JP2006037774A - 車輌の動力制御方法及びその動力制御装置 - Google Patents

車輌の動力制御方法及びその動力制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車外へのNOx排出量を低減し、更にトルクショックを抑制すること。
【解決手段】少なくとも原動機1の動力で駆動軸61に駆動力を発生させる車輌の動力制御方法において、原動機1における空燃比の切替要求を受け付ける工程と、その空燃比の切替要求に応じてNOx排出量の多い空燃比での燃焼時間が短くなるよう空燃比の切替制御を行う空燃比切替制御工程と、原動機1の動力制御パターンを前記空燃比の切替要求に応じた動作モードへと切り替える際に、空燃比を略一定に維持した状態で原動機1から出力される動力を制御する動作モード切替工程とを設けること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原動機を動力源とする又は原動機と電動機の双方を動力源とする車輌の動力制御方法及びその動力制御装置に関する。
近年、燃料消費量低減等の環境性能の向上を図る技術の一つとして原動機と電動機の2種類の動力源を有するハイブリッド車輌が提案されている。この種のハイブリッド車輌は、大別すると、原動機で発電機を駆動し、この発電機で発電された電力によって電動機が車輪を駆動するシリーズハイブリッド方式,原動機と電動機の双方の動力を適宜使い分けて車輪を駆動するパラレルハイブリッド方式,及び原動機の動力と、その動力を動力分割機構で分割し、この分割動力により駆動された発電機の電力で駆動する電動機の動力とを適宜使い分けて車輪を駆動するシリーズ・パラレルハイブリッド方式に分類される。
例えば、下記の特許文献1には、シリーズ・パラレルハイブリッド方式のハイブリッド車輌において、原動機たる内燃機関の動作点を機関回転数毎の運転効率の比較的高いトルク線(動作線)上を沿うように機関回転数と機関トルクとを制御する技術が開示されている。
更に、内燃機関単体に着目してみても、上記の如き環境性能の向上を図る為に様々な技術が提案されている。例えば、冷却損失や吸気抵抗によるポンプ損失を低減させて機関熱効率の向上を図り燃料消費量を低減する所謂リーンバーンエンジンがある。このリーンバーンエンジンでは、例えば、定常走行時には希薄領域の空燃比(例えばA/F≧20であって、以下「リーン空燃比」という。)で燃焼させ、アイドル時には理論空燃比(A/F≒14.7)又はそれよりも若干薄い空燃比の領域で燃焼させ、加速時には理論空燃比よりも濃い空燃比(例えばA/F≒12であって、以下「リッチ空燃比」という。)の領域で燃焼させる。
また、かかる観点からすれば、筒内直接噴射式内燃機関においても同様のことがいえる。即ち、この筒内直接噴射式内燃機関においても、運転状態に応じてリーン空燃比(例えばA/F≧30)での燃焼や理論空燃比の領域での燃焼を使い分けている。
ところで、内燃機関が理論空燃比若しくはリッチ空燃比からリーン空燃比へ切り替わるとき又はリーン空燃比から理論空燃比若しくはリッチ空燃比へ切り替わるときには、理論空燃比よりも若干薄い領域の空燃比(例えばA/F≒16であって、以下「中間リーン空燃比」という。)での燃焼が行われ、その燃焼の際には多量のNOxが排出される。
ここで、例えば、下記の特許文献2には、理論空燃比からリーン空燃比への切替速度をリーン空燃比から理論空燃比への切替速度よりも遅くし、また、下記の特許文献3には、理論空燃比からリーン空燃比へと切り替える際に、理論空燃比から所定の空燃比への切替速度を当該所定の空燃比からリーン空燃比への切替速度よりも遅くして、NOx排出量の低減とトルクショックの抑制を図らんとする技術が開示されている。
これが為、内燃機関の空燃比を切り替える際には、その切り替えを急速に行うことでNOxの排出量を低減し得る。
特開2000−87774号公報 特開昭63−12850号公報 特開平4−134147号公報
ところで、上記特許文献1のハイブリッド車輌にあっては、空燃比の切り替えに伴って最大機関トルクが変わるので内燃機関の動作線を切り替え後の空燃比に応じたものへと切り替える必要があり、内燃機関の機関動力Pe(=機関回転数×機関トルク)の制御を行わなければならない。ここで、燃料噴射量の調整等により空燃比の変更と内燃機関の機関動力Peの制御が可能になるが、この場合、トルクショックを抑制する為に空燃比を急速に切り替えることができず、NOx排出量が増加してしまう。
また、上記特許文献2,3に開示された技術は、NOx排出量の低減とトルクショックの抑制という二律背反する目的の妥協点を見出した空燃比の切替速度を設定するものであり、理論空燃比又はリッチ空燃比からリーン空燃比へ切り替わるとき、リーン空燃比から理論空燃比又はリッチ空燃比へ切り替わるときの双方において確実にNOx排出量を低減させることができるものではない。
そこで、本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、車外へのNOx排出量の低減とトルクショックの抑制とを有効に図り得る車輌の動力制御方法及びその動力制御装置を提供することを、その目的とする。
上記目的を達成する為、請求項1記載の車輌の動力制御方法では、原動機における空燃比の切替要求を受け付ける工程と、その空燃比の切替要求に応じてNOx排出量の多い空燃比での燃焼時間が短くなるよう空燃比の切替制御を行う空燃比切替制御工程と、原動機の動力制御パターンを前記空燃比の切替要求に応じた動作モードへと切り替える際に、空燃比を略一定に維持した状態で原動機から出力される動力を制御する動作モード切替工程とを有している。
