JPH08292428A - カラー光学素子および表示装置 - Google Patents

カラー光学素子および表示装置

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JPH08292428A
JPH08292428A JP13464695A JP13464695A JPH08292428A JP H08292428 A JPH08292428 A JP H08292428A JP 13464695 A JP13464695 A JP 13464695A JP 13464695 A JP13464695 A JP 13464695A JP H08292428 A JPH08292428 A JP H08292428A
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JP
Japan
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light
thin film
optical
optical thin
color
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JP13464695A
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English (en)
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Toru Hasegawa
徹 長谷川
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OPT KIKAKU KAIHATSU KK
Original Assignee
OPT KIKAKU KAIHATSU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光利用効率の高い反射型、透過型液晶素子
などの光学素子、装置を提供する。 【構成】 液晶素子などの非発光素子またはEL素子
などの発光素子に3原色などの繰返しパターンを持つ誘
電体多層膜構造の光学薄膜をカラーフィルターあるいは
カラー反射層として組合せてカラー光学素子、表示装置
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー情報の表示など
に好適な光学素子および表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、コンピューター技術などの進歩を背景としてカラー
画像の表示に好適な平面ディスプレイ素子が要求され、
特に液晶素子はその優れた特性からパソコン用などの
外、各種用途に期待されている。しかしながら、液晶素
子に代表される現在の平面ディスプレイ素子はCRTに
比較してスペース、重量などの点では優れた性質を持つ
とは言え、次世代の平面素子が本来果すべき役割りを充
分に達成しているとは言えない。すなわち、平面ディス
プレイ素子は単に設置スペースが少なくて済むだけでは
なく、地球環境的な見地からエネルギー効率が高く、低
電力消費であり、より積極的には可動性、携帯性を持つ
ことが望ましいが、従来のカラー画像の表示に好適な平
面ディスプレイ素子は光エネルギーの利用効率が充分で
はなく、このため携帯性も制限されていたという問題点
があった。本発明の目的は、光エネルギーの利用効率が
高い、ディスプレイ素子として好適な光学素子および表
示装置を提供することにある。
【0003】
【問題点を解決するための手段】液晶素子などの光透過
を制御する非発光素子に、誘電体多層膜構造を持ち、補
色または3原色などの波長特性の異なる領域からなる繰
返し単位を有し、波長特性の異なる領域の境界部および
非発光素子の画素開口部周辺を遮光する白色高反射性な
どの遮光領域を有してもよい光学薄膜を光学的直列に設
けたカラー光学素子である。
【0004】光学薄膜が減法混色3原色を反射させ、加
法混合3原色を透過する特性を有する上記のカラー光学
素子である。
【0005】光学薄膜が加法混色3原色を反射させ、減
法混合3原色を透過する特性を有する上記のカラー光学
素子。
【0006】上記のいずれかのカラー光学素子の光学薄
膜の光学的後方に光源光学系を設け、光学薄膜と光源光
学系の間に非発光素子の画素開口部周辺を遮光する白色
高反射性の遮光層を設けてもよく、光源光学系が光学薄
膜、反射性遮光層によって反射された光を散乱、拡散、
反射などの手段によって混合して再度、光学薄膜に入射
させる光学系と光源を有する表示装置である。
【0007】投写光学系と投写スクリーンを有し、光源
光学系が逆進光を再帰反射させる性質を有する上記の表
示装置である。
【0008】光透過を制御する非発光素子が相転移ゲス
トホスト型、高分子分散ゲストホスト型などの偏光板を
有しない液晶素子であり、表面に凹凸を設けた透明層あ
るいは微細な光学的疎密を有する透明層を設けて拡散反
射性を高めてもよい光学薄膜の後方に黒色吸収層を有し
てもよい上記のカラー光学素子を有する反射型表示装置
である。
【0009】EL、CRTなどの発光素子に、誘電体多
層膜構造を持ち、補色または3原色などの波長特性の異
