JP4353177B2 - 車両およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両およびその制御方法に関する。
従来、車両としては、車輪に動力を出力するエンジンおよびモータを備え、エンジンのアイドル運転を制御する際の制御値を学習する学習条件が成立したときにはその学習が完了するまでエンジンの停止を禁止するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、制御値の学習が完了するまでエンジンの停止を禁止することにより、制御値の学習の機会が少ないハイブリッド車における学習を適正なものとしアイドル運転を良好なものとしている。また、車両としては、エンジンから出力される動力と変速機を介してモータから出力される動力とを用いて走行可能であり、変速機の変速中にはエンジンの停止を禁止するものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−107834号公報 特開2004−204957号公報
エンジンから出力される動力と変速機を介してモータから出力される動力とを用いて走行する車両では、変速機を変速する条件などが成立したときにエンジンからの出力を補正する場合がある。この場合、変速する条件などが成立したときにエンジンをアイドル運転するときには、学習条件が成立してしまい、学習が完了するまでアイドル運転が継続されることによって燃費が悪化してしまうことがある。
本発明の車両およびその制御方法は、内燃機関から出力される動力と変速機を介して電動機から出力される動力とを用いて走行する車両において、内燃機関のアイドル運転の制御量を適正に学習することを目的の一つとする。また、本発明の車両およびその制御方法では、内燃機関から出力される動力と変速機を介して電動機から出力される動力とを用いて走行する車両において、変速機を変速する条件など所定の条件が成立しているときの燃費の悪化を抑制することを目的の一つとする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の車両は、
車軸に動力を出力可能な内燃機関と、
動力を入出力可能な電動機と、
該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記内燃機関がアイドル運転されている条件を含む所定の学習条件に基づいて該内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量を学習するか否かを判定する学習判定手段と、
前記学習判定手段による判定結果に基づいて前記アイドル制御量の学習を実行する学習実行手段と、
前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習しないと判定されたときには前記変速伝達手段の変速比の変更と前記内燃機関の間欠運転とを伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立していないときには車両の走行状態に基づいて前記内燃機関のアイドル運転が許容される範囲内で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立したときには前記学習判定手段の判定結果に拘わらずに前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の車両では、内燃機関がアイドル運転されている条件を含む所定の学習条件に基づいて内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量を学習するか否かを判定し、アイドル制御量を学習しないと判定されたときには、変速伝達手段の変速比の変更と内燃機関の間欠運転とを伴って走行に要求される要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。一方、アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立していないときには、車両の走行状態に基づいて内燃機関のアイドル運転が許容される範囲内で内燃機関のアイドル運転の継続を伴って要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。この場合、アイドル制御量の学習も実行する。アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立したときには、判定結果に拘わらずに内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。即ち、アイドル制御量を学習すると判定された状態では、所定の継続解除条件が成立していないときには許容範囲内で内燃機関のアイドル運転を継続し、所定の継続解除条件が成立したときには内燃機関を間欠運転するのである。これにより、アイドル制御量の学習を適正に行なうことができる。また、アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立したときには、内燃機関のアイドル運転を継続するものに比して燃費の悪化を抑制することができる。
こうした本発明の第1の車両において、前記所定の継続解除条件は前記変速伝達手段の変速比の所定の変更の指示がなされている条件であり、前記制御手段は前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習すると判定された状態で前記所定の継続解除条件が成立したときには前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力された状態で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されると共に該変速伝達手段の変速比の変更が完了した後は前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、変速伝達手段の変速比の変更が完了した後には判定結果に拘わらず内燃機関を間欠運転することができる。この場合、前記所定の変更の指示は、前記内燃機関が運転されている状態で車速の減少に伴って行なわれる前記変速伝達手段の変速比の変更の指示であるものとすることもできる。
また、本発明の第1の車両において、前記所定の学習条件は、車速が所定車速未満である条件を含む条件であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関がアイドル運転されている条件と車速が所定車速未満である条件とに基づいてアイドル制御量を学習するか否かを判定することができる。
本発明の第2の車両は、
車軸に動力を出力可能な内燃機関と、
動力を入出力可能な電動機と、
該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量の学習が完了していないときに前記内燃機関がアイドル運転されている条件と車速が所定車速未満である条件とを含む所定の学習条件が成立したときに前記アイドル制御量の学習を行なう学習手段と、
前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了しているとき及び前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立しておらず前記所定の学習条件が成立していないときには前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立したときには前記所定の学習条件が成立しない範囲内で前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立していないときに前記所定の学習条件が成立したときには前記内燃機関のアイドル運転を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の車両では、内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量の学習が完了していないときに内燃機関がアイドル運転されている条件と車速が所定車速未満である条件とを含む所定の学習条件が成立したときに行なわれるアイドル制御量の学習が完了しているとき及びアイドル制御量の学習が完了していない状態で所定の学習条件が成立していないときには、内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って走行に要求される要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。一方、アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立したときには、所定の学習条件が成立しない範囲内で内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する。また、アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立していないときに所定の学習条件が成立したときには、内燃機関のアイドル運転を伴って要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。この場合、アイドル制御量の学習も実行する。即ち、アイドル制御量の学習が完了していない状態では、所定のアイドル運転条件が成立したときには所定の学習条件が成立しない範囲内で内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力を車軸に出力し、所定のアイドル運転条件が成立していないときに所定の学習条件が成立したときには内燃機関のアイドル運転を伴って要求駆動力を車軸に出力し、所定のアイドル運転条件が成立しておらず所定の学習条件が成立していないときには内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力を車軸に出力するのである。これにより、アイドル制御量の学習を適正に行なうことができる。また、アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立したときには、アイドル制御量の学習が行なわれるのを回避することができ、燃費の悪化を抑制することができる。
