JP2008296764A - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】加速時になるべくEGRを継続することにより燃費の改善を図りつつ、加速感を悪化させないハイブリッド車両を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両1は、吸気に排気の一部を戻すこと(EGR)が可能なエンジン2と、モータジェネレータMG1と、車輪を駆動するための駆動軸42と、回転軸46,44、および駆動軸42に結合され、動力を分配するプラネタリギヤ16と、制御装置14とを備える。制御装置14は、車速が所定のしきい値以上である場合には、加速要求を検出すると、EGR状態を維持したまま加速処理を行なう第1の制御を実行し、車速が所定のしきい値未満である場合には、加速要求を検出すると、EGR状態を一時中断して加速処理を行なう第2の制御を実行する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ハイブリッド車両に関し、特に、排気ガス再循環装置を備えたハイブリッド車両に関する。
排気中の窒素酸化物(NOx)の生成量を低減させるため、排気ガス再循環装置(以下、EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置と称する)を備えた内燃機関が導入されている。EGR装置は、排気の一部を吸気系に戻し、混合気が燃焼する時の最高温度を低くしてNOxの生成量を抑える装置である。
一方、近年エンジンにモータを組み合わせ、走行するハイブリッド車両が実用化されている。特開2002−147287号公報(特許文献1)は、EGR装置を備えたハイブリッド車両について開示する。このハイブリッド車両は、減速時にエンジンへの燃料供給を停止するときには、エンジンに排気ガスを還流させる方向にEGR装置を駆動して、排気ガスをエンジンの吸気側へ還流させ、その後、ブレーキが非作動状態であることが検出されたときにはエンジンへの排気ガスの還流を抑制する方向にEGR装置を駆動する。
特開2002−147287号公報 特開2004−204778号公報 特開2005−320941号公報 特開2006−9601号公報
近年、環境にやさしい車両として、モータとエンジンを車両の駆動に併用するハイブリッド自動車が開発され、実用化されている。
ハイブリッド車両では、シフト位置、アクセル開度および車速に基づき、車軸での駆動要求トルクがマップから求められる。そしてその車軸での駆動要求トルクに車軸回転数が乗算されて駆動要求出力(パワー)が算出され、そのパワーにバッテリに対する充電要求に基づくパワーが加算されトータル出力(要求値)が算出される。
このトータル出力(目標値)が決定されると、それに対応するエンジン出力(要求値)を出力するための最適な運転条件(目標エンジン回転数)がエンジン動作線上で決定される。エンジン動作線と等エンジンパワー線との交点が目標エンジン回転数と目標エンジントルクとなる。なお、エンジン動作線は、HV動作線とも称される。
エンジン制御部は、上記のように決定されたエンジン出力(要求値)と目標エンジン回転数を実現するように、燃料噴射、点火時期、電子スロットル、VVT−i(吸気側可変バルブタイミング)制御等を行なう。
運転者のアクセルペダル操作等によって加速要求が入力されるとエンジン出力(要求値)が増加する。したがって、エンジン制御部は、通常は、エンジン動作線上をエンジン出力(要求値)を増加させる方向にエンジンの動作点を移動させる。
ところで、エンジンの運転にEGR(吸気への排気ガス還流)を行なうことで、燃焼温度が下がりNOxが低減するとともに、燃費も改善されることが知られている。燃費の改善は、燃焼温度が下がることにより、ノック限界点火時期が進角側に移動するので、MBT(Minimum spark advance for Best Torque)に点火時期を一致させることが可能になることが1つの要因と考えられる。
排気ガスを再循環させることで、中負荷以上の運転条件では燃費が改善される。これは、排気ガスの再循環により、燃焼温度が下がり、ノック限界点火時期(トレースノック点)が進角側に移行することに関係がある。このことについて図を用いて説明する。
図23は、排気ガス再循環なしの場合のエンジン出力トルクと点火時期との関係を示した図である。なお、図23には「外部EGRなし」と記載されている。排気ガスを吸気に混入させるには、排気弁の閉弁タイミングを遅らせて排気工程後の吸気工程において排気管側からシリンダ内に排気を引き戻す方法もあり、この方法(内部EGR)と区別するために外部EGRと記載している。
図23において、MBTに点火時期をあわせることができればエンジンから最も大きなトルクが出力される。このときが最も燃費の良い状態である。しかし、点火時期を遅角側から進角側に変化させていくとエンジンにノッキングが発生する。このノッキングが発生し始める点火時期をトレースノック点と呼ぶ。ノッキングが発生すると振動が増加し静粛性、快適性が悪化するので点火時期としては不適切である。したがって、点火時期は遅角側からトレースノック点までの間しか変化させることができない。
図23において、負荷が小さい動作線W1の場合は点火時期をMBTに合わせることができ燃費が良い状態とすることができるが、負荷が大きい動作線W2の場合はMBTがトレースノック点より進角側にあるので、燃費が悪い状態で運転せざるを得ない。
つまり、加速時の燃費悪化の最も大きな原因は、トレースノック点がMBTよりも遅角側に位置するので点火時期をMBTに合わせられないことである。
加速域ではトルクを必要とするので、通常はスロットル開度を増加する。すると吸気量が増加し体積効率も増加する。すると燃焼温度が増加してノッキングが発生しやすくなり、トレースノック点がMBTよりも遅角側に移行する。
また、上述のように加速時には体積効率増加が必要とされるが、体積効率を増加させるには、吸気側の可変バルブタイミング機構(IN−VVT機構)の変位角を増加させなければならない。変位角を増加させると燃焼温度が増加しノッキングが発生するため点火時期を遅角させる必要がある。
このような事情で、点火時期をMBTに合わせられず、加速時には燃費が悪化する。
図24は、排気ガスの再循環ありの場合のエンジン出力トルクと点火時期との関係を示した図である。
図24に示すようにEGR装置によって、排気ガスを還流させると、燃焼温度が下がり図23の動作線W2が動作線W2Aに示すように変化し、トレースノック点がMBTよりも進角側に移動する。すると、点火時期を制御できる範囲にMBTが入るので、MBTに点火時期を一致させることにより燃費が良くなる。
