JP4736281B2 - 液晶ディスプレイ用反射材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶ディスプレイ用の反射材に係り、特に反射型あるいは半透過型の液晶ディスプレイに使用する反射材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラットディスプレイとして、カラーの液晶ディスプレイが注目されており、反射型と透過型とに分けられる。反射型のカラー液晶ディスプレイは、例えば、複数の色(通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる着色層(必要に応じてブラックマトリックスや平坦化層も備える)と透明電極層を備えたカラーフィルタと、銀、アルミニウム等の金属からなる反射電極層と薄膜トランジスタ(TFT素子)を備えたTFTアレイ基板とを所定の間隙をもたせて向かい合わせ、この間隙部に液晶層が形成されるとともに、カラーフィルタ上(観測者側)には位相差板、偏光板が設けられた構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガラス板上、あるいは、所定の加工を施した凹凸形状の上に、平坦な銀反射層を超えるような高い反射率の膜を形成することが困難であり、高輝度の反射型カラー液晶ディスプレイの製造が困難であるという問題があった。
また、従来の反射型カラー液晶ディスプレイは、反射層において可視光の全波長域が反射されるため、赤、緑、青の3原色の色純度を特に向上させることが困難であり、色再現性が低いという問題があった。
このような問題は、例えば、上記の反射電極層をハーフミラー型の電極層や穴あき型の電極とした半透過型の液晶ディスプレイにおいても同様である。
【0004】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、表示画像が高輝度で色純度の高い反射型あるいは半透過型の液晶ディスプレイを可能とする液晶ディスプレイ用反射材と、このような反射材を簡便に製造するための製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、液晶を開閉して各画素の透過光量を制御して画像表示を行う液晶ディスプレイに使用する反射材において、透明基材と、該透明基材上に形成された複数の反射層とを備え、各反射層は各画素に対応するように配置された多層干渉膜であり、かつ、各反射層の面積は各画素面積の30〜70%の範囲であり、前記多層干渉膜は高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものであり、前記高屈折率層は相互作用を有する異種の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、前記低屈折率層は相互作用を有する異種の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜であるような構成とした。
【0006】
本発明の他の態様として、各多層干渉膜の形状は、各画素の形状にほぼ相似するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記多層干渉膜は1組の高屈折率層と低屈折率層との積層からなる周期を5〜20周期の範囲で有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記多層干渉膜上に保護層を備えるような構成とした。
また、本発明の他の態様として、前記透明基材は高分子フィルムであるような構成とした。
【0007】
本発明は、透明基材上に多層干渉膜からなる反射層を画素に対応するように複数備えた液晶ディスプレイ用反射材の製造方法において、高屈折率有機材料を含有する溶液と、前記高屈折率有機材料との間で相互作用を有する他の高屈折率有機材料を含有する溶液とに、透明基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の高屈折率有機材料を透明基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して高屈折率層とする工程と、低屈折率有機材料を含有する溶液と、前記低屈折率有機材料との間で相互作用を有する他の低屈折率有機材料を含有する溶液とに、透明基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の低屈折率有機材料を透明基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して低屈折率層とする工程と、のいずれかの工程を最初として交互に繰り返すことにより、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層干渉膜を前記透明基材上に形成し、その後、該多層干渉膜を所定のパターンにパターニングして反射層とするような構成とした。
