JP4734713B2 - トリガーディスペンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はトリガーディスペンサに関し、液体洗剤など比較的粘度が高く、しかも一回の使用量が多い液体でも確実に一定量を吐出させることができ、液だれや乾燥固化による吐出不良を防止できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から液体状の内容物を容器内から一定量ずつ吐出させて取り出すためトリガーディスペンサが広く用いられており、例えば再公表特許WO98/17399号にその1つが提案され、図5に示すような構造となっている。
【0003】
すなわち、このトリガーディスペンサ1では、容器本体の口部分上に連結固定されるディスペンサ本体2を備えており、このディスペンサ本体2には、中間部に水平前方に開口するシリンダ3が設けられ、内部に摺動可能にピストン4が装着され、このピストン4がディスペンサ本体2に揺動自在に取り付けたトリガーレバー5によって駆動され、これらシリンダ3とピストン4で構成されるシリンダ室6の容積を拡縮できるようになっている。また、ディスペンサ本体2には、シリンダ室6の後部に連通して垂直筒7が配置され、吸入弁機構8およびディップチューブ9を介して容器本体内と連通する一方、この垂直筒7の上端部に吐出弁機構10を介して水平に射出筒11が設けられ、その先端部のノズル嵌合筒12に水平中心軸回りに回動可能なノズルヘッド13が設けられ、開閉や噴射状態を切り替えることができるようにしてある。そして、トリガーレバー5を引き込んでピストン4を駆動して噴射させた後トリガーレバー5およびピストン4を元に戻すためシリンダ室6内のシリンダ3とピストン4との間に金属製のコイルばね14が介装してある。
【0004】
したがって、トリガーレバー5を引き込んでピストン4を押し込むと、シリンダ室6内の内容液が垂直筒7、吐出弁機構10、射出筒11、ノズル嵌合筒12及びノズルヘッド13を介して噴射される一方、トリガーレバー5の解放により、コイルばね14でピストン4が押し戻されるとともに、トリガーレバー5も元の位置に復帰され、このとき容器本体内の内溶液が吸入弁機構8を介してシリンダ室6に吸引される。
【0005】
このような一定量の内容液を噴射するトリガーディスペンサ1は、通常、浴室用洗剤やトイレ用洗剤など粘度の低い液体の吐出に用いられ、しかも1回の吐出量も1mL以下、例えば0.8mL程度の場合に用いられている。
【0006】
一方、液体洗剤や柔軟仕上げ剤など比較的粘度が高く、しかも1回の使用量が多く3mLを越えるような液体の場合には、使用者が容器から別に用意した計量カップに注いで計量したり、ポンプ式のディスペンサによって吐出させて計量カップで計量することが行われていた。
【0007】
そこで、このような計量カップに代え、一定量を直接吐出させることができるトリガーディスペンサにより、計量の必要を無くし、取り扱いを簡素化することが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような比較的粘度が高く、しかも1回の使用量が多く3mLを越えるような液体の吐出にトリガーディスペンサを使用とすると、吐出量の増大はピストンやシリンダを大きくすることで対応できるものの、粘度が高いために吐出圧力を高くする必要があり、吐出後のわずかな残存圧力で逆流が生じて液だれが生じ易いという問題がある。また、使用環境の温度変化や容器本体の押圧等により容器の内部圧力が上昇し、これにより逆流が生じて、液だれが発生するという問題もある。
【0009】
さらに、吐出完了後閉じられる垂直筒7の上端部の吐出弁機構10から前方の射出筒11、ノズル嵌合筒12及びノズルヘッド13内に残存する残存液の量が多く、粘度が高いことからこれらの残存液が乾燥固化し易く、特にノズルヘッド13の先端の吐出孔は小さく乾燥固化による目詰まりで吐出不良が生じやすいという問題がある。
【0010】
そこで、比較的粘度が高く、1回の吐出量が多い液体を吐出させる場合にも、液だれや乾燥固化による吐出不良などの問題ないトリガーディスペンサの開発が望まれている。
【0011】
この発明はかかる従来技術の有する課題と開発の要望に鑑みてなされたもので、比較的粘度が高く、1回の吐出量が多い液体を吐出させる場合にも、液だれや乾燥固化による吐出不良などの問題ないトリガーディスペンサを提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記従来技術が有する課題を解決するため、この発明の請求項1記載のトリガーディスペンサは、液体が充填された容器本体の口部に装着され、ピストン・シリンダ機構をトリガーレバーの揺動操作で往復させて一定量ずつ吐出させるトリガーディスペンサであって、吸入管路と連通する前記ピストン・シリンダ機構のシリンダ室内に吸入時に開き吐出時に閉じる吸入弁を設ける一方、前記ピストン・シリンダ機構と連通する吐出管路の先端部に吸入時に閉じ吐出時に開く吐出弁を設け、前記ピストン・シリンダ機構のピストンに前記トリガーレバーの操作前の状態で前記吸入弁と前記吐出管路との間を遮断する遮断バルブを設け、前記吐出弁の弁座に残存液を吸い戻す吸戻溝を形成する一方、前記遮断バルブを前記ピストンの吸入行程終了前に閉じて残りの吸入行程で残存液を吸い戻し可能に構成したことを特徴とするものである。
【0013】
このトリガーディスペンサによれば、トリガーレバーの揺動操作でピストンを往復させ一定量ずつ内容液を吐出させるトリガーディスペンサで、シリンダ室内に吸入弁を設け、吐出弁を吐出管路の先端部に設け、ピストン・シリンダ機構のピストンにトリガーレバーの操作前の状態で吸入弁と吐出管路との間を遮断する遮断バルブを設け、吐出弁の弁座に残存液を吸い戻す吸戻溝を形成する一方、遮断バルブをピストンの吸入行程終了前に閉じて残りの吸入行程で残存液を吸い戻し可能に構成するようにしており、吐出弁の前方に残存する残存液の量を極力少なくして液だれを防止するとともに、残存液の乾燥固化を防止するようにし、比較的粘度が高く、1回の吐出量が多い液体の吐出ができるようにしている。
また、ピストン・シリンダ機構のピストンにトリガーレバーの操作前の状態で吸入弁と吐出管路との間を遮断する遮断バルブを設けるようにしており、吸入弁や吐出弁に加えて遮断バルブを設けて吸入弁と吐出管路との間を遮断することでシリンダ室を密閉して残存液に圧力が加わらないようにし、一層確実に液だれを防止できるようにしている。
さらに、吐出弁の弁座に残存液を吸い戻す吸戻溝を形成する一方、遮断バルブをピストンの吸入行程終了前に閉じ残りの吸入行程で残存液を吸い戻し可能に構成しており、遮断バルブを吸入行程の終了前に閉じて残りの行程で吐出弁の弁座に形成した吸戻溝から残存液を吸い戻すようにし、残存液を一層減らして液だれを確実に防止するようにしている。
【0018】
また、この発明の請求項2記載のトリガーディスペンサは、請求項1記載の構成に加え、前記吸入弁の弁箱部を基端外周端縁に外周シール部を備えた円筒状に形成する一方、前記遮断バルブのバルブ本体を当該吸入弁の弁箱部より大径の円筒状に形成するとともに、この大径円筒状の先端内周端縁に前記外周シール部とで遮断し得る内周シール部を形成したことを特徴とするものである。
【0019】
このトリガーディスペンサによれば、吸入弁の弁箱部を基端外周端縁に外周シール部を備えた円筒状に形成する一方、遮断バルブのバルブ本体を当該吸入弁の弁箱部より大径の円筒状に形成するとともに、この大径円筒状の先端内周端縁に外周シール部とで遮断し得る内周シール部を形成するようにしており、吸入弁の外周シール部と遮断バルブのバルブ本体の内周シール部とでシールすることで、遮断と同時に、ピストンによる吸い戻し状態を確保できるようにしている。
【0020】
さらに、この発明の請求項3記載のトリガーディスペンサは、請求項1または2記載の構成に加え、前記吸入弁を、合成樹脂で一体成形され円筒状弁箱部にストラップヒンジで中心部に支持された弁体で構成したことを特徴とするものである。
【0021】
このトリガーディスペンサによれば、吸入弁を、合成樹脂で一体成形され円筒状弁箱部にストラップヒンジで中心部に支持された弁体で構成するようにしており、軽量・コンパクト化を図り、しかも内容液の流路の確保と同時に、確実に動作するようにしている。
【0022】
また、この発明の請求項4記載のトリガーディスペンサは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、前記吐出弁を、合成樹脂で一体成形され中心部に吐出孔が形成されたダイヤフラムで構成したことを特徴とするものである。
【0023】
このトリガーディスペンサによれば、吐出弁を、合成樹脂で一体成形され中心部に吐出孔が形成されたダイヤフラムで構成するようにしており、軽量・コンパクト化を図り、しかも確実に動作するようにしている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、この発明のトリガーディスペンサの一実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図4はこの発明のトリガーディスペンサの一実施の形態にかかり、図1は縦断面図、図2は吐出弁部分の拡大断面図、図3は吸入弁の拡大図、図4は遮断バルブ部分の拡大断面図である。
【0025】
このトリガーディスペンサ20では、容器本体の口部分上に連結固定されるディスペンサ本体21を備えており、このディスペンサ本体21には、下端が開口する垂直円筒部とこの垂直円筒部の上端から側方に延びる水平円筒部とが略L字状に形成されている。
【0026】
このディスペンサ本体21の垂直円筒部には、リテーナ22が下端開口部から嵌合装着され、下端部に形成されたフランジ部23にコンテナキャップ24が係止され、ガスケット25を介して容器本体の口部分に固定できるようになっている。
【0027】
このリテーナ22の中間上部には、仕切壁26が一体に形成され、仕切壁26の下方が吸入管路27とされ、この吸入管路27の下端部にディップチューブ28が連結される一方、仕切壁26の上方が吐出管路29とされ、さらにリテーナ22及びディスペンサ本体21のコンテナキャップ24より上方には、容器本体内にエアーを導入して負圧状態となることを防止するエアー導入孔30及び30´が形成してある。
【0028】
また、リテーナ22の仕切壁26の下方の吸入管路27には、前方に開口する吸入孔31が形成されるとともに、ディスペンサ本体21の垂直円筒部の同一位置にも吸入孔が形成してあり、リテーナ22の仕切壁26の上方の吐出管路29には、前方に開口する排出孔32が形成されるとともに、ディスペンサ本体21の同一位置にも排出孔が形成してある。
【0029】
そして、ディスペンサ本体21の中間部に水平前方に開口するシリンダ33が設けられ、吸入孔31を中心とした円筒状に形成され、排出孔32もシリンダ33の底部内側に位置するようになっており、このシリンダ33の内部に摺動可能にピストン34が装着されてピストン・シリンダ機構35が構成される。
【0030】
このピストン34はディスペンサ本体21に揺動自在に取り付けたトリガーレバー36に連結され、トリガーレバー36の揺動操作によって往復駆動され、これらシリンダ33とピストン34で構成されるシリンダ室37の容積を拡縮できるようになっており、この拡縮されるシリンダ室37の容積が1回の吐出量に対応する大きさとされ、例えば3.0〜4.0mL程度とされる。
【0031】
このようなディスペンサ本体21のシリンダ室37内には、吸入孔31に連通して吸入弁38が設けられる。この吸入弁38は合成樹脂製とされ、吸入孔31の外周に沿って円筒状の弁座39がディスペンサ本体21と一体に形成されるとともに、この弁座39の外側に弁体取付筒40がディスペンサ本体21と一体に形成してある。
【0032】
そして、吸入弁38では、図3に示すように、弁体取付筒40の外周に嵌合される合成樹脂製の円筒状の弁箱部41を備え、弁箱部41の中心部に先端が曲面で塞がれた中空円筒状の弁体42が配置され、弁体42の円周等間隔の3か所に一体に形成した3本のストラップヒンジ43を円周に沿って略120度ずらした弁箱部41の3か所に一体に連結することで支持されており、弁体42を弾性的に支持し、吸入時に開き、吐出時に閉じられると同時に、ストラップヒンジ43の間の隙間を吸入時の流路として確保するようにしている。
【0033】
さらに、このトリガーディスペンサ20では、吸入弁38に加えて遮断バルブ44がシリンダ室37内に設けてあり、トリガーレバー36を操作しない通常状態(操作前の状態)で吸入弁38と吐出管路29との間を遮断することでシリンダ室37の内容液に圧力が加わらないようにする。
【0034】
この遮断バルブ44は、吸入弁38の円筒状の弁箱部41の基端外周端縁に外側に突き出して一体に形成した環状の外周シール部45を備えるとともに、この円筒状の弁箱部41より大径の円筒状のバルブ本体46がピストン34の凹部に嵌合されて一体に往復駆動され、このバルブ本体46の先端内周端縁に内側に突き出して一体に形成した環状の内周シール部47を備え、外周シール部45に内周シール部47を接触させて遮断するとともに、内周シール部47と外周シール部45との間の隙間を流路とするようになっている。
【0035】
また、この遮断バルブ44では、図4に示すように、ピストン34の吸入行程の終了前の内周シール部47が外周シール部45に接触する瞬間からシール状態となり、ピストン34の残りの吸入工程では、シール部分の内側(吸入弁38の弁箱部41およびバルブ本体46の内側)のシリンダ室37では吸入弁38からの吸入が行われるものの、シール部分の外側のシリンダ室37では吸入弁38との間が遮断されて吸入弁38からの吸入が行われず排出孔32を介して吐出管路29内の残存液の吸入、すなわち残存液の吸い戻しが行われることになる。
【0036】
一方、このトリガーディスペンサ20では、ピストン・シリンダ機構35のシリンダ室37と排出孔32を介して連通する吐出管路29の先端部であるディスペンサ本体21の水平円筒部48の先端部に吐出弁49が設けてあり、吸入時に閉じ、吐出時に開くようにしてある。
【0037】
この吐出弁49では、ディスペンサ本体21の水平円筒部48の先端部外周に嵌合連結されるバルブインサート50を備えており、このバルブインサート50のフランジ部51に水平円筒部48と連通する連通孔52が形成され、この連通孔52の外側に偏心させて弁体取付筒53が前方に突き出して一体に形成されるとともに、弁体取付筒53の中心部に、先端が略円錐面とされた弁座54が一体に形成してある。そして、弁体取付筒53の内周にダイヤフラムバルブ55が嵌合され、中心部の吐出孔56が弁座54に接触するようになっており、このダイヤフラムバルブ55は弁体取付筒53の内周に嵌合される円筒部57とその中間部を仕切るように一体に形成されるダイヤフラム58とで構成され、合成樹脂で一体に形成されている。
【0038】
また、この吐出弁49の弁座54の円錐面には、微小溝で構成された吸戻溝59が形成してあり、通常の吸入行程では吸入弁38からの吸入のみが行われて何等機能せず、遮断バルブ44が吸入行程の終了前に閉じられた後、残りの吸入行程で残存液を吸い戻す場合の流路となるような大きさとされ、吐出弁49の前方の残存液を極力残さないように吸い戻す。
【0039】
このような吐出弁49の前方には、内容液を吐出させるノズルヘッド60が設けられ、弁体取付筒53の外周に嵌合され、中心部の円筒状のノズル61から吐出できるようにしてあり、このノズル61内に突出部を挿入して塞ぐことができるノズルキャップ62がヒンジ部63を介してノズルヘッド60の先端上部に開閉可能に形成され、内溶液の吐出時には開いた状態とし、吐出終了後に閉じることでノズル61内の残留液の乾燥固化を防止するようにしてある。
【0040】
また、トリガーレバー36を引き込んでピストン34を押し込んで内溶液を吐出させた後トリガーレバー36およびピストン34を元に戻すためトリガーレバー36とディスペンサ本体21との間に合成樹脂製スプリング64が介装してあり、この合成樹脂製スプリング64の基端部がディスペンサ本体21の吐出管路29の上端部外側に嵌合されるとともに、ディスペンサ本体21を覆うカバー65の取付部が一体に形成してあり、ディスペンサ本体21に形成したカバー65の取付部とともにカバー65を固定するようになっている。
【0041】
このように構成したトリガーディスペンサ20では、トリガーレバー36を引き込んでピストン34を押し込むと、吸入弁38が閉じられてシリンダ室37内の内容液が加圧されて排出孔32、吐出管路29、水平円筒部48、バルブインサート50の連通孔52、ダイヤフラム58の吐出孔56及びノズルヘッド60のノズル61を介して噴射される一方、トリガーレバー36の解放により、合成樹脂製スプリング64でピストン34が押し戻されると、トリガーレバー36も元の位置に復帰され、このときシリンダ室37内が負圧になって吐出弁49が閉じられて吸入弁38が開き、容器本体内の内溶液がディップチューブ28、吸入管路27、吸入孔31および吸入弁38を介してシリンダ室37に吸引される。
【0042】
そして、このピストン34の吸入行程の終了前に遮断バルブ44の外周シール部45と内周シール部47が接触してシール状態になると、ピストン34の残りの吸入工程では、シール部分の内側(吸入弁38の弁箱部41およびバルブ本体46の内側)のシリンダ室37では吸入弁38からの吸入が行われるものの、シール部分の外側のシリンダ室37では吸入弁38との間が遮断されて吸入弁38からの吸入が行われず排出孔32の弁座54に形成した微小な吸戻溝59を介して吐出弁49より前方の残存液や吐出管路29内の残存液の吸い戻しが行われることになる。
【0043】
そして、1回のトリガーレバー36の操作で必要量の内溶液を吐出させた後、ノズルキャップ62をヒンジ部63を介して閉めてノズル61に突出部を挿入して塞ぐようにして保管することで、乾燥固化の防止と突出部による吐出流路の確保を行う。
【0044】
このようなトリガーディスペンサ20によれば、吐出弁49がディスペンサ本体21の水平円筒部48の先端部のバルブインサート50部分に設けてあるので、吐出弁49の前方に残存する内容液を極力減らすことができ、液だれを防止することができるとともに、乾燥固化も防止することができる。
【0045】
また、この吐出弁49を合成樹脂製のダイヤフラムバルブ55で構成したので、軽量・コンパクト化を図ることができ、バルブインサート50のわずかなスペースに設けることができ、トリガーディスペンサ20自体のコンパクト化を図ることもできる。
【0046】
さらに、このトリガーディスペンサ20によれば、吸入弁38と吐出管路29との間に遮断バルブ44を設けてトリガーレバー36の操作前の状態(ピストン・シリンダ機構の静止状態)で吸入弁38と吐出管路29との間を遮断するようにしたので、振動などの外力で吸入弁38が開くようなことがあっても吐出管路29側を吐出弁49とともに遮断することができ、残存液に圧力が加わらないようにして、一層確実に液だれを防止することができる。
【0047】
また、このトリガーディスペンサ20によれば、吸入弁38を合成樹脂で弁箱部41、弁体42およびストラップヒンジ43を一体成形したので、軽量・コンパクト化を図ることができるとともに、確実に動作させることができ、しかも、ピストン・シリンダ機構35のシリンダ室37内に配置することも可能となり、1回の吐出量が多いトリガーディスペンサ20であってもコンパクト化を図ることができる。
【0048】
さらに、このトリガーディスペンサ20によれば、遮断バルブ44を、吸入弁38の円筒状の弁箱部41の外周シール部45とピストン34に嵌合された内周シール部47とで構成し、外周シール部45に内周シール部47を接触させて遮断するとともに、内周シール部47と外周シール部45との間の隙間を流路とするようにしたので、図4に示すように、ピストン34の吸入行程の終了前の内周シール部47が外周シール部45に接触する瞬間からシール状態となり、ピストン34の残りの吸入工程では、シール部分の内側(吸入弁38の弁箱部41およびバルブ本体46の内側)のシリンダ室37では吸入弁38からの吸入が行われるものの、シール部分の外側のシリンダ室37では吸入弁38との間が遮断されて吸入弁38からの吸入が行われず吐出弁49の弁座54の吸戻溝59を介してダイヤフラムバルブ55より前方の残存液や水平円筒部48および吐出管路29内の残存液の吸い戻しを行なうことができる。
【0049】
これにより、液だれを一層確実に防止することができるとともに、残存液の乾燥固化による吐出不良も回避することができる。
【0050】
また、このトリガーディスペンサ20では、吐出弁49の前方の内容液を吐出させるノズルヘッド60のノズル61内に突出部を挿入して塞ぐことができるノズルキャップ62を設けたので、吐出終了後にノズルキャップ62を閉じることでノズル61内の残留液を押し出すことができ、最も流路の狭いノズル61内での残存液の乾燥固化を防止して吐出不良を回避することができる。
【0051】
さらに、このトリガーディスペンサ20では、引き込んだトリガーレバー36およびピストン34を元に戻すための合成樹脂製スプリング64にディスペンサ本体21を覆うカバー65の取付部を一体に形成するようにしたので、ディスペンサ本体21に形成したカバー65の取付部とともにカバー65を固定することで、確実にカバー65を固定することができるとともに、ディスペンサ本体21と合成樹脂製スプリング64にカバー65の取付部を分散することでそれぞれの成形が容易となる。
【0052】
また、このトリガーディスペンサ20では、従来のカバーと異なり、カバー65の下端部を塞ぐようにしたので、吐出操作する場合にカバーの端面が手に当たることがなく広い面で当り、手に加わる力を軽減することもできる。
【0053】
なお、吸入弁や吐出弁、スプリングについては合成樹脂製であることを説明したが、他の部材も合成樹脂製とされ、このように全ての部材を合成樹脂製とすることで、使用後不要となった場合等に廃棄する際、分別せずに廃棄することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上、実施の形態とともに具体的に説明したように、この発明の請求項1記載のトリガーディスペンサによれば、トリガーレバーの揺動操作でピストンを往復させ一定量ずつ内容液を吐出させるトリガーディスペンサで、シリンダ室内に吸入弁を設け、吐出弁を吐出管路の先端部に設け、ピストン・シリンダ機構のピストンにトリガーレバーの操作前の状態で吸入弁と吐出管路との間を遮断する遮断バルブを設け、吐出弁の弁座に残存液を吸い戻す吸戻溝を形成する一方、遮断バルブをピストンの吸入行程終了前に閉じて残りの吸入行程で残存液を吸い戻し可能に構成するようにしたので、吐出弁の前方に残存する残存液の量を極力少なくして液だれを防止することができるとともに、残存液の乾燥固化を防止することができ、比較的粘度が高く、1回の吐出量が多い液体の吐出を行うことができる。
【0055】
また、ピストン・シリンダ機構のピストンにトリガーレバーの操作前の状態で吸入弁と吐出管路との間を遮断する遮断バルブを設けるようにしたので、吸入弁や吐出弁に加えて遮断バルブを設けて吸入弁と吐出管路との間を遮断することでシリンダ室を密閉して残存液に圧力が加わらないようにすることができ、一層確実に液だれを防止することができる。
【0056】
さらに、吐出弁の弁座に残存液を吸い戻す吸戻溝を形成する一方、遮断バルブをピストンの吸入行程終了前に閉じ残りの吸入行程で残存液を吸い戻し可能に構成したので、遮断バルブを吸入行程の終了前に閉じて残りの行程で吐出弁の弁座に形成した吸戻溝から残存液を吸い戻すことができ、残存液を一層減らして液だれを確実に防止することができる。
【0057】
また、この発明の請求項2記載のトリガーディスペンサによれば、吸入弁の弁箱部を基端外周端縁に外周シール部を備えた円筒状に形成する一方、遮断バルブのバルブ本体を当該吸入弁の弁箱部より大径の円筒状に形成するとともに、この大径円筒状の先端内周端縁に外周シール部とで遮断し得る内周シール部を形成するようにしたので、吸入弁の外周シール部と遮断バルブのバルブ本体の内周シール部とでシールすることで、遮断と同時に、ピストンによる吸い戻し状態を確保することができる。
【0058】
さらに、この発明の請求項3記載のトリガーディスペンサによれば、吸入弁を、合成樹脂で一体成形され円筒状弁箱部にストラップヒンジで中心部に支持された弁体で構成するようにしたので、軽量・コンパクトを図り、しかも内容液の流路の確保と同時に、確実に動作させることができる。
【0059】
また、この発明の請求項4記載のトリガーディスペンサによれば、吐出弁を、合成樹脂で一体成形され中心部に吐出孔が形成されたダイヤフラムで構成するようにしたので、軽量・コンパクトを図り、しかも確実に動作するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のトリガーディスペンサの一実施の形態にかかる縦断面図である。
【図2】この発明のトリガーディスペンサの一実施の形態にかかる吐出弁部分の拡大断面図である。
【図3】この発明のトリガーディスペンサの一実施の形態にかかる吸入弁の拡大図である。
【図4】この発明のトリガーディスペンサの一実施の形態にかかる遮断バルブ部分の拡大断面図である。
【図5】従来のトリガーディスペンサの縦断面図である。
【符号の説明】
20 トリガーディスペンサ
21 ディスペンサ本体
22 リテーナ
24 コンテナキャップ
27 吸入管路
28 ディップチューブ
29 突出管路
31 吸入孔
32 排出孔
33 シリンダ
34 ピストン
35 ピストン・シリンダ機構
36 トリガーレバー
37 シリンダ室
38 吸入弁
41 弁箱部
42 弁体
43 ストラップヒンジ
44 遮断バルブ
45 外周シール部
47 内周シール部
49 吐出弁
50 バルブインサート
54 弁座
55 ダイヤフラムバルブ
58 ダイヤフラム
59 吸戻溝
60 ノズルヘッド
62 ノズルキャップ
64 合成樹脂製スプリング
65 カバー
Claims (4)
- 液体が充填された容器本体の口部に装着され、ピストン・シリンダ機構をトリガーレバーの揺動操作で往復させて一定量ずつ吐出させるトリガーディスペンサであって、
吸入管路と連通する前記ピストン・シリンダ機構のシリンダ室内に吸入時に開き吐出時に閉じる吸入弁を設ける一方、前記ピストン・シリンダ機構と連通する吐出管路の先端部に吸入時に閉じ吐出時に開く吐出弁を設け、
前記ピストン・シリンダ機構のピストンに前記トリガーレバーの操作前の状態で前記吸入弁と前記吐出管路との間を遮断する遮断バルブを設け、
前記吐出弁の弁座に残存液を吸い戻す吸戻溝を形成する一方、前記遮断バルブを前記ピストンの吸入行程終了前に閉じて残りの吸入行程で残存液を吸い戻し可能に構成したことを特徴とするトリガーディスペンサ。 - 前記吸入弁の弁箱部を基端外周端縁に外周シール部を備えた円筒状に形成する一方、前記遮断バルブのバルブ本体を当該吸入弁の弁箱部より大径の円筒状に形成するとともに、この大径円筒状の先端内周端縁に前記外周シール部とで遮断し得る内周シール部を形成したことを特徴とする請求項1記載のトリガーディスペンサ。
- 前記吸入弁を、合成樹脂で一体成形され円筒状弁箱部にストラップヒンジで中心部に支持された弁体で構成したことを特徴とする請求項1または2記載のトリガーディスペンサ。
- 前記吐出弁を、合成樹脂で一体成形され中心部に吐出孔が形成されたダイヤフラムで構成したことを特徴とするたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトリガーディスペンサ。
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