しかしながら、ハイブリッド車両用エンジンのEGR装置の制御はまだ明確には構築されていない。ハイブリッド車両用ガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンと比較して、理想空燃比(ストイキ)近傍で燃焼が行なわれるよう制御されている。このためスロットル開度をかなり絞り気味にして運転するので、吸気管の負圧が大きい。負圧が大きいとEGRバルブの開度を少し変化させても排気ガス還流量が大きく変化するので制御性が悪く、過渡状態でのEGR装置の制御が困難である。加速時にEGRを導入して燃費の改善を図るためには、EGRバルブの差圧をなるべく一定にして制御性を良くすることが課題の1つとなる。
したがって、急加速を要求された場合のようにエンジン出力を増加させる過程の過渡状態においては、EGRバルブを一旦閉じてエンジン出力を増加させてから、再びEGRを導入することが考えられる。しかし、それでは加速時の燃料消費率が急増し燃費悪化が著しいので加速時においてもEGRを継続したままにして燃費を改善することが望ましい。
この発明の目的は、加速時になるべくEGRを継続することにより燃費の改善を図りつつ、加速感を悪化させないハイブリッド車両を提供することである。
この発明は、要約すると、ハイブリッド車両であって、吸気に排気の一部を戻すことが可能な内燃機関と、第1の回転電機と、車輪を駆動するための駆動軸と、内燃機関の回転軸、第1の回転電機の回転軸、および駆動軸に結合され、動力を分配する動力分割機構と、内燃機関および第1の回転電機の運転を制御する制御部とを備える。制御部は、車速が所定のしきい値以上である場合には、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を維持したまま加速処理を行なう第1の制御を実行し、車速が所定のしきい値未満である場合には、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を一時中断して加速処理を行なう第2の制御を実行する。
好ましくは、制御部は、第1の制御において、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を維持したまま、内燃機関の出力トルクを固定した状態で第1の回転電機を用いて内燃機関の回転軸の回転速度を目標回転速度まで上昇させてから、内燃機関の回転軸の回転速度を維持しつつ内燃機関に対して吸気に排気を戻す割合を増加させる。
より好ましくは、内燃機関は、弁開閉時期の変更が可能である。制御部は、第1の制御において、内燃機関の回転軸の回転速度を維持しつつ内燃機関に対して吸気に排気を戻す割合を増加させたときに、内燃機関の出力トルクが加速要求に対応する目標値に満たなければ、内燃機関の弁開閉時期を制御して内燃機関の出力トルクを増加させる。
さらに好ましくは、内燃機関は、点火時期の変更が可能である。制御部は、第1の制御において、弁開閉時期を変更した際にノッキングが発生した場合には、点火時期を遅らせる。
好ましくは、制御部は、第2の制御において、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を中断して第1の回転電機を用いて内燃機関の回転軸の回転速度を目標回転速度まで上昇させてから、吸気に排気の一部を戻す状態を再開する。目標回転速度は、吸気に排気の一部を戻す状態と戻さない状態で点火時期が同じになる回転速度である。
より好ましくは、制御部は、第2の制御において、内燃機関の回転速度が目標回転速度に到達した後に、加速要求に対応する出力トルクが内燃機関で発生されていなければ、吸気に排気の一部を戻す割合を増加させるとともに第1の回転電機を用いて内燃機関の回転速度を割合に対応する回転速度に設定する。
好ましくは、制御部は、第1の回転電機で発生させているトルクに基づいて内燃機関で発生するトルクを検出する。
本発明によれば、加速感の悪化を招くことなく、加速時になるべくEGRを継続することによる燃費の改善を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態のハイブリッド車両1の主たる構成を示す図である。ハイブリッド車両1は、エンジンとモータとを走行に併用する車両である。
図1を参照して、ハイブリッド車両1は、前輪20R,20Lと、後輪22R,22Lと、エンジン2と、プラネタリギヤ16と、デファレンシャルギヤ18と、ギヤ4,6とを含む。
ハイブリッド車両1は、さらに、車両後方に配置されるバッテリBと、バッテリBの出力する直流電力を昇圧する昇圧ユニット32と、昇圧ユニット32との間で直流電力を授受するインバータ36と、プラネタリギヤ16を介してエンジン2と結合され主として発電を行なうモータジェネレータMG1と、回転軸がプラネタリギヤ16に接続されるモータジェネレータMG2とを含む。インバータ36はモータジェネレータMG1,MG2に接続され、交流電力と昇圧ユニット32からの直流電力との変換を行なう。
プラネタリギヤ16は、第1〜第3の回転軸を有する。第1の回転軸46はエンジン2に接続され第2の回転軸44はモータジェネレータMG1に接続され第3の回転軸はモータジェネレータMG2に接続される。この第3の回転軸は、車輪を駆動するための駆動軸42でもある。
この第3の回転軸にはギヤ4が取付けられ、このギヤ4はギヤ6を駆動することによりデファレンシャルギヤ18に動力を伝達する。デファレンシャルギヤ18はギヤ6から受ける動力を前輪20R,20Lに伝達するとともに、ギヤ6,4を介して前輪20R,20Lの回転力をプラネタリギヤの第3の回転軸に伝達する。
プラネタリギヤ16は、エンジン2,モータジェネレータMG1,MG2の間で動力を分割する動力分割機構としての役割を果たす。すなわちプラネタリギヤ16の3つの回転軸のうち2つの回転軸の回転が定まれば、残る1つの回転軸の回転は強制的に決定される。したがって、エンジン2を最も効率のよい領域(HV動作線上)で動作させつつ、モータジェネレータMG1の発電量を制御してモータジェネレータMG2を駆動させることにより車速の制御を行ない、全体としてエネルギ効率のよい自動車を実現している。
なお、モータジェネレータMG2の回転を減速してプラネタリギヤ16に伝達する減速ギヤを設けても良く、その減速ギヤの減速比を変更可能にした変速ギヤを設けても良い。
直流電源であるバッテリBは、たとえばニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池を含み、直流電力を昇圧ユニット32に供給するとともに、昇圧ユニット32からの直流電力によって充電される。
