JP4734801B2 - 干渉カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は干渉カラーフィルタに係り、特に液晶ディスプレイ等のフラットディスプレイに用いる干渉カラーフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ(LCD)には、色分解フィルターとしてカラーフィルタが用いられており、従来のカラーフィルタとしては、例えば、顔料分散型のカラーフィルタが用いられている。この顔料分散型カラーフィルタは、有機顔料を分散含有した塗料をスピンコート法により塗布し、所定のパターンで露光、現像することにより製造される。しかし、スピンコート法を用いているため、膜厚制御に限界があり、塗料のロスが大きく、また、大面積化が困難であり、青色の透過率が低いため明るく鮮明な青色を出せない等の問題があった。
一方、蒸着法やスパッタリング法により高屈折率無機材料からなる高屈折率層と、低屈折率無機材料からなる低屈折率層とを交互に積層して多層干渉膜を形成した干渉カラーフィルタが従来から知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような干渉カラーフィルタは、上記の問題点を解消し得るものであるが、真空成膜装置が高価であるため、製造コストの増大が避けられないという問題がある。また、多層干渉膜が無機材料からなるため可撓性がなく、例えば、フィルム等の可撓性を有する基材上に多層干渉膜を形成してフィルム状のカラーフィルタとする場合、曲げ等の外力により多層干渉膜にクラック等が発生するという問題があった。さらに、高分子フィルムに真空系で多層干渉膜を形成する場合、高分子フィルムと多層干渉膜との熱膨張係数の違いによる応力が高分子フィルムに作用してカールや変形が生じ易く、また、これを修正するときに多層干渉膜にクラック等が発生するという問題があった。
【0004】
これに対し、化学蒸着(CVD)法を用いて有機材料からなる高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層することにより、可撓性を備えた多層干渉膜を作製することができる。しかし、CVD法による成膜装置は高価であり製造コストの増大が避けられず、また、高精度の膜厚制御が困難であり、得られた多層干渉膜に干渉ムラを生じ易いという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、干渉ムラが極めて少なく、高い透過率あるいは反射率による優れた色分解性を具備し、フレキシブルな基材を含む種々の基材選択が可能な干渉カラーフィルタと、このような干渉カラーフィルタを簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の干渉カラーフィルタは、基材と、該基材の少なくとも一方の面に所定のパターンで形成された多層干渉膜とを備え、該多層干渉膜は高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものであり、前記高屈折率層は静電的相互作用を有するアニオン性の高屈折率有機材料とカチオン性の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、前記低屈折率層は静電的相互作用を有するアニオン性の低屈折率有機材料とカチオン性の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、前記アニオン性の高屈折率有機材料は下記構造式12で示されるベース材料からなる高分子材料であり、前記カチオン性の高屈折率有機材料は下記構造式13で示されるベース材料からなる高分子材料であり、前記アニオン性の低屈折率有機材料は下記構造式1で示されるベース材料からなる高分子材料であり、前記カチオン性の低屈折率有機材料は下記構造式10で示されるベース材料からなる高分子材料であるような構成とした。
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
本発明の他の態様として、前記多層干渉膜は1組の高屈折率層と低屈折率層との積層からなる周期を5〜20周期の範囲で有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記多層干渉膜上に保護層を備えるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記支持体は高分子フィルムであるような構成とした。
