JP2015010574A - 車両の内燃機関の自動停止制御装置及び自動停止制御方法 - Google Patents

車両の内燃機関の自動停止制御装置及び自動停止制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの再始動後の急加速による衝撃と、今回のエンジンの自動停止による衝撃とが、比較的短時間に連続して車両に加わることを抑制する。【解決手段】車両の内燃機関の自動停止制御装置は、内燃機関の前回の自動停止が実行された後の始動である再始動後に所定の時間が経過した場合に、今回の自動停止を実行するか否かを判断する自動停止制御部と、車両の加速状態を検出する加速状態検出部と、再始動後の前記加速状態に基づいて、所定の時間を決定する決定部と、を備える。決定部は、再始動後に検出された加速状態が急加速である場合には、所定の時間を予め定められた時間よりも長い時間に決定する。【選択図】図4

Description

本発明は、車両の内燃機関の自動停止制御装置及び自動停止制御方法に関する。
車両用内燃機関(エンジン)の自動停止を制御する技術が知られている。例えば、特許文献1には、エンジンの自動停止条件が成立してエンジンが自動停止し、更に再始動した場合に、再始動してから所定の時間が経過するまでは、エンジンの自動停止条件が成立してもエンジンの自動停止を実行しない技術が開示されている。この技術により、エンジンの自動停止が頻発に行われることを抑制できるので、バッテリや電動モータの寿命が短くなることが抑制される。
特開2004−19448号公報 特開2004−257292号公報 特開2012−77625号公報 特開2005−207327号公報 特開2012−117419号公報
しかし、特許文献1の技術では、エンジンの自動停止が頻発に行われることを抑制できるものの、エンジンの再始動後に急加速が行われ、その後にエンジンの自動停止条件が成立した場合に、再始動後の急加速による衝撃と、今回のエンジンの自動停止による衝撃と、が車両の利用者に加わることについては考慮されていなかった。そのため、エンジンの自動停止技術を用いる車両においては、このような衝撃が比較的短時間に連続することを抑制して、乗り心地を更に向上させることが望まれていた。そのほか従来の内燃機関の自動停止制御装置では、構成の簡易化、低コスト化、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、車両の内燃機関の自動停止制御装置が提供される。この自動停止制御装置は、前記内燃機関の前回の自動停止が実行された後の始動である再始動後に所定の時間が経過した場合に、今回の自動停止を実行するか否かを判断する自動停止制御部と;前記車両の加速状態を検出する加速状態検出部と;前記再始動後の前記加速状態に基づいて、前記所定の時間を決定する決定部と、を備え;前記決定部は、前記再始動後に検出された前記加速状態が急加速である場合には、前記所定の時間を予め定められた時間よりも長くする。このような形態の自動停止制御装置であれば、加速状態に基づいて今回の自動停止を実行するまでの時間が決定されるので、例えば、内燃機関の再始動後の加速状態に応じた衝撃と、今回の自動停止による衝撃と、が連続して生じることを抑制することができる。また、急加速を検出した場合には、今回の自動停止を実行するまでの時間を予め定められた時間よりも長くするので、内燃機関の今回の自動停止が実行されるまでには急加速による衝撃がある程度緩和される。よって、車両の乗り心地を向上させることができる。
(2)上記形態の自動停止制御装置において、前記加速状態検出部は、アクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度に基づいて前記急加速を検出してもよい。このような形態の自動停止制御装置であれば、アクセル開度に基づいて急加速が検出された場合には、今回の自動停止が実行されるまでの時間を長くすることができる。
(3)上記形態の自動停止制御装置において、前記決定部は、前記急加速が検出された場合には、前記再始動後の前記アクセル開度の最大値に基づいて、前記所定の時間を決定してもよい。このような形態の自動停止制御装置であれば、アクセル開度の最大値が大きいほど内燃機関の今回の自動停止が実行されるまでの時間を長くすることができる。よって、車両の乗り心地を効果的に向上させることができる。