昇圧ユニット32は、バッテリBから受ける直流電圧を昇圧してその昇圧された直流電圧をインバータ36に供給する。インバータ36は供給された直流電圧を交流電圧に変換してエンジン始動時にはモータジェネレータMG1を駆動制御する。また、エンジン始動後には、モータジェネレータMG1が発電した交流電力はインバータ36によって直流に変換され、昇圧ユニット32によってバッテリBの充電に適切な電圧に変換されてバッテリBが充電される。
また、インバータ36はモータジェネレータMG2を駆動する。モータジェネレータMG2はエンジン2を補助して前輪20R,20Lを駆動する。制動時には、モータジェネレータは回生運転を行ない、車輪の回転エネルギを電気エネルギに変換する。得られた電気エネルギは、インバータ36および昇圧ユニット32を経由してバッテリBに戻される。バッテリBは組電池であり、直列に接続された複数の電池ユニットB0〜Bnを含む。昇圧ユニット32とバッテリBとの間にはシステムメインリレー28,30が設けられ、車両非運転時には高電圧が遮断される。
ハイブリッド車両1は、さらに、制御装置14を含む。制御装置14は、運転者の指示および車両に取付けられた各種センサからの出力に応じて、エンジン2,インバータ36,昇圧ユニット32およびシステムメインリレー28,30の制御を行なう。
図2は、図1のエンジン2に関する構成をより詳細に示す図である。
図2を参照して、エンジン2には、エアクリーナ102から空気が吸入される。吸入空気量は、スロットルバルブ104により調整される。スロットルバルブ104はスロットルモータ312により駆動される電機制御式スロットルバルブである。
エンジン2は、V型エンジンであり、2つのバンクA,Bを含む。以下、参照符号の末尾には、バンクAの要素にはAが付され、バンクBの要素にはBが付される。
スロットルバルブ104を通過した空気は、吸気通路140からサージタンク142に導入され、吸気通路144から2つのバンクA,Bに分かれて吸入される。空気は、シリンダ106A,106B(燃焼室)の手前の吸気ポートにおいて燃料と混合される。インジェクタ108A,108Bから燃料がバンクA,Bの吸気ポートにそれぞれ噴射される。
燃料は吸気行程において噴射される。なお、燃料が噴射される時期は、吸気行程に限らない。また、本実施の形態においては、ポート噴射用のインジェクタを設けた例について説明するが、インジェクタ108A,108Bの噴射孔がシリンダ106A,106B内にそれぞれ設けられた直噴エンジンであってもよい。さらに、ポート噴射用のインジェクタと直噴用インジェクタを両方設けるようにしてもよい。
各バンクには、例えば4つずつのシリンダが設けられる。シリンダ106A,106B内の混合気は、イグニッションコイル110A,110Bに接続された点火プラグによりそれぞれ着火され、燃焼する。燃焼後の混合気、すなわち排気ガスは、三元触媒112A,112Bにより浄化された後に合流し、さらにセンターマフラーの三元触媒112で浄化された後に車外に排出される。混合気の燃焼によりピストン114A,114Bが押し下げられ、クランクシャフトが回転する。
シリンダ106Aの頭頂部には、吸気バルブ118Aおよび排気バルブ120Aが設けられる。シリンダ106Aに導入される空気の量および時期は、吸気バルブ118Aにより制御される。シリンダ106Aから排出される排気ガスの量および時期は、排気バルブ120Aにより制御される。吸気バルブ118Aはカムシャフト130Aに設けられた図示しないカムにより駆動される。排気バルブ120Aはカムシャフト129Aに設けられた図示しないカムにより駆動される。
シリンダ106Bの頭頂部には、吸気バルブ118Bおよび排気バルブ120Bが設けられる。シリンダ106Bに導入される空気の量および時期は、吸気バルブ118Bにより制御される。シリンダ106Bから排出される排気ガスの量および時期は、排気バルブ120Bにより制御される。吸気バルブ118Bはカムシャフト130Bに設けられた図示しないカムにより駆動される。排気バルブ120Bはカムシャフト129Bに設けられた図示しないカムにより駆動される。
吸気バルブ118A,118Bは、VVT(Variable Valve Timing)機構126A,126Bにより、開閉タイミングがそれぞれ制御される。排気バルブ120A,120Bについても、開閉タイミングをVVT(Variable Valve Timing)機構により制御するようにしてもよい。
本実施の形態においては、カムがVVT機構により回転されることにより、吸気バルブ118A,118Bの開閉タイミングが制御される。なお、開閉タイミングを制御する方法はこれに限らない。また、VVT機構には、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
制御装置14は、エンジン2が所望の運転状態になるように、スロットル開度θthと、各バンクA,Bの点火時期、燃料噴射時期、燃料噴射量、吸気バルブの動作状態(開閉タイミング、リフト量、作用角等)を制御する。制御装置14には、カム角センサ300A,300B、クランク角センサ302、ノックコントロールセンサ(KCS:Knock Control Sensor)304A,304B、スロットル開度センサ306、イグニッションスイッチ308、アクセルペダルポジションセンサ314から信号が入力される。
カム角センサ300A,300Bは、カムの位置を表す信号を出力する。クランク角センサ302は、クランクシャフトの回転数(エンジン回転数)およびクランクシャフトの回転角度を表す信号を出力する。ノックセンサ304A,304Bは、エンジン2の振動の強度を表す信号を出力する。スロットル開度センサ306は、スロットル開度を表す信号を出力する。イグニッションスイッチ308は、運転者の操作によりオンにされた場合、イグニッションスイッチ308がオンであることを表す信号を出力する。アクセルペダルポジションセンサ314は、運転者の操作するアクセルペダルの踏み込み量に応じたアクセルペダルポジションAccを出力する。
制御装置14は、これらのセンサから入力された信号、メモリ(図示せず)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン2を制御する。
制御装置14は、バンクAに関するセンサの信号を受けバンクAについてのVVT機構126Aの制御を行なうバンクA制御部202Aと、バンクBに関するセンサの信号を受けバンクBについてのVVT機構126Bの制御を行なうバンクB制御部202Bと、
