JP5060455B2 - 偽造防止媒体 - Google Patents

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本発明は、偽造防止シート等の偽造防止媒体に関し、特に、潜像を用いた偽造防止構造に関する。
従来より、プリペイドカードや各種入場券、商品券や株券等の有価証券においては、広く流通しており比較的容易に換金可能である等の理由から、偽造犯罪が頻発している。特に、近年ではカラーコピー機等の複写機の性能向上と普及に伴い、簡単には真正品と見分けられない偽造品が比較的容易に製造可能になってきており、偽造に対する対策が求められている。また、上述したような有価証券に限らず、紙幣においても偽造に対する対策が求められている。
このような偽造に対する対策の1つとして、潜像を用いて有価証券や紙幣の真偽判別を可能とする技術が考えられており、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された技術は、シート基材上に、複数本の印刷万線と、この印刷万線と並列し、一部が印刷万線と直交する方向に延在し、かつ、断面が隆起したレリーフ万線とを設け、観察方向によって潜像を浮かび上がらせるものである。基材を正面から見た場合は全ての印刷万線が視認可能な状態となっている。ところが、観察方向を印刷万線及びレリーフ万線と直交する方向に変化させていくと、印刷万線のうちレリーフ万線が延在した部分がその延在したレリーフ万線の陰となって視認できなくなる一方、印刷万線のその他の部分は視認可能な状態のままとなる。これにより、レリーフ万線の形状に応じた潜像を浮かび上がらせることができる。
このように断面が隆起したレリーフ万線を設けたシート基材においては、複写した場合、表面に印刷された印刷万線を含む印刷情報は複写されるものの、レリーフ万線の隆起形状までは再現できない。そのため、複写物の観察方向を変化させていった場合であっても、潜像は浮かび上がらず、それにより、真偽判別を行うことが可能となる。
ところが、上述したように、シート基材上に、複数本の印刷万線と、この印刷万線と並列し、一部が印刷万線と直交する方向に延在し、かつ、断面が隆起したレリーフ万線とを設け、この印刷万線とレリーフ万線とで潜像を浮かび上がらせるものにおいては、印刷万線及びレリーフ万線と直交する方向から観察した場合にしか潜像が浮かび上がらず、潜像による真偽判別がしやすいとは言い難い。特に、観察方向が制限されている場合、潜像による真偽判別ができなくなる虞れがある。
そこで、本出願人は、基材表面に設けられた背景色領域とは異なる色を有する複数のマーク部をマトリックス状に配置するとともに、この複数のマーク部の配列方向と並行して行や列を構成する複数のエンボスからなるエンボス群を、背景色領域の色が頂部にて表出するように形成された第1のエンボス群と、頂部がマーク部を含むように形成された第2のエンボス群とから構成し、それにより、観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていった場合に、第1のエンボス群が配置された領域と第2のエンボス群が配置された領域とが異なる色に見え、その色の違いによって、観察方向に制限されることなく潜像による真偽判別を容易に行うことができる偽造防止媒体を考え出し、特許文献2に開示している。
特開2000−313161号公報 特開2008−30222号公報
本出願人は、上述したように潜像を用いて真偽判別を行う偽造防止媒体について鋭意研究を重ねた結果、上述したような第1のエンボス群が配置された領域と第2のエンボス群が配置された領域との色の違い、すなわち、2階調の色の違いによって潜像を浮かび上がらせるだけではなく、観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていった場合に、3階調の色を生じさせ、それにより、文字のみならず画像を潜像として浮かび上がらせる構成を考え出した。
本発明は、観察方向に制限されることなく潜像による真偽判別を容易に行うことができる偽造防止媒体において、観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていった場合に、3階調の色の違いによって潜像を浮かび上がらせることができる偽造防止媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
