JP4733237B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、家庭用コージェネレーションシステム、ポータブル電源、電気自動車用電源等に使用される燃料電池、特に高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、基本的に、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜、ならびに高分子電解質膜を挟持する一対の触媒電極(燃料極および空気極)から構成される。上記構成を有する燃料電池の燃料極に水素を含む燃料ガスを供給し、空気極に酸素を含む酸化ガスを供給することで、電気エネルギを継続的に取り出すことができる。
高分子電解質膜は、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜や、炭化水素樹脂系イオン交換膜のような高分子イオン交換膜などを有する電解質から構成される。また、高分子電解質膜が、イオン輸送機能を有するためには、高分子電解質膜が一定量の水分を含むことが必要である。
触媒電極は、高分子電解質膜側に位置し、触媒電極内における酸化還元反応を促進させる触媒層と、触媒層の外側に位置し、通気性および導電性を併せ持つガス拡散層とから構成される。触媒層は、白金族金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする。さらに、ガス拡散層は、触媒層側に位置し、触媒層との接触性を向上させるカーボンコート層と、外部から供給されるガスを拡散させて、触媒層に供給するための基材層とから構成される。これら高分子電解質膜および一対の触媒電極(触媒層、カーボンコート層およびガス拡散基材層)を一体化したものは、膜電極接合体(membrane electrode assembly;以下「MEA」という)と呼ばれる。
MEAを機械的に固定し、かつMEAに供給される燃料ガスと酸化ガスとが混ざらないようにするため、燃料電池はMEAを挟むセパレータを有する。
反応ガスをMEAに供給するための反応ガス流路は、ガス拡散層などに形成されることもあるが、通常は、セパレータの表面のうちMEAに接する面に形成される。反応ガス流路は、セパレータに設けられたマニホールド孔と接続している。マニホールド孔と接続した反応ガス流路を通じて、触媒電極に反応ガスを供給したり、未反応の余剰ガスを排出することができる。また、反応ガス流路に供給される反応ガスは予め加湿されていてもよい。
このようにMEAおよび一対のセパレータからなる燃料電池単セルを積層し、集電板、絶縁板および端板で挟むことで燃料電池スタックが構成される。燃料電池スタックは通常、締結ロッドで固定されている。
上記構成を有する燃料電池において、燃料極に水素を含む燃料ガスを、空気極に酸素を含む酸化ガスを供給すると、以下の反応により電気エネルギを得ることができる。
まず、燃料極に供給された水素は、燃料極のガス拡散層を拡散し触媒層に達する。触媒層において、水素は、水素イオンと電子に分けられる。水素イオンは、保水状態の高分子電解質膜を通して空気極に移動する。電子は、MEAに接触したセパレータを通って燃料極から空気極に移動する。燃料極から空気極へ移動する電子は、電気エネルギとして利用されうる。空気極の触媒層では、高分子電解質膜を通して移動してきた水素イオンと、セ
パレータを通って移動してきた電子と、空気極に供給された酸素とが反応し、水が生成される。発電時に生成された水は、MEAを保湿するために用いられ、乾燥によるMEAの膜劣化を防止する。
また、上述した反応では熱が発生することから、燃料電池は発電中に発熱する。このため燃料電池の温度状態を良好な条件に維持するために、燃料電池を冷媒等で冷却する必要がある。燃料電池セルを積層した燃料電池スタックでは、通常、1〜3セルごとに、冷媒を流すための冷媒流路が設けられる。
燃料電池の発電性能を向上させるには、各反応ガス流路に供給される反応ガスの流量を均一にすることが必要になる。各反応ガス流路に均一量の反応ガスを供給することで、触媒電極での反応が均一になり、電流分布が生じにくくなり、発電性能が向上する。
各反応ガス流路に反応ガスを均一に供給するために、セパレータが反応ガスマニホールド孔と反応ガス流路とを接続するガス分配部を有する燃料電池が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
図1は、特許文献1に開示された燃料電池が有するセパレータのガス分配部32の斜視図である。図1に示されるように、特許文献1のセパレータは、反応ガス供給マニホールド孔20と反応ガス流路が形成された領域11とを接続するガス分配部32を有する。ガス分配部32は、複数の凸部31を有する。
このように、反応ガス供給マニホールド孔20と反応ガス流路が形成された領域11とを接続するガス分配部32が、複数の突起を有すると、反応ガス供給マニホールド孔20からガス分配部に流入した反応ガスが突起によって分散され、各反応ガスに均一に分配されうる。
また、MEAに外周を覆う枠体を設け、ガス分配部がMEAの触媒電極に重ならないように、ガス分配部を枠体とセパレータとの間にのみ形成する技術が知られている(例えば特許文献7および8参照)。
特開2007−141537号公報 特開2009−140704号公報 特開2009−059685号公報 特開2009−059513号公報 特開2008−123750号公報 特開2009−004230号公報 特開2007−317520号公報 特開2007−200864号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたようなガス分配部では、反応ガスを反応ガス供給マニホールドから離れた反応ガス流路にまで分配されることができなかった。このため、特許文献1に記載されたような燃料電池では、各反応ガス流路に流れる反応ガスの流量にばらつきが生じる。これにより、セル内で電流分布のばらつきが拡大し発電性能が低下することがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、マニホールド孔から各反応ガス流路に均等にガスを分配することを可能とした燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は以下に示す燃料電池に関する。