バンクA,Bに共通なセンサの信号を受けてバンクA,Bに共通する制御を行なうエンジン制御部201とを含む。
図3は、本実施の形態における加速時のEGR制御について説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、車両走行制御のメインルーチンから一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図3を参照して、処理が開始されるとまずステップS1において、図1および図2に記載された制御装置14は、車両に急加速が要求されているか否かを判断する。
図4は、ハイブリッド車における急加速について説明するための図である。
図4では、横軸にエンジン回転数Ne、縦軸にエンジントルクTeが示されている。そして、所定速度で定常走行するばあいの等出力ラインが破線で示されている。単位kWで示されるのが出力であり、単位km/hで併記されているのが定常走行時の速度である。
ハイブリッド車においてエンジンはもっとも燃費が良いHV動作線上を動作点が移動するように制御される。したがって、100km/hから140km/hまで緩やかに加速する場合には、矢印X1に示すように動作点が移動する。
しかし、急加速が要求されると、通常制御ではエンジンから車輪に直接伝達される直行トルクを増大させる必要があるので、エンジントルクを増大させる必要がある。したがって、矢印X2に示すようにWOT(Wide Open Throttle:全開スロットル)ライン上に動作点を移す必要がある。このHV動作線上からWOTライン上への移行タイミングは、ドライバが操作したアクセルペダル位置によって決定される。しかし、EGRを中止してWOTライン上にエンジンの動作点を移すと燃費が悪化する。
そこで、本実施の形態では、矢印X2に示したような動作点の移動が発生する急加速の場合にはこれを検出して動作点の移動を他のルートで行なう。すなわち、図3のステップS1では、アクセルペダル位置が所定値(例えば50%)を超えない場合には、矢印X1に示すようにHV動作線上に沿って動作点を移動させることができ、燃費は悪化しないので、ステップS7に処理が進み制御はメインルーチンに移される。一方、アクセルペダル位置が所定値(例えば50%)を超えた場合には、急加速と判断されてステップS2に処理が進む。
ステップS2では、車速が所定値(たとえば100km/h)以上か否かが判断される。これにより、加速要求が行なわれた車速域が高速域か低速域かの判別が行なわれる。
図5は、高速域と低速域での吸気管内圧力を示した図である。
図5に示すように、動作点N1〜N4を含む高速域では、吸気管内の負圧は大きさが小さく(ゼロに近く)なっている。一方、動作点N11を含む低速域では、吸気管内の負圧は大きく(ゼロから遠く)なっている。したがって、低速域でEGRを行なおうとするとEGRバルブ開度を少し変えただけでも大きく排気還流量が増減してしまうのでEGR制御性が悪い。
大きい負圧でも精度の良いEGR制御、負圧をなるべく安定状態に近づけるスロットル制御を行なうことがポイントとなる。
したがって、まず図3のステップS2において、高速域か低速域かの判別が行なわれ、車速がしきい値より低い低速域であればステップS6に処理が進められる。ステップS6では、大きい負圧の場合でも精度を保つためEGRを一時中止するEGR制御(B)が実行される。一方、ステップS2において車速がしきい値以上の高速域であれば、ステップS3に処理が進められる。
ステップS3では、吸気管内圧力が所定値PA(kPa)以上かどうか判断される。吸気管圧力がPAより小さければ(負圧が大きければ)ステップS3からステップS4に処理が進み、ステップS4でスロットル開度が増加されて負圧を小さくするように制御が行なわれ、再びステップS2に処理が進む。一方、吸気管圧力がPA以上であれば(負圧が小さければ)ステップS3からステップS5に処理が進み、高速域でのEGR制御(A)が実行される。
つまり、ステップS3、S4で負圧をなるべく安定状態に近づけるスロットル制御が行なわれ、それでも車速がまだしきい値100km/h以上あるようであればステップS5のEGR制御(A)が実行される。
ステップS5またはS6の処理が行なわれると、その後ステップS7において制御はメインルーチンに移される。
[高速域でのEGR制御(A)]
図6は、図3のステップS5で実行されるEGR制御(A)の詳細を示したフローチャートである。
図7は、EGR制御(A)における動作点の移動を説明するための図である。なお、図7においては、外部EGRありのHV動作線に対して、外部EGRなしのHV動作線およびWOTラインはトルクが大きくなっているが、図示されていないが燃費は悪化している。
図6、図7を参照して、EGR制御(A)が開始されると、まずステップS11において、外部EGR有りのHV動作線と加速要求に対応する車速の等出力線との交点から、目標エンジン回転数Ne1、および目標エンジントルクTrq1が算出される。
加速要求があったときのエンジン動作点は、等出力線P1と外部EGR有りのHV動作線との交点であるN1であったとする。そしてアクセルペダルの位置変化に対応する出力が選択されその出力を示す等出力線P5とHV動作線との交点N4が求められる。このN4から目標エンジン回転数Ne1、および目標エンジントルクTrq1が求められる。
続いてステップS12以降は、動作点N1から動作点N4に動作点を移動させるための処理が行なわれる。
まずステップS12において、現在の動作点N1の現状トルクを目標トルクに設定する。以降動作点N1のトルクが固定のままとなる。
そして、ステップS13において、クランクポジションセンサ等で計測されたエンジン回転数Neが、ステップS11で求めた目標値Ne1以上となったか否かが判断される。エンジン回転数Neが目標値Ne1に達しない間は、ステップS14に処理が進み、エンジン回転数をモータジェネレータMG1で増加させるようにモータジェネレータMG1の制御が行なわれ、ふたたびステップS13の判断が行なわれる。
ステップS13において、エンジン回転数Neが目標値Ne1以上になると、ステップS15に処理が進む。この時点で、動作点は図7のN5に移動している。動作点N5のトルクは、動作点N1と同じTrq0であり、動作点N5のエンジン回転数は動作点N4と同じNe1である。
ステップS13からステップS15に処理が進んだ時点までを、波形図を用いて説明する。
図8は、図6のEGR制御(A)が実行された場合の各パラメータの変化を示した動作波形図である。
