JP2003165289A - マイクロパターンを有する印刷物 - Google Patents
マイクロパターンを有する印刷物Info
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Abstract
ンを設けた部分全体が単調なベタ部分にしか見えないマ
イクロパターンを有する印刷物を提供する。 【解決手段】 面状に集合した多数のマイクロパターン
を有し且つ肉眼で認識される印刷面の明るさが異なるマ
イクロパターン集合領域を2種以上組み合わせ、多数連
続させて基体シートの表面に形成した印刷物であって、
JIS Z 8729に記載されているL*a*b*表
色系における最も暗いマイクロパターン集合領域の平均
のL*値と他のマイクロパターン集合領域に係る各々の
平均のL*値との差ΔL*値がいずれも15以内となる
ように、少なくともΔL*値が15を超えるマイクロパ
ターン集合領域についてマイクロパターン以外の背景部
分を埋める補正パターンがそれぞれ設けられている。
Description
では、面状にマイクロパターンを設けた部分全体が単調
なベタ部分にしか見えないマイクロパターンを有する印
刷物に関する。
コピー機やスキャナーで複製、再現ができない程度の微
細な文字、図形等(以下マイクロパターンと称する)を
一列に並べた印刷物が知られている。
物においてマイクロパターンの列が文字等のアンダーラ
イン、直線罫線、波形罫線の様に肉眼では見えるが、こ
の部分をルーペなどを用いて拡大して観察すれば各マイ
クロパターンの形状が認識されるというものである。例
えば、記番号が褐色または暗緑色のお札には、上記した
ような線状部分の一部を構成するように「NIPPON GINK
O」といったマイクロパターンの列が印刷されている。
ナーで複製したとき、パターンを作っている画線が太い
あるいは画線密度が高い場合は潰れ、逆にパターンを作
っている画線が細い場合には掠れて正確なパターンとし
て再現されない。つまり、複写された印刷物のマイクロ
パターン部分を拡大して調べれば、複製された印刷物で
あることが判る仕組みとなっている。
し、本発明者らは、マイクロパターン2を面状に集合さ
せることにより、肉眼ではベタ部分にしか見えないよう
にすることを考えたが、その場合、次のような問題を生
じることがわかった。
は、形状の違いによってその形成領域における画像の構
成する画線部面積、つまりインキの載る面積の割合が異
なる。そのため、上記のように多数のマイクロパターン
2を面状に集合させたとき、肉眼で認識される印刷面の
明るさが異なる2種以上のマイクロパターン集合領域、
つまり調子の異なるベタ部分が存在する場合が発生す
る。例えば、図2に示すように、黒色の「M」「I」
「C」「R」「O」の文字からなるマイクロパターン2
を、各文字毎に多数、面状に集合させた場合、「M」の
マイクロパターン集合領域1が濃く、「I」のマイクロ
パターン集合領域1が極端に薄い5個の異なる四角いベ
タ部分で形成されているように見えてしまう。
の部分に何らかの細工がされているようなことが容易に
わかるため、偽造を企む者に対して克服すべき箇所を教
えてしまう。つまり、偽造防止効果に乏しくなるという
問題があった。
を解決し、通常の視認状態では、面状にマイクロパター
ンを設けた部分全体が単調なベタ部分にしか見えないマ
イクロパターンを有する印刷物を提供することにある。
に、本発明のマイクロパターンを有する印刷物は、面状
に集合した多数のマイクロパターンを有し且つ肉眼で認
識される印刷面の明るさが異なるマイクロパターン集合
領域を2種以上組み合わせ、多数連続させて基体シート
の表面に形成した印刷物であって、JIS Z 872
9に記載されているL*a*b*表色系における最も暗
いマイクロパターン集合領域の平均のL *値と他のマイ
クロパターン集合領域に係る各々の平均のL*値との差
ΔL*値がいずれも15以内となるように、少なくとも
ΔL*値が15を超えるマイクロパターン集合領域につ
いてマイクロパターン以外の背景部分を埋める補正パタ
ーンがそれぞれ設けられているように構成した。
729に記載されているL*a*b *表色系における最
も暗いマイクロパターン集合領域の平均のL*値と他の
マイクロパターン集合領域に係る各々の平均のL*値と
の差ΔL*値がいずれも10以内となるように、少なく