【0007】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、下記構造式12で示されるベース材料からなる高屈折率有機材料であるアニオン高分子材料を含有する溶液と、前記高屈折率有機材料との間で静電的相互作用を有する下記構造式13で示されるベース材料からなる高屈折率有機材料であるカチオン高分子材料を含有する溶液とに、基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の高屈折率有機材料を基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して高屈折率層とする工程と、下記構造式1で示されるベース材料からなる低屈折率有機材料であるアニオン高分子材料を含有する溶液と、前記低屈折率有機材料との間で静電的相互作用を有する下記構造式10で示されるベース材料からなる低屈折率有機材料であるカチオン高分子材料を含有する溶液とに、基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の低屈折率有機材料を基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して低屈折率層とする工程と、をいずれかの工程を最初として交互に繰り返すことにより、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層干渉膜を前記基材の少なくとも一方の面に形成し、その後、該多層干渉膜を所定のパターンにパターニングするような構成とした。
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
本発明の製造方法の他の態様として、前記多層干渉膜上に保護層形成用の感光性樹脂組成物の塗布膜を形成し、該塗布膜を所定のマスクを介して露光し、その後、現像を行うことにより、保護層パターンの形成と同時に、多層干渉膜の不要部位を除去してパターニングするような構成とした。
【0008】
このような本発明では、異種の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜(高屈折率層)、および異種の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜(低屈折率層)が、共に均一な膜厚であり、これらの交互吸着膜が交互に積層された多層干渉膜は、全域で均一な光干渉作用をなす。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最良と思われる実施形態について説明する。
干渉カラーフィルタ
図1は本発明の干渉カラーフィルタの一実施形態を示す概略部分断面図である。図1において、干渉カラーフィルタ1は、基材2と、この基材2上に形成された複数のパターンからなる多層干渉膜3と、各多層干渉膜3上に形成された保護層6とを備えている。多層干渉膜3は、赤用の多層干渉膜3R、緑用の多層干渉膜3G、青用の多層干渉膜3Bの各パターンからなっており、各多層干渉膜3は、高屈折率層4と低屈折率層5とが交互に積層されたものである。
【0010】
干渉カラーフィルタ1を構成する基材2は、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等、屈折率が1.4〜1.7の範囲にある材料を用いることができる。後述するように、本発明の干渉カラーフィルタ1を構成する多層干渉膜3が有機材料からなり、曲げ等の外部応力に対して優れた耐性を有するので、上記のフレキシブル材を基材2として使用することにより、フィルム状の干渉カラーフィルタとすることができる。
【0011】
干渉カラーフィルタ1を構成する多層干渉膜3は、上述のように高屈折率層4と低屈折率層5とが交互に積層されたものであり、高屈折率層4は相互作用を有する異種の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、低屈折率層5は相互作用を有する異種の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜からなっている。ここで、交互吸着膜とは、高分子やコロイド粒子間に作用する様々な物理的・化学的相互作用を利用してナノレベルの精密さで塗膜を形成する交互吸着法を用いて形成された薄膜である。
【0012】
したがって、図2に示されるように、高屈折率層4は、高屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜4aと、この高屈折率有機材料に対して相互作用をもつ他の高屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜4bとの繰り返し構造となっている。尚、図2では、仮に薄膜4aと薄膜4bとの積層が3回繰り返される構造とした。同様に、低屈折率層5は、低屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜と、この低屈折率有機材料に対して相互作用をもつ他の低屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜との繰り返し構造となっている。そして、干渉カラーフィルタ1が反射型の場合には、下記の式1を満足するように高屈折率層4、低屈折率層5が形成されている。また、干渉カラーフィルタ1が透過型の場合には、下記の式2を満足する層を反射型干渉フィルタの層構成に対して1層以上挿入した層構成とする。
nd=λ/4 ・・ 式1
nd=λ/2 ・・ 式2
【0013】
ここで、nは高屈折率層4や低屈折率層5の屈折率、dは高屈折率層4や低屈折率層5の厚み、λはターゲット波長である。ただし、これらは最も単純な設計例であり、本発明の干渉カラーフィルタに用いる光学設計は多様なものが可能である。
