JP4736851B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、トルクと回転数との相対比率を調整可能なトランスミッション機構等の調整機構を備えた、車両用の過給ガソリンエンジン等の内燃機関において、プレイグ(即ち、過早着火)を回避するように調整機構を制御する制御装置の技術分野に関する。
この種のプレイグを回避するため制御装置として、内燃機関の運転状態の変化を検知して、燃料噴射量を適宜増量させることで、プレイグ発生温度の下限を引き上げ、これにより、プレイグの回避を図る装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許第3382771号公報
しかしながら、例えば前述の特許文献1に開示されている技術によれば、燃料噴射量を増加させる際にトルク等の変化が考慮されていないため、プレイグの回避と引き替えに出力の安定性が犠牲になる可能性がある。又、特許文献1に開示された燃料噴射量を増加させる技術を用いず、点火プラグの熱価を比較的高く設計することで点火プラグの温度上昇を抑制し、プレイグを回避することも確かに可能である。しかし、この場合には、点火プラグの熱価を高くすると、トルク変動の度合いの悪化或いは煤りの発生といった別の問題も発生し得る。このように従来は、プレイグの発生、トルク変動、点火プラグの煤りなど、内燃機関における動作に対して悪影響を及ぼす各種の状態の発生を、効率良く阻止或いは回避することが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みてなされたものであり、プレイグの発生など、内燃機関における動作に対して悪影響を及ぼす状態の発生を、阻止或いは回避可能である内燃機関の制御装置を提供することを課題とする。
本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関のトルク及び回転数間の相対比率を調整可能な調整機構を制御する内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関における動作に対して悪影響を及ぼすと共に前記相対比率の値に応じて発生のし易さが変化する状態についての、該発生を検出する検出手段と、前記発生が検出された場合に、前記相対比率を前記状態が発生し難くなる側に変化させるように、前記調整機構を制御する制御手段とを備え、前記検出手段は、前記発生として前記内燃機関の燃焼室内におけるプレイグの発生を検出し、前記制御手段は、前記プレイグの発生が検出された場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に減る側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する
本発明の内燃機関の制御装置によれば、予め、内燃機関における動作、典型的には正常な運転動作に対して、悪影響を及ぼす状態の発生が、検出手段によって検出される。ここに「検出」とは、例えば検出用センサ等によって、係る「状態」を直接的に示すパラメータを検出する場合の他、係る「状態」と所定関係を有する他の一又は複数のパラメータから推定する或いは推測する、即ち間接的に検出する場合も含む意味である。更に、ここでの発生の検出は、一又は複数のパラメータに基く、係る状態の発生の成否に係る判定処理或いは判定動作を伴ってもよい。例えば発生検出用の閾値を予め設定しておき、該閾値を超えて場合に、発生しているとの検出が行われ、逆に、該閾値を超えない場合に、発生していないとの検出が行われる(即ち、発生は検出されない)としてもよい。このように検出される「状態」は特に、トルク及び回転数間の相対比率の値に応じて、発生のし易さが大なり小なり変化する性質を有するものであり、典型的には、例えば、内燃機関の燃焼室内におけるプレイグ、燃焼変動、プラグのくすぶりなど、内燃機関を構成する部材や部位或いは内燃機関の動作状態についての、正常な動作に対して悪影響を多少なりとも及ぼす各種の状態(即ち、悪状態)である。また「悪影響を及ぼす」とは、実際に悪影響を及ぼす場合の他、悪影響を及ぼす可能性がある、或いは悪影響を及ぼす蓋然性が高い場合も含む意味である。
このように検出手段によって、例えばプレイグの発生が予測される或いはプレイグの発生が検知された場合など、悪影響を及ぼす状態が検出された場合には、ECU(Electronic Control Unit)などを有する、制御手段による制御下で、例えばトランスミッション機構或いは動力分割機構である、調整機構によって、トルク及び回転数間の相対比率が、前述の状態が発生し難くなる側に変化させられる。例えば、等出力でトルク及び回転数間の相対比率を変化させると、内燃機関の燃焼室(具体的に例えば、点火プラグの接地電極)の温度が変化することが判明している。そこで、プレイグが発生した場合には、このような調整機構による相対比率の変更として、等出力で低負荷高回転から高負荷低回転へと運転状態が変化させられると、その結果、点火プラグの接地電極の温度が、プレイグが発生しない温度にまで下げられる。検出手段によって、燃焼室内におけるプレイグの発生が検出されると、制御手段による制御下で、調整機構によって、トルクに対し回転数が減らされる。即ち、等出力で低負荷高回転から高負荷低回転へと運転状態が変化させられる。ここで「プレイグ」とは点火プラグが予定より早く着火することであり、かかるプレイグは直接的或いは間接的に検出されてよく、例えば、内燃機関の制御上の点火時期と、実際の点火時期との先後関係に基いて検出されてよい。このようなプレイグは、例えば過給機ガソリンエンジンのような筒内燃焼温度が比較的高い内燃機関において、点火プラグの温度が上昇し過ぎるために発生する。そこで、上述の如く高負荷低回転へと運転状態が変化させられれば、内燃機関の燃焼室(具体的に例えば、点火プラグの接地電極)の温度が下げられるので、プレイグの発生は、阻止若しくは低減又は回避されることになる。このように、プレイグを適宜阻止等できれば、点火プラグの熱価を下げるような設計、即ち、熱を逃がしにくい故に燻りが発生しにくい設計が許容され、実践上大変有利である。