本発明の製造方法の他の態様として、前記多層干渉膜上に保護層形成用の感光性樹脂組成物の塗布膜を形成し、該塗布膜を所定のマスクを介して露光し、その後、現像を行うことにより、保護層パターンの形成と同時に、多層干渉膜の不要部位を除去してパターニングするような構成とした。
【0008】
このような本発明では、反射層を構成する多層干渉膜が、高屈折率有機材料からなる交互吸着膜(高屈折率層)と、低屈折率有機材料からなる交互吸着膜(低屈折率層)とが交互に積層された均一な膜厚を有するものであり、反射層全域において均一な光干渉作用をなし、高い反射率で所定の波長域の光を反射することができ、また、各反射層が各画素よりも小面積であり、1つの画素の中に、透過表示部分と反射表示部分を形成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最良と思われる実施形態について説明する。
液晶ディスプレイ用反射材
図1は本発明の液晶ディスプレイ用反射材の一実施形態を示す部分平面図であり、図2は図1に示される液晶ディスプレイ用反射材のA−A線における縦断面図である。図1及び図2において、液晶ディスプレイ用反射材1は、透明基材2上に複数の反射層3が形成されたものである。この反射層3は各画素に対応するように配置された多層干渉膜であり、図示例では、格子状に配列された赤、緑、青の各画素(図1において鎖線で囲まれた領域)に対応して、長方形状の反射層3R,3G,3Bが配置されている。このような各反射層3の面積は各画素面積の30〜70%、好ましくは40〜60%の範囲である。各画素面積に対する各反射層3の面積が30%未満であると、本発明の反射材1を反射型液晶ディスプレイに使用した際に、反射光強度が不十分となる。また、各画素面積に対する各反射層3の面積が70%を超える場合、本発明の反射材1を半透過型液晶ディスプレイに使用した際に、反射材1を透過する光量が不十分となり好ましくない。
尚、本発明では、各反射層3(3R,3G,3B)の配置パターン(各画素の配置パターン)には特に制限はない。
【0010】
液晶ディスプレイ用反射材1を構成する透明基材2は、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を用いることができる。後述するように、反射層3を構成する多層干渉膜が有機材料からなるため、曲げ等の外部応力に対して優れた耐性を有し、上記のフレキシブル材を透明基材2として使用することにより、フィルム状の反射材とすることができる。
【0011】
液晶ディスプレイ用反射材1を構成する反射層3は、図3に示すように、高屈折率層13と低屈折率層14とが交互に積層された多層干渉膜11と、この多層干渉膜11上に形成された保護層12とからなっている。高屈折率層13は相互作用を有する異種の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、低屈折率層14は相互作用を有する異種の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜からなっている。ここで、交互吸着膜とは、高分子やコロイド粒子間に作用する様々な物理的・化学的相互作用を利用してナノレベルの精密さで塗膜を形成する交互吸着法を用いて形成された薄膜である。
【0012】
したがって、図4に示されるように、高屈折率層13は、高屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜13aと、この高屈折率有機材料に対して相互作用をもつ他の高屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜13bとの繰り返し構造となっている。尚、図4では、一例として薄膜13aと薄膜13bとの積層が3回繰り返される構造とした。同様に、低屈折率層14は、低屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜と、この低屈折率有機材料に対して相互作用をもつ他の低屈折率有機材料を吸着させて形成された薄膜との繰り返し構造となっている。
尚、図3では、透明基材2側から高屈折率層13、低屈折率層14の順に積層されているが、これに限定されるものではない。
【0013】
上記のような高屈折率層13と低屈折率層14は、下記の式1を満足するように形成されている。
nd=λ/4 ・・ 式1
ここで、nは高屈折率層13や低屈折率層14の屈折率、dは高屈折率層13や低屈折率層14の厚み、λはターゲット波長である。
したがって、高屈折率層13や低屈折率層14の屈折率nと厚みdを設定することにより、所望のターゲット波長λに対応させることができ、これにより、反射層3(3R,3G,3B)の反射光のピーク波長を、使用するカラーフィルタの赤、緑、青の3原色の分光ピーク波長に一致させることができる。このようにすることにより、さらに高輝度で色純度の高い画像表示が可能となる。
【0014】
上記の交互吸着法における物理的・化学的相互作用とは、静電的相互作用、水素結合、電荷移動相互作用、疎水性相互作用、配位結合、van der Waals力、抗原−抗体反応のような特異的相互作用および逐次化学反応による共有結合等が挙げられ、相互作用の強さや材料の選択幅の広さ等の点で静電的相互作用を用いることが好ましい。