こうした本発明の第2の車両において、前記所定のアイドル運転条件は、前記内燃機関のアイドル運転を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更する指示がなされている条件であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関のアイドル運転を伴って変速伝達手段の変速比を変更する際に学習条件が成立するのを回避することができる。この場合、前記学習手段は、前記アイドル制御量の学習が完了していないときに前記車速の増減に伴って前記変速伝達手段の変速比の変更の指示がなされているときには、該変速伝達手段の変速比の変更が行なわれる車速未満の車速を前記所定車速として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、アイドル制御量の学習が完了していない状態で車速の増減に伴って変速伝達手段の変速比の変更の指示がなされているときに、所定の学習条件が成立するのを回避することができる。
本発明の第1または第2の車両において、前記内燃機関の出力軸と前記車軸に連結された駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段を備えるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の第1の車両の制御方法は、
車軸に動力を出力可能な内燃機関と、動力を入出力可能な電動機と、該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、を備える車両の制御方法であって、
(a)前記内燃機関がアイドル運転されている条件を含む所定の学習条件に基づいて該内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量を学習するか否かを判定し、
(b)前記判定結果に基づいて前記アイドル制御量の学習を実行し、
(c)前記アイドル制御量を学習しないと判定されたときには前記変速伝達手段の変速比の変更と前記内燃機関の間欠運転とを伴って走行に要求される要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立していないときには車両の走行状態に基づいて前記内燃機関のアイドル運転が許容される範囲内で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立したときには前記判定結果に拘わらずに前記内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の第1の車両の制御方法によれば、内燃機関がアイドル運転されている条件を含む所定の学習条件に基づいて内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量を学習するか否かを判定し、アイドル制御量を学習しないと判定されたときには、変速伝達手段の変速比の変更と内燃機関の間欠運転とを伴って走行に要求される要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。一方、アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立していないときには、車両の走行状態に基づいて内燃機関のアイドル運転が許容される範囲内で内燃機関のアイドル運転の継続を伴って要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。この場合、アイドル制御量の学習も実行する。アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立したときには、判定結果に拘わらずに内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。即ち、アイドル制御量を学習すると判定された状態では、所定の継続解除条件が成立していないときには許容範囲内で内燃機関のアイドル運転を継続し、所定の継続解除条件が成立したときには内燃機関を間欠運転するのである。これにより、アイドル制御量の学習を適正に行なうことができる。また、アイドル制御量を学習すると判定された状態で所定の継続解除条件が成立したときには、内燃機関のアイドル運転を継続するものに比して燃費の悪化を抑制することができる。
本発明の第2の車両の制御方法は、
車軸に動力を出力可能な内燃機関と、動力を入出力可能な電動機と、該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、を備える車両の制御方法であって、
(a)前記内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量の学習が完了していないときに前記内燃機関がアイドル運転されている条件と車速が所定車速未満である条件とを含む所定の学習条件が成立したときに前記アイドル制御量の学習を行ない、
(b)前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了しているとき及び前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立しておらず前記所定の学習条件が成立していないときには前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って走行に要求される要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立したときには前記所定の学習条件が成立しない範囲内で前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立していないときに前記所定の学習条件が成立したときには前記内燃機関のアイドル運転を伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の第2の車両の制御方法によれば、内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量の学習が完了していないときに内燃機関がアイドル運転されている条件と車速が所定車速未満である条件とを含む所定の学習条件が成立したときに行なわれるアイドル制御量の学習が完了しているとき及びアイドル制御量の学習が完了していない状態で所定の学習条件が成立していないときには、内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って走行に要求される要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。一方、アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立したときには、所定の学習条件が成立しない範囲内で内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する。また、アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立していないときに所定の学習条件が成立したときには、内燃機関のアイドル運転を伴って要求駆動力が車軸に出力されるよう内燃機関と電動機と変速伝達手段とを制御する。この場合、アイドル制御量の学習も実行する。即ち、アイドル制御量の学習が完了していない状態では、所定のアイドル運転条件が成立したときには所定の学習条件が成立しない範囲内で内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力を車軸に出力し、所定のアイドル運転条件が成立していないときに所定の学習条件が成立したときには内燃機関のアイドル運転を伴って要求駆動力を車軸に出力し、所定のアイドル運転条件が成立しておらず所定の学習条件が成立していないときには内燃機関の間欠運転と変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力を車軸に出力するのである。これにより、アイドル制御量の学習を適正に行なうことができる。また、アイドル制御量の学習が完了していない状態で所定のアイドル運転条件が成立したときには、アイドル制御量の学習が行なわれるのを回避することができ、燃費の悪化を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、変速機60を介して動力分配統合機構30に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32には変速機60を介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに機械的に連結されている。したがって、リングギヤ32に出力された動力は、ギヤ機構37,デファレンシャルギヤ38を介して駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、共に発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2の一方で発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1とモータMG2とにより電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、共にモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンによりモータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
