JP4735964B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えばCMOSイメージセンサ等で構成される撮像装置に関する。詳しくは、この発明は、第1、第2の画素群が行方向および列方向に半画素分ずれた状態で配置されたイメージセンサを用い、第1、第2の画素群の電荷蓄積時間が異なるように制御し、この第1、第2の画素群から得られる画像信号を合成して出力画像信号とすることによって、画像に最適な感度およびダイナミックレンジを容易に得ることができる撮像装置に係るものである。
図9は、従来のCMOSイメージセンサ300の構成を示している。このイメージセンサ300は、画素アレイ部301と、Vデコーダ(垂直走査回路)302と、Hデコーダ(水平走査回路)303と、CDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)回路304と、水平選択用トランジスタ305と、水平信号線306と、垂直信号線307と、垂直選択線308とを有している。
画素アレイ部301は複数の画素309が行列状に2次元配置された構成となっている。各画素309は正方形または長方形を一単位としており、各画素309を縦、横に等間隔に展開することで画素アレイ部301が形成されている。各画素309に、後述する画素回路が設けられている。各画素309にはカラーフィルタが設定されており、例えば2×2RGBGにより構成されるベイヤー配列のカラーマトリックスが形成されている。ここで、Rは赤色フィルタ、Gは緑色フィルタ、Bは青色フィルタを示している。
Vデコーダ302は、垂直選択線308を通じて、画素アレイ部301の各画素309を行単位で選択する。この場合、最下端から一行ずつ順番に選択され、行毎に一括して画素信号の読み出しが行われる。
CDS回路304は、画素アレイ部301から行単位で読み出される各画素信号に対して相関二重サンプリングの処理を行ってリセット雑音を低減する。この場合、画素信号のリセット期間に続く0レベル期間の電位がクランプパルスCLPで所定電位にクランプされ、その後に画素信号の信号期間がサンプルホールドパルスS/Hでサンプルホールドされて、リセット雑音を低減した画素信号が得られる。
Hデコーダ303は、CDS回路304から出力される一行分の画素信号を、左端から順次画素単位で選択する。水平選択用トランジスタ305は水平出力回路を構成している。この場合、Hデコーダ303で選択された位置のトランジスタ305がオンとなり、CDS回路304でサンプルホールドされた画素信号が水平信号線306に出力される。
このように水平信号線306に順次出力される画素信号は画像信号を構成する。この画像信号は後段のアンプ(図示せず)にて増幅された後にセンサ外部に出力される。
各画素309の画素回路を説明する。この画素回路は、図9に示すように、フォトダイオードPD、転送トランジスタT1、リセットトランジスタT2、増幅トランジスタT3および選択トランジスタT4によって構成されている。フォトダイオードPDは、光電変換と電荷蓄積の機能を備えている。このフォトダイオードPDは、そのアノードが接地され、入射光をその光量に応じた量の電荷に光電変換し、その光電変換によって生成された電荷を蓄積する。
転送トランジスタT1は、フォトダイオードPDのカソードとフローティングディフュージョン部FDとの間に接続され、そのゲートに供給される転送パルスTRSに基づいて、フォトダイオードPDで生成された電荷をフローティングディフュージョン部FDに転送する。リセットトランジスタT2は、電源とフローティングディフュージョン部FDとの間に接続され、そのゲートに供給されるリセットパルスRSTに基づいて、フローティングディフュージョン部FDの電位を電源電位にリセットする。
フローティングディフュージョン部FDには、増幅トランジスタT3のゲートが接続されている。この増幅トランジスタT3は、選択トランジスタT4を介して、垂直信号線307に接続されている。画素選択信号SELに基づいて選択トランジスタT4がオンすると、増幅トランジスタT3はフローティングディフュージョン部FDの電位を増幅してその電位に応じた電圧を垂直信号線307に出力する。
なお、上述したリセットパルスRSTおよび転送パルスTRSは、画素選択信号SELと同様に、Vデコーダ302から供給される。図10は、上述した画素選択信号SEL、リセットパルスRST、転送パルスTRS、クランプパルスCLP、サンプルホールドパルスS/Hのタイミング、および垂直信号線307に得られる信号SIGの波形例を示している。
また、CMOSイメージセンサ100には、センサの露光時間(電荷蓄積時間)を制御するために電子シャッターの機能が備えられている。これは、画素選択行に先行して、画素選択信号SELをオフ(ローレベル)のままで、画素のリセットと電荷転送のみを行う操作をVデコーダ302により掃引するものである。図11A,Bは、例えば、n行目の画素に着目した場合の操作を示している。