このように、空燃比を急速に切り替えることでNOx排出量を低減させると共に、空燃比を略一定に保った状態で原動機の動力を制御して動作モードを切り替えることによってトルクショックを低減することができる。
具体的には、請求項2記載の発明の如く、空燃比切替制御工程における切り替え前後の双方の空燃比の内、空燃比がNOx還元触媒の浄化効率の良い空燃比に近い状態のときに動作モード切替工程を実行する。
例えば、その空燃比の切替要求が薄い空燃比から濃い空燃比への切替要求である場合には、請求項3記載の発明の如く、空燃比切替制御工程を実行した後に動作モード切替工程を実行する。また、その空燃比の切替要求が濃い空燃比から薄い空燃比への切替要求である場合には、動作モード切替工程を実行した後に空燃比切替制御工程を実行する。
このように、NOx還元触媒の浄化効率の良い空燃比に近い状態で原動機の動力を制御することによって、かかる動作モード切替工程時における原動機からのNOx排出量も低減することができ、且つ車外へのNOx排出量をも低減することができる。
ここで、車輌が原動機と電動機の内の少なくとも何れか一方を動力源とする所謂ハイブリッド車輌である場合には、請求項5記載の発明の如く、空燃比切替時における原動機のトルク変動を電動機の動力で補正するトルク変動補正工程を設ける。
また、車輌の変速機として無段変速機が用いられている場合には、請求項6記載の発明の如く、空燃比切替時における原動機のトルク変動を無段変速機の変速比を変更して補正するトルク変動補正工程を設ける。
これにより、空燃比切替時における原動機のトルク変動を抑制することができる。
以上示した車輌の動力制御方法を実現させる動力制御装置には、請求項7記載の発明の如く、原動機における空燃比の切替要求を行う機能と、その空燃比の切替要求に応じてNOx排出量の多い空燃比での燃焼時間が短くなるよう空燃比の切替制御を行う空燃比切替制御機能と、原動機の動力制御パターンを前記空燃比の切替要求に応じた動作モードへと切り替える際に、空燃比を略一定に維持した状態で原動機から出力される動力を制御する動作モード切替機能とが設けられている。
本発明に係る車輌の動力制御方法及びその動力制御装置によれば、急速な空燃比の切り替えによってNOx排出量を可能な限り低減させると共に、トルクショックを抑制することができる。
以下に、本発明に係る車輌の動力制御方法及びその動力制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
本発明に係る車輌の動力制御方法及びその動力制御装置の実施例1を図1から図6に基づいて説明する。ここで、本実施例1にあっては、動力源として原動機と電動機の双方を使用するハイブリッド車輌について例示する。
最初に、本実施例1における動力制御装置の制御対象たるハイブリッド車輌の概略構成と基本動作について説明する。
本実施例1にあっては、シリーズ・パラレルハイブリッド方式のハイブリッド車輌を例示する。
このハイブリッド車輌には、図1に示す如く、原動機としての内燃機関1と、この内燃機関1から出力された機関動力Peを分割する動力分割機構11と、この動力分割機構11により分割された内燃機関1の機関動力で駆動する発電機21と、この発電機21の電力及び/又はバッテリ41の電力で駆動する電動機31とが設けられている。
ここで、その動力分割機構11は、例えば、回転軸が内燃機関1のクランクシャフト2に連結されたプラネタリキャリアと、このプラネタリキャリアに軸支されたピニオンギヤと、回転軸が発電機21に連結されたサンギヤと、回転軸が電動機31に連結されたリングギヤとを有する遊星歯車機構からなり、そのリングギヤには変速機51Aや減速機51B等からなる動力伝達機構51を介して駆動軸61が連結されている。これが為、内燃機関1の機関動力Peは、ピニオンギヤを介してサンギヤ及びリングギヤに伝達され、発電機21の駆動力として利用し得る一方、動力伝達機構51を介して駆動軸61を直接駆動することができる。
また、このハイブリッド車輌には、各種動作を制御する制御手段が設けられている。本実施例1にあっては、その制御手段として、ハイブリッド車輌全体の動作を制御する電子制御装置(以下「メインECU」という。)71と、内燃機関1の動作を制御する電子制御装置(以下「機関ECU」という。)72と、電動機31の動作を制御する電子制御装置(以下「電動機ECU」という。)73とが設けられており、これらメインECU71,機関ECU72及び電動機ECU73が本発明に係る動力制御装置の機能を為す。
これらメインECU71,機関ECU72及び電動機ECU73は、図示しないCPU(中央演算処理装置),所定の制御プログラム等を予め記憶しているROM(Read Only Memory),CPUの演算結果を一時記憶するRAM(Random Access Memory),予め用意されたマップデータ等の情報を記憶するバックアップRAM等で構成されている。
更に、このハイブリッド車輌(内燃機関1や変速機51A等)には、図1に示す如く、クランクシャフト2のクランク角度位置信号パルスを出力するクランク角センサ(クランク角検出手段)81,スロットルバルブ3のスロットル開度θthを検出するスロットル開度センサ82,冷却水温度を検出する水温センサ83,空燃比を検出するA/Fセンサ84,及びアクセル開度を検出するアクセル開度センサ85等の種々のセンサが設けられている。
