JP4735015B2 - 環状シール部材の圧入状態判定方法とシール組込装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受の軌道部材間等に形成される環状空間の開口に圧入固定されて、この開口を密封する環状シール部材の圧入状態判定方法と、この判定方法を取り入れたシール組込装置に関する。
例えば、転がり軸受においては、軌道部材間に形成される環状空間内に充填される潤滑剤等の漏れを防ぐとともに、外部からの埃や水分等の浸入を防止するために、一方の軌道部材(外輪)の端部に形成されたシール溝(シール配設溝)に、芯金とゴム等の弾性部材とからなる環状のシール部材(密封装置)が圧入されている(例えば、特許文献1〜2等を参照。)。
また、水ポンプ(ウォータポンプ)等に用いられ、比較的高い防水性能が要求される転がり軸受においては、軌道部材としての回転軸(内軸)と外輪の間に形成される環状空間の開口部に、この内軸に摺接する内外2つのリップを有する環状シール部材が圧入固定されている場合もある(特許文献3〜4等を参照)。
図9は、水ポンプ用軸受の開口に環状シール部材を組み付ける作業に用いられる従来のシール組込装置の概略構成図である。なお、図中の装置は鉛直方向に設置されているものとし、図の上方を鉛直方向上、図の下方を鉛直方向下として説明する。
この組込装置は、所定位置に配置された軸受の開口部にシール部材を押し込む圧入治具1と、この圧入治具1を鉛直方向に上下動させるための油圧シリンダ4および圧縮コイルばね2と、これら圧入治具1と圧縮コイルばね2を収納するケース3等からなるシール部材圧入機構を主体として構成されている。なお、図中の符号5は軸受を所定位置にて鉛直方向に保持する軸受保持台、6は圧入治具1を含むシール部材圧入機構全体を鉛直方向に上下させるアーム、7はアーム6を支承する支柱、8は押込み(圧入)荷重を測定するロードセルである。
シール部材を圧入する圧入治具1は、略円筒状の部材1Aと略円柱状の部材1Bとからなり、その先端(図示下方)には、芯金11Aと弾性部材11Bとからなる環状シール部材11がセットされている。また、圧入治具1を収納するケース3は、略円筒状の部材3Aと略環状の部材3Bおよび3Cとからなり、部材3Aが軸受外輪22の外周面に、部材3Bが軸受外輪22の端面に当接することにより、この圧入治具1を軸受の環状空間開口に正対する位置(すなわち軸受の軸方向正面)に配置している。
また、この組込装置の保持台5にセットされた軸受は、軌道部材としての内軸21および外輪22の間に形成される環状空間内に、ボール23列ところ24列がそれぞれ配置された水ポンプ用軸受であり、その外輪22内周面の軸方向端部近傍には、嵌め入れられるシール部材(11)の固定位置を決める円周段部22aが形成されている。なお、この円周段部22aの代わりに、シール溝(シール配設溝)が設けられる場合もある。
次に、この組込装置の動作について説明する。
環状シール部材11の圧入治具1へのセットは、通常、図9の状態よりもケース3が上昇した状態で行われる。この環状シール部材11は、図示しないパーツフィーダ等によって整列させられた後、自動機械により、このシール部材11の外径とほぼ同じ内径を有するケース部材3Bの内周に嵌め入れられ、圧入治具1の部材1Aの先端に設けられた凹凸に係合する。その後、圧入治具1を含むケース3を軸受の開口部まで下降させることにより、環状シール部材11が所定の作業開始位置に配置される。
さて、環状シール部材11が圧入作業開始位置に配置された状態(図9)で油圧シリンダ4が作動すると、圧入治具1が下降して、その部材1Aの先端が環状シール部材11を軸受外輪22の円周段部22aの内周に押込み方向から押し込んで行く。ここで、環状シール部材11の外縁が円周段部22aの端面に先に当接することから、圧入治具1は、この環状シール部材11を変形させながら更に下降することとなる。
なお、圧入治具1の下降は、その部材1Aがケース3の部材3Bに突き当たった時点で停止するとともに、ロードセル8により計測されている圧入荷重の急激な上昇が検知されると、コントローラCが油圧シリンダ4の加圧を停止し、圧入作業は終了する。
特開2003−227521号公報 特開2003−172367号公報 特開2003−49846号公報 特開2001−311430号公報
ところで、以上のような環状シール部材は、圧入時の変形により軌道部材への固定力を得ているため、圧入治具にセットする方向(表裏)が決められている。しかしながら、環状シール部材のセットは機械を用いて自動で行われるため、組込装置にシール部材を供給するパーツフィーダ等の動きによっては、このシール部材が表裏逆向きに治具にセットされたり、2枚が重なったままセットされたりといった異常が発生する場合があった。
