JP4735174B2 - 二次電池の過放電保護回路 - Google Patents
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Description
かかる過放電保護回路は、例えば、下記特許文献1に記載のように、二次電池の出力電圧が設定電圧よりも低下して過放電状態になっていることを検出すると、スイッチング素子をオフ状態として二次電池からの放電を禁止する構成が考えられている。
すなわち、二次電池は、出力電圧が低下して過放電状態と検出され、一旦放電が禁止されても、負荷側と切断されることによって出力電圧が回復してしまう性質を有する。
この出力電圧の回復にともなって過放電状態ではないと判断されると、二次電池からの放電が再開されてしまい、以降は、放電の禁止と再開と繰り返すことになる。
この放電の禁止と再開とを繰り返してしまうことによって、せっかく過放電からの保護のための回路を備えているにも拘わらず二次電池を劣化させてしまうことになる。
このため、二次電池が一旦放電禁止の状態に移行すると、二次電池の出力電圧が回復しても放電禁止の状態を維持させる回路を備えることも考えられる。
ところが、一旦過放電状態となったときに一律に放電禁止の状態を維持させるようにすると、二次電池からの給電を受けながら電気機器を使用しているときに、ある時突然に二次電池からの放電が停止し、使用中の電気機器がぱたっと停止して使用者を驚かせてしまうことになる。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、二次電池を過放電から保護するべく放電禁止とする際に、使用者に注意を喚起できるようにする点にある。
過放電検出回路が二次電池が過放電状態にあると検出したときでも、過放電状態の初期の段階であれば、出力電圧の回復に伴う再放電を許容したとしても、実用的には二次電池を劣化させてしまうことはない。
そこで、過放電状態の初期の段階では前記再放電許容状態で動作させて、放電の禁止と再開を繰り返して電気機器に対して間歇的に給電を行うことで、電気機器の使用者に対して過放電状態に入りつつあることについての注意を喚起する。
そして、更に過放電状態が進行すると、前記再放電禁止状態へ移行させて、二次電池の出力電圧が回復しても放電禁止の状態を維持させ、二次電池を過放電による劣化から的確に保護する。
尚、前記再放電許容状態から前記再放電禁止状態へ移行させるタイミングを規定する前記設定条件としては、上述のような過放電状態の程度(換言すれば、二次電池の放電の進行の程度)と対応のつくものであればどのようなパラメータ(例えば、最初に過放電を検出してからの経過時間等)に着目しても良く、具体的な設定条件は、二次電池の性能等に応じてどの程度の過放電までなら再放電を許容できるかという観点から適宜に規定することができる。
このように第3のスイッチング素子がオフ状態に移行してしまうと、オフ状態の第3のスイッチング素子が第1のスイッチング素子をオフ状態に維持させて、二次電池の出力電圧が回復しても放電禁止の状態が維持されることになる。
このとき、第1のスイッチング素子がオフ状態へ移行したときに、直ちに第3のスイッチング素子がオフ状態に移行するのではなく、前記第3のスイッチング素子のオフ状態への移行を前記切換え用回路が遅延させている。
第1のスイッチング素子がオフ状態となった後、第3のスイッチング素子がオフ状態へ移行するまでの間は、この間に二次電池の出力電圧が回復すると第1のスイッチング素子がオン状態に復帰することになる。つまり、前記再放電許容状態となっているのである。
放電が阻止されたときの二次電池の出力電圧の回復速度は、その二次電池の放電の進行の程度に依存し、放電が進むほど回復速度が低下する。
従って、第1のスイッチング素子がオフ状態へ移行した後、第3のスイッチング素子がオフ状態へ移行するまでの遅延時間をどの程度に設定するかの条件(前記設定条件)が、放電が阻止されたときの二次電池の出力電圧の回復速度がどの程度に低下するまで再放電(第1のスイッチング素子のオン状態への復帰)を許容するかという条件になっており、これは二次電池の放電の進行の程度に対応しているのである。