図8においてステップS13からステップS15に処理が進んだ時点は、時刻t2である。
時刻t1では、車速が100km/hであるときにアクセルペダルが踏み込まれ、アクセルペダルポジションAccが増加する。これに応じてエンジン要求パワーPeがP3からP7に増加し、図3のステップS4においてスロットル開度が増大する。その後、図6のステップS11で目標となるエンジン回転数Ne1が求められ、さらにステップS13,S14においてエンジン回転数Neが1000rpmからNe1までモータジェネレータMG1によって増加される。
以上のような制御によって、時刻t1では動作点がN1からN5に移っている。なお、この動作点N1,N5は図7の動作点の参照符号と対応している。
再び、図6を参照して、ステップS15〜ステップS24では、図7の動作点N5からN4へ動作点の移動が行なわれる。
まずステップS15において、現在のトルクTrqに対して−A(N・m)だけ小さい値Trq2が目標トルクとして設定される。そして、現在のトルクTrqが目標値Trq2以下に下がったか否かが判断される。トルクが目標値Trq2以下になっていなければ、図2のEGRバルブ150の開度を増加させて排気還流量をふやし、再びステップS16の判断が実行される。排気還流量が増えると、エンジントルクは減少する。
図9は、図6のステップS16におけるエンジントルクの検出について説明するための図である。
図9を参照して、モータジェネレータMG1の回転軸、エンジンの回転軸およびモータジェネレータMG2の回転軸(プロペラシャフト)は、遊星歯車機構(プラネタリギヤ)で機械的に接続されており、共線図で直線上に各回転数Ng,Ne,Nmが示される。
このような関係がある結果、ハイブリッド車両は、以下3点の制御が可能となる。
1.エンジンの実トルクTeをモータジェネレータMG1のトルクに基づいて算出が可能である。
2.エンジン回転数Neを一定に保持しながらプロペラシャフトのトルクを増減できる。
3.プロペラシャフトのトルクを保持しながらエンジン回転数Neを増減できる。
ここで、図9の共線図を軽い棒であると考える。モータジェネレータMG2に相当する部分を支点と考えると、各回転軸の回転数が維持されるためには、(つまり棒が動かないためには)モータジェネレータMG1がある一定の負のトルクを出力する必要がある。
モータジェネレータMG1のトルクをTg、エンジンのトルクをTe、プロペラシャフトへのエンジンからのトルク成分をTep、プラネタリギヤ比をρで示すと次式(1)(2)の関係が成立する。
Te:Tg:Tep=1:−ρ/(1+ρ):1/(1+ρ) ・・・(1)
Te=−(1+ρ)/ρ・Tg ・・・(2)
ここで、TgはモータジェネレータMG1の回転数、電流および電圧に基づいてマップを参照して得ることができるので、ハイブリッド車両は、エンジンの実トルクTeを算出することが可能となる。このようにして、図6のステップS16ではエンジントルクの実際の値Trqが算出され、その値Trqが目標値Trq2と比較される。
EGRバルブ開度を増加させることにより(ステップS17)、エンジントルクが減少し、現在のトルクが目標値Trq2以下になると、ステップS16からステップS18に処理が進む。ステップS18では目標トルクTrq3として現在のエンジントルクTrqに対して+B(N・m)だけ増加させた値が設定される。ここで、ステップS15での減少分Aに対してステップS18の増加分Bの方が大きい値である。
つづいてステップS19において、現在のトルクTrqが目標値Trq3以上に増加したか否かが判断される。トルクが目標値Trq3以上になっていなければ、ステップS20〜S23でVVT機構と点火時期を操作してトルクを増加させて再びステップS19の判断が実行される。ここで、A<Bであるので、ステップS15〜ステップS19が実行されてステップS19からステップS15に戻ったときは、結局トルクが増加していることになる。
ステップS20〜S23の処理について順に説明しておく。ステップS20では、加速要求に対応する目標トルクTrq1までエンジントルクTrqが増加したか否かが判断される。ここでエンジントルクTrqが目標トルクTrq1まで増加していた場合には、加速要求に応答するだけのトルクが得られたので、ステップS24に処理が進みEGR制御(A)の終了となる。
ステップS20でエンジントルクTrqが目標トルクTrq1にまだ到達していなければステップS20からステップS21に処理が進む。ステップS21では吸気弁の開弁タイミングを変更してエンジントルクを増加させるために、VVT機構の変位角の進角が行なわれる。そして、ステップS22においてノッキングが発生していなければステップS19に処理が戻る。
ステップS21における変位角の進角の結果、ステップS22においてノッキングが発生していた場合にはノッキングが発生しなくなるようにステップS23において点火時期を遅角させる処理が行なわれる。図23,図24で説明したトレースノック点まで点火時期を遅角すると、ノッキングが発生しなくなる。ノッキングが発生しなくなれば処理はステップS19に戻る。
ステップS15〜S24について再び図8の動作波形図を用いて動作例を説明する。時刻t2までは、エンジントルクTeがTrq0であったが、ステップS15〜S24の処理が実行された結果、時刻t2においてエンジントルクはTrq0からTrq1まで増加している。このとき併せてステップS21のVVT機構の進角とステップS23の点火時期の遅角とが行なわれているので、VVT変位角はθ1からθ2まで増加し、一方、点火時期はφ1からφ2に減少している。時刻t2におけるトルク増大処理完了までが図6のフローチャートで示されている。
そして時刻t2〜t3においてエンジントルクTeがTrq1に増大されて車両が140km/hに加速完了すると、時刻t3以降アクセルペダル位置は少し戻され、エンジン要求パワーもP7からP5に減少し、HV動作線上に沿って動作点が移動しエンジン回転数NeおよびエンジントルクTeはそれぞれNe4,Trq4となる。
図10は、図8の時刻t2におけるトルク増加についてより詳細に示した図である。
図6、図10を参照して、時刻t2〜t21の間は、図6のステップS15〜S17の処理が行なわれた結果、エンジントルクが−A変化する。そして、時刻t21〜t22では、ステップS18〜S23の処理が行なわれた結果、エンジントルクは+B変化する。先に述べたようにB>Aであるので、このS15〜S23の1サイクルの処理が繰り返し行なわれた後には、エンジントルクは増加することになる。