尚、図示例では、基材2側から高屈折率層4、低屈折率層5の順に積層されているが、これに限定されるものではない。
【0014】
上記の交互吸着法における物理的・化学的相互作用とは、静電的相互作用、水素結合、電荷移動相互作用、疎水性相互作用、配位結合、van der Waals力、抗原−抗体反応のような特異的相互作用および逐次化学反応による共有結合等が挙げられ、相互作用の強さや材料の選択幅の広さ等の点で静電的相互作用を用いることが好ましい。
静電的相互作用を用いて交互吸着膜を成膜する場合、使用する高分子材料は水溶性あるいは水分散性であることが好ましく、媒体として水を使用することができ、アニオン高分子材料とカチオン高分子材料との静電的相互作用を効果的に利用できる点、作業環境保全の点で有利となる。
【0015】
本発明で用いることができる高屈折率有機材料および低屈折率有機材料は、上記の相互作用を有する高分子材料の組み合わせであれば特に制限はなく、成膜する交互吸着膜の屈折率等を考慮して適宜選択することができる。高屈折率有機材料としては、電子密度の高い材料、例えば、ベンゼン環や複素環の割合が高い高分子材料や、金属等の重い元素を含む高分子材料を使用することができる。また、低屈折率有機材料としては、ベンゼン環や複素環の割合が低く、水素、炭素、酸素、窒素、フッ素等の軽い元素で構成されている高分子材料を使用することができる。使用する高分子材料のベースとなる構造としては、例えば、次の構造式1から構造式13に示されるようなベース材料が挙げられる。
【0016】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0017】
本発明では、使用するベース材料(上記構造式10,11で示されるベース材料は除く)に反応性の官能基を導入して、成膜する交互吸着膜に感光性や耐熱性を付与してもよい。官能基の導入は、官能基を有するモノマーとベース材料を構成するモノマーとを共重合させる方法、高分子反応によりベース材料に反応性の官能基を導入する方法等により行うことができる。反応性の官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、活性エステル基、酸無水物基、アルデヒド基等を含む官能基を挙げることができる。共重合により官能基を導入する場合、官能基含有モノマーがイオン性であれば、その共重合比に制限はないが、官能基含有モノマーが非イオン性であるときは、その共重合比(導入量)は全モノマー単位数に対して3〜50モル%、好ましくは5〜30モル%の範囲とする。導入量が3モル%未満であると、架橋密度が十分でなく、官能基導入による耐熱性向上の効果が十分得られず、また、導入量が50モル%を超えると、媒体、特に水に対する高分子材料の溶解性、分散性が不足したり、成膜された交互吸着膜の表面平滑性が悪くなるので好ましくない。
【0018】
また、上述の高分子材料の他に、熱処理により架橋反応が進行する高分子材料の組み合わせを使用して交互吸着膜である高屈折率層4、低屈折率層5を形成してもよい。例えば、ポリアクリル酸やその誘導体と、ポリアリルアミンやその誘導体との組み合わせにより成膜される交互吸着膜の場合、加熱によりカルボキシル基とアミノ基の間で反応が生じてエステル結合が形成される。また、光反応と熱反応を組み合わせれば、より耐熱性の高い膜を形成することができる。
【0019】
上述のように高屈折率層4と低屈折率層5とが交互に積層された多層干渉膜3は、1組の高屈折率層4と低屈折率層5との積層3′からなる周期を5〜20周期の範囲で備えるものである。このような多層干渉膜3を構成する周期の数が5未満であると、干渉カラーフィルタ1の光学特性ピークがブロードになったり、透過率あるいは反射率が低く明度が不十分なものとなる。また、20周期を超えると、更なる効果は得られず、工程数が増加して製造コストの増大を来たすので好ましくない。尚、図1に示す例では、便宜的に2周期のみを図示している。
【0020】
干渉カラーフィルタ1を構成する保護層6は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等、屈折率が1.4〜1.7の範囲にある材料を用いて形成することができ、厚みは0.1〜3.0μm程度が好ましい。
【0021】
尚、本発明の干渉カラーフィルタは、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、多層干渉膜3を構成する赤用の多層干渉膜3R、緑用の多層干渉膜3G、青用の多層干渉膜3Bの各パターンは、干渉カラーフィルタ1の使用目的に応じて種々の形態とすることができる。
【0022】
上述のような本発明の干渉カラーフィルタは、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、エレクトロルミネセンスパネル(EL)等のフラットディスプレイに使用することができる。例えば、LCDや白色発光ELでは、三原色分解フィルターとして使用することができ、PDP、FED、ELでは、発光される元の三原色の純度や色相を調節するフィルターとして使用することができる。
