、加熱により有機化合物が液体化した際、その有機化合物によっては、空隙より有機化合物がしみ出してしまう、という問題があった。また、グラファイトから発生するガス成分の影響で、装置内を必要な真空度にするために長時間を要し、さらに必要な真空度に達した後も、ガスが発生するため、装置内の圧力が不安定になり、有機化合物の蒸発速度へ影響を与え、膜厚にばらつきが生じるという問題もあった。また、加熱を充分行うあまり、過剰な加熱になりがちで、るつぼ内の有機化合物の溶融状態が不安定になり、液体化した有機化合物がるつぼ内壁を伝わってはい上がり、外部に漏れ出す、という問題もあった。また、強度が不足しているため、割れ、カケなどが多発し、工業的に製造コストを増加させてしまうという問題もあった。一方、従来より知られているモリブデンるつぼは、グラファイトるつぼと比較した場合、強度は強いため、割れ、カケなどは防げるものの、抵抗加熱方式で蒸着を行った場合、るつぼを所定の温度へ昇温させるのに、非常に時間がかかる、という問題があった。
そこで本発明は、膜厚が均一な有機EL素子を工業的に効率的に製造するための、真空蒸着用のるつぼを提供するものである。
本発明は、上記の問題を解決するためのものであり、るつぼ内側表面の表面粗さ(Sm)が50μm以上であることを特徴とする有機ELディスプレイの製造のための真空蒸着用るつぼである。
また、るつぼの上部に1mm2あたり、0.2個以上の穴が設けられた遮蔽蓋を有することを特徴とする真空蒸着用るつぼであることが好ましい。
また、モリブデンまたはモリブデン合金からなることを特徴とする蒸着用るつぼであることが好ましい。
さらに、炭素含有量が50ppm以下、酸素含有量が50ppm以下であることを特徴とする真空蒸着用るつぼであることが好ましい。
さらに、るつぼ、及び蓋の外表面には、黒化膜が形成されたことを特徴とする真空蒸着用るつぼであることが好ましい。さらに、黒化膜は、チタン、アルミニウム、ジルコニウムの酸化物を1種以上からなり、膜厚が5〜200μmで、表面粗さがRaで7μm以下であることを特徴とすることが好ましい。
本発明の蒸着用るつぼおよび蓋によれば、均一な膜厚の有機EL素子を製造コストを増加させることなく、提供することができる。
図1に本発明の真空蒸着用るつぼの一例を示す断面図を、図2に蒸着用蓋の上面図を示す。
るつぼ内に所定の有機化合物を投入し、蒸着装置内に設置する。蒸着装置内は真空に保たれ、るつぼ周囲に配したヒータに通電することによりるつぼが加熱され、るつぼ内の有機化合物が気化、または昇華し、被蒸着物に蒸着され、有機EL素子が得られる。該るつぼの内側表面は表面粗さ(Sm)は50μm以上であり、加熱により溶融した有機化合物がはい上がり、外部へ漏れ出すのを防ぐことができる。内側表面粗さが50μmを下回ると、有機化合物がはい上がり、外部へ漏れ出すため上記範囲が好ましい。より好ましい範囲は100μm以上である。上限は特に規定しないが、工業的な視点から製品のコストを考えると、上限は300μm程度となる。これは仕上げ加工コスト等より考慮した値である。尚、表面粗さ(Sm)は具体的には、JIS B0601−1994に規定される「凹凸の平均間隔(Sm)」によるもの、すなわち、「粗さ曲線から、その平均線方向に基準長さLだけ抜き取り、1つの山及びそれに隣り合う1つの谷に対応する平均線の長さの和を求め、平均値をミリメートル(mm)で表したもの」である。
また、るつぼはその上部に1mm2あたり、0.2個以上の穴が設けられた蓋を有しており、穴の個数が0.2個/mm2を下回ると、蒸着装置内有機化合物の蒸気の濃度が装置内でばらつきを持つため、均一な膜が得られなくなる。より好ましい範囲は0.5個/mm2以上であり、該蓋により蒸着装置内の有機化合物蒸気の濃度(分圧)を安定させ、膜厚のばらつきを低減し、均一な薄膜を得ることができる。また、るつぼ及び蓋の材質をモリブデンまたはモリブデン化合物とすることで、強度が向上し、割れやカケなどを発生させることなく、また有機化合物と反応することもなく、安定した蒸着が実施できる。有機化合物の真空蒸着用るつぼは、高融点金属からなることが好ましいが、タングステンは難切削材料であり、タンタル、ニオブは窒素等のガスに反応し易いため、モリブデン系の材料が好ましい。ここで、モリブデン系合金は、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、希土類酸化物やタングステンなどを添加したことを特徴とするが、特にモリブデン系合金であれば範囲としては制約されない。