[1]高分子電解質膜および前記高分子電解質膜を挟む一対の触媒電極を有する膜電極接合体と、前記膜電極接合体を挟み、直線状の流路リブによって規定された直線状の反応ガス流路、反応ガス供給マニホールド孔および反応ガス排出マニホールド孔を有する一対のセパレータと、前記反応ガス供給マニホールド孔と前記反応ガス流路とを接続するガス入口分配部と、を有する固体高分子型燃料電池であって、前記ガス入口分配部は、前記ガス入口分配部を複数のスペースに区切り、前記直線状のガス流路の長軸に垂直な長軸を有し、かつ前記直線状のガス流路の長軸に平行な2以上のスリットを有するn個[nは2以上の整数である]の分配リブを有し、前記リブのうち、最も前記反応ガス供給マニホールド孔側の分配リブを第1分配リブとし、最も前記反応ガス流路側の分配リブを第n分配リブとし、前記スペースのうち前記第1分配リブよりも前記反応ガス供給マニホールド孔側のスペースを拡散スペースとしたとき、前記拡散スペースの、前記反応ガス流路の長軸に平行で、かつ前記セパレータの面方向に垂直な断面の平均面積は、前記第1分配リブが有するスリットの、前記分配リブの長軸に平行で、かつ前記セパレータの面方向に垂直な断面の面積よりも大きく、前記第m[mは1〜n−1までの任意の整数である]分配リブが有するスリットの位置は、前記第m+1分配リブが有する2つの隣接するスリットの間に位置する、固体高分子型燃料電池。
[2]前記拡散スペースの断面の平均面積は、前記第1分配リブが有するスリットの断面の面積の総和の0.9倍以上である、[1]に記載の固体高分子型燃料電池。
[3]前記第m分配リブが有するスリットの数は、前記第m+1分配リブが有するスリットの数よりも少ない、[1]または[2]に記載の固体高分子型燃料電池。
[4]前記第m分配リブが有するスリットの数は、前記第m+1分配リブが有するスリットの数の1/2である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の固体高分子型燃料電池。
[5]前記第n分配リブが有するスリットの数は、前記セパレータが有する反応ガス流路の本数の1/2である、[4]に記載の固体高分子型燃料電池。
[6]前記反応ガス流路と前記反応ガス排出マニホールド孔とを接続するガス出口分配部をさらに有し、前記反応ガス供給マニホールド孔は、前記反応ガス排出マニホールド孔の対角に位置し、かつ前記反応ガス供給マニホールド孔の位置と前記反応ガス排出マニホールド孔の位置とは、前記セパレータの中心点に関して点対称であり、前記ガス入口分配部の位置および形状と、前記ガス出口分配部の位置および形状とは、前記セパレータの中心点に関して点対称である、[1]〜[5]のいずれか一つに記載の固体高分子燃料電池。
[7]前記膜電極接合体を保持する枠体をさらに有し、前記ガス入口分配部は、前記セパレータと前記枠体との間に設けられる、[1]〜[6]のいずれか一つに記載の固体高分子型燃料電池。
[8]前記流路リブの高さと、前記膜電極接合体の厚さとの和は、前記分配リブの高さと前記枠体の厚さとの和以上であり、前記分配リブのうち前記第1分配リブが最も高い、[7]に記載の固体高分子型燃料電池。
[9]前記分配リブの高さは、前記第1分配リブから前記第n分配リブに向かって、徐々に減少する、[8]に記載の固体高分子型燃料電池。
[10]前記分配リブの頂面は、弾性部材からなる、[7]に記載の固体高分子型燃料電池。
[11]前記スペースのうち、前記拡散スペース以外のスペースを分配スペースとしたとき、前記拡散スペースの断面の平均面積は、いずれの前記分配スペースの、前記反応ガス流路の長軸に平行で、かつ前記セパレータの面方向に垂直な断面の平均面積よりも大きい、[1]〜[10]のいずれか一つに記載の固体高分子型燃料電池。
[12]前記セパレータは、冷媒供給マニホールド孔と、前記反応ガス流路が形成された面の裏面に直線状の冷媒流路と、をさらに有し、前記冷媒供給マニホールド孔は、前記反応ガス供給マニホールド孔に隣接する、[1]〜[11]のいずれか一つに記載の固体高分子型燃料電池。
[13]前記冷媒供給マニホールド孔と、前記冷媒流路とを接続する冷媒入口分配部をさらに有し、前記冷媒入口分配部は、前記ガス入口分配部を複数のスペースに区切り、前記直線状の冷媒流路の長軸に垂直な長軸を有し、かつ前記直線状の冷媒流路の長軸に平行な2以上のスリットを有するn個[nは2以上の整数である]の分配リブを有する、[12]に記載の固体高分子型燃料電池。
[14]前記ガス入口分配部の分配リブは、前記セパレータに形成される、[1]〜[13]のいずれか一つに記載の固体高分子型燃料電池。
[15]前記セパレータは、前記反応ガス流路が形成された中央部と、前記中央部を囲む外周部とを有し、前記ガス入口分配部の分配リブは、前記枠体に形成され、前記外周部は、平板である、[7]に記載の固体高分子型燃料電池。
本発明の燃料電池によれば、反応ガス供給マニホールド孔から供給された反応ガスを、まず反応ガス流路に対して垂直方向に伸びた拡散スペースに充満させ、その後、それぞれの反応ガス流路に均等に分配することができる。このため、本発明によれば、セル内での電流分布のばらつきを抑えることができ、発電性能の高い燃料電池を提供することができる。
特許文献1に開示された従来の燃料電池のセパレータの斜視図 実施の形態1の燃料電池の分解斜視図 実施の形態1の酸化ガス入口分配部のパターンを示す図 実施の形態1の燃料ガス入口分配部のパターンを示す図 実施の形態1の冷媒入口分配部のパターンを示す図 実施の形態1の燃料電池の断面図 実施の形態2の酸化ガス入口分配部のパターンを示す図 実施の形態2の燃料電池の断面図 分配リブと枠体との接触領域を示す図 実施の形態3の燃料電池の断面図 実施の形態4の酸化ガス入口分配部のパターンを示す図 実施の形態5の酸化ガス入口分配部のパターンを示す図 実施の形態5の燃料ガス入口分配部のパターンを示す図 実施の形態6の燃料電池の断面図 実施の形態7の燃料電池の断面図 実施の形態8の燃料電池の分解斜視図 実施の形態8の燃料電池の断面図 実験例1および比較例1のシミュレーション結果を示すグラフ(空気極側) 実験例1および比較例1のシミュレーション結果を示すグラフ(燃料極側) 実験例2および比較例2のシミュレーション結果を示すグラフ