尚、制御手段は、上述の如きトルク及び回転数間の相対比率を変化させる制御と並行して、ハイブリッド車両におけるモータによるアシストを変化させる制御を行ってもよい。いずれの場合にも、制御手段は、少なくともトルク及び回転数間の相対比率を変化させる制御を実行し、その時点で車両に対して要求されている出力を維持することが可能である。
他方、このような内燃機関における動作に対して悪影響を及ぼすような状態が発生しなければ、トルク及び回転数間の相対比率は、例えば燃費効率を高める或いはパワーを高めるなどの、内燃機関に対する一般的な要請から決められる値に設定されつつ、当該内燃機関の動作が続けられる。
以上の結果、例えばプレイグが発生する、燃焼変動の過多が発生する、プラグのくすぶりが発生するなど、内燃機関における動作に対して悪影響を及ぼすような状態が発生しても、トルク及び回転数間の相対比率を変化させることによって、係る状態を軽減若しくは緩和又は消滅させることができ、実践上非常に有利である。
本発明の内燃機関の制御装置の一態様では、前記検出手段は、前記プレイグの発生が検出された場合に、前記内燃機関の点火プラグの接地電極の温度を、前記プレイグが発生しない温度まで下げるように、前記調整機構を制御してもよい。
このように構成すれば、上述の如く高負荷低回転へと運転状態を変化させることで、点火プラグの接地電極の温度を下げれるので、確実に、プレイグの発生を阻止若しくは低減又は回避できる。
或いは本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記検出手段は、前記発生として、前記内燃機関に係る燃焼変動の程度の所定変動範囲からの逸脱を検出し、前記制御手段は、前記逸脱が検出された場合に、前記内燃機関がリーン燃焼を行っていれば、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する。
この態様によれば、検出手段によって、典型的にはトルク変動が正常とは言えない程度まで大きくなる場合など、燃焼変動の程度の所定変動範囲からの逸脱の発生が検出されると、内燃機関がリーン燃焼を行っていれば、制御手段による制御下で、調整機構によって、トルクに対し回転数が増やされる。即ち、等出力で高負荷低回転から低負荷高回転へと運転状態が変化させられる。ここで「燃焼変動の程度」とは、燃焼変動の大きさを表す定量的な概念である。このような燃焼変動の度合いは、例えば、トルクの変化率又は変化量であってもよい。また、燃焼変動は回転数の変動を伴うため、回転数に基いて得られる、例えば、回転数の変化率又は変化量などであってもよい。また、燃焼変動は燃焼圧の変動と相関するものであるから、燃焼圧の変化率又は変化量などであってもよい。このような燃焼変動は、例えば内燃機関がリーン燃焼を行う際に、燃焼室の温度が低過ぎると特に顕著に悪化する虞がある。そこで、上述の如く低負荷高回転へと運転状態を変化させることで、内燃機関の燃焼室の温度を上げれば、燃焼変動の悪化は、阻止若しくは低減又は回避されることになる。
この態様では、前記制御手段は、前記逸脱が検出された場合に、前記内燃機関の点火プラグの接地電極の温度を、前記燃焼変動が前記所定変動範囲に収まる温度まで上げるように、前記相対比率を変化させてもよい。
このように構成すれば、上述の如く低負荷高回転へと運転状態を変化させることで、点火プラグの接地電極の温度を上げれるので、確実に、燃焼変動の悪化を阻止若しくは低減又は回避できる。
この態様では、前記検出手段は、前記発生として、前記逸脱に加えて前記内燃機関の燃焼室内におけるプレイグの発生を検出し、前記制御手段は、前記逸脱が検出された場合であり且つ前記プレイグの発生が検出されない場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御してもよい。
このように構成すれば、実際にプレイグが発生している場合やプレイグが発生すると予想されるような場合には、燃焼変動の悪化を避けるための燃焼室の温度上昇を実行しないので、燃焼変動の悪化を阻止或いは回避することよりも、プレイグの発生を阻止或いは回避することを優先できる。他方で、プレイグの発生を回避できる場合であれば、燃焼変動の悪化を積極的に阻止或いは回避できる。
或いは本発明の内燃機関の制御装置の他の態様では、前記検出手段は、前記発生として、前記内燃機関に係る点火プラグの燻りを検出し、前記制御手段は、前記燻りが検出された場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する。
この態様によれば、検出手段によって、点火プラグの燻りが検出されると、制御手段による制御下で、調整機構によって、トルクに対し回転数が増やされる。即ち、等出力で高負荷低回転から低負荷高回転へと運転状態が変化させられる。ここで「燻り」とは点火プラグに煤が付着して着火しなくなることである。このような点火プラグの燻りは、例えば燃焼室の温度が低過ぎると特に顕著に発生する虞がある。そこで、上述の如く低負荷高回転へと運転状態が変化させられれば、内燃機関の燃焼室の温度が上げられるので、点火プラグに付着した煤を焼き落とすことになり、或いは少なくとも煤を焼き落とす程度が高まり、点火プラグの燻りは、阻止若しくは低減又は回避されることになる。
この態様では、前記制御手段は、前記燻りが検出された場合に、前記内燃機関の点火プラグの接地電極の温度を、前記点火プラグに付着した煤を焼き落とす温度まで上げるように、前記相対比率を変化させてもよい。
このように構成すれば、上述の如く低負荷高回転へと運転状態が変化させられることで、点火プラグの接地電極の温度が上がるので、確実に、点火プラグの燻りを阻止若しくは低減又は回避できる。