そこで、これらの異常によって生じた不良品を判別すべく、ロードセルを用いてシール部材押込み時の押込み荷重(圧入荷重)の変化を記録するか、あるいは、シール部材の圧入作業終了後に、別工程でシール部材の軸受端面からの突出量(圧入高さ)を測定する検査が行われている。しかしながら、圧入荷重の変化のみではこれらの異常を判断するのは難しく、また別工程でシール部材の圧入高さを測る場合も、検査のための設備やスペースおよび作業工数が余分にかかってしまうという問題があった。
本発明は、上記する課題に対処するためになされたものであり、別工程での検査等を必要とせず、圧入作業と同時に一工程で行うことのできる環状シール部材の圧入状態判定方法と、この判定方法を備えるシール組込装置を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、同心状に配置された軸受の軌道部材どうしの間に形成される環状空間の開口部に、表裏の方向が決められている環状のシール部材を、治具を用いて所定の方向に押し込んで固定する際に、前記シール部材がセットされた前記治具の圧入荷重を徐々に増加しながら前記シール部材を前記開口部に押込むとともに変形させ、圧入荷重が所定の開始値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の開始位置と、圧入加重が所定の終了値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の完了位置と、から前記治具の押込み方向の変位量を求め、求めた前記変位量と、予め決められた基準変位量とを比較することにより、前記シール部材の圧入状態の良否を判定することを特徴とする環状シール部材の圧入状態判定方法である。
本発明は、部材間に形成される環状空間開口へ環状シール部材を圧入固定する際に、シール部材を圧入する時に治具にかかる押込み荷重と治具による押込み量の関係に着目し、正常に終了した場合のこれらの関係と異常が発生した場合の関係を比較することによって、所期の目的を達成しようとするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、環状シール部材の圧入作業時に、圧入治具の押込み方向の位置と、圧入治具にかかる圧入荷重とを測定し、この圧入荷重が所定の開始値から終了値まで増加する間の治具の押込み方向の変位量と、予め決められた基準変位量とを比較することにより、圧入作業と同時に、一工程で環状シール部材の圧入状態の良否判定を容易に行うことができる。
言い換えれば、製品の製造を行う前の事前の計測により、移動開始後の治具が反力を受けて、この治具がシール部材の押し込みを負荷開始したと見なされる荷重値(すなわち「開始値」)と、治具による押し込みが完了したと見なされる荷重値(すなわち「終了値」)とを設定し、圧入荷重がこの開始値から終了値まで変化する間の治具の標準的な変位量を求めて、この値を基準変位量とするとともに、製品の製造時に、各製品の圧入作業毎に得られる開始値−終了値間の治具の変位量と前記基準変位量とを比較することにより、別工程における検査を実施することなく、シール部材の二枚重ね等の異常の発生した製品を選別することができる。
また、表裏で形状が異なり、方向性を有する環状シール部材の場合は、これら測定された変位量と基準変位量を比較することにより、表裏逆向きに圧入された製品の判別も可能になる。
次に、請求項2に記載の発明は、同心状に配置された軸受の軌道部材どうしの間に形成される環状空間の開口部に、表裏の方向が決められている環状のシール部材を圧入固定するシール組込装置であって、前記シール部材を前記軌道部材に対して所定の方向に押込むとともに変形させる治具と、前記治具を押込み方向に移動させる加圧手段と、前記軌道部材に対する前記治具の押込み方向の位置を測定する変位計と、前記治具が前記加圧手段から受ける荷重を測定するロードセルと、前記変位計および前記ロードセルから得られた測定値を記録する記録手段と、演算手段と、を備えたシール組込装置である。
前記加圧手段は、徐々に圧入荷重を増加しながら前記シール部材がセットされた前記治具を押込み方向に移動させて前記シール部材を前記開口部に押込むとともに変形させ、前記変位計は、前記ロードセルにて測定した圧入荷重が所定の開始値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の開始位置と、前記ロードセルにて測定した圧入加重が所定の終了値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の完了位置と、を測定し、前記記録手段は、前記開始位置と前記完了位置とを記録する。
