JP2000275157A - 交互吸着膜を用いた粒子センサ - Google Patents

交互吸着膜を用いた粒子センサ

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JP2000275157A
JP2000275157A JP11077553A JP7755399A JP2000275157A JP 2000275157 A JP2000275157 A JP 2000275157A JP 11077553 A JP11077553 A JP 11077553A JP 7755399 A JP7755399 A JP 7755399A JP 2000275157 A JP2000275157 A JP 2000275157A
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particles
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adsorption
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Tokiaki Shiratori
世明 白鳥
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    • G08B17/117Actuation by presence of smoke or gases, e.g. automatic alarm devices for analysing flowing fluid materials by the use of optical means by using a detection device for specific gases, e.g. combustion products, produced by the fire

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応答時間が短く、高精度な検出が可能であ
り、しかも低コストな煙感知器を実現する。 【解決手段】 水晶振動子の電極21上に、交互吸着膜
40を形成する。交互吸着膜40は、コロイド状の煙粒
子Sが侵入可能な空洞構造(多孔質構造)をなし、正の
電荷をもったPAH膜(A1,A3,A5)と、負の電
荷をもったPAA膜(B2,B4,B6)とを交互に積
層した構造を有する。交互吸着膜40内に侵入した煙粒
子Sは、PAH膜またはPAA膜によって吸着される。
交互吸着膜40に粒子が吸着すると、交互吸着膜40全
体の質量が変化するため、水晶振動子の振動周波数が変
化する。この周波数シフトを測定することにより、吸着
粒子の量を検出することができる。熱風源を用いて、交
互吸着膜40に対して熱風を与えると、吸着粒子を離脱
させ、センサを初期状態に回復できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交互吸着膜を用い
た粒子センサに関し、特に、煙や匂いの素となる粒子を
吸着する性質をもった交互吸着膜を利用することによ
り、その量を検出することができる粒子センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガス分子、イオン、煙の粒子などを検出
することができる粒子センサは、種々のタイプのものが
実用されており、特に、自動火災報知器の用途では、熱
感知器とともに煙感知器が広く利用されている。現在、
一般住宅用の煙感知器として利用されている粒子センサ
は、イオン化式タイプと散乱式タイプが主流である。前
者は、電離電流が煙によって減少する現象を利用したも
のであり、常に電離電流の値を計測し、その減少値が所
定のしきい値に達した場合に、煙検知信号を発生する機
能を有している。一方、後者は、光が煙によって散乱す
る現象を利用したものであり、常に散乱光量の値を計測
し、その値が所定のしきい値に達した場合に、煙検知信
号を発生する機能を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、粒子センサ
を含めた種々のセンサには、正確な検出を行うことがで
き、かつ、応答時間が短いことが要求される。特に、自
動火災報知器用の煙感知器として利用される粒子センサ
の場合、誤報を発する可能性が低く、かつ、火災を直ち
に検出できる応答が要求される。ところが、上述したイ
オン化式タイプの煙感知器は、調理場から流れる目に見
えない煙粒子に対しても反応する傾向があり、厨房付近
に設置した場合に誤報を発する可能性が高いことが指摘
されている。一方、上述した散乱式タイプの煙感知器
は、カーボン粒子のような黒色系の煙に対する検出感度
が低く、通常の煙の4倍の濃度に達するまで作動しない
という弱点があり、応答時間が長くなるという問題が指
摘されている。
【0004】この他にも、検出対象となる粒子によって
は、半導体を用いた粒子センサなども提案されている
が、いずれも検出精度および応答時間の点が不十分であ
り、更に、コストが高くなるという問題もあり、一般的
には普及に至っていない。
【0005】そこで本発明は、応答時間が短く、高精度
な検出が可能であり、しかも低コストで実現することが
可能な粒子センサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、検出対象となる粒子が侵入可能な空洞構造をな
し、正の電荷をもった第1の帯電膜と、検出対象となる
粒子が侵入可能な空洞構造をなし、負の電荷をもった第
2の帯電膜と、を交互に吸着させてなる交互吸着膜を基
材上に設けることによりセンサ本体部を構成し、このセ
ンサ本体部の質量の変化に基づいて検出対象となる粒子
の吸着量を検出することができる交互吸着膜を用いた粒
子センサを実現したものである。
【0007】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る交互吸着膜を用いた粒子センサにおいて、
第1の帯電膜および第2の帯電膜として、多孔質膜また
は繊維質膜を形成する性質をもったポリマー材料を用い
るようにしたものである。
【0008】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1
または第2の態様に係る交互吸着膜を用いた粒子センサ
において、基材として水晶発振子を用い、この水晶発振
子の振動周波数の変化に基づいて、検出対象となる粒子
の吸着量を検出できるようにしたものである。
【0009】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係る交互吸着膜を用いた粒子センサを複
数組設けることによりセンサアレイを構成し、各組ごと
に、それぞれ第1の帯電膜と第2の帯電膜との膜厚比を
変えることにより特定の粒子に対する検出感度が異なる
ように構成したものである。
【0010】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係る交互吸着膜を用いた粒子センサにお
いて、第1の帯電膜の厚みを第2の帯電膜の厚みのほぼ
2倍に設定し、煙に対する吸着性を向上させるようにし
たものである。
【0011】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第1
〜第5の態様に係る交互吸着膜を用いた粒子センサにお
いて、交互吸着膜に吸着していた粒子を離脱させる機能
を有する粒子離脱手段を更に設けるようにしたものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基いて説明する。§1.交互吸着膜の一般的な製造方法 本発明の発端は、交互吸着膜が煙草や香などの煙に対し
て高い吸着性を有することを見出だしたことにある。こ
こで、交互吸着膜とは、もともと複合有機薄膜を作成す
る方法として、1992年にG.デッカーらによって発
表された(Decher.G, Hong.J.D. and J.Schmit: Thin S
olid Films, 210/211, p.831(1992))方法であり、その
作成プロセスにおいて、交互吸着(Layer-by-Layer Ele
ctrostatic Self-Assembly)の手法が利用される。G.