また、るつぼ及び蓋の炭素含有量を50ppm以下、酸素含有量を50ppm以下とすることで蒸着雰囲気中の有機化合物分圧を安定化させ、膜厚が均一な薄膜を得ることができる。炭素含有量、および酸素含有量がそれぞれ50ppmを超えると、装置を加熱すると、るつぼよりガスが発生し、雰囲気中の有機化合物蒸気の濃度(分圧)が不安定になり、有機物の膜厚ばらつきが大きくなるため、上記範囲が好ましい。より好ましい範囲は30ppm以下である。
さらにるつぼ及び蓋の外表面にチタン、アルミニウム、ジルコニウムの酸化物の1種以上からなり、厚さ5〜200μm、表面粗さRaが7μm以下である黒化膜を形成することにより、昇温時に熱をより吸収し、目的の温度を得るための加熱時間を大幅に短縮することができる。膜の形成方法は、溶射法による方法が経済的であるが、その他PVD、CVD等でも良い。チタン、アルミニウム、ジルコニアの酸化物は、温度サイクル環境下で、モリブデンまたはモリブデン合金に対し、非常に密着性が強い。また、膜厚は5μmを下回るようになると、黒化が不充分となり、200μmを超える超えるようになると、膜が剥離しやくするなるため、上記範囲が好ましい。さらに表面粗さRaは7μmを超えると、膜からのチタン、アルミニウム、ジルコニウムが粒子剥離が起こり易くなるため、上記範囲が好ましい。より好ましい範囲は5μm以下である。
以上のように、本発明による実施形態によれば、膜厚のばらつきの少ない有機EL素子を、工業的に効率的に製造することが可能となる。
(実施例1)
本実施例によるるつぼ(幅50mm 長さ500mm 深さ50mm 蓋の穴 0.5個/mm2)の内部に、成膜を目的とする有機化合物を所定量収容し、真空蒸着装置に設置して、加熱を行った。るつぼの材質はモリブデンで、内側表面の表面粗さ(Sm)は50μmである。加熱の際の該有機化合物の溶融状態(はい上がり量及びしみ出し状態)の評価を行い、結果は表1のとおりであった。はい上がり量は下記の式により与えられる。しみ出し状態は加熱後、るつぼの外表面を肉眼にて観察して判定した。
はい上がり量(%)=(投入量―残留量)×100/投入量
(実施例2)
るつぼ内側表面の表面粗さ(Sm)が100μmであることを除き、実施例1と同様の条件で蒸着を行い、該有機化合物の溶融状態を評価した。結果は表1のとおりであった。
(実施例3)
るつぼ内側表面の表面粗さ(Sm)が150μmであることを除き、実施例1と同様の条件で蒸着を行い、該有機化合物の溶融状態を評価した。結果は表1のとおりであった。
(実施例4)
るつぼの材質を1%La2O3-Mo、内側表面の表面粗さ(Sm)が100μmであることを除き、実施例1と同様の条件で蒸着を行い、該有機化合物の溶融状態を評価した。結果は表1のとおりであった。
(実施例5)
るつぼの材質を30%W-Mo、内側表面の表面粗さ(Sm)が100μmであることを除き、実施例1と同様の条件で蒸着を行い、該有機化合物の溶融状態を評価した。結果は表1のとおりであった。
(比較例1)
るつぼの材質をグラファイト、内側表面の表面粗さ(Sm)が75μmであることを除き、
実施例1と同様の条件で蒸着を行い、該有機化合物の溶融状態を評価した。結果は表1のとおりであった。
(比較例2)
内側表面の表面粗さ(Sm)が30μmであることを除き、実施例1と同様の条件で蒸着を行い、該有機化合物の溶融状態を評価した。結果は表1のとおりであった。
Figure 0004738113
表1から分かるとおり、本実施例によるるつぼを使用することで、有機化合物の真空蒸着工程を安定的に実施することが可能なことが分かった。また、本発明のるつぼを用いて真空蒸着を行って、有機ELディスプレイを製造したところ、高精細で長寿命のディスプレイが歩留り良く製造できた。
(実施例6)
本実施例によるるつぼ(幅50mm 長さ500mm 深さ50mm 材質モリブデン 内側表面の表面粗さ(Sm)50μm)の内部に、成膜を目的とする有機化合物を所定量収容し、蓋の穴の個数が、0.2個/mm2である遮蔽蓋を使用した。該るつぼを真空蒸着装置に設置し、25mm×75mmのガラス基板に蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表2のとおりであった。
(実施例7)
遮蔽蓋の穴の個数が0.3個/mmであることを除き、実施例6と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表2のとおりであった。
(実施例8)