【0023】
干渉カラーフィルタの製造方法
次に、本発明の干渉カラーフィルタの製造方法について、図1に示される干渉カラーフィルタを例として説明する。
図3及び図4は、本発明の干渉カラーフィルタの製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【0024】
本実施形態では、第1の多層干渉膜として、赤用の多層干渉膜3Rを形成する。本発明の製造方法は、まず、第1の高屈折率有機材料を含有する溶液に基材2を接触させ、高屈折率有機材料を基材2に吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜4aを形成する。尚、高屈折率有機材料を含有する溶液に塩化ナトリウムを溶解することにより、吸着量を制御することができ、以下の吸着操作においても同様である。その後、この高屈折率有機材料に対して相互作用をもつ第2の高屈折率有機材料を含有する溶液に基材2を接触させ、薄膜4a上に第2の高屈折率有機材料を吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜4bを形成して交互吸着膜を成膜する(図3(A))。このような操作を所定の回数繰り返すことにより、異種の高屈折率有機材料を基材2上に交互に吸着させて、交互吸着膜からなる1層目の高屈折率層4を形成する(図3(B))。このように形成する高屈折率層4(交互吸着膜)の厚みは、作製する干渉カラーフィルタ1が反射型の場合には、下記の式1を満足するように設定する。また、作製する干渉カラーフィルタ1が透過型の場合には、下記の式2を満足する層を反射型干渉フィルタの層構成に対して1層以上挿入するように設定する。尚、図示では、便宜的に3回の繰り返しにより交互吸着膜を3層形成した状態を示している。
nd=λ/4 ・・ 式1
nd=λ/2 ・・ 式2
【0025】
上記式において、nは高屈折率層4の屈折率、dは高屈折率層4の厚み、λはターゲット波長である。尚、高屈折率層4の屈折率の測定が困難な場合、交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの透過スペクトル、あるいは、反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長に応じた厚み(吸着回数)を決定することができる。
尚、基材2は、特に前処理を施さなくても高屈折率有機材料が吸着するが、コロナ処理、シランカップリング剤処理等を予め施して極性基を導入することにより、高屈折率有機材料の吸着がより速やかに行なわれる。
【0026】
次に、上述のように1層目の高屈折率層4を形成した基材2を、第1の低屈折率有機材料を含有する溶液に接触させ、第1の低屈折率有機材料を吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜5aを形成する。その後、この低屈折率有機材料に対して相互作用をもつ第2の低屈折率有機材料を含有する溶液に基材2を接触させ、薄膜5a上に第2の低屈折率有機材料を吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜5bを形成して交互吸着膜を成膜する(図3(C))。このような操作を所定の回数繰り返して、異種の低屈折率有機材料を1層目の高屈折率層4上に交互に吸着させて、交互吸着膜からなる1層目の低屈折率層5を形成する(図3(D))。尚、図示では、便宜的に3回の繰り返しにより交互吸着膜を3層形成した状態を示している。
【0027】
このように形成する低屈折率層5(交互吸着膜)の厚みは、作製する干渉カラーフィルタ1が反射型の場合には、上記の式1を満足するように設定する。また、作製する干渉カラーフィルタ1が透過型の場合には、上記の式2を満足する層を反射型干渉フィルタの層構成に対して1層以上挿入するように設定する。
その後、上述の高屈折率層4と低屈折率層5とを形成する工程を繰り返して、高屈折率層4と低屈折率層5とが交互に積層された多層干渉膜3を形成する(図4(A))。この多層干渉膜3は、1組の高屈折率層4と低屈折率層5との積層3′からなる周期を5〜20周期の範囲で備えるものとする。尚、図示例では、便宜的に2周期としている。
【0028】
次いで、多層干渉膜3上に保護層用の感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜6′を形成し、赤用の多層干渉膜3R用のマスクを介して塗布膜6′を露光する(図4(B))。その後、現像することにより、塗布膜6′の未露光部と、その下に位置する多層干渉膜3を除去し、保護層6を備えた赤用の多層干渉膜3Rを形成する(図4(C))。
上述と同様の操作により、緑用の多層干渉膜3G、青用の多層干渉膜3Bを形成して、干渉カラーフィルタ1を作製する(図4(D))。
【0029】
このような本発明の製造方法では、相互作用を有する異種の高屈折率有機材料、および、相互作用を有する異種の低屈折率有機材料を予め選定し、交互吸着膜の成膜時の異種有機材料の接触回数を設定するだけで、均一な高屈折率層や低屈折率層を形成することができる。使用する材料や、多層干渉膜の周期を適宜設定することにより、干渉カラーフィルタの光学特性ピークの位置を任意に設定することができる。