静電的相互作用を用いて交互吸着膜を成膜する場合、使用する高分子材料は水溶性あるいは水分散性であることが好ましく、媒体として水を使用することができ、アニオン高分子材料とカチオン高分子材料との静電的相互作用を効果的に利用できる点、作業環境保全の点で有利となる。
【0015】
本発明で用いることができる高屈折率有機材料および低屈折率有機材料は、上記の相互作用を有する高分子材料の組み合わせであれば特に制限はなく、成膜する交互吸着膜の屈折率等を考慮して適宜選択することができる。高屈折率有機材料としては、電子密度の高い材料、例えば、ベンゼン環や複素環の割合が高い高分子材料や、金属等の重い元素を含む高分子材料を使用することができる。また、低屈折率有機材料としては、ベンゼン環や複素環の割合が低く、水素、炭素、酸素、窒素、フッ素等の軽い元素で構成されている高分子材料を使用することができる。使用する高分子材料のベースとなる構造としては、例えば、次の構造式1から構造式13に示されるようなベース材料が挙げられる。
【0016】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0017】
本発明では、使用するベース材料(上記構造式10,11で示されるベース材料は除く)に反応性の官能基を導入して、成膜する交互吸着膜に感光性や耐熱性を付与してもよい。官能基の導入は、官能基を有するモノマーとベース材料を構成するモノマーとを共重合させる方法、高分子反応によりベース材料に反応性の官能基を導入する方法等により行うことができる。反応性の官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、活性エステル基、酸無水物基、アルデヒド基等を含む官能基を挙げることができる。共重合により官能基を導入する場合、官能基含有モノマーがイオン性であれば、その共重合比に制限はないが、官能基含有モノマーが非イオン性であるときは、その共重合比(導入量)は全モノマー単位数に対して3〜50モル%、好ましくは5〜30モル%の範囲とする。導入量が3モル%未満であると、架橋密度が十分でなく、官能基導入による耐熱性向上の効果が十分得られず、また、導入量が50モル%を超えると、媒体、特に水に対する高分子材料の溶解性、分散性が不足したり、成膜された交互吸着膜の表面平滑性が悪くなるので好ましくない。
【0018】
また、上述の高分子材料の他に、熱処理により架橋反応が進行する高分子材料の組み合わせを使用して交互吸着膜である高屈折率層13、低屈折率層14を形成してもよい。例えば、ポリアクリル酸やその誘導体と、ポリアリルアミンやその誘導体との組み合わせにより成膜される交互吸着膜の場合、加熱によりカルボキシル基とアミノ基の間で反応が生じてエステル結合が形成される。また、光反応と熱反応を組み合わせれば、より耐熱性の高い膜を形成することができる。
【0019】
上述のように高屈折率層13と低屈折率層14とが交互に積層された多層干渉膜11は、1組の高屈折率層13と低屈折率層14との積層11′からなる周期を5〜20周期の範囲で備えるものである。このような多層干渉膜11を構成する周期の数が5未満であると、反射率が低く明度が不十分なものとなり、また、上述のように3種の反射層3R,3G,3Bを設けた場合、ターゲット波長の光学特性ピークがブロードになり好ましくない。また、20周期を超えると、更なる効果は得られず、工程数が増加してカラーフィルタの製造コスト増大を来たすので好ましくない。尚、図3に示す例では、便宜的に2周期のみを図示している。
【0020】
反射層3を構成する保護層12は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレンビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレンメタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等、および、重合可能なモノマーであるメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレートの1種以上と、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸の2量体(例えば、東亜合成化学(株)製M−5600)、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、これらの酸無水物等の1種以上からなるポリマーまたはコポリマー等、屈折率が1.4〜1.7の範囲にある材料を用いて形成することができ、厚みは0.1〜3.0μm程度が好ましい。尚、本発明の反射材は、反射層が保護層を備えないものであってもよい。
本発明の液晶ディスプレイ用反射材は、上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、反射層3の形状は長方形の他に短冊形、矩形等の形状とすることができる。
【0021】