そして、時刻t23〜t24で実行されるS19〜S23の増加過程において、ステップS20の判断がされて加速のために最終的に必要なトルクTrq1が得られたら、トルクを+B変化させる前にエンジントルクの増加は打ち切られる。
以下EGR制御(A)において各パラメータが比較例とどのように異なるかについて図を用いて説明する。
図11は、図7で説明した動作点の移動を比較例とともに示した図である。
図11において、100km/h定速状態N1(図中に符号記入)から140km/h定速状態N2まで加速する制御がいく通りか考えられることが示される。
第1は、破線矢印のように外部EGRありの状態から外部EGR無しに変更して定速状態N1から全開スロットル出力状態N3にして加速し、加速完了後に再び外部EGRありにして定速状態N2に移行させる方法である。
第2は、本願発明のように状態N1→N5→N4→N2と移行させる方法である。この動作点が、先に説明した図8の動作波形図にも記入されている。
図12は、図11に示した動作点の変化時のVVT機構の状態変化を示した図である。
図12には、図11中に示された動作点N1〜N5に対応する点が示されている。
加速時には、体積効率を増加させる必要があるので、エンジン出力が大きい出力線P7上にいるとき(動作点N3,N4)には吸気弁のVVTの変位角が大きく変化している。
そして、EGR制御(A)の場合、IN_VVT進角は、図12中でN1→N5→N4→N2のように変化する。
図13は、図11に示した動作点の変化時の点火時期の変化を示した図である。
図13においては、動作点N1→N3→N2のように破線矢印で示した制御をするよりも、N1→N5→N4→N2のようEGR制御(A)を実行するほうが、点火時期の変化が小さくてすむので制御が容易であることが示されている。
図14は、図11に示した動作点の変化時の燃料消費量の変化を示した図である。
図14に示すように、外部EGRなしでかつWOTライン上の動作点N3では、燃費が悪化する。これに比べて外部EGRを行なうEGR制御(A)では、動作点N4,N5に示すように、動作点N3よりも燃費が改善されている。
すなわち、100kmを超える高速域で急加速を行なう際、比較例(破線矢印、動作点N3)よりもEGR制御(A)の方が、制御がしやすくかつ燃費が改善されていることが示される。
[低速域でのEGR制御(B)]
車速が100km/h以下の低速域では、図5で説明したように吸気管内圧力を小さくすることができない。このため、EGR開始時の制御性が悪化し、ひいてはトルク悪化を招く。また、点火時期も大幅に進角する必要がある。
しかし、EGRを行なわない状態で等出力(等スロットル)を維持しながらエンジン回転数を増加させれば点火時期は進角の方向へ移動する(ただし、燃費については悪化する)。そのため、EGR開度0%(外部EGRなし)の状態でエンジン回転数を増加させておいてから、EGR開度を増加させれば、EGRを再開するときの点火時期の変化度合いを小さくさせることができる。
但し、等出力(等スロットル)でエンジン回転数を増加させた状態にすると、吸入空気量は増加するため、吸気管内圧力の負圧は大きくなり、EGR開始時の制御性は悪化する。そのため、EGRを開始したと同時にモータジェネレータMG1を用いて、すばやく本来のエンジン回転数Ne11に戻す必要がある。エンジン回転数と点火時期は、EGR開度によって決定される予め定められた1次元マップに基づいて決定され、目標のトルクが得られるまで制御を行なう。
図15は、図3のステップS6で実行されるEGR制御(B)の詳細を示すフローチャートである。
図16は、EGR制御(B)における動作点の移動を説明するための図である。
図15、図16を参照して、EGR制御(B)の処理が開始されるとまずステップS51において、外部EGR有りのHV動作線とアクセルペダルで与えられる加速要求に対応する等出力線との交点N12から、目標エンジン回転数Ne11、目標エンジントルクTrq11が算出される。
続いて、目標エンジン回転数がEGR開度制御用回転数Ne12に設定される(ステップS52)。ここでEGR開度制御用回転数Ne12は、予め実験的に求めておいた、外部EGR有り、外部EGRなしで点火時期およびVVTの変位角が同じになるエンジン回転数である。
そして、ステップS53においてEGRバルブ開度を一旦ゼロに設定してから、ステップS54、S55においてエンジン回転数Neが目標値Ne11になるまで、モータジェネレータMG1を使用してエンジン回転数を増加させる。
エンジン回転数Neが目標値Ne12以上となったらステップS54からステップS56に処理が進められる。このとき図16の動作点N11から動作点N13に動作点の移動が完了している。ここまでの動作を波形図で説明しておく。
図17は、図15のEGR制御(B)が実行された場合の各パラメータの変化を示した動作波形図である。
図17においてステップS54からステップS56に処理が進んだ時点は、時刻t11直後のエンジン回転数上昇後の時刻t12である。すなわち時刻t11以前では動作点は図16のN11であり、時刻t12以降では動作点は図16のN13である。
時刻t11以前において、車速は70km/hであり、エンジン要求パワーはP2であり、エンジン回転数Neは1000rpmでありエンジントルクTeは100N・mである。またVVT変位角はθ5であり点火時期はφ5である。
時刻t11においてアクセルペダルが踏み込まれ加速要求が検出されると、時刻t11〜t12において、エンジン要求パワーPeはP2からP3に増加する。そしてEGRカットした状態で、エンジン回転数Neを目標値Ne12まで増加させると、その状態に合わせて点火時期はφ5からφ6に遅角される。
以上のように、エンジン回転数が目標値Ne12に到達した後には、図15のステップS56以降において、エンジントルクが目標値Trq11になるように制御が行なわれる。
まずステップS56において、目標値Trq11と現在のエンジントルクTrqの大きさが比較される。現在のエンジントルクTrqの大きさは、図9で説明したとおり、モータジェネレータMG1のトルクから求めることができる。
現在のエンジントルクTrqが目標値Trq11に到達していなければ、ステップS56からステップS57に処理が進められる。ステップS57では、スロットル開度、吸気弁VVT変位角および点火時期を固定したままEGR弁の開度の増加が行われる。
そして、ステップS58において、EGR弁の開度に基づいて、マップから目標エンジン回転数Ne13が取得される。
図18は、ステップS58で用いられるマップの一例を示した図である。