この態様では、前記検出手段は、前記発生として、前記燻りに加えて前記内燃機関の燃焼室内におけるプレイグの発生を検出し、前記制御手段は、前記燻りが検出された場合であり且つ前記プレイグの発生が検出されない場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御してもよい。
このように構成すれば、実際にプレイグが発生している場合やプレイグが発生すると予想されるような場合には、点火プラグの燻りを避けるための燃焼室の温度上昇を実行しないので、点火プラグの燻りを阻止或いは回避することよりも、プレイグの発生を阻止或いは回避することを優先できる。他方で、プレイグの発生を回避できる場合であれば、点火プラグの燻りを積極的に阻止或いは回避できる。
本発明の作用及び他の利得は、次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされよう。
以下、発明を実施するための最良の形態として本発明の一実施形態を、図面に基いて詳細に説明する。
(1)第1実施形態
第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成及び動作処理を、図1から図5を参照して説明する。
(1−1)構成
先ず、本実施形態に係る内燃機関の制御装置が搭載されたハイブリッドシステム10の構成について、図1及び図2を参照して説明する。
<ハイブリッドシステムの構成>
始めに、図1を参照して、本発明の一実施形態に係るハイブリッドシステム10の構成について説明する。ここに、図1は、本発明の第1実施形態に係るハイブリッドシステムのブロック図である。
図1において、ハイブリッドシステム10は、ECU100、エンジン200、過給機600、モータジェネレータMG1、モータジェネレータMG2、動力分割機構300、インバータ400及びバッテリ500を備え、伝達機構21を介してハイブリッド車両20の車輪22を駆動させるシステムである。
ECU100は、本発明に係る「設定手段」、「判定手段」及び「制御手段」の一例であり、ハイブリッドシステム10の動作全体を制御する電子制御ユニットとして機能するよう構成されている。具体的には、ECU100は、制御プログラムを格納した読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)及び各種データを格納する随時書き込み読み出しメモリ(Random Access Memory:RAM)等を中心とした論理演算回路として構成されている。そして、各種センサから入力信号を受ける入力ポートと、動力分割機構300等の各種アクチュエータに制御信号を送る出力ポートとに、バスを介して接続されている。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例であり、例えば筒内の燃焼温度が比較的高くなる過給ガソリンエンジンであり、ハイブリッド車両20の主たる動力源として機能する。尚、エンジン200の詳細な構成については、図2を用いて後述する。
過給機600は、空気を加圧してエンジン200に吸入させ、吸入効率を相対的に向上させる。それ故、エンジン200の出力も相対的に高まるが、他方で、燃焼温度も上昇して、点火プラグ202でプレイグが発生する可能性も高まる。
モータジェネレータMG1は、バッテリ500を充電するための発電機として、或いはエンジン200の駆動力をアシストする電動機として機能するように構成されている。
モータジェネレータMG2は、バッテリ500を充電するための発電機として、或いはエンジン200の出力をアシストする電動機として機能するように構成されている。
動力分割機構300は、本発明に係る「トランスミッション機構」の一例であり、図示せぬサンギア、プラネタリキャリア、ピニオンギア、及びリングギアを備えた遊星歯車機構としてエンジン200の動力がモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2の2系統に分割されるように構成されている。
伝達機構21は、動力分割機構300のリングギアの回転軸に連結されており、車輪22に駆動力を伝達可能に構成されている。
インバータ400は、電力を交流−直流変換するよう構成され、バッテリ500とモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2との間で電力の授受を媒介する。
バッテリ500は駆動時にはモータジェネレータMG1及びモータジェネレータMG2を駆動することが可能に構成された充電可能な蓄電池である。
以上、ハイブリッドシステム10は図1に示したように構成されているので、CVT (Continuously Variable Transmission: CVT)としても機能し、例えば、動力分割機構300の遊星歯車機構を利用して、エンジン200のトルクと回転数との相対比率を調整可能である。
<エンジンの構成>
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態に係るエンジン200の構成について説明する。ここに、図2は、第1実施形態に係るエンジンの模式的な断面図である。
図2において、エンジン200は、吸気管206、インジェクタ207、シリンダブロック(点火プラグ202、クランクポジションセンサ218、ノックセンサ219、及びイオンプローブ220を含む)、及び排気管210を備え、各センサによって検出される各種物理量に基くECU100の制御によって例えばプレイグを好適に回避することが可能に構成されている。
吸気管206は、シリンダ201内部への吸入空気量を調節するスロットルバルブ214、スロットルバルブ214の開度を検出するスロットルポジションセンサ215、運転者によるアクセルペダル226の踏み込み量(即ち、要求出力)を検出するアクセルポジションセンサ216、踏み込み量に基いてスロットルバルブ214を駆動するスロットルバルブモータ217、ECU100の制御に従って開閉される吸気バルブ208を備え、シリンダ201内に過給機600(図1参照)によって圧縮された空気を吸入(即ち、吸気)可能に構成されている。
