JP3817054B2 - 蒸着源用るつぼ、及び蒸着装置 - Google Patents

蒸着源用るつぼ、及び蒸着装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸着装置の技術分野にかかり、特に、蒸着材料を溶融させるのに適したるつぼ、及びそのるつぼを用いて蒸着材料の蒸気を放出させる蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化合物は、無機物と比較して、多様な反応系・特性が利用できることや、無機物よりも低エネルギーで表面処理ができることから、近年では、有機化合物を用いた機能性有機薄膜が着目されている。
【0003】
機能性有機薄膜を利用するものには、有機EL素子、圧電センサ、焦電センサ、電気絶縁膜等があるが、それらのうち、有機EL素子は、ディスプレイパネルとして利用できることから近年特に注目されている。
【0004】
一般的な有機EL素子は、図3に示すように、予め透明導電膜cが形成されたガラス基体b上に、蒸着法によって有機化合物蒸気を付着させ、第1層目の有機薄膜dと第2層目の有機薄膜eとを形成した後、2槽目の有機薄膜eとの仕事関数差が小さい電子注入層fを形成し、その表面にカソード電極膜gを形成して構成されてる。
【0005】
そして、この有機EL素子aでは、透明導電膜cをアノード電極とし、カソード電極膜gとの間に電圧を印加すると、第1層目と第2層目の有機薄膜d、eの界面において注入された電子とホールが結合し、EL光hが生成されるようになっている。生成されたEL光hは、透明導電膜cとガラス基体bとを透過し、EL素子aの外部に放射されるようになっており、有機EL素子aの所望領域に電圧を印加し、その部分を発光させることができるので、CRTや液晶に替わる表示装置として用いることが可能となる。
【0006】
有機EL素子aの構成材料を説明すると、ガラス基体b上に形成する透明導電膜cには、一般にはIn23にSnを添加したITO(Indium-Tin-Oxide)薄膜が用いられており、透明導電膜c上に形成する第1層目の有機薄膜dの材料には、例えば下記化学式、
【0007】
【化1】
Figure 0003817054
【0008】
で表されるジアミンが用いられており、また、その表面に形成する第2層目の有機薄膜eの材料には、例えば下記化学式、
【0009】
【化2】
Figure 0003817054
【0010】
で表されるAlq3[Tris(8-hydroxyquinoline) aluminium, sublimed]が用いられている。
【0011】
そして、第2層目の有機薄膜e表面に形成する電子注入層fの材料には、Li、Al23、MgOの他、近年LiF(フッ化リチウム)が注目されており、その電子注入層fの表面に形成するカソード電極膜gの材料には、MgAg、MgIn、LiAl、Al等の金属材料が用いられている。
【0012】
ところで、一般に、金属薄膜を形成する蒸着装置の加熱機構には、電子ビーム発生装置が用いられているが、電子注入層fやカソード電極膜gを形成する際に電子ビームを用いると、その電子ビームが有機薄膜eにも照射され、有機薄膜にダメージが与えられてしまうという問題がある。
【0013】
そこで従来技術では、図4に示するつぼ104内にカソード電極膜gの蒸着材料を配置し、抵抗加熱ヒータを用いてるつぼ104を加熱し、真空雰囲気下で蒸着材料を溶融させ、その蒸気を放出させ、真空蒸着法によってカソード電極膜gを形成していた。
【0014】
このようなるつぼ104は、溶融した蒸着材料と反応したり、るつぼ104の構成材料が溶け出さない必要があるので、耐熱性セラミックスの塊が切削加工によってくりぬかれ、容器状に成形されたものが用いられている。
【0015】
しかしながら耐熱性セラミックスは脆いため、高温に加熱された状態から、停電等によって急冷されると割れてしまう場合がある。溶融した蒸着材料を収納した状態で割れた場合には、真空槽内に溶融状態の蒸着材料が漏れ出したり、また、蒸着材料や割れた耐熱性セラミックスがパーティクルとなって真空槽内に飛散する等、清掃作業が大変面倒な事故が発生する原因となっていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、無機系蒸着材料を溶融させるのに適したるつぼ、及びそのるつぼを用いた蒸着装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、高融点金属で構成された外側容器と、耐熱性セラミックスで構成された内側容器とを有し、前記外側容器の高さは前記内側容器の高さよりも低く形成され、前記外側容器が前記内側容器にはめ込まれ、前記内側容器内には、前記外側容器の高さよりも低い高さに蒸着材料が収容されたことを特徴とする蒸着源用るつぼである。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の蒸着源用るつぼであって、前記外側容器と前記内側容器とが密着されていることを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の蒸着源用るつぼであって、前記外側容器の高さは、前記内側容器の高さの2/3であることを特徴とする蒸着源用るつぼである。