【0030】
上述の製造方法の実施形態では、赤用の多層干渉膜3R、緑用の多層干渉膜3G、青用の多層干渉膜3Bの順にパターニングを行っているが、これに限定されるものではない。また、現像工程において多層干渉膜3の不要部位を塗布膜6′の未露光部と共に除去して赤用の多層干渉膜3Rを形成しているが、塗布膜6′の現像と多層干渉膜3の不要部位除去とを別の工程としてもよい。
【0031】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
【0032】
[実施例]
(赤用の多層干渉膜の形成)
まず、低屈折率有機材料を含有した下記の2種の水溶液I−R、II−Rを調製した。
(低屈折率有機材料含有水溶液I−R)
・低屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式1で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=90000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化14】
【0033】
(低屈折率有機材料含有水溶液II−R)
・低屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式10で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=15000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化15】
【0034】
また、高屈折率有機材料を含有した下記の2種の水溶液III−R、IV−Rを調製した。
(高屈折率有機材料含有水溶液III−R)
・高屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式12で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=18000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化16】
【0035】
(高屈折率有機材料含有水溶液IV−R)
・高屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式13で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=16000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化17】
【0036】
次に、基材として、厚み50μmのPESフィルム(三井東圧化学(株)製TALPA1000、屈折率1.65)を準備し、この一方の面にコロナ処理を施した。
上記の基材の処理面側を上記の水溶液I−Rと水溶液II−Rに、交互に各8回接触させ、交互吸着膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.53)とした。水溶液I−R、II−Rとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の8回の吸着回数は、水溶液I−R、II−Rを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長650nmに対する吸着回数として決定した。
【0037】
次に、基材上に形成した1層目の低屈折率層を上記の水溶液III−Rと水溶液IV−Rに、交互に各5回接触させ、1層目の低屈折率層上に交互吸着膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.71)とした。水溶液III−R、IV−Rとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の5回の吸着回数は、水溶液III−R、IV −Rを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長650nmに対する吸着回数として決定した。
その後、上記の低屈折率層の形成と、高屈折率層の形成とを繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
【0038】
次に、上記の多層干渉膜上に下記組成の保護層用の感光性樹脂組成物をスピンコート法により塗布(塗布量100g/m2)した。
(保護層用感光性樹脂組成物)
・モノマー(サートマー(株)製SR399) … 7.1重量部
・ポリマー1 … 8.8重量部
・エポキシ樹脂 … 9.7重量部
(油化シェルエポキシ(株)製エピコート180S70)
・開始剤(チバガイギー社製イルガキュア907) … 1.4重量部
・開始剤 … 1.0重量部
(2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−
テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール)