又、本出願の第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加えて、前記切換え用回路は、並列接続された抵抗とコンデンサとを、前記第3のスイッチング素子におけるオンオフ制御用の端子間に接続することによって構成されている。
すなわち、並列接続された抵抗とコンデンサとの充放電を利用して、第3のスイッチング素子のオンオフ制御用の端子間電圧を制御することで、極めて簡素な構成でオフ状態への移行を遅延させる回路を構成することができる。
又、上記第2の発明によれば、第3のスイッチング素子がオフ状態へ移行するまでの時間を遅延させるだけの簡単な回路で前記再放電許容状態から前記再放電禁止状態への切換えを行うことができ、回路構成の簡素化を図ることができる。
又、上記第3の発明によれば、並列接続された抵抗とコンデンサとを備えるだけで前記切換え用回路を構成できるので、回路構成を極めて簡素化することができる。
<第1実施形態>
本第1実施形態の二次電池の過放電保護回路は、図1に示すように、二次電池RBとして3個のリチウムイオン電池の電池セルC1,C2,C3を直列接続して構成した組電池を保護の対象としており、二次電池RBを収納する電池パックBPに過放電保護回路GCが内蔵されている。
この電池パックBPは、二次電池RBに対する負荷である各種の電気機器に取付けられて、負荷と接続する一対の出力端子T1,T2から負荷側へ電力が供給される。
過放電保護回路GCは、二次電池RBの各電池セルC1,C2,C3毎に、各電池セルC1,C2,C3が過放電状態にあるか否かを検出する過放電検出回路1と、前記一対の出力端子T1,T2の間で二次電池RBと直列に接続されて二次電池RBの出力を禁止するオフ状態と許容するオン状態とに切換えられる第1のスイッチング素子FSと、過放電検出回路1が出力する過放電状態の検出信号に基づいて第1のスイッチング素子FSをオフ状態とする第2のスイッチング素子SSと、第1のスイッチング素子FSが一旦オフ状態となったときに、第1のスイッチング素子FSをそのオフ状態に維持するための第3のスイッチング素子TSとを主要部として構成されている。
各過放電検出回路1には、電池セルC1,C2,C3の出力電圧を検出する電圧検出回路11と、電圧検出回路11によってオン状態とオフ状態とに切換えられるMOSFET12とを主要部として構成されている。電圧検出回路11は、電池セルC1,C2,C3の出力電圧が前記「VL」以下に低下するに伴ってMOSFET12をオン状態へ移行させ、電池セルC1,C2,C3の出力電圧が前記「VH」以上に回復するに伴ってMOSFET12をオフ状態へ移行させる。
ここで、第2のスイッチング素子SSのみをバイポーラトランジスタにて構成しているのは、この第2のスイッチング素子SSをMOSFETにて構成したのでは、電気機器側で発生するノイズによって誤動作し、的確な放電禁止動作を行えないからである。
ちなみに、この第2のスイッチング素子SSをMOSFETにて構成しても、ゲート−ソース間にコンデンサを接続することで、ノイズによる誤動作を防ぐことが可能ではあるが、実用上で十分な応答速度を得ることが困難となってしまう。
各電圧検出回路11のMOSFET12のドレイン側は、抵抗13及びダイオード14を経て一本の信号線にまとめられ、第2のスイッチング素子SSのベースに入力されている。
電池パックBPが負荷の電気機器に正常に電圧を供給している状態では各電池セルC1,C2,C3の出力電圧は何れも前記「VL」よりも高く、各過放電検出回路1のMOSFET12はオフ状態であるので、第2のスイッチング素子SSもオフ状態となっている。
第3のスイッチング素子のオンオフ制御用の入力であるゲートは、抵抗15を介して、第1のスイッチング素子FSよりも出力端子側(図1の回路では−の出力端子T2側)に接続され、更に、第3のスイッチング素子TSのゲートは、並列接続された抵抗16及びコンデンサ20を介して二次電池RBの+側に接続されている。すなわち、この並列接続された抵抗16及びコンデンサ20は、第3のスイッチング素子TSのオンオフ制御用の端子間(ゲート−ソース間)に接続されている。