インジェクタ207は、ECU100の制御に従って吸気管206内に燃料を噴射し、吸入された空気と共に混合気を形成可能に構成されている。
シリンダブロック内には、シリンダ201、点火プラグ202、ピストン203、コネクションロッド204、クランクシャフト205、ノックセンサ219、クランクポジションセンサ218、及びイオンプローブ220を備えており、吸気バルブ208から吸気される混合気を燃焼させて爆発力を得るように構成される。
シリンダ201は、その内部で混合気を爆発させることが可能に構成されている。
点火プラグ202は、混合気に着火するように構成されている。この点火プラグ202の温度が比較的高いとプレイグを招き、反対に、比較的低いとトルク変動の悪化や燻りの原因となり得る。
ピストン203は、上記爆発に応じて往復運動するように構成されている。
コネクションロッド204は、ピストン203の往復運度をクランクシャフ205の回転運動に変換するように構成されている。
クランクシャフ205は、コネクションロッド204を介してシリンダ201での爆発による力を受け、回転可能に構成されている。
ノックセンサ219は、エンジン200のノック強度を検出するように構成されている。例えば、このノックセンサ219によって検出されるノックの発生時期と、点火プラグ202の着火時期との先後関係によって、プレイグの発生を検出することができる。
クランクポジションセンサ218は、クランクシャフト205の回転角(即ち、クランク角)を検出するように構成されている。こうして検出された回転角に基いて、ECU100はエンジン200の回転数Neを算出し、その時間的な変動に基いて、間接的にトルク変動を検出することができる。
イオンプローブ220は、シリンダ201内での燃焼を、イオン電流として検出可能に構成されている。そして、ECU100は、例えば検出されたイオン電流の点火直後の波形を正常な場合と比べることで、点火プラグの燻りを検出できる。尚、これに加えて又は代えて、燃焼状態を検知するために燃焼圧を検出する圧力センサを設けてもよい。
そして、排気管210は、上述したようにシリンダ201内部で発生する排気ガスを、排気バルブ209を介して排気する。この排気ガスを過給機600(図1参照)の圧縮に利用するとよい。
以上図1及び図2に示すように、本実施形態に係る内燃機関の制御装置は、ECU100、動力分割機構300、点火プラグ202、クランクポジションセンサ218、ノックセンサ219、及びイオンプローブ220を備えるので、ECU100が、各センサによって検出される各種物理量に基いて動力分割機構300を制御でき、もって、エンジン200の出力を略一定に保ちつつも、トルクと回転数との相対比率を適宜変更して、例えばプレイグ等を好適に回避可能となる。
(1−2)動作処理
上述の如く構成された本実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作処理について、図1及び図2に加えて、図3から図5を用いて説明する。ここに、図3は、第1実施形態に係るエンジンの出力と点火プラグの設置電極の温度との関係を示す特性図である。
図3において、横軸は、エンジン200の出力(トルクと回転数との積)[kW]を、
縦軸は、点火プラグ202の接地電極の温度[℃]を夫々示す。そして、データとして、トルクを200Nm、300Nm、或いは400Nmに固定したまま、回転数を変化させる際の、出力と点火プラグ202の接地電極の温度との関係を示してある。
図3に示すように、本願発明者の研究によると、等トルク(例えば200Nm)を発生させる場合に回転数を変更すると、回転数の上昇に伴い、トルクと回転数の積である出力が(例えば、25kWから60kWへ)上昇し、加えて接地電極の温度も(例えば、820℃から900℃へ)上昇することが判明している。
更に、等出力を発生させる場合に、トルクと回転数との相対比率を変えると、接地電極の温度が以下に述べるように変化することが判明している。例えば90kWの出力を得るために、トルクを300Nmとすると接地電極の温度は880℃であるのに対して、出力を保持したままトルクを400Nmまで上げると接地電極の温度は810℃に下がる。この際、出力が保持されているので、トルクが上がる分、回転数は相対的に下がる。
以上、図3に示すように、等出力のままトルクを相対的に上げ、回転数を相対的に下げると、点火プラグ202の接地電極の温度が相対的に低下することが判明している。
続いて、図4を用いて、図3について更に説明を加える。ここに、図4は、第1実施形態に係る回転数とトルクとの関係を示す特性図である。
図4において、横軸は、エンジン200の回転数[rpm]を、縦軸は、エンジン200のトルク[Nm]を夫々示す。そして、等出力線は、ある出力を発生する回転数とトルクとの組を各々結んで成り、複数の典型的な出力について複数本ひかれている。ロード・ロード線は、各出力線上において燃費等を考慮して好ましいとされる回転数とトルクとの組を各々結んで成る、通常の運転に用いられる制御線である。通常動作の際は、要求される出力を満たすために、ECU100がロード・ロード線に基いて、回転数とトルクとを決定すればよい。他方で、点火プラグ202の接地電極の温度がある観点からみて好ましくない場合には、図3に基づき回転数とトルクとの相対比率を変えるとよい。例えば点火プラグ202の接地電極の温度が比較的高いためにプレイグが発生するなら、図4の破線矢印に沿って点Aから点Bへと移動させ、トルクを相対的に上げ、回転数を相対的に下げることで、プレイグが発生しなくなるまで接地電極の温度を相対的に低下させるとよい。
以上、図3及び図4を用いて示したように、トルクを相対的に大きくして、プレイグが発生しなくなるまで接地電極の温度を相対的に低下可能である。この際、等出力線上でかかる調整を行えば、出力の変化は極力抑えられるので実践上大変有利である。