ここで、本発明の液晶ディスプレイ用反射層を備えた液晶ディスプレイの一例を説明する。
図5は図1および図2に示される本発明の反射材1を用いた反射型のカラー液晶ディスプレイを示す概略縦断面図である。図5において、反射型液晶ディスプレイ21は、透明基材23に赤、緑、青の3色からなる着色層24と透明電極25を形成したカラーフィルタ22を観察者側に配設し、このカラーフィルタ22の透明基材23上に位相差板26と偏光板27を配設し、基板28に形成した駆動素子層29、電極層30上に本発明の反射材1を積層した対向電極基板と、上記のカラーフィルタ22との間に液晶層31を形成したものである。尚、着色層24の赤、緑、青の3色の配置と、本発明の反射材1の反射層3R,3G,3Bの配置とが対応するように両基板を対向させる。
【0022】
このような反射型液晶ディスプレイ21では、位相差板26と偏光板27およびカラーフィルタ22を透過し、さらに液晶のシャッター作用により液晶層31を透過した光は、該当する画素に位置する本発明の反射材1の反射層3において反射され、同一経路をたどって観察者側へ進ことになる。
【0023】
図6は図1および図2に示される本発明の反射材1を用いた半透過型のカラー液晶ディスプレイを示す概略縦断面図である。図6において、半透過型液晶ディスプレイ41は、透明基板42の一方に本発明の反射材1を介して赤、緑、青の3色からなる着色層43、駆動素子層44、透明画素電極45を形成し、他方の面に偏光板46を設けた基板と、透明基板47の一方の面に透明電極48を形成し、他方の面に偏光板49を設けた基板との間に液晶層50を形成したものである。尚、反射材1の反射層3R,3G,3Bの配置と対応するように、着色層43の赤、緑、青の3色を配置する。
この液晶ディスプレイ41では、透明基板42側に、反射板を備えた光源(図示せず)を配置し、透明基板47側を観察者側とする。光源からの光は、本発明の反射材1の反射層非形成部位にて透明基材2を透過して液晶層50に到達する。また、反射材1の反射層3で反射された光は、光源後方の反射板で再度反射され、光源として作用するので、高輝度の画像表示が可能となる。
【0024】
液晶ディスプレイ用反射材の製造方法
次に、本発明の液晶ディスプレイ用反射材の製造方法について、図1乃至図4に示される反射材を例として説明する。
図7及び図8は、本発明の反射材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。本実施形態では、第1の多層干渉膜として、赤色用の反射層3Rを形成する。本発明の製造方法は、まず、第1の高屈折率有機材料を含有する溶液に透明基材2を接触させ、高屈折率有機材料を透明基材2に吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜13aを形成する。尚、高屈折率有機材料を含有する溶液に塩化ナトリウムを溶解することにより、吸着量を制御することができ、以下の吸着操作においても同様である。その後、この高屈折率有機材料に対して相互作用をもつ第2の高屈折率有機材料を含有する溶液に透明基材2を接触させ、薄膜13a上に第2の高屈折率有機材料を吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜13bを形成して交互吸着膜を成膜する(図7(A))。このような操作を所定の回数繰り返すことにより、異種の高屈折率有機材料を透明基材2上に交互に吸着させて、交互吸着膜からなる1層目の高屈折率層13を形成する(図7(B))。このように形成する高屈折率層13(交互吸着膜)の厚みは、下記の式1を満足するように設定する。尚、図示では、便宜的に3回の繰り返しにより交互吸着膜を3層形成した状態を示している。
nd=λ/4 ・・ 式1
【0025】
上記式において、nは高屈折率層13の屈折率、dは高屈折率層13の厚み、λはターゲット波長(この場合、赤色光)である。尚、高屈折率層13の屈折率の測定が困難な場合、交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの透過スペクトル、あるいは、反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長に応じた厚み(吸着回数)を決定することができる。
尚、透明基材2は、特に前処理を施さなくても高屈折率有機材料が吸着するが、コロナ処理、シランカップリング剤処理等を予め施して極性基を導入することにより、高屈折率有機材料の吸着がより速やかに行なわれる。
【0026】
次に、上述のように1層目の高屈折率層13を形成した透明基材2を、第1の低屈折率有機材料を含有する溶液に接触させ、第1の低屈折率有機材料を吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜14aを形成する。その後、この低屈折率有機材料に対して相互作用をもつ第2の低屈折率有機材料を含有する溶液に透明基材2を接触させ、薄膜14a上に第2の低屈折率有機材料を吸着させて、その材料に固有の厚み(通常、数分子層程度の厚み)で薄膜14bを形成して交互吸着膜を成膜する(図7(C))。このような操作を所定の回数繰り返して、異種の低屈折率有機材料を1層目の高屈折率層13上に交互に吸着させて、交互吸着膜からなる1層目の低屈折率層14を形成する(図7(D))。このように形成する低屈折率層14(交互吸着膜)の厚みは、上記の式1を満足するように設定する。