デッカーらによって発表された基本的な方法によれば、
まず、正の電解質ポリマー(カチオン)の水溶液と、負
の電解質ポリマー(アニオン)の水溶液とが別々の容器
に用意される。そして、これらの容器に、初期表面電荷
を与えた基板(被成膜材料)を交互に浸すことにより、
基板上に多層構造を有する複合有機超薄膜(交互吸着
膜)が得られる。たとえば、被成膜材料としてガラス基
板を用いた場合、このガラス基板の表面を親水処理して
表面にOH基を導入して、初期表面電荷として負の電
荷を与える。そして、この表面が負に帯電した基板を、
正の電解質ポリマー水溶液に浸せば、クーロン力によ
り、少なくとも表面電荷が中和されるまで正の電解質ポ
リマーが表面に吸着し、1層の超薄膜が形成される。こ
うして形成された超薄膜の表面部分は、正に帯電してい
ることになる。そこで、今度はこの基板を負の電解質ポ
リマー水溶液に浸せば、クーロン力により負の電解質ポ
リマーが吸着し、1層の超薄膜が形成されることにな
る。このようにして、基板を2つの容器に交互に浸すこ
とにより、正の電解質ポリマーからなる超薄膜層と負の
電解質ポリマーからなる超薄膜層とを交互に成膜するこ
とができ、多層構造をもった複合有機薄膜を形成するこ
とができる。
【0013】最近では、M.F.ルブナーらによって、
この交互吸着膜の製造を自動化する技術が発表されてお
り(A.C.Fon, O.Onitsuka, M.Ferreira, B.R. Hsieh an
d M.F.Rubner: J. Appl. Phys. 79(10) 15 May 1996
)、交互吸着膜の自動製造装置の構成が提案されてい
る。この装置を用いれば、被成膜材料となる基板がロボ
ットアームにより2つの水槽に交互に浸されるので、基
板上に交互吸着膜が自動的に成膜される。また、本願発
明者によって、膜厚を正確に制御する成膜方法が、特願
平10−267286号明細書に開示されている。
【0014】ここでは、まず、この交互吸着膜の基本的
な製造原理を述べておく。図1は、一般的な交互吸着膜
の製造原理を示す概念図である。図において、第1の槽
100には、正の電解質ポリマー(カチオン)の水溶液
が入れられており、第2の槽200には、負の電解質ポ
リマー(アニオン)の水溶液が入れられている。ここ
で、被成膜材料として、たとえばガラスやシリコンなど
の基板10を用意し、その表面を親水処理して表面にO
基を導入して、初期表面電荷として負の電荷を与え
る。図2(a) は、このようにして、基板10の表面が負
に帯電した状態を示す概念図である。続いて、この負に
帯電した基板10を第1の槽100内に入れると、基板
10の表面に正の電解質ポリマーが接触し、クーロン力
により吸着することになる。図2(b) は、正の電解質ポ
リマーが吸着した状態を示す概念図である。ここで、こ
の基板10を第2の槽200内に入れると、今度は、基
板10の表面に負の電解質ポリマーが接触し、クーロン
力により吸着することになる。図2(c) は、負の電解質
ポリマーが吸着した状態を示す概念図である。このよう
に、基板10を第1の槽100と第2の槽200とに交
互に浸漬させてゆけば、基板10の表面には、正の電界
質ポリマーからなる層と負の電解質ポリマーからなる層
とが交互に成膜されてゆくことになり、最終的に多層構
造をもった交互吸着膜が形成される。
【0015】もっとも、図2に示す概念図は、原理を説
明するために単純化したモデルを示すものであり、実際
には、図3あるいは図4に示す概念図に近い状態で薄膜
形成が行われるものと思われる。図3は、2回目の浸漬
処理(第1の槽100から基板10を取り出し、第2の
槽200に浸したときの処理)における吸着状態を示す
概念図である。基板10の表面には、既に、1回目の浸
漬処理によって、正の電解質ポリマーからなる第1層目
の薄膜A1が形成されており、この薄膜A1によって作
用するクーロン力により、第2の槽200内の負の電解
質ポリマーbが表面に吸着することになる。基板10を
第2の槽200内に一定時間浸漬させておけば、第2の