続いて、図3及び図4を用いて説明した性質を踏まえて、第1実施形態に係るフローチャートを図5を用いて説明する。ここに、図5は、第1実施形態に係るフローチャートである。
図5のフローチャートに沿って処理を行うにあたり、処理の対象たるエンジン200は過給ガソリンエンジンのような筒内の燃焼温度が比較的高くなる種類であるとする。この種のエンジン200では、点火プラグ202の温度上昇によってプレイグが発生する虞がある。そこで、本実施形態に係るECU100は、プレイグが発生しないことを本処理の終了判定の条件とし、次いで、以降の処理が行われる。
図5において、通常走行時には、ハイブリッド車両20は、最も燃費の良い制御点(図4:A点)を使用する(ステップ1010)。
この状態で走行する際、定期的に或いは不定期的に、プレイグが発生しているか否かが判定される(ステップ1020)。具体的には、ECU100によって指定された点火時期(クランク角に合わせた点火すべき時期)と、実際の点火時期(例えばイオンプローブ220に流れるイオン電流が検出される時期)との先後関係が比較される。
ここで、実際の点火時期が、指定された点火時期に比べて先の場合(ステップ1020:Yes)、点火プラグ202が指定された点火時期よりも早期に点火されている、即ち、プレイグが発生していると推定できる。係るプレイグは、上述したように、点火プラグ202の温度上昇によって発生するので、点火プラグ202の温度を相対的に低下させることが望ましい。そこで、ECU100は、制御点を図4のA点から図4のB点へと移動させる。即ち、等出力線上で、回転数を相対的に下げ、代わりにトルクを相対的に上げるように動力分割機構300や伝達機構21といったトランスミッション機構を制御する(ステップ1030)。
尚、ECU100は、動力分割機構300を制御することで、エンジン200におけるトルク及び回転数間の相対比率を変更するのに加えて又は代えて、プレイグの発生の成否に応じてMG1によりアシストするトルク量を増減してもよいし、更に、プレイグの発生の成否に応じてMG2によりアシストするトルク量を変更してもよい。いずれの場合にも、エンジン200における回転数を下げつつも、等出力が可能、即ちその時点で車両に対して要求されている出力を維持することが可能である。
他方、実際の点火時期が、指定された点火時期に比べて同時期或いは後の場合(ステップ1020:No)、プレイグは発生していないとして、本処理を終了する。
以上、図5のフローチャートに基くと、出力を極力保持したままプレイグを回避できる。このように、プレイグを適宜回避できれば、点火プラグ202の熱価を下げるような設計、即ち、熱を逃がしにくい故に燻りが発生しにくい設計が許容され、実践上大変有利である。
尚、実際にプレイグが発生していなくとも、プレイグが発生すると予想されるような領域(例えば、図4の斑点領域に示すような比較的高出力、高回転数の領域)を避けるように、トルクと回転数との相対比率を調整してもよい。更に、プレイグが発生しているか否かは、イオンプローブ220に加えて又は代えてノックセンサ219の検出値に基いて判定されてもよい。
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成及び動作処理を説明する。本実施形態は、特に、リーン燃焼でトルク変動の度合いの悪化を抑止するための実施形態である。
(2−1)構成
本実施形態に係る内燃機関の制御装置の基本構成は、上述の第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の基本構成(即ち、図1及び図2)と同様でよく、その詳細な説明を省略する。
(2−2)動作処理
上述の如く構成された本実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作処理について、図5に加えて、図6から図8を用いて説明する。ここに、図6は、第2実施形態及び第3実施形態に係るエンジンの出力と点火プラグの設置電極の温度との関係を示す特性図であり、図7は、第2実施形態及び第3実施形態に係る回転数とトルクとの関係を示す特性図であり、図8は、第2実施形態に係るフローチャートである。
図6は、図3と比べて矢印の向き以外は同様の図であるため、その詳細な説明は適宜省略する。そして、図3が「等出力のままトルクを相対的に上げ、回転数を相対的に下げると、点火プラグ202の接地電極の温度が相対的に低下する」ことを示していたのに対し、図6は「等出力のままトルクを相対的に下げ、回転数を相対的に上げると、点火プラグ202の接地電極の温度が相対的に上昇する」ことを示す。
図7は、図4と比べて破線矢印の向き及び斑点領域以外は同様であるため、その詳細な説明は適宜省略する。図7は、例えば点火プラグ202の接地電極の温度が比較的低いためにトルク変動が悪化してしまうなら、図7の破線矢印に沿って点Aから点Cへと移動させ、トルクを相対的に下げ、回転数を相対的に上げることで、トルク変動の悪化が解消されるまで接地電極の温度を相対的に上昇させるとよいということを示す。
以上、図6及び図7の特性に基いて、図8に示す本実施形態に係る動作処理が行われる。
尚、図8のフローチャートについて図5のフローチャートと同一のステップは同一の参照符号を付し、その詳細な説明を適宜省略する。
図8のフローチャートに沿って処理を行うにあたり、先ず前提として、このようなリーン燃焼下では、燃焼初期の成長過程(具体的には、点火から火炎への成長過程)のエネルギが点火プラグ202に奪われてしまい、トルク変動も悪化する虞がある。そこで、本実施形態に係るECU100は、トルク変動の度合いが所定変動閾値以内であること(即ち、トルク変動が悪化していないこと)を本処理の終了判定の条件とし、次いで、以降の処理が行われる。
