JP4736534B2 - ガス透過フィルタ、ガス交換チップ、及び全有機体炭素測定装置 - Google Patents
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Description
ガス透過膜は、概略的には図2(A)に符合2として示されるような断面構造をもち、素材における分子と分子の隙間がランダムな方向に存在し、その隙間をガス成分が透過する。ガス透過膜はガスの透過速度は遅いが、液体が膜を通じて漏れることはない。
本発明の第1の目的は、ガス成分の透過速度がガス透過膜よりも早く、かつメンブレンフィルタに比べて液漏れしにくいガス交換膜を提供することである。
本発明の第2の目的は、ガス移動速度の速いガス交換装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、二酸化炭素抽出部での液漏れを防いで二酸化炭素の移動速度を速くした全有機体炭素測定装置を提供することである。
メンブレンフィルタの孔は互いに交わらない方向に形成されている。
前記ガス透過層はメンブレンフィルタの片面のみに形成されていてもよいが、液漏れをより有効に防ぐ点ではガス透過層はメンブレンフィルタの両面に形成されている方が好ましい。
図2(C)の構造は、疎水性材料からなるガス透過層8がメンブレンフィルタ4の孔6を粗く埋めることにより、孔6を通じて液体が移動することを阻止し、液体に含まれるガス成分はガス透過層8の隙間を通って移動できるようになったものである。
図2(E)の構造は、疎水性材料からなるガス透過層12がメンブレンフィルタ4の表面を薄く被うことにより、メンブレンフィルタ4の孔6を通じて液体が移動することをガス透過層12が阻止し、液体に含まれるガス成分がそのガス透過層12の隙間を通って移動できるようになったものである。
メンブレンフィルタの好ましい例は、膜を貫通している孔が膜に垂直方向に形成されたものであり、ガス透過層の一例はフッ素系堆積薄膜である。
メンブレンフィルタの孔が互いに交わっていなければメンブレンフィルタ内部でのガスの拡散が少なく、ガス成分の移動速度がより速くなる。
本発明のガス交換チップを用いれば、送液圧力が高い条件においても液体がガス透過フィルタを通して漏れることがなく、高速でガス交換ができるので、短時間に試料のガス交換ができる。
二酸化炭素抽出部に従来のガス透過膜を用いたときはガス透過膜中に二酸化炭素が拡散したが、二酸化炭素抽出部のガス交換チップに本発明のガス透過フィルタを使用したので、微細な孔が他の孔と交わっていないために、二酸化炭素はガス透過フィルタ中に拡散せずに移動することができる。そのため、二酸化炭素を含む試料水を流してガス透過フィルタ中における二酸化炭素の濃度を一定にする時間がほとんど不要になる。
膜内で孔が交わっているメンブレンフィルタも使用することができるが、孔が互いに交わらない方向に形成されたメンブレンフィルタの例は、ポリカーボネート薄膜などの樹脂薄膜に面に垂直な方向から中性子を照射して多数の微細孔を開け、ウエットエッチングによりそれらの微細孔を適度な大きさにしたものである。
基板1,2はガラス基板、例えば石英基板である。一方のガラス基板1の片面には数mm以下の幅と深さをもつ流路3が形成され、流路3の両端の位置には液体や気体の導入や排出に利用する貫通孔5,7が形成されている。他方のガラス基板2の片面にも数mm以下の幅と深さをもつ流路4が形成され、流路4の両端の位置にも液体や気体の導入や排出に利用する貫通孔6,8が形成されている。一例として、流路3,4の幅を1mm、深さを100μmとした。
9は図1(B)に示したガス透過フィルタである。
流路3,4は例えばフォトリソグラフィとエッチングを用いた微細加工技術により、穴5,6,7,8は例えばサンドブラスト法により形成することができる。
両方の流路に液体を流したとき、ガス透過フィルタ9の孔に液体が浸入することがなく、ガス透過フィルタ9には気体が残り、流路を流れる液体中に含まれるガスは、その気体を通じて交換される。
これらの2流路型ガス交換チップを使用するガス抽出方法の他の例は、一方の流路に液体を流し、他方の流路に気体を流し、その気体をガス透過フィルタ9の孔を介して一方の流路の液体に溶解させることである。
その全有機体炭素測定装置は、試料水中の有機体炭素を二酸化炭素に変換する有機物酸化分解部13、有機物酸化分解部13で発生した二酸化炭素を純水へ抽出する二酸化炭素抽出部15、及び二酸化炭素抽出部15で抽出した二酸化炭素量を測定するために二酸化炭素抽出部15からの純水の導電率を測定する検出部16を備えている。
ガス交換チップの流路3,4の幅を1mm、深さを100μmとした。ガス交換チップに用いられている実施例のガス透過フィルタは、メンブレンフィルタの両面にガス透過層としてフルオロカーボン層を成膜した図1(B)のものであり、それに対する比較例としてのガス透過膜はポリテトラフルオロエチレン多孔質膜である。ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜は図2(A)により概略的に示した構造をもつ膜である。
まず二酸化炭素抽出部15のガス交換チップの試料側に純水のみを流速100μL/分で流した。検出部16で検出する測定水としての純水の比導電率が一定の値に落ち着いたところで、二酸化炭素を含んだサンプル(NaHCO3とNa2CO3で調整したlmgC/Lの液とリン酸lNを100:1の割合で混合したもの)を同じ流速で流し、比導電率が安定するまでの立ち上がり時間を測定した。
3,4 流路
9 ガス透過フィルタ
10 IC除去部
13 有機物酸化分解部
15 二酸化炭素抽出部
16 検出部
Claims (5)
- 膜を貫通した多数の孔が互いに交わらない方向に形成されたメンブレンフィルタと、
前記メンブレンフィルタの表面上に前記孔上を覆うように成膜された堆積薄膜であって、前記孔を通して液体が移動せずに液体に含まれるガス成分の移動だけができる隙間を形成している疎水性材料薄膜からなるガス透過層と
を備えたことを特徴とするガス透過フィルタ。 - 前記ガス透過層は前記メンブレンフィルタの両面に形成されている請求項1に記載のガス透過フィルタ。
- 前記メンブレンフィルタは前記孔が膜に垂直方向に形成されたものであり、前記ガス透過層はフッ素系堆積薄膜である請求項1又は2に記載のガス透過フィルタ。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載のガス透過フィルタと、
液体を流すことのできる流路となる溝を形成した2つの基板とを備え、
前記2つの基板間に前記ガス透過フィルタを挟んだ状態でそれぞれの基板の溝が対向するように前記2つの基板が重ねられていることを特徴とするガス交換チップ。 - 試料水中の有機体炭素を二酸化炭素に変換する有機物酸化分解部、前記有機物酸化分解部で発生した二酸化炭素を純水へ抽出する二酸化炭素抽出部、及び前記二酸化炭素抽出部で抽出した二酸化炭素量を測定するために前記純水の導電率を測定する検出部を備えた全有機体炭素測定装置において、
前記二酸化炭素抽出部として請求項4に記載のガス交換チップを使用し、その一方の流路に前記有機物酸化分解部からの試料水を流し、他方の流路に前記純水を流し、そのガス交換チップを経た前記純水を前記検出部に導くことを特徴とする全有機体炭素測定装置。
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JP2005147012A JP4736534B2 (ja) | 2005-05-19 | 2005-05-19 | ガス透過フィルタ、ガス交換チップ、及び全有機体炭素測定装置 |
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