そして前記演算手段は、前記記録手段に記録された前記開始位置と前記完了位置から求められた前記治具の押込み方向の変位量と、予め決められた基準変位量とを、比較することにより、前記シール部材の圧入状態の良否を判定することを特徴とするシール組込装置である。

以上の構成によれば、この組込装置のみで、環状シール部材の圧入状態の異常を検知することが可能となり、別工程でシール部材の軸受端面からの突出量(圧入高さ)を測定する等の手間をかける必要がない。従って、本発明のシール組込装置は、検査のための設備やスペースおよび作業工数を削減することができる。
以上のように、本発明の環状シール部材の圧入状態判定方法によれば、圧入作業と同時に、一工程で環状シール部材の圧入状態の良否判定を容易に行うことができるようになる。
また、この圧入状態判定方法を備えるシール組込装置は、圧入後の検査のための設備やスペースおよび作業工数が必要なく、軸受の製造コストを低減することが可能になる。
以下、図面を参照しつつこの発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるシール組込装置の概略構成図である。なお、従来例と同様の機能を有する構成部材には、同じ符号を付記する。また、従来例と同様、環状シール部材の押込み方向が、軸受の軸方向および鉛直方向と一致しているものとして説明する。
本実施形態におけるシール組込装置も、従来例同様、水ポンプ用軸受の開口に環状シール部材11を組み付ける作業に用いられるものである。従って、この組込装置も、所定位置に配置された軸受の開口部にシール部材を押し込む圧入治具1と、この圧入治具1を鉛直方向(押込み方向)に上下動させるための油圧シリンダ4および圧縮コイルばね2と、これら圧入治具1と圧縮コイルばね2を収納するケース3等からなるシール部材圧入機構を主体として構成されている。
また、シール部材を圧入する圧入治具1は、略円筒状の部材1Aと略円柱状の部材1Bとからなり、その先端(図示下方)には、芯金11Aと弾性部材11Bとからなる環状シール部材11がセットされている。なお、圧入治具1を収納するケース3は、略円筒状の部材3Aと略環状の部材3Bおよび3Cとからなり、部材3Aが軸受外輪22の外周面に、部材3Bが軸受外輪22の端面に当接することにより、この圧入治具1を軸受の環状空間開口に正対する位置(軸受の軸方向正面)に配置している。
本実施形態のシール組込装置の特徴は、従来の組込装置の構成に加え、圧入治具1の押込み方向の位置を測定する変位計9と、この変位計9から得られる変位量およびロードセル8から得られる荷重(圧入荷重)の変化を記録する記録手段Rと、この記録手段Rに蓄えられた測定値によりシール部材の圧入状態を判定する演算手段Oとが配設されているとともに、圧入荷重が所定の開始値から終了値まで増加する間の圧入治具1の変位量と、予め決められた基準変位量とを比較することにより、環状シール部材11の圧入作業の完了と同時に、このシール部材11の圧入状態の良否が即座に判定される点である。なお、符号Dは、演算手段Oによるシール部材の圧入状態の判定結果を表示する表示装置である。
ここで、本実施形態のシール組込装置がシール部材の圧入状態を判定する方法を、環状シール部材11が正常に圧入固定された場合(a)と、この環状シール部材11が表裏逆向きに圧入された場合(b)および二枚重ねで圧入された場合(c)とを例に挙げて説明する。なお、圧入作業開始後、環状シール部材11が軸受環状空間内に押込まれ、その一部が軸受の部材に当接して該シール部材11の変形が始まった時を、圧入治具1による「負荷開始時」とし、この時点の荷重値を「開始値」と呼ぶ。また、圧入治具1の押圧による環状シール部材11の変形が完了し、圧入荷重が急激に上昇する時を「圧入完了時」とする。
まず最初に、環状シール部材11が正常に圧入固定された場合(a)を説明する。
図2および図3は、シール部材が正常に圧入固定された場合の負荷開始時のシール部材の状態と、圧入完了時のシール部材の状態を示す図である。
このシール組込装置の動作は、基本的には従来の組込装置と同様であり、環状シール部材11が圧入作業開始位置に配置された状態(図1)で油圧シリンダ4が作動すると、圧入治具1が下降して、その部材1Aの先端が環状シール部材11を軸受外輪22の円周段部22aの内周に押込み方向(図示上方)から押し込んで行く。この場合、環状シール部材11の外縁が軸受の部材(外輪の円周段部22a)に最初に当接し、圧入治具1が荷重の負荷を開始する(図2:負荷開始時)。その後、圧入治具1は環状シール部材11を変形させながら更に下降し、その変位は部材1Aがケース3の部材3Bに突き当たった時点で停止する。また、油圧シリンダ4による加圧は、またはロードセル8により計測されている圧入荷重(負荷)の急激な上昇を検知すると停止され、圧入作業は終了する(図3:圧入完了時)。