本発明の固体高分子型燃料電池(以下単に「燃料電池」とも称する)は、(1)膜電極接合体と、(2)膜電極接合体を挟む一対のセパレータ(燃料極セパレータおよび空気極セパレータ)と、(3)分配部とを有する。以下それぞれの構成要素について説明する。
(1)膜電極接合体
膜電極接合体(以下「MEA」とも称する)は、高分子電解質膜および一対の触媒電極を有する。高分子電解質膜は、湿潤状態において、プロトンを選択的に輸送する機能を有する高分子膜である。高分子電解質膜の材料は、プロトンを選択的に移動させるものであれば特に限定されない。このような材料の例にはフッ素系の高分子電解質膜や炭化水素系の高分子電解質膜などが含まれる。フッ素系の高分子電解質膜の具体的な例には、デュポン社のNafion(登録商標)膜や旭硝子株式会社のFlemion(登録商標)膜、旭化成株式会社のAciplex(登録商標)膜、ジャパンゴアテックス社のGORE−SELECT(登録商標)膜などが含まれる。
一対の触媒電極は、高分子電解質膜を挟む燃料極および空気極からなる。空気極は、高分子電解質膜に接する空気極触媒層と、空気極触媒層に積層される空気極ガス拡散層とを有することが好ましい。同様に、燃料極は、高分子電解質膜に接する燃料極触媒層と、燃料極触媒層に積層される燃料極ガス拡散層とを有することが好ましい。
空気極触媒層は、水素および酸素の酸化還元反応を促進する触媒を含む層である。空気極触媒層は、導電性を有し、かつ水素および酸素の酸化還元反応を促進する触媒能を有するものであれば特に限定されない。空気極触媒層は、例えば触媒として白金や白金とコバルトとの合金、白金とコバルトとニッケルとの合金など含む。
燃料極触媒層は、水素の酸化反応を促進する触媒を含む層である。燃料極触媒層は、導電性を有し、かつ水素の酸化反応を促進する触媒能を有するものであれば特に限定されない。燃料極触媒層は、例えば、触媒として白金や白金とルテニウムとの合金などを含む。
空気極触媒層および燃料極触媒層は、例えば、これらの触媒を担持させたアセチレンブラックやケッチェンブラック、バルカンなどのカーボン微粒子に、プロトン導電性を有する電解質と撥水性を有するポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene PTFE)などの樹脂を混合し、高分子電解質膜上に塗布することで形成される。
ガス拡散層(空気極ガス拡散層および燃料極ガス拡散層)は、膜電極接合体の最も外側に配置される(セパレータに接する)導電性を有する多孔質層である。ガス拡散層の材料は、導電性を有し、かつ反応ガスが拡散できるものであれば特に限定されない。ガス拡散層は、セパレータ側から供給されるガスを触媒層に拡散させるガス拡散基材層と、ガス拡散基材層と触媒層との接触性を向上させるカーボンコート層とから構成されていてもよい。
ガス拡散層は、例えば、撥水性を有するPTFEなどの樹脂を付帯させた炭素繊維や、糸状のカーボンを織って作製したカーボンクロス、紙状のカーボンペーパーなどを触媒層表面に熱圧着して、作製されてもよい。また、ガス拡散層には、後述する反応ガス流路が形成されていてもよい(実施の形態7、図16参照)。
膜電極接合体は枠体によって保持されてもよい。枠体は、膜電極接合体の縁を囲むことで、膜電極接合体を補強する(図2参照)。枠体の材料には、ポリフェニレンスルフィド(PPS)やガラス入りポリプロピレン(PP−G)、ポリスチレン(PS)、シリコーン(SI)などが含まれる。枠体の材料としては、耐熱温度、コスト、耐久性の観点からPPSおよびPP−Gが望ましい。枠体によって保持された膜電極接合体を以下、「枠体一体型MEA」とも称する。
(2)セパレータ
セパレータは、反応ガスの混合を防止し、MEAと電気的に接続した部材である。燃料
電池の発電中、電子はセパレータを通って燃料極から空気極に移動する。セパレータは、リブによって規定された直線状の複数の反応ガス流路が形成された中央部と、中央部を囲む外周部とを有する。反応ガス流路を規定するリブを以下「流路リブ」とも称する。反応ガス流路の幅は、0.5〜1.5mmであり、深さは、0.3〜1.0mmであることが好ましい。また、反応ガス流路は、セパレータではなく、上述したMEAのガス拡散層に形成される場合もある(実施の形態8参照、図17参照)。
燃料電池の発電中、電子はセパレータを通って燃料極から空気極に移動する。このため、セパレータがMEAに接触し、MEAと電気的に接続しなければ、電子が移動することができず、電気エネルギを取り出すことができない。このため、セパレータは、MEAに確実に接触し、MEAと電気的に接続することが求められる。より具体的には、セパレータが有する流路リブの頂面がMEAに接触することが求められる。
セパレータの外周部は、反応ガス供給マニホールド孔、反応ガス排出マニホールド孔を有する。反応ガス供給マニホールド孔は、反応ガス排出マニホールド孔の対角に位置し、かつ反応ガス供給マニホールド孔の位置と、反応ガス排出マニホールド孔の位置とは、セパレータの中心点に関して点対称であることが好ましい(図2参照)。反応ガス供給マニホールド孔が、反応ガス排出マニホールド孔の対角に位置し、セパレータの中心点に関して点対称であると、反応ガスがいずれの反応ガス流路を流れる場合であっても、反応ガス供給マニホールド孔から反応ガス排出マニホールド孔まで反応ガスが移動する距離が同じになるので、反応ガス流路の圧力損失を均一にすることができるからである。