(4)上記形態の自動停止制御装置において、前記加速状態検出部は、アクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度の単位時間当たりの増加量に基づいて前記急加速を検出してもよい。このような形態の自動停止制御装置であれば、アクセル開度の単位時間当たりの増加量に基づいて急加速が検出された場合には、今回の自動停止が実行されるまでの時間を長くすることができる。
(5)上記形態の自動停止制御装置において、前記決定部は、前記急加速が検出された場合には、前記再始動後の前記アクセル開度の単位時間当たりの増加量の最大値に基づいて前記所定の時間を決定してもよい。このような形態の自動停止制御装置であれば、アクセル開度の単位時間当たりの増加量の最大値が大きいほど内燃機関の今回の自動停止が実行されるまでの時間を長くすることができる。よって、車両の乗り心地を効果的に向上させることができる。
本発明は、上述した制御装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、制御装置を搭載した車両や、制御方法や、制御方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての車両200の構成を示す説明図である。 エンジン10の自動停止処理について示すフローチャートである。 エンジン10の自動停止条件の成立について説明するための図である。 許可時間決定処理について示すフローチャートである。 アクセル許可時間Taを算出するためのマップM1の一例である。 第2実施形態の許可時間決定処理について示すフローチャートである。 アクセル許可時間Taを算出するためのマップM2の一例である。 許可時間Tsと最大アクセル開度Amaxとの対応関係を示すマップM3の例である。 マップ許可時間Taを算出するためのマップM4の一例である。
A.第1実施形態:
A1.全体構成:
図1は、エンジン10の自動停止制御機能を搭載した車両200の構成を示す説明図である。車両200は、エンジン10と、自動変速機15と、ディファレンシャルギア20と、駆動輪25と、スタータ30と、オルタネータ35と、バッテリ40と、自動停止制御装置50と、エンジン電子制御ユニット(ECU:Electrical Control Unit、以下、エンジンECU60)とを備えている。
エンジン10は、供給されたガソリンや軽油などの燃料を燃焼させることによって動力を発生させる内燃機関である。エンジン10の動力は、自動変速機15に伝達されるとともに、駆動機構34を介してオルタネータ35に伝達される。
自動変速機15は、変速比の決定(いわゆるシフトチェンジ)を自動的に実行する。エンジン10の動力(回転数・トルク)は、自動変速機15によって変速され、所望の回転数・トルクとして、ディファレンシャルギア20を介して、左右の駆動輪25に伝達される。こうして、エンジン10の動力は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて決定されつつ、自動変速機15を介して駆動輪25に伝達されて、車両200の加速や減速が行われることになる。
オルタネータ35にエンジン10の動力を伝達する駆動機構34は、本実施形態では、ベルトドライブの構成を採用している。
バッテリ40は、直流電源としての蓄電池であり、エンジン10本体以外に設けられた補機類に電力を供給する。
スタータ30は、バッテリ40から供給される電力によってエンジン10を始動させるセルモータである。通常は、停止している車両200の運転を開始する際に、運転者がイグニッションスイッチ84を操作すると、スタータ30が起動し、エンジン10が始動する。このスタータ30は、エンジン10を自動停止状態から再始動させる場合にも利用される。本明細書では、エンジン10の「自動停止」とは、自動停止制御装置50の制御による停止をいう。また、エンジン10の「再始動」とは、前回の自動停止が行われた後の自動停止制御装置50の制御による始動をいう。
エンジンECU60は、CPUとROMとRAMとフラッシュメモリ(全て図示しない)とを備えたコンピュータとして構成されている。エンジンECU60は、各種センサからの信号入力に基づいて、燃料噴射の制御や、点火の制御等のエンジン10に関する制御を行う。各種センサとは、例えば、アクセルペダルの踏み込み量をアクセル開度(APA)として検出するアクセル開度センサ88である。エンジンECU60は、自動停止制御装置50からエンジン10の自動停止要求を受信すると、エンジン10への燃料供給を停止して、エンジン10を自動停止させる(ENG−OFF)。エンジンECU60は、自動停止制御装置50からエンジン10の再始動要求を取得すると、エンジン10への燃料供給を開始して、エンジン10を再始動させる(ENG−ON)。