【0027】
その後、上述の高屈折率層13と低屈折率層14とを形成する工程を繰り返して、高屈折率層13と低屈折率層14とが交互に積層された多層干渉膜11を形成する(図8(A))。この多層干渉膜11は、1組の高屈折率層13と低屈折率層14との積層11′からなる周期を5〜20周期の範囲で備えるものとする。尚、図示例では、便宜的に2周期としている。
【0028】
次いで、多層干渉膜11上に保護層用の感光性樹脂組成物を塗布して塗布膜12′を形成し、赤色反射層3R用のマスクを介して塗布膜12′を露光する(図8(B))。その後、現像することにより、塗布膜12′の未露光部と、その下に位置する多層干渉膜11を除去し、保護層12を備えた赤用の反射層3Rを形成する(図8(C))。
上述と同様の操作により、緑色用の反射層3G、青色用の反射層3Bを形成して、液晶ディスプレイ用反射材1を作製する(図8(D))。
【0029】
このような本発明の製造方法では、相互作用を有する異種の高屈折率有機材料、および、相互作用を有する異種の低屈折率有機材料を予め選定し、交互吸着膜の成膜時の異種有機材料の接触回数を設定するだけで、均一な高屈折率層や低屈折率層を形成することができる。使用する材料や、多層干渉膜の周期を適宜設定することにより、反射光の光学特性ピークの位置を任意に設定することができる。
【0030】
上述の製造方法の実施形態では、赤色用の反射層3R、緑色用の反射層3G、青色用の反射層3Bの順にパターニングを行っているが、これに限定されるものではない。また、現像工程において多層干渉膜11の不要部位を塗布膜12′の未露光部と共に除去して赤色用の反射層3Rを形成しているが、塗布膜12′の現像と多層干渉膜11の不要部位除去とを別の工程としてもよい。
【0031】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例]
(赤色用の反射層の形成)
まず、低屈折率有機材料を含有した下記の2種の水溶液I−R、II−Rを調製した。
(低屈折率有機材料含有水溶液I−R)
・低屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式1で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=90000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化14】
【0032】
(低屈折率有機材料含有水溶液II−R)
・低屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式10で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=15000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化15】
【0033】
また、高屈折率有機材料を含有した下記の2種の水溶液III−R、IV−Rを調製した。
(高屈折率有機材料含有水溶液III−R)
・高屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式12で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=18000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化16】
【0034】
(高屈折率有機材料含有水溶液IV−R)
・高屈折率有機材料 … 0.4重量%
下記構造式13で示されるベース材料からなる高分子材料
(分子量=16000)
・塩化ナトリウム … 0.1モル%
・純水 … 残部
【化17】
【0035】
次に、基材として、厚み50μmのPESフィルム(三井東圧化学(株)製TALPA1000、屈折率1.65)を準備し、この一方の面にコロナ処理を施した。
上記の透明基材の処理面側を上記の水溶液I−Rと水溶液II−Rに、交互に各8回接触させ、交互吸着膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.53)とした。水溶液I−R、II−Rとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の8回の吸着回数は、水溶液I−R、II−Rを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長650nmに対する吸着回数として決定した。
【0036】