電子シャッター行の操作期間では、画素選択信号SEL_nはオフのままでリセットパルスRST_nと転送パルスTRS_nのみ動作させ、垂直信号線に画素信号を送ることなく、フォトダイオードPDの電荷のフローティングディフュージョン部FDへの掃きだし動作のみを行う。それから、一定時間Tcの後に、読み出し行の選択期間となり、図10と同様の操作で、画素信号の読み出しが行われる。ここで、各画素309の電荷蓄積時間は、シャッター行から読み出し行までの期間Tcに相当する。つまり、シャッター行から読み出し行までの間隔を変更することにより、随時、センサの露光時間(電荷蓄積時間)を変更することが可能になる。
電荷蓄積時間Tcが長い場合、光強度と画像信号の出力レベルの関係は、例えば図12のa線に示すようになり、低照度では傾きが急峻で感度が高いが、高照度では信号が飽和し、ダイナミックレンジDaは狭いものとなる。一方、電荷蓄積時間Tcが短い場合、光強度と画像信号の出力レベルの関係は、例えば図12のb線に示すようになり、低照度では信号がノイズに埋もれてしまうが、高照度でも信号は飽和しないので、ダイナミックレンジDbは広いものとなる。
特許文献1には、低照度では傾きが急峻で、かつ広ダイナミックレンジを実現し得る撮像装置が提案されている。この特許文献1には、面積が小さく感度が低い低感度画素(R画素)と、面積が大きく感度が高い高感度画素(S画素)を備えており、低感度画素からから得られる画像信号と高感度画素から得られる画像信号とを合成することで、広ダイナミックレンジを実現することが記載されている。
特開2005−286104号公報
特許文献1に記載される発明では、低感度画素と高感度画素の面積比が固定されていることから、画像に応じて感度やダイナミックレンジを調整するといったことはできない。そのため、ダイナミックレンジを広くとる必要のない画像では、通常のセンサに比べて感度が悪くなる。
この発明の目的は、画像に最適な感度およびダイナミックレンジを容易に得ることができる撮像装置を提供することにある。
この発明の概念は、
行列状に2次元配置された複数の画素で構成される第1の画素群と、該第1の画素群を構成する複数の画素のそれぞれに対して行方向および列方向に半画素分ずれた状態で行列状に2次元配置された複数の画素で構成される第2の画素群とを有し、上記第1の画素群に係るフレームレートと上記第2の画素群に係るフレームレートを、それぞれ異なるフレームレートに設定可能なイメージセンサと、
上記イメージセンサの上記第1の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間を第1の時間とし、上記イメージセンサの上記第2の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間を上記第1の時間とは異なる第2の時間とする制御部と、
上記イメージセンサの上記第1の画素群から得られる第1の画像信号と上記イメージセンサの上記第2の画素群から得られる第2の画像信号とを合成して出力画像信号とする合成部と
を備え、
上記制御部は、上記イメージセンサの上記第1の画素群に係るフレームレートと、上記イメージセンサの上記第2の画素群に係るフレームレートを、それぞれ、ーザ操作に応じて異なるフレームレートに設定するようにして、各フレームにおける上記第1の画素群の電荷蓄積時間と上記第2の画素群の電荷蓄積時間を異なるものとする
撮像装置にある。
この発明において、イメージセンサの第1の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間は第1の時間とされる。そのため、この第1の画素群に係る感度およびダイナミックレンジはこの第1の時間に対応したものとなる。また、イメージセンサの第2の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間は第2の時間とされる。そのため、この第2の画素群に係る感度およびダイナミックレンジはこの第2の時間に対応したものとなる。
第1の時間および第2の時間を異なるものとする方法として以下の方法がある。例えば、第1の画素群および第2の画素群に係るフレームレートは同じとされ、各フレームにおける第1の画素群および第2の画素群の電荷蓄積時間が異なるものとされる。また例えば、第1の画素群および第2の画素群に係るフレームレートが異なるものとされる。
イメージセンサの第1の画素群から得られる第1の画像信号とイメージセンサの第2の画素群から得られる第2の画像信号とが合成されて出力画像信号とされる。この出力画像信号は、第1、第2の画素群に係る感度およびダイナミックレンジが合成されて得られた感度およびダイナミックレンジに基づいたものとなる。