これら各センサ81〜85の出力信号はメインECU71に入力され、このメインECU71は、その入力信号やバックアップRAMのマップデータ等に基づいて定常走行時等の運転状態に応じた駆動軸61における駆動力Ptの要求値(以下「駆動力要求値」という。)を求め、この駆動力要求値に相当する駆動力Ptを駆動軸61で発生させ得る内燃機関1と電動機31の動力及びその配分を設定し、その設定条件を機関ECU72と電動機ECU73に送る。
例えば、発進時や低速走行時においては、電動機31の動力Pmのみで駆動軸61の駆動力Ptを発生させる。これが為、メインECU71は、内燃機関1のフューエルカット又は停止の制御条件値を機関ECU72に対して送ると共に、電動機31で発生させる動力Pmの要求値(以下「電動機動力要求値」という。)を駆動力要求値に基づき求めて電動機ECU73に対して送る。これにより、機関ECU72が内燃機関1をフューエルカット又は停止させると共に、電動機ECU73が電動機動力要求値に応じてインバータ42を制御し、バッテリ41からの供給電力で電動機31を駆動してその動力Pmで駆動軸61を駆動させる。
また、定常走行時においては、内燃機関1の機関動力Peと電動機31の動力Pmとで駆動軸61の駆動力Ptを発生させる。これが為、メインECU71は、駆動力要求値に基づいて内燃機関1で発生させる機関動力Peの要求値(以下「機関動力要求値」という。)と電動機動力要求値を求め、その夫々を機関ECU72と電動機ECU73に対して送る。これにより、機関ECU72が内燃機関1の機関動力Peを制御すると共に、電動機ECU73がインバータ42を制御する。
ここで、機関ECU72は、内燃機関1の動作点(機関回転数Ne及び機関トルクTe)が運転状態に応じて設定された動作線上を沿うように機関動力Peの制御を行う。その動作線とは、図2に示す機関回転数Ne−機関トルクTe特性線図において、機関回転数Ne毎の運転効率の比較的高い機関トルクTeがプロットされた点を夫々結んで成る曲線のことをいう。
これが為、この定常走行時においては、内燃機関1の動作点が図2に示す定常走行時の動作線Ln上を沿うように、機関ECU72がスロットルバルブ3(スロットルバルブアクチュエータ3a)や燃料噴射弁4を制御して機関動力要求値となる機関動力Pe(≒機関回転数Ne×機関トルクTe)に設定する。
ところで、本実施例1の内燃機関1は、定常走行時においてはリーン空燃比(例えばA/F≧20)での燃焼(以下「リーン燃焼」という。)を行うものとする。これが為、この内燃機関1は、A/Fセンサ84からの入力信号に基づいた空燃比のフィードバック制御を行い、リーン空燃比の状態を維持しつつ定常走行時の動作線Ln上に沿った機関回転数Neと機関トルクTeの制御を行なう。
本実施例1のハイブリッド車輌においては、内燃機関1の機関動力Peが動力分割機構11で分割され、その一方の分割動力が動力伝達機構51を介して駆動軸61を駆動させると共に、他方の分割動力が発電機21を駆動して発電させる。この定常走行時の場合、その発電機21で発電された電力はインバータ42を介して電動機31に供給され、この電動機31の動力Pmが動力伝達機構51を介して駆動軸61に伝達される。
このように、定常走行時のハイブリッド車輌においては、分割された内燃機関1の一方の機関動力で駆動軸61を直接駆動すると共に、他方の機関動力による発電電力で駆動させた電動機31で駆動軸61の駆動力Ptを補助する。
また、このハイブリッド車輌は、全開加速等の高負荷時においても内燃機関1の機関動力Peと電動機31の動力Pmとで駆動軸61の駆動力Ptを発生させて駆動輪62を回転させる。但し、この場合には、図2に示す高負荷時の動作線Lh上を沿うよう機関ECU72により機関動力Pe(=機関回転数Neと機関トルクTe)が制御されると共に、バッテリ41からも電力が電動機31に供給されて、駆動軸61の駆動力Ptが増加される。
ここで、本実施例1の内燃機関1は、高負荷時においては理論空燃比(A/F≒14.7)での燃焼(以下「ストイキ燃焼」という。)を行うものとする。これが為、高負荷時の動作線Lh上に沿った機関回転数Neと機関トルクTeの制御は、理論空燃比を保ちつつ行われる。
尚、このハイブリッド車輌において内燃機関1の他方の分割動力で発電した発電機21の電力は、上述した如く電動機31の動力として利用するもの以外がバッテリ41に蓄電される。
以上示した如く、本実施例1のハイブリッド車輌においては、定常走行時等の様々な運転状態に応じて内燃機関1や電動機31から出力される動力Pmやその配分が制御される。これが為、メインECU71には、内燃機関1と電動機31における動力やその配分を設定する内燃機関/電動機動力配分設定機能が設けられており、機関ECU72には、内燃機関1の機関動力Peを制御する機関動力制御機能が設けられており、電動機ECU73には、電動機31の動力Pmを制御する電動機動力制御機能が設けられている。
本実施例1の内燃機関1においては、運転状態(空燃比)を切り替える場合に、機関ECU72の動作モード切替機能により、その動作点を運転状態に応じた適切な動力制御パターンの動作線上で制御できるよう動作モードの切替制御が行われる。例えば、上記の定常走行から高負荷走行(リーン燃焼からストイキ燃焼)へと運転状態を切り替える際には、内燃機関1の動作モードが定常走行時の動作線Lnによる動作モードから高負荷時の動作線Lhによる動作モードへと切り替えられる。また、高負荷走行から定常走行(ストイキ燃焼からリーン燃焼)へと切り替える際には、高負荷時の動作線Lhによる動作モードから定常走行時の動作線Lnによる動作モードへと切り替えられる。
ここで、その空燃比の切り替えを行う際には中間リーン空燃比(理論空燃比よりも若干薄い空燃比:例えばA/F≒16)での燃焼が行われるので、その燃焼時間が長いと多量のNOxが排出されてしまう。