変速機60は、モータMG2の回転軸48とリングギヤ軸32aとの接続および接続の解除を行なうと共に両軸の接続をモータMG2の回転軸48の回転数を2段に減速してリングギヤ軸32aに伝達可能に構成されている。変速機60の構成の一例を図2に示す。この図2に示す変速機60は、ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bと二つのブレーキB1,B2とにより構成されている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aは、外歯歯車のサンギヤ61と、このサンギヤ61と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ62と、サンギヤ61に噛合する複数の第1ピニオンギヤ63aと、この第1ピニオンギヤ63aに噛合すると共にリングギヤ62に噛合する複数の第2ピニオンギヤ63bと、複数の第1ピニオンギヤ63aおよび複数の第2ピニオンギヤ63bを連結して自転かつ公転自在に保持するキャリア64とを備えており、サンギヤ61はブレーキB1のオンオフによりその回転を自由にまたは停止できるようになっている。シングルピニオンの遊星歯車機構60bは、外歯歯車のサンギヤ65と、このサンギヤ65と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ66と、サンギヤ65に噛合すると共にリングギヤ66に噛合する複数のピニオンギヤ67と、複数のピニオンギヤ67を自転かつ公転自在に保持するキャリア68とを備えており、サンギヤ65はモータMG2の回転軸48に、キャリア68はリングギヤ軸32aにそれぞれ連結されていると共にリングギヤ66はブレーキB2のオンオフによりその回転が自由にまたは停止できるようになっている。ダブルピニオンの遊星歯車機構60aとシングルピニオンの遊星歯車機構60bとは、リングギヤ62とリングギヤ66、キャリア64とキャリア68とによりそれぞれ連結されている。変速機60は、ブレーキB1,B2を共にオフとすることによりモータMG2の回転軸48をリングギヤ軸32aから切り離すことができ、ブレーキB1をオフとすると共にブレーキB2をオンとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的大きな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達し(以下、この状態をLoギヤの状態という)、ブレーキB1をオンとすると共にブレーキB2をオフとしてモータMG2の回転軸48の回転を比較的小さな減速比で減速してリングギヤ軸32aに伝達する(以下、この状態をHiギヤの状態という)。ブレーキB1,B2を共にオンとする状態は回転軸48やリングギヤ軸32aの回転を禁止するものとなる。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70からは、変速機60のブレーキB1,B2の図示しないアクチュエータへの駆動信号などが出力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作について説明する。図3は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,変速機60の現在のギヤ比Grなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、変速機60の現在のギヤ比Grは、モータMG2の回転数Nm2をリングギヤ軸32aの回転数Nrで除することにより求めることができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めることができる。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*と車両に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図4に要求トルク設定用マップの一例を示す。車両要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。
続いて、エンジン22のアイドル運転の制御量を学習する学習条件(以下、アイドル制御量の学習条件という)が成立しているか否かを判定する(ステップS120,S130)。学習条件が成立しているか否かの判定は、具体的には、アイドル運転判定フラグFの値を調べると共に(ステップS120)、車速Vを閾値Vrefと比較することにより行なわれ(ステップS130)、アイドル運転判定フラグFが値1であり且つ車速Vが閾値Vref未満のときに学習条件が成立していると判定される。ここで、アイドル運転判定フラグFは、初期値として値0が設定されると共にエンジン22をアイドル運転するときに後述するステップS250で値1が設定されるフラグである。また、閾値Vrefは、エンジン22の特性などにより定められ、例えば、55km/hや60km/hなどに設定することができる。
次に、アイドル制御量の学習条件が成立しているか否かに拘わらず、変速機60の変速指示がなされているか否かについて判定する(ステップS140,S290)。変速機60の変速指示は、例えば、車速Vと要求トルクTr*とに基づいて予め定められたタイミングで行なうものとすることができる。実施例では、説明の容易のために、変速機60の変速指示を車速Vに基づいて行なうものとし、変速指示がなされる車速は、変速機60をLoギヤの状態からHiギヤの状態に変更するアップシフトのときには前述した閾値Vrefより大きい車速(例えば、80km/hや90km/hなど)を用いるものとし、変速機60をHiギヤの状態からLoギヤの状態に変更するダウンシフトのときには閾値Vrefより小さい車速(例えば、45km/hや50km/hなど)を用いるものとした。以下では、まず、変速機60の変速指示がなされていないときについて説明し、その後に変速機60の変速指示がなされているときについて説明する。
ステップS120,S130でアイドル制御量の学習条件が成立していないと判定されたときであって、ステップS140で変速機60の変速指示がなされていないと判定されたときには、要求パワーPe*を閾値Prefと比較する(ステップS150)。ここで、閾値Prefは、エンジン22の特性などにより定められ、エンジン22を効率よく運転可能なパワーの下限値などに設定される。要求パワーPe*が閾値Pref以上のときには、要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し(ステップS160)、アイドル運転判定フラグFに値0を設定する(ステップS170)。目標回転数Ne*と目標トルクTe*の設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定することにより行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*と駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数Nr(=V・k)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を計算する(ステップS180)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルク(以下、このトルクを直達トルクTerという)と、モータMG2から出力されるトルクTm2*が変速機60を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-V・k/ρ (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρと変速機60の現在のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm2*を式(3)により計算する(ステップS270)。ここで、式(3)は、前述した図6の共線図から容易に導き出すことができる。