つまり、第1のスイッチング素子FSがオフ状態になった時点ではコンデンサ20が充電されており、時間の経過と共にコンデンサ20の電荷が主に抵抗16を介して放電されていく。
従って、第3のスイッチング素子TSのゲート−ソース間の電圧は、第1のスイッチング素子FSがオフ状態となった時点の電圧から徐々に低下して行き、その電圧が第3のスイッチング素子TSをオフさせる電圧まで低下したときに第3のスイッチング素子TSがオフ状態へ移行する。
従って、第1のスイッチング素子FSは、第3のスイッチング素子TSがオン状態のときは、抵抗17と抵抗19との比率によって決まる電圧がゲート−ソース間に印加されてオン状態となり、第3のスイッチング素子TSがオフ状態になるとゲート−ソース間に印加される電圧が低下してオフ状態となる。
又、第2のスイッチング素子SSのエミッタは二次電池RBの−側に接続されており、第2のスイッチング素子SSがオン状態となると、抵抗18及び抵抗19にかかる電圧では、第1のスイッチング素子FSをオフ状態とするようにこれらの抵抗値が設定されているので、第1のスイッチング素子FSはオフ状態となる。
従って、第1のスイッチング素子FSは、第2のスイッチング素子SSがオン状態となるか、あるいは、第3のスイッチング素子TSがオフ状態となるかの何れか一方によってオフ状態となる。すなわち、第2のスイッチング素子SSあるいは第3のスイッチング素子TSのいずれか一方でも、第1のスイッチング素子FSに対してオフ指令を出力すると第1のスイッチング素子FSがオフ状態となる。
次ぎに、図1の回路の過放電保護の動作について説明する。
電圧検出回路11は、電池セルC1,C2,C3の電圧が設定電圧(VL)以下となったとき、MOSFET12のゲート電圧を低下させてMOSFET12をオフ状態からオン状態へ移行させる。
これに伴って、+側の出力端子T1の電圧が抵抗13及びダイオード14を経て出力され、第2のスイッチング素子SSがオン状態となる。すなわち、電池セルC1,C2,C3の何れか一つでも設定電圧以下になると、第2のスイッチング素子SSがオン状態となる。
第1のスイッチング素子FSがオフ状態となると、第3のスイッチング素子TSのゲートが二次電池RBの−側から切り離され、上述の抵抗16及びコンデンサ20の作用によってゲート電位が徐々に上昇して行く。
第3のスイッチング素子TSのゲート電位が、第3のスイッチング素子TSをオフさせる電位まで上昇すると、第3のスイッチング素子TSがオフ状態へ移行する。
オフ状態へ移行した第3のスイッチング素子TSは、第1のスイッチング素子FSがオン状態とならない限りオン状態とならず、更に、上述のように、第1のスイッチング素子FSは、第2のスイッチング素子SS又は第3のスイッチング素子TSのいずれか一方でも第1のスイッチング素子FSに対してオフ指令を出力するときにオフ状態となるので、この後に第2のスイッチング素子SSがオフ状態に戻っても、第1のスイッチング素子FSはオフ状態を維持する。
すなわち、第1のスイッチング素子FSがオフ状態となって放電禁止の状態となり、それによって二次電池RBの出力電圧が回復すると、過放電検出回路1の電圧検出回路11はMOSFET12のゲート電位を上昇させてオフさせる。
これに伴って、第2のスイッチング素子SSもオフするが、第3のスイッチング素子TSが第1のスイッチング素子FSをオフさせる信号を出力しているので、第1のスイッチング素子FSはオフ状態すなわち放電禁止の状態を維持する。
これに伴って、コンデンサ20は再度充電される。
図3では、第1のスイッチング素子がオフ状態へ移行してから第3のスイッチング素子TSがオフ状態へ移行するまでの遅延時間を「遅延時間」として最上段に示し、第1のスイッチング素子FSがオフ状態となってから二次電池RBの電池セルC1,C2,C3の出力電圧が「VH」にまで回復するのに要する時間を「出力電圧の回復時間」として中段に示し、二次電池RBが放電している状態かあるいは放電禁止の状態か、すなわち、第1のスイッチング素子FSがオン状態にあるかあるいはオフ状態にあるかを「放電状態」として最下段に示している。