次に、透明基材上に形成した1層目の低屈折率層を上記の水溶液III−Rと水溶液IV−Rに、交互に各5回接触させ、1層目の低屈折率層上に交互吸着膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.71)とした。水溶液III−R、IV−Rとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の5回の吸着回数は、水溶液III−R、IV −Rを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長650nmに対する吸着回数として決定した。
その後、上記の低屈折率層の形成と、高屈折率層の形成とを繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
【0037】
次に、上記の多層干渉膜上に保護層用の感光性樹脂組成物(東京応化工業(株)製OMR)をスピンコート法により塗布(塗布量100g/m2)した。次いで、開口部(80μm×280μm)を所定のパターンで備えるマスクを介して、上記の塗布膜を紫外線により露光し、その後、5%水酸化カリウム水溶液を用いて現像した。これにより、塗布膜の未露光部と、その下に位置する多層干渉膜を同時に除去し、保護層を備えた赤色用の反射層を形成した。
【0038】
(緑色用の反射層の形成)
まず、上記の赤色用の反射層の形成に使用した低屈折率有機材料含有水溶液I−R、II−Rおよび高屈折率有機材料含有水溶液III−R、IV−Rの塩化ナトリウムの含有量を0.08モル%とした水溶液I−G、II−Gおよび水溶液III−G、IV−Gを調製した。
【0039】
次に、上述のように赤色用の反射層のパターンを形成した透明基材のパターン形成面側を上記の水溶液I−Gと水溶液II−Gに、交互に各7回接触させ、交互吸着膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.53)とした。水溶液I−G、II−Gとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(7回)は、水溶液I−G、II−Gを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長535nmに対する吸着回数として決定した。
【0040】
次に、透明基材上に形成した1層目の低屈折率層を上記の水溶液III−Gと水溶液IV−Gに、交互に各5回接触させ、1層目の低屈折率層上に交互吸着膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.71)とした。水溶液III−G、IV−Gとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(5回)は、水溶液III−G、IV −Gを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長535nmに対する吸着回数として決定した。
その後、上記の低屈折率層の形成操作、高屈折率層の形成操作を繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
【0041】
次に、上記の赤色用の反射層のパターン形成と同様にして、保護層を備えた緑色用の反射層パターンを基材上(赤色用の反射層の非形成部位)に形成した。
(青色用の反射層の形成)
まず、上記の赤色用の反射層の形成に使用した低屈折率有機材料含有水溶液I−R、II−Rおよび高屈折率有機材料含有水溶液III−R、IV−Rの塩化ナトリウムの含有量を0.06モル%とした水溶液I−B、II−Bおよび水溶液III−B、IV−Bを調製した。
【0042】
次に、上述のように赤色用および緑色用の反射層のパターンを形成した透明基材のパターン形成面側を上記の水溶液I−Bと水溶液II−Bに、交互に各8回接触させ、交互吸着膜を形成して1層目の低屈折率層(屈折率1.53)とした。水溶液I−B、II−Bとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(8回)は、水溶液I−B、II−Bを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長450nmに対する吸着回数として決定した。
【0043】
次に、透明基材上に形成した1層目の低屈折率層を上記の水溶液III−Bと水溶液IV−Bに、交互に各5回接触させ、1層目の低屈折率層上に交互吸着膜を形成して1層目の高屈折率層(屈折率1.71)とした。水溶液III−B、IV−Bとの接触時間はそれぞれ1.5分間とし、接触後、2分間の水洗を行った。尚、上記の吸着回数(5回)は、水溶液III−B、IV −Bを用いて交互吸着膜を種々の厚み(吸着回数)で形成し、これらの反射スペクトルを測定して予め検量線を作成し、この検量線を用いてターゲット波長450nmに対する吸着回数として決定した。
【0044】
その後、上記の低屈折率層の形成操作、高屈折率層の形成操作を繰り返して、14周期の多層干渉膜を形成した。
次に、上記の赤色用の反射層のパターン形成と同様にして、保護層を備えた青色用の反射層パターンを透明基材上(赤色用および緑色用の反射層の非形成部位)に形成した。