第1、第2の時間を変化させることで、それぞれ第1、第2の画素群に係る感度およびダイナミックレンジ、従ってそれらを合成した感度およびダイナミックレンジを調整でき、画像に最適な感度およびダイナミックレンジを容易に得ることができる。
例えば、カラーの場合、イメージセンサの第1の画素群および第2の画素群には、それぞれ個別に、カラーマトリックス(例えばベイヤー配列)が形成される。これにより、独立した2つのカラーイメージセンサが一箇所の受光エリアに重ね合わされたものとみなすことができ、従って第1、第2の画素群から得られる画像信号の合成を簡単に行い得る。
この発明によれば、第1、第2の画素群が行方向および列方向に半画素分ずれた状態で配置されたイメージセンサを用い、第1、第2の画素群の電荷蓄積時間が異なるように制御し、この第1、第2の画素群から得られる画像信号を合成して出力画像信号とするものであり、画像に最適な感度およびダイナミックレンジを容易に得ることができる。
この発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態としての撮像装置100の構成を示している。
この撮像装置10は、マイクロコンピュータを備え、装置全体の動作を制御する制御部11を有している。この制御部11には、ユーザインタフェースとしての操作部12が接続されている。ユーザは、この操作部12により種々の操作および設定を行うことができる。
また、撮像装置10は、撮像レンズ、絞り等の結像光学系13と、CMOSイメージセンサ100と、駆動部14と、合成部15とを有している。イメージセンサ100は、電荷蓄積時間を異にする第1、第2の画素群を画素アレイ部に持ち、これら第1、第2の画素群から得られる第1、第2の画像信号HL1,HL2を出力する。このイメージセンサ100の詳細は後述する。駆動部14は、イメージセンサ100に必要なタイミング信号を供給し、当該イメージセンサ100の駆動制御を行う。合成部15はイメージセンサ100から出力される第1、第2の画像信号HL1,HL2を合成して出力画像信号を得る。
また、撮像装置10は、A/Dコンバータ16と、画像信号処理部17と、記録部18と、ディスプレイ19とを有している。A/Dコンバータ16は、合成部15で得られる出力画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。画像信号処理部17は、A/Dコンバータ16で得られるデジタルの画像信号を処理し、記録部18に記録信号として供給し、ディスプレイ19に表示信号として供給する。
記録部18は、画像信号処理部17から供給される記録信号を、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ等の記録メディアに記録する。ディスプレイ19は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、画像信号処理部17から供給される表示信号による画像を表示する。
次に、CMOSイメージセンサ100の詳細を説明する。図2は、CMOSイメージセンサ100の構成を示している。このイメージセンサ100は、画素アレイ部101と、Vデコーダ(垂直走査回路)102-1,102-2と、Hデコーダ(水平走査回路)103-1,103-2と、CDS回路104-1,104-2と、水平選択用トランジスタ105-1,105-2と、水平信号線106-1,106-2と、垂直信号線107-1,107-2と、垂直選択線108-1,108-2とを有している。
画素アレイ部101は、行列状に2次元配置された複数の画素109-1で構成される第1の画素群と、同様に行列状に2次元配置された複数の画素109-2で構成される第2の画素群とを有している。この画素アレイ部101の各画素109-1,109-2は、従来周知のイメージセンサで用いられる正方画素の構成を斜め45度傾けた配置とされている。
この場合、隣接する行、列に配置される画素は、その中心位置が半画素分ずれた構成となる。すなわち、第2の画素群を構成する複数の画素109-2は、第1の画素群を構成する複数の画素109-1のそれぞれに対して行方向および列方向に半画素分ずれた状態となっている。各画素109-1,109-2に、後述する画素回路が設けられている。
各画素109-1,109-2にはカラーフィルタが設定されている。第1の画素群および第2の画素群には、それぞれ個別に、例えば2×2RGBGにより構成されるベイヤー配列のカラーマトリックスが形成されている。ここで、Rは赤色フィルタ、Gは緑色フィルタ、Bは青色フィルタを示している。図2には、第1の画素群に係るベイヤー配列をベイヤー配列1として示し、第2の画素群に係るベイヤー配列をベイヤー配列2として示している。図示のように第1、第2の画素群の2×2のカラーマトリックスはオーバーラップして形成される。