セパレータの外周部は、さらに冷媒供給マニホールド孔、冷媒排出マニホールド孔を有していてもよい。冷媒供給マニホールド孔は、反応ガス供給マニホールド孔に隣接することが好ましい。反応ガスの露点が燃料電池の発電時の温度よりも低い場合、反応ガス供給マニホールド孔付近の高分子電解質膜が乾燥し、膜抵抗が上昇し、燃料電池の出力密度が下がったり、高分子電解質膜が劣化したりする。しかし冷媒供給マニホールド孔を、反応ガス供給マニホールド孔に隣接させることで、反応ガス供給マニホールド孔付近の反応ガスの相対湿度を上げることができ、高分子電解質膜の乾燥を抑制し、発電性能の低下や高分子電解質膜の劣化を防止することができる。
また、セパレータは反応ガス流路が形成された面の裏面に直線状の冷媒流路を有していてもよい(実施の形態3参照)。冷媒流路の幅は、0.3〜1.5mmであり、深さは、0.3〜1.0mmであることが好ましい。
セパレータの材料は、導電性を有し、かつ燃料電池スタックにおける締結圧に耐えうる部材であれば、カーボンであっても金属であってもよい。金属製のセパレータ(以下単に「金属セパレータ」とも称する)の材料の例には、耐食性や接触抵抗低減のための金メッキなどの表面処理が施されたステンレス鋼板材やチタン板材、アルミ板材などが含まれる。このような金属プレートをプレス加工することによって反応ガス流路を形成してもよい。
(3)分配部
分配部は、MEAとセパレータとの間に形成され、マニホールド孔と反応ガス流路とを接続する空間である。分配部は、分配部を複数のスペースに区切り、直線状のガス流路の長軸に垂直な長軸を有するn個の分配リブを有する。ここでnとは2以上の整数を意味する。分配部の反応ガス流路の長軸に垂直方向の長さは、反応ガス形成されたセパレータの中央部の幅(反応ガス流路の長軸に垂直方向の長さ)以上であることが好ましい(図2および図3参照)。
分配部はセパレータと触媒電極との間に設けられてもよいが、セパレータと枠体との間にのみ設けられることが好ましい。分配部がセパレータと触媒電極との間に設けられると分配部において高分子電解質膜が乾燥し、高分子電解質膜が劣化しやすいからである。
一方、分配部をセパレータと枠体との間にのみ設けた場合、枠体が厚過ぎたり、分配リブが高すぎたりすると、流路リブと触媒電極とが接触しない場合が発生する(図8C参照)。上述のように、燃料電池の発電中、電子はセパレータの流路リブと触媒電極との接触面を通って、燃料極から空気極に移動する。このため、流路リブと触媒電極とが接触しないと、電子が移動することができず、電気エネルギを取り出すことができない。このため分配部がセパレータと枠体との間にのみ設けられる場合、流路リブが触媒電極に確実に接触するように、MEAの厚さと流路リブの高さとの和を、枠体の厚さと分配リブの高さとの和以上としたり(実施の形態2参照)、分配リブの頂面を弾性部材としたりすることが好ましい(実施の形態3参照)。
本発明の燃料電池は、少なくとも反応ガス供給マニホールド孔と、反応ガス流路が形成されたセパレータの中央部とを接続するガス入口分配部を有するが、反応ガス排出マニホールド孔と反応ガス流路が形成されたセパレータの中央部とを接続するガス出口分配部を有していてもよい。
分配リブは、セパレータの外周部に形成されてもよいし(実施の形態1〜4参照)、枠体一体型MEAの枠体に形成されてもよい(実施の形態6、実施の形態7参照)。また、分配リブは、シール材などの弾性部材から構成されていてもよい(実施の形態3参照)。弾性部材の例には、リコーンやエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、サントプレーンゴムなどが含まれる。
分配リブは、セパレータ自体または枠体自体を加工形成することで形成されてもよいし、セパレータまたは枠体にシール部材などの弾性部材を配置することで形成されてもよい。分配リブをシール部材で形成した場合、分配リブの頂面は、弾性部材となる。
例えばセパレータが金属セパレータである場合、金属セパレータの外周部をプレス加工したり;金属セパレータの外周部にシール部材を配置することで金属セパレータに分配リブを形成することができる。
金属セパレータをプレス加工することによって、分配リブを形成する場合、分配リブと金属セパレータとは一体的に形成されるので、簡素に分配リブを形成することができる。
しかし、金属セパレータをプレス加工することによって、分配リブを形成する場合、金属セパレータに形成される凹凸パターンが複雑になり、金属セパレータが歪む場合がある。金属セパレータが歪むと金属セパレータとMEAとのシール性が低下し、後述する拡散スペースおよび分配スペースを高精度でパターニングすることができず、ガスの分配性が低下する場合がある。
一方で、金属セパレータの外周部にシール部材を配置することで、分配リブする場合や、枠体に分配リブを形成する場合は、金属セパレータの外周部は平板になるので、金属セパレータが歪むことを防止することができる。このため後述する拡散スペースおよび分配スペースを高精度でパターニングすることができ、ガスの分配性の低下を抑制することができる。
本発明の燃料電池は分配部の構造に特徴を有する。以下i)ガス入口分配部とii)出口分配部に分けてガス分配部の構造について説明する。
i)ガス入口分配部について
ガス入口分配部は、反応ガス供給マニホールド孔と、反応ガス流路とを接続し、反応ガス供給マニホールド孔から供給された反応ガスを直線状の反応ガス流路それぞれに均等に分配する機能を有する。
ガス入口分配部は、分配部を複数のスペースに区切るn個の分配リブを有する。ここでnとは2以上の整数を意味する。分配リブは、直線状のガス流路の長軸に垂直な長軸を有する。したがって、分配リブによって規定された複数のスペースも直線状の反応ガス流路の長軸に垂直な長軸を有する。
それぞれの分配リブは、直線状の反応ガス流路の長軸に平行なスリットを有する。分配リブに設けられたスリットは、分配リブによって規定されるスペースを接続する。1つの分配リブが有するスリットの寸法(幅および深さ)は同一であることが好ましい。また、1つの分配リブ内ではスリットは等間隔に配置されることが好ましい。