ともΔL*値が10を超えるマイクロパターン集合領域
についてマイクロパターン以外の背景部分を埋める補正
パターンがそれぞれ設けられているようにした。
つのマイクロパターン集合領域において、マイクロパタ
ーンが同一形状で一定の微細なピッチで規則正しく網目
状に配列されている部分を有するようにした。
ン集合領域において、同一領域内にマイクロパターンが
同一形状で一定の微細なピッチで規則正しく網目状に配
列されている部分を有するとともに、これらのマイクロ
パターン集合領域が少なくとも2種の配列状態を有する
ようにしてもよい。
る構成において、上記補正パターンが、FMスクリーン
による無地網であるようにした。
のマイクロパターンを有する印刷物を詳細に説明する。
する印刷物の面状にマイクロパターンを設けた部分の実
施例およびその拡大内容を示す模式図、図2は補正パタ
ーンを設けていない比較例を示す模式図、図3は図1及
び図2の面状にマイクロパターンを設けた部分の比較実
験に用いた印刷物を示す平面図、図4は本発明に係るマ
イクロパターンを有する印刷の上にレンズシートを配置
した状態を示す断面図、図5は図4において拡大された
虚像を説明する模式図である。図中、1はマイクロパタ
ーン集合領域、2はマイクロパターン、3は補正パター
ン、4は白色カード基材、5は補正されたパターン、6
は補正されていないパターン、7は透明基板、8は凸状
集光素、9はレンズシート、10はマイクロパターンを
有する印刷物、11は拡大された虚像をそれぞれ示す。
10は、面状に集合した多数のマイクロパターン2を有
し且つ肉眼で認識される印刷面の明るさが異なるマイク
ロパターン集合領域1を2種以上組み合わせ、多数連続
させて基体シートの表面に形成した印刷物において、通
常の視認状態ではマイクロパターン2を設けた部分全体
が単調なベタ部分にしか見えないようにするために、マ
イクロパターン集合領域1間の色の明度の差をできるだ
け少なく抑えたものである。具体的には、少なくとも明
度の低すぎるマイクロパターン集合領域1について、マ
イクロパターン2以外の背景部分を埋める補正パターン
3をそれぞれ設けることによって補正を行なった。
は、コピー機やスキャナーで複製、再現ができない程度
の微細な文字(この場合をマイクロ文字ともいう)、図
形等であり、ロゴ、マーク、エンブレム等の複雑なもの
も含まれる。図1中において言えば、「M」「I」
「C」「R」「O」の一つ一つの文字がマイクロパター
ン2である。また、面状に集合した多数のマイクロパタ
ーン2を有するマイクロパターン集合領域1は一見ベタ
部分にしか見えないものであるが、補正パターン3を設
けない状態では、肉眼で認識される印刷面の明るさが異
なる2種以上のマイクロパターン集合領域1、つまり調
子の異なるベタ部分が存在する。
されている測定方法に従い、色差計により各マイクロパ
ターン集合領域1のL*a*b*表色系における明度指
数L *値を測定しその平均値で表現した。そして、どの
程度の明度の差ならば単調なベタ部分として認識される
かを20人の被験者に試したところ、最も暗いマイクロ
パターン集合領域1の平均のL*値と他のマイクロパタ
ーン集合領域1に係る各々の平均のL*値との差ΔL*
値がいずれも15以内である場合には過半数以上の人が
認識したことから、このΔL*値15を補正パターン3
を設ける際の基準とし、少なくともΔL*値が15を超
えるマイクロパターン集合領域1についてΔL*値が1
5以内となるように補正パターン3を設けた。
ロパターン集合領域1の平均のL*値と他のマイクロパ
ターン集合領域1に係る各々の平均のL*値との差ΔL
*値がいずれも10以内である場合には全員の人が単調
なベタ部分として認識したことから、このΔL*値10
を補正パターン3を設ける際の基準とし、少なくともΔ
L*値が10を超えるマイクロパターン集合領域1につ
いてΔL*値が10以内となるように補正パターン3を
設けるようにすれば、より確実に本発明の目的を達成で
きるため好ましい。
は、背景部分の面積計算から最も暗いマイクロパターン
集合領域1との差分を読み取り、最も暗いマイクロパタ
ーン集合領域1との逆差分に相当する無地網を個々のマ
イクロパターン集合領域1の背景部分に埋め合わせて印
刷するという方法によって明度調整を行うものである。
ここで、無地網とは、無階調の均一な明度を有した網点