・溶剤(ジメチルジグリコール) … 38.0重量部
・溶剤(酢酸−3−メトチキブチル) … 34.0重量部
尚、上記のポリマー1は、ベンジルメタクリレート:スチレン:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルメタクリレート=15.6:37.0:30.5:16.9(モル比)の共重合体100モル%に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを16.9モル%付加したものであり、重量平均分子量は42500である。
【0039】
次いで、100μmピッチで開口部(280μm×80μm)を備えるマスクを介して、上記の塗布膜を紫外線により露光し、その後、5%水酸化カリウム水溶液を用いて現像した。これにより、塗布膜の未露光部と、その下に位置する多層干渉膜を同時に除去し、保護層を備えた赤用の多層干渉膜のパターンを形成した。
【0040】
(緑用の多層干渉膜の形成)
まず、上記の赤用の多層干渉膜の形成に使用した低屈折率有機材料含有水溶液I−R、II−Rおよび高屈折率有機材料含有水溶液III−R、IV−Rの塩化ナトリウムの含有量を0.08モル%とした水溶液I−G、II−Gおよび水溶液III−G、IV−Gを調製した。
次に、上述のように赤用の多層干渉膜のパターンを形成した基材のパターン形成面側を上記の水溶液I−Gと水溶液II−Gに、交互に各7回接触させ、交互吸着膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.53)とした。水溶液I−G、II−Gとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(7回)は、水溶液I−G、II−Gを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長550nmに対する吸着回数として決定した。
【0041】
次に、基材上に形成した1層目の低屈折率層を上記の水溶液III−Gと水溶液IV−Gに、交互に各5回接触させ、1層目の低屈折率層上に交互吸着膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.71)とした。水溶液III−G、IV−Gとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(5回)は、水溶液III−G、IV −Gを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長550nmに対する吸着回数として決定した。
その後、上記の低屈折率層の形成操作、高屈折率層の形成操作を繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
次に、上記の赤用の多層干渉膜のパターン形成と同様にして、保護層を備えた緑用の多層干渉膜のパターンを基材上(赤用の多層干渉膜の非形成部位)に形成した。
【0042】
(青用の多層干渉膜の形成)
まず、上記の赤用の多層干渉膜の形成に使用した低屈折率有機材料含有水溶液I−R、II−Rおよび高屈折率有機材料含有水溶液III−R、IV−Rの塩化ナトリウムの含有量を0.06モル%とした水溶液I−B、II−Bおよび水溶液III−B、IV−Bを調製した。
次に、上述のように赤用および緑用の多層干渉膜のパターンを形成した基材のパターン形成面側を上記の水溶液I−Bと水溶液II−Bに、交互に各8回接触させ、交互吸着膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.53)とした。水溶液I−B、II−Bとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(8回)は、水溶液I−B、II−Bを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長450nmに対する吸着回数として決定した。
【0043】
次に、基材上に形成した1層目の低屈折率層を上記の水溶液III−Bと水溶液IV−Bに、交互に各5回接触させ、1層目の低屈折率層上に交互吸着膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.71)とした。水溶液III−B、IV−Bとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(5回)は、水溶液III−B、IV −Bを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長450nmに対する吸着回数として決定した。
その後、上記の低屈折率層の形成操作、高屈折率層の形成操作を繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
次に、上記の赤用の多層干渉膜のパターン形成と同様にして、保護層を備えた青用の多層干渉膜のパターンを基材上(赤用および緑用の多層干渉膜の非形成部位)に形成した。
以上により、本発明の干渉カラーフィルタを作製した。
【0044】
(干渉カラーフィルタの評価)