背景色領域と、前記背景色領域上にて該背景色領域とは異なる色を有してマトリックス状に配置された複数のマーク部とが基材表面に設けられてなる偽造防止媒体であって、
前記背景色領域の色が頂部にて表出する複数のエンボスが、前記複数のマーク部の配列方向と並行して行及び/または列を構成して形成された第1の領域と、
頂部に前記マーク部を含む複数のエンボスが、前記複数のマーク部の配列方向と並行して行及び/または列を構成して形成された第2の領域と、
前記複数のマーク部が配置された前記背景色領域上に、前記第1及び第2の領域における前記複数のエンボスの隣接ピッチ以上の幅を具備して配置され、前記エンボスが形成されていない第3の領域とを有する。
上記のように構成された本発明においては、基材を正面から観察した場合、基材表面の背景色領域に背景色領域とは異なる色でマトリックス状に設けられた複数のマーク部が認識される。基材には、第1の領域において背景色領域の色が頂部にて表出する複数のエンボスと、第2の領域において頂部にマーク部を含む複数のエンボスとが形成されているが、基材を正面から観察した場合は、エンボスは認識されずに複数のマーク部がマトリックス状となって認識されるだけである。この状態から観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、エンボスが形成された第1及び第2の領域においては、基材表面に形成された複数のエンボスの頂部以外の部分が、そのエンボスの観察方向側に隣接するエンボスによって隠れて見えなくなっていき、頂部のみが見えるような状態となる。その際、複数のエンボスのうち、第1の領域に形成されたエンボスにおいては背景色領域の色が頂部にて表出しており、また、第2の領域に形成されたエンボスにおいては背景色領域とは異なる色のマーク部が頂部にて表出しているため、第1の領域が背景色領域の色に見え、第2の領域がマーク部の色に見えるようになる。さらに、複数のマーク部が配置された背景色領域上には、エンボスが形成されていない第3の領域が設けられており、この第3の領域においては、第1及び第2の領域における複数のエンボスの隣接ピッチ以上の幅を具備しているため、観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていっても、背景色領域とマーク部とがエンボスによって隠れて見えなくなることがなく、背景色領域の色とマーク部の色とが混ざり合って見えることになる。それにより、第1の領域による色と第2の領域による色と第3の領域による色との3階調の色の違いによって潜像が浮かび上がってくる。
また、第3の領域が、第1の領域と第2の領域との境界部分に配置されていれば、第1の領域と第2の領域との境界に、第1の領域にて見える色と第2の領域にて見える色とが混ざり合った色が見えることになり、第1の領域から第2の領域に渡って見える色が徐々に変化し、それにより、特に潜像を画像とした場合に、その輪郭になめらかさを出すことができる。
また、第3の領域にてマーク部とそのマーク部に隣接する背景色領域のいずれにもエンボスが形成されていなければ、偽造防止媒体に対する観察方向を正面から変化させていった場合に、第3の領域において背景色領域とマーク部とがエンボスの影響を全く受けることがない。
以上説明したように本発明においては、背景色領域と、背景色領域上にて背景色領域とは異なる色を有してマトリックス状に配置された複数のマーク部とが基材表面に設けられ、さらに、背景色領域の色が頂部にて表出する複数のエンボスが、複数のマーク部の配列方向と並行して行及び/または列を構成して形成された第1の領域と、頂部にマーク部を含む複数のエンボスが、複数のマーク部の配列方向と並行して行及び/または列を構成して形成された第2の領域と、複数のマーク部が配置された背景色領域上に、第1及び第2の領域における複数のエンボスの隣接ピッチ以上の幅を具備して配置され、エンボスが形成されていない第3の領域とを有する構成としたため、観察方向を基材表面に対して鋭角をなす方向に変化させていくと、第1の領域による色と第2の領域による色と第3の領域による色との3階調の色の違いによって潜像を浮かび上がらせることができる。