【0020】
請求項4記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に配置された加熱機構と、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着源用るつぼとを有し、前記加熱機構により、前記蒸着源用るつぼを加熱できるように構成されたことを特徴とする蒸着装置である。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の蒸着装置であって、前記蒸着源用るつぼは前記加熱機構の内部に配置され、前記内側容器が前記加熱機構の発熱によって直接加熱されるように構成されたことを特徴とする蒸着装置である。
【0022】
一般に、高融点金属のるつぼに直接蒸着材料を配置して溶融させた場合、るつぼと蒸着材料が反応したり、蒸着材料内に、るつぼ材料が溶け出して不純物となるおそれがある。
【0023】
他方、耐熱性セラミックスで形成されたるつぼ内に蒸着材料を配置して溶融させた場合、急冷等の事故により、るつぼが割れ、蒸着材料の溶融物が真空槽内に漏れ出したり、割れたるつぼが飛散したりする。
【0024】
本発明のるつぼは、高融点金属で構成された外側容器と、耐熱性セラミックスで構成された内側容器とを有しており、外側容器が内側容器にはめ込まれて構成されている。このるつぼの内側容器内に蒸着材料を配置して溶融させた場合、内側容器が割れても、内側容器から漏れだした蒸着材料の溶融物は外側容器内に溜まるだけであり、真空槽内に漏れ出すことがない。また、内側容器の割れた部分から発生したパーティクルも、外側容器内に溜まり、真空槽内に飛散することはない。
【0025】
外側容器の外部に配置した加熱ヒータを発熱させ、るつぼの熱伝導によって、内側容器内の蒸着材料を溶融させる場合には、外側容器と内側容器とを密着させておくと、熱伝導率が向上して好ましい。
【0026】
この場合、内側容器を精度よく形成するためには、内側容器を、耐熱性セラミックスの塊を切削加工することにより成形することが望ましい。
【0027】
また、高強度で熱伝導性の高い外側容器を得るためには、高融点金属を鋳造法によって成形することが望ましい。
【0028】
以上説明したるつぼと加熱機構を真空槽内に配置し、蒸着材料を内側容器内に収容させ、真空槽内に基板を搬入して真空排気した後、加熱機構によってるつぼを加熱し、蒸着材料を溶融させた場合、放出された蒸着材料の蒸気で、基板表面に蒸着材料薄膜を形成することが可能となる。真空槽内に反応性の気体を導入し、蒸着材料との反応物の薄膜を形成することも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
図2の符号9は本発明の蒸着装置の一実施形態を示すものであり、真空槽50を有している。真空槽50内には、断熱容器53が配置されており、その断熱容器53内には、1台のカソード電極膜形成用の加熱機構54と、2台の電子注入層形成用の加熱機構581、582が固定されている。各加熱機構54、581、582は、円筒形形状の抵抗加熱ヒータで構成されており、その中心軸線が鉛直方向に向けて配置されている。
【0030】
断熱容器53の下方には、昇降ロッド61に支持された円盤状の昇降台60が配置されており、該昇降台60上には、本発明の実施形態である複数のるつぼ4、51〜53が正方形頂点位置に配置されている(るつぼ53は中央のるつぼ4の背面に位置するため、図2では見えない。)。
【0031】
それらのるつぼ4、51〜53のうち、図面中央の1台のるつぼ4がカソード電極膜形成用の加熱機構54の内部に配置されており、他のるつぼ51〜53は、断熱容器53内に収容された状態になっている。他方、電子注入層形成用の加熱機構581、582の内部には、グラファイトで構成された蒸発源容器81、82が配置されている。
【0032】
各るつぼ4、51〜53内には、カソード電極膜の蒸着材料であるアルミニウム(Al)が収容されており、2台の蒸発源容器81、82内には、電子注入層の蒸着材料であるフッ化リチウム(LiF)が収容されている。
【0033】
昇降台60上のるつぼ4、51〜53の構造を、図1(a)に示す。この図1(a)は、るつぼ4、51〜53の概略断面図であり、蒸着材料は省略してある。
【0034】
各るつぼ4、51〜53は、耐熱性セラミックスで構成された内側容器10と、高融点金属から成る外側容器11とを有している。耐熱性セラミックスには、窒化ホウ素セラミックス(PBN:パイロリティック・ボロンナイトライド)が用いられ、内側容器10は、その塊が切削加工によって有底円筒形形状の容器に成形されて構成されており、高融点金属には、金属モリブデン(Mo)が用いられ、外側容器11は、Moが鋳造法によって有底円筒形形状の容器に成形されて構成されている。