最下段の「放電状態」では、第1のスイッチング素子FSがオン状態にある期間を太線の実線にて示し、オフ状態にある期間を細線の実線にて表示している。
中段において実線で示す出力電圧の回復時間は、放電の進行する程度に応じて長くなり、t1<t2<t3<t4 となっている。
放電の進行により電池セルC1,C2,C3のうちの何れかの出力電圧が前記「VL」まで低下して過放電検出回路1がそれを検出すると(図3の「D1」)第1のスイッチング素子FSがオフ状態となる。この後、二次電池RBの出力電圧の回復とコンデンサ20の放電とが始まるが、ここではt1<tdであるので、第3のスイッチング素子TSがオフ状態に移行する前に時間t1が経過して電池セルC1,C2,C3の出力電圧が「VH」にまで回復し、第1のスイッチング素子FSがオン状態に復帰する。
図3において「D2」及び「D3」で示す時点で過放電状態にあると検出したときには、t2<td,t3<tdであるので、夫々t2,t3が経過すると第1のスイッチング素子FSはオン状態に復帰する。
図3において「D4」で示す時点で過放電状態であると検出したときは、td<t4となっており、時間t4が経過して出力電圧が「VH」にまで回復する前に第3のスイッチング素子TSがオフ状態に移行し、これ以降は、第1のスイッチング素子FSがオン状態に復帰することはない。
並列接続された抵抗16及びコンデンサ20は、この切換えを行うための切換え用回路SWとして機能し、この切換え用回路SWによって、上述のように再放電許容状態を経た後に再放電禁止状態へと移行させる。
二次電池RBの負荷である電気機器の使用者は、正常に電気機器を使用している状態から前記再放電許容状態へ移行したときに、それに伴う電気機器の挙動の変化から、まもなくすると二次電池RBからの放電が完全に停止することを知ることができる。
次ぎに、放電禁止の維持状態を解除するための構成とその動作について説明する。
放電禁止の維持状態を解除するには、第3のスイッチング素子TSをオン状態とする必要があるが、このために、第1のスイッチング素子FSをオン状態とするのに相当する状態を作り出す。
このための構成として、電池パックBPは、前記一対の出力端子T1,T2とは別に、第1のスイッチング素子FSよりも二次電池RB側(すなわち、本第1実施形態では、二次電池RBの−側)に接続された制御端子T3を備えている。
この制御端子T3と、一対の出力端子T1,T2のうちの第1のスイッチング素子FSに近い側の出力端子(本第1実施形態では、−側の出力端子T2)とを外部回路によって電気的に接続することで、第3のスイッチング素子TSのゲートを二次電池RBの−側に接続する。
充電器CHには、電気機器から取外した電池パックBPの一対の出力端子T1,T2に接続する充電端子T4,T5と、電池パックBPの制御端子T3に接続する解除用端子T6とが備えられ、更に、一対の出力端子T1,T2のうちの第1のスイッチング素子FSに近い側の出力端子である−側の出力端子T2に接続する−側の充電端子T5と解除用端子T6とを電気的に接続するための接続手段であるスイッチ21と、スイッチ21のオンオフを制御する解除回路制御部22と、一対の充電端子T4,T5に充電用電力を供給する充電回路23とが備えられている。
これによって、電池パックBP側では、第3のスイッチング素子TSのゲートが抵抗15を介して二次電池RBの−側に接続され、第1のスイッチング素子FSがオン状態になったのと同等の状態となって、第3のスイッチング素子がオン状態へ移行する。
この時点では、放電禁止の状態を維持することによって、二次電池RBの出力電圧は多少回復しており、第2のスイッチング素子SSがオフ状態となっているので、第3のスイッチング素子TSがオン状態に移行するに伴って第1のスイッチング素子FSがオン状態に移行して、放電禁止の維持状態が解除される。
しかも、電池パックBPと充電器CHとを接続していても、電源プラグ24をコンセントに差し込んでいないような充電開始前の状態では、二次電池RBの放電禁止の状態が維持されて、二次電池RBをより確実に保護することになっている。