以上により、図1に示されるように赤色用、緑色用および青色用の反射層が配列された本発明の液晶ディスプレイ用反射材を作製した。
【0045】
(液晶ディスプレイ用反射材の評価)
上記のように作製した液晶ディスプレイ用反射材について、反射スペクトルを測定した結果、図9(A)〜図9(C)に示されるように、450nm、535nm、650nmに急峻で反射強度の高いピークが観察され、色純度の高い反射材であることが確認された。
【0046】
次に、上記のように作製した液晶ディスプレイ用反射材を使用して、図5に示される構造の反射型液晶ディスプレイを作製した。尚、カラーフィルタの着色層は、図10に示される分光特性を有するものとし、各反射層の面積が各画素の面積の50%となるようにした。上記の反射型液晶ディスプレイについて、CIE xy色度図における色再現域の面積s1を計算し、NTSC(National Television System Committee)での色再現域の面積Sに対する比(s1/S×100)を算出した結果、17であり、色再現域の面積が十分に大きいことが確認された。
【0047】
さらに、上記のように作製した液晶ディスプレイ用反射材を使用して、図6に示される構造の半透過型液晶ディスプレイを作製した。尚、カラーフィルタの着色層は、図10に示される分光特性を有するものとし、各反射層の面積が各画素の面積の50%となるようにした。上記の半透過型液晶ディスプレイについて、CIE xy色度図における色再現域の面積s2を計算し、NTSC(National Television System Committee)での色再現域の面積Sに対する比(s2/S×100)を算出した結果、58であり、色再現域の面積が十分に大きいことが確認された。
【0048】
[比較例]
実施例と同様の透明基材上に、真空蒸着法によりアルミニウム薄膜(厚み0.1μm)を形成し、これをエッチングによりパターニングし反射層として反射材を作製した。尚、このアルミニウムからなる反射層は、実施例の反射材における多層干渉膜からなる反射層と同様の形状、パターン配置とした。
上記のように作製した比較の反射材を使用し、実施例と同様にして、図5に示される構造の反射型液晶ディスプレイを作製した。この反射型液晶ディスプレイについて、CIE xy色度図における色再現域の面積s1を計算し、NTSC(National Television System Committee)での色再現域の面積Sに対する比(s1/S×100)を算出した結果、15であり、色再現域の面積が実施例に比べて小さいものであった。
【0049】
また、上記のように作製した比較の反射材を使用し、実施例と同様にして、図6に示される構造の半透過型液晶ディスプレイを作製した。この半透過型液晶ディスプレイについて、CIE xy色度図における色再現域の面積s2を計算し、NTSC(National Television System Committee)での色再現域の面積Sに対する比(s2/S×100)を算出した結果、45であり、色再現域の面積が実施例に比べて小さいものであった。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば反射層を相互作用を有する異種の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜(高屈折率層)と、相互作用を有する異種の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜(低屈折率層)とを交互に積層した多層干渉膜とし、この多層干渉膜からなる反射層がその全域において均一な光干渉作用を有し、高い反射率で所定の波長域の光を反射することができ、これにより、使用するカラーフィルタの赤、緑、青の3原色の各ピーク波長に一致させた反射光を生じさせることができ、高輝度で色純度の高い画像表示が可能な液晶ディスプレイを得ることができ、また、各反射層が各画素よりも小面積であり、1つの画素の中に、透過表示部分と反射表示部分を形成することができ、表示原理の異なる透過表示モードと反射表示モードとを両立させた半透過型液晶ディスプレイが可能となる。また、透明基材の選択幅が広く、透明基材として可撓性をもつ高分子フィルムを使用すれば、フィルム液晶ディスプレイへの使用が可能となる。
また、本発明の製造方法では、高分子やコロイド粒子の相互作用に対応した固有の厚みで形成される交互吸着膜を高屈折率層、低屈折率層とするので、相互作用を有する異種の高屈折率有機材料、および、相互作用を有する異種の低屈折率有機材料を予め選定し、交互吸着膜の成膜時の異種有機材料の接触回数を設定するだけで、均一な高屈折率層や低屈折率層を形成することができ、従来の真空系における成膜と異なり複雑な厚み制御を行うことなく多層干渉膜からなる反射層の形成が可能であり、また、上記の接触回数を変更するだけで反射層の光学特性ピークの位置を任意に設定することが可能である。さらに、反射層を構成する交互吸着膜の成膜は、真空系における成膜と異なり常温で短時間に行うことが可能であり、かつ、透明基材が可撓性フィルム等であってもカールや変形を生じることがなく、また、大面積化が容易であり、さらに、高価な真空成膜装置が不要であるため、製造コストの低減も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶ディスプレイ用反射材の一実施形態を示す部分平面図である。