Tm2*=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS280)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。この場合、エンジン22からの直達トルクTerと変速機60を介してモータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクとにより要求トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力される。
ステップS150で要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには、エンジンECU24から入力されるエンジン22の運転状態に関するデータに基づいてエンジン22が運転されているか否かを判定し(ステップS190)、エンジン22が運転されていると判定されたときには、要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間が経過したか否かを判定し(ステップS200)、所定時間が経過していないと判定されたときには、エンジン22がアイドル運転されるようエンジン22の目標回転数Ne*にアイドル回転数Nidを設定すると共に目標トルクTe*に値0を設定し(ステップS240)、アイドル運転判定フラグFに値1を設定し(ステップS250)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS260)、前述したステップS270以降の処理を実行する。この場合、エンジン22がアイドル運転されると共にモータMG2から駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が出力される。ここで、所定時間は、エンジン22のアイドル運転を継続する時間として設定され、例えば、2秒や3秒などに設定される。こうしてアイドル運転フラグFに値1が設定されると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS120でアイドル運転判定フラグFは値1であるから、ステップS130の車速Vと閾値Vrefとの比較によりアイドル制御量の学習条件が成立しているか否かを判定することになる。
車速Vが閾値Vref以上のときには、アイドル制御量の学習条件は成立していないと判定される。いま、変速機60の変速指示がなされていないときであって要求パワーPe*が閾値Pref未満でありエンジン22が運転されているときを考えているから(ステップS140,S150,S190)、ステップS200で要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間が経過していないと判定されたときには前述したステップS240以降の処理を実行する。この場合、エンジン22のアイドル運転は継続される。一方、所定時間が経過したと判定されたときには、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定し(ステップS210)、アイドル運転判定フラグFに値0を設定し(ステップS220)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS230)、前述したステップS270以降の処理を実行する。値0の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22を停止する。この場合、エンジン22が停止されると共にモータMG2から変速機60を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*が出力される。こうしてエンジン22が停止され、ステップS220でアイドル運転判定フラグFに値0が設定されると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS120でアイドル運転判定フラグFが値0であるから、アイドル制御量の学習条件は成立していないと判定される。また、このときには、ステップS190でエンジン22が運転されていない、即ちエンジン22は停止されていると判定され、前述したステップS210以降の処理を実行する。この場合、エンジン22の停止状態は保持される。このように、実施例では、要求パワーPe*が閾値Pref未満となりエンジン22がアイドル運転されたときにアイドル制御量の学習条件が成立しないときには、要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間に亘ってエンジン22のアイドル運転を継続した後にエンジン22を停止するものとした。
一方、車速Vが閾値Vref未満のときには、アイドル制御量の学習条件が成立していると判定される。いま、変速機60の変速指示がなされていないときを考えているから(ステップS290)、アイドル制御量の学習が完了したか否かを判定し(ステップS350)、学習が完了していないと判定されたときには、要求トルクTr*を閾値Trefと比較する(ステップS360)。ここで、閾値Trefは、アイドル運転の制御量の学習を継続可能か否かを判定するために用いられるものであり、例えば、モータMG2から出力可能なトルクの上限近傍の値として設定される。したがって、ステップS360の要求トルクTr*と閾値Trefとの比較は、要求トルクTr*をモータMG2からだけで出力しつつエンジン22をアイドル運転することができるか否か、即ちエンジン22のアイドル運転が許容されるか否かを判定するものである。要求トルクTr*が閾値Tref未満のときには、エンジン22のアイドル運転が許容されると判断し、アイドル運転の制御量の学習が行なわれるようエンジンECU24に学習の指示を行ない(ステップS370)、前述したステップS240以降の処理を実行する。この場合、エンジン22のアイドル運転は継続される。また、学習の指示を受信したエンジンECU24は、エンジン22のアイドル回転数を目標アイドル回転数にするのに必要な制御量(例えば、図示しないスロットルバルブのスロットル開度など)の学習を行ない、その値を記憶して次回以降のエンジン22のアイドル運転時の制御に用いる。
ステップS350でアイドル制御量の学習が完了したと判定されたときには、前述したステップS150以降の処理を実行する。いま、要求パワーPe*が閾値Pref未満となりエンジン22がアイドル運転されることによりアイドル制御量の学習条件が成立して学習が行なわれたときを考えているから、通常、学習が完了したときには、要求パワーPe*は閾値Pref未満でありエンジン22は運転されている(ステップS150,S190)。したがって、ステップS200で要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間が経過していないと判定されたときには前述したステップS240以降の処理を実行し、所定時間が経過したと判定されたときには前述したステップS210以降の処理を実行する。前者の場合にはエンジン22のアイドル運転が継続され、後者の場合にはエンジン22は停止される。なお、アイドル制御量の学習が完了するまでの時間より短い時間を所定時間として用いる場合には、ステップS350で学習が完了したと判定されたときにステップS200で所定時間も経過していると判定され、エンジン22は停止される(ステップS210)。こうしてエンジン22が停止され、ステップS220でアイドル運転判定フラグFに値0が設定されると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS120でアイドル運転判定フラグFが値0であるから、アイドル制御量の学習条件は成立していないと判定される。また、このときには、ステップS190でエンジン22が運転されていない、即ちエンジン22は停止されていると判定され、前述したステップS210以降の処理を実行する。この場合、エンジン22の停止状態は保持される。このように、アイドル制御量の学習条件が成立している状態で変速機60の変速指示がなされていないときには、アイドル制御量の学習が完了していないときや要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間が経過していないときにはエンジン22のアイドル運転が許容される許容範囲内でアイドル運転を継続し、アイドル制御量の学習が完了し且つ所定時間が経過したときにエンジン22を停止するのである。したがって、学習が完了するまで許容範囲内でアイドル運転を継続するから、エンジン22のアイドル運転の制御量の学習を適正に行なうことができ、次回のエンジン22のアイドル運転を良好なものとすることができる。