また、第3の領域が、第1の領域と第2の領域との境界部分に配置されているものにおいては、第1の領域と第2の領域との境界に、第1の領域にて見える色と第2の領域にて見える色とが混ざり合った色が見えることになり、第1の領域から第2の領域に渡って見える色が徐々に変化し、それにより、特に潜像を画像とした場合に、その輪郭になめらかさを出すことができる。
また、第3の領域にてマーク部とそのマーク部に隣接する背景色領域のいずれにもエンボスが形成されていないものにおいては、偽造防止媒体に対する観察方向を正面から変化させていった場合に、第3の領域において背景色領域とマーク部とがエンボスの影響を全く受けることがない。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の偽造防止媒体の実施の一形態となる偽造防止シートを示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示した偽造防止構造10の詳細な構成を示す図、(c)は(b)に示した偽造防止構造10を背景色領域11とマーク部12とエンボス13との関係によって3つの領域に分割した状態を示す図、(d)は(b)に示した偽造防止構造10における背景色領域11とマーク部12との関係を示す図、(e)は(b)に示した偽造防止構造10におけるエンボス13の形成領域を示す図、(f)は(c)に示した第1の領域14に形成されたエンボス13の構成を示す図、(g)は(c)に示した第2の領域15に形成されたエンボス13の構成を示す図である。
本形態の偽造防止シート1は図1(a)に示すように、紙からなるシート基材2の一部の領域に偽造防止構造10が設けられて構成されている。シート基材2は、基材表面となる平面部3を有し、この平面部3の一部の領域に情報印刷領域4が設けられるとともに、他の領域に偽造防止構造10が設けられている。このように構成された偽造防止シート1は、例えば、コンサート等の入場チケットとして用いることが考えられる。その場合、コンサートの内容や会場名、座席番号等が情報印刷領域4に印刷されることになる。また、シート基材2の情報印刷領域4に情報が印刷される前に、シート基材2に対してプレ印刷として地紋を印刷したり所定の色に着色したりすることも考えられるが、その場合、偽造防止構造10による潜像が見にくくならないようにする必要がある。
図1(b),(d)に示すように、シート基材2に設けられた偽造防止構造10には、シート基材2の平面部3のベース色とは異なる黒色からなる背景色領域11上に、背景色領域11とは異なる白色からなる複数のマーク部12がマトリックス状に配置されている。そして、複数のマーク部12がマトリックス状に配置された領域には、複数のエンボス13が形成されている。
また、偽造防止構造10は、図1(c)に示すように、この偽造防止構造10によって浮かび上がらせる潜像に応じた形状を有する第1の領域14と第2の領域15と第3の領域16とを有している。そして、これら第1の領域14、第2の領域15及び第3の領域16は、図1(b),(c),(e)に示すように、背景色領域11とマーク部12とエンボス13との関係が互いに異なるものであり、第1の領域14及び第2の領域15にはエンボス13が形成され、第3の領域16にはエンボス13が形成されていない。第1の領域14及び第2の領域15に形成されたエンボス13は、図1(f),(g)に示すように、シート基材2をエンボス版等で平面部3側から0.02〜0.1mm程度窪ませることにより形成されるドーム状の形状であって、その頂部13aからシート基材2の窪み方向に向かうに従ってその断面積が徐々に広くなり、エンボス13の底部においては、直径が0.5mm以下の円形状となっている。
第1の領域14に形成されたエンボス13は図1(b)に示すように、マトリックス状に配置された複数のマーク部12間に形成されており、それにより、図1(f)示すように、4つのマーク部12に囲まれた部分の背景色領域11の黒色が頂部13aにて表出している。そして、第1の領域14においては、エンボス13間にマーク部12が配置された状態となっている。また、第2の領域15に形成されたエンボス13は図1(b)に示すように、マトリックス状に配置された複数のマーク部12に重なるように形成されており、それにより、図1(g)に示すように、頂部13aにマーク部12を含むようなものとなっている。そして、第2の領域15においては、背景色領域11はエンボス13間に配置された状態となっている。このように、第1の領域14及び第2の領域15に形成されたエンボス13は、第1の領域14及び第2の領域15において複数のマーク部12の配列方向と並行して行や列を構成して形成されている。