本発明では、分配リブのうち、最も反応ガス供給マニホールド孔側の分配リブを第1分配リブと称し;最も反応ガス流路側の分配リブを第n分配リブと称する。したがって分配部は、反応ガス供給マニホールド孔側から反応ガス流路側に向かって、第1分配リブ、第2分配リブ・・・第n−1分配リブ、第n分配リブを有する。
また、本発明では、また、ガス入口分配部のうち第1分配リブよりも反応ガス供給マニホールド孔側のスペースを「拡散スペース」と称し;拡散スペース以外の、分配リブによって規定されたスペースを「分配スペース」と称する。すなわち、分配スペースは第1分配リブよりも反応ガス流路側のスペースを意味する。さらに分配スペースのうち、第1分配リブと第2分配リブとの間のスペースを「第1分配スペース」と称し、第n分配リブよりも反応ガス流路側のスペースを「第n分配スペース」と称する。
したがって分配部は、反応ガス供給マニホールド孔側から反応ガス流路側に向かって、拡散スペース、第1分配スペース、第2分配スペース・・・第n−1分配スペース、第n分配スペースを有する。
「拡散スペース」とは、ガス入口分配部に流入した反応ガスを、反応ガス流路が形成されたセパレータの中央部の幅方向に拡散させるための空間であり、「分配スペース」とは、拡散スペースでセパレータの中央部の幅方向に拡散した反応ガスを各反応ガス流路に均等に分配するためのスペースである。
各分配リブの高さは異なっていてもよい。例えば分配リブのうち第1分配リブが最も高いことが好ましい。さらに、分配リブの高さは、第1分配リブから第n分配リブに向かって、徐々に減少することが好ましい(実施の形態2参照)。
また、第m分配リブが有するスリットの位置は、第m+1分配リブが有する2つの隣接するスリットの間に位置する。より具体的には、第m分配リブが有するスリットの位置は、第m+1分配リブが有する2つの隣接するスリットの間の中央に位置する。ここで「m」とは1〜n−1までの任意の整数を意味する。また、第n分配リブが有するスリットの位置は、2つの隣接する反応ガス流路の間に位置することが好ましい。
第m分配リブが有するスリットの数は、第m+1分配リブが有するスリットの数よりも少ない。したがって、分配リブのうち、第1分配リブが有するスリットの数が最も少ない。第1分配リブが有するスリットの数は、6以下であることが好ましい。また、第m分配
リブが有するスリットの数は、第m+1分配リブが有するスリットの数の1/2であることが好ましい。さらに第n分配リブが有するスリットの数は、セパレータが有する反応ガス流路の本数の1/2であることが好ましい。
本発明では、拡散スペースおよび分配スペースの構造に特徴を有する。以下拡散スペースおよび分配スペースの構造について説明する。
拡散スペースは、反応ガス流路の長軸に垂直の長軸を有する。拡散スペースの数は1つである。拡散スペースの断面積は、第1分配リブのそれぞれのスリットの断面積よりも大きい。ここで「拡散スペースの断面積」とは、反応ガス流路の長軸に平行で、かつセパレータの面方向に垂直な拡散スペースの断面の平均面積を意味する。また「スリットの断面積」とは、分配リブの長軸に平行で、かつセパレータの面方向に垂直なスリットの断面の面積を意味する。
具体的には、拡散スペースの断面積は、第1分配リブが有するスリットの断面積の3〜10倍であることが好ましい。また、拡散スペースの断面積は、第1分配リブが有するスリットの断面積の総和の0.9倍以上であることが好ましく、1倍以上であることがさらに好ましい。
また、拡散スペースは、反応ガス供給マニホールド孔と反対側の長軸方向の端部(以下「端部A」とも称する)から、反応ガス供給マニホールド孔側の長軸方向の端部(以下「端部B」とも称する)に向かって、広くなってもよい。拡散スペースを端部Aから端部Bに向かって広くするには、端部Aから端部Bに向かって拡散スペースの幅(拡張スペースの反応ガス流路の長軸方向の長さ)を広くしてもよいし(実施の形態4参照)、拡散スペースの深さを深くしてもよい。
また、拡散スペースには、最も多くの反応ガスが流入するので、拡散スペースの断面積を、分配スペースの断面積よりも大きくして、拡散スペースの圧力損失を分配スペースの圧力損失よりも低くすることが好ましい。
「分配スペース」は、拡散スペースで反応ガス流路の長軸に垂直方向に拡散した反応ガスを各反応ガス流路に均等に分配するためのスペースである。したがって、反応ガスの分配性という観点からは、ガス入口分配部が有する分配スペースの数は多いことが好ましい。一方で分配スペースの(リブの)数が増加するとセル全体の圧力損失が増大する。このため分配スペースの数は、反応ガスの分配性と圧力損失とのバランスを鑑みながら決定される。例えば、触媒電極のサイズが縦200mm×120mmの燃料電池では、分配スペースの数は、2〜5(すなわちnは2〜5)である。
また、第n分配スペースの断面積は、第1〜第n−1分配スペースの断面積よりも大きいことが好ましい。
次に本発明の燃料電池における反応ガス供給マニホールド孔から反応ガス流路へのガスの流れについて説明する。
反応ガス供給マニホールド孔から供給された反応ガスは、まずガス入口分配部の拡散スペース内に流入する。上述のように拡散スペースの断面積は、第1分配リブの各スリットの断面積よりも大きく、さらに、好ましくは第1分配リブのスリットの断面積の総和よりも大きい。このため、拡散スペースの圧力損失は第1分配リブのスリットの圧力損失よりも小さく、拡散スペース内に流入した反応ガスは、第1分配リブのスリットに流入する前に、拡散スペース全体に拡散する。このため、反応ガスは、反応ガス流路が形成されたセ
パレータの中央部の幅方向にまず拡散する。
また、反応ガス供給マニホールド孔から供給された拡散スペースに供給された反応ガスは、拡散スペースに拡散する前に僅かながらも第1分配リブの反応ガス供給マニホールド孔付近のスリットから漏れ出すことがある。しかし上述したように、拡散スペースを端部Aから端部Bに向かって広くすることで、反応ガス供給マニホールド孔(端部A)近傍の拡散スペースの圧力損失をさらに下げることができる。これにより、反応ガスが拡散スペースを満たす前に第1分配リブのスリットから漏れ出すことを防止することができる。