ステップS360で要求トルクTr*が閾値Tref以上のとき、即ちアイドル制御量の学習条件が成立しているにも拘わらず学習が完了する前に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに比較的大きなトルクが要求されたときには、前述したステップS160以降の処理を実行する。この場合、エンジン22からの直達トルクTerとモータMG2から変速機60を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクとにより要求トルクTr*に対応することになる。こうしてステップS170でアイドル運転判定フラグFに値0が設定されると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS120でアイドル運転判定フラグFが値0であることによりアイドル制御量の学習条件は成立していないと判定される。このように、アイドル制御量の学習を行なっている最中に要求トルクTr*が閾値Tref以上になったときには、エンジン22のアイドル運転およびアイドル制御量の学習を中止してエンジン22からトルクを出力することにより、エンジン22からの直達トルクTerとモータMG2から変速機60を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力されるトルクとにより要求トルクTr*に対応することができる。
次に、変速機60の変速指示がなされているときについて説明する。ステップS120,S130でアイドル制御量の学習条件が成立していないと判定されたときであって、ステップS140で変速機60の変速指示がなされていると判定されたときには、変速中か否かを判定し(ステップS300)、変速中でないと判定されたときには、変速処理の開始を指示する(ステップS310)。変速処理の開始が指示されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、図3の駆動制御ルーチンと並行して図示しない変速処理ルーチンを実行することにより変速機60の変速段の変更する。変速段の変更は、具体的には、アップシフトのときにはブレーキB1がオフでブレーキB2がオンの状態からブレーキB1がオンでブレーキB2がオフの状態に変更されるよう図示しない油圧式のアクチュエータを駆動制御することにより行ない、ダウンシフトのときにはブレーキB1がオンでブレーキB2がオフの状態からブレーキB1がオフでブレーキB2がオンの状態に変更されるよう油圧式のアクチュエータを駆動制御することにより行なう。
次に、変速機60の変速指示がダウンシフトの指示であるか否かを判定し(ステップS320)、変速指示がダウンシフトの指示でない、即ちアップシフトの指示であると判定されたときには、前述したステップS150以降の処理を実行する。ここで、アップシフトの指示がなされる車速(例えば、80km/hや90km/hなど)には、前述したように、閾値Vref(例えば、55km/hや60km/hなど)より大きい車速を用いるものとしたから、ステップS120,S130でアイドル制御量の学習条件は成立しない。したがって、アップシフトが行なわれている最中には、アイドル制御量の学習は行なわれない。アップシフトが完了した後には、ステップS140で変速指示がなされていないと判定される。
一方、ステップS320で変速機60変速指示がダウンシフトの指示であると判定されたときには、エンジン22が運転されているか否かを判定し(ステップS330)、エンジン22が運転されていると判定されたときには変速機60のダウンシフトが完了したか否かを判定する(ステップS340)。エンジン22が運転されていてダウンシフトが完了していないと判定されたときには、前述したステップS240以降の処理を実行する。この場合、エンジン22がアイドル運転された状態でモータMG2から変速機60を介して要求トルクTr*を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力しながら変速機60のダウンシフトが行なわれる。こうしてステップS250でアイドル運転判定フラグFに値1が設定されると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS120でアイドル運転判定フラグFは値1であるからステップS130の車速Vと閾値Vrefとの比較によりアイドル制御量の学習条件が成立しているか否かを判定することになるが、前述したように、変速機60のダウンシフトの指示がなされる車速(例えば、45km/hや50km/hなど)には閾値Vrefより小さい車速を用いるものとしたため、学習条件は成立していると判定される。
ステップS120,S130で学習条件が成立していると判定されたときには、変速機60の変速指示がなされているか否かを判定する(ステップS290)。いま、変速機60の変速指示がなされているときを考えているから、前述したステップS300以降の処理を実行する。エンジン22がアイドル運転されている状態でダウンシフトを行なっているときを考えれば、ダウンシフトが完了していないときには、前述したステップS240以降の処理を実行することになる。したがって、学習条件の成立に拘わらず、アイドル制御量の学習は行なわない。そして、ダウンシフトが完了したときには、要求パワーPe*を閾値Prefと比較し(ステップS380)、要求パワーPe*が閾値Pref以上のときには、前述したステップS160〜S180の処理と同様に、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定すると共にアイドル運転判定フラグFに値0を設定すると共にモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS390)、前述したステップS270以降の処理を実行する。一方、要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定し(ステップS400)、アイドル運転判定フラグFに値0を設定し(ステップS410)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS420)、ステップS270以降の処理を実行する。こうして、要求パワーPe*に応じてエンジン22が運転または停止されると共にアイドル運転判定フラグFに値0が設定されると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS120でアイドル運転判定フラグFは値0であるから、アイドル制御量の学習条件は成立していないと判定される。また、このときには、ダウンシフトも完了しているから、ステップS140で変速機60の変速指示はなされていないと判定される。そして、要求パワーPe*に応じてエンジン22は間欠運転されることになる。
このように、エンジン22が運転されている状態で変速機60のダウンシフトの指示がなされてエンジン22がアイドル運転されることによりアイドル制御量の学習条件が成立したときには、学習条件の成立に拘わらず、学習を行なうことなく、エンジン22をアイドル運転しながら変速機60をダウンシフトすると共にダウンシフトが完了した後には要求パワーPe*に応じてエンジン22を間欠運転するから、ダウンシフトの際に学習条件が成立したときに学習が完了するまでエンジン22のアイドル運転を継続するものに比してより迅速にエンジン22を間欠運転することができる。これにより、燃費の悪化を抑制することができる。
なお、ステップS320で変速機60の変速指示がダウンシフトであると判定されたときに、ステップS330でエンジン22は停止されていると判定されたときには、要求パワーPe*が閾値Pref未満であり(ステップS150)、エンジン22をアイドル運転しながらダウンシフトを行なう必要はないから、エンジン22を停止した状態(ステップS210)でダウンシフトを行なえばよい。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、アイドル運転の制御量を学習する学習条件が成立しているときに変速機60のダウンシフトの指示がなされているときには、学習条件の成立に拘わらず、学習を実行することなく、ダウンシフトが完了するまでエンジン22をアイドル運転すると共にダウンシフトが完了した後には要求パワーPe*に応じてエンジン22を間欠運転するから、学習が完了するまでエンジン22のアイドル運転を継続するものに比して燃費の悪化を抑制することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22のアイドル運転の制御量を学習する学習条件が成立しているときに変速機60の変速指示がなされていないときには、要求トルクTr*が閾値Tref未満のときに学習が完了するまでエンジン22のアイドル運転を継続するから、学習を適正に行なうことができる。この結果、次回にエンジン22をアイドル運転する際にアイドル運転をより適正に行なうことができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、アイドル制御量の学習条件が成立しているときにダウンシフトの指示がなされているときにはエンジン22をアイドル運転しながらダウンシフトを行なうと共にダウンシフトが完了した後にはエンジン22を間欠運転するものとしたが、ダウンシフトの指示に限られず、アイドル制御量の学習条件が成立しているときであって学習を行なわない所定の条件が成立しているときには学習条件の成立に拘わらず学習を行なうことなくエンジン22を間欠運転するものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、アイドル運転判定フラグFの値と車速Vとを用いてアイドル制御量の学習条件が成立しているか否かを判定するものとしたが、車速Vに拘わらず、アイドル運転判定フラグFの値だけを用いて学習条件が成立しているか否かを判定するものとしてもよい。また、車速Vに代えてまたは加えて、エンジン22の冷却水温Twなど他の要件も用いて学習条件が成立しているか否かを判定するものとしてもよい。この場合、例えば、アイドル運転判定フラグFとエンジン22の冷却水温Twとを用いて学習条件が成立しているか否かを判定するものとしてもよいし、アイドル運転判定フラグFと車速Vとエンジン22の冷却水温Twとを用いて学習条件が成立しているか否かを判定するものとしてもよい。