図18を参照して、そのときのEGRバルブ開度に対応するエンジン回転数がマップに規定されている。ステップS57で増加されたEGRバルブ開度がKであったとするとそれに対応する目標エンジン回転数Ne13が取得される。そしてステップS59において、エンジン回転数が目標エンジン回転数Ne13に一致するように、モータジェネレータMG1を用いたエンジン回転数の調整が行なわれる。
エンジントルクが目標値Trq11に到達するまでステップS57〜S59の処理が繰返して行なわれた結果、EGRバルブ開度は0%から加速後の定常値まで増加し、エンジン回転数はNe12から加速後の定常値1000rpm程度に低下する。そして、ステップS56でTrq≧Trq11が成立すると、ステップS60においてEGR制御(B)が終了する。
このEGRバルブ開度の増加とエンジントルクの増加とエンジン回転数の低下とが、図17では時刻t13〜t14において示されている。時刻t13〜t14の間、点火時期はφ6のままでよく、VVT変位角はθ5のまま固定でよいので、制御が容易になっている。
そして、時刻t14以降はエンジンの動作点は図16のN12に移動完了する。
以下EGR制御(B)において各パラメータがどのように変化するかについて図を用いて説明する。
図19は、EGR制御(B)における点火時期の変化を説明するための図である。
図16、図19を参照して、動作点N11では、車速が100km/h以下(70km/h)なので負圧が高くEGR制御性が悪い。また、EGR制御を行ないながら同時に点火時期も変化させることはノック発生の恐れがあるので技術的に困難である。したがって、EGR無しにした状態でMG1を使用して車速およびエンジン回転数を一旦増加させて、点火時期が到達目標である動作点N12と同じになる動作点N13に移行させる。そして、EGRバルブの開度をゼロから増加させるとともにEGRバルブ開度に対応するエンジン回転数を1次元マップで決定しモータジェネレータMG1でこの回転数に制御する。このようにして最終的にエンジン回転数を下げて到達目標である動作点N12に移行させる。
したがって、図19において動作点をN13からN12に移動する際には、点火時期は固定されており動作点は水平移動している。
図20は、EGR制御(B)におけるVVT変位角の変化を説明するための図である。
図17および図20で示されるように、EGR制御(B)においては動作点N11,N12,N13ともVVT制御角はθ11であり、変化させる必要がない。
図21は、EGR制御(B)における燃料消費率の変化を説明するための図である。
図22は、EGR制御(B)における吸気管圧力の変化を説明するための図である。
図21、図22に示されるように、EGR制御(B)を行なうと、動作点N13において燃費が若干悪化し、負圧も若干増加するのでEGR制御性も悪化する。しかし、図19,図20で説明したように点火時期およびVVT変位角制御が容易となるとともに、ノッキングを防止しつつ低速域から中速域に加速ができるという効果を得ることができる。
最後に、本実施の形態について、図1を用いて総括的に説明する。ハイブリッド車両1は、吸気に排気の一部を戻すことが可能な内燃機関(エンジン2)と、第1の回転電機(モータジェネレータMG1)と、車輪を駆動するための駆動軸42と、内燃機関の回転軸46、第1の回転電機の回転軸44、および駆動軸42に結合され、動力を分配する動力分割機構(プラネタリギヤ16)と、内燃機関および第1の回転電機の運転を制御する制御部(制御装置14)とを備える。制御部(14)は、車速が所定のしきい値以上である場合には、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を維持したまま加速処理を行なう第1の制御(図3のEGR制御(A))を実行し、車速が所定のしきい値未満である場合には、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を一時中断して加速処理を行なう第2の制御(図3のEGR制御(B))を実行する。
図6〜図8に示すように、好ましくは、制御装置14は、EGR制御(A)において、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を維持したまま、エンジン2の出力トルクを固定した状態でモータジェネレータMG1を用いてエンジン2の回転軸の回転速度を目標回転速度まで上昇させてから(S12〜S14)、エンジン2の回転軸の回転速度を維持しつつエンジン2に対して吸気に排気を戻す割合を増加させる(S15〜S23)。
より好ましくは、エンジン2は、弁開閉時期の変更が可能である。制御装置14は、EGR制御(A)において、エンジン2の回転軸の回転速度を維持しつつエンジン2に対して吸気に排気を戻す割合を増加させたときに、エンジン2の出力トルクが加速要求に対応する目標値に満たなければ、エンジン2の弁開閉時期を制御してエンジン2の出力トルクを増加させる(S19〜S23)。
さらに好ましくは、エンジン2は、点火時期の変更が可能である。制御装置14は、EGR制御(A)において、弁開閉時期を変更した際にノッキングが発生した場合には、点火時期を遅らせる(S22、S23)。
図15〜図17に示すように、好ましくは、制御装置14は、EGR制御(B)において、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を中断して(S53)モータジェネレータMG1を用いてエンジン2の回転軸の回転速度を目標回転速度まで上昇させてから(S54,S55)、吸気に排気の一部を戻す状態を再開する(S57)。目標回転速度(Ne12)は、吸気に排気の一部を戻す状態と戻さない状態で点火時期が同じになる回転速度である。
より好ましくは、制御装置14は、EGR制御(B)において、エンジン2の回転速度が目標回転速度に到達した後に、加速要求に対応する出力トルクがエンジン2で発生されていなければ、吸気に排気の一部を戻す割合を増加させる(S57)とともにモータジェネレータMG1を用いてエンジン2の回転速度を割合に対応する回転速度に設定する(S58,S59)。
図8で説明したように、好ましくは、制御装置14は、モータジェネレータMG1で発生させているトルクに基づいてエンジン2で発生するトルクを検出する。
