JP2008016687A - 電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表面に酸化皮膜層及びエッチング層を備えた電極箔に引き出し端子を接続し、この電極箔を、セパレータを介して巻回又は積層する電解コンデンサの製造方法において、アルミニウム芯金とエッチング層と該エッチング層上に形成された酸化皮膜層とからなる電極箔の前記引き出し端子接続部位に、所定のレーザ光の一部のみを透過する開口部を有するマスクを介して該レーザ光を照射することにより、その照射部位を加熱して溶融させて接続部を形成し、この接続部に前記引き出し端子を接続する。
【選択図】図1
Description
すなわち、酸化皮膜層をプレスや研磨などによって機械的に除去する方法や、酸化皮膜層及びエッチング層を回転ローラや超音波振動などによって機械的に除去する方法では、電極箔に除去治具を直接的に接触させて酸化皮膜層やエッチング層を除去しているため、接触時の機械的ストレスが、電極箔自体、例えば電極箔の芯金部分や除去部分近傍の酸化皮膜層及びエッチング層に加わることによって、損傷や歪み等が起こり、また前記除去治具の一部が電極箔に転写するなどにより、電極箔の信頼性を悪化させるという問題点があった。
このような請求項2に記載の発明によれば、レーザ光の高エネルギー部分のみを、加工対象部位に効率良く照射することができるので、加工対象部位の周囲にボイドが発生することを防止できる。
このような請求項3に記載の発明によれば、マスクに形成された複数の小さな開口部を介してレーザ光が照射される結果、電極箔に複数の小さな小接続部が形成される。その結果、これらの小接続部と小接続部との間には、エッチング層及び酸化皮膜層が部分的に残存するため、接続部としての強度が維持されるという効果が得られる。
パルスYAGレーザは、1照射あたりの発光のピーク値が比較的低く、発光幅が長いため、電極箔にレーザ照射される際に、照射側の反対側まで十分な加熱がなされ、その結果、電極箔のアルミニウム芯金、エッチング層及び酸化皮膜層が溶融して混合され、良好な接続部が形成される。
本実施形態においては、図1に示すように、電極箔6,10の上部にレーザ源24を配置し、電極箔6,10とレーザ源24の間にレンズ22を配置する。さらに、レンズ22と電極箔6,10の間に、後述するような形状を有するマスク40を配置する。
上記のような構成を有する本実施形態においては、以下のようにして接続部が形成される。なお、図3は、マスク40によってレーザ光の一部が遮蔽され、照射されるレーザ光の内、高エネルギーのレーザ光が電極箔に照射される様子を模式的に示したものである。
上述したように、本発明によれば、引き出し端子の接続部となる電極箔の加工対象部位に、マスク40によって照射範囲が限定されたレーザ光を照射することによって、接続部の部分のみを局部的に加熱し、その部分のアルミニウム芯金とエッチング層と該エッチング層上に形成された酸化皮膜層とを溶融させることにより新たな接続部を形成することができる。また、この接続部は、表面に酸化皮膜層がなく平坦状であると共に所定の厚さを維持することができるため、接続部としての強度が増し、これによって、引き出し端子との良好な接続が可能となる。
なお、上記の実施形態では巻回型電解コンデンサについて説明したが、陰極箔に陰極用引き出し端子を接続し、陽極箔に陽極用引き出し端子を接続し、電極箔間にセパレータを介在して電極箔を交互に複数重ね合わせた積層型電解コンデンサにも適用することができる。
また、酸化皮膜層の引き出し端子接続部分にカーボン層を設けて、そのカーボン層にレーザ光20を照射すると、酸化皮膜層18及びエッチング層の熱吸収が高められるので、加熱溶融を促進させることができる。あるいは、まずレーザ光20を照射することにより少なくとも酸化皮膜層18を一部溶融した後、その表面にカーボン層を設け、さらにレーザ光20を照射することで加熱溶融の速度を上げることもできる。
10…陽極箔
16…金属箔(アルミニウム芯金)
20…レーザ光
22…レンズ
24…レーザ源
30…接続部
31…ボイド
40、41、43…マスク
42、44…開口部
Claims (4)
- 表面に酸化皮膜層及びエッチング層を備えた電極箔に引き出し端子を接続し、この電極箔を、セパレータを介して巻回又は積層する電解コンデンサの製造方法において、
アルミニウム芯金とエッチング層と該エッチング層上に形成された酸化皮膜層とからなる電極箔の前記引き出し端子接続部位に、所定のレーザ光の一部のみを透過する開口部を有するマスクを介して該レーザ光を照射することにより、その照射部位を加熱して溶融させて接続部を形成し、この接続部に前記引き出し端子を接続することを特徴とする電解コンデンサの製造方法。 - 前記マスクに形成される開口部が、前記引き出し端子接続部位と同一径、且つ、同一形状であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記マスクに形成される開口部が、複数の小開口部から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサの製造方法。
- 前記レーザ光が、パルスYAGレーザ光であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の電解コンデンサの製造方法。
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