【図2】図1に示される液晶ディスプレイ用反射材のA−A線における縦断面図である。
【図3】本発明の液晶ディスプレイ用反射材における多層干渉膜からなる反射層の構成を説明するための概略部分断面図である。
【図4】本発明の液晶ディスプレイ用反射材の反射層における交互吸着膜からなる高屈折率層の構成を説明するための概略部分断面図である。
【図5】本発明の液晶ディスプレイ用反射材を使用した反射型液晶ディスプレイの一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明の液晶ディスプレイ用反射材を使用した半透過型液晶ディスプレイの一例を示す概略構成図である。
【図7】本発明の液晶ディスプレイ用反射材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図8】本発明の液晶ディスプレイ用反射材の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図9】実施例における本発明の液晶ディスプレイ用反射材の反射スペクトルの測定結果を示す図である。
【図10】実施例において液晶ディスプレイの作製に使用したカラーフィルタの分光特性を示す図である。
【符号の説明】
1…液晶ディスプレイ用反射材
2…透明基材
3…反射層
3R…赤色用の反射層
3G…緑色用の反射層
3B…青色用の反射層
11…多層干渉膜
11′…1組の高屈折率層と低屈折率層の積層からなる1周期分
12…保護層
13…高屈折率層
13a,13b…交互吸着膜を構成する薄膜
14…低屈折率層
14a,14b…交互吸着膜を構成する薄膜
21…反射型液晶ディスプレイ
41…半透過型液晶ディスプレイ
Claims (7)
- 液晶を開閉して各画素の透過光量を制御して画像表示を行う液晶ディスプレイに使用する反射材において、
透明基材と、該透明基材上に形成された複数の反射層とを備え、各反射層は各画素に対応するように配置された多層干渉膜であり、かつ、各反射層の面積は各画素面積の30〜70%の範囲であり、前記多層干渉膜は高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層したものであり、前記高屈折率層は相互作用を有する異種の高屈折率有機材料からなる交互吸着膜であり、前記低屈折率層は相互作用を有する異種の低屈折率有機材料からなる交互吸着膜であることを特徴とする液晶ディスプレイ用反射材。 - 各多層干渉膜の形状は、各画素の形状にほぼ相似することを特徴とする請求項1に記載の液晶ディスプレイ用反射材。
- 前記多層干渉膜は、1組の高屈折率層と低屈折率層との積層からなる周期を5〜20周期の範囲で有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶ディスプレイ用反射材。
- 前記多層干渉膜上に保護層を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液晶ディスプレイ用反射材。
- 前記透明基材は高分子フィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液晶ディスプレイ用反射材。
- 透明基材上に多層干渉膜からなる反射層を画素に対応するように複数備えた液晶ディスプレイ用反射材の製造方法において、
高屈折率有機材料を含有する溶液と、前記高屈折率有機材料との間で相互作用を有する他の高屈折率有機材料を含有する溶液とに、透明基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の高屈折率有機材料を透明基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して高屈折率層とする工程と、
低屈折率有機材料を含有する溶液と、前記低屈折率有機材料との間で相互作用を有する他の低屈折率有機材料を含有する溶液とに、透明基材を交互に所定の回数接触させることにより異種の低屈折率有機材料を透明基材上に交互に吸着させて交互吸着膜を成膜して低屈折率層とする工程と、
のいずれかの工程を最初として交互に繰り返すことにより、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層干渉膜を前記透明基材上に形成し、その後、該多層干渉膜を所定のパターンにパターニングして反射層とすることを特徴とする液晶ディスプレイ用反射材の製造方法。 - 前記多層干渉膜上に保護層形成用の感光性樹脂組成物の塗布膜を形成し、該塗布膜を所定のマスクを介して露光し、その後、現像を行うことにより、保護層パターンの形成と同時に、多層干渉膜の不要部位を除去してパターニングすることを特徴とする請求項6に記載の液晶ディスプレイ用反射材の製造方法。
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