本発明の二次電池の過放電保護回路の第2実施形態は、図1に対応する図4に示すように、基本的な考え方は上記第1実施形態と共通であるが、第1のスイッチング素子FS及び第3のスイッチング素子TSの回路上の配置位置が上記第1実施形態と異なり、それに伴って、第2のスイッチング素子SS周りの回路構成が若干異なっている。
本第2実施形態においても、二次電池RBとして3個のリチウムイオン電池の電池セルC1,C2,C3を直列接続して構成した組電池を保護の対象とする場合を例示して説明する。二次電池RBを収納する電池パックBPに、過放電保護回路GCが内蔵されている点も全く上記第1実施形態と共通である。
第2実施形態を説明する図4及び図5において、上記第1実施形態と共通する構成部分には同一符号を付している。
過放電保護回路GCは、上記第1実施形態と同様に、二次電池RBの各電池セルC1,C2,C3毎に、各電池セルC1,C2,C3が過放電状態にあるか否かを検出する過放電検出回路1と、前記一対の出力端子T1,T2の間で二次電池RBと直列に接続されて二次電池RBの出力を禁止するオフ状態と許容するオン状態とに切換えられる第1のスイッチング素子FSと、過放電検出回路1が出力する過放電状態の検出信号に基づいて第1のスイッチング素子FSをオフ状態とする第2のスイッチング素子SSと、第1のスイッチング素子FSが一旦オフ状態となったときに、第1のスイッチング素子FSをそのオフ状態に維持するための第3のスイッチング素子TSとを主要部として構成されている。
上記第1実施形態では、第1のスイッチング素子FSが、一対の出力端子T1,T2のうちの−側の出力端子T2に近い側に配置されていたのに対して、本第2実施形態では、+側の出力端子T1に近い側に配置されている。
本第2実施形態でも、第2のスイッチング素子SSはバイポーラトランジスタにて構成され、第1のスイッチング素子FS及び第3のスイッチング素子TSはMOSFETにて構成されている。
各電圧検出回路11のMOSFET12のドレイン側は、抵抗13及びダイオード14を経て一本の信号線にまとめられ、第2のスイッチング素子SSのベースに入力されている点も第1実施形態と同様である。
従って、電池パックBPが負荷の電気機器に正常に電圧を供給している状態では、第2のスイッチング素子SSはオフ状態となっている。
第3のスイッチング素子のオンオフ制御用の入力であるゲートは、抵抗31を介して、第1のスイッチング素子FSよりも出力端子側(図4の回路では+の出力端子T1側)に接続され、更に、第3のスイッチング素子TSのゲートは、並列接続された抵抗32及びコンデンサ35を介して二次電池RBの−側に接続されている。すなわち、この並列接続された抵抗32及びコンデンサ35は、第3のスイッチング素子TSのオンオフ制御用の端子間(ゲート−ソース間)に接続されている。
これによって、第3のスイッチング素子TSは、第1のスイッチング素子FSよりも出力端子側(図4の回路では+の出力端子T1側)の電位に基づいてオン状態とオフ状態とに切換えられ、第1のスイッチング素子FSがオン状態にあるときは、抵抗32と抵抗31との比率で決まる電圧が第3のスイッチング素子TSのゲート−ソース間に印加され、第3のスイッチング素子TSはオン状態となり、第1のスイッチング素子FSがオン状態からオフ状態へ移行すると、第1のスイッチング素子FSよりも出力端子側(図4の回路では+の出力端子T1側)の電位が二次電池RBの+側から切り離されて、第3のスイッチング素子TSはオン状態からオフ状態へ移行する。
従って、第1のスイッチング素子FSは、第3のスイッチング素子TSがオン状態のときは、抵抗33と抵抗34との比率によって決まる電圧がゲート−ソース間に印加されてオン状態となり、第3のスイッチング素子TSがオフ状態になると、ゲート−ソース間の電圧が低下してオフ状態となる。
又、第2のスイッチング素子SSのコレクタは二次電池RBの+側に接続されており、第2のスイッチング素子SSがオン状態となると、第1のスイッチング素子FSのゲートソース間にかかる電圧が十分に低くなり、第1のスイッチング素子FSはオフ状態となる。