遮蔽蓋の穴の個数が0.5個/mm2であることを除き、実施例6と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表2のとおりであった。
(実施例9)
遮蔽蓋の穴の個数が0.7個/mm2であることを除き、実施例6と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表2のとおりであった。
(実施例10)
遮蔽蓋の穴の個数が1.0個/mm2であることを除き、実施例6と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表2のとおりであった。
(比較例3)
遮蔽蓋の穴の個数が0.05個/mmであることを除き、実施例6と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表2のとおりであった。
(比較例4)
遮蔽蓋の穴の個数が0.1個/mmであることを除き、実施例6と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表2のとおりであった。
Figure 0004738113
表2から分かるとおり、有機化合物の真空蒸着用るつぼに本実施例による穴を設けた遮蔽蓋を使用すると、蒸着膜厚のばらつきが低減されることが分かった。また、本発明のるつぼを用いて真空蒸着を行って、有機ELディスプレイを製造したところ、高精細で長寿命のディスプレイが歩留り良く製造できた。
(実施例11)
本実施例によるるつぼ(幅50mm 長さ500mm 深さ50mm 蓋の穴 0.5個/mm2 内側表面の表面粗さ(Sm)50μm)の内部に、成膜を目的とする有機化合物を所定量収容し、真空蒸着装置に設置して、加熱を行った。るつぼの材質はモリブデンで、炭素含有量が40ppm、酸素含有量が40ppmである。蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表3のとおりであった。
(実施例12)
炭素量含有量が20ppm、酸素含有量が20ppmであることを除き、実施例11と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表3のとおりであった。
(比較例5)
炭素含有量が100ppm、酸素含有量が100ppmであることを除き、実施例11と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表3のとおりであった。
(比較例6)
炭素含有量が30ppm、酸素含有量が100ppmであることを除き、実施例11と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表3のとおりであった。
(比較例7)
炭素含有量が100ppm、酸素含有量が30ppmであることを除き、実施例11と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表3のとおりであった。
(比較例8)
酸素含有量が60ppm、炭素含有量が60ppmであることを除き、実施例11と同様の条件で蒸着を行い、膜厚差を測定した。結果は表3のとおりであった。
Figure 0004738113
表3から分かるとおり、るつぼの酸素量含有量、炭素量含有量を本実施例によるものとすると、蒸着膜厚のばらつきが低減することが分かった。また、本発明のるつぼを用いて真空蒸着を行って、有機ELディスプレイを製造したところ、高精細で長寿命のディスプレイが歩留り良く製造できた。
(実施例13)
本実施例によるるつぼ(幅50mm 長さ500mm 深さ50mm 蓋の穴 0.5個/mm2)の内部に、成膜を目的とする有機化合物を所定量収容し、真空蒸着装置に設置して、加熱を行った。該るつぼの材質はモリブデンで、内側表面の表面粗さ(Sm)は50μmである。るつぼ及び遮蔽蓋の外表面に40%TiO2-Al2O3の黒化膜を溶射にて形成し、その膜厚を6μmとした。このるつぼにて炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定し、結果は表4のとおりであった。
(実施例14)
膜厚が30μmであることを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(実施例15)
膜厚が100μmであることを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(実施例16)
膜厚が150μmであることを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(実施例17)