また、図1(b),(c),(e)に示すように、第3の領域16は、第1の領域14と第2の領域15との境界部分と、第1の領域14に囲まれる部分と、第2の領域15に囲まれる部分とのそれぞれにおいて、第1の領域14及び第2の領域におけるエンボス13の隣接ピッチt以上の幅wを有して配置されており、エンボス13が形成されていない。さらに、第1の領域14と第2の領域15との境界部分と、第2の領域15に囲まれる部分においては、マーク部12とそのマーク部12に隣接する背景色領域11のいずれにもエンボス13が形成されていない。なお、第3の領域16の幅wとは、複数のエンボス13どうしの間隔を示す。具体的には、第1の領域14と第2の領域15との境界部分においては、第1の領域14に形成されたエンボス13と第2の領域15に形成されたエンボス13との間隔であり、第1の領域14に囲まれる部分においては、第1の領域14に形成されたエンボス13どうしの間隔であり、第2の領域15に囲まれる部分においては、第2の領域15に形成されたエンボス13どうしの間隔である。すなわち、第3の領域16の幅とは、帯状となった領域における幅に限らず、一定の面積を有する帯状でないものにおいても、そのエンボス13間の間隔を幅と称する。
以下に、上記のように構成された偽造防止シート1の製造方法について説明する。
まず、シート基材2の偽造防止構造10が設けられる領域に、白色のマーク部12がマトリックス状に残るように背景色領域11を黒色で印刷する。なお、この背景色領域11の印刷は、上述したようなプレ印刷と同時に行ってもよいし、上述したプレ印刷を行った後に行ってもよい。
次に、背景色領域11が印刷された領域のうち、第1の領域14及び第2の領域15に、エンボス版を用いてエンボス13を形成する。このエンボス13は、第1の領域14においては複数のマーク部12間に形成し、また、第2の領域15においてはマーク部12に重なるように形成する。
上述したようにして偽造防止シート1が製造され、その後、用途に応じた情報がシート基材2の情報印刷領域4に印刷されて使用されることになる。
以下に、上述した偽造防止シート1の作用について説明する。
まず、図1に示した偽造防止シート1を正面、すなわち、シート基材2の平面部3の法線方向から観察した場合の作用について説明する。
図2は、図1に示した偽造防止シート1を正面から観察した場合の作用を説明するための図であり、(a)は第1の領域14について断面方向から見た図、(b)は第2の領域15について断面方向から見た図、(c)は偽造防止構造10における背景色領域11とマーク部12の見え方を示す図である。
図1に示した偽造防止シート1を、図2(a),(b)に示すように、正面、すなわち平面部3の法線方向から観察した場合、エンボス13の高さ方向から観察することになるため、シート基材2に形成されたエンボス13は認識されず、図2(c)に示すように、黒色の背景色領域11上にマトリックス状に配置された白色のマーク部12が認識されるだけである。そのため、偽造防止シート1を平面部3の法線方向から観察した場合は、第1の領域14と第2の領域15と第3の領域16とによる潜像は浮かび上がってこない。
次に、図1に示した偽造防止シート1に対する観察方向を正面、すなわち、シート基材2の平面部3の法線方向から変化させていった場合の作用について説明する。
図3は、図1に示した偽造防止シート1に対する観察方向を正面から変化させていった場合の作用を説明するための図であり、(a)は第1の領域14について側面方向から見た図、(b)は第2の領域15について側面方向から見た図、(c)は第3の領域16について側面方向から見た図、(d)は偽造防止構造10全体の見え方を示す図である。