従って、第1のスイッチング素子FSは、第2のスイッチング素子SSがオン状態となるか、あるいは、第3のスイッチング素子TSがオフ状態となるかの何れか一方によってオフ状態となる。すなわち、第2のスイッチング素子SSあるいは第3のスイッチング素子TSのいずれか一方でも、第1のスイッチング素子FSに対してオフ指令を出力すると第1のスイッチング素子FSがオフ状態となる。
次ぎに、図4の回路の過放電保護の動作について説明する。
電圧検出回路11は、電池セルC1,C2,C3の電圧が設定電圧(VL)以下となったとき、MOSFET12のゲート電圧を低下させてMOSFET12をオフ状態からオン状態へ移行させる。
これに伴って、+側の出力端子T1の電圧が抵抗13及びダイオード14を経て出力され、第2のスイッチング素子SSがオン状態となる。すなわち、電池セルC1,C2,C3の何れか一つでも設定電圧以下になると、第2のスイッチング素子SSがオン状態となる。
第1のスイッチング素子FSがオフ状態となると、第3のスイッチング素子TSのゲートが二次電池RBの+側から切り離され、上述の抵抗32及びコンデンサ35の作用によってゲート電位が徐々に降下して行く。
第3のスイッチング素子TSのゲート電位が、第3のスイッチング素子TSをオフさせる電位まで降下すると、第3のスイッチング素子TSがオフ状態へ移行する。
オフ状態へ移行した第3のスイッチング素子TSは、第1のスイッチング素子FSがオン状態とならない限りオン状態とならず、更に、上述のように、第1のスイッチング素子FSは、第2のスイッチング素子SS又は第3のスイッチング素子TSのいずれか一方でも第1のスイッチング素子FSに対してオフ指令を出力するときにオフ状態となるので、この後に第2のスイッチング素子SSがオフ状態に戻っても、第1のスイッチング素子FSはオフ状態を維持する。
すなわち、第1のスイッチング素子FSがオフ状態となって放電禁止の状態となり、それによって二次電池RBの出力電圧が回復すると、過放電検出回路1の電圧検出回路11はMOSFET12のゲート電位を上昇させてオフさせる。
これに伴って、第2のスイッチング素子SSもオフするが、第3のスイッチング素子TSが第1のスイッチング素子FSをオフさせる信号を出力しているので、第1のスイッチング素子FSはオフ状態すなわち放電禁止の状態を維持する。
これに伴って、コンデンサ35は再度充電される。
以上により、本第2実施形態でも、上記第1実施形態で説明した図3の動作と全く同様の動作を行うことになる。
従って、本第2実施形態でも、第1のスイッチング素子FSがオフ状態となってから二次電池RBの電池セルC1,C2,C3の出力電圧が「VH」にまで回復するのに要する時間が、第1のスイッチング素子がオフ状態へ移行してから第3のスイッチング素子TSがオフ状態へ移行するまでの遅延時間よりも短いか否かという設定条件に基づいて、出力電圧の回復に要する時間が前記遅延時間よりも短いときは、第1のスイッチング素子FSをオフ状態とした後、二次電池RBの出力電圧が回復したときに第1のスイッチング素子FSをオン状態に戻すことを許容する再放電許容状態とし、出力電圧の回復に要する時間が前記遅延時間よりも長くなったときは、二次電池RBの出力電圧が回復しても第1のスイッチング素子FSをオン状態に戻すことを禁止する再放電禁止状態に切換えるようにしている。
並列接続された抵抗32及びコンデンサ35は、この切換えを行うための切換え用回路SWとして機能し、この切換え用回路SWによって、上述のように再放電許容状態を経た後に再放電禁止状態へと移行させる。
次ぎに、放電禁止の維持状態を解除するための構成とその動作について説明する。
本第2実施形態においても、放電禁止の維持状態を解除するには、第3のスイッチング素子TSをオン状態とする必要があり、このために、第1のスイッチング素子FSをオン状態とするのに相当する状態を作り出す。
このための制御端子T3は、本第2実施形態では、第1のスイッチング素子FSよりも二次電池RBの+側に接続されている。