そこで、本実施例1の機関ECU72には、空燃比の切替要求があったときに、NOx排出量の多い中間リーン空燃比での燃焼時間が短くなるよう空燃比の切替制御を行う空燃比切替制御機能が設けられており、これによりNOx排出量の低減を図っている。
具体的に、本実施例1の空燃比切替制御機能は、現状の燃料噴射量を略一定に保ったままスロットルバルブアクチュエータ3aを制御してスロットルバルブ3の急速な開閉を行う。例えば、リーン空燃比から理論空燃比へと切り替える場合には、スロットルバルブ3が急速に閉じられるようにスロットルバルブアクチュエータ3aを制御し、また、理論空燃比からリーン空燃比へと切り替える場合には、スロットルバルブ3が急速に開けられるようにスロットルバルブアクチュエータ3aを制御する。
ここで、リーン空燃比から理論空燃比へと急速に切り替えることにより内燃機関1にトルク変動が生じ、そのトルク変動量如何によっては駆動軸61の駆動力Ptが変化してドライバビリティが悪化してしまう。これが為、本実施例1にあっては、そのトルク変動を補正して駆動軸61の駆動力Ptを略一定に保つトルク変動補正機能がメインECU71に設けられている。
そのトルク変動補正機能には、内燃機関1のトルク変動を検出する機関トルク変動検出機能が設けられている。一般に、内燃機関1においては燃焼制御の為にトルク変動の検出が行われているので、その機関トルク変動検出機能は従来より周知の検出方法でトルク変動を検出することができる。例えば、クランク角センサ81の出力信号から算出した内燃機関1の機関回転数Neの変動量に基づいてトルク変動の推定を行うことができる。
本実施例1のトルク変動補正機能は、その検出されたトルク変動量を補正し得る電動機31の動力(以下「電動機動力補正値」という。)を算出し、この電動機動力補正値を電動機ECU73へと送ってトルク変動の補正を行う。ここで、リーン空燃比から理論空燃比へと切り替える場合には機関トルクTeが低下するので、その低下分を電動機動力補正値として電動機31の動力Pmで補う。
尚、本実施例1にあっては、演算処理の簡易化と迅速化の為に、空燃比切り替えにより生じる機関トルクTeの変動量と当該変動量に応じた電動機トルクTmの補正量との関係を予め実験やシミュレーション等で算出してマップデータ化し、このマップデータに基づいて電動機動力補正値を求める。
ところで、NOx還元触媒は、内燃機関1が理論空燃比で燃焼しているときに浄化効率が良くなる。これが為、本実施例1における機関ECU72の動作モード切替機能は、動作モード切替時にNOx還元触媒の浄化効率の良い空燃比(理論空燃比)又はそれに近い空燃比を略一定に維持した状態で内燃機関1の機関動力Peを制御するよう設定されている。本実施例1にあっては、その機関動力Peを略一定に保ったまま機関回転数Neと機関トルクTeを次の動作モードまで制御する。
以下に、以上示した動力制御装置における空燃比切替時の動作(動力制御方法)について説明する。
最初に、定常走行から高負荷走行(リーン空燃比からストイキ空燃比)へと切り替える際の動作について、図2の機関回転数Ne−機関トルクTe特性線図、図3のフローチャート及び図4のタイムチャートを用いて説明する。
前述したが如く、本実施例1のハイブリッド車輌は、定常走行時において内燃機関1と電動機31の双方の動力で駆動軸61に駆動力Ptを発生させている。例えば、図4に示す如く、現在、内燃機関1の機関動力Pe1(=機関回転数Ne1×機関トルクTe1)と電動機31の動力Pm1とによって駆動軸61に駆動力Pt1を発生させているものとする。そして、その際、内燃機関1においては、燃料噴射量F(F1)やスロットル開度θth(θth1)が制御されて図2に示す定常走行時の動作線Ln上の例えば交点v1(機関回転数Ne1,機関トルクTe1)の動作点でリーン燃焼を行っているものとする。
ここで、かかる状況下において、例えば運転者のアクセルペダル操作等によりメインECU71がリーン燃焼からストイキ燃焼への空燃比の切り替えを判断し、ストイキ燃焼への空燃比切替要求を機関ECU72に対して与えたとする(ステップST1)。
かかる場合、機関ECU72は、その空燃比切替要求を受け取ると、空燃比切替制御機能により、現在の燃料噴射量F1を略一定に保ったままスロットルバルブアクチュエータ3aを制御してスロットルバルブ3を急速に閉じ(スロットル開度θth=0)、リーン空燃比から理論空燃比へと切り替える(ステップST2)。その際、この機関ECU72は、理論空燃比への切り替えに合わせて点火プラグ5の点火時期を遅角制御する。このようにリーン空燃比から理論空燃比へと急速に切り替えることによって、その中間リーン空燃比での燃焼時間が短くなりNOx排出量が低減される。
ここで、上記の如く空燃比が理論空燃比へと急速に切り替えられると、図4に示す如く、機関トルクTeが一瞬低下し、その後にトルク変動前の機関トルクTe1に戻るので、そのトルク変動分の補正を行う(ステップST3)。
具体的には、上記機関ECU72への空燃比切替要求と共に、空燃比切替時のトルク変動分に相当する電動機動力補正値をメインECU71が電動機ECU73に対して予め送っている。これが為、この電動機ECU73は、機関ECU72による空燃比の切り替えに伴い、電動機31の動力Pmを瞬時に増加させた後、機関トルクTeの戻りに合わせて電動機31の動力増加分を減少させていく。これにより、内燃機関1での機関トルクTeの低下分が補われ、駆動軸61においては駆動力Pt1を略一定に保つことができるので、内燃機関1のトルク変動に伴うトルクショックが低減されてドライバビリティの悪化を防ぐことができる。