槽200内の負の電解質ポリマーbが次々と表面に吸着
し、第2層目の薄膜B2が形成されることになる。ただ
し、ある程度の時間が経過して、負の電解質ポリマーb
からなる第2層目の薄膜B2が厚くなってくると、もは
や薄膜A1によるクーロン力は作用しなくなり、その時
点で吸着は飽和点を迎えることになる。
【0016】なお、この吸着処理に用いる電解質ポリマ
ーの濃度やpH値、吸着時間などの条件によって、ポリ
マー分子内のセグメント間のクーロン力による反発が大
きくなったり小さくなったり変化するため、分子の充填
密度は、これらの条件に左右されることになる。したが
って、これらの条件の設定次第によって、非常に薄い膜
を形成することも、比較的厚い膜を形成することも可能
になる。図4は、このような浸漬処理を合計6回行った
ときに形成される交互吸着膜の構造を示す概念図であ
る。ここで、奇数番目の層を構成する薄膜A1,A3,
A5は、正の電解質ポリマーからなる帯電膜であり、偶
数番目の層を構成する薄膜B2,B4,B6は、負の電
解質ポリマーからなる帯電膜である。これら各層の厚み
は、浸漬処理の時間によって制御することが可能であ
る。上述したように、ある程度の厚みに達すると、電気
的中和によりクーロン力が作用しなくなるため吸着は飽
和点を迎えることになるが、この飽和点に至るまでは、
浸漬時間が長ければ長いほど膜厚は厚くなる。
【0017】結局、このようにして形成された交互吸着
膜は、正の電荷をもった第1の帯電膜A1,A3,A5
と、負の電荷をもった第2の帯電膜B2,B4,B6
と、を基板10上に交互に吸着させてなる膜ということ
ができる。しかも、図3あるいは図4の概念図からわか
るように、各帯電膜は、クーロン力やファン・デル・ワ
ールス力のような分子間力によって互いに結び付いた多
数のポリマーからなる自己組織化膜(Self-Assembly Fi
lm)を構成しているため、本質的に内部に空洞構造を有
している。別言すれば、各帯電膜は、多孔質膜あるいは
繊維質膜を形成していることになり、その内部には、匂
いの素となるような分子、イオン、煙の粒子など、検出
対象となる粒子が侵入可能な空洞構造が形成されてい
る。
【0018】このような交互吸着膜が、特に、煙草や香
などの煙に対して高い吸着効率を示す理由について、本
願発明者は次のように考えている。すなわち、この交互
吸着膜では、正電荷をもった第1の帯電膜と、負電荷を
もった第2の帯電膜とが交互に積層されており、しか
も、検出対象となる粒子が侵入可能な空洞構造が形成さ
れている。これに対して、煙草や香などの煙は、コロイ
ド状の粒子群であり、そこには、正電荷を帯びた粒子
と、負電荷を帯びた粒子とが混在していると考えられ
る。したがって、このコロイド粒子群は、多孔質膜ある
いは繊維質膜を形成している交互吸着膜内の空洞構造に
侵入する過程で、逆極性の帯電膜に吸着されるのではな
いか、と思われる。すなわち、正電荷を帯びたコロイド
粒子は負の帯電膜中に吸着され、負電荷を帯びたコロイ
ド粒子は正の帯電膜中に吸着され、いずれにしても、交
互吸着膜中の帯電膜に捕らえられることになる。同様の
理由により、イオン粒子に対しても高い吸着性がみられ
る。
【0019】§2.本発明に係る粒子センサの基本構造 続いて、本発明に係る粒子センサの基本構造について述
べる。本発明の基本概念は、上述した交互吸着膜の吸着
特性を利用して、粒子センサを実現する点にある。たと
えば、図4に示す交互吸着膜の近傍に煙草の煙を流す
と、煙を構成するコロイド粒子が吸着することになる。
この吸着により、当然、交互吸着膜全体の質量が増加す
る。そこで、この質量増加を何らかの形で検出すること
ができれば、吸着したコロイド粒子を定量的に検出可能
な粒子センサが実現できる。
【0020】もちろん、コロイド粒子の吸着によって増
加する質量は極めて微量であり、これを測定するために
は、かなり高い精度の質量測定手法を用いる必要があ
る。本願発明者は、水晶振動子を用いた質量測定手法が
本発明に最も適していると考えている。水晶振動子に一