なお、この時、環状シール部材11は、圧入治具1から受けた荷重による芯金11Aの変形によって外縁が拡径し、円周段部22aの内周面にしっかりと固定される。また、この環状シール部材11は、前記変形によって内縁が縮径することから、軸受の回転時には、弾性部材11Bのリップが内軸21の外周面に押し付けられ、高い防水性能を発揮することができる。
これに対し、環状シール部材11が表裏逆向きに圧入された場合(b)は、図4および図5に示すように、環状シール部材11の内縁側が軸受の部材(保持器25A)に最初当接し、圧入治具1が荷重の負荷を開始する(図4:負荷開始時)。その後、圧入治具1は、前記と同様、環状シール部材11を変形させながら更に下降し、その変位は部材1Aがケース3の部材3Bに突き当たった時点で停止する(図5:圧入完了時)。
また、環状シール部材11が二枚重ねで圧入された場合(c)は、図6および図7に示すように、重なった下側のシール部材11の外縁が軸受の部材(外輪の円周段部22a)に最初当接し、圧入治具1が荷重の負荷を開始する(図6:負荷開始時)。その後、圧入治具1は、前記例と同様、2つの環状シール部材11を変形させながら更に下降するが、この例においては、シール部材外縁部の厚みが通常の2倍になっているため、治具の部材1Aがケース3の部材3Bに突き当たる前に、圧入荷重(負荷)の急激な上昇が発生し、その時点で圧入作業は終了する(図7:圧入完了時)。
図8は、これら3つの例の圧入作業中に組込装置の記録手段Rに記録された治具の押込み方向の変位量と圧入荷重(負荷荷重)の関係を示すグラフである。図8(a)は環状シール部材が正常に圧入固定された場合、図8(b)は環状シール部材が表裏逆向きに圧入された場合、図8(c)は環状シール部材が二枚重ねで圧入された場合、をそれぞれ示す。なお、これらのグラフは、シール部材が軸受の部材に当接して変形を開始した時点を負荷荷重および変位量の原点(ゼロ点)としており、負荷開始時から圧入完了時の間のみを表示したものである。従って、実際のシール部材の環状空間への押込み作業は、変位量の原点より図示左方で開始されている。また、圧縮コイルばね2を押し下げるために用いられる荷重は、圧入作業中は変わらないものと仮定し、ベースラインとして予め差し引かれているものとする。
これらのグラフからは、製品異常である環状シール部材が表裏逆向きに圧入された場合(b)や二枚重ねで圧入された場合(c)は、正常に圧入固定された場合(a)に比べ、負荷開始から圧入完了までの変位量が大きくなっていることが見てとれる。
さて、これらの例において、圧入完了とみなされる負荷荷重の「終了値」を例えば6kNと設定した場合、負荷荷重が「開始値」(すなわち荷重の原点)から「終了値」まで増加する間の治具の変位量はそれぞれ、(a)で1.108mm、(b)で1.638mm、(c)で1.567mmとなる。ここで、環状シール部材が正常に圧入固定された場合(a)の変位量(この例では1.108mm)を「基準変位量」として設定し、この基準変位量に許容範囲(例えば±10%程度)を設けた場合、前記表裏逆向きに圧入された場合(b)や二枚重ねで圧入された場合(c)の変位量は、「基準変位量」の許容範囲から外れた値であると判断することができる。
すなわち、本実施形態におけるシール組込装置は、以上のような圧入状態の判定方法を用いたものであって、製品の製造を行う前の事前の計測により、圧入治具1がシール部材11の押し込みを負荷開始したと見なされる荷重値(すなわち「開始値」)と、治具1による押し込みが完了したと見なされる荷重値(すなわち「終了値」)とを設定し、負荷荷重がこの開始値から終了値まで変化する間の治具1の標準的な変位量を求め、この値を「基準変位量」とするとともに、製品の製造時には、各製品の圧入作業毎に得られる開始値−終了値間の治具1の変位量と前記基準変位量とを、演算手段Oを用いて比較することにより、環状シール部材11の圧入作業の完了と同時に、シール部材11の圧入状態の良否を即座に判定することができるようになる。
また、このシール組込装置は、一工程で環状シール部材の圧入状態の良否判定を行うことが可能なことから、従来、圧入後に別の工程で行われていた検査のための設備やスペースおよび作業工数が必要なく、軸受の製造コストを低減することができる。
なお、本実施形態における軸受や環状シール部材の構成および形状は、前記の例に限定されるものではない。その場合、軸受の組み立てに先立つ事前のテストにより、治具の負荷荷重の「開始値」および「終了値」と、「基準変位量」およびその許容範囲を、適切に設定すれば良い。