Vデコーダ102-1は、垂直選択線108-1を通じて、画素アレイ部101の第1の画素群の各画素109-1を行単位で選択する。この場合、最下端から一行ずつ順番に選択され、行毎に一括して画素信号の読み出しが行われる。
CDS回路104-1は、画素アレイ部101の第1の画素群から行単位で読み出される各画素信号に対して相関二重サンプリングの処理を行ってリセット雑音を低減する。この場合、画素信号のリセット期間に続く0レベル期間の電位がクランプパルスCLPで所定電位にクランプされ、その後に画素信号の信号期間がサンプルホールドパルスS/Hでサンプルホールドされて、リセット雑音を低減した画素信号が得られる。
Hデコーダ103-1は、CDS回路104-1から出力される一行分の画素信号を、左端から順次画素単位で選択する。水平選択用トランジスタ105-1は水平出力回路を構成している。この場合、Hデコーダ103-1で選択された位置のトランジスタ105-1がオンとなり、CDS回路104-1でサンプルホールドされた画素信号が水平信号線106-1に出力される。
このように水平信号線106-1に順次出力される画素信号は第1の画像信号HL1を構成する。この第1の画素群から得られる第1の画像信号HL1は後段のアンプ(図示せず)にて増幅された後にセンサ外部に出力される。
また、Vデコーダ102-2は、垂直選択線108-2を通じて、画素アレイ部101の第2の画素群の各画素109-2を行単位で選択する。この場合、最下端から一行ずつ順番に選択され、行毎に一括して画素信号の読み出しが行われる。
CDS回路104-2は、画素アレイ部101の第2の画素群から行単位で読み出される各画素信号に対して相関二重サンプリングの処理を行ってリセット雑音を低減する。Hデコーダ103-2は、CDS回路104-2から出力される一行分の画素信号を、左端から順次画素単位で選択する。水平選択用トランジスタ105-2は水平出力回路を構成している。この場合、Hデコーダ103-2で選択された位置のトランジスタ105-2がオンとなり、CDS回路104-2でサンプルホールドされた画素信号が水平信号線106-2に出力される。
このように水平信号線106-2に順次出力される画素信号は第2の画像信号HL2を構成する。この第2の画素群から得られる第2の画像信号HL2は後段のアンプ(図示せず)にて増幅された後にセンサ外部に出力される。
各画素109-1,109-2の画素回路を説明する。図3は、画素回路を示している。
この画素回路は、フォトダイオードPD、転送トランジスタT1、リセットトランジスタT2、増幅トランジスタT3および選択トランジスタT4によって構成されている。フォトダイオードPDは、光電変換と電荷蓄積の機能を備えている。このフォトダイオードPDは、そのアノードが接地され、入射光をその光量に応じた量の電荷に光電変換し、その光電変換によって生成された電荷を蓄積する。
転送トランジスタT1は、フォトダイオードPDのカソードとフローティングディフュージョン部FDとの間に接続され、そのゲートに供給される転送パルスTRSに基づいて、フォトダイオードPDで生成された電荷をフローティングディフュージョン部FDに転送する。リセットトランジスタT2は、電源とフローティングディフュージョン部FDとの間に接続され、そのゲートに供給されるリセットパルスRSTに基づいて、フローティングディフュージョン部FDの電位を電源電位にリセットする。
フローティングディフュージョン部FDには、増幅トランジスタT3のゲートが接続されている。この増幅トランジスタT3は、選択トランジスタT4を介して、垂直信号線107-1,107-2に接続されている。画素選択信号SELに基づいて選択トランジスタT4がオンすると、増幅トランジスタT3はフローティングディフュージョン部FDの電位を増幅してその電位に応じた電圧を垂直信号線107-1,107-2に出力する。
なお、上述したリセットパルスRSTおよび転送パルスTRSは、画素選択信号SELと同様に、Vデコーダ102-1,102-2から供給される。
各画素109-1,109-2における、画素選択信号SEL、リセットパルスRST、転送パルスTRS、クランプパルスCLP、サンプルホールドパルスS/Hのタイミング、および垂直信号線107-1,107-2に得られる信号SIGの波形は、上述の図10に示すものと同様である。
この場合、各画素109-1,109-2の電荷蓄積時間は、シャッター行選択期間の転送パルスTRSから読み出し行選択期間の転送パルスTRSまでの時間Tcである(図11参照)。本実施の形態においては、第1の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間を第1の時間Tc1として、第2の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間を第2の時間Tc2とするとき、これらの時間Tc1,Tc2は互いに異なるように設定され、例えばTc1>Tc2とされている。ユーザは、これらの時間Tc1,Tc2を、上述した操作部12を操作することで任意に設定できる。