図1に示した偽造防止シート1に対する観察方向を正面から変化させていくと、シート基材2の平面部3に対する観察方向のなす角度が鋭角になっていく。すると、図3(a),(b)に示すように、第1の領域14と第2の領域15においては、エンボス13の頂部13a以外の領域とエンボス13間の領域とが、そのエンボス13の観察方向側に隣接するエンボス13によって隠れて見えなくなっていき、エンボス13の頂部13aのみが見えるような状態となる。
ここで、複数のエンボス13のうち、第1の領域14に形成されたエンボス13においては、図1(f)に示したように、背景色領域11の黒色が頂部13aにて表出しており、また、第2の領域15に形成されたエンボス13においては、図1(g)に示したように、背景色領域11とは異なる白色のマーク部12が頂部13aにて表出している。
そのため、偽造防止シート1に対する観察方向を、例えば図1中下側に変化させていき、複数のエンボス13の頂部13a以外の領域とエンボス13間の領域とがそのエンボス13の観察方向側に隣接するエンボス13によって隠れて見えなくなっていき、エンボスの頂部13aのみが見えるような状態となると、第1の領域14においては背景色領域11による黒色に見え、第2の領域15においてはマーク部12による白色に見えるようになる。
また、第3の領域16においては、第1の領域14や第2の領域15におけるエンボス13の隣接ピッチt以上の幅wだけエンボス13が形成されていないため、図3(c)に示すように、偽造防止シート1に対する観察方向を正面から変化させていっても、第3の領域16に配置された背景色領域11とマーク部12は、第3の領域16の観察方向側に隣接するエンボス13によって隠れることがなく、それにより、背景色領域11の色とマーク部12の色とが混ざり合って見えることになる。さらに、第3の領域16のうち、第1の領域14と第2の領域15との境界部分と、第2の領域15に囲まれる部分においては、マーク部12とそのマーク部12に隣接する背景色領域11のいずれにもエンボス13が形成されていないため、偽造防止シート1に対する観察方向を正面から変化させていった場合に、背景色領域11とマーク部12とがエンボス13の影響を全く受けることがない。
このように、偽造防止シート1に対する観察方向を正面から変化させていった場合、第1の領域14においては背景色領域11による黒色に見え、第2の領域15においてはマーク部12による白色に見え、第3の領域16においては背景色領域11の色とマーク部12の色とが混ざり合った灰色に見えることから、図3(d)に示すように、第1の領域14による色と第2の領域15による色と第3の領域16による色との3階調の色の違いによって潜像が浮かび上がってくる。
ここで、図1に示した偽造防止シート1においては、背景色領域11に複数のマーク部12がマトリックス状に配置され、第1の領域14及び第2の領域15に形成されたエンボス13は、複数のマーク部12の配列方向と並行して行及び/または列を構成して形成されているので、平面部3に対して鋭角をなすどの方向から観察した場合であっても、第1の領域14及び第2の領域15においては、エンボス13の頂部13a以外の領域とエンボス13間の領域とが、そのエンボス13の観察方向側に隣接するエンボス13によって隠れて見えなくなっていき、エンボス13の頂部13aのみが見えるような状態となり、また、第3の領域16においては、背景色領域11とマーク部12とが、第3の領域16の観察方向側に隣接するエンボス13によって隠れることがないため、偽造防止シート1に対する観察方向をどの方向に変化させていった場合であっても、上記同様の作用が生じる。
上述した偽造防止シート1は、複写した場合、シート基材2の情報印刷領域4に印刷された情報や、シート基材2に印刷により設けられた背景色領域11及びマーク部12は複写されるものの、エンボス13までは再現できない。そのため、複写物の観察方向を変えていった場合であっても、上述したようなエンボス13の作用による潜像は浮かび上がらず、それにより、真偽判別を行うことが可能となる。
なお、本形態におけるエンボス13の高さや底部の寸法については、上述したものに限らず、適宜設定が可能である。
また、エンボス13の形状においては、本形態にて示したドーム型のものの他に、円錐から頂点の部分が取り除かれた形状のもの、あるいは、円柱形のものや円錐形のものとすることも考えられる。また、断面が矩形状となるものとすることも考えられる。