以上の構成により、加速感の悪化を招くことなく、加速時になるべくEGRを継続することによる燃費の改善を図ることができる。また、ノッキングを防止しつつ、制御性のよい加速が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態のハイブリッド車両1の主たる構成を示す図である。 図1のエンジン2に関する構成をより詳細に示す図である。 本実施の形態における加速時のEGR制御について説明するためのフローチャートである。 ハイブリッド車における急加速について説明するための図である。 高速域と低速域での吸気管内圧力を示した図である。 図3のステップS5で実行されるEGR制御(A)の詳細を示したフローチャートである。 EGR制御(A)における動作点の移動を説明するための図である。 図6のEGR制御(A)が実行された場合の各パラメータの変化を示した動作波形図である。 図6のステップS16におけるエンジントルクの検出について説明するための図である。 図8の時刻t2におけるトルク増加についてより詳細に示した図である。 図7で説明した動作点の移動を比較例とともに示した図である。 図11に示した動作点の変化時のVVT機構の状態変化を示した図である。 図11に示した動作点の変化時の点火時期の変化を示した図である。 図11に示した動作点の変化時の燃料消費量の変化を示した図である。 図3のステップS6で実行されるEGR制御(B)の詳細を示すフローチャートである。 EGR制御(B)における動作点の移動を説明するための図である。 図15のEGR制御(B)が実行された場合の各パラメータの変化を示した動作波形図である。 ステップS58で用いられるマップの一例を示した図である。 EGR制御(B)における点火時期の変化を説明するための図である。 EGR制御(B)におけるVVT変位角の変化を説明するための図である。 EGR制御(B)における燃料消費率の変化を説明するための図である。 EGR制御(B)における吸気管圧力の変化を説明するための図である。 排気ガスの再循環なしの場合のエンジン出力トルクと点火時期との関係を示した図である。 排気ガスの再循環ありの場合のエンジン出力トルクと点火時期との関係を示した図である。
符号の説明
1 ハイブリッド車両、2 エンジン、4,6 ギヤ、14 制御装置、16 プラネタリギヤ、18 デファレンシャルギヤ、20R,20L 前輪、22R,22L 後輪、28,30 システムメインリレー、32 昇圧ユニット、36 インバータ、42 駆動軸、44,46 回転軸、102 エアクリーナ、104 スロットルバルブ、106A,106B シリンダ、108A,108B インジェクタ、110A,110B イグニッションコイル、112,112A,112B 三元触媒、114A,114B ピストン、118A,118B 吸気バルブ、120A,120B 排気バルブ、126A,126B VVT機構、129A,129B,130A,130B カムシャフト、140,144 吸気通路、142 サージタンク、150 バルブ、201 エンジン制御部、202A バンクA制御部、202B バンクB制御部、300A,300B カム角センサ、302 クランク角センサ、304A,304B ノックセンサ、306 スロットル開度センサ、308 イグニッションスイッチ、312 スロットルモータ、314 アクセルペダルポジションセンサ、B バッテリ、B0〜Bn 電池ユニット、MG1,MG2 モータジェネレータ。

Claims (7)

  1. 吸気に排気の一部を戻すことが可能な内燃機関と、
    第1の回転電機と、
    車輪を駆動するための駆動軸と、
    前記内燃機関の回転軸、前記第1の回転電機の回転軸、および前記駆動軸に結合され、動力を分配する動力分割機構と、
    前記内燃機関および前記第1の回転電機の運転を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、車速が所定のしきい値以上である場合には、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を維持したまま加速処理を行なう第1の制御を実行し、前記車速が所定のしきい値未満である場合には、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を一時中断して加速処理を行なう第2の制御を実行する、ハイブリッド車両。
  2. 前記制御部は、前記第1の制御において、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を維持したまま、前記内燃機関の出力トルクを固定した状態で前記第1の回転電機を用いて前記内燃機関の回転軸の回転速度を目標回転速度まで上昇させてから、前記内燃機関の回転軸の回転速度を維持しつつ前記内燃機関に対して吸気に排気を戻す割合を増加させる、請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記内燃機関は、弁開閉時期の変更が可能であり、
    前記制御部は、前記第1の制御において、前記内燃機関の回転軸の回転速度を維持しつつ前記内燃機関に対して吸気に排気を戻す割合を増加させたときに、前記内燃機関の出力トルクが前記加速要求に対応する目標値に満たなければ、前記内燃機関の弁開閉時期を制御して前記内燃機関の出力トルクを増加させる、請求項2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記内燃機関は、点火時期の変更が可能であり、
    前記制御部は、前記第1の制御において、前記弁開閉時期を変更した際にノッキングが発生した場合には、前記点火時期を遅らせる、請求項3に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記制御部は、前記第2の制御において、加速要求を検出すると、吸気に排気の一部を戻す状態を中断して前記第1の回転電機を用いて前記内燃機関の回転軸の回転速度を目標回転速度まで上昇させてから、吸気に排気の一部を戻す状態を再開し、
    前記目標回転速度は、吸気に排気の一部を戻す状態と戻さない状態で点火時期が同じになる回転速度である、請求項1に記載のハイブリッド車両。
  6. 前記制御部は、前記第2の制御において、前記内燃機関の回転速度が前記目標回転速度に到達した後に、前記加速要求に対応する出力トルクが前記内燃機関で発生されていなければ、吸気に排気の一部を戻す割合を増加させるとともに前記第1の回転電機を用いて前記内燃機関の回転速度を前記割合に対応する回転速度に設定する、請求項5に記載のハイブリッド車両。
  7. 前記制御部は、前記第1の回転電機で発生させているトルクに基づいて前記内燃機関で発生するトルクを検出する、請求項1〜6に記載のハイブリッド車両。
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