次に、本発明の第2の実施例であるハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、第1実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成をしている。したがって、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハード構成については、重複する説明を回避するため、第1実施例のハイブリッド自動車20と同一の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、図3の駆動制御ルーチンに代えて図7の駆動制御ルーチンを実行する。この駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、図3の駆動制御ルーチンのステップS100,S110と同様に、アクセル開度Accや車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,変速機60の現在のギヤ比Grなど制御に必要なデータを入力すると共に入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*と要求パワーPe*とを設定する(ステップS500,S510)。
続いて、アイドル制御量の学習が完了しているか否かを判定し(ステップS520)、アイドル制御量の学習が完了していると判定されたときには、変速機60の変速指示がなされているか否かを判定し(ステップS530)、変速指示がなされていないと判定されたときは、要求パワーPe*を閾値Prefと比較し(ステップS540)、要求パワーPe*が閾値Pref以上のときには、図3の駆動制御ルーチンのステップS160〜S180,S270,S280の処理と同様に、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定し(ステップS550)、アイドル運転判定フラグFに値0を設定し(ステップS560)、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定し(ステップS570,S660)、エンジン22の目標回転数Ne*夜目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をエンジンECU24およびモータECU40に送信して(ステップS670)、駆動制御ルーチンを終了する。なお、変速機60の変速指示がなされる条件は、第1実施例と同一の条件を用いるものとした。即ち、変速機60がLoギヤの状態のときには閾値Vrefより大きい車速(例えば、80km/hや90km/hなど)でアップシフトの指示がなされ、変速機60がHiギヤの状態のときには閾値Vrefより小さい車速(例えば、45km/hや50km/hなど)でダウンシフトの指示がなされるものとした。
ステップS540で要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには、エンジン22が運転されているか否かを判定し(ステップS580)、エンジン22が運転されていると判定されたときには要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS590)。ここで、所定時間は、第1実施例の所定時間と同一の時間を用いるものとした。エンジン22が運転されていると判定されたときであって要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間が経過していないと判定されたときには、エンジン22の目標回転数Ne*にアイドル回転数Nidを設定すると共に目標トルクTe*に値0を設定し(ステップS630)、アイドル運転判定フラグFに値1を設定し(ステップS640)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS650)、ステップS660以降の処理を実行する。一方、エンジン22が運転されていないと判定されたときや(ステップS580)、エンジン22が運転されていると判定されたときであって要求パワーPe*が閾値Pref未満になってから所定時間が経過したと判定されたときには、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定し(ステップS600)、アイドル運転範囲フラグFに値0を設定し(ステップS610)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS620)、ステップS660以降の処理を実行する。このように、アイドル制御量の学習が完了しているときに変速機60の変速指示がなされていないときには、エンジン22の間欠運転を伴って要求トルクTr*を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力している。
ステップS530で変速機60の変速指示がなされていると判定されたときには、変速中か否かを判定し(ステップS750)、変速中でないと判定されたときには、変速処理の開始を指示する(ステップS760)。変速処理の指示がなされると、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、駆動制御ルーチンと並行して図示しない変速処理ルーチンを実行することにより変速機60の変速段を変更する。
続いて、変速機60の変速指示がダウンシフトの指示であるか否かを判定すると共に(ステップS770)、ダウンシフトの指示でない、即ちアップシフトの指示であると判定されたときには、エンジン22が運転されているか否かを判定し(ステップS780)、変速指示がアップシフトの指示であると判定されたときや、変速指示がダウンシフトの指示であると判定されたときにエンジン22が運転されていないと判定されたときには、前述したステップS540以降の処理を実行する。そして、変速機60の変速段の変更が完了すると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS530で変速機60の変速指示はなされていないと判定される。
ステップS770,S780で変速機60の変速指示がダウンシフトの指示であると判定され且つエンジン22が運転されていると判定されたときには、ダウンシフトが完了したか否かを判定し(ステップS790)、ダウンシフトが完了していないと判定されたときには、前述したステップS630以降の処理を実行する。この場合、エンジン22はアイドル運転される。一方、ダウンシフトが完了したと判定されたときには、要求パワーPe*を閾値Prefと比較し(ステップS800)、要求パワーPe*が閾値Pref以上のときには、前述したステップS550〜S570と同様にエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定すると共にアイドル運転判定フラグFに値0設定すると共にモータMG1のトルク指令Tm1*を設定し(ステップS810)、ステップS660以降の処理を実行する。ステップS800で要求パワーPe*が閾値Pref未満のときには前述したステップS600〜S620と同様にエンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に共に値0を設定すると共にアイドル運転判定フラグFに値0設定すると共にモータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS820)、ステップS660以降の処理を実行する。この場合、要求パワーPe*に応じてエンジン22は運転または停止される。こうしてダウンシフトが完了すると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときには、ステップS530で変速機60の変速指示はなされていないと判定される。そして、要求パワーPe*に応じてエンジン22は間欠運転されることになる。このように、アイドル制御量の学習が完了している状態でエンジン22が運転されているときに変速機60のダウンシフトの指示がなされているときには、エンジン22をアイドル運転しながらダウンシフトが行なわれ、ダウンシフトが完了した後にはエンジン22は間欠運転される。もとより、要求トルクTr*を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力している。