集合体のことをいう。
な明度調整ができるのであれば、無地網に限定されな
い。例えば、特色インキを用いてベタで印刷してもよ
い。
物10は、マイクロパターン2の集合により本発明のよ
うにベタ部分を構成する場合、従来技術のように線部分
を構成する場合のいずれの場合でも、複写された印刷物
のマイクロパターン2部分をルーペ等により拡大してそ
の形状を調べれば、複製された印刷物であるか否かが判
る仕組みとなっているが、このマイクロパターン2の形
状を真似て偽造される可能性もある。そこで、真偽判定
をさらに容易かつ確実するために、モアレ現象を利用し
て拡大点描画模様を得る装飾手段(特開2001−55
000号公報参照)をマイクロパターンに対して用いる
ことが考えられる。具体的には、少なくとも1つのマイ
クロパターン集合領域1において、マイクロパターン2
が同一形状で一定の微細なピッチで規則正しく網目状に
配列されている部分を有するようにするのである(図1
参照)。この場合の真偽判定は、透明基板7の表面に上
記網目状に配列されたマイクロパターン2と同配列状態
に凸状集光素8を設けた透明シート(以下、レンズシー
トという)を用いて上記一定配列の凸状集光素8を印刷
物の一定配列のマイクロパターンに対して交差角をずら
せて配置する(図4参照)ことにより、マイクロパター
ン2の拡大された虚像11を現出させ(図5参照)、こ
の虚像の発生で複製された印刷物であるか否かの判定を
行なう。したがって、マイクロパターンの形状を真似る
だけでは虚像を発生させることはできないため、偽造が
より困難となる。
刷物のマイクロパターン2とが少なくとも一組が上下に
おいて完全に重なっていて、該重なっているマイクロパ
ターン2と等距離にある他のマイクロパターン2が該他
のマイクロパターン2と対応する凸状集光素8に対して
該重なっているマイクロパターン2を中心として放射状
に外側へ向かってずれて、該中心となるマイクロパター
ン2よりも外側のマイクロパターン2ほどずれる幅が大
きくなるようにレンズシート9の凸状集光素8と印刷物
のマイクロパターン2とを配置すると、マイクロパター
ン2の拡大された虚像11を実際の位置よりも手前に浮
かんで現出させることができる。また、放射造に内側に
向かってずれる場合、虚像を実際の位置よりも奥に沈ん
で現出される。したがって、この場合、単にマイクロパ
ターン2の拡大された虚像11を発生できる印刷物に比
べて、偽造がより困難となる。
像を視認させる場合、少なくとも2以上のマイクロパタ
ーン集合領域1において、同一領域内にマイクロパター
ン2が同一形状で一定の微細なピッチで規則正しく網目
状に配列されている部分を有するとともに、これらのマ
イクロパターン集合領域1が少なくとも2種の配列状態
を有するようにすれば、偽造防止効果という点でより好
ましい。つまり、虚像を現出可能な領域間でピッチが異
なるものがあれば、全ての虚像を確認するためにはピッ
チの種類の数だけレンズシート9の数を必要とする。ま
た、虚像を現出可能な領域間で配列方向が回転してずれ
ているものがあれば、全ての虚像を確認するためには回
転の種類の数だけレンズシート9の置き直しを必要とす
る。
ターン2の虚像を視認させる場合、補正パターン3の無
地網はFMスクリーンによるものを用いるのがよい。何
故なら、FMスクリーンは、通常の印刷で使用されてい
るような階調表現を網点の大小で表すAMスクリーンと
は違い、階調表現を微小網点の個数で表すものであり、
レンズシート9を載せてもモアレが発生しない。したが
って、拡大されたマイクロパターン2の虚像を確認する
際に、背景部分のモアレが邪魔になることがない。
黒色の「M」「I」「C」「R」「O」の文字からなる
マイクロパターン2を各々6列12行づつ、列のピッチ
を順に18、22、18、22、18μmの間隔で配列
して印刷した。このマイクロパターン2を有する印刷物
は、図2に示すように「M」のマイクロパターン集合領
域1が濃く、「I」のマイクロパターン集合領域1が極
端に薄い5個の異なる四角いベタ部分で形成されている
ように見えてしまう。
域1にはやや濃い目、「C」「R」「O」のマイクロパ
ターン集合領域1にはやや薄めのFMスクリーンがパタ
ーン形成されるようにデザイン設計の段階で、それぞれ
のマイクロパターン集合領域1の背景に25%、5%、
5%、7%といった様な無階調の無地網データをデザイ