対の電極を設け、両電極間に所定の直流電圧を印加する
と、この水晶振動子が固有の周波数で発振することは古
くから知られている。しかも、この水晶振動子の表面に
何らかの物体を付着させると、付着させた物体の質量に
応じて、固有の発振周波数が変化する性質がある。この
性質を利用すれば、吸着したコロイド粒子の質量を、水
晶振動子の固有発振周波数の変化として検出することが
可能である。
【0021】そこで、図5に示すような円盤状の水晶振
動子20を用意し、その上面および下面に、それぞれ金
属(たとえば、金、銀など)からなる電極21,22を
形成する。各電極21,22には、図示のように、配線
部23,24を形成し、これら配線部23,24に対し
て導電線31,32を接続しておく。こうしておけば、
導電線31,32間に所定の直流電圧を印加することに
より、水晶振動子20を固有の発振周波数で振動させる
ことができる。このような水晶振動子20を、図1に示
す基板10の代わりの被成膜材料として、第1の槽10
0および第2の槽200に交互に出し入れすれば、基板
10の表面に交互吸着膜が形成されるのと全く同様に、
水晶振動子20の表面にも交互吸着膜を形成することが
できる。
【0022】ただ、前述した方法で作成した交互吸着膜
は、ポリマーが分子間力によって吸着した状態となって
おり、直接手で触れたりすると剥離しやすい。したがっ
て、センサとしての実用性を考慮すると、水晶振動子2
0の表裏全面に交互吸着膜を形成するよりも、一方の電
極表面上にのみ交互吸着膜を形成した方が取り扱いやす
い。水晶振動子20の一部分のみに交互吸着膜を形成す
るには、この一部分を除いて表面をマスクで覆った状態
にした上で、第1の槽100および第2の槽200に交
互に出し入れするようにすればよい。図6は、このよう
な方法で作成したセンサ本体50の側断面図である。こ
のセンサ本体50は、図5に示す水晶振動子20を、電
極21の部分を除いてマスク35で覆った状態にし、各
槽に交互に出し入れして作成したものである。
【0023】図示のとおり、交互吸着膜40(実際に
は、複数の層からなる)は、電極21の表面上にのみ形
成されている。マスク35としては、交互吸着膜の成膜
工程においても反応物質が溶出しないような成分の材料
であれば、どのような材料のものを用いてもかまわな
い。試作の上では、シリコンゴムを用いているが、量産
する場合には、樹脂性のマスクなどを用いてもかまわな
い。また、このマスク35は、交互吸着膜40を成膜し
た後に剥離除去してもかまわないが、マスク35自身
は、センサ本体50の筐体として機能することが可能な
ため、センサとしての実用性を考慮した場合は、そのま
ま筐体として利用するのが好ましい。なお、図示のとお
り、マスク35は電極22には直接接触しないような形
態にしてあるが、これは、水晶振動子20の発振周波数
をより安定させるためである。もちろん、水晶振動子2
0の両面に交互吸着膜40を形成するようにしてもかま
わない。
【0024】図7は、交互吸着膜40による煙粒子Sの
吸着作用を示す原理図である。電極21上には、正の電
荷をもった第1の帯電膜A1,A3,A5と、負の電荷
をもった第2の帯電膜B2,B4,B6とが交互に形成
されており、これら全6層の膜によって交互吸着膜40
が形成されている。図では、便宜上、各層の厚みを極端
に厚く描いてあるが、実際には、いずれも薄膜層であ
る。また、図示の例では、全6層からなる交互吸着膜4
0が示されているが、実際には、より多層からなる交互
吸着膜40を形成した方が吸着効率を高めることができ
る。この交互吸着膜40を煙の中に置くと、煙粒子S
(正電荷を帯びたコロイド粒子と負電荷を帯びたコロイ
ド粒子)が、交互吸着膜40(多孔質膜あるいは繊維質
膜)内の空洞構造内に侵入し、逆極性の帯電膜に吸着さ
れることになる。このような吸着が生じると、吸着粒子
の分だけ交互吸着膜40の質量が増加することになる。
この質量増加は、水晶振動子20の固有振動周波数の変
動として検出することができる。
【0025】図8は、具体的な検出処理を行うための回