反応ガスが充満した拡散スペース内にさらに反応ガスが拡散スペースに流入すると、拡散スペース内の反応ガスの圧力が高まり、反応ガスは、第1分配リブのスリットを通って、第1分配スペースに流入する。上述のように、一つの分配リブが有するスリットは同じ寸法を有することから、1つの分配リブが有するスリットの圧力損失は均一である。このため、それぞれのスリットに流入する反応ガスの流量も均一になる。
上述のように第1分配リブが有するスリットの位置は、第2分配リブが有する2つの隣接するスリットの間に位置するので、第1分配リブのスリットを通過した反応ガスは、第2リブに衝突した後に2等分され;2等分された反応ガスは、それぞれ隣接するスリットから第2分配スペースに流入する。
このように、第m分配リブのスリットを通過した反応ガスは、第m分配スペースで2等分され、それぞれ第m+1分配リブのスリットをさらに通過する。このため、反応ガスは分配スペースを通過するにつれて、セパレータの中央部の幅方向(反応ガスの長軸に垂直方向)に均等に分配される。最後に、反応ガスは、第n分配リブのスリットを通過し、第n分配スペースに到達する。
このように、第1分配リブのそれぞれのスリットから流出する反応ガスの流量を均一にし、第1分配リブのそれぞれのスリットから流出した反応ガスをさらに均等に分配することで、第n分配スペースでは、反応ガスの流量は、反応ガス流路が形成されたセパレータの中央部の幅方向に均等になる。
第n分配スペースに到達した反応ガスは、それぞれ反応ガス流路に均等に流入する。上述のように、第n分配リブのスリットの位置は、2つの隣接する反応ガス流路の間に位置するので、第n分配リブのスリットから流出した反応ガスは、さらに2等分されて、それぞれの反応ガス流路に流入する。
また、上述のように第n分配スペースの断面積は大きいので、第n分配リブのスリットと反応ガス流路との位置関係がずれたとしても、各反応ガス流路にガスが均等に分配される。例えば、反応ガス流路がMEAのガス拡散層に形成される場合(実施の形態8参照)、燃料電池の組み立て時に第n分配リブのスリットと反応ガス流路との位置がずれる場合がある。このように第n分配リブのスリットと反応ガス流路との位置関係がずれると、各反応ガス流路に流入する反応ガスの流量がばらつく。しかし、本発明のように、断面積が大きい第n分配スペースを設けると、第n分配リブのスリットを通過した反応ガスは、第n分配スペースで拡散することができ、第n分配スペース内では、反応ガスの流量が均一になる。これにより、第n分配リブのスリットと反応ガス流路との位置関係のずれによって生じる反応ガスの流量のバラツキが補正される。
ii)ガス出口分配部について
上述のように、本発明の燃料電池は、反応ガス流路と反応ガス排出マニホールド孔とを接続するガス出口分配部を有していてもよい。ガス入口分配部の位置および構造と、ガス
出口分配部の位置および構造とは、セパレータの中心点に関して点対称であることが好ましい。
反応ガス供給マニホールド孔を、反応ガス排出マニホールド孔の対角に配置し、かつ反応ガス供給マニホールド孔の位置と、反応ガス排出マニホールド孔の位置とを、セパレータの中心点に関して点対称とし、ガス入口分配部の位置および構造と、ガス出口分配部の位置および構造とを、セパレータの中心点に関して点対称にすることで、各反応ガス流路の圧力損失を均一にすることができ、各反応ガス流路内の反応ガスの流量を、さらに均一にすることができる。
このように本発明によれば、各反応ガス流路に流れる反応ガスの流量を均一にすることができる。
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は本発明の範囲を限定するものではない。
[実施の形態1]
実施の形態1では、セパレータが金属セパレータである形態について説明する。また、実施の形態1では、金属セパレータの外周部をプレス加工することによってセパレータに分配リブを形成した形態について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1の燃料電池の分解斜視図である。図2に示されるように燃料電池1は、枠体一体型MEA100と、枠体一体型MEA100を挟む一対のセパレータ(空気極セパレータ200および燃料極セパレータ300)を有する。
本実施の形態では枠体一体型MEA100は、MEA101と、MEA101を保持する枠体105とを有する。MEA101は、高分子電解質膜と、高分子電解質膜を挟む一対の触媒電極とを有する(不図示)。
枠体105は、燃料ガス供給マニホールド孔110、燃料ガス排出マニホールド孔140、酸化ガス供給マニホールド孔130、酸化ガス排出マニホールド孔160、冷媒供給マニホールド孔120および冷媒排出マニホールド孔150を備える。
空気極セパレータ200および燃料極セパレータ300も、外周部に燃料ガス供給マニホールド孔110、燃料ガス排出マニホールド孔140、酸化ガス供給マニホールド孔130、酸化ガス排出マニホールド孔160、冷媒供給マニホールド孔120および冷媒排出マニホールド孔150を備える。
空気極セパレータ200の外周部は、さらに酸化ガス入口分配部210、酸化ガス出口分配部260を有する。酸化ガス入口分配部210および酸化ガス出口分配部260は、枠体105にのみ重なり、触媒電極101に重ならない。空気極セパレータ200の中央部は、流路リブ231によって規定された酸化ガス流路230を有する。
燃料極セパレータ300の外周部も、空気極セパレータ200と同様に、燃料ガス入口分配部310および燃料ガス出口分配部360(不図示)を有する(図4参照)。燃料ガス入口分配部310および燃料ガス出口分配部360は、枠体105のみに重なり、触媒電極101に重ならない。燃料極セパレータ300の中央部は、流路リブ331によって規定された燃料ガス流路330を有する(図4参照)。
燃料ガス供給マニホールド孔110および酸化ガス供給マニホールド孔130は、冷媒