【0035】
内側容器10は外側容器11よりも小径にされており、内側容器10が外側容器11内にはめ込まれている。そして、外側容器11の内周側面32と底面31とは、内側容器10の外周底面21と外周側面22とにそれぞれ密着された状態で、互いに固定されている。
【0036】
このような蒸着装置9を用い、有機EL素子の電子注入層とカソード電極膜とを形成する場合、予め、真空槽50内を真空排気し、高真空雰囲気にする。次いで、高真空雰囲気を維持したまま、有機薄膜表面を断熱容器53側に向けた状態で真空槽50内に基板58を搬入し、真空槽50内の天井側に配置する。
【0037】
るつぼ4上に配置されたシャッターと、蒸着源容器81、82上に配置されたシャッター(シャッターは図示しない。)とを閉じておき、各加熱機構54、581、582に通電し、るつぼ4と蒸発源容器81、82とを加熱する。
【0038】
るつぼ4又は蒸発源容器81、82が昇温し、熱伝導によってフッ化リチウムとアルミニウムとが加熱され、融点付近まで温度上昇すると、アルミニウムはその温度を維持させ、フッ化リチウムを更に昇温させ、溶融させる。
【0039】
溶融後、更に温度上昇させ、フッ化リチウム蒸気が活発に発生するようになると、蒸着源容器81、82上のシャッターを開け、フッ化リチウム蒸気を真空槽50内に放出させる。
【0040】
このとき、基板58を水平面内で回転させておき、基板58近傍に配置されたシャッターを開け、基板に均一にフッ化リチウム蒸気を到達させ、基板58上の有機薄膜表面にフッ化リチウムから成る電子注入層を形成する。
【0041】
電子注入層が所定膜厚に形成されたところで、蒸着源容器81、82上のシャッターを閉じると共に、加熱機構581、582への通電量を減少させ、溶融フッ化リチウムを、その融点以下の温度まで冷却する。
【0042】
他方、カソード電極膜用の加熱機構54への通電量を増加させ、るつぼ4内のアルミニウムを溶融させた後、1000℃程度まで昇温させ、アルミニウム蒸気を活発に発生させる。次いで、るつぼ4上のシャッターを開け、アルミニウム蒸気を真空槽50内に放出させる。このとき基板58は回転させておく。
【0043】
るつぼ4の内側容器10の高さをA、外側容器11の深さBとすると、高さAは深さBよりも大きくされており(B/Aは約2/3)、加熱機構54によって内側容器10ができるだけ直接加熱されるように構成されている。
【0044】
この場合、内側容器10内に収容するアルミニウムの量を、溶融アルミニウムの液面が外側容器11の上端部を超えないようにしておくと、停電等によってるつぼ4が急冷され、内側容器10が割れた場合でも、溶融アルミニウムは外側容器11内に漏れ出すだけであり、溶融アルミニウムが真空槽50内に漏れたり、内側容器10を構成する物質がパーティクルとなって飛散することはない。
【0045】
このようなるつぼ4からアルミニウム蒸気が放出され、基板58上に形成された電子注入層表面に均一に到達すると、電子注入層表面に、アルミニウムから成るカソード電極膜が形成される。
【0046】
カソード電極膜が所定膜厚に形成された後、るつぼ4上のシャッターを閉じると共に加熱機構54への通電量を減少させ、アルミニウムを融点以下まで冷却し、アルミニウム蒸気の放出を停止させる。
【0047】
同時に、基板58の回転を停止させ、真空槽50の真空雰囲気を維持したまま、基板58を真空槽50外に搬出する。次いで、未処理の基板を真空槽50内に搬入し、上述のような電子注入層及びカソード電極膜の形成を続行する。
【0048】
このように、本発明のるつぼ4、そのるつぼ4を有する蒸着装置9を用いてカソード電極膜、その他の薄膜を形成する場合、電子ビームによって薄膜がダメージを与えられることはなく、また、停電等の事故により、内側容器10が割れた場合であっても、真空槽50内が汚染されないようになっている。
【0049】
なお、カソード電極膜の膜厚は、電子注入層の膜厚に比べて非常に厚いため、電子注入層とカソード電極膜の形成を多数の基板に連続して行った場合、蒸着源容器81、82内のフッ化リチウムは残存しているのに対し、るつぼ4内のアルミニウムは消費し尽くされてしまう。
【0050】
その場合には、真空槽50内の真空雰囲気を維持したまま、昇降ロッド61を降下させ、昇降台60上のるつぼ4を加熱機構54から抜き出し、昇降台60を回転させ、未使用のアルミニウムが収容されたるつぼ51(又はるつぼ52、53)を加熱機構54の真下に位置させ、昇降ロッド61を上昇させ、そのるつぼ51を加熱機構54内に配置される。
【0051】
アルミニウムを蒸発させたるつぼ4以外のるつぼ51〜53内には、未使用のアルミニウムが配置されているので、加熱機構4を発熱させると、新しい基板に対し、電子注入層とカソード電極膜の形成を続行することができる。このように、真空槽50の真空雰囲気を維持したまま、るつぼの交換を行うと、蒸着装置9の稼働率が向上する。