ステップS520でアイドル制御量の学習が完了していないと判定されたときには、変速機60の変速指示がなされているか否かを判定し(ステップS680)、変速指示がなされていないと判定されたときには、図3の駆動制御ルーチンのステップS120,S130と同様に、アイドル運転判定フラグFの値を調べると共に車速Vを閾値Vrefと比較することによりアイドル制御量の学習条件が成立しているか否かを判定し(ステップS690,S700)、学習条件が成立していないと判定されたときには、前述したステップS540以降の処理を実行する。この場合、エンジン22は間欠運転される。一方、学習条件が成立していると判定されたときには、エンジンECU24に学習の指示を行ない(ステップS710)、前述したステップS630以降の処理を実行する。この場合、エンジン22はアイドル運転される。また、学習の指示を受信したエンジンECU24は、エンジン22のアイドル回転数を目標アイドル回転数にするのに必要な制御量(例えば、図示しないスロットルバルブのスロットル開度など)の学習を行ない、その値を記憶して次回以降のエンジン22のアイドル運転時の制御に用いる。このように、アイドル制御量の学習が完了していない状態で変速機60の変速指示がなされていないときには、エンジン22がアイドル運転されている条件と車速Vが閾値Vref未満である条件とが成立することにより学習条件が成立したときにエンジン22をアイドル運転しながらアイドル制御量の学習を行なうことにより、学習を適正に行なうことができ、次回のエンジン22のアイドル運転を良好なものとすることができる。こうしてアイドル制御量の学習が完了すると、次回にこの駆動制御ルーチンが実行されたときに、ステップS520で学習が完了していると判定される。
ステップS680で変速機60変速指示がなされていると判定されたときには、アイドル運転判定フラグFの値を調べると共に車速Vを前述した閾値Vrefより小さい閾値Vrefと比較することによりアイドル制御量の学習条件が成立しているか否かを判定する(ステップS720,S730)、学習条件が成立していると判定されたときにエンジンECU24に学習を指示し(ステップS740)、前述したステップ750以降の処理を実行する。ここで、閾値Vref2は、第2実施例では、アップシフトおよびダウンシフトが行なわれるときの車速よりも小さい車速に設定するものとした。いま、アイドル制御量の学習が完了していないときに変速機60のダウンシフトの指示がなされているときを考える。第2実施例では、ダウンシフトの指示は、変速指示がなされていないときに学習条件が成立しているか否かの判定に用いられる閾値Vref(例えば、55km/hや60km/hなど)より小さい車速(例えば、45km/hや50km/hなど)でなされるから、変速指示がなされていないときと同様の閾値Vrefを用いて学習条件が成立しているか否かを判定すると、ダウンシフトに伴ってエンジン22がアイドル運転されたときに学習条件が成立してしまい、学習が完了するまでエンジン22のアイドル運転を継続すると、燃費の悪化を招いてしまう。一方、ダウンシフトの指示がなされているときにダウンシフトが行なわれる車速より小さい車速を閾値Vref2として用いて学習条件が成立しているか否かを判定すれば、ダウンシフトの際にエンジン22をアイドル運転しても学習条件が成立するのを回避することができる。即ち、学習条件の成立しない範囲内でダウンシフトを行なうことができる。この結果、燃費の悪化を抑制することができる。なお、アップシフトの指示がなされているときには、エンジン22は通常アイドル運転されず且つ変速指示がなされる車速(例えば、80km/hや90km/hなど)も閾値Vrefより大きいため、学習条件は成立しない。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、アイドル運転の制御量であるアイドル制御量の学習が完了していないときに変速機60の変速指示がなされているときには、アイドル制御量の学習条件が成立しない範囲内で変速機60の変速段を変更するから、変速段を変更する際にアイドル制御量の学習が行なわれるのを回避することができる。この結果、燃費の悪化を抑制することができる。
また、第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、アイドル制御量の学習が完了していない状態で変速機60の変速指示がなされていないときには、エンジン22がアイドル運転されている条件と車速Vが閾値Vref未満である条件とが成立することにより学習条件が成立したときにエンジン22をアイドル運転しながらアイドル制御量の学習を行なうことにより、学習を適正に行なうことができ、次回にエンジン22のアイドル運転を良好なものとすることができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、アイドル制御量の学習が完了していないときに変速機60の変速指示がなされているときには、アップシフトおよびダウンシフトが行なわれるときの車速よりも小さい車速を閾値Vref2として用いることにより、変速機60の変速段を変更する際にアイドル制御量の学習条件が成立しないようにするものとしたが、これに限られず、学習条件が成立しない範囲内で変速機60の変速段を変更するものであればよい。例えば、ダウンシフトの際にエンジン22をアイドル運転する場合を考えたときには、変速機60がHiギヤの状態のときに、アイドル制御量の学習が完了しているときには車速Vが閾値Vref(例えば、55km/hや60km/hなど)より小さい車速(例えば、45km/hや50km/hなど)でダウンシフトの指示およびダウンシフトを行ない、アイドル制御量の学習が完了していないときには車速Vが閾値Vref(例えば、55km/hや60km/hなど)より大きい車速(例えば、70km/hや75km/hなど)でダウンシフトの指示およびダウンシフトを行なうものとしてもよい。この場合でも、ダウンシフトに伴ってエンジン22がアイドル運転されたときに学習条件が成立するのを回避することができ、燃費の悪化を抑制することができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、変速機60変速指示がなされているときには、その指示がアップシフトの指示かダウンシフトの指示かに拘わらずアイドル制御量の学習条件が成立しているか否かを判定するために閾値Vref2を用いるものとしたが、アップシフトの指示のときとダウンシフトの指示のときとで異なる閾値を用いるものとしてもよい。例えば、アップシフトの指示のときには閾値Vrefを用い、ダウンシフトの指示のときには閾値Vref2を用いるものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、アイドル運転判定フラグFの値と車速Vとを用いてアイドル制御量の学習条件が成立しているか否かを判定するものとしたが、これに加えて、エンジン22の冷却水温Twなど他の要件も用いて学習条件が成立しているか否かを判定するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、モータMG2の動力を変速機60により変速して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪39a,39bが接続された車軸)とは異なる車軸(図8における車輪39c,39dに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪39a,39bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪39a,39bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例では、本発明の実施の形態をハイブリッド自動車20を用いて説明したが、自動車以外の列車などの車両の形態としてもよく、車両の制御方法の形態としても構わない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示した構成図である。 変速機60の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 第2実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,20B,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、37 ギヤ機構、38 デファレンシャルギヤ、39a,39b,39c,39d 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、48 回転軸、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 変速機、60a ダブルピニオンの遊星歯車機構、60b シングルピニオンの遊星歯車機構、61,65 サンギヤ、62,66 リングギヤ、63a 第1ピニオンギヤ、63b 第2ピニオンギヤ、64,68 キャリア、67 ピニオンギヤ、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ、B1,B2 ブレーキ。

Claims (10)

  1. 車軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    動力を入出力可能な電動機と、
    該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記内燃機関がアイドル運転されている条件を含む所定の学習条件に基づいて該内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量を学習するか否かを判定する学習判定手段と、