尚、そのトルク変動の補正は内燃機関1の燃料噴射量を増加させて行ってもよいが、その場合には空燃比が理論空燃比からリッチ空燃比へと変化して燃料消費量が増加してしまうので、上記の如く電動機31により補正することが好ましい。
しかる後、機関ECU72は、動作モード切替機能により、理論空燃比の状態で機関動力Pe1を一定に保ったまま機関回転数Neと機関トルクTeを図2に示す機関動力Pe1の等パワー線上で徐々に変化させて、内燃機関1の動作点を高負荷時の動作線Lh上にまで移動させる。即ち、この機関ECU72は、燃料噴射弁4やスロットルバルブアクチュエータ3aを制御することにより燃料噴射量Fやスロットル開度θthを増加させ、内燃機関1の動作点を定常走行時の動作線Ln上の交点v1(機関回転数Ne1,機関トルクTe1)から高負荷時の動作線Lh上の交点v2(機関回転数Ne2,機関トルクTe2)へと機関動力Pe1のまま移動させて、高負荷時の動作モードへと切り替える(ステップST4)。このように、理論空燃比の状態で機関動力Pe1を一定に保ったまま機関回転数Neと機関トルクTeを徐々に変化させるので、トルクショックの低減が図れる。
以降、内燃機関1においては、次の空燃比切替要求があるまで、機関ECU72の機関動力制御機能により、その動作点が高負荷時の動作線Lh上で制御される。
次に、高負荷走行から定常走行(ストイキ空燃比からリーン空燃比)へと切り替える際の動作について、図2の機関回転数Ne−機関トルクTe特性線図、図5のフローチャート及び図6のタイムチャートを用いて説明する。
ここでは、図6に示す如く、内燃機関1の機関動力Pe2(=機関回転数Ne3×機関トルクTe3)と電動機31の動力Pm2とで駆動軸61に駆動力Pt2を発生させているものとする。そして、その際、内燃機関1においては、燃料噴射量F(F3)やスロットル開度θth(θth2)が制御されて図2に示す高負荷時の動作線Lh上の例えば交点v3(機関回転数Ne3,機関トルクTe3)の動作点でストイキ燃焼を行っているものとする。
ここで、かかる状況下において、メインECU71がストイキ燃焼からリーン燃焼への空燃比の切り替えを判断し、リーン燃焼への空燃比切替要求を機関ECU72に対して与えたとする(ステップST11)。
この場合の機関ECU72は、その空燃比切替要求を受け取ると、動作モード切替機能により、理論空燃比の状態で機関動力Pe2を一定に保ったまま機関回転数Neと機関トルクTeを図2に示す機関動力Pe2の等パワー線上で徐々に変化させて、内燃機関1の動作点を定常走行時の動作線Ln上にまで移動させる。即ち、この機関ECU72は、燃料噴射量Fやスロットル開度θthを制御することにより、内燃機関1の動作点を高負荷時の動作線Lh上の交点v3(機関回転数Ne3,機関トルクTe3)から定常走行時の動作線Ln上の交点v4(機関回転数Ne4,機関トルクTe4)へと機関動力Pe2のまま移動させ、定常走行時の動作モードへと切り替える(ステップST12)。このように、理論空燃比の状態で機関動力Pe2を一定に保ったまま機関回転数Neと機関トルクTeを徐々に変化させるので、トルクショックの低減が図れる。
しかる後、この機関ECU72は、空燃比切替制御機能により、現在の燃料噴射量を略一定に保ったままスロットルバルブアクチュエータ3aを制御してスロットルバルブ3を急速に開き(スロットル開度θth=WOT)、理論空燃比からリーン空燃比へと切り替える(ステップST13)。その際、この機関ECU72は、リーン空燃比への切り替えに合わせて点火プラグ5の点火時期を進角制御する。このようにして理論空燃比からリーン空燃比へと急速に切り替えることによって、その中間リーン空燃比での燃焼時間が短くなりNOx排出量が低減される。
以降、内燃機関1においては、次の空燃比切替要求があるまで、機関ECU72の機関動力制御機能により、その動作点が定常走行時の動作線Ln上で制御される。
以上示した如く、本実施例1の動力制御装置によれば、空燃比を急速に切り替えて中間リーン空燃比での燃焼時間を最小限に抑えるので、NOxの排出量を低減させることができる。また、空燃比を略一定に保った状態で内燃機関1の機関動力Peが一定になるよう機関回転数Neと機関トルクTeを制御して動作モードを切り替えるので、トルクショックを低減することができ、ドライバビリティの向上を図ることができる。
更に、リーン空燃比から理論空燃比へと急速に切り替える際に内燃機関1にトルク変動が生じてもそのトルク変動分を電動機31で補正するので、急速な空燃比の切り替えによるトルクショックが低減され、更なるドライバビリティの向上を図ることができる。
また更に、リーン空燃比から理論空燃比へと切り替えるときには、理論空燃比へ切り替えた後に当該理論空燃比の状態で内燃機関1の機関トルクTeを増加させるので、そのトルク特性の向上が図り易くなり、理論空燃比からリーン空燃比へと切り替えるときには、リーン空燃比へ切り替える前に理論空燃比の状態で内燃機関1の機関トルクTeを減少させるので、電動機31への負担を軽減することができる。また、その理論空燃比の状態で動作モードを切り替えるので、浄化効率が高い状態でNOx還元触媒を機能させることができ、これが為、車外へのNOx排出量を低減することができる。
次に、本発明に係る車輌の動力制御方法及びその動力制御装置の実施例2を図7から図11に基づいて説明する。ここで、本実施例2にあっては、原動機を動力源とし、その動力によって駆動軸61を駆動させる車輌について例示する。