供給マニホールド孔120に隣接している。また、燃料ガス供給マニホールド孔110は、燃料ガス排出マニホールド孔140の対角に位置し、かつセパレータ(またはMEA)の中心点に関して点対称である。同様に、酸化ガス供給マニホールド孔130は、酸化ガス排出マニホールド孔160の対角に位置し、かつセパレータ(またはMEA)の中心点に関して点対称である。一方で冷媒供給マニホールド孔120と、冷媒排出マニホールド孔150とは、セパレータの同一中心線上に位置している。
ガス入口分配部の位置および構造と、ガス出口分配部の位置および構造とは、セパレータの中心点に関して点対称である。
また、空気極セパレータ200および燃料極セパレータ300は、MEA100と接する面の裏面に、冷媒入口分配部410、冷媒流路430および冷媒出口分配部460を有する。冷媒入口分配部410の位置および構造と、冷媒出口分配部460の位置および構造とは、セパレータの中心点に関して点対称であることが好ましい。
1)空気極セパレータ200の酸化ガス入口分配部210の構造について
図3は、空気極セパレータ200の枠体一体型MEA100に接する面に形成された酸化ガス入口分配部210および酸化ガス流路230のパターンを示す図である。図3に示されるように、空気極セパレータ200は、酸化ガス供給マニホールド孔130、酸化ガス入口分配部210、酸化ガス流路230を取り囲むシール部材250を有する。
また、図3に示されるように酸化ガス入口分配部210は酸化ガス供給マニホールド孔130と直線状の酸化ガス流路230とを接続する。酸化ガス供給マニホールド孔130と酸化ガス入口分配部210とは流路受け部240を介して連結されている。
酸化ガス入口分配部210は、酸化ガス流路230の長軸に垂直な長軸を有する1つの拡散スペース211と、酸化ガス流路230の長軸に垂直な長軸を有する3つの分配スペース(第1分配スペース212、第2分配スペース213および第3分配スペース214)と、拡散スペース211および分配スペースを規定する3つの分配リブ(第1分配リブ221、第2分配リブ222、第3分配リブ223)とを有する。それぞれの分配リブは分配スペース同士を接続するスリット225を有する。
第1分配リブ221は、等間隔に配置された同一の寸法の6個のスリット225を有し;第2分配リブ222は、等間隔に配置された同一の寸法の12個のスリット225を有し;第3分配リブ223は等間隔に配置された同一の寸法の24個のスリット225を有する。また、酸化ガス流路230の数は48本である。
拡散スペース211の断面積は、第1分配リブ221が有するスリット225の断面積よりも大きい。例えば、拡散スペース211の深さは0.25〜0.50mmであり、幅は1.0〜10.0mmであり;第1分配リブ221が有するスリット225の深さは0.25〜0.50mmであり、幅は0.5〜3.0mmである。
第1分配スペース212および第2分配スペース213の深さは0.20〜0.50mmであり、幅は、1.0〜1.5mmであることが好ましい。また、第3分配スペース214の深さは0.20〜0.50mmであり、幅は、1.0〜3.5mmであることが好ましい。
第2分配リブ222および第3分配リブ223が有するスリットの深さは、0.20〜0.50mmであり、幅が0.2〜1.5mmであることが好ましい。また、第1分配リブ221、第2分配リブ222および第3分配リブ223が有するスリットの寸法(深さ
および幅)は同一であってもよい。
また、図3に示されるように第1分配リブ221が有するスリット225は、第2分配リブ222が有する隣接するスリット225の間の中央に位置し;第2分配リブ222が有するスリット225は、第3分配リブ223が有する隣接するスリット225の間の中央に位置する。
次に、酸化ガス供給マニホールド孔130から酸化ガス流路230への酸化ガスの流れについて説明する。図3に示された矢印は酸化ガスの動きを示す。
図3に示されるように、酸化ガス供給マニホールド孔130から供給された酸化ガスは、まず酸化ガス入口分配部210の拡散スペース211内に流入する。上述のように拡散スペース211の断面積は、第1リブ221のスリット225の断面積よりも大きいので、拡散スペース211の圧力損失は第1リブ221のスリット225の圧力損失よりも小さい。このため、拡散スペース211内に流入した酸化ガスは、第1リブ221のスリット225に流入する前に、まず拡散スペース211全体に拡散する。このため、酸化ガスは、酸化ガス流路230の長軸に垂直方向にまず拡散する。
全体に酸化ガスが拡散した拡散スペース211内にさらに酸化ガスが流入すると、拡散スペース211内の酸化ガスの圧力が高まり、酸化ガスは、第1リブ221のスリット225を通って、第1分配スペース212に流入する。上述のように、第1リブ221が有するスリット225の寸法は同じであり、圧力損失が同じであることから第1リブ221のスリット225に流入する酸化ガスの流量も均一である。
第1リブ221のスリット225を通って、第1分配スペース212に流入した酸化ガスは、矢印に示すように2等分され、それぞれ第2リブ222の隣接するスリット225に流入し、第2分配スペース213に流入する。第2分配スペース213に流入した酸化ガスは、矢印に示すように2等分され、それぞれ第3リブ223のスリット225に流入し、第3分配スペース214に流入する。
このように、第1リブ221のそれぞれのスリット225から流出する酸化ガスの流量を均一にし、第1リブ221のそれぞれのスリット225から流出した酸化ガスをさらに均等に分配することで、第3分配スペース214では、酸化ガスの流量は、酸化ガス流路230の長軸に垂直方向に均等になる。
最後に第3分配スペース214の酸化ガスが各酸化ガス流路230に流入する。上述のように、第3分配スペース214では、酸化ガスの流量は、酸化ガス流路230の長軸に垂直方向に均等になるので、各酸化ガス流路230内の酸化ガスの流量を均一にすることができる。
2)燃料極セパレータ300の燃料ガス入口分配部310の構造について
図4は、燃料極セパレータ300の枠体一体型MEA100に接する面に形成された燃料ガス入口分配部310および燃料ガス流路330のパターンを示す図である。図4に示されるように、燃料極セパレータ300は、燃料ガス供給マニホールド孔110、燃料ガス入口分配部310、燃料ガス流路330を取り囲むシール部材350を有する。