図8において、先ず、例えば過給リーンバーン式であるエンジン200を搭載したハイブリッド車両20が、リーン燃焼状態(図7のロード・ロード線上の点Aを含む斑点領域を参照)で走行しているとする(ステップ2010)。このようなリーン燃焼下では、燃焼初期の成長過程(具体的には、点火から火炎への成長過程)のエネルギが点火プラグ202に奪われてしまい、トルク変動も悪化する虞がある。
そこで、エンジン200のトルク変動の度合いが所定変動閾値以内であるか否かが、例えばクランクポジションセンサ218の出力値から得た回転数Neの変化率が、トルク変動が悪化しているとみなしうる値を超えているか否かに基いて判定される(ステップ2020)。
ここで、トルク変動の度合いが悪化しているとみなされる場合(ステップ2020:Yes)、点火プラグ202に奪われたエネルギを補充するために、点火プラグ202の接地電極の温度を相対的に上昇させる(図6の破線矢印を参照)。具体的には、ECU100が、エンジン200のトルクを相対的に下げ、回転数を相対的に上げるように動力分割機構300等を制御する(ステップ2030)。
他方、トルク変動が悪化していない場合(ステップ2020:No)、本処理を終了する。
以上、図8に示した処理に基くと、出力を保持しながらも、点火プラグ202の接地電極の温度を上げることでトルク変動の悪化を回避できる。尚、実際にプレイグが発生している場合や、プレイグが発生すると予想されるような領域では、本態様のように燃焼室の温度を上げることは避けてもよい(第4実施形態を参照)。
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成及び動作処理を説明する。本実施形態は、特に、点火プラグ202の燻りを解消するための実施形態である。
(3−1)構成
本実施形態に係る内燃機関の制御装置の基本構成は、上述の第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の基本構成(即ち、図1及び図2)と同様でよく、その詳細な説明を省略する。
(3−2)動作処理
上述の如く構成された本実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作処理について、図5から図8に加えて、図9から図11を用いて説明する。ここに、図9は、第3実施形態に係るフローチャートであり、図10は、第3実施形態に係る点火プラグにおける放電電圧の時間波形図であり、図11は、第3実施形態に係る点火プラグにおけるイオン電流の時間波形図である。尚、図9のフローチャートについて図5或いは図8のフローチャートと同一のステップは同一の参照符号を付し、その詳細な説明を適宜省略する。
図9のフローチャートに沿って処理を行うにあたり、先ず前提として、プレイグを避けるために点火プラグ202の熱価が比較的高くなるよう設計されているとする。このように熱価が高い点火プラグ202からは熱が逃げやすく、冷間始動時やシリンダ201内の温度が比較的低い場合には、点火プラグ202に煤が付着して燻りが発生する虞がある。そこで、本実施形態に係るECU100は、点火プラグ202で燻りが発生しないことを本処理の終了判定の条件とし、次いで、以降の処理が行われる。
図9において、先ず、ハイブリッド車両20は、通常走行時には最も燃費の良い制御点(図7:A点)を使用する(ステップ1010)。
この状態で走行する際、定期的に或いは不定期的に、点火プラグ202で燻りが発生しているか否かが判定される(ステップ3020)。具体的には、図10に示すように点火の際の点火プラグ202の放電電圧をピークホールドで計測して得られるピークが10kV以下(この値はエンジン種類等により当然異なる)でないか、或いは、図11に示すようにイオンプローブ220で検出されるイオン電流において正常時にあるはずの点火直後の波形がなくなっていないかが比較される。
ここで、図10及び図11について説明を加える。
図10において、横軸は時間、縦軸は上下に並ぶ三つの波形のうち最上段は点火プラグ202への点火信号、残り二段は、点火プラグの放電電圧(点火プラグ202が正常な場合、及び異常な場合)を夫々示す。これら上下の放電波形を比較すると、点火当初に表れるピーク(いわゆる、容量放電)は、点火プラグ202が正常な場合には20から30kVに及ぶ(加えて、放電時間は約1.2msであり、容量放電の後はピークが1から2kV)が、点火プラグ202が異常な場合には10kV以下或いは10kVにも満たないことが判る。このことを利用して、係る放電波形のピークをピークホールドで計測し、そのピークの大きさを調べることで、点火プラグ202が正常或いは異常いずれかの場合であるかを判定することができる。
或いは図11において、横軸は時間、縦軸は上下に並ぶ三つの波形のうち最上段は点火プラグ202への点火信号、残り二段は、最上段の点火信号に対するイオンプローブ220で検出されるイオン電流(点火プラグ202が正常な場合、及び異常な場合)を夫々示す。これら残り二段のイオン電流の波形を比較すると、点火プラグ202が正常な場合には存在する点火直後の波形が、点火プラグ202が異常な場合にはなくなってしまうことが判る。このことを利用して、係る点火直後のイオン電流の波形をイオンプローブ220で検出し、点火直後の波形の有無を調べることで、点火プラグ202が正常或いは異常いずれかの場合であるかを判定することができる。
以上、図10に係る点火プラグ202の放電波形、或いは図11に係るイオンプローブ220のイオン電流の波形のうち、いずれの波形を用いても点火プラグ202の燻りが発生しているか否かを判定することができる。
再び、図9に戻って、点火プラグ202で燻りが発生している場合(ステップ3020:Yes)、係る燻りは、上述したように、点火プラグ202の温度低下によって発生するので、点火プラグ202の温度を相対的に上昇させることが望ましい。そこで、ECU100は、制御点を図7のA点から図7のC点へと移動させる。即ち、等出力線上で、回転数を相対的に上げ、代わりにトルクを相対的に下げるように動力分割機構300等のトランスミッション機構を制御する(ステップ2030)。