ニングして設けることにより、「I」「C」「R」
「O」のマイクロパターン集合領域1の「M」のマイク
ロパターン集合領域1に対する明度差ΔL*値を15以
下になるようにして、一つの長方形のベタ部分で形成さ
れているように見えるようにした(図1参照)。
a)及び図2の補正されていないパターン6(パターン
b)を、図3に示すように白色カード基材4に2個づつ
並べて形成し、20人の被験者に『偽造防止パターンが
あるところがどこか?』という質問をしたところ、全員
が『パターンbのベタ部分にある』と指摘したが、『パ
ターンaの部分にもある』と指摘したものは過半数にも
満たなかった。
上に、透明基板上に凸状集光素が所定の間隔で複数設け
られたレンズシートを重ねたところ、肉眼では視認でき
なかった「M」「I」「C」「R」「O」の各マイクロ
パターン2が15倍程度に拡大されて「MICRO」と
いう一つの単語として浮かび上がった。
物は、前記した構成からなるので、次のような効果を有
する。
パターン集合領域についてマイクロパターン以外の背景
部分を埋める補正パターンをそれぞれ設けることによっ
て、マイクロパターン集合領域間の色の明度の差をでき
るだけ少なく抑えた。したがって、本発明のマイクロパ
ターンを有する印刷物は、通常の視認状態では、面状に
マイクロパターンを設けた部分全体が単調なベタ部分に
しか見えず、見栄えの良いものであった。また、偽造を
企む者に対してもどの部分に細工がされていることが容
易にはわからないため、偽造防止効果に優れている。
の面状にマイクロパターンを設けた部分の実施例および
その拡大内容を示す模式図である。
図である。
た部分の比較実験に用いた印刷物を示す平面図である。
上にレンズシートを配置した状態を示す断面図である。
である。
Claims (5)
- 【請求項1】 面状に集合した多数のマイクロパターン
を有し且つ肉眼で認識される印刷面の明るさが異なるマ
イクロパターン集合領域を2種以上組み合わせ、多数連
続させて基体シートの表面に形成した印刷物であって、 JIS Z 8729に記載されているL*a*b*表
色系における最も暗いマイクロパターン集合領域の平均
のL*値と他のマイクロパターン集合領域に係る各々の
平均のL*値との差ΔL*値がいずれも15以内となる
ように、少なくともΔL*値が15を超えるマイクロパ
ターン集合領域についてマイクロパターン以外の背景部
分を埋める補正パターンがそれぞれ設けられていること
を特徴とするマイクロパターンを有する印刷物。 - 【請求項2】 JIS Z 8729に記載されている
L*a*b*表色系における最も暗いマイクロパターン
集合領域の平均のL*値と他のマイクロパターン集合領
域に係る各々の平均のL*値との差ΔL*値がいずれも
10以内となるように、少なくともΔL*値が10を超
えるマイクロパターン集合領域についてマイクロパター
ン以外の背景部分を埋める補正パターンがそれぞれ設け
られている請求項1記載のマイクロパターンを有する印
刷物。 - 【請求項3】 少なくとも1つのマイクロパターン集合
領域において、マイクロパターンが同一形状で一定の微
細なピッチで規則正しく網目状に配列されている部分を
有する請求項1又は請求項2のいずれかに記載のマイク
ロパターンを有する印刷物。 - 【請求項4】 少なくとも2以上のマイクロパターン集
合領域において、同一領域内にマイクロパターンが同一
形状で一定の微細なピッチで規則正しく網目状に配列さ
れている部分を有するとともに、これらのマイクロパタ
ーン集合領域が少なくとも2種の配列状態を有する請求
項3に記載のマイクロパターンを有する印刷物。 - 【請求項5】 上記補正パターンが、FMスクリーンに
よる無地網である請求項3または請求項4のいずれかに
記載のマイクロパターンを有する印刷物。
Priority Applications (1)
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JP2001368008A JP3909238B2 (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | マイクロパターンを有する印刷物 |
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