上述したように、CMOSイメージセンサ100は、あたかも独立した2つのカラーイメージセンサが一箇所の受光エリアに重ね合わされたものとみなすことができる。なお、これら2つのカラーイメージセンサは行方向および列方向に半画素分ずれているが、画素サイズが小さくなり、画素数が多くなれば、このずれを無視することが可能となる。
図1に示す撮像装置10の動作を説明する。
イメージセンサ100の撮像面に結像光学系13によって被写体像が結像される。そして、このイメージセンサ100から上述したように画素アレイ部101の第1、第2の画素群に係る第1、第2の画像信号HL1,HL2が得られ、これら第1、第2の画像信号HL1,HL2は合成部15に供給される。この合成部15では、第1、第2の画像信号HL1,HL2が合成されて出力画像信号が得られる。
この出力画像信号は、A/Dコンバータ16でアナログ信号からデジタル信号に変換された後、画像信号処理部17に供給される。この画像信号処理部17では、デジタルの画像信号の処理が行われる。そして、この画像信号処理部17から記録部18に画像信号を処理して得られた記録信号が供給され、この記録信号が記録メディアに記録される。また、この画像信号処理部17からディスプレイ19に画像信号を処理して得られた表示信号が供給され、このディスプレイ19に画像が表示される。
図1に示す撮像装置10においては、イメージセンサ100の第1の画素群を構成する各画素109-1の電荷蓄積時間である第1の時間Tc1と、このイメージセンサ100の第2の画素群を構成する各画素109-2の電荷蓄積時間である第2の時間Tc2とが異なるように設定され、例えばTc1>Tc2とされている。
このように第1の時間Tc1が大きく設定されるため、イメージセンサ100の第1の画素群に係る光強度と画像信号レベルとの関係は、例えば図4のa線に示すようになり、低照度では傾きが急峻で感度が高いが、高照度では信号が飽和し、ダイナミックレンジD1は狭いものとなる。
一方、第2の時間Tc2が小さく設定されるため、イメージセンサ100の第2の画素群に係る光強度と画像信号レベルとの関係は、例えば図4のb線に示すようになり、低照度では信号がノイズに埋もれてしまうが、高照度でも信号は飽和しないので、ダイナミックレンジD2は広いものとなる。
そのため、合成部15で得られる出力画像信号に係る光強度と画像信号レベルとの関係は、例えば図5のc線に示すように、図4のa線、b線を合成したものとなり、低照度では傾きが急峻で感度が高く、かつ高照度でも信号が飽和せず、ダイナミックレンジD3は広いものとなる。なお、図5には、図4のa線、b線に対応した線を破線で示している。
図1に示す撮像装置10によれば、ユーザは操作部12を操作して、第1、第2の時間Tc1,Tc2を任意に設定できる。これにより、第1、第2の画素群に係る感度およびダイナミックレンジ、従ってそれらを合成した感度およびダイナミックレンジを調整でき、画像に最適な感度およびダイナミックレンジを容易に得ることができる。
例えば、線形性を犠牲にしてもダイナミックレンジをより広くしたいときは、上述の図5に示す状態に比べて、例えば図6のa線、b線に示すように、第1の時間Tc1を長くして第1の画素群に係る感度を上げると共に、第2の時間Tc2を短くして第2の画素群に係る感度を下げることで、図6のc線に示すように、合成後のダイナミックレンジは広くなる。
また例えば、ダイナミックレンジは程々でよいが、線形性をより高めたいときは、上述の図5に示す状態に比べて、例えば図7のa線、b線に示すように、第1の時間Tc1を短くして第1の画素群に係る感度を下げると共に、第2の時間Tc2を長くして第2の画素群に係る感度を上げることで、図7のc線に示すように、合成後の線形性は高まる。
また、図1に示す撮像装置10によれば、イメージセンサ100の第1の画素群および第2の画素群には、それぞれ個別に、ベイヤー配列のカラーマトリックスが形成されており、上述したように独立した2つのカラーイメージセンサが一箇所の受光エリアに重ね合わされたものとみなすことができ、従って第1、第2の画素群から得られる画像信号HL1,HL2の合成を簡単に行うことができる。