膜厚が180μmであることを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(実施例18)
黒化膜の組成を20%TiO2-Al2O3とし、その膜厚を100μmとしたことを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(実施例19)
黒化膜の組成を10%ZrO2-30%TiO2-Al2O3とし、その膜厚を100μmとしたことを除き、
実施例13と同様の条件で炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(比較例9)
るつぼの外表面に黒化膜を形成させないことを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度が400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(比較例10)
膜厚を3μmとしたことを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度を400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
(比較例11)
膜厚を230μmとしたことを除き、実施例13と同様の条件で炉内温度を400℃まで加熱した際の炉内温度とるつぼ温度との差を測定した。結果は表4のとおりであった。
Figure 0004738113
表4から分かるとおり、有機化合物の真空蒸着用るつぼに本実施例による黒化膜を形成すると、るつぼの昇温速度が速くなり、加熱効率が向上することが分かった。また、本発明のるつぼを用いて真空蒸着を行って、有機ELディスプレイを製造したところ、高精細で長寿命のディスプレイが歩留り良く製造できた。
(実施例20)
本実施例によるるつぼおよび遮蔽蓋(幅50mm 長さ500mm 深さ50mm 蓋の穴 0.5個/mm2 材質モリブデン)の外表面に40%TiO2-Al2O3の黒化膜を溶射にて形成し、その膜厚を100μmとし、表面粗さRaが6.3μmであった。このるつぼを純水中で超音波洗浄を30分間行い、液をろ紙にてろ過後、残留した剥離した膜の重量を測定した。結果は表5のとおりであった。
(実施例21)
黒化膜の表面粗さRaが3.4μmであることを除き、実施例20と同様の条件で膜の剥離量を測定した。結果は表5のとおりであった。
(実施例22)
黒化膜の表面粗さRaが2.5μmであることを除き、実施例20と同様の条件で膜の剥離量を測定した。結果は表5のとおりであった。
(比較例12)
黒化膜の表面粗さRaが9.1μmであることを除き、実施例20と同様の条件で膜の剥離量を測定した。結果は表5のとおりであった。
Figure 0004738113
表5から分かるとおり、有機化合物の真空蒸着用るつぼに形成する黒化膜の表面粗さを本実施例によるものにすると、黒化膜の剥離量が低減することが分かった。また、本発明のるつぼを用いて真空蒸着を行って、有機ELディスプレイを製造したところ、高精細で長寿命のディスプレイが歩留り良く製造できた。
本発明のるつぼの一例を示す断面図 本発明のるつぼ用遮蔽蓋の一例を示す上面図
符号の説明
1…るつぼ
2…蓋
3…有機化合物

Claims (4)

  1. 有機ELディスプレイの製造における有機化合物の蒸着に使用されるるつぼであって、
    モリブデンまたはモリブデン合金からなり、るつぼの上部に、1mm2あたり、0.2個以上の穴が設けられた遮蔽蓋を有し、
    内側表面の表面粗さ(Sm)が50μm以上であることを特徴とする真空蒸着用るつぼ。
  2. 外表面に黒化膜が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の真空蒸着用るつぼ。
  3. 黒化膜は、チタン、アルミニウム、ジルコニウムの酸化物の1種以上からなり、膜厚が5〜200μmで、表面粗さ(Ra)で7μm以下であることを特徴とする請求項1、または2に記載の真空蒸着用るつぼ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の真空蒸着用るつぼを用いることを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
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