自動停止制御装置50は、CPUとROMとRAMとフラッシュメモリ(全て図示しない)とを備えたコンピュータとして構成されている。自動停止制御装置50には、各種センサやスタータ30、オルタネータ35、イグニッションスイッチ84が接続されている。各種センサとは、例えば、駆動輪25の回転速度を検出する車輪速センサ82、ブレーキペダルの踏み込み量PMCを検出するブレーキペダルセンサ86、アクセル開度APAを検出するアクセル開度センサ88、バッテリ40の電圧や電流、温度を検出するバッテリセンサ(図示しない)等である。
自動停止制御装置50のCPUは、ROMに記憶されたコンピュータプログラムをRAMにロードして実行することで、加速状態検出部52や自動停止制御部53、決定部54として機能する。
加速状態検出部52は、アクセル開度センサ88により得られたアクセル開度APAに基づいて、車両200の加速状態を検出する。自動停止制御装置50のフラッシュメモリには、急加速を判断可能なアクセル開度APAの値(又は範囲)が予め記憶されており、加速状態検出部52は、アクセル開度APAの値に基づいて、車両200の急加速を検出することができる。
自動停止制御部53は、エンジンECU60や各種センサ等から自動停止条件及び再始動条件の成立を判断するための信号を受け取る。自動停止制御部53は、エンジン10の始動時において自動停止条件が成立したか否かを判断し、自動停止条件が成立すると、エンジンECU60にエンジン10の自動停止要求を出力する。エンジン10の自動停止条件は、(a)車速が予め定められた速度以下であること、(b)ブレーキペダルが踏み込まれていること、(c)エンジン10の再始動から経過した時間が、エンジン10の今回の自動停止を許可するための時間(許可時間Ts)以上であること、等である。すなわち、自動停止制御部53は、許可時間Tsが経過した場合に、今回の自動停止を実行するか否かを判断する。また、自動停止制御部53は、エンジン10の自動停止時において再始動条件が成立したか否かを判断し、再始動条件が成立すると、エンジンECU60にエンジン10の再始動要求を出力する。エンジン10の再始動条件は、エンジン10の自動停止中にアクセルペダルが踏み込まれること等である。
決定部54は、再始動後に加速状態検出部52により検出された加速状態に基づいて、上述のエンジン10の自動停止条件のうち、(c)についての許可時間Tsを決定する。許可時間の決定処理については、後述する。
A2.自動停止処理:
図2は、エンジン10の自動停止処理について示すフローチャートである。この処理は、エンジン10の自動停止条件が成立したか否かを判断し、その判断結果に応じて、エンジン10の自動停止を実行するための処理である。この処理は、イグニッションスイッチ84がオン操作される度や、エンジン10が再始動される度に実行される。
まず、自動停止制御部53は、車輪速センサ82により検出された車速が予め定められた速度以下であるか否かを判断する(ステップS100)。自動停止制御部53は、車速が予め定められた速度以下である場合には(ステップS100:YES)、ブレーキペダルセンサ86により、ブレーキペダルが踏み込まれているか、すなわちブレーキ操作がされているか否かを判断する(ステップS200)。ブレーキ操作がされている場合には(ステップS200:YES)、自動停止制御部53は、自動停止制御装置50のRAMに記憶された許可時間Tsを取得する(ステップS300)。許可時間Tsは、エンジン10が再始動される度に決定部54により決定される。
許可時間Tsが取得されると、自動停止制御部53は、再始動から経過した時間が許可時間Ts以上であるか否かを判断する(ステップS400)。自動停止制御部53は、再始動から経過した時間が、許可時間Ts以上である場合に(ステップS400:YES)、エンジン10の自動停止条件が成立したと判断して、エンジンECU60にエンジン10の自動停止要求を出力する。自動停止要求を受信したエンジンECU60は、エンジン10への燃料噴射を停止して、エンジン10を自動停止させる(ステップS500)。
