JP4736680B2 - 電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4736680B2 JP4736680B2 JP2005289353A JP2005289353A JP4736680B2 JP 4736680 B2 JP4736680 B2 JP 4736680B2 JP 2005289353 A JP2005289353 A JP 2005289353A JP 2005289353 A JP2005289353 A JP 2005289353A JP 4736680 B2 JP4736680 B2 JP 4736680B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode foil
- oxide film
- electrolytic capacitor
- etching layer
- foil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
すなわち、酸化皮膜層をプレスや研磨などによって機械的に除去する方法や、酸化皮膜層及びエッチング層を回転ローラや超音波振動などによって機械的に除去する方法では、電極箔に除去治具を直接的に接触させて酸化皮膜層やエッチング層を除去しているため、接触時の機械的ストレスが、電極箔自体、例えば電極箔の芯金部分や除去部分近傍の酸化皮膜層及びエッチング層に加わることによって、損傷や歪み等が起こり、また前記除去治具の一部が電極箔に転写するなどにより、電極箔の信頼性を悪化させるという問題点があった。
また、このバリを防止する方法として、本出願人は、所定のレーザを用いることで、バリを防止する方法を見出し、特許出願した(特許文献2参照)しかし、特許文献2に示したような所定のレーザを用いて酸化皮膜層を除去する場合、酸化皮膜層の厚みが比較的厚く、芯金部が薄いトンネルピット状からなるエッチング層を備えた高圧用の電極箔に適用する際には、酸化皮膜層を全て除去すると機械的強度が低下し、ステッチなどによる引出端子との接続の際に芯金が破断してしまう場合があった。
またこの厚い酸化皮膜層を除去する際には、レーザエネルギーを高めるため、このレーザの伝熱により電極箔の芯金部が溶融し、この溶融した芯金部が部分的に固まり欠損部が生じ、また除去面が凹凸となるなどの問題があった。
このように、電極箔の引出端子接続部位表面のエッチング層をその平均ピット深さの20〜70%が残存するように除去することで、残存した酸化皮膜によって電極箔の引出端子接続部位の強度を維持でき、次工程の引出端子とのステッチなどの接続の際に、芯金の破断などなく、信頼性の高い接続が可能となる。また、レーザ照射時に、レーザ光が残存されるエッチング層に形成された酸化皮膜層によって遮断されるため、電極箔の芯金部に熱ストレスが加わりにくく、これにより、芯金部自体が溶融して欠損することがなく、引出端子を接続した際の信頼性が向上する。なお、エッチング層の残存部が70%を超えると、残存する酸化皮膜の量が多く、この電極箔と引出端子との接続部の抵抗が高くなり、また20%より低くなると、電極箔の芯金部が溶融して欠損部が形成されやすくなり、30〜40%の範囲が好適である。また、前記レーザ光は、パルスYAGレーザ光を用いると好ましい。
これによると、残存した酸化皮膜によって電極箔の引出端子接続部位の強度を維持でき、引出端子とのステッチなどによる信頼性の高い接続部が得られ、かつ酸化皮膜層の除去面の芯金部の破断や欠損などがなく平坦化された酸化皮膜の除去面を形成できる。なお、エッチング層の残存部が70%を超えると、残存する酸化皮膜の量が多く、この電極箔と引出端子との接続部の抵抗が高くなり、また20%より低くなると、電極箔の芯金部が溶融して欠損部が形成されやすくなり、30〜40%の範囲が好適である。そして酸化皮膜層の厚みが比較的厚く、芯金部が薄いトンネルピット状からなるエッチング層を備えた高圧用の電極箔であっても適用可能である。
図1は、本発明に係る巻回型電解コンデンサ素子1の構成を示したものであって、巻回型コンデンサ素子1は、その最外側にセパレータ2が配置され、その内側に陰極箔3が積層される。この陰極箔3の内側にさらにセパレータ2が積層され、セパレータ2の内側に陽極箔4が積層される。また、巻回型電解コンデンサ素子1は、陽極箔4に陽極引出端子6が、また、陰極箔3に陰極引出端子5がそれぞれ接続されている。
まず、陽極箔4としてアルミニウムなどの弁作用金属からなる金属箔に、表面に酸化皮膜を有するエッチング層8及びエッチング処理が施されていないアルミニウムからなる芯金部9が形成される。このエッチング層8は、高圧用として、金属箔をトンネルエッチング処理することで、トンネルピット状のエッチング層を形成し、その後化成処理により該エッチング層の表面に酸化皮膜層を形成したものである。この酸化皮膜層の厚みは、600nm程度である。陰極箔3はエッチング処理が施されているが、必要に応じて酸化皮膜層が設けられる。
このように、少なくとも20%以上エッチング層を残存させることで、該残存したエッチング層に設けられた酸化皮膜によって、電極箔7の引出端子接続部位14の強度を維持でき、次工程の引出端子5,6とのステッチ接続の際に、芯金の破断などなく、レーザ照射時に、レーザ光が残存されるエッチング層8に形成された酸化皮膜によって遮断されるため、電極箔7の芯金部9に熱ストレスが加わりにくく、これにより、芯金部自体が溶融して欠損することがなく、平坦な接続部14を形成することができる。
なお、エッチング層8の残存部が70%を超えると、残存する酸化皮膜の量が多く、この電極箔7と引出端子5,6との接続部14の抵抗が高くなり、この好ましくない。好適な残存範囲は30〜40%である。
例えば、上記の実施形態では巻回型電解コンデンサについて説明したが、陰極箔に陰極用引出端子を接続し、陽極箔に陽極用引出端子を接続し、電極箔間にセパレータを介在して電極箔を交互に複数重ね合わせた積層型電解コンデンサにも適用することもできる。
また、エッチング層8の引出端子接続部分にカーボン層を設けて、そのカーボン層にレーザ光11を照射すると、酸化皮膜及びエッチング層8の熱吸収が高められるので、加熱溶融を促進させることができる。あるいは、まずレーザ光11を照射することにより少なくとも酸化皮膜層を一部溶融した後、その表面にカーボン層を設け、さらにレーザ光11を照射することで加熱溶融の速度を上げることもできる。
2 セパレータ
3 陰極箔
4 陽極箔
5 陰極引出端子
6 陽極引出端子
7 電極箔
8 エッチング層
9 芯金部
10 凹凸
11 レーザ光
12 レンズ
13 レーザ源
14 接続部
Claims (4)
- 表面に酸化皮膜を有するエッチング層を備えた電極箔に引出端子を接続し、この電極箔を、セパレータを介して巻回又は積層する電解コンデンサの製造方法において、
前記電極箔の引出端子接続部位表面にレーザ光を照射することにより、エッチング層をその平均ピット深さの20〜70%が残存するように除去する電解コンデンサの製造方法。 - 前記レーザ光は、パルスYAGレーザ光である請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 表面に酸化皮膜を有するエッチング層を備えた電極箔と、この電極箔に接続される引出端子と、この電極箔をセパレータを介して巻回又は積層した電解コンデンサにおいて、