また、シール部材の圧入治具や組込装置全体の構成も、本実施形態における例に限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータなどを用いることにより、組込装置のコントローラ、記録手段、演算手段および表示装置等を統合した構成としても良い。
また、本発明におけるシール組込装置は、軸受にシール部材を組み込む場合だけではなく、油圧や空気圧を取り扱うポンプ、自動車部品および機械部品等、環状シール部材の組込を必要とする各種装置に、広く適用することが可能である。
本発明の実施形態におけるシール組込装置の概略構成図である。 環状シール部材が正常に圧入された場合の負荷開始時の状態を示す図である。 環状シール部材が正常に圧入された場合の圧入完了時の状態を示す図である。 環状シール部材が表裏逆向きに圧入された場合の負荷開始時の状態を示す図である。 環状シール部材が表裏逆向きに圧入された場合の圧入完了時の状態を示す図である。 環状シール部材が二枚重ねで圧入された場合の負荷開始時の状態を示す図である。 環状シール部材が二枚重ねで圧入された場合の圧入完了時の状態を示す図である。 環状シール部材の圧入作業中における治具の押込み方向の変位量と負荷荷重の関係を示すグラフであり、(a)はシール部材が正常に圧入された場合、(b)はシール部材が表裏逆向きに圧入された場合、(c)はシール部材が二枚重ねで圧入された場合、を示す。 従来のシール組込装置の概略構成図である。
符号の説明
1 圧入治具
1A,1B 圧入治具の部材
2 圧縮コイルばね
3 ケース
3A,3B,3C ケースの部材
4 油圧シリンダ
5 保持台
6 アーム
7 支柱
8 ロードセル
9 変位計
11 環状シール部材
11A 芯金 11B 弾性部材
21 内軸
22 外輪
22a 円周段部
23 ボール
24 ころ
25A,25B 保持器
C コントローラ
D 表示装置
O 演算手段
R 記録手段

Claims (2)

  1. 同心状に配置された軸受の軌道部材どうしの間に形成される環状空間の開口部に、表裏の方向が決められている環状のシール部材を、治具を用いて所定の方向に押し込んで固定する際に、
    前記シール部材がセットされた前記治具の圧入荷重を徐々に増加しながら前記シール部材を前記開口部に押込むとともに変形させ、
    圧入荷重が所定の開始値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の開始位置と、
    圧入加重が所定の終了値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の完了位置と、から前記治具の押込み方向の変位量を求め、
    求めた前記変位量と、予め決められた基準変位量とを比較することにより、前記シール部材の圧入状態の良否を判定することを特徴とする環状シール部材の圧入状態判定方法。
  2. 同心状に配置された軸受の軌道部材どうしの間に形成される環状空間の開口部に、表裏の方向が決められている環状のシール部材を圧入固定するシール組込装置であって、
    前記シール部材前記軌道部材に対して所定の方向に押込むとともに変形させる治具と、
    前記治具を押込み方向に移動させる加圧手段と、
    前記軌道部材に対する前記治具の押込み方向の位置を測定する変位計と、
    前記治具が前記加圧手段から受ける荷重を測定するロードセルと、
    前記変位計および前記ロードセルから得られた測定値を記録する記録手段と、
    演算手段と、を備え、
    前記加圧手段は、徐々に圧入荷重を増加しながら前記シール部材がセットされた前記治具を押込み方向に移動させて前記シール部材を前記開口部に押込むとともに変形させ、
    前記変位計は、前記ロードセルにて測定した圧入荷重が所定の開始値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の開始位置と、前記ロードセルにて測定した圧入加重が所定の終了値に達した際の前記治具の押込み方向の位置である前記シール部材の変形の完了位置と、を測定し、
    前記記録手段は、前記開始位置と前記完了位置とを記録し、
    前記演算手段は、前記記録手段に記録された前記開始位置と前記完了位置から求められた前記治具の押込み方向の変位量と、予め決められた基準変位量とを、比較することにより、前記シール部材の圧入状態の良否を判定することを特徴とするシール組込装置。
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