なる領域からなる繰返し単位を有し、波長特性の異なる
領域の境界部に遮光領域を有してもよい光学薄膜を光学
的直列に設けたカラー光学素子である。
【0010】誘電体多層膜構造を持ち、3原色からなる
繰返し単位を有し、原色相互の境界領域に白色高反射性
などの遮光領域を有してもよく、表面に凹凸を設けた透
明層あるいは微細な光学的疎密を有する透明層を設けて
拡散反射性を高めてもよい減法混合3原色または加法混
合3原色を反射する特性を有する光学薄膜。
【0011】減法混合3原色などの3原色を反射するそ
れぞれの原色反射領域を他のいずれかの原色反射領域と
共通性をもつ2種以上の部分的な反射領域に分けてこれ
らを積層する構成とし、共通する部分的な反射領域を同
時に成膜する上記の光学薄膜の製造方法である。
【0012】
【作用】光学的厚さが1/4波長の高屈折率誘電体層と
低屈折率誘電体層を交互に積層した誘電体多層膜は、第
1図に示すように特定波長領域の光を反射して他を透過
させる特性を有し、その波長特性は優れたシャープ・カ
ット性を示す。また反射、透過を合せたトータルでのエ
ネルギー損失は極めて少ないという特徴をもっている。
本発明の光学素子は、誘電体多層膜構造をもち補色また
は3原色などの波長特性の異なる領域からなるストライ
プ状、モザイク状などの繰返し単位を有する光学薄膜
を、液晶素子などの光透過を制御する非発光素子に設け
たカラー光学素子であるため、該光学薄膜の優れた透
過、反射特性を利用した鮮明な、光利用効率の高いカラ
ー光学素子が実現できる。
【0013】光学薄膜が減法混色3原色を反射させ、加
法混合3原色を透過する特性を有する上記のカラー光学
素子であるため、光利用効率の高いフルカラー表示用な
どのカラー光学素子が実現できる。
【0014】光学薄膜が加法混合3原色を反射させ、減
法混合3原色を透過する特性を有する上記のカラー光学
素子であるため、光利用効率の高いフルカラー表示用な
どのカラー光学素子が実現できる。
【0015】光透過を制御する非発光素子と光学薄膜を
組合せた素子の光学薄膜の光学的後方に光源光学系系を
有し、光学薄膜と光源光学系の間に非発光素子の画素開
口部周辺を遮光する白色高反射性の遮光層を設けてもよ
く、光源光学系が光学薄膜、反射性遮光層によって反射
された光を散乱、拡散、反射などの手段によって混合し
て再度、光学薄膜に入射させる光学系と光源を有する表
示装置であるため、光源の光エネルギーを高い効率で利
用することが可能である。すなわち、従来の光吸収性の
材料を用いたカラーフィルターでは第1図の反射光に相
当する光は無駄に消費されていたが、光学薄膜、高反射
性遮光層により反射された光源の光エネルギーを上記の
公知の手段により混合均質化して、光学薄膜にフィード
バックすることにより高い効率で利用することができ
る。詳しくは、従来の液晶表示用などの加法混合3原色
カラーフィルターの場合、光エネルギー利用効率の理論
的限界は光源の可視部エネルギーの1/3であり、残り
2/3はフィルターに吸収されて消費される。これに対
応する本発明の加法混合3原色を透過する光学薄膜の場
合は、従来のカラーフィルターが吸収消費している光を
後方に反射させる。この反射光を混合均質化して再度、
光学薄膜に入射させる構成とすることにより光利用効率
の理論的限界は従来法の3倍となる。このため従来の液
晶素子よりも光利用効率の高い、ヘッドマウント・ディ
スプレイなどに好適な液晶表示装置ができる。
【0016】投写光学系と投写スクリーンを有し、光源
光学系が逆進光を再帰反射させる性質を有する上記の表
示装置であるため、単板の液晶素子などを用いたコンパ
クトな、光利用効率の高い前方投写あるいは背面投写型
の表示装置ができる。。
【0017】光学薄膜をカラー反射層とする反射型素子
を構成した場合、従来のカラーフィルターと反射層の組
合せに比べて、光学薄膜の優れた反射率、シャープカッ
ト性などのために、光の利用効率が高く、色相の鮮やか
さおよび白度レベルに優れる。特に光学薄膜が減法混色
3原色を反射させるタイプを用い、これに相転移ゲスト
ホスト型、高分子分散ゲストホスト型などの偏光板を要
しないタイプの液晶素子を組合せることにより、明るい
反射型カラー液晶表示装置を構成できる。反射型専用の
場合は光学薄膜の背面に黒色吸収層を設けることにより
色相の鮮やかなカラー液晶素子とすることができる。黒
色吸収層の代りにバックライトなどの光源光学系と駆動
信号を加法混合3原色用と減法混合3原色用とに切換え
る装置を設けて反射、透過両用としてもよい。
【0018】誘電体多層膜に補色または3原色などの波
長特性の異なる領域からなるストライプ状、モザイク状
などの繰返し単位を持たせた光学薄膜を、画素の発光を
独立に制御できる発光素子に光学的直列に設けたカラー
光学素子であるため、発光素子の光を光学薄膜のシャー
プな波長特性を利用して狭い複数の波長帯域の光に分割
し、それぞれの波長帯域の光に切換えることができる光
学素子などとすることができるが、特にモノクロのE
L、PDP、FLP、CRTなどの発光波長域の広い発
光素子と本発明の光学薄膜を組合せて、従来のカラーフ
ィルターを用いた場合よりも色の鮮やかさ、光利用効率
の優れたカラー光学素子が実現できる。
【0019】誘電体多層膜構造を持ち、3原色からなる
繰返し単位を有し、原色相互の境界部に白色高反射性な
どの遮光領域を有してもよく、表面に凹凸を設けた透明
層あるいは微細な光学的疎密を有する透明層を設けて拡
散反射性を高めてもよい減法混合3原色または加法混合
3原色を反射する特性を有する光学薄膜であるため、上
記カラー光学素子あるいは表示装置に好適である。
【0020】減法混合3原色などの3原色を反射するそ
れぞれの原色反射領域を他のいずれかの原色反射領域と
共通性をもつ2種以上の部分的な反射領域に分けてこれ
らを積層する構成とし、共通する部分的な反射領域を同
時に成膜する上記の光学薄膜の製造方法であり、少ない
工程で経済的に製造できる。
【0021】以下、本発明の実施態様を図を併用して具
体的に説明する。 実施例1 第1図は本発明の実施例1の波長特性の異なる繰返し単
位が3原色である光学薄膜の略示的な断面図である。図
中、2は3原色の光学薄膜層、2A〜2Cはそれぞれの
原色領域、20は透明基板、28は白色高反射性であっ
てもよい遮光領域である。ガラスなどの透明基板20は
紫外線、赤外線を除去するためのUV,IRカット加工
が施されていてもよい。5A、5B、6A〜6Cは本発
明の光学薄膜の機能を説明するために図に付加されたも
のであり、それぞれ光源、反射鏡、光学薄膜への入射
光、光学薄膜からの反射光、透過光を示す。本発明の光
学薄膜は、光学的厚さが1/4波長の高屈折率誘電体層
と低屈折率誘電体層を交互に積層した構成を基本とする
ものであるが、一部の層を高屈折率誘電体の代りに金属
層としてもよい。
【0022】3原色としては加法混合3原色または減法
混合3原色が挙げられる。図の入射光6Aが白色光であ
れば、反射光6Bと透過光6Cは互に補色関係にあるた
め、反射光が加法混合原色であれば透過光は減法混合原
色となる。このように本発明の光学薄膜は、カラーフィ
ルター、カラー反射板のいずれにも使える特徴をもって
いる。また、誘電体多層膜による構成はシャープ・カッ
ト特性を付与することができるため、上記のいずれの用
途に使用しても、最も理想に近い特性とすることができ
る。このうち加法混合3原色を透過する光学薄膜は、非
発光素子あるいは発光素子に組合せてその透過特性を利
用したカラー表示素子を構成できる。また加法混合3原
色を透過する光学薄膜は減法混合3原色を反射するた
め、非発光素子と組合せて反射型表示素子とすることが
できる。加法混合3原色を反射する光学薄膜も同様に反
射型素子に利用できる。遮光領域28はアルミ、銀、ロ
ジウム、ニッケルなどの高反射性白色金属を用いた鏡面
反射性などの高反射性遮光領域、または顔料を用いもの
などの黒色吸収性の遮光領域であり、組合せる素子の開
口部の周辺を遮光する形状として設けることができる。
光学薄膜は表面反射あるいは裏面反射とすることができ
るが、高反射性遮光領域として経済性、反射率の優れた
アルミを用いる場合は、プロセスおよび反射層の安定性
確保の観点から、図のような構成とし、裏面反射型とし
て用いることが好ましい。
【0023】実施例2 第2図は実施例2の本発明のカラー光学素子を用いた液
晶表示装置の略示的な断面図である。図中、11は透明
基板、12は透明電極、13は配向層、14は液晶層、
18は偏光板であり、これらは液晶素子を構成する。
2、20および28は、第1図の実施例1におけると同
意義を有し、本発明の光学薄膜を構成する。51は光
源、52は反射鏡、53は導光板、54は拡散板を示
し、これらは光源光学系を構成する。光学薄膜への入射
光は実施例1で説明したように光学薄膜により透過光と
反射光に分けられ、加法混合3原色を透過する光学薄膜
である場合、透過光と反射光の可視部の光エネルギーは
1:2であり透過光の理論的限界は光源の可視部エネル
ギーの1/3である。従来の色素などの光吸収性材料に
よるカラーフィルターの場合は上記反射光に相当する光
は吸収消費されてしまう。また、これらの従来のカラー
フィルターは透過光の理論的限界は同様に光源の可視部
エネルギーの1/3であるが、光のシャープカット性が
低いため光透過率を上げると光の純度が低下してしま
い、しばしば透過光の利用率を理論的限界の60%程度
に下げなければならない。
【0024】本発明の光学薄膜を用いた場合は、入射光
が白色光であり光学薄膜の波長特性が異なる繰返し単位
がバランスのとれた3原色であれば、光学薄膜の各原色
領域から反射されるトータルの光もこれを混合すれば白
色光となる。光学薄膜の繰返し単位が補色である場合も
同様にトータル反射光は白色光となる。本発明の骨子
は、上記の透過光と反射光の関連に着目して、透過光の
2倍に達する局部的には波長特性が不均一な反射光を散
乱、拡散、反射など手段により混合均質化して光学薄膜
にフィードバックすることができる光源光学系に戻すこ
とによって、従来のカラーフィルターによる液晶素子で
は無駄に消費されている光の再利用を計ることある。こ
のような混合再帰機能を持つ光学系には複数回の反射、
屈折あるいはこれらが微細に混合された散乱、拡散など
を必要とする。光源が蛍光管などの比較的広い面積をも
つ場合は散乱、拡散機能を持つことが好ましい。上記の
構成では、拡散板および反射鏡、導光板が、光学薄膜な
どからの反射光を混合均質化して光学薄膜にフィードバ
ックする役割を果している。混合均質化は画素ピッチの
大きさに応じて、光学薄膜から適度に離れた位置で行な
うことが好ましい。この観点からは上記の拡散板および
導光板の代りに拡散反射板を用いる光源光学系がコンパ
クト化に有利である。光学薄膜から充分に大きい距離か
らフィードバックする場合は凹面鏡を含む系などの鏡面
反射鏡のみでも目的を達し得るが、屈折と反射の合計が
複数回となる光学系が好ましい。
【0025】さらに液晶素子は、TFTなどのアクティ
ブ素子により駆動する液晶表示の場合には、TFT部分
を含む画素の境界部を含む非発光素子の画素開口部の光
学的周辺部を非反射性の遮光領域でカバーする必要があ
るが、その面積は数10%に達し、このため素子開口率
は60〜70%程度に過ぎず、HDTVなどの高精細表
示ではさらに遮光領域の割合は増大して光利用効率は低
下してしまうという問題を抱えている。この遮光部によ
る光利用効率の低下は、本発明の高反射性遮光部により
入射光を反射させて光源光学系に戻し、これを散乱、拡
散、反射などの手段により光学薄膜にフィードバックす
ることにより解決できる。このような高反射性遮光領域
により光利用効率の素子開口率に対する依存性を大幅に
減らすことが本発明の第2の骨子である。高反射遮光領
域は独立の基板上に形成され光学薄膜と光源光学系の中
間に設置してもよい。このような光学薄膜の高い透過
率、および上記の反射光のフィードバックにより、従来
のカラーフィルターを用いる方法に比べ、同一の彩度、
鮮明度で比べた場合、光利用効率を大幅に高めることが
できる。
【0026】液晶素子は、TN素子のほか、STN素
子、GH素子、高分子分散型素子、強誘電液晶素子など
の電気光学効果、熱光学効果を示す各種の液晶素子が用
いられる。光学薄膜の設置位置は、従来のカラーフィル
ターと同様に、液晶素子の場合の液晶層のような主要な
機能層に対して光源側およびその反対側のいずれに設置
してもよいが、本発明のように光源側に設置することに
よって上記のように光利用効率を高めることができる。
この場合、光源と非発光素子の主要な機能層との中間で
あれば非発光素子の内部に組込まれていてもよい。すな
わち液晶素子の場合は主要な機能層である液晶層より光
源側であれば、光源側液晶素子基板の内側であってもよ
く、光学薄膜と液晶素子基板が共通であってもよい。こ
のように、従来のカラーフィルター設置形式の主流であ
る素子内蔵形式としてもよいが、本実施例のように偏光
板よりも外側の光源側に設けることにより、光利用効率
の向上ための光源光学系の設計が容易であり、また、本
光学薄膜の難点である外光の反射による彩度の低下を緩
和することができる。
【0027】また、液晶素子はTFTなどのアクティブ
駆動とすることができ、この場合上記のようにTFT素
子部分を含む光学的境界部を遮光領域として光学薄膜上
の設け、この遮光領域を白色金属などによる高反射性遮
光領域として上記のフィードバック機構により、さらに
光利用効率を高めることができる。反射性遮光領域は誘
電体多層膜により構成してもよい。この場合は光学薄膜
の光源側のほか、透過する波長領域を反射する層を非発
光素子側に付加するなどの方法で構成できる。このよう
な構成によりバーチャル・リアリティーなどに用いられ
るヘッドマウント・ディスプレイなどの、外光が素子表
面に入射しないタイプの直視型として特に有用である。
通常の直視型として用いるには、外光の光学薄膜への入
射を妨げる手段を表示面側などに付加することが望まし
い。このような手段の例としてはハネカム型などのルー
バー、偏光板と1/4波長板の組合せなどが挙げられ
る。また、液晶素子表面などの光学薄膜よりも液晶側に
黒色吸収性の遮光領域をさらに付加してもよい。また、
非発光素子としては液晶素子のほかPLZT素子、EC
D素子などが挙げられる。
【0028】実施例3 第3図は本発明の投写型表示装置の模式的な断面図であ
る。55はメタルハライド・ランプなどの光源ランプお
よびパラボラ、楕円などを含む凹面などのミラーを有
し、コンデンサー・レンズなどを有してもよい平行光を
出射する光源光学系、56は紫外線および赤外線を透過
させるUVIRカット・ミラー、29は白色高反射性遮
光領域を有する加法混合3原色を透過する3原色光学薄
膜、7はレンズなどからなる投写光学系、8はスクリー
ンを示す。光源光学系が逆進光を再帰反射させる特性を
もつことが光利用効率を高めるために好ましく、このよ
うな系としては球面凹面鏡の曲率中心にランプを配置
し、対称位置に平行光を出射するコンデンサー・レンズ
を有する構成の光源光学系などが挙げられる。光源光学
系と光学薄膜の間に平行光が保たれるものであれば反射
鏡、屈折板などの反射、屈折系を設置してもよい。高反
射遮光領域は独立の基板上に形成し、光学薄膜と光源系
の中間に設置してもよい。この場合、光学薄膜が薄膜層
を光源側に向けて表面反射鏡タイプとすることにより熱
的安定性が改善できる。投写光学系とスクリーンの間に
平面ミラーなどを設置して、奥行きの小さい背面投写型
としてもよい。投写型表示用の液晶素子としては各種の
液晶素子が用いられるが、散乱型の高分子分散型素子は
透過率が高いため投写型表示用として光利用効率上から
好ましく、またTN素子は優れた遮光性、コントラスト
を持つため、広い範囲の色相再現が可能であり、好まし
い組合せである。
【0029】実施例4 本発明の光学薄膜をマイクロカラー反射層として利用す
ることにより非発光素子、特に液晶素子と組合せてフル
カラー表示の可能な反射型素子を構成することが本発明
の第3の骨子である。第4図は本発明の実施例4の反射
型カラー光学素子の略示的な断面図である。図中、11
は透明基板、2は減法混合3原色または加法混合3原色
を反射する光学薄膜、12は透明電極、13は配向層、
15は黒色のGH液晶層、16は透明層、17は黒色吸
収層、19は遮光領域を示す。本発明の方式は光学薄膜
の原理的に損失の殆どない高い反射率と波長特性のシャ
ープカット性から、従来の吸収型カラーフィルターと反
射層の組合せによる方式に比べ、反射率および色の鮮や
かさおよび光利用効率で大幅に優れたものとすることが
できる。光学薄膜は加法混合3原色を反射するものも使
用しうるが、減法混合3原色を反射する特性とすること
により明るさ、特に白を表示した場合の白度のレベルが
優れる。また、拡散反射性を高めることにより、視野角
および外光の映りこみなどによる表示品質の低下を防ぐ
ことができる。この目的のために、光学薄膜に直接に凹
凸をもたせるか、透明層16を微細な光学的疎密を有す
る透明層としてもよい。このような透明層は例えば、微
細な白色誘電体を透明な高分子材料に分散保持して形成
できる。また、透明層に凹凸を設けてもよい。GH液晶
層15は平行または垂直に配向処理された配向層間に、
二色性色素と液晶を含むカイラル成分を有してもよい黒
色のGH液晶組成物を挟持させた相転移GH液晶モード
などの通常のGH液晶モードを適用できるが、GH液晶
組成物を高分子材料中に保持分散させるカプセル型など
の高分子分散型のGHモードとしてもよい。散乱型の高
分子分散型液晶を使用してもよいが、明るい表示ができ
るものの、黒色を表示できず、淡いパステル調の表示と
なる。全体として色相再現範囲は上記のGH系モードに
著しく劣る。黒色吸収層17は光学薄膜2と11の透明
基板の中間に配置してもよい。遮光領域19は反射型の
場合は非反射性の黒色、灰色あるいは白色などの無彩色
散乱性の遮光領域が好ましい。本発明の誘電体多層膜を
マイクロカラー反射層とする方式は原理的に損失の殆ど
ない高い反射率と波長特性のシャープカット性から、従
来の吸収型カラーフィルターと反射層の組合せによる方
式に比べ、反射率および色の鮮やかさおよび光利用効率
で格段に優れたものとすることができる。
【0030】第4図の構成から黒色吸収層を除外した光
学薄膜を有する液晶素子は、代りに実施例2で説明した
光源および拡散反射層などからなる光源光学系を付加す
ることにより、そのまま透過型表示の構成となる。この
場合は光学薄膜は拡散反射性を有しないことが好まし
い。これは上記の液晶素子の構成が透過型表示の具体例
としての意味を有することの外に、携帯型情報機器用の
反射型素子と投写型表示用あるいはヘッドマウント・デ
ィスプレイ用素子の製造上の整合性が高いことを意味す
る。また、反射型、透過型両用の表示装置が容易に構成
できることを意味する。すなわち上記の光源光学系系を
付加した素子の駆動信号を透過型用の加法混合3原色用
の信号と反射型用の減法混合3原色用の信号とに切換え
られる回路を付加することにより反射型、透過型両用の
表示装置ができる。この場合、前記のルーバー、偏光板
と1/4波長板の組合せなどの光学薄膜への外光入射を
妨げる手段をヒンジ、蝶番などにより素子前面をカバー
できるように取り付けて、透過型表示の場合に使用でき
るようにしてもよい。
【0031】また、発光素子の前面に光学薄膜を配置し
てカラー光学素子とすることができる。発光素子として
はモノクロEL素子、モノクロCRT、モノクロPDP
などの比較的広い発光領域を有する発光素子が好適であ
り、モノクロ素子をカラー表示を行なう素子とすること
ができる。
【0032】特定の波長領域を反射する誘電体多層膜
は、高屈折率の誘電性材料と低屈折率の誘電性材料を、
屈折率と層の厚さにより決る光学的厚さが、目的とする
波長領域の中心波長で1/4波長となるように層の厚さ
を調節して、蒸着などの方法により交互に数層〜数10
層積層して造ることができる。層の中間などに、反射防
止層、1/2波長などのスペーサー層、調整層を設けて
反射透過特性でのリップルの抑制を計るなどの公知の手
法を併用してもよい。目的とする波長を変えるには材料
の種類を変えることは必ずしも必要ではなく、層の厚さ
を変えることによって可能である。本発明の光学薄膜の
製造に必要な中心波長±50nmクラスの波長領域を反
射する誘電体多層膜は通常の材料を用いて、標準的な設
計手法を適用して形成できる。誘電性材料は公知のZn
S、TiO2などの高屈折率の誘電性材料とMgF2、
SiO2、Na3AlF6などの低屈折率の誘電性材料
が挙げられ、高屈折率材料と低屈折率材料の対としては
通常のZnSとMgF2またはTiO2とSiO2など
を使用しうる。ストライプ状、モザイク状などの繰返し
単位を持たせるには、公知の方法、すなわち蒸着マスク
を用いて、露出部に順次、誘電体多層膜を形成させる
か、フォトレジストを用いて露光、現像してネガ像を形
成させるなどの公知の方法で形成したネガ・レジスト像
の基板の露出部分に、順次、誘電体多層膜を形成させる
方法などにより形成できる。
【0033】実施例4 第5図にレジストを用いた加法混合3原色を反射する本
発明の光学薄膜のモデル的な製造プロセスを示す。図
中、20は透明基板、21はレジスト層、25Rはレッ
ド反射層、25Gはグリーン反射層、25Bはブルー反
射層、28は遮光層を示す。遮光層を有する誘電体多層
膜である場合は、最初または最後に遮光層をつける方法
が好適である。本発明の反射性遮光層を形成させるに
は、アルミ、銀、ニッケル、クロムなどの白色金属を蒸
着、スパッタリングなどによりガラスなどの基板に固着
させ、ついでレジスト材を併用してエッチング処理して
形成できる。反射性遮光層は誘電体多層膜、アルミなど
の金属層とMgF2などの誘電体との組合せによっても
形成できる。この遮光領域を持つ基板にフォトレジスト
を塗布、露光、現像してネガ像を形成させる。次いで基
板の露出部分に原色反射層を蒸着したのち、溶剤などを
用いてレジストを除去現像する工程を繰返して3原色の
光学薄膜を製造する。レッド反射層は中心波長650n
m±50nm、グリーン反射層は550±50nm、ブ
ルー反射層は450±50nmとなるように、前記のよ
うにして形成したレジストのネガ像の基板露出部にZn
SとMgF2などを用いて、電子ビーム加熱、抵抗加熱
などの加熱装置を持つ蒸着装置により蒸着時間などを精
密に制御して蒸着する。高屈折率と低屈折率の誘電性材
料は通常、加熱を切換えられるようにして共に事前に蒸
着装置にセットされる。蒸着温度により屈折率が異なる
膜が形成される場合も多いため、基板の温度は赤外ラン
プなどを併用して目的温度に制御される。蒸着はモニタ
ー基板へ固着する蒸着膜の膜厚を光学的に計測する方法
などによりモニターしながら制御することにより精度を
上げることができる。原色領域の中心波長および波長巾
は、使用する光源の条件などに応じて修正してもよい。
例えば、3波長蛍光管の波長分布に合せて、レッド反射
層を630±50nm、グリーン反射層を530±50
nmとするなどのように変更できる。多層膜の高屈折率
層と低屈折率層の層数は、層の対の数をNとした場合に
合計総数は2Nまたは2N+1であってもよく、このほ
かにλ/2の層などを有してもよい。層の対の数Nは、
数層ないし数10層の範囲で選択できるが、ZnSとM
gF2の組合せのレベルの屈折率の材料であれば、加法
混合原色の反射膜の場合はN=3あるいは4程度で充分
な反射率の光学薄膜とすることができる。減法混合3原
色を反射する光学薄膜は上記の加法混合原色の上にさら
に異なる加法混合原色を積層する方法などにより構成で
きる。例えば上記のレッド反射層を形成させたのち、λ
/2の層などを挿入し、この上に膜厚を変更してグリー
ン反射層を蒸着して減法混合原色のイエロー反射層とす
ることができる。このようなプロセスを繰返して減法混
合3原色を反射する光学薄膜を製造できる。
【0034】しかしながら上記の方法では減法混合3原
色を反射する光学薄膜の形成には、加法混合3原色を反
射する光学薄膜に比べて約2倍の蒸着時間がかかってし
まう。この難点は以下に述べる本発明の方法により改善
できる。 実施例5 第6図は本発明の製造方法の概念を示す模式図である。
図中、20、25R、25G、25Bは上記実施例4と
同意義を有し、25Yはイエロー反射領域、25Mはマ
ゼンタ反射領域、25Cはシアン反射領域を示す。図の
ように3原色を反射するそれぞれの原色反射領域を他の
いずれかの原色反射領域と共通性をもつ2種以上の反射
領域から構成し、共通する反射領域を同時に成膜する本
発明の方法により製造時間を短縮できる。中間層、調整
層を反射領域の中間などに形成することができる。これ
を反射型表示用として使用するために拡散反射性を付与
することができる。例えば、予め凹凸を形成させた基板
を用いて、凹凸をもつ光学薄膜を形成させる方法が挙げ
られ、基板に凹凸を形成する方法としてはガラス基板を
砥粒などにより微細なキズをつけ、これをフッ化水素酸
でエッチング処理するなどが挙げられる。また、微細な
光学的疎密を有する透明層を光学薄膜の上に設けてもよ
い。このような透明層は、微細な白色誘電体を透明な高
分子中に分散保持する方法などにより形成できる。例え
ば、アクリレート系モノマー、オリゴマーなどの透明高
分子材料にガラス、フッ化ナトリウム、フッ化リチウ
ム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウムなどのアル
カリ金属あるいはアルカリ土類金属のフッ化物、シリ
カ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、酸化チタンなど酸化物、硫化物などの微細な白色誘
電体を混合して、塗布、硬化させることにより形成でき
る。この場合は透明層は透過光を微細な領域でランダム
に10度程度の範囲で屈折させる特性であればよく、ま
た直進光を含んでもよいため、高分子と白色誘電体の屈
折率差は小さい方が界面での反射、誘電体内部での全反
射などを生じないため好ましい。誘電体の添加量は屈折
率差に応じて任意に選択できるが、部分的に直進光を含
んでもよいため添加量は30容量%以下でよい。また、
光学薄膜の上に各種の方法で凹凸を持たせた透明高分子