本実施例2の車輌には、原動機としての内燃機関1と、この内燃機関1から出力された機関動力Peを駆動軸61へ伝達する変速機52Aや減速機52B等からなる動力伝達機構52が設けられている。
本実施例2の内燃機関1としては、前述した実施例1と同等の構成からなり、その実施例1と同様の機関動力制御機能,動作モード切替機能及び空燃比切替制御機能が設けられた機関ECU72により制御されるものを例示する。
また、本実施例2の変速機52Aとしては、内燃機関1のクランクシャフト2からの機関動力Peが伝達される入力軸たるプライマリプーリ軸52aと、このプライマリプーリ軸52aに固定された固定シーブ52b1及び当該プライマリプーリ軸52a上を軸線方向に摺動し得ると共に一体となって回転する可動シーブ52b2からなるプライマリプーリ52bと、そのプライマリプーリ軸52aに対して間隔を設けて平行に配置された出力軸たるセカンダリプーリ軸52cと、そのセカンダリプーリ軸52cに固定された固定シーブ52d1及び当該セカンダリプーリ軸52c上を軸線方向に摺動し得ると共に一体となって回転する可動シーブ52d2からなるセカンダリプーリ51dと、そのプライマリプーリ52bとセカンダリプーリ52dとの間に巻き掛けられた無端ベルト52eとを備えたベルト式無段変速機を用いる。
ここで、この種のベルト式無段変速機52Aにおいては、プライマリプーリ52bにおける無端ベルト52eの巻き掛け半径とセカンダリプーリ52dにおける無端ベルト52eの巻き掛け半径とによって変速比γが定められる。そして、この変速比γは、例えば、プライマリプーリ52bの可動シーブ52b2を軸線方向に適宜摺動させ、夫々の無端ベルト52eとの巻き掛け半径を変更することによって設定される。
これが為、このベルト式無段変速機52Aには、プライマリプーリ52bの可動シーブ52b2を軸線方向に摺動させる油圧モータ又は電動モータ等のアクチュエータや歯車群等からなる可動シーブ摺動機構52fが設けられており、更に、この可動シーブ摺動機構52fの動作を制御する,換言すれば変速比γを制御する電子制御装置(以下「変速機ECU」という。)74が設けられている。
また、本実施例2にあっては、車輌全体の動作を制御するメインECU71が設けられており、このメインECU71と上述した機関ECU72及び変速機ECU74とによって本発明に係る動力制御装置が構成される。
以下に、本実施例2の動力制御装置における空燃比切替時の動作(動力制御方法)について説明する。
最初に、定常走行から高負荷走行(リーン空燃比からストイキ空燃比)へと切り替える際の動作について、図2の機関回転数Ne−機関トルクTe特性線図、図8のフローチャート及び図9のタイムチャートを用いて説明する。
例えば、図9に示す如く、現在、本実施例2の内燃機関1が機関動力Pe1(=機関回転数Ne1×機関トルクTe1)を出力して駆動軸61に駆動力Pt1を発生させているものとする。そして、その際、内燃機関1においては、燃料噴射量F(F1)やスロットル開度θth(θth1)が制御されて図2に示す定常走行時の動作線Ln上の例えば交点v1(機関回転数Ne1,機関トルクTe1)の動作点でリーン燃焼を行っているものとする。
ここで、かかる状況下において、例えば運転者のアクセルペダル操作等によりメインECU71がリーン燃焼からストイキ燃焼への空燃比の切り替えを判断し、ストイキ燃焼への空燃比切替要求を機関ECU72に対して与えたとする(ステップST21)。
かかる場合、機関ECU72は、その空燃比切替要求を受け取ると、実施例1と同様に、空燃比切替制御機能によりスロットルバルブ3を急速に閉じて(スロットル開度θth=0)リーン空燃比から理論空燃比へと切り替える(ステップST22)。その際、この機関ECU72は、理論空燃比への切り替えに合わせて点火プラグ5の点火時期を遅角制御する。このようにリーン空燃比から理論空燃比へと急速に切り替えることによって、その中間リーン空燃比での燃焼時間が短くなりNOx排出量が低減される。
ここで、上記の如く空燃比が理論空燃比へと急速に切り替えられると、図9に示す如く、機関トルクTeが一瞬低下し、その後にトルク変動前の機関トルクTe1に戻る。これが為、本実施例2にあっては、ベルト式無段変速機52Aによってそのトルク変動分の補正を行う(ステップST23)。
具体的に、本実施例2にあっては、上記機関ECU72への空燃比切替要求と共に、空燃比切替時のトルク変動分に相当する変速比制御値をメインECU71が変速機ECU74に対して予め送っている。これが為、この変速機ECU74は、機関ECU72による空燃比の切り替えに伴い、その変速比制御値に応じて可動シーブ摺動機構52fを制御し、ベルト式無段変速機52Aの変速比γを変速比γ1から上げた後に、機関トルクTeの戻りに合わせて元の変速比γ1まで戻していく。
これにより、図9に示す如く、機関動力Pe1を略一定に保たせつつ機関回転数Neが機関回転数Ne1から上昇した後、機関トルクTeの戻りに合わせて元の機関回転数Ne1まで戻るので、駆動軸61の駆動力Pt1が略一定に保たれ、空燃比切替時の内燃機関1のトルク変動に伴うトルクショックが低減されてドライバビリティの悪化を防ぐことができる。
しかる後、理論空燃比の状態で内燃機関1の動作点を図2に示す機関動力Pe1の等パワー線上に沿って、図2に示す定常走行時の動作線Ln上の交点v1(機関回転数Ne1,機関トルクTe1)から高負荷時の動作線Lh上の交点v2(機関回転数Ne2,機関トルクTe2)まで移動させ、高負荷時の動作モードへと切り替える(ステップST24)。