【0052】
以上説明したるつぼ4では、外側容器11の深さBは、内側容器10の高さAの約2/3の大きさであったが、図1(b)のるつぼ6の外側容器13のように、深さを内側容器12の高さと略同程度にし、内側容器12の外周面をほとんど覆うようにしてもよい。但し、このるつぼ6は上述のるつぼ4に比べ、外側容器13の熱容量が大きいので、加熱機構54による温度制御性が少し悪化する。
【0053】
いずれの場合でも、溶融アルミニウムの液面は、外側容器11、13の上端よりも低い位置にあるので、溶融アルミニウムは、主として外側容器11、13と内側容器10、12とを伝導した熱で加熱される。従って、外側容器11、13を構成する高融点金属は、熱伝導率が高いものが望ましい。
【0054】
また、真空雰囲気下では、気体分子による熱伝導は存しないので、外側容器11、13と内側容器10、12間の熱抵抗を小さくするためには、互いに密着させる必要がある。
【0055】
他方、本発明の外側容器と内側容器とは、必ずしも互いに固定されている必要はなく、図1(c)に示したるつぼ7のように、耐熱性セラミックス製の内側容器14と、高融点金属製の外側容器15とを着脱自在に構成することができる。この場合には、内側容器14を外側容器15にはめ込んだときに、外側容器15の内周側面と底面とが、内側容器14の外周底面と外周側面とに密着するように構成するとよい。
【0056】
このようなるつぼ7を用いれば、内側容器14が割れた場合でも、外側容器15は再使用可能なので経済的である。
【0057】
なお、上記るつぼ4、51〜53、6、7は、内側容器10、12、14を窒化ホウ素で構成し、外側容器11、13、15をMoで構成したが、内側容器10、12、14は、窒化ホウ素に替え、グラファイト、アルミナ等の耐熱性セラミックスを広く用いることができる。また、外側容器11、13、15を構成する材料はMoに限定されるものではなく、タンタル(Ta)等の高融点金属(融点1800℃以上の金属)を広く用いることが可能である。
【0058】
更に、耐熱性セラミックスについては、そのブロックを切削加工し、容器状に成形する場合に限定されるものではなく、容器状に成形した後、焼結してもよい。更にまた、容器の形状は有底円筒形状に限定されるものではなく、溶融した蒸着材料を蓄えられる形状であればよい。
【0059】
外側容器については、強度、耐久性、成形性の面からは、高融点金属を鋳造法により成形することが望ましいが、例えばタングステン(W)の焼結体等、焼結により成形したものや、その他の加工法によって容器状に成形されたものも本発明に含まれる。
【0060】
なお、本発明のるつぼ内に配置し、溶融させる蒸着材料は、アルミニウムに限定されるものではなく、内側容器と反応しないものを広く用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
溶融した蒸着材料が真空槽内に飛散することがない。
真空槽内の清掃作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c):本発明の蒸着源用るつぼの例
【図2】本発明の真空蒸着装置の例
【図3】有機EL素子を説明するための図
【図4】従来技術の蒸着源用るつぼ
【符号の説明】
9……蒸着装置 54……加熱機構 50……真空槽 4、51、52、6、7……るつぼ 10、12、14……内側容器 11、13、15……外側容器

Claims (5)

  1. 高融点金属で構成された外側容器と、耐熱性セラミックスで構成された内側容器とを有し、
    前記外側容器の高さは前記内側容器の高さよりも低く形成され、前記外側容器が前記内側容器にはめ込まれ、
    前記内側容器内には、前記外側容器の高さよりも低い高さに蒸着材料が収容されたことを特徴とする蒸着源用るつぼ。
  2. 前記外側容器と前記内側容器とが密着されていることを特徴とする請求項1記載の蒸着源用るつぼ。
  3. 前記外側容器の高さは、前記内側容器の高さの2/3であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の蒸着源用るつぼ。
  4. 真空槽と、前記真空槽内に配置された加熱機構と、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の蒸着源用るつぼとを有し、前記加熱機構により、前記蒸着源用るつぼを加熱できるように構成されたことを特徴とする蒸着装置。
  5. 前記蒸着源用るつぼは前記加熱機構の内部に配置され、前記内側容器が前記加熱機構の発熱によって直接加熱されるように構成されたことを特徴とする請求項4記載の蒸着装置。
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