路の一例を示す回路図である。このような回路を用いれ
ば、吸着粒子の定量的な検出が可能になる。この回路で
は、まず、センサ本体50の導電線31,32間に、周
波数検出部60から直流電圧が印加される。すなわち、
周波数検出部60内において、導電線32は接地され、
導電線31にはコンデンサ61を介して直流電圧Vcc
が供給される。一方、導電線31に生じる交流成分は、
コンデンサ61を介して周波数計数器62に与えられ
る。周波数計数器62で計数された周波数fは、処理装
置70へと与えられ、ここで必要な演算が行われた上
で、最終的に何らかの検出結果を示す出力が得られる。
センサ本体50の交互吸着膜40に、煙粒子Sが吸着す
ると、周波数計数器62で計数される振動周波数に変動
が生じることになる(煙粒子Sの吸着量が増加するにし
たがって、周波数は減少する)。この周波数シフトΔf
は、吸着した煙粒子Sの質量にほぼ比例する。したがっ
て、処理装置70は、この周波数シフトΔfに基づい
て、吸着した煙粒子Sの質量を認識することができ、こ
の質量値を示す信号をそのまま検出結果として出力する
ことができる。あるいは、煙感知器として用いるのであ
れば、周波数シフトΔfが所定のしきい値に達した時点
で、所定の警報信号を検出結果として出力するようにす
ればよい。
【0026】なお、交互吸着膜40の吸着作用は、永久
に持続するわけではない。吸着した煙粒子Sの量が増え
るに従って、徐々に吸着効率は低下し、ある程度の量の
煙粒子Sが吸着してしまうと、飽和状態となってしま
う。そうなると、もはや粒子センサとしての機能を果た
すことができない。そこで、ここに述べる実施形態で
は、粒子離脱手段として機能する熱風源80を設け、交
互吸着膜40に対して熱風を供給することにより、これ
までに吸着していた粒子を離脱させ(クーロン力によっ
て吸着している粒子に、これに打ち勝つだけの分子熱振
動を与えればよい)、センサ本体50に対するリセット
処理を行うことができるようにしている。処理装置70
は、リセット処理が必要になったと判断した場合(たと
えば、初期振動周波数に対する周波数シフトΔfが所定
のしきい値に達した場合や、煙感知器として用いるので
あれば、報知信号を出力した後)、熱風源80に対して
リセット信号を与える処理を行う。熱風源80は、この
リセット信号を受けて、熱風(たとえば、温度90°C
の風)を交互吸着膜40に対して所定時間(たとえば、
3分間)だけ吹き付ける。これにより、交互吸着膜40
に吸着していた粒子が離脱除去され、交互吸着膜40は
初期状態に復帰することになる。なお、交互吸着膜40
に吸着していた粒子を離脱させる機能を有する粒子離脱
手段としては、上述した熱風源80だけでなく、たとえ
ば、蒸気を吹きつける機構や、水、湯などが入った槽内
にセンサ本体50を導入してクリーニングを行う機構な
どを用いてもかまわない。
【0027】§3.具体的な実施形態および実験例 続いて、本発明に係る粒子センサの具体的な実施形態
を、本願発明者が行った実験例とともに述べる。まず、
図1に示す第1の槽100内に入れる正の電解質ポリマ
ーとして、ポリアリルアミン塩酸塩(poly-allylamineh
ydrochloride:略称PAH:分子量=55000)を用
意し、第2の槽200内に入れる負の電解質ポリマーと
して、ポリアクリル酸(poly-acrylic acid :略称PA
A:分子量=90000)を用意した。いずれも、10
−2mol/lの濃度の水溶液を作成して各槽に収容した。
また、リンス浴などに利用する純水として、18MΩ・
cm以上の超純水を用意した。
【0028】交互吸着膜40を形成する基材としては、
図5に示すような水晶振動子20を用いた。具体的に
は、10MHz,ATカットなる特性を有し、直径が1
2mm、厚み1mmの円盤形状の水晶振動子を用い、そ
の両面には、直径9mm、厚み0.2μmの円盤状の銀
電極21,22を形成した。そして、この水晶振動子2
0の一部を、シリコンゴムからなるマスク35で覆い、