なお、上述実施の形態においては、第1、第2の画素群に係る電荷蓄積時間である第1、第2の時間Tc1,Tc2は、シャッター行選択期間の転送パルスTRSから読み出し行選択期間の転送パルスTRSまでの時間、所謂電子シャッター時間であって(図11参照)、シャッター行から読み出し行までの間隔を変更することで、第1、第2の時間Tc1,Tc2を種々に設定できるものを示した。つまり、この実施の形態では、第1、第2の画素群に係るフレームレートは同じであり、各フレームにおける第1、第2の画素群の電荷蓄積時間Tc1,Tc2が異なるものを示した。しかし、第1、第2の画素群に係る電荷蓄積時間を異ならせるために、第1、第2の画素群に係るフレームレートが異なるようにする方法も採用できる。この場合、フレームレートを変更することで、第1、第2の画素群に係る電荷蓄積時間を種々に設定できる。
また、上述実施の形態においては、第1、第2の画素群に、それぞれ個別に、ベイヤー配列のカラーマトリックスが形成されているものを示した。しかし、第1、第2の画素群に形成されるカラーマトリックスは図2に示すベイヤー配列の繰り返しに限定されるものではなく、例えば図8に示すものなど、他の組み合わせも考えられる。
また、上述実施の形態において、イメージセンサ100は、画素アレイ部101の第1、第2の画素群にそれぞれ対応してVデコーダ102-1,102-2、Hデコーダ103-1,103-2等を備えているが、画素アレイ部101の第1、第2の画素群に対して共通のVデコーダ、Hデコーダ等を備える構成であってもよい。その場合、水平信号線には第1、第2の画素群に係る画素信号が交互に出力されるので、連続した第1、第2の画素群に係る2個の画素信号を合成していくことで、合成された出力画像信号を得ることができる。
また、上述実施の形態においては、イメージセンサがCMOSイメージセンサ100であるものを示したが、この発明は、イメージセンサとしてその他の固体撮像素子を用いるものにも同様に適用できる。
この発明は、画像に最適な感度およびダイナミックレンジを容易に得ることができるものであり、例えばCMOSイメージセンサ等で構成される撮像装置に適用できる。
実施の形態としての撮像装置の構成を示すブロック図である。 CMOSイメージセンサの構成を示す図である。 画素回路を示す接続図である。 光強度と画像信号レベルとの関係を示す図である。 光強度と画像信号レベルとの関係を示す図である。 光強度と画像信号レベルとの関係を示す図である。 光強度と画像信号レベルとの関係を示す図である。 CMOSイメージセンサの他の構成を示す図である。 従来のCMOSイメージセンサの構成を示す図である。 画素回路の各信号を示す図である。 電子シャッターの操作を説明するための図である。 光強度と画像信号レベルとの関係を示す図である。
符号の説明
10・・・撮像装置、11・・・制御部、12・・・操作部、13・・・結像光学系、14・・・駆動部、15・・・合成部、16・・・A/Dコンバータ、17・・・画像信号処理部、18・・・記録部、19・・・ディスプレイ、100・・・CMOSイメージセンサ、101・・・画素アレイ部、102-1,102-2・・・Vデコーダ、103-1,103-2・・・Hデコーダ、104-1,104-2・・・CDS回路、105-1,105-2・・・水平選択用トランジスタ、106-1,106-2・・・水平信号線、107-1,107-2・・・垂直信号線、108-1,108-2・・・垂直選択線、109-1,109-2・・・画素

Claims (2)

  1. 行列状に2次元配置された複数の画素で構成される第1の画素群と、該第1の画素群を構成する複数の画素のそれぞれに対して行方向および列方向に半画素分ずれた状態で行列状に2次元配置された複数の画素で構成される第2の画素群とを有し、上記第1の画素群に係るフレームレートと上記第2の画素群に係るフレームレートを、それぞれ異なるフレームレートに設定可能なイメージセンサと、
    上記イメージセンサの上記第1の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間を第1の時間とし、上記イメージセンサの上記第2の画素群を構成する各画素の電荷蓄積時間を上記第1の時間とは異なる第2の時間とする制御部と、
    上記イメージセンサの上記第1の画素群から得られる第1の画像信号と上記イメージセンサの上記第2の画素群から得られる第2の画像信号とを合成して出力画像信号とする合成部と
    を備え、
    上記制御部は、上記イメージセンサの上記第1の画素群に係るフレームレートと、上記イメージセンサの上記第2の画素群に係るフレームレートを、それぞれ、ーザ操作に応じて異なるフレームレートに設定するようにして、各フレームにおける上記第1の画素群の電荷蓄積時間と上記第2の画素群の電荷蓄積時間を異なるものとする
    撮像装置。
  2. 上記イメージセンサの上記第1の画素群および上記第2の画素群に、それぞれ個別に、カラーマトリックスが形成されている
    請求項1に記載の撮像装置。
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