上記のように作製した干渉カラーフィルタについて、反射スペクトルを測定した結果、図5(A)〜図5(C)に示されるように、450nm、550nm、650nmに急峻で反射強度の高いピークが観察され、色純度の高い干渉カラーフィルタであることが確認された。
また、JIS K5400の耐屈曲性の試験方法に準拠して折り曲げ試験を行った結果、多層干渉膜にはクラック等の欠陥の発生はみられなかった。
【0045】
[比較例1]
基材として、厚み50μmのPESフィルム(三井東圧化学(株)製TALPA1000、屈折率1.65)を準備し、この一方の面にコロナ処理を施した。
次に、上記の基材の処理面上に、真空蒸着法によりSiO2薄膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.46)とした。この低屈折率層の厚みは、ターゲット波長λを550nmとして、nd=λ/4を満足する厚み(d=94nm)とした。
【0046】
次に、上記の1層目の低屈折率層上に、真空蒸着法によりAl2O3薄膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.62)とした。この高屈折率層の厚みは、ターゲット波長λを550nmとして、nd=λ/4を満足する厚み(d=85nm)とした。
その後、上記の低屈折率層の形成と、高屈折率層の形成とを繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
以上により、比較例1としての干渉フィルタを作製した。
【0047】
(干渉フィルタの評価)
上記のように作製した干渉フィルタは、多層干渉膜の形成時に基材の変形(基材と多層干渉膜の内部応力差によるカール)が生じ、この変形を修正するために、干渉フィルタに対して引っ張り処理を施したところ、多層干渉膜にクラックが発生し、反射スペクトルを測定した結果、干渉ムラが観察され実用に供し得ないものであった。
【0048】
[比較例2]
基材として、厚み50μmのPESフィルム(三井東圧化学(株)製TALPA1000、屈折率1.65)を準備し、この一方の面にコロナ処理を施した。
次に、上記の基材の処理面上に、イオン化蒸着重合法によりポリ(N−メチロールアクリルアミド)薄膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.54)とした。この低屈折率層の厚みは、ターゲット波長λを650nmとして、nd=λ/4を満足する厚み(d=105nm)とした。
【0049】
次に、上記の1層目の低屈折率層上に、通常の蒸着重合法によりポリチオ尿素薄膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.68)とした。この高屈折率層の厚みは、ターゲット波長λを650nmとして、nd=λ/4を満足する厚み(d=97nm)とした。
その後、上記の低屈折率層の形成と、高屈折率層の形成とを繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
以上により、比較例2としての干渉フィルタを作製した。
【0050】
(干渉フィルタの評価)
上記のように作製した干渉フィルタについて、実施例と同様の条件で折り曲げ試験を行った結果、多層干渉膜にはクラック等の欠陥の発生はみられなかった。
しかし、実施例と同様に反射スペクトルを測定した結果、低屈折率層と高屈折率層の厚みムラによる干渉ムラが一部に観察された。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば相互作用を有する異種の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜を高屈折率層とし、相互作用を有する異種の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜を低屈折率層とし、交互吸着膜は高分子やコロイド粒子の相互作用により決定される精密な厚みを有するので、上記の高屈折率層、低屈折率層はそれぞれ膜厚が均一なものであり、これらの高屈折率層と低屈折率層との交互積層膜である多層干渉膜も、膜厚が均一なものであり、このような多層干渉膜は全域において均一な光干渉作用をもち、構成する高屈折率層や低屈折率層の屈折率や厚みに応じて優れた透過率、あるいは反射率をもつ干渉カラーフィルタが可能となる。また、基材の選択幅が広く、基材として可撓性をもつ高分子フィルムを使用すれば、上記多層干渉膜が有機材料からなる薄膜であるため、曲げ等の外部応力に対して優れた耐性をもつフィルム状の干渉カラーフィルタが可能となる。さらに、干渉カラーフィルタの光学特性ピークが急峻で高いため、色純度の高い干渉カラーフィルタとなる。