銀電極21の表面のみが露出する状態とした。この水晶
振動子20を、エタノールで洗浄後、1規定の塩酸に2
分間漬けておき、更に純水で洗浄して乾燥させた。これ
により、銀電極21の露出面を親水処理することがで
き、かつ、OH基の導入により表面を負に帯電させる
ことができる。帯電はやはり飽和状態になっている。
【0029】こうして用意した水晶振動子20を、図1
に示す水槽100,200に交互に浸し、電極21上に
交互吸着膜40を形成し、図6の側断面図に示す構造を
得た。なお、一方の水槽から引き上げて他方の水槽に浸
す前に、用意した超純粋によるリンス浴に通すようにし
た。このようにして、1層の膜厚が約10〜40nm程
度(各層の膜厚が異なる複数のサンプルを作成)となる
ように各水槽への浸漬時間を制御し、合計60〜360
層(積層数の異なる複数のサンプルを作成)からなる交
互吸着膜40を形成した。
【0030】このようにして作成したセンサ本体50
を、煙や匂いの粒子が充満した瓶の中に入れ、周波数計
数器62が検出する周波数シフトΔfを時間とともに観
測した結果を図9のグラフに示す。ここでは、1層の膜
厚15nm、合計積層数20のサンプルについて得られ
た結果が示されている。実験としては、煙草の煙、α−
ピネン、シトラル、ベンゼン、アセトン、エタノールの
6種類の粒子が充満した瓶に、それぞれセンサ本体50
を入れ、時間経過とともに現れる周波数シフトΔfを観
測した。図9のグラフの横軸は時間軸(単位:秒)、縦
軸は周波数シフトΔf(単位:Hz)である。図示のと
おり、煙草の煙については、60秒程度で大きな周波数
シフトが現れており、検出感度および応答性ともに良好
な結果が得られた。また、α−ピネンやシトラル(いず
れも匂いの素として知られている物質)については、煙
草の煙ほどの顕著な結果は得られていないものの、有意
的な検出レベルに達する結果が得られている。
【0031】なお、図9のグラフにおける煙草の煙のカ
ーブを見ると、60秒程度で大きなピークPが得られた
後、周波数シフトΔfの絶対値は時間の経過とともに逆
に減少しており、500秒を過ぎたあたりでΔfの値は
ほぼ一定値となり、グラフはほぼ水平の状態になる。こ
れは、煙粒子Sが60秒程度で急速に吸着された後、逆
に吸着粒子が徐々に離脱し、やがて平衡状態に達すると
いう現象が生じていることを意味している。このような
現象が生じる理由についての詳細な解析はまだなされて
いないが、本願発明者は、最初の60秒程度の間に、フ
ァン・デル・ワールス力による急速な吸着現象が起こっ
た後、一部の粒子だけがクーロン力によって吸着状態を
維持し、他の一部の粒子は徐々に離脱してゆくためでは
ないかと考えている。いずれにしても、煙草の煙につい
ては、短時間で大きなピークPが現れるので、煙感知器
などの用途に利用する上では好都合である。
【0032】上述したように、ここでは、正の電解質ポ
リマーとしてPAHを用い、負の電解質ポリマーとして
PAAを用いているため、たとえば、図7に示す構造に
おいては、正の帯電層A1,A3,A5はPAHから構
成され、負の帯電層B2,B4,B6はPAAから構成
されていることになる。ここで、正の帯電層A1,A
3,A5は負の粒子に対してクーロン力による高い吸着
効率を有し、負の帯電層B2,B4,B6は正の粒子に
対してクーロン力による高い吸着効率を有する。そこ
で、本願発明者は、正の帯電層と負の帯電層との膜厚比
を変えて交互吸着膜を作成し、煙草の煙に対する吸着特
性を測定してみた。図10は、このような吸着特性の相
違を示すグラフである。図に実線で示すPAH:PAA
=150:75なるグラフは、PAHの1層の質量を1
50ng(厚みにして約3nm)、PAAの1層の質量
を75ng(厚みにして約1.5nm)に制御して作成
した交互吸着膜についての吸着特性を示している。この
ような交互吸着膜では、正の帯電層の厚みが、負の帯電
層の厚みの2倍に設定されていることになる。一方、図
に点線で示すPAH:PAA=75:150なるグラフ
は、PAHの1層の質量を75ng(厚みにして約1.