他方、点火プラグ202で燻りが発生していない場合(ステップ3020:No)、点火プラグ202で燻りが発生していない或いは解消されたとして、本処理を終了する。
以上、図9のフローチャートに基くと、出力を極力保持したまま燻りを回避或いは解消できる。このように、プレイグを適宜回避できれば、点火プラグ202の熱価を下げるような設計、即ち、熱を逃がしにくい故に燻りが発生しにくい設計が許容され、実践上大変有利である。加えて、点火プラグ202を少なくとも二つ備える態様としてもよい。点火プラグ202が一つしかない場合に完全な燻りが発生してしまうと、全く点火されず、いくら制御点を移動しても温度を上げることができないからである。こうすれば、一層確実に、内燃機関の出力を保持しながらも、温度を上げることで燻りを回避できるので実践上大変有利である。尚、実際にプレイグが発生している場合や、プレイグが発生すると予想されるような領域では、本態様のように燃焼室の温度を上げることは避けてもよい(第4実施形態を参照)。
(4)第4実施形態
次に、第4実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成及び動作処理を説明する。本実施形態は、特に、点火プラグ202でプレイグが発生している場合や、プレイグが発生すると予想されるような領域では、上述したように燃焼室の温度を上げることを避けるための、第2実施形態或いは第3実施形態の変形形態である。
(4−1)構成
本実施形態に係る内燃機関の制御装置の基本構成は、上述の第1実施形態に係る内燃機関の制御装置の基本構成(即ち、図1及び図2)と同様でよく、その詳細な説明を省略する。
(4−2)動作処理
上述の如く構成された本実施形態に係る内燃機関の制御装置の動作処理について、図8及び図9に加えて、図12及び図13を用いて説明する。
先ず、図12を参照して、本実施形態(第2実施形態の変形形態)に係る内燃機関の制御装置の動作処理について説明する。ここに、図12は、第4実施形態(第2実施形態の変形形態)に係るフローチャートである。尚、図12のフローチャートについて図8のフローチャートと同一のステップは同一の参照符号を付し、その詳細な説明を適宜省略する。
図12において、先ず、例えば過給リーンバーン式であるエンジン200を搭載したハイブリッド車両20が、リーン燃焼状態(図7のロード・ロード線上の点Aを含む斑点領域を参照)で走行しているとする(ステップ2010)。
この状態で走行する際、定期的に或いは不定期的に、エンジン200のトルク変動の度合いが所定変動閾値以内であるか否かが判定される(ステップ2020)。
ここで、トルク変動の度合いが悪化しているとみなされる場合(ステップ2020:Yes)、点火プラグ202に奪われたエネルギを補充するために、点火プラグ202の接地電極の温度を相対的に上昇させることが望ましい。しかし、点火プラグ202の温度が上昇すると、プレイグの発生が問題となる。そこで、先ず、図7の点Aから回転数を相対的に上げ、且つ負荷を相対的に下げてもプレイグが発生しないかを判定する(ステップ4020)。具体的には、プレイグが発生すると予想されるような領域(例えば、図4の斑点領域に示すような比較的高出力、高回転数の領域)に入ってしまわないかを判定する。或いはイオンプローブ220又はノックセンサ219の検出値に基いて判定してもよい。ここで、回転数を上げ、且つ負荷を下げてもプレイグが発生しないと判定される場合(ステップ4020:YES)、ECU100が、エンジン200のトルクを相対的に下げ、回転数を相対的に上げるように動力分割機構300等を制御する(ステップ2030)。
他方、トルク変動が悪化していない場合(ステップ2020:No)、或いは回転数を上げ、且つ負荷を下げるとプレイグが発生すると予想される場合(ステップ4020:NO)には、本処理を終了する。
以上、図12に示した処理に基くと、出力を保持しながらも、点火プラグ202の接地電極の温度を上げることでトルク変動の悪化を回避できる。加えて、実際にプレイグが発生している場合や、プレイグが発生すると予想されるような領域では、燃焼室の温度を上げることを避けることができる。
次に、図13を参照して、本実施形態(第3実施形態の変形形態)に係る内燃機関の制御装置の動作処理について説明する。ここに、図13は、第4実施形態(第3実施形態の変形形態)に係るフローチャートである。尚、図13のフローチャートについて図9のフローチャートと同一のステップは同一の参照符号を付し、その詳細な説明を適宜省略する。
図13において、先ず、ハイブリッド車両20は、通常走行時には最も燃費の良い制御点(図4のA点)を使用する(ステップ1010)。
この状態で走行する際、定期的に或いは不定期的に、定期的に或いは不定期的に、点火プラグ202で燻りが発生しているか否かが判定される(ステップ3020)。
ここで、点火プラグ202で燻りが発生している場合(ステップ3020:Yes)、係る燻りは、上述したように、点火プラグ202の温度低下によって発生するので、点火プラグ202の接地電極の温度を相対的に上昇させることが望ましい。しかし、この場合も図12の本実施形態(第2実施形態の変形形態)と同様に、点火プラグ202の温度が上昇すると、プレイグの発生が問題となる。そこで、先ず、図7の点Aから回転数を相対的に上げ、且つ負荷を相対的に下げてもプレイグが発生しないかを判定する(ステップ4020)。ここで、回転数を上げ、且つ負荷を下げてもプレイグが発生しないと判定される場合(ステップ4020:YES)、ECU100が、エンジン200のトルクを相対的に下げ、回転数を相対的に上げるように動力分割機構300等を制御する(ステップ2030)。
他方、点火プラグ202で燻りが発生していない場合(ステップ3020:No)、或いは回転数を上げ、且つ負荷を下げるとプレイグが発生すると予想される場合(ステップ4020:NO)には、本処理を終了する。