また、本発明の製造方法では、高分子やコロイド粒子の相互作用に対応した固有の厚みで形成される交互吸着膜を高屈折率層、低屈折率層とするので、相互作用を有する異種の高屈折率有機材料、および、相互作用を有する異種の低屈折率有機材料を予め選定し、交互吸着膜の成膜時の異種有機材料の接触回数を設定するだけで、均一な高屈折率層や低屈折率層を形成することができ、複雑な厚み制御が不要であり、また、上記の接触回数を変更するだけで干渉カラーフィルタの光学特性ピークの位置を任意に設定することが可能である。さらに、交互吸着膜の成膜は、真空系における成膜と異なり常温で短時間に行うことが可能であり、かつ、基材が可撓性フィルム等であってもカールや変形を生じることがなく、また、大面積化が容易であり、さらに、高価な真空成膜装置が不要であるため、製造コストの低減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の干渉カラーフィルタの一実施形態を示す概略部分断面図である。
【図2】本発明の干渉カラーフィルタにおける交互吸着膜からなる高屈折率層の構成を説明するための概略部分断面図である。
【図3】本発明の干渉カラーフィルタの製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図4】本発明の干渉カラーフィルタの製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図5】実施例における本発明の干渉カラーフィルタの反射スペクトルの測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1…干渉カラーフィルタ
2…基材
3,3R,3G,3B…多層干渉膜
3′…1組の高屈折率層と低屈折率層の積層からなる1周期分
4…高屈折率層
4a,4b…交互吸着膜を構成する薄膜
5…低屈折率層
5a,5b…交互吸着膜を構成する薄膜
6…保護層
Claims (6)
- 基材と、該基材の少なくとも一方の面に所定のパターンで形成された多層干渉膜とを備え、該多層干渉膜は高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものであり、前記高屈折率層は静電的相互作用を有するアニオン性の高屈折率有機材料とカチオン性の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、前記低屈折率層は静電的相互作用を有するアニオン性の低屈折率有機材料とカチオン性の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、前記アニオン性の高屈折率有機材料は下記構造式12で示されるベース材料からなる高分子材料であり、前記カチオン性の高屈折率有機材料は下記構造式13で示されるベース材料からなる高分子材料であり、前記アニオン性の低屈折率有機材料は下記構造式1で示されるベース材料からなる高分子材料であり、前記カチオン性の低屈折率有機材料は下記構造式10で示されるベース材料からなる高分子材料であることを特徴とする干渉カラーフィルタ。
- 前記多層干渉膜は、1組の高屈折率層と低屈折率層との積層からなる周期を5〜20周期の範囲で有することを特徴とする請求項1に記載の干渉カラーフィルタ。
- 前記多層干渉膜上に保護層を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の干渉カラーフィルタ。
- 前記基材は高分子フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の干渉カラーフィルタ。
- 下記構造式12で示されるベース材料からなる高屈折率有機材料であるアニオン高分子材料を含有する溶液と、前記高屈折率有機材料との間で静電的相互作用を有する下記構造式13で示されるベース材料からなる高屈折率有機材料であるカチオン高分子材料を含有する溶液とに、基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の高屈折率有機材料を基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して高屈折率層とする工程と、
下記構造式1で示されるベース材料からなる低屈折率有機材料であるアニオン高分子材料を含有する溶液と、前記低屈折率有機材料との間で静電的相互作用を有する下記構造式10で示されるベース材料からなる低屈折率有機材料であるカチオン高分子材料を含有する溶液とに、基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の低屈折率有機材料を基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して低屈折率層とする工程と、
をいずれかの工程を最初として交互に繰り返すことにより、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層干渉膜を前記基材の少なくとも一方の面に形成し、その後、該多層干渉膜を所定のパターンにパターニングすることを特徴とする干渉カラーフィルタの製造方法。
- 前記多層干渉膜上に保護層形成用の感光性樹脂組成物の塗布膜を形成し、該塗布膜を所定のマスクを介して露光し、その後、現像を行うことにより、保護層パターンの形成と同時に、多層干渉膜の不要部位を除去してパターニングすることを特徴とする請求項5に記載の干渉カラーフィルタの製造方法。
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