5nm)、PAAの1層の質量を150ng(厚みにし
て約3nm)に制御して作成した交互吸着膜についての
吸着特性を示している。このような交互吸着膜では、正
の帯電層の厚みが、負の帯電層の厚みの1/2倍に設定
されていることになる。なお、図に破線で示すグラフ
は、アラキジン酸とフラーレンとの組み合わせからなる
LB膜についての吸着特性を参考のために測定した結果
を示すものである。
【0033】この図10に示す結果から、本発明に係る
交互吸着膜は、LB膜に比べれば大きな吸着特性を有し
ているが、PAH/PAAの膜厚比によって、吸着特性
に若干の相違が生じるということがわかる。具体的に
は、正の帯電層であるPAH膜の厚みを、負の帯電層で
あるPAA膜の厚みよりも大きく設定した方が、煙草の
煙に対する吸着特性が高いという結果が得られたことに
なる。これは、煙草の煙には、負に帯電した粒子の方が
多く含まれているためと考えられる。
【0034】図11に示すグラフは、PAH/PAAの
膜厚比を5通りに変えた場合の煙粒子に対する吸着特性
を示す結果である。カーブ(1) 〜(5) は、それぞれグラ
フの右下に記載された膜厚比(実際には1層ごとの質量
比)からなる交互吸着膜の吸着特性を示している。たと
えば、カーブ(1) は、PAHの1層の質量を200ng
(厚みにして約4nm)、PAAの1層の質量を50n
g(厚みにして約1nm)に制御して作成した交互吸着
膜についての吸着特性を示している。図12は、この図
11に示す結果に基づいて、各膜厚比ごとに、周波数の
最大変化量Δfmax をプロットしたグラフである。この
結果によると、煙草の煙に対しては、PAH/PAAの
膜厚比を2に設定した場合(すなわち、図11のカーブ
(3) の場合、別言すれば、PAH膜の厚みをPAA膜の
厚みのほぼ2倍に設定した場合)に、最も高い吸着特性
が得られることがわかる。煙草の煙を構成する粒子だけ
でなく、その他にも検出対象となる各粒子ごとに、それ
ぞれ図12に示すようなグラフを実測して求めれば、各
粒子ごとに最も高い吸着特性が得られる膜厚比を決定す
ることができる。したがって、センサの用途に応じて、
それぞれ膜厚比を変えることにより、特定の粒子に対す
る検出感度を最適化することが可能になる。
【0035】なお、上述した各グラフに示す結果は、合
計積層数を120層とした交互吸着膜(PAH膜とPH
H膜とを交互に60回ずつ積層してなる交互吸着膜)に
ついてのものであるが、本願発明者は、この積層数を6
0〜360の範囲で変えて、吸着特性にどのような変化
が生じるかを確認する実験も行った(PAH:PAA=
150:75なる膜厚比の交互吸着膜について)。その
結果、一般的には、積層数を増加させればさせるほど、
吸着効率が高まる傾向にあるが、積層数が180層を越
えるあたりから、吸着効率の差はほとんどみられなくな
った。これは、煙粒子Sが交互吸着膜内に侵入する深さ
に限界があるため、交互吸着膜の全体の厚みがある程度
以上になると、もはや吸着効率に差は生じなくなるため
と思われる。
【0036】また、上述の実験で用いた各交互吸着膜に
対して、熱風源80(温風ファン)を用いて90°Cの
熱風を3分間吹き付けたところ、水晶振動子の振動周波
数fはほぼ初期値に戻った。すなわち、熱風を供給する
ことにより、吸着していた煙粒子Sがほとんど離脱し、
この粒子センサは元の状態に回復したことになる。
【0037】§4.種々の変形例 最後に、本発明に係る粒子センサの変形例を述べてお
く。まず、上述した実施形態は、いずれも単一の粒子セ
ンサについてのものであったが、吸着特性の異なる複数
組の粒子センサを隣接配置することによりセンサアレイ
を構成すれば、吸着粒子の量を検出する定量的な解析だ
けでなく、その種類までも検出する定性的な解析を行う
粒子センサを実現することも可能である。たとえば、図
12に示すグラフによれば、煙草の煙については、膜厚
比を2に設定した場合に最も高い検出感度が得られると
いう結果が示されている。そこで、PAH/PAAの膜
厚比を変えることにより、煙粒子Sに対する検出感度が
異なる複数組の粒子センサを用意し、これら複数組の粒
子センサを隣接配置してセンサアレイを構成しておき、
各粒子センサからの検出信号を総合的に解析すれば、検
出された粒子の種類を判定できるようになる。たとえ
ば、図12に示すグラフのような検出特性(膜厚比=2
にピークをもつような特性)が得られた場合は、煙草の
煙が検出されたものと判断することができる。このセン
サアレイを用いて、予め種々の粒子についての検出特性
を求めておけば、これらの既知特性を利用して、検出さ
れた粒子がどの粒子であるかを特定することが可能にな
る。
【0038】また、上述した実施形態では、正の帯電膜
としてPAH、負の帯電膜としてPAAを用いている
が、本発明に係る粒子センサを実現する上で交互吸着膜
を構成する材料は、これらの材料に限定されるものでは
ない。本発明に利用される交互吸着膜は、正の電荷をも
った第1の帯電膜と、負の電荷をもった第2の帯電膜と
を交互に積層してなり、しかも、検出対象となる粒子が
侵入可能な空洞構造(多孔質構造あるいは繊維質構造)
を有していればよい。このような性質をもった交互吸着
膜を形成するには、一般的には、正の電解質ポリマー
(カチオン)水溶液と、負の電解質ポリマー(アニオ
ン)水溶液と、に基材を交互に浸す作業を行えばよい。
正の電解質ポリマーとしては、上述したPAHの他に
も、たとえば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラ
フェニレン(+)、ポリパラフェニレンビニレン、ポリ