などによる透明層を設け、この上に屈折率の異なる材料
を塗布して平坦化を計り、これを2層構成の微細な光学
的疎密を有する透明層としてもよい。凹凸を持たせた透
明高分子などによる透明層をそのまま使用してもよい。
これに、透明導電膜、配向膜を付加して電極付き基板を
構成できる。透明導電膜は光学薄膜と透明層の間に設け
てもよい。
【0035】
【発明の効果】誘電体多層膜の透過、反射特性を生かし
た本発明の構成とすることにより、光利用効率の優れた
カラー液晶素子およびこれを用いた表示装置などが実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である波長特性の異なる領域の
繰返しを有する誘電体多層膜構造を持つ光学薄膜の模式
的な断面図である。
【図2】本発明の実施例である液晶素子に3原色の光学
薄膜と光学薄膜からの反射光を混合して再度光学薄膜に
フィードバックする光源光学系を組合せた表示装置の模
式的な断面図である。
【図3】本発明の実施例である液晶素子に3原色の光学
薄膜と光学薄膜からの反射光を混合して再度光学薄膜に
フィードバックする光源光学系を組合せた投写型表示装
置の模式的な断面図である。
【図4】本発明の実施例である偏光板を有しない液晶素
子にカラー反射層として3原色の光学薄膜を組合せて構
成した反射型カラー表示装置の模式的な断面図である。
【図5】本発明の実施例である波長特性の異なる領域の
繰返しを有する誘電体多層膜構造を持つ光学薄膜の製造
工程を示す模式的な断面図である。
【図6】本発明の実施例である波長特性の異なる領域の
繰返しを有する誘電体多層膜構造を持つ光学薄膜の改善
された製造工程を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
2 本発明の光学薄膜 11 透明基板 12 透明電極 13 配向層 15 黒色のGH液晶層 16 微細な光学的疎密を有する透明層 17 黒色吸収層 19 遮光層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】また、液晶素子はTFTなどのアクティブ
駆動とすることができ、この場合上記のようにTFT素
子部分を含む光学的境界部を遮光領域として光学薄膜上
の設け、この遮光領域を白色金属などによる高反射性遮
光領域として上記のフィードバック機構により、さらに
光利用効率を高めることができる。反射性遮光領域は誘
電体多層膜により構成してもよい。この場合は光学薄膜
の光源側のほか、透過する波長領域を反射する層を非発
光素子側に付加するなどの方法で構成できる。このよう
な構成によりバーチャル・リアリティーなどに用いられ
るヘッドマウント・ディスプレイなどの、外光が素子表
面に入射しないタイプの直視型として特に有用である。
通常の直視型として用いるには、外光の光学薄膜への
入射を妨げる手段を表示面側などに付加することが望
ましい。このような手段の例としては拡散板、ハネカム
型などのルーバー、偏光板と1/4波長板の組合せなど
が挙げられる。また、液晶素子表面などの光学薄膜より
も液晶側に黒色吸収性の遮光領域をさらに付加してもよ
い。また、非発光素子としては液晶素子のほかPLZT
素子、ECD素子などが挙げられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】実施例4 本発明の光学薄膜をマイクロカラー反射層として利用す
ることにより非発光素子、特に液晶素子と組合せてフル
カラー表示の可能な反射型素子を構成することが本発明
の第3の骨子である。第4図は本発明の実施例4の反射
型カラー光学素子の略示的な断面図である。図中、11
は透明基板、2は減法混合3原色または加法混合3原色
を反射する光学薄膜、12は透明電極、13は配向層、
15は黒色のGH液晶層、16は透明層、17は黒色吸
収層、19は遮光領域を示す。本発明の方式は光学薄膜
の原理的に損失の殆どない高い反射率と波長特性のシャ
ープカット性から、従来の吸収型カラーフィルターと反
射層の組合せによる方式に比べ、反射率および色の鮮や
かさおよび光利用効率で大幅に優れたものとすることが
できる。光学薄膜は加法混合3原色を反射するものも使
用しうるが、減法混合3原色を反射する特性とすること
により明るさ、特に白を表示した場合の白度のレベルが
優れる。また、拡散反射性を高めることにより、視野角
および外光の映りこみなどによる表示品質の低下を防ぐ
ことができる。この目的のために、光学薄膜に直接に凹
凸をもたせるか、透明層16を微細な光学的疎密を有す
る透明層としてもよい。このような透明層は例えば、微
細な白色誘電体を透明な高分子材料に分散保持して形成
できる。また、透明層に凹凸を設けてもよい。また、前
記の直視型の場合と同様に、外光の光学薄膜への直接入
射を妨げる手段を表示面側などに付加することが望まし
い。このような手段の例としては拡散板、ハネカム型な
どのルーバー、偏光板と1/4波長板の組合せなどが挙
げられる。GH液晶層15は平行または垂直に配向処理
された配向層間に、二色性色素と液晶を含むカイラル成
分を有してもよい黒色のGH液晶組成物を挟持させた相
転移GH液晶モードなどの通常のGH液晶モードを適用
できるが、GH液晶組成物を高分子材料中に保持分散さ