また、第1の領域14と第2の領域15と第3の領域16とが配置される相対位置は、本形態のように、第1の領域14が第3の領域16を取り囲み、第3の領域16が第2の領域15を取り囲むものには限定されない。ただし、第3の領域16が第1の領域14と第2の領域15との境界部分に配置されていれば、第1の領域14と第2の領域15との境界に、第1の領域14にて見える黒色と第2の領域15にて見える白色とが混ざり合った灰色が見えることになり、第1の領域14から第2の領域15に渡って見える色が徐々に変化し、それにより、特に潜像を画像とした場合に、その輪郭になめらかさを出すことができる。
また、背景色領域11の色とマーク部12の色は、本形態においては、背景色領域11を黒色とし、マーク部12を白色としたが、背景色領域11を白色とし、マーク部12を黒色としてもよく、また、互いに異なる色であれば、白色や黒色に限らない。
また、本形態においては、偽造防止媒体として、紙からなるシート基材2に偽造防止構造10が設けられた偽造防止シート1を例に挙げて説明したが、本発明はこのような偽造防止シート1に限らず、フィルムからなるシート基材や複数の樹脂層が積層されてなるカード基材に上述したような偽造防止構造10を設けたものにも適用することが可能である。
本発明の偽造防止媒体の実施の一形態となる偽造防止シートを示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は(a)に示した偽造防止構造の詳細な構成を示す図、(c)は(b)に示した偽造防止構造を背景色領域とマーク部とエンボスとの関係によって3つの領域に分割した状態を示す図、(d)は(b)に示した偽造防止構造における背景色領域とマーク部との関係を示す図、(e)は(b)に示した偽造防止構造におけるエンボスの形成領域を示す図、(f)は(c)に示した第1の領域に形成されたエンボスの構成を示す図、(f)は(c)に示した第2の領域に形成されたエンボスの構成を示す図である。 図1に示した偽造防止シートを正面から観察した場合の作用を説明するための図であり、(a)は第1の領域について断面方向から見た図、(b)は第2の領域について断面方向から見た図、(c)は偽造防止構造における背景色領域とマーク部の見え方を示す図である。 図1に示した偽造防止シートに対する観察方向を正面から変化させていった場合の作用を説明するための図であり、(a)は第1の領域について側面方向から見た図、(b)は第2の領域について側面方向から見た図、(c)は第3の領域について側面方向から見た図、(d)は偽造防止構造全体の見え方を示す図である。
符号の説明
1 偽造防止シート
2 シート基材
3 平面部
4 情報印刷領域
10 偽造防止構造
11 背景色領域
12 マーク部
13 エンボス
13a 頂部
14 第1の領域
15 第2の領域
16 第3の領域

Claims (3)

  1. 背景色領域と、前記背景色領域上にて該背景色領域とは異なる色を有してマトリックス状に配置された複数のマーク部とが基材表面に設けられてなる偽造防止媒体であって、
    前記背景色領域の色が頂部にて表出する複数のエンボスが、前記複数のマーク部の配列方向と並行して行及び/または列を構成して形成された第1の領域と、
    頂部に前記マーク部を含む複数のエンボスが、前記複数のマーク部の配列方向と並行して行及び/または列を構成して形成された第2の領域と、
    前記複数のマーク部が配置された前記背景色領域上に、前記第1及び第2の領域における前記複数のエンボスの隣接ピッチ以上の幅を具備して配置され、前記エンボスが形成されていない第3の領域とを有する偽造防止媒体。
  2. 請求項1に記載の偽造防止媒体において、
    前記第3の領域は、前記第1の領域と前記第2の領域との境界部分に配置されている偽造防止媒体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体において、
    前記第3の領域は、前記マーク部と該マーク部に隣接する背景色領域のいずれにも前記エンボスが形成されていない偽造防止媒体。
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