具体的に、先ず、機関ECU72の動作モード切替機能は、その交点v1から交点v2までの機関動力Pe1の等パワー線上における機関回転数Neと機関トルクTeとの対応関係を時系列の情報として求め、これをメインECU71へと送る。しかる後、このメインECU71は、その情報に基づいて、機関回転数Neの変化に対応したベルト式無段変速機52Aの変速比γの遷移情報を時系列の情報として求め、これと共に変速比制御要求を変速機ECU74に対して送る。
これにより、機関ECU72の動作モード切替機能が燃料噴射弁4やスロットルバルブアクチュエータ3aを制御し、理論空燃比の状態を維持したまま燃料噴射量Fやスロットル開度θthを増加させて機関トルクTeを機関トルクTe2まで徐々に増加させる一方、変速機ECU74が可動シーブ摺動機構52fを制御して変速比γを変速比γ2まで徐々に下げることにより機関回転数Neを機関回転数Ne2まで徐々に低下させて、機関動力Pe1を一定に保った状態で内燃機関1の動作点を図2に示す機関動力Pe1の等パワー線上で徐々に変化させる。このようにして、内燃機関1の動作点を交点v1から交点v2へと機関動力Pe1のまま移動させ、高負荷時の動作モードへと切り替える。このように、理論空燃比の状態で機関動力Pe1を一定に保ったまま機関回転数Neと機関トルクTeを徐々に変化させるので、トルクショックの低減が図れる。
以降、内燃機関1においては、次の空燃比切替要求があるまで、機関ECU72の機関動力制御機能により、その動作点が高負荷時の動作線Lh上で制御される。
次に、高負荷走行から定常走行(ストイキ空燃比からリーン空燃比)へと切り替える際の動作について、図2の機関回転数Ne−機関トルクTe特性線図、図10のフローチャート及び図11のタイムチャートを用いて説明する。
ここでは、図11に示す如く、内燃機関1が機関動力Pe2(=機関回転数Ne3×機関トルクTe3)を出力して駆動軸61に駆動力Pt2を発生させているものとする。そして、その際、内燃機関1においては、燃料噴射量F(F3)やスロットル開度θth(θth2)が制御されて図2に示す高負荷時の動作線Lh上における例えば交点v3(機関回転数Ne3,機関トルクTe3)の動作点でストイキ燃焼を行っているものとする。
ここで、かかる状況下において、メインECU71がストイキ燃焼からリーン燃焼への空燃比の切り替えを判断し、リーン燃焼への空燃比切替要求を機関ECU72に対して与えたとする(ステップST31)。
かかる場合にあっては、先ず、理論空燃比の状態で内燃機関1の動作点を図2に示す機関動力Pe2の等パワー線上に沿って、図2に示す高負荷時の動作線Lh上の交点v3(機関回転数Ne3,機関トルクTe3)から定常走行時の動作線Ln上の交点v4(機関回転数Ne4,機関トルクTe4)まで移動させ、定常走行時の動作モードへと切り替える(ステップST32)。
具体的には、機関ECU72の動作モード切替機能がその交点v3から交点v4までの機関動力Pe2の等パワー線上における機関回転数Neと機関トルクTeとの対応関係を時系列の情報として求め、これをメインECU71へと送る。しかる後、このメインECU71は、その情報に基づいて、機関回転数Neの変化に対応したベルト式無段変速機52Aの変速比γの遷移情報を時系列の情報として求め、これと共に変速比制御要求を変速機ECU74に対して送る。
これにより、機関ECU72の動作モード切替機能が燃料噴射弁4やスロットルバルブアクチュエータ3aを制御し、理論空燃比の状態を維持したまま燃料噴射量Fやスロットル開度θthを減少させて機関トルクTeを機関トルクTe4まで徐々に低下させる一方、変速機ECU74が可動シーブ摺動機構52fを制御して変速比γを変速比γ4まで徐々に上げることにより機関回転数Neを機関回転数Ne4まで徐々に上昇させて、機関動力Pe2を一定に保った状態で内燃機関1の動作点を図2に示す機関動力Pe2の等パワー線上で徐々に変化させる。このようにして、内燃機関1の動作点を交点v3から交点v4へと機関動力Pe2のまま移動させ、定常走行時の動作モードへと切り替える。このように、理論空燃比の状態で機関動力Pe2を一定に保ったまま機関回転数Neと機関トルクTeを徐々に変化させるので、トルクショックの低減が図れる。
しかる後、機関ECU72は、実施例1と同様に、空燃比切替制御機能によりスロットルバルブ3を急速に開いて(スロットル開度θth=WOT)理論空燃比からリーン空燃比へと切り替える(ステップST33)。その際、この機関ECU72は、リーン空燃比への切り替えに合わせて点火プラグ5の点火時期を進角制御する。このようにして理論空燃比からリーン空燃比へと急速に切り替えることによって、その中間リーン空燃比での燃焼時間が短くなりNOx排出量が低減される。
以降、内燃機関1においては、次の空燃比切替要求があるまで、機関ECU72の機関動力制御機能により、その動作点が定常走行時の動作線Ln上で制御される。
以上示した如く本実施例2の動力制御装置によれば、実施例1と同様に、急速な空燃比の切り替えにより中間リーン空燃比での燃焼時間を最小限に抑えてNOx排出量の低減を図ることができ、また、空燃比を略一定に保った状態で且つ内燃機関1の機関動力Peを一定にしたまま動作モードを切り替えるので、トルクショックを低減させてドライバビリティの向上を図ることができる。
更に、リーン空燃比から理論空燃比へと急速に切り替える際の内燃機関1のトルク変動をベルト式無段変速機52Aの変速比γの制御によって相殺させるので、その際のトルクショックが低減されて更なるドライバビリティの向上が図れ、また、理論空燃比の状態で動作モードを切り替えるので、浄化効率が高い状態でNOx還元触媒を機能させることができ、車外へのNOx排出量を低減することができる。