前記電極箔の引出端子接続部位表面におけるエッチング層の平均ピット深さは、元の平均ピット深さに対して20〜70%である電解コンデンサ。 - 前記電極箔のエッチング層は、トンネルピット状である請求項3に記載の電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005289353A JP4736680B2 (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005289353A JP4736680B2 (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007103527A JP2007103527A (ja) | 2007-04-19 |
JP4736680B2 true JP4736680B2 (ja) | 2011-07-27 |
Family
ID=38030195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005289353A Expired - Fee Related JP4736680B2 (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4736680B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5858802B2 (ja) * | 2012-01-24 | 2016-02-10 | ニチコン株式会社 | 電解コンデンサの製造方法 |
JP6952272B2 (ja) * | 2017-03-28 | 2021-10-20 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電解コンデンサおよびその製造方法 |
CN115050579A (zh) * | 2017-03-31 | 2022-09-13 | 日本贵弥功株式会社 | 电极箔及其制造方法以及卷绕式电容器及其制造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05121277A (ja) * | 1991-03-31 | 1993-05-18 | J C C Eng Kk | アルミ箔に対するリード線のタブ付け方法 |
JP2000340465A (ja) * | 1999-06-01 | 2000-12-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
JP2005039132A (ja) * | 2003-07-17 | 2005-02-10 | Nippon Chemicon Corp | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
JP2005216953A (ja) * | 2004-01-27 | 2005-08-11 | Tdk Corp | 電解コンデンサ素子、電解コンデンサ及びこれらの製造方法 |
-
2005
- 2005-09-30 JP JP2005289353A patent/JP4736680B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05121277A (ja) * | 1991-03-31 | 1993-05-18 | J C C Eng Kk | アルミ箔に対するリード線のタブ付け方法 |
JP2000340465A (ja) * | 1999-06-01 | 2000-12-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルミ電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
JP2005039132A (ja) * | 2003-07-17 | 2005-02-10 | Nippon Chemicon Corp | 電解コンデンサ及びその製造方法 |
JP2005216953A (ja) * | 2004-01-27 | 2005-08-11 | Tdk Corp | 電解コンデンサ素子、電解コンデンサ及びこれらの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007103527A (ja) | 2007-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4924771B2 (ja) | レーザ溶接方法及びそれを含む電池の製造方法 | |
JP4966677B2 (ja) | 二次電池、及びその製造方法 | |
WO2013186862A1 (ja) | 溶接装置、溶接方法、及び電池の製造方法 | |
JP2010135651A (ja) | 金属箔の接続構造及びその接続方法及びコンデンサ | |
WO2013018841A1 (ja) | 電池用負極端子 | |
JP4736680B2 (ja) | 電解コンデンサ及びその製造方法 | |
JP4660544B2 (ja) | 積層型固体電解コンデンサ及びその製造方法 | |
JP4655574B2 (ja) | 電解コンデンサの製造方法 | |
JP4556595B2 (ja) | 電解コンデンサの製造方法 | |
JP2008016687A (ja) | 電解コンデンサの製造方法 | |
JP2008109753A (ja) | 被覆剥離方法 | |
JP6895181B2 (ja) | 積層金属箔の製造方法 | |
JP2010283115A (ja) | エネルギーデバイスの製造方法 | |
JP5453720B2 (ja) | レーザ溶接方法および半導体装置とその製造方法 | |
JP2008042079A (ja) | 電解コンデンサ及びその製造方法 | |
JP2008016701A (ja) | 電解コンデンサの製造方法 | |
JP2005039132A (ja) | 電解コンデンサ及びその製造方法 | |
JP5232625B2 (ja) | 固体電解コンデンサ | |
US11458568B2 (en) | Laser processing method | |
TWI442429B (zh) | Manufacturing method of lead terminal for capacitor | |
JP2010082673A (ja) | レーザ溶接部材およびレーザ溶接方法 | |
JP4874511B2 (ja) | 電解コンデンサの製造方法 | |
JP4766239B2 (ja) | セラミック電子部品及びその製造方法 | |
JP2006041447A (ja) | 電解コンデンサの製造方法及び電解コンデンサ | |
JP4974284B2 (ja) | パッケージの封止方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080912 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20101018 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101022 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101116 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110117 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110405 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110418 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4736680 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |