JP4734615B2 - 特殊潜像模様形成体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀行券、パスポート、有価証券、カード、貴重印刷物などの偽造防止及び改ざん防止が要求されるものに利用される特殊潜像模様形成体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
銀行券、パスポート、有価証券、カード、貴重印刷物などは、その性質上、偽造及び改ざんされにくいことが要求される。印刷による視覚的な偽造防止策としては、網点の大小を利用したもの、モアレ模様を施したもの及び画線の方向とインキの盛り量とによる潜像凹版模様を施したものなどが公知である。
【0003】
本発明者らは、凹版印刷により万線模様等の隆起した印刷をした基材上に、この隆起した印刷画線に対して平行又は傾斜をもって別の印刷画線を印刷し、基材に対して特定角度の方向から見たときに、潜像となる特定の文字、図柄などが認識できる偽造防止用潜像印刷物について、すでに特許を得ている(特許26000094号公報参照。)
【0004】
この従来例についてその概要を図1〜5を参照して説明する。隠蔽力のある白色の凹版インキで白色の紙5に凹版印刷を行い、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した隆起した直線万線印刷画線6を形成する(図4参照)。直線万線印刷画線6が印刷された紙5上に、有色のインキによって一定間隔の直線で構成された直線万線画線2(図1)を印刷し、潜像印刷物が形成される。
【0005】
この潜像印刷物は、正面から観察すると図2に示すように、有色の万線画線2しか認識できないが、斜めの方向から観察すると、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した隆起した直線万線印刷画線6と直線万線画線2のなす角度の異なる部分で図柄を表した潜像模様(図3参照)が容易に確認できる。
【0006】
凹版印刷によりレリーフ模様の隆起した印刷画線を基材上に形成し、この基材上に直線万線画線を印刷して潜像印刷物が形成した場合は、斜めの方向から観察すると、部分的に角度を異にすることによって潜像となる図柄を表したレリーフ模様の隆起した直線万線印刷画線6と直線万線画線2のなす角度の異なる部分でレリーフの潜像模様(図5参照)が容易に確認できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記一般的に公知な従来の技術の偽造防止手段は、図柄が平坦で効果を発揮するために比較的広い範囲を必要とし、また、類似的な画線構成を施すことができるため真偽判別にはルーペ等の簡易な器具を必要とすることなどから、完全な偽造防止手段とはなりにくくなってきている。
【0008】
又、上記特殊潜像模様関連の特許では、基材に対する観察の角度を変えることにより、特殊潜像模様を現出させるという点で、偽造防止効果は大きい。しかしながら、潜像効果を発現するために付与する印刷画線は万線、波線等の単調なデザインであるため、印刷画線の複製は容易であること、銀行券、諸証券等の限られた面積に偽造防止技術を付与すると特殊潜像模様の付与可能なエリアが小さくなり、特殊潜像模様印刷物並びに特殊潜像模様形成体の特徴である潜像を効果的に発現することは困難である。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点を解決することを目的とするものであり、基本的には、特許26000094号の潜像印刷物を改良する発明であり、特殊潜像模様形成体における印刷画線をその幅、大きさ、種類等を含む形状、色等を多様化して、印刷画線に特殊な効果の付与や有形なデザインを付与すること等を可能にすることで、特殊潜像模様に階調を付与する等として多様化し、偽造、変造、改竄等しにくい、偽造防止効果を高めた特殊潜像模様形成体を実現することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、画線幅を変化させることで図柄を表した印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、平行又は傾斜を持たせて印刷されて成ることを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。この印刷画線は、上記画線幅を段階的に変化させることで図柄を表す構成としてもよい。又、この印刷画線は、上記画線幅を連続的に変化させることで図柄を表す構成してもよい。
【0011】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した点列の粗密によって図柄を表した印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。
【0012】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した点列の大小によって図柄を表した印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。
【0013】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した点列の粗密及び大小によって図柄を表した印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。
【0014】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した微小文字の印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。
【0015】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した白抜き微小文字の印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。
【0016】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した微小文字、万線状に配列した白抜き微小文字、又は微小文字と白抜き微小文字双方を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅を変化させることによって図柄を表した印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。
【0017】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した微小文字、万線状に配列した白抜き微小文字、又は微小文字と白抜き微小文字双方を、部分的又は連続的に微小文字の字高を変化させることによって図柄を表した印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。
【0018】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、万線状に配列した微小文字、万線状に配列した白抜き微小文字、又は微小文字と白抜き微小文字双方を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅を変化させ、且つ、字高を変化させることによって図柄を表した印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体提供する。
【0019】
以上の特殊潜像模様形成体の印刷画線は、基材の色以外の有色インキ、基材の色以外の有色の発光インキ、又は無色透明若しくは基材の色の発光インキによって印刷されていることを特徴とする。そして、これらのインキで印刷する場合に、さらに、印刷画線は、部分的又は連続的に色を変化させて印刷されるようにしてもよい。
【0020】
この部分的又は連続的に色を変化させる場合は、印刷画線は、部分的に色を変化させて印刷される際に、各色ごとにその色に相当する領域のみからなる部分版に着肉したものを同一の集合版に集合した後に、すべてのインキを同時に印刷版面に転移させて、部分的に色を変化させて印刷されるようにしてもよい。
【0021】
透明の発光インキで印刷する場合は、印刷画線の上又は下部に基材の色以外の有色インキで地紋画線が印刷されている構成としてもよい。
【0022】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、一定間隔を持つ万線、万線状の点列、又は万線と万線状の点列双方から成る印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて連続的に色を変化させて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。この印刷画線は、基材の色以外の有色インキ又は基材の色以外の有色の発光インキによって印刷されている構成としてもよい。
【0023】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、一定間隔を持つ万線、万線状の点列、又は万線と万線状の点列双方から成る印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて部分的に色を変化させて印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。この印刷画線は、基材の色以外の有色インキ又は基材の色以外の有色の発光インキによって印刷されている構成としてもよい。
【0024】
さらに、本発明は上記課題を解決するために、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、一定間隔を持つ万線、万線状の点列、又は万線と万線状の点列双方から成る印刷画線を、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の上記凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて無色透明の発光インキによって印刷することを特徴とする特殊潜像模様形成体を提供する。この場合、上記印刷画線の上又は下部に地紋画線を印刷する構成としてもよい。
【0025】
以上の特殊潜像模様形成体の凹版印刷隆起画線は、上記基材上に基材と同色又は近似色のインキで凹版印刷されたものであることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係る特種特殊潜像模様形成体の実施の形態を基本的な構成を説明してから実施例に基づいて図面を参照して説明する。
【0027】
(基本的構成)
本発明に係る特殊潜像模様形成体は、基本的には凹版で印刷され、部分的に角度を異にすることで図柄を表した万線模様又はレリーフ模様、又は双方の模様の凹版印刷隆起画線(凹版で印刷された断面凸状の隆起画線を、本明細書では「凹版印刷隆起画線」と言う。)を有する紙、金属、合成樹脂等の基材を利用し、この基材上に万線、点列、文字列等の印刷画線を印刷して成る特殊潜像模様形成体である。
【0028】
図6〜8は、本発明に係る特殊潜像模様形成体の基本的構成を説明する図である。図6において、特殊潜像模様形成体18−1の基本要素となる構成は、基材5の表面に形成された万線模様の凹版印刷隆起画線7と、凹版印刷隆起画線7に対してその上面から印刷された万線状の印刷画線10(万線画線)とから成る。
【0029】
この凹版印刷隆起画線7は、部分的に角度を異にすることで図柄を表した万線模様又はレリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の模様で構成された凹版版面を用いて、基材5と同色又は近似した色の凹版インキにより隆起して印刷されたものである。一方、万線、点列、文字列等の印刷画線は、本発明では、幅、粗密、大小、字高、色等をいろいろと変えて階調を付与して多様化したことを特徴としている。
【0030】
さらに、この凹版印刷隆起画線7は、その長手方向に対して部分的に角度を異にすることによって図柄を表している。図6の例では、凹版印刷隆起画線7は、基本となる直線部7’と、左右の屈曲部(この屈曲部が本発明の「部分的に角度を異にする部分」に相当する。)6と、上部の直線部6’とから成る。図6の部分的に角度を異にする部分6が、特殊潜像模様形成体18−1の中で潜像模様の付与される領域全体に適宜配列されて、その領域全体として図柄(この全体の図柄自体は図示しない。)が表される。
【0031】
印刷画線10は、凹版印刷隆起画線7の万線模様において、部分的に角度を異にする部分6があるが、この部分6により凹版印刷隆起画線7の図柄を構成している。この部分的に角度を異にする部分6以外の凹版印刷隆起画線7を構成する部分(凹版印刷隆起画線7の直線部7’)に平行に、印刷画線10が印刷される。なお、印刷画線を直線部7’に平行ではなく、傾斜を持たせて印刷する構成も考えられる。
【0032】
この特殊潜像模様形成体18−1の作用を説明する。図7は作用を説明する図であり、図8は斜めから観察した結果見える特殊潜像模様11を示す図である。図7において、図7(a)に示す凹版印刷隆起画線7のA−A、B−B、C−Cの断面を、夫々図7(b)〜(d)に示す。図7(b)〜(d)において、夫々右上に示す一対の矢印で挟む寸法wは、後述するように、特殊潜像模様形成体18−1を斜めから観察した場合の印刷画線10の視認可能な画線幅(見掛け上の画線幅)を示すものである(図10、13、16についても同じ。)。
【0033】
今、特殊潜像模様形成体18−1を正面から観察する(図7(a)では紙面に対して正面前方)と、凹版印刷隆起画線7は見ることができず、図8(a)に示すように、図7(a)と同じ状態の印刷画線10が見える。
【0034】
そして、この特殊潜像模様形成体18−1を、凹版印刷隆起画線7が全体として伸びる方向(部分的に角度の異なる方向ではない。図6中ではその左右方向。)に直交する方向であって特殊潜像模様形成体の面に対して斜めの方向から観察(本明細書ではこれを、「斜めから観察」という。図7(a)では下側の手前斜めから観察、図7(b)〜(d)では図面右斜め上方から観察。)すると、図7(b)で断面を示す印刷画線10の領域では、凹版印刷隆起画線7の凸条部9の陰となって、印刷画線10が見えなくなる。
【0035】
図7(c)で断面を示す印刷画線10の領域では、凹版印刷隆起画線7の凸条部9を乗り越えている状態であり、印刷画線10の長さ方向によって印刷画線10の視認可能な画線幅wが異なる。図7(d)で断面を示す印刷画線10の領域では、印刷画線10は完全に見えるが斜めから観察するのでその視認可能な画線幅wは若干小さい。
【0036】
結局、この特殊潜像模様形成体18−1を斜めから観察すると、印刷画線10は、図8(b)で示すように見えることとなる。しかしながら、印刷画線10自体は極細いものであるから、実際に人が観察すると画線幅までは認識できるものではなく、図8(c)に示すように印刷画線10の濃度変化(これを、「見かけ上の濃度変化」という。)として視認できる。このように、特殊潜像模様形成体18−1を斜めから観察すると、印刷画線の見掛け上の濃度変化によって、特殊潜像模様形成体18−1には全体として階調を伴う縞模様の特殊潜像模様11が視認できる。
【0037】
このような基本構成により、本発明に係る特殊潜像模様形成体は、正面から観察した場合には、万線模様又はレリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の模様の凹版印刷隆起画線は、基材と同色又は近似のために認識できず、万線、点列、文字列等の印刷画線を基材と異なる色で印刷した場合に認識できる。
【0038】
しかし、特殊潜像模様形成体を斜めから観察した場合には、凹版印刷隆起画線で万線、点列、文字列等の印刷画線が部分的に見えなくなり特殊潜像が生じ、これに加え、さらに本発明では万線、点列、文字列等の印刷画線を変えることで、さらに階調が付与されて多様化した特殊潜像が生じ、認識できる。
【0039】
(発明の構成、作用)
本発明に係る特殊潜像模様形成体は、上記のような基本的構成を発展させて、特に万線模様の凹版印刷隆起画線7上に印刷される、印刷画線10を単純な線から成る画線ではなく、その形状(幅、点列、文字等)や、色、印刷法を多様化し工夫をこらすことによって、正面から観察したときに有意性のある図柄を形成し、また、斜めから観察した際に、さらに複雑な階調を付与して多様化した潜像を発生させ、真偽判別効果及び偽造防止機能を一層高めることのできる構成を特徴とする。
【0040】
このように、本発明では、印刷画線を特殊な構成とすることで、従来の特殊潜像模様形成体の偽造防止機能をさらに向上している。そこで、以下、印刷画線について説明するが、以下その全体を総覧する。
【0041】
(1)互いに画線幅の異なる複数の印刷画線をいろいろと組み合わせることで図柄を表した印刷画線を形成する。又、複数の印刷画線の夫々の画線幅を、段階的又は連続的に変化させることで図柄を表した印刷画線を形成する。
(2)万線状に配列した点列の粗密、大小、又は粗密と大小双方により図柄を表した印刷画線を形成する。
(3)万線状に配列した微小文字、白抜き微小文字、又は微小文字と白抜き微小文字双方における微小文字の画線幅、字高、又は画線幅と字高双方により図柄を表した印刷画線を形成する。
(4)印刷画線は、次のような次のインキにより印刷される。
▲1▼基材の色以外の有色インキ
▲2▼基材の色以外の有色の発光インキ
▲3▼無色透明又は基材と同色の発光インキ
(5)さらに、印刷画線は次のように印刷される。
▲1▼連続的色変化。これは、1本の印刷画線についてその長手方向に異なる色が連続的に変化する構成、あるいは複数の印刷画線にわたって異なる色が連続的に変化する構成である。
▲2▼部分的色変化。これは、印刷画線が部分的に異なる色で構成されたものである。これには、色の異なる画線部を刷り合わせて接し、画線に沿って部分的に色が異なる構成と、各色毎にその色に相当する領域のみから成る部分着肉したものを同一の集合版に集合した後に、すべてのインキを同時に印刷版面に転移させて、部分的に色を変化させてなる構成とがある。
【0042】
このように、基材に形成された凹版印刷隆起画線に対して、多様化された印刷画線を組み合わせることにより、より真偽判別効果及び偽造防止効果に優れた特殊潜像模様形成体が構成される。その構成及び作用について、図9〜17で詳細に説明する。この説明では、説明を簡単にするために凹版印刷隆起画線7に対して、印刷画線の幅が異なったり、変化したりする、一様ではない多様化した印刷画線を印刷した例で説明する。
【0043】
図9〜11は、特殊潜像模様形成体の印刷画線12の画線幅を、図6に示す印刷画線10より広くした構成及びその作用を説明する図である。図9において、この特殊潜像模様形成体18−2では、基材5上に図6と同じ凹版印刷隆起画線7が形成されている。そして、凹版印刷隆起画線7に沿い、且つその部分的に角度を異なる部分6を乗り越えて横切るように、図6に示す印刷画線10より幅の広い印刷画線12が印刷されている。
【0044】
この特殊潜像模様形成体18−2の作用を説明する。図10は作用を説明する図であり、図11は、この特殊潜像模様形成体を斜めから観察した結果見える特殊潜像模様13を示す図である。図10において、図10(a)に示す凹版印刷隆起画線7のA−A、B−B、C−Cの断面を、夫々図10(b)〜(d)に示す。今、特殊潜像模様形成体18−2を正面から観察すると、図11(a)に示すように、図10(a)と同じ状態で印刷画線12が見える。
【0045】
そして、この特殊潜像模様形成体18−2を斜めからから観察すると、図10(b)で断面を示す印刷画線12の領域では、凹版印刷隆起画線7の凸条部により陰となるが、幅が図6に比較する広いために、印刷画線12の僅かの部分が見える。
【0046】
図10(c)で断面を示す印刷画線12の領域では、凹版印刷隆起画線7の凸条部9を印刷画線12が乗り越えている状態であり、印刷画線12の長さ方向によって印刷画線12の見える幅が異なるが、その画線幅は図6の印刷画線10の画線幅より広いために、図7(c)に比べるとより多くの部分が見える。図10(d)で断面を示す印刷画線12の領域では、印刷画線12は完全に見えるが斜めから観察するので、その視認可能な画線幅wは正面から見た場合より若干小さくなる。しかし、図7(d)の場合より画線幅は広く見える。
【0047】
結局、この特殊潜像模様形成体18−2を斜めから観察すると、印刷画線12は、図11(b)で示すよう見えることとなる。しかしながら、印刷画線12自体は極細いものであるから、実際に人が観察すると画線幅までは認識できるものではなく、図11(c)に示すように印刷画線の見掛け上の濃度変化(階調変化)として視認できる。
【0048】
このように、図6(a)のような幅の狭い印刷画線10を有する特殊潜像模様形成体18−1と図9(a)のような幅の広い印刷画線12を有する特殊潜像模様形成体18−2とでは、斜めから観察すると、生じる印刷画線の濃度変化が互いに相違し、観察できる特殊潜像模様形成体は全体として異なった階調変化を有する縞模様の潜像模様が視認できる。
【0049】
これを利用して、基材5上に形成された凹版印刷隆起画線7上に、作為的に互いに幅の異なる複数の印刷画線を印刷することで、特殊潜像模様11にさらに複雑な階調を付与して真偽判別効果及び偽造防止効果を高めることも可能である。
【0050】
図12〜14は、特殊潜像模様形成体の印刷画線の画線幅を段階的に変化させた構成及びその作用を説明する図である。図12において、この特殊潜像模様形成体18−3では、基材5上に図6と同じ凹版印刷隆起画線7が形成されている。そして、凹版印刷隆起画線7に沿い、且つその部分的に角度を異なる部分6を乗り越えて横切るように、太幅部と細幅部が組み合わされた画線幅を段階的に変化した印刷画線14が印刷されている。
【0051】
図13は、この特殊潜像模様形成体の作用を説明する図であり、図14は、この特殊潜像模様形成体18−3を斜めから観察した結果見える特殊潜像模様15を示す図である。図13(a)に示す凹版印刷隆起画線7のA−A、B−B、C−C、D−D、E−Eの断面を、夫々図13(b)〜(f)に示す。今、特殊潜像模様形成体を正面から観察すると、凹版印刷隆起画線7は見ることができず、図14(a)に示すように、図13(a)と同じ状態で印刷画線14が見える。
【0052】
そして、この特殊潜像模様形成体18−3を斜めから観察すると、図13(b)で断面を示す印刷画線14の領域では、凹版印刷隆起画線7の凸条部9により陰となり印刷画線14は見えない。図13(c)で断面を示す印刷画線14の領域では、凹版印刷隆起画線7の凸条部9により陰となり印刷画線14は僅かに見える。
【0053】
図13(d)で断面を示す印刷画線14の領域では、凹版印刷隆起画線7の凸条部9を印刷画線14が乗り越えている状態であり、印刷画線14の長さ方向によって印刷画線14の視認可能な画線幅が異なる。図13(e)で断面を示す印刷画線14の領域では、印刷画線14は一部凸条部9上にかかっている状態であり、印刷画線14は、この一部凸条部9上にかかっている部分も含めて全面が観察できる。
【0054】
図13(f)で断面を示す印刷画線14の領域では、印刷画線14が凹版印刷隆起画線7の凸条部9により隠れることがないが、斜めから観察した分だけ画線幅が狭く見える。図13(e)の場合の方が、一部凸条部9上にかかっている観察側の部分が全面的に見えるから、図13(f)の場合より印刷画線の画線幅がより広く見える。
【0055】
結局、この特殊潜像模様形成体18−3を斜めから観察すると、印刷画線14について、図14(b)で示すような潜像15が見えることとなる。しかしながら、印刷画線14自体は極細いものであるから、実際に人が観察するとその画線幅wの変化までは認識できるものではなく、図14(c)に示すように印刷画線14の濃度変化として視認できる。
【0056】
これにより、図12のように、特殊潜像模様形成体18−3の印刷画線14の画線幅を段階的に変化させると、印刷画線の画線幅が単一の場合に比べて、印刷画線14の濃度変化が複雑となり、複雑な階調を伴う独特の縞模様の潜像模様15が視認でき、真偽判別効果及び偽造防止効果を一層高めることができる。
【0057】
図15〜17は、特殊潜像模様形成体の印刷画線の画線幅を連続的に変化させた構成及びその作用を説明する図である。図15において、この特殊潜像模様形成体18−4では、基材5上に図6と同じ凹版印刷隆起画線7が形成されている。そして、凹版印刷隆起画線7に沿い、且つその部分的に角度を異なる部分6を乗り越えて横切るように、画線幅が太幅部と細幅部に連続的に変化した印刷画線16が印刷されている。
【0058】
図16は、この特殊潜像模様形成体18−4の作用を説明する図であり、図17は、この特殊潜像模様形成体18−4を斜めから観察した結果見える特殊潜像模様17を示す図である。図16(a)に示す凹版印刷隆起画線7のA−A、B−B、C−C、D−D、E−E、F−Fの断面を、夫々図16(b)〜(g)に示す。今、特殊潜像模様形成体を正面から観察すると、凹版印刷隆起画線7は見ることができず、図17(a)に示すように、図16(a)と同じ状態で印刷画線16が見える。
【0059】
そして、この特殊潜像模様形成体18−4を斜めから観察すると、印刷画線16はその領域ごとに凹版印刷隆起画線7の凸条部9により見え方が異なってくる。その観察と見え方のメカニズムは、図13に示す場合と同じ考え方であるからここでは省略するが、要するに、図16(b)〜(g)に示すように、印刷画線16はその長手方向の領域の夫々において、凹版印刷隆起画線7の凸条部9の陰となって全部又は一部しか見えなかったり、あるいは全面が見えるが斜めから観察した分だけ見える幅が減少したり、あるいは凸条部9に乗り上げた観察側の部分が全面的に見えたりする。そして、印刷画線16の長手方向の領域において夫々視認可能な画線幅(見掛け上の画線幅)は、図16(b)〜(g)の右上に示す寸法wのとおりである。
【0060】
結局、この特殊潜像模様形成体を斜めから観察すると、印刷画線16は図17(b)で示すように見えることとなる。しかしながら、印刷画線16自体は極細いものであるから、実際に人が観察するとその画線幅wの変化までは認識できるものではなく、図17(c)に示すように印刷画線16の濃度変化として視認できる。
【0061】
これにより、図15のように、特殊潜像模様形成体18−4の印刷画線16の画線幅を連続的に変化させると、印刷画線の画線幅が単一の場合に比べて、印刷画線16の濃度変化がより複雑となり、複雑な階調変化を伴う独特の縞模様の潜像模様17が視認でき、真偽判別効果及び偽造防止効果を一層高める。
【0062】
以上、印刷画線の画線幅を変えることにより特殊潜像模様をより複雑な階調を付与する構成を説明したが、図6〜17に示す印刷画線の画線幅を変化する構成を組み合わせることで、特殊潜像模様の図柄が所定の図柄となり、しかも複雑な階調を有する図柄となるようにすることができる。これによって、特殊潜像模様形成体18を斜め前方から観察し、特殊潜像模様を確認することで、その真偽判別を簡単に行うことができる。
【0063】
ところで、上記説明では、基材及び印刷画線については、比較的分かりやすい例として、基材5については万線模様の凹版印刷隆起画線を有するものとし、印刷画線については、画線幅を段階的に変化させることで図柄を表した印刷画線として説明した。
【0064】
しかしながら、基材としては、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様の双方の凹版印刷隆起画線部をスクリーン印刷、発砲印刷等の隆起可能な印刷方式で印刷した基材を利用してもよい。又、印刷画線としては、万線状に配した点列、文字等から成る印刷画線を利用してもよい。このような場合についても、具体的な説明は省略するが、斜めから観察すると、万線状の点列、文字等の模様の印刷画線が、基材のレリーフ及び/又は万線模様の隆起画線部と互いに交差して万線画線と同様に縞模様を生じ、さらに印刷画線の部分々々の形状により部分的に見えたり見えなかったりして、特殊潜像模様が認識でき、この結果偽造防止機能を生じる。
【0065】
以下、本発明に係る特殊潜像模様形成体の実施例を説明する。これらの実施例は、いずれも万線模様の隆起画線部が、基材5と同色又は近似した色の凹版インキにより隆起するように凹版印刷された基材上に、上記総覧した印刷画線を印刷して成る特殊潜像模様形成体である。
【0066】
(実施例1)
図18は、本発明の実施例1を説明する図である。基材19の表面には、図6で示したものと同様の万線模様の凹版印刷隆起画線(図示せず)が付与されている。図18に示すように、画線幅20を段階的に変化させることで図柄を表した印刷画線(万線画線)21を、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線(具体的には、図6の直線部7’。以下の実施例でも同じ。)に平行に印刷する。これにより特殊潜像模様形成体22が形成される。
【0067】
この実施例1の特殊潜像模様形成体22を正面から観察すると、図18と同じ印刷画線21による図柄が見えるが、斜めから観察すると、上記図12に示す印刷画線の画線幅が段階的に異なる構成について説明したように、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線21の見えない部分が生じ、しかも印刷画線21の幅の相違によって、この見えない部分の大きさに大小が生じる。この結果、図14で説明したような印刷画線21に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0068】
このように、特殊潜像模様形成体22を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。なお、上記実施例1では、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線(基本的構成で示すと図6中の7’に相当する。この点は、以下の実施例でも同じ。)に対して印刷画線21を平行に印刷しているが、平行ではなく傾斜を持たせて印刷画線を印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0069】
(実施例2)
図19は、本発明の実施例2を説明する図である。基材19の表面には、図6で示したものと同様の万線模様の凹版印刷隆起画線(図示せず)が付与されている。この実施例2は、実施例1とほぼ同じであるが、印刷画線23の画線幅を連続的に変化させている点が特徴である。これにより、階調画像(階調を有する図柄)を表した印刷画線23を、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線に平行に印刷し、特殊潜像模様形成体24が形成されている。
【0070】
この実施例2の特殊潜像模様形成体24を正面から観察すると、図19に示す印刷画線23が見え、斜めから観察すると、図15に示す印刷画線の画線幅が連続的に異なる構成について説明したように、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線23の見えない部分が生じ、しかも印刷画線23の幅の相違によって、視認可能な画線幅に大小が生じる。この結果、印刷画線23に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0071】
このように、特殊潜像模様形成体22を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。なお、上記実施例2では、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線に対して印刷画線23を平行に印刷しているが、平行ではなく傾斜を持たせて印刷画線を印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0072】
(実施例3)
図20は、本発明の実施例3を説明する図である。基材19の表面には、図6で示したものと同様の万線模様の凹版印刷隆起画線(図示せず)が付与されている。図20に示すように、万線状に配列した点列25の粗密によって図柄を表した印刷画線26を、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行に、印刷して、特殊潜像模様形成体27が形成される。
【0073】
この実施例3の特殊潜像模様形成体27を正面から観察すると、図20に示す点列25の粗密によって図柄を表した印刷画線26が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線26の見えない部分が生じ、しかも印刷画線26の点列の粗密状態の相違によって、この見えない部分の大きさに大小が生じる。この結果、印刷画線23に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0074】
このように、特殊潜像模様形成体27を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。上記実施例3は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して点列の粗密状態により図柄を表す印刷画線26を平行に印刷したが、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して傾斜を持たせて印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0075】
(実施例4)
図21は、本発明の実施例4を説明する図である。基材19の表面には、図6で示したものと同様の万線模様の凹版印刷隆起画線(図示せず)が付与されている。図21に示すように、万線状に配列した点列28の大小によって図柄を表した印刷画線29を、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、平行に印刷して、特殊潜像模様形成体30が形成される。
【0076】
この実施例4の特殊潜像模様形成体30を正面から観察すると、図21に示すような図柄を表した印刷画線29が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線29の見えない部分が生じ、しかも印刷画線29の点列28の大小の相違によって、この視認可能な画線幅に大小が生じる。この結果、印刷画線29に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0077】
このように、特殊潜像模様形成体30を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。上記実施例4は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して点列28の大小により図柄を表す印刷画線29を平行に印刷したが、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して傾斜を持たせて印刷することにより特殊潜像模様形成体30を形成してもよい。
【0078】
(実施例5)
図22は、本発明の実施例5を説明する図である。基材19の表面には、図6で示したものと同様の万線模様の凹版印刷隆起画線(図示せず)が付与されている。図22に示すように、万線状に配列した点列31の粗密と大小双方によって図柄を表した印刷画線32を、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行に印刷して、特殊潜像模様形成体33が形成される。
【0079】
この実施例5の特殊潜像模様形成体33を正面から観察すると、図22に示す点列の粗密と大小双方によって図柄を表した印刷画線32が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線32の見えない部分が生じ、しかも印刷画線32の点の粗密と大小双方の相違によって、この視認可能な画線幅に大小が生じる。この結果、印刷画線32に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0080】
このように、特殊潜像模様形成体33を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。上記実施例5は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して点列31の疎密と大小の組み合わせにより図柄を表す印刷画線32を、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行に印刷したが、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して傾斜を持たせて印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0081】
(実施例6)
図23は、本発明の実施例6を説明する図である。基材19の表面には、図6で示したものと同様の万線模様の凹版印刷隆起画線(図示せず)が付与されている。この基材19の表面の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、図23に示すように、万線状に配列した微小文字(NIPPON)の印刷画線34を平行に印刷して、特殊潜像模様形成体35が形成される。
【0082】
この実施例6の特殊潜像模様形成体35を正面から観察すると、図23に示す微小文字の印刷画線34が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線34の見えない部分が生じ、この結果、図6に示す基本構成で説明したと同様に、印刷画線34に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0083】
このように、特殊潜像模様形成体35を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。そして、このように凹版印刷隆起画線上に微小文字の印刷画線34を複写すると、微小文字はつぶれてしまう、特に印刷画線34が凹版印刷隆起画線と交叉する部分は、凹版印刷隆起画線の凸条部による乱反射によって微小文字は複写されない。従って、偽造防止効果がきわめて高い。
【0084】
上記実施例6は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して微小文字の印刷画線34を、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外に対して、平行に印刷したが、傾斜を持たせて印刷画線を印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0085】
(実施例7)
図24は、本発明の実施例7を説明する図である。基材19の表面には、図6で示した同様の万線模様の凹版印刷隆起画線が付与されている。この基材19の表面の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、図24に示すように、万線状に配列した白抜き微小文字の印刷画線36を平行に印刷して、特殊潜像模様形成体37が形成される。
【0086】
この実施例7の特殊潜像模様形成体37を正面から観察すると、図24に示す万線状に配列した白抜き微小文字の印刷画線36が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線36の見えない部分が生じ、この結果、図6に示す基本構成で説明したものと同様に、印刷画線36に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0087】
このように、特殊潜像模様形成体37を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。なお、実施例7も実施例6同様に、複写機を利用しても微小文字は正確に複写されないから、この点でも偽造防止効果がすぐれている。
【0088】
上記実施例7は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して、万線状に配列した白抜き微小文字の印刷画線36を平行に印刷したが、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線に対して、傾斜を持たせて印刷画線を印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0089】
(実施例8)
図25は、本発明の実施例8を説明する図である。基材19の表面には、図6で示したものと同様の万線模様の凹版印刷隆起画線(図示せず)が付与されている。この基材19の表面の凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、図25に示すように、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅を変化させることによって図柄を表した印刷画線38を平行に印刷して、特殊潜像模様形成体39が形成される。
【0090】
この実施例8の特殊潜像模様形成体39を正面から観察すると、図25に示す万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅を変化させることによって図柄を表した印刷画線38が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線38の見えない部分が生じ、しかも印刷画線38の微小文字の画線幅の相違によって、この視認可能な画線幅に大小が生じる。この結果、印刷画線38に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0091】
このように、特殊潜像模様形成体39を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。又、実施例8も実施例6同様に、複写機を利用しても微小文字は正確に複写されないから、この点でも偽造防止効果がすぐれている。
【0092】
なお、上記実施例8は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅を変化させることによって図柄を表した印刷画線を平行に印刷したが、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線に対して、傾斜を持たせて印刷画線を印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0093】
又、実施例8では、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅を変化させることによって図柄を表す印刷画線を採用しているが、万線状に配列した白抜き微小文字、又は微小文字と白抜き微小文字双方の微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅を変化させることによって図柄を表すような印刷画線としてもよい。
【0094】
(実施例9)
図26は、本発明の実施例9を説明する図である。基材19の表面には、図6で示した同様の万線模様の凹版印刷隆起画線が付与されている。この基材19の表面の凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に字高を変化させることによって図柄を表した印刷画線40を平行に印刷して、特殊潜像模様形成体41が形成される。
【0095】
この実施例9の特殊潜像模様形成体41を正面から観察すると、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に字高を変化させることによって図柄を表した印刷画線40が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線40の見えない部分が生じ、しかも印刷画線40の微小文字の字高の相違によって、この視認可能な画線幅に大小が生じる。この結果、印刷画線40に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識できる。
【0096】
このように、特殊潜像模様形成体39を斜めから観察することにより、所定の特殊潜像模様が生じるか否かで真偽判別を可能とする。又、実施例9も実施例6同様に、複写機を利用しても微小文字は正確に複写されないから、この点でも偽造防止効果がすぐれている。
【0097】
上記実施例9は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の字高を変化させることによって図柄を表した印刷画線40を平行に印刷したが、凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線に対して、傾斜を持たせて印刷画線を印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0098】
なお、実施例9では、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の字高を変化させることによって図柄を表す印刷画線を採用しているが、万線状に配列した白抜き微小文字、又は微小文字と白抜き微小文字双方の微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の字高を変化させることによって図柄を表すような印刷画線としてもよい。
【0099】
(実施例10)
図示はしないが、本発明の実施例を説明する。基材の表面には、図6で示した同様の万線模様の凹版印刷隆起画線が付与されている。この基材の表面の凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に画線幅(図25参照)及び字高(図26参照)を変化させることによって図柄を表した印刷画線を平行に印刷して、特殊潜像模様形成体が形成される。要するに、実施例10の特殊潜像模様形成体は、図26の高い字高の文字をの画線幅を太くしたものに相当する。よって、以下、図26を参考にして説明する。
【0100】
この実施例10の特殊潜像模様形成体を正面から観察すると(図26を参考)、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に画線幅及び字高を変化させることによって図柄を表した印刷画線が見える。これを斜めから観察すると、実施例1と同様に、凹版印刷隆起画線の凸条部によって印刷画線の見えない部分が生じ、しかも微小文字の画線幅や字高によっては、この視認可能な画線幅に大小が生じる。
【0101】
この結果、印刷画線40(図26を参考)に見掛け上の濃度差が生じ、全体として階調のある縞模様から成る所定の特殊潜像模様が認識でき、真偽判別が可能となる。実施例10も実施例6同様に、複写機を利用しても微小文字は正確に複写されないから、この点でも偽造防止効果がすぐれている。
【0102】
上記実施例10は、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅及び字高を変化させることによって図柄を表した印刷画線を平行に印刷したが、図柄を構成する部分以外の万線模様の凹版印刷隆起画線に対して、傾斜を持たせて印刷画線を印刷することにより特殊潜像模様形成体を形成してもよい。
【0103】
なお、実施例10では、万線状に配列した微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅及び字高を変化させることによって図柄を表す印刷画線を採用しているが、万線状に配列した白抜き微小文字、又は微小文字と白抜き微小文字双方の微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅及び字高を変化させることによって図柄を表すような印刷画線としてもよい。
【0104】
以上の実施例1〜10では、基材に万線模様の凹版印刷隆起画線を形成し、これに印刷画線を印刷する例をあげたが、特に万線模様の凹版印刷隆起画線でなくても、基材にレリーフ模様の凹版印刷隆起画線を形成したもの、あるいは万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を形成したものに印刷画線を印刷した構成でもよい。
【0105】
このように基材に、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の模様の凹版印刷隆起画線を形成した場合は、この凹版印刷隆起画線と印刷画線とで生じる模様は、万線模様の場合と異なるが、偽造防止機能については、万線模様の凹版印刷隆起画線を形成した場合と、基本的には変わらないので、夫々について説明は省略する。
【0106】
以上の実施例1〜10は、基材として万線模様等の凹版印刷隆起画線を有する基材上に印刷する印刷画線の主に形状的の特徴に基づいた実施例であるが、以下、印刷画線の印刷色や印刷手法の特徴に基づく実施例を説明する。
【0107】
(実施例11)
図27は、本発明の実施例11を説明する図であり、図27(a)は平面図を、図27(b)はそのD−D断面図を示している。基材42の一部又は全面に部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様の凹版印刷隆起画線43が、一定ピッチp1で、凹版印刷により基材と同色又は近似した色の凹版インキで隆起して印刷され、特殊潜像模様形成体44が形成されている。
【0108】
この基材42上に、印刷画線45が、図柄を構成する部分46以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分47に対して平行に連続的に色を変化させて印刷されている。図27(a)は、印刷画線の夫々についてその長手方向に、一つの色(例えば青)の濃度を連続的に変化させた印刷画線45を印刷した例である。
図27(c)は、複数本の印刷画線にわたって、一つの色(例えば青)の濃度を連続的に変化させて印刷した例である。
【0109】
この実施例11の特殊潜像模様形成体44、44’を正面から観察すると、図27(a)、(c)に示すように色が連続的に変化した万線に配列した印刷画線45、45’が見える。斜めから観察すると、図7において説明したと同様に、印刷画線の45、45’が凸条部の影となって部分的に見えないために、正面とは異なった視認可能な画線幅となり、この結果、連続的な色の変化に加え、さらに見かけ上の濃度変化を伴う特殊潜像模様が観察できる。この図柄を観察することにより、真偽判別が可能となる。
【0110】
なお、実施例11では、万線模様の凹版印刷隆起画線に対して、印刷画線45、45’を図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行に印刷したが、平行でなく角度を付けて印刷した構成としてもよい。
【0111】
又、実施例11では、印刷画線45、45’について色が連続的に変化する構成について説明したが、印刷画線でなくても、万線状の点列、又は万線及び万線状の点列双方の印刷画線について凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて連続的に色を変化させて印刷する構成としてもよい。
【0112】
なお、実施例11に示す印刷画線の色が連続的に変化させて印刷する構成については、実施例1〜10における印刷画線の印刷に適用してもよい。これによると、印刷画線の形状的な特徴に加えてと色の特徴が付加されて、印刷画線を多様化することができ、さらに偽造防止効果が向上する。
【0113】
(実施例12)
図28は、本発明の実施例12を説明する図である。図28(a)にその平面図を、そのE−E断面を図28(b)に示すように、基材42の一部又は全面に部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様の凹版印刷隆起画線43が、一定ピッチp1で凹版印刷により基材と同色又は近似した色の凹版インキで隆起して印刷され、特殊潜像模様形成体48が形成されている。
【0114】
この基材42上に、図28(a)に示す特殊潜像模様形成体48では、印刷画線49が、図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行に部分的に色を変化させて印刷されている。又、図28(c)に示す特殊潜像模様形成体48’では、基材42上に、印刷画線49’を、複数の色(例えば赤、緑、黄、青)で部分的に変化させて印刷されている。
【0115】
この実施例12の特殊潜像模様形成体48、48’を正面から観察すると、図28(a)、(c)に示すように部分的に変化した印刷画線49、49’が見える。斜めから観察すると、印刷画線が一部凹凸の陰となり見えないために、又凹版印刷隆起画線と印刷画線49、49’がなす縞模様が生じ、さらに正面とは異なった視認可能な画線幅となり、この結果、断続的な色の変化に加え、見かけ上の濃度変化を伴う特殊潜像模様が観察できる。この特殊潜像模様が観察できる。この図柄を観察することにより、真偽判別が可能となる。
【0116】
なお、実施例12(a)では、印刷画線を、図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行に印刷したが、図22(c)に示すように、印刷画線49、49’を平行でなく角度を付けて印刷した構成としてもよい。
【0117】
又、実施例12では、印刷画線49、49’について色が部分的に変化する構成について説明したが、印刷画線でなくても、万線状の点列、又は万線と万線状の点列双方の印刷について凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて部分的に色を変化させて印刷する構成としてもよい。
【0118】
なお、実施例12に示す印刷画線の色を部分的に変化させて印刷する構成については、実施例1〜10における印刷画線の印刷に適用してもよい。これによると、印刷画線の形状的な特徴に加えて色の特徴が付加されて、印刷画線を多様化することができ、さらに偽造防止効果が向上する。
【0119】
以上の実施例1〜12における印刷画線の印刷色は、無色透明又は基材の色と同じでは識別ができないから、このような色は除かれる。但し、実施例1〜10については、無色透明又は基材と同色でも、UV光を照射することにより発光するものであれば識別が可能で本発明の真偽判別の効果を奏することができる。
【0120】
このようなことを考慮すると、実施例1〜12における印刷画線は、次のインキにより印刷される。
▲1▼基材の色以外の有色インキ
▲2▼基材の色以外の有色の発光インキ
さらに、実施例1〜10については、無色透明又は基材と同色の発光インキが利用可能である。
【0121】
なお、▲3▼において、印刷画線を無色透明な発光インキ色で印刷する場合は、印刷画線の上又は下部に地紋画線を印刷すると、地紋への注目が増して、かえって発光インキによる無色透明な印刷画線による偽造防止効果が向上する。
【0122】
以上、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施の形態があることは言うまでもない。
【0123】
【発明の効果】
本発明に係る特殊潜像模様形成体は、以上のような構成であるから、凹版印刷隆起画線と交差する印刷画線の形状、デザイン、色彩等をいろいろと工夫することにより、斜めに観察した場合に生じる特殊潜像模様に階調を付与させる等、多様化させて、偽造、変造、改竄等しにくくし、偽造防止効果を高めることができる。又、かつ極めて容易に特定の文字、図柄などの有無が認識できる
【0124】
又、本発明に係る特殊潜像模様形成体は、公共性及び信頼性が要求される貴重印刷製品、例えば銀行券、パスポート、有価証券、カードなどの真偽の判別に際して、ある特定の方向から観察する時にのみ、特定の文字、図柄などを形成し、かつ極めて容易に特定の文字、図柄などの有無が認識できる。
【0125】
さらに、本発明に係る特殊潜像模様形成体は、カラー複写機及び写真製版法によって偽造しようとしても、隆起した画線の抽出が困難であり、万線画線、万線状点列又は万線画線と万線状点列双方の画線と地紋画線しか再現されず、複製物には複雑なモアレなどが発生するため文字、図柄などの認識ができない。
【0126】
このようにして、本発明に係る特殊潜像模様形成体は、隆起した画線、万線画線などを印刷機上で精度よく刷り合わせることによって高品質な潜像印刷物が作製でき、精密で複雑な模様を組み込んだ潜像印刷物が作製でき、また、印刷画線に潜像となる図柄とは異なる有意性のある図柄を付与できるために印刷画線に制約がなく、印刷面積の限られた高度な印刷の要求される貴重印刷製品、例えば銀行券、パスポート、有価証券、カードなどへの利用にきわめて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術を説明する図である。
【図2】 従来技術を説明する図である。
【図3】 従来技術を説明する図である。
【図4】 従来技術を説明する図である。
【図5】 従来技術を説明する図である。
【図6】 本発明の基本的な構成を説明する図である。
【図7】 図6記載の構成の作用を説明する図である。
【図8】 図6記載の構成の作用を説明する図である。
【図9】 本発明の構成を説明する図である。
【図10】 図9記載の構成の作用を説明する図である。
【図11】 図9記載の構成の作用を説明する図である。
【図12】 本発明の構成を説明する図である。
【図13】 図12記載の構成の作用を説明する図である。
【図14】 図12記載の構成の作用を説明する図である。
【図15】 本発明の構成を説明する図である。
【図16】 図15記載の構成の作用を説明する図である。
【図17】 図15記載の構成の作用を説明する図である。
【図18】 本発明の実施例1を説明する図である。
【図19】 本発明の実施例2を説明する図である。
【図20】 本発明の実施例3を説明する図である。
【図21】 本発明の実施例4を説明する図である。
【図22】 本発明の実施例5を説明する図である。
【図23】 本発明の実施例6を説明する図である。
【図24】 本発明の実施例7を説明する図である。
【図25】 本発明の実施例8を説明する図である。
【図26】 本発明の実施例9を説明し、実施例10の参考とする図である。
【図27】 本発明の実施例11を説明する図である。
【図28】 本発明の実施例12を説明する図である。
【符号の説明】
_
1 万線模様 _
2 万線画線
3 レリーフ模様_
4 紙_
5、42 基材_
6、46 部分的に角度の異なる部分(屈曲部)_
7、43 凹版印刷隆起画線_
8 平坦面_
9 凸条部_
10、12、14、16、21、23、26、29、32、34、36、38、40、45、45’、49、49’ 印刷画線_
11、13、15、17 特殊潜像模様
47 部分的に角度の異なる部分以外の部分
18−1、18−2、18−3、18−4、22、24、27、30、33、35、37、39、41、44、44’、48、48’ 特殊潜像模様形成体
19 基材
25、28、31 点列

Claims (6)

  1. 部分的に角度を異にすることによって図柄を表した万線模様、レリーフ模様、又は万線模様とレリーフ模様双方の凹版印刷隆起画線を有する基材上に、
    i)画線幅を変化させることで濃淡パターンを有する図柄を表した印刷画線を形成し、
    ii)万線状に配列した点列の粗密及び/又は大小によって、濃淡パターンを有する図柄を表した印刷画線を形成し、
    iii)万線状に配列した微小文字及び/又は万線状に配列した白抜き微小文字を、部分的又は連続的に微小文字の画線幅及び/又は字高を変化させることによって濃淡パターンを有する図柄を表した印刷画線を形成し、
    上記i)乃至上記iii)のいずれかの一つによって形成された上記印刷画線は、上記凹版印刷隆起画線の図柄を構成する部分以外の凹版印刷隆起画線を構成する部分に対して、平行又は傾斜を持たせて印刷されて成る特殊潜像模様形成体であって、
    前記特殊潜像模様形成体を正面から観察すると、前記印刷画線で施した前記濃淡パターンを有する図柄が確認され、斜めから観察すると濃度差を有する前記凹版印刷隆起画線の図柄が確認できることを特徴とする特殊潜像模様形成体。
  2. 上記印刷画線は、上記画線幅を段階的又は上記画線幅を連続的に変化させることで図柄を表していることを特徴とする請求項1記載の特殊潜像模様形成体。
  3. 上記印刷画線は、基材の色以外の有色インキ、基材の色以外の有色の発光インキ、無色透明発光インキ又は基材の色の発光インキによって印刷されていることを特徴とする請求項1又は2記載の特殊潜像模様形成体。
  4. 前記無色透明発光インキ又は前記基材の色の発光インキで上記印刷画線が印刷された場合において、
    上記印刷画線の上又は下部に基材の色以外の有色インキで地紋画線が印刷されていることを特徴とする請求項3記載の特殊潜像模様形成体。
  5. 上記印刷画線は、連続的に色を変化又は部分的に色を変化させて印刷されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の特殊潜像模様形成体。
  6. 上記凹版印刷隆起画線は、上記基材上に基材と同色又は近似色のインキにより凹版印刷されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の特殊潜像模様形成体。
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