以上のように、本発明に係る車輌の動力制御方法及びその動力制御装置は、車外へのNOx排出量を低減しつつトルクショックを抑制し得る技術として有用である。
本発明に係る動力制御装置の実施例1の構成を示す図である。 本発明に適用される内燃機関の機関回転数Ne−機関トルクTe特性の一例を示す図である。 実施例1における動力制御装置の動作を説明するフローチャートであって、リーン空燃比からストイキ空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。 実施例1における動力制御装置により制御された内燃機関及び電動機の動力等の値と駆動軸の駆動力の時間経過に伴う変化を示すタイムチャートであって、リーン空燃比からストイキ空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。 実施例1における動力制御装置の動作を説明するフローチャートであって、ストイキ空燃比からリーン空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。 実施例1における動力制御装置により制御された内燃機関及び電動機の動力等の値と駆動軸の駆動力の時間経過に伴う変化を示すタイムチャートであって、ストイキ空燃比からリーン空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。 本発明に係る動力制御装置の実施例2の構成を示す図である。 実施例2における動力制御装置の動作を説明するフローチャートであって、リーン空燃比からストイキ空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。 実施例2における動力制御装置により制御された内燃機関及び電動機の動力等の値と駆動軸の駆動力の時間経過に伴う変化を示すタイムチャートであって、リーン空燃比からストイキ空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。 実施例2における動力制御装置の動作を説明するフローチャートであって、ストイキ空燃比からリーン空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。 実施例2における動力制御装置により制御された内燃機関及び電動機の動力等の値と駆動軸の駆動力の時間経過に伴う変化を示すタイムチャートであって、ストイキ空燃比からリーン空燃比へと切り替える際の一例を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関(原動機)
3 スロットルバルブ
3a スロットルバルブアクチュエータ
4 燃料噴射弁
5 点火プラグ
21 発電機
31 電動機
41 バッテリ
42 インバータ
51 動力伝達機構
71 メインECU
72 機関ECU
73 電動機ECU

Claims (7)

  1. 少なくとも原動機の動力で駆動軸に駆動力を発生させる車輌の動力制御方法であって、
    前記原動機における空燃比の切替要求を受け付ける工程と、
    前記空燃比の切替要求に応じてNOx排出量の多い空燃比での燃焼時間が短くなるよう空燃比の切替制御を行う空燃比切替制御工程と、
    前記原動機の動力制御パターンを前記空燃比の切替要求に応じた動作モードへと切り替える際に、空燃比を略一定に維持した状態で前記原動機から出力される動力を制御する動作モード切替工程と、
    を有することを特徴とした車輌の動力制御方法。
  2. 前記空燃比切替制御工程における切り替え前後の双方の空燃比の内、該空燃比が前記NOx還元触媒の浄化効率の良い空燃比に近い状態のときに前記動作モード切替工程を実行することを特徴とした請求項1記載の車輌の動力制御方法。
  3. 前記空燃比の切替要求が薄い空燃比から濃い空燃比への切替要求である場合、前記空燃比切替制御工程を実行した後に前記動作モード切替工程を実行することを特徴とした請求項2記載の車輌の動力制御方法。
  4. 前記空燃比の切替要求が濃い空燃比から薄い空燃比への切替要求である場合、前記動作モード切替工程を実行した後に前記空燃比切替制御工程を実行することを特徴とした請求項2記載の車輌の動力制御方法。
  5. 前記空燃比切替時における原動機のトルク変動を前記駆動軸に駆動力を発生させる電動機の動力で補正するトルク変動補正工程を設けたことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の車輌の動力制御方法。
  6. 前記空燃比切替時における原動機のトルク変動を無段変速機の変速比を変更して補正するトルク変動補正工程を設けたことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の車輌の動力制御方法。
  7. 少なくとも原動機の動力で駆動軸に駆動力を発生させる車輌の動力制御装置であって、
    前記原動機における空燃比の切替要求を行う機能と、
    前記空燃比の切替要求に応じてNOx排出量の多い空燃比での燃焼時間が短くなるよう空燃比の切替制御を行う空燃比切替制御機能と、
    前記原動機の動力制御パターンを前記空燃比の切替要求に応じた動作モードへと切り替える際に、空燃比を略一定に維持した状態で前記原動機から出力される動力を制御する動作モード切替機能と、
    を備えたことを特徴とする車輌の動力制御装置。
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