せるカプセル型などの高分子分散型のGHモードとして
もよい。散乱型の高分子分散型液晶を使用してもよい
が、明るい表示ができるものの、黒色を表示できず、淡
いパステル調の表示となる。全体として色相再現範囲は
上記のGH系モードに著しく劣る。黒色吸収層17は光
学薄膜2と11の透明基板の中間に配置してもよい。遮
光領域19は反射型の場合は非反射性の黒色、灰色ある
いは白色などの無彩色散乱性の遮光領域が好ましい。本
発明の誘電体多層膜をマイクロカラー反射層とする方式
は原理的に損失の殆どない高い反射率と波長特性のシャ
ープカット性から、従来の吸収型カラーフィルターと反
射層の組合せによる方式に比べ、反射率および色の鮮や
かさおよび光利用効率で格段に優れたものとすることが
できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】第4図の構成から黒色吸収層を除外した光
学薄膜を有する液晶素子は、代りに実施例2で説明した
光源および拡散反射層などからなる光源光学系を付加す
ることにより、そのまま透過型表示の構成となる。この
場合は光学薄膜は拡散反射性を有しないことが好まし
い。これは上記の液晶素子の構成が透過型表示の具体例
としての意味を有することの外に、携帯型情報機器用の
反射型素子と投写型表示用あるいはヘッドマウント・デ
ィスプレイ用素子の製造上の整合性が高いことを意味す
る。また、反射型、透過型両用の表示装置が容易に構成
できることを意味する。すなわち上記の光源光学系系を
付加した素子の駆動信号を透過型用の加法混合3原色用
の信号と反射型用の減法混合3原色用の信号とに切換え
られる回路を付加することにより反射型、透過型両用の
表示装置ができる。この場合、前記の拡散板、ルーバ
ー、偏光板と1/4波長板の組合せなどの光学薄膜への
外光入射を妨げる手段をヒンジ、蝶番などにより素子前
面をカバーできるように取り付けて、透過型表示の場合
に使用できるようにしてもよい。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶素子などの光透過を制御する非発光素
    子に、誘電体多層膜構造を持ち、補色または3原色など
    の波長特性の異なる領域からなる繰返し単位を有し、非
    発光素子の画素開口部周辺を遮光する白色高反射性など
    の遮光領域を波長特性の異なる領域の境界部に有しても
    よい光学薄膜を光学的直列に設けたことを特徴とするカ
    ラー光学素子。
  2. 【請求項2】光学薄膜が減法混色3原色を反射させ、加
    法混合3原色を透過する特性を有することを特徴とする
    請求項1のカラー光学素子。
  3. 【請求項3】光学薄膜が加法混色3原色を反射させ、減
    法混合3原色を透過する特性を有することを特徴とする
    請求項1のカラー光学素子。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかのカラー光学素子
    の光学薄膜の光学的後方に光源光学系を設け、光学薄膜
    と光源光学系の間に非発光素子の画素開口部周辺を遮光
    する白色高反射性の遮光層を設けてもよく、光源光学系
    が光学薄膜、反射性遮光層によって反射された光を散
    乱、拡散、反射などの手段によって混合して再度、光学
    薄膜に入射させる光学系と光源を有することを特徴とす
    る表示装置。
  5. 【請求項5】投写光学系と投写スクリーンを有し、光源
    光学系が逆進光を再帰反射させる性質を有する請求項4
    の表示装置。
  6. 【請求項6】光透過を制御する非発光素子が相転移ゲス
    トホスト型、高分子分散ゲストホスト型などの偏光板を
    有しない液晶素子であり、表面に凹凸を設けた透明層あ
    るいは微細な光学的疎密を有する透明層を設けて拡散反
    射性を高めてもよい光学薄膜の後方に黒色吸収層を有し
    てもよい請求項1〜3のいずれかのカラー光学素子を有
    する反射型表示装置。
  7. 【請求項7】EL、CRTなどの発光素子に、誘電体多
    層膜構造を持ち、補色または3原色などの波長特性の異
    なる領域からなる繰返し単位を有し、波長特性の異なる
    領域の境界部に遮光領域を有してもよい光学薄膜を光学
    的直列に設けたことを特徴とするカラー光学素子。
  8. 【請求項8】誘電体多層膜構造を持ち、3原色からなる
    繰返し単位を有し、原色相互の境界領域に白色高反射性
    などの遮光領域を有してもよく、表面に凹凸を設けた透
    明層あるいは微細な光学的疎密を有する透明層を設けて
    拡散反射性を高めてもよい減法混合3原色または加法混
    合3原色を反射する特性を有することを特徴とする光学
    薄膜。
  9. 【請求項9】3原色を反射する光学薄膜のそれぞれの原
    色反射領域を、他のいずれかの原色反射領域と共通性を
    もつ2種以上の部分的な反射領域に分けてこれらを積層
    する構成とし、共通する部分的な反射領域を同時に成膜
    することを特徴とする請求項8の光学薄膜の製造方法。
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