以上、図13に示した処理に基くと、出力を保持しながらも、出力を極力保持したまま燻りを回避或いは解消できる。加えて、実際にプレイグが発生している場合や、プレイグが発生すると予想されるような領域では、燃焼室の温度を上げることを避けることができる。
尚、上述の実施形態では、プレイグ、トルク変動の悪化、及び燻りに対処する処理を夫々説明したが、トルクと回転数との相対比率を変更することで、点火プラグの設置電極の温度を変えることが有効な状況であれば、他の目的を達成するために、トランスミッション機構を制御してもよい。
尚、実施形態を説明するために用いた各図において、具体的な数値範囲はあくまで一例であり、数値範囲を限定する趣旨ではない。係る数値範囲は、例えば、車両及び車両に搭載される各部品の条件次第で十分に変動しうる値であり、車両及び車両に搭載される各部品の変更に伴い適宜変更されてよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の制御装置も又、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るハイブリッドシステムのブロック図である。 第1実施形態に係るエンジンの模式的な断面図である。 第1実施形態に係るエンジンの出力と点火プラグの設置電極の温度との関係を示す特性図である。 第1実施形態に係る回転数とトルクとの関係を示す特性図である。 第1実施形態に係るフローチャートである。 第2実施形態及び第3実施形態に係るエンジンの出力と点火プラグの設置電極の温度との関係を示す特性図である。 第2実施形態及び第3実施形態に係る回転数とトルクとの関係を示す特性図である。 第2実施形態に係るフローチャートである。 第3実施形態に係るフローチャートである。 第3実施形態に係る点火プラグにおける放電電圧の時間波形図である。
図10に示すように、
第3実施形態に係る点火プラグにおけるイオン電流の時間波形図である。 第4実施形態(第2実施形態の変形形態)に係るフローチャートである。 第4実施形態(第3実施形態の変形形態)に係るフローチャートである。
符号の説明
1…車両、10…ハイブリッドシステム、100…ECU、200…エンジン、MG1…モータジェネレータ、MG2…モータジェネレータ、300…動力分割機構、400…インバータ、500…バッテリ、20…ハイブリッド車両、202…点火プラグ、218…クランクポジションセンサ、219…ノックセンサ、220…イオンプローブ

Claims (8)

  1. 内燃機関のトルク及び回転数間の相対比率を調整可能な調整機構を制御する内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関における動作に対して悪影響を及ぼすと共に前記相対比率の値に応じて発生のし易さが変化する状態についての、該発生を検出する検出手段と、
    前記発生が検出された場合に、前記相対比率を前記状態が発生し難くなる側に変化させるように、前記調整機構を制御する制御手段と
    を備え
    前記検出手段は、前記発生として前記内燃機関の燃焼室内におけるプレイグの発生を検出し、
    前記制御手段は、前記プレイグの発生が検出された場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に減る側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記プレイグの発生が検出された場合に、前記内燃機関の点火プラグの接地電極の温度を、前記プレイグが発生しない温度まで下げるように、前記調整機構を制御する
    ことを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記検出手段は、前記発生として、前記内燃機関に係る燃焼変動の程度の所定変動範囲からの逸脱を検出し、
    前記制御手段は、前記逸脱が検出された場合に、前記内燃機関がリーン燃焼を行っていれば、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記逸脱が検出された場合に、前記内燃機関の点火プラグの接地電極の温度を、前記燃焼変動が前記所定変動範囲に収まる温度まで上げるように、前記相対比率を変化させる
    ことを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記検出手段は、前記発生として、前記逸脱に加えて前記内燃機関の燃焼室内におけるプレイグの発生を検出し、
    前記制御手段は、前記逸脱が検出された場合であり且つ前記プレイグの発生が検出されない場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する
    ことを特徴とする請求項又はに記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記検出手段は、前記発生として、前記内燃機関に係る点火プラグの燻りを検出し、
    前記制御手段は、前記燻りが検出された場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記燻りが検出された場合に、前記内燃機関の点火プラグの接地電極の温度を、前記点火プラグに付着した煤を焼き落とす温度まで上げるように、前記相対比率を変化させる
    ことを特徴とする請求項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記検出手段は、前記発生として、前記燻りに加えて前記内燃機関の燃焼室内におけるプレイグの発生を検出し、
    前記制御手段は、前記燻りが検出された場合であり且つ前記プレイグの発生が検出されない場合に、前記トルクに対し前記回転数が相対的に増える側に前記相対比率を変化させるように前記調整機構を制御する
    ことを特徴とする請求項又はに記載の内燃機関の制御装置。
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