一方、上述のステップS100、ステップS200及びステップS400のうち少なくとも一つの条件を満たしていない場合には(例えば、ステップS100:NO)、自動停止制御部53は、再びステップS100、ステップS200及びステップS400のすべての自動停止条件が成立したか否かの判断を繰り返す。以上のようにして、エンジン10の自動停止処理が実行される。
図3は、エンジン10の自動停止処理について説明するための図である。図3には、車両200の車速と、ブレーキペダルの踏み込み量PMCと、アクセル開度APAと、エンジン10の始動(ENG−ON)と停止(ENG−OFF)の状態とが、それぞれ横軸に時間をとって示されている。図3に示すように、時間t1からエンジン10の前回の自動停止が行われ、時間t2からエンジン10の再始動が行われている。そして、時間t3において、車両200の車速が自動停止を許可する許可車速以下に達し(図2、ステップS100:YES)、ブレーキ操作がされている(図2、ステップS200:YES)。更に、時間t3において、再始動からの経過時間が許可時間Ts以上であるため(図2、ステップS400:YES)、エンジン10の今回の自動停止が実行されている(図2、ステップS500)。本実施形態では、この許可時間Tsはアクセル開度APAの最大値である最大アクセル開度Amaxに基づいて決定される。次に、図2のステップS300で取得される許可時間Tsの決定処理について説明する。
A3.許可時間決定処理:
図4は、許可時間決定処理について示すフローチャートである。許可時間決定処理は、エンジン10が再始動することで開始される。
自動停止制御装置50のフラッシュメモリには、再始動後の加速状態が急加速に相当しない場合の許可時間(以下、通常許可時間Tn)が記憶されている。許可時間決定処理において、決定部54は、この通常許可時間Tnを許可時間Tsとして仮に決定し、自動停止制御装置50のRAMに記憶する(ステップS301)。
次に、決定部54は、自動停止制御装置50のフラッシュメモリに記憶されたマップM1を参照して、最大アクセル開度Amaxに対応する許可時間であるマップ許可時間Taを算出し、RAMに記憶する(ステップS302)。
図5は、マップ許可時間Taを算出するためのマップM1の一例である。図5には、最大アクセル開度Amaxとマップ許可時間Taとの対応関係が示されている。図5に示すように、最大アクセル開度Amaxが大きくなるほど、マップ許可時間Taは長くなる。ステップS302では、決定部54は、マップM1を参照して、取得された最大アクセル開度Amaxに対応するマップ許可時間Taを算出する。決定部54は、算出したマップ許可時間Taが、既にRAMに記憶されているマップ許可時間以上である場合に、算出したマップ許可時間TaをRAMに上書きして記憶する。
図4に戻り、決定部54は、エンジン10の再始動から経過した時間が、通常許可時間Tn未満である場合には(ステップS303:NO)、マップM1を参照して、取得された最大アクセル開度Amaxに対応するマップ許可時間Taを算出して記憶する(ステップS302)。このようにして、最大アクセル開度Amaxが大きくなる度に、マップ許可時間TaがRAMに上書きされることになる。
決定部54は、エンジン10の再始動から経過した時間が、通常許可時間Tnに達すると(ステップS303:YES)、RAMに記憶されたマップ許可時間Taが、通常許可時間Tnよりも大きいか否かを判断する(ステップS304)。マップ許可時間Taが通常許可時間Tnよりも大きい場合には(ステップS304:YES)、決定部54は、マップ許可時間Taを許可時間Tsに決定する(ステップS305)。一方、マップ許可時間Taが通常許可時間Tn以下である場合には(ステップS304:NO)、決定部54は、仮に決定されていた通常許可時間Tnを、許可時間Tsに決定する(ステップS306)。以上のようにして、許可時間決定処理が終了する。自動停止制御部53は、この処理において自動停止制御装置50のRAMに記憶される許可時間Tsを、上述の自動停止処理(図2、ステップS300)において取得する。