    前記学習判定手段による判定結果に基づいて前記アイドル制御量の学習を実行する学習実行手段と、
    前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習しないと判定されたときには前記変速伝達手段の変速比の変更と前記内燃機関の間欠運転とを伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習すると判定された状態で前記変速伝達手段の変速比の所定の変更の指示がなされている所定の継続解除条件が成立していないときには車両の走行状態に基づいて前記内燃機関のアイドル運転が許容される範囲内で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習すると判定された状態で前記所定の継続解除条件が成立したときには前記学習判定手段の判定結果に拘わらずに前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力された状態で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されると共に該変速伝達手段の変速比の変更が完了した後は前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する制御手段と、
    を備える車両。
  2. 前記所定の変更の指示は、前記内燃機関が運転されている状態で車速の減少に伴って行なわれる前記変速伝達手段の変速比の変更の指示である請求項記載の車両。
  3. 前記所定の学習条件は、車速が所定車速未満である条件を含む条件である請求項1または2記載の車両。
  4. 車軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    動力を入出力可能な電動機と、
    該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量の学習が完了していないときに前記内燃機関がアイドル運転されている条件と車速が所定車速未満である条件とを含む所定の学習条件が成立したときに前記アイドル制御量の学習を行なう学習手段と、
    前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了しているとき及び前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で前記内燃機関のアイドル運転を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更する指示がなされている所定のアイドル運転条件が成立しておらず前記所定の学習条件が成立していないときには前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で前記所定のアイドル運転条件が成立したときには前記所定の学習条件が成立しない範囲内で前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で前記所定のアイドル運転条件が成立していないときに前記所定の学習条件が成立したときには前記内燃機関のアイドル運転を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する制御手段と、
    を備える車両。
  5. 前記学習手段は、前記アイドル制御量の学習が完了していないときに前記車速の増減に伴って前記変速伝達手段の変速比の変更の指示がなされているときには、該変速伝達手段の変速比の変更が行なわれる車速未満の車速を前記所定車速として設定する手段である請求項記載の車両。
  6. 前記内燃機関の出力軸と前記車軸に連結された駆動軸とに接続され、電力と動力の入出力を伴って該内燃機関からの動力の少なくとも一部を前記駆動軸に出力する電力動力入出力手段を備える請求項1ないし5いずれか記載の車両。
  7. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項記載の車両。
  8. 車軸に動力を出力可能な内燃機関と、
    動力を入出力可能な電動機と、
    該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記内燃機関がアイドル運転されている条件を含む所定の学習条件に基づいて該内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量を学習するか否かを判定する学習判定手段と、
    前記学習判定手段による判定結果に基づいて前記アイドル制御量の学習を実行する学習実行手段と、
    前記変速伝達手段の変速比の変更を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する制御手段と、
    を備える車両であって、
    前記制御手段は、前記学習判定手段によりアイドル制御量を学習すると判定された状態で前記変速伝達手段の変速比の所定の変更の指示がなされている場合には、前記学習判定手段の判定結果に拘わらずに前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力された状態で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されると共に該変速伝達手段の変速比の変更が完了した後は前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力が前記車軸に出力されるよう制御する手段である、
    車両。
  9. 車軸に動力を出力可能な内燃機関と、動力を入出力可能な電動機と、該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、を備える車両の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関がアイドル運転されている条件を含む所定の学習条件に基づいて該内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量を学習するか否かを判定し、
    (b)前記判定結果に基づいて前記アイドル制御量の学習を実行し、
    (c)前記アイドル制御量を学習しないと判定されたときには前記変速伝達手段の変速比の変更と前記内燃機関の間欠運転とを伴って走行に要求される要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記アイドル制御量を学習すると判定された状態で前記変速伝達手段の変速比の所定の変更の指示がなされている所定の継続解除条件が成立していないときには車両の走行状態に基づいて前記内燃機関のアイドル運転が許容される範囲内で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記アイドル制御量を学習すると判定された状態で前記所定の継続解除条件が成立したときには前記判定結果に拘わらずに要求駆動力が前記車軸に出力された状態で前記内燃機関のアイドル運転の継続を伴って前記変速伝達手段の変速比が変更されると共に該変速伝達手段の変速比の変更が完了した後は前記内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する、
    車両の制御方法。
  10. 車軸に動力を出力可能な内燃機関と、動力を入出力可能な電動機と、該電動機の回転軸と前記車軸との動力の伝達を変速比の変更を伴って行なう変速伝達手段と、を備える車両の制御方法であって、
    (a)前記内燃機関のアイドル運転の制御量であるアイドル制御量の学習が完了していないときに前記内燃機関がアイドル運転されている条件と車速が所定車速未満である条件とを含む所定の学習条件が成立したときに前記アイドル制御量の学習を行ない、
    (b)前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了しているとき及び前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で前記内燃機関のアイドル運転を伴って前記変速伝達手段の変速比を変更する指示がなされている所定のアイドル運転条件が成立しておらず前記所定の学習条件が成立していないときには前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って走行に要求される要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で前記所定のアイドル運転条件が成立したときには前記所定の学習条件が成立しない範囲内で前記内燃機関の間欠運転と前記変速伝達手段の変速比の変更とを伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御し、前記学習手段による前記アイドル制御量の学習が完了していない状態で前記所定のアイドル運転条件が成立していないときに前記所定の学習条件が成立したときには前記内燃機関のアイドル運転を伴って要求駆動力が前記車軸に出力されるよう前記内燃機関と前記電動機と前記変速伝達手段とを制御する、
    車両の制御方法。
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