エチルイミンなどを用いることができ、負の電解質ポリ
マーとしては、上述したPAAの他にも、たとえば、ポ
リパラフェニレン(−)、ポリスチレンスルホン酸、ポ
リチオフェン−3−アセティックアシド、ポリアミック
酸、ポリメタクリル酸などを用いることができる。
【0039】もっとも、一般に「電解質」という言葉
は、水溶性の材料に対して用いられるが、本発明に利用
可能な交互吸着膜を作成する上では、必ずしも水溶性の
材料を用いる必要はない。たとえば、荷電微粒子(たと
えば、フェライト微粒子)のような不溶性の材料であっ
ても、有機溶媒に分散した状態で用いれば、本発明の交
互吸着膜の材料として利用可能である。また、本発明の
交互吸着膜の材料は、必ずしもポリマー(高分子材料)
である必要はない。たとえば、ルテニウム錯体モノマ
(Ru(bpy)(PF ++)を正の帯電膜と
して用い、PAAを負の帯電膜として用いた交互吸着膜
を形成することも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る交互吸着膜を
用いた粒子センサによれば、応答時間が短く、高精度な
検出が可能であり、しかも低コストのセンサを実現する
ことが可能になり、特に、煙感知器などへの利用が期待
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な交互吸着膜の製造原理を示す概念図で
ある。
【図2】図1に示す製造原理に基いて、基板10表面に
電解質ポリマーが吸着する様子を示す概念図である。
【図3】図1に示す製造原理に基く2回目の浸漬処理に
おけるより具体的な吸着状態を示す概念図である。
【図4】図3に示す浸漬処理を合計6回行ったときに形
成される交互吸着膜の構造を示す概念図である。
【図5】本発明に係る粒子センサを作成する基材となる
水晶振動子の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る粒子センサのセンサ本体50の構
造を示す側断面図である。
【図7】図6に示すセンサ本体50の交互吸着膜40の
部分による粒子吸着の様子を示す概念図である。
【図8】本発明に係る粒子センサの全体構成を示す回路
図である。
【図9】本発明に係る粒子センサによる種々の粒子に対
する吸着特性を示すグラフである。
【図10】本発明に係る粒子センサにおいて、各帯電膜
の膜厚比の相違による吸着特性の相違を示すグラフであ
る。
【図11】本発明に係る粒子センサにおいて、各帯電膜
の膜厚比の相違による吸着特性の相違を示す別なグラフ
である。
【図12】本発明に係る粒子センサにおいて、各帯電膜
の膜厚比の相違による吸着特性の相違を示す更に別なグ
ラフである。
【符号の説明】
10…基板 20…水晶振動子 21,22…電極 23,24…配線部 31,32…導電線 35…マスク 40…交互吸着膜 50…センサ本体 60…周波数検出部 61…コンデンサ 62…周波数計数器 70…処理装置 80…熱風源 100…第1の槽 200…第2の槽 A1,A3,A5…正の電解質ポリマーからなる薄膜 B2,B4,B6…負の電解質ポリマーからなる薄膜 b…負の電解質ポリマー P…ピーク S…煙粒子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出対象となる粒子が侵入可能な空洞構
    造をなし、正の電荷をもった第1の帯電膜と、検出対象
    となる粒子が侵入可能な空洞構造をなし、負の電荷をも
    った第2の帯電膜と、を交互に吸着させてなる交互吸着
    膜を基材上に設けることによりセンサ本体部を構成し、
    このセンサ本体部の質量の変化に基づいて検出対象とな
    る粒子の吸着量を検出することを特徴とする交互吸着膜
    を用いた粒子センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の粒子センサにおいて、 第1の帯電膜および第2の帯電膜として、多孔質膜また
    は繊維質膜を形成する性質をもったポリマー材料を用い
    たことを特徴とする交互吸着膜を用いた粒子センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の粒子センサに
    おいて、 基材として水晶発振子を用い、この水晶発振子の振動周
    波数の変化に基づいて、検出対象となる粒子の吸着量を
    検出できるようにしたことを特徴とする交互吸着膜を用
    いた粒子センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の粒子セ
    ンサを複数組設けることによりセンサアレイを構成し、
    各組ごとに、それぞれ第1の帯電膜と第2の帯電膜との
    膜厚比を変えることにより特定の粒子に対する検出感度
    が異なるように構成したことを特徴とする交互吸着膜を
    用いた粒子センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の粒子セ
    ンサにおいて、 第1の帯電膜の厚みを第2の帯電膜の厚みのほぼ2倍に
    設定したことを特徴とする交互吸着膜を用いた粒子セン
    サ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の粒子セ
    ンサにおいて、 交互吸着膜に吸着していた粒子を離脱させる機能を有す
    る粒子離脱手段を更に設けたことを特徴とする交互吸着
    膜を用いた粒子センサ。
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