上記第1実施形態と同様に、制御端子T3と出力端子T1を接続するための回路は、図5に示すように、電池パックBPを充電するための充電器CHに備えられている。
充電器CHの構成は、電池パックBP側の端子構成と対応して、スイッチ21の設置位置のみが上記第1実施形態と異なり、その他の構成及び全体動作は上記第1実施形態と全く共通である。
以下、本発明のその他の実施形態を列記する。
(1)上記実施の形態では、前記再放電許容状態と前記再放電禁止状態とに切換えるときの基準となる前記設定条件として、第1のスイッチング素子FSがオフ状態となってから二次電池RBの電池セルC1,C2,C3の出力電圧が「VH」にまで回復するのに要する時間が、第1のスイッチング素子がオフ状態へ移行してから第3のスイッチング素子TSがオフ状態へ移行するまでの遅延時間よりも短いか否かという条件を設定する場合を例示しているが、例えば、第1のスイッチング素子FSがオフ状態からオン状態に復帰した回数をカウントして、設定回数に到達したときに前記再放電禁止状態に切換えるように構成する等、前記設定条件は種々に変更可能である。
(2)上記第1実施形態及び第2実施形態では、二次電池RBとして電池セルC1,C2,C3を3個直列接続したものを例示して説明しているが、電池セルの個数や接続形態は種々に変更可能である。
(4)上記第1実施形態及び第2実施形態では、過放電検出回路1は、各電池セルC1,C2,C3の出力電圧が設定電圧(VL)以下となったときに過放電状態に至ったものと検出すると共に、放電停止後、各電池セルC1,C2,C3の電圧が設定電圧(VH)以上まで回復したときに過放電状態ではないものと検出し、「VH」は「VL」よりも若干高い電圧に設定してあるが、VH = VL すなわち単一の電圧値で過放電状態にあるか否かを検出するように構成しても良い。
RB 二次電池
SS 第2のスイッチング素子
SW 切換え用回路
TS 第3のスイッチング素子
T1,T2 出力端子
1 過放電検出回路
16,32 抵抗
20,35 コンデンサ
Claims (3)
- 負荷側に接続される一対の出力端子の間で二次電池と直列に接続されて二次電池の出力を禁止するオフ状態と許容するオン状態とに切換えられる第1のスイッチング素子と、前記二次電池の出力によって前記二次電池が過放電状態にあるか否かを検出する過放電検出回路とが備えられた二次電池の過放電保護回路であって、
前記二次電池の放電の進行の程度に対応する設定条件に基づいて、前記二次電池が過放電状態にあることを前記過放電検出回路が検出して、前記第1のスイッチング素子をオフ状態とした後、前記二次電池の出力電圧が回復したときに前記第1のスイッチング素子をオン状態に戻すことを許容する再放電許容状態と、前記二次電池の出力電圧が回復しても前記第1のスイッチング素子をオン状態に戻すことを禁止する再放電禁止状態とに切換えるための切換え用回路が設けられており、
前記第1のスイッチング素子がオン状態ではオン状態となり、且つ、前記切換え用回路と接続されることで前記第1のスイッチング素子がオン状態からオフ状態へ移行するのに遅延してオン状態からオフ状態に移行するように前記第1のスイッチング素子よりも前記出力端子側の電位に基づいて切換えられる第3のスイッチング素子が備えられ、
前記第1のスイッチング素子がオフ状態では、前記第3のスイッチング素子がオン状態からオフ状態へ移行するに伴って前記第1のスイッチング素子のオフ状態が維持されるように構成されている二次電池の過放電保護回路。 - 前記過放電検出回路が出力する前記過放電状態の検出信号に基づいて、前記過放電状態にあることを前記過放電検出回路が検出するに伴って前記第1のスイッチング素子をオフ状態とする第2のスイッチング素子が備えられた請求項1記載の二次電池の過放電保護回路。
- 前記切換え用回路は、並列接続された抵抗とコンデンサとを、前記第3のスイッチング素子におけるオンオフ制御用の端子間に接続することによって構成されている請求項1又は2記載の二次電池の過放電保護回路。
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