以上で説明した本実施形態の許可時間決定処理により、許可時間Tsが決定され自動停止処理が行われれば、許可時間Tsは車両200の加速状態に基づいて決定されるので、車両200において、エンジン10の再始動後の加速状態に応じた衝撃と、今回の自動停止による衝撃と、が連続して生じることを抑制することができる。よって車両200の乗り心地を向上させることができる。また、最大アクセル開度Amaxに対応するマップ許可時間Taが、急加速が検出されない場合の許可時間(通常許可時間Tn)よりも大きい場合には、マップ許可時間Taが許可時間Tsに決定される。そのため、再始動後に車両200が急加速された場合には、今回の自動停止が実行されるまでには急加速による衝撃がある程度緩和される。よって、車両200の乗り心地をより向上させることができる。
また、本実施形態によれば、最大アクセル開度Amaxが大きいほど、マップ許可時間Taは長くなる。そのため、車両200のアクセルペダルが大きく踏み込まれているほど、今回の自動停止が許可されるまでの時間が長くなるので、車両200の乗り心地を効果的に向上させることができる。
B.第2実施形態:
B1.全体構成:
上述の第1実施形態における車両200では、加速状態検出部52は、アクセル開度センサ88により得られたアクセル開度APAに基づいて、車両200の加速状態を検出した。本実施形態では、加速状態検出部52は、アクセル開度APAの単位時間当たりの増加量であるアクセル操作勾配に基づいて、車両200の加速状態を検出する。また、本実施形態では、自動停止制御装置50のフラッシュメモリには、急加速を判断可能なアクセル操作勾配の値が予め記憶されており、加速状態検出部52は、アクセル操作勾配に基づいて、車両200の急加速を検出することができる。また、本実施形態では、決定部54は、加速状態検出部52により検出されたアクセル操作勾配の最大値である最大アクセル操作勾配Dmaxに基づいてマップ許可時間Taを算出する。本実施形態における車両200のその他の構成は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
B2.許可時間決定処理:
図6は、第2実施形態の許可時間決定処理について示すフローチャートである。本実施形態の許可時間決定処理においても、決定部54は、エンジン10が再始動されると、通常許可時間Tnを許可時間Tsに仮に決定する(ステップS311)。
次に、決定部54は、自動停止制御装置50のフラッシュメモリに記憶された最大アクセル操作勾配とマップ許可時間Taとの関係を示すマップM2を用いて、再始動後の最大アクセル操作勾配Dmaxに対応するマップ許可時間Taを算出して記憶する(ステップS312)。
図7は、マップ許可時間Taを算出するためのマップM2の一例である。図7には最大アクセル操作勾配Dmaxとマップ許可時間Taとの関係が示されている。最大アクセル操作勾配Dmaxの値が大きくなるほど、マップ許可時間Taは長くなる。図6のステップS312では、決定部54は、マップM2を参照して、取得された最大アクセル操作勾配Dmaxに対応するマップ許可時間Taを算出する。決定部54は、算出したマップ許可時間Taが、既にRAMに記憶されているマップ許可時間以上である場合に、算出したマップ許可時間TaをRAMに上書きして記憶する。
本実施形態における許可時間決定処理のその他の工程(ステップS313〜ステップS316)は、第1実施形態における許可時間決定処理(図3、ステップS303〜ステップS306)と同様であるため、説明を省略する。
以上で説明した本実施形態の許可時間決定処理により、許可時間Tsが決定され自動停止処理が行われても、許可時間Tsは車両200の加速状態に基づいて決定されるので、第1実施形態と同様に、エンジン10の再始動後の加速状態に応じた衝撃と、今回の自動停止による衝撃と、が連続して生じることを抑制することができる。また、最大アクセル操作勾配Dmaxに対応するマップ許可時間Taが、急加速が検出されない場合の許可時間(通常許可時間Tn)より大きい場合には、マップ許可時間Taが許可時間Tsに決定される。そのため、再始動後に車両200が急加速された場合には、今回の自動停止が実行されるまでには急加速による衝撃がある程度緩和される。
更に、本実施形態によれば、最大アクセル操作勾配Dmaxが大きいほど、マップ許可時間Taは長くなる。そのため、車両200のアクセルペダルが急激に踏み込まれるほど、今回の自動停止が許可されるまでの時間が長くなるので、車両200の乗り心地をより効果的に向上させることができる。
C.変形例:
C1.変形例1:
上述の種々の実施形態では、加速状態検出部52は、アクセル開度センサ88を用いて車両200の加速状態を検出している。これに対し、加速状態検出部52は、加速度センサを用いて車両200の加速状態を検出してもよい。この場合、決定部54は、加速度センサによって検出した最大加速度に対応するマップ許可時間Taを算出する。また、加速状態検出部52はGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)を用いて位置情報を取得し、位置情報及び移動時間に基づいて加速状態を検出してもよい。
C2.変形例2:
決定部54は、上述の第1実施形態では、最大アクセル開度Amaxに基づいてマップ許可時間Taを算出し、上述の第2実施形態では、最大アクセル操作勾配Dmaxに基づいてマップ許可時間Taを算出している。そして、マップ許可時間Taが通常許可時間Tnより大きい場合に、マップ許可時間Taを許可時間Tsに決定している。これに対し、決定部54は、最大アクセル開度Amax及び最大アクセル操作勾配Dmaxのそれぞれについてマップ許可時間Taを算出し、最大アクセル開度Amax又は最大アクセル操作勾配Dmaxのいずれかに基づいて算出されたマップ許可時間Taが通常許可時間Tnよりも大きい場合に、マップ許可時間Taを許可時間Tsに決定してもよい。このようにすることで、再始動後に車両200が急加速された場合において、今回の自動停止が実行されるまでには急加速による衝撃がより効果的に緩和される。よって、車両200の乗り心地をより向上させることができる。
C3.変形例3:
上述の種々の実施形態では、通常許可時間Tnとマップ許可時間TaとをそれぞれRAMに記憶して、再始動からの経過時間が通常許可時間Tn以上である場合に(図4ステップS303:YES、図6ステップS313:YES)、決定部54は、マップ許可時間Ta又は通常許可時間Tnを許可時間Tsに決定している(図4ステップS304〜S306、図6ステップS314〜S316)。これに対し、決定部54は、許可時間Tsをマップのみを参照して決定してもよい。
図8は、許可時間Tsと最大アクセル開度Amaxとの対応関係を示すマップM3の例である。マップM3において、許可時間Tsは、急加速を判断可能な最大アクセル開度Amaxまでは、通常許可時間Tnである。一方、最大アクセル開度Amaxが急加速に相当するアクセル開度を超えると、許可時間Tsは増加する。このようなマップM3を自動停止制御装置50のフラッシュメモリに予め記憶しておき、決定部54は、マップM3を参照して、加速状態に基づいて許可時間Tsを決定してもよい。また、決定部54は、最大アクセル開度Amaxにかえて、許可時間Tsと最大アクセル操作勾配Dmaxとの対応関係を示すマップを参照して、加速状態に基づいて許可時間Tsを決定してもよい。
C4.変形例4:
上述の種々の実施形態では、決定部54は、マップM1、マップM2を参照して加速状態検出部52により検出された加速状態に対応する許可時間を算出して記憶している。これに対し、加速状態に対応する許可時間は、マップを用いなくとも良く、例えば予め設定された数式や関数などの対応関係を用いて算出してもよい。
C5.変形例5:
上述の第1実施形態では、エンジン10の再始動から通常許可時間Tnが経過するまでのアクセル開度APAのうち、最大値を最大アクセル開度Amaxとしている。また、上述の第2実施形態では、エンジン10の再始動から通常許可時間Tnが経過するまでのアクセル操作勾配のうち、最大値を最大アクセル操作勾配Dmaxとしている。これに対し、最大アクセル開度Amaxや最大アクセル操作勾配Dmaxを取得する期間は通常許可時間Tnが経過するまでの時間に限らず、例えば、通常許可時間Tnより短い時間等に適宜設定してもよい。
C6.変形例6:
上述の第1実施形態では、最大アクセル開度Amaxに対応するマップ許可時間Taが算出されている。また、上述の第2実施形態では、最大アクセル操作勾配Dmaxに対応するマップ許可時間Taが算出されている。これに対し、マップ許可時間Taは、アクセル開度APAの最大値(最大アクセル開度Amax)やアクセル操作勾配の最大値(最大アクセル操作勾配Dmax)によらず、アクセル開度APAやアクセル操作勾配に基づいて決定されてもよい。例えば、アクセル開度APAやアクセル操作勾配が急加速に相当する値以上となった場合に、決定部54はマップ許可時間Taを通常許可時間Tnよりも長い、予め定められた所定の許可時間に決定してもよい。
C7.変形例7:
上述の第1実施形態では、加速状態検出部52は、アクセル開度センサ88により得られたアクセル開度APAに基づいて、車両200の加速状態を検出している。第2実施形態では、加速状態検出部52は、アクセル操作勾配に基づいて、車両200の加速状態を検出している。これに対し、加速状態検出部52は、アクセル開度センサ88により得られた再始動からのアクセル操作時間に基づいて、車両200の加速状態を検出してもよい。加速状態検出部52は、アクセル操作時間が予め定められた時間よりも短い場合に急加速を検出してもよい。
図9は、マップ許可時間Taを算出するためのマップM4の一例である。図9にはアクセル操作時間とマップ許可時間Taとの関係が示されている。マップ許可時間Taは、アクセル操作時間が短いほど長くなる。決定部54は、このようなマップM4を参照して、取得されたアクセル操作時間に対応するマップ許可時間Taを算出し、許可時間Tsを決定してもよい。このようにしても、アクセル操作時間が短いことによる衝撃と、今回のエンジン10の自動停止による衝撃とが連続することを抑制することができるので、車両200の乗り心地を向上させることができる。
C8.変形例8:
上述の種々の実施形態では、決定部54は、再始動後に検出された加速状態が急加速でない場合には、予め定められた通常許可時間Tnを許可時間Tsに決定している。これに対し、決定部54は、加速状態が急加速でない、比較的緩やかな加速である場合には、許可時間Tsを通常許可時間Tnよりも短い時間に決定してもよい。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…エンジン
15…自動変速機
20…ディファレンシャルギア
25…駆動輪
30…スタータ
34…駆動機構
35…オルタネータ
40…バッテリ
50…自動停止制御装置
52…加速状態検出部
53…自動停止制御部
54…決定部
60…エンジンECU
82…車輪速センサ
84…イグニッションスイッチ
86…ブレーキペダルセンサ
88…アクセル開度センサ
200…車両

Claims (6)

  1. 車両の内燃機関の自動停止制御装置であって、
    前記内燃機関の前回の自動停止が実行された後の始動である再始動後に所定の時間が経過した場合に、今回の自動停止を実行するか否かを判断する自動停止制御部と、
    前記車両の加速状態を検出する加速状態検出部と、
    前記再始動後の前記加速状態に基づいて、前記所定の時間を決定する決定部と、を備え、
    前記決定部は、前記再始動後に検出された前記加速状態が急加速である場合には、前記所定の時間を予め定められた時間よりも長い時間に決定する、
    自動停止制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動停止制御装置であって、
    前記加速状態検出部は、アクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度に基づいて前記急加速を検出する、自動停止制御装置。
  3. 請求項2に記載の自動停止制御装置であって、
    前記決定部は、前記急加速が検出された場合には、前記再始動後の前記アクセル開度の最大値に基づいて、前記所定の時間を決定する、自動停止制御装置。
  4. 請求項1に記載の自動停止制御装置であって、
    前記加速状態検出部は、アクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度の単位時間当たりの増加量に基づいて前記急加速を検出する、自動停止制御装置。
  5. 請求項4に記載の自動停止制御装置であって、
    前記決定部は、前記急加速が検出された場合には、前記再始動後の前記アクセル開度の単位時間当たりの増加量の最大値に基づいて前記所定の時間を決定する、自動停止制御装置。
  6. 車両の内燃機関の自動停止制御方法であって、
    前記内燃機関の前回の自動停止が実行された後の始動である再始動後に所定の時間が経過した場合に、今回の自動停止を実行するか否かを判断する工程と、
    前記車両の加速状態を検出する工程と、
    前記再始動後の前記加速状態に基づいて、前記所定の時間を決定する工程と、を備え、
    前記所定の時間を決定する工程では、前記再始動後に検出された前記加速状態が急加速である場合には、前記所定の時間を予め定められた時間よりも長い時間に決定する、自動停止制御方法。
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