また、図4に示されるように燃料ガス入口分配部310は燃料ガス供給マニホールド孔110と直線状の燃料ガス流路330とを接続する。燃料ガス供給マニホールド孔110と燃料ガス入口分配部310とは流路受け部340を介して連結されている。
燃料ガス入口分配部310は、燃料ガス流路330の長軸に垂直な長軸を有する1つの
拡散スペース311と、燃料ガス流路330の長軸に垂直な長軸を有する3つの分配スペース(第1分配スペース312、第2分配スペース313および第3分配スペース314)と、拡散スペース311および分配スペースを規定する3つの分配リブ(第1分配リブ321、第2分配リブ322、第3分配リブ323)とを有する。それぞれの分配リブは分配スペース同士を接続するスリット325を有する。
図4に示されるように、燃料入口分配部310の構造は、図3に示された酸化ガス入口分配部210の構造と同様であることから、詳細な説明を省略する。
3)冷媒入口分配部410の構造について
図5は、燃料電池スタックにおいて隣接する空気極セパレータ200と燃料極セパレータ300とを貼り合わせることによって形成された、冷媒入口分配部410および直線状の冷媒流路430のパターンを示す図である。図5に示されるように、冷媒供給マニホールド孔120、冷媒入口分配部410および冷媒流路430は、シール部材450によって取り囲まれる。
また、図5に示されるように冷媒入口分配部410は、冷媒供給マニホールド孔120と直線状の冷媒流路430とを接続する。冷媒供給マニホールド孔120と冷媒入口分配部410とは流路受け部440を介して連結されている。
冷媒入口分配部410は、冷媒入口分配部410を複数のスペースに区切るn個の分配リブ(第1分配リブ421、第2分配リブ422、第3分配リブ423)を有する。分配リブは、直線状の冷媒流路430の長軸に垂直な長軸を有し、直線状の冷媒流路の長軸に平行な2以上のスリット425を有する。
また、冷媒入口分配部410は、分配リブによって規定され、冷媒流路430の長軸に垂直な長軸を有する3以上の冷媒分配スペース(第1冷媒分配スペース411、第2冷媒分配スペース412、第3冷媒分配スペース413および第4冷媒分配スペース414)を有する。隣接する冷媒分配スペースは、分配リブのスリット425によって接続される。
第1分配リブ421は、4個のスリット425を有し;第2分配リブ422は、等間隔に配置された同一の寸法の12個のスリット425を有し;第3分配リブ423は等間隔に配置された同一の寸法の24個のスリット425を有する。また、冷媒流路430の数は49本である。後述するように、冷媒流路430と反応ガス流路(230、330)とは表裏一体の関係にあるので、冷媒流路430の本数(49本)は、反応ガス流路の本数(48本)よりも多くなる。
第1冷媒分配スペース411の断面積は、第1分配リブ421が有するスリット425の断面積よりも大きい。例えば、第1冷媒分配スペース411の深さは0.50〜1.0mmであり、幅は1.0〜10.0mmであり;例えば第1分配リブ421が有するスリット425の深さは0.25〜1.0mmであり、幅は0.2〜10mmである。
また、図5に示されるように第1分配リブ421は、中央部にはスリット425を有さない。さらに、第1分配リブ421が有する4つのスリット425のうち、中央部側のスリット425の断面積は、端部側のスリット425の断面積よりも大きいことが好ましい。例えば、第1分配リブ421の端部側のスリット425の深さは約0.25mmであり、幅が約2.0mmであり;中央側のスリット425の深さが約0.25mmであり、幅が約3.0mmである。
また、図5に示されるように第1分配リブ421が有するスリット425は、第2分配リブ422が有する隣接するスリット425の間の中央に位置し;第2分配リブ422が有するスリット425は、第3分配リブ423が有する隣接するスリット425の間の中央に位置する。
次に、冷媒供給マニホールド孔120から冷媒流路430への冷媒の流れについて説明する。図5に示された矢印は冷媒の動きを示す。
図5に示されるように、冷媒供給マニホールド孔120から供給された冷媒は、まず冷媒入口分配部410の第1冷媒分配スペース411内に流入する。上述のように第1冷媒分配スペース411の断面積は、第1分配リブ421のスリット425の断面積よりも大きいので、拡散スペース411の圧力損失は第1分配リブ421のスリット425の圧力損失よりも小さい。このため、拡散スペース411内に流入した冷媒は、第1分配リブ421のスリット425に流入する前に、まず第1冷媒分配スペース411全体に拡散する。このため、冷媒は、冷媒流路430の長軸に垂直方向にまず拡散する。
その後、冷媒は、第1分配リブ421のスリット425を通って、第2冷媒分配スペース412に流入する。第2冷媒スペース412に流入した冷媒は、矢印に示すように分割され、それぞれ第2分配リブ422のスリット425に流入し、第3冷媒スペース413に流入する。第3冷媒スペース413に流入した冷媒は、矢印に示すように2等分され、それぞれ第3分配リブ423のスリット425に流入し、第4冷媒分配スペース414に流入する。このように、分配リブに設けられたスリットで冷媒を分配することで、各冷媒流路430内の冷媒の流量を均一にすることができる。
また、上述のように第1分配リブ421の中央部にスリット425を形成しないことで、各冷媒流路430内の冷媒の流量をより均一にすることができる。上述のように冷媒供給マニホールド孔120と、冷媒排出マニホールド孔150とは、セパレータの同一中心線を通るので(図2参照)、冷媒はセパレータの中央部の冷媒流路430を流れやすい。このため、ガス入口分配部(210、310)の第1分配リブのように、中央部にも、スリットが形成した場合、冷媒が中央部の冷媒流路430のみを流れて、端部側の冷媒流路430を流れない恐れがある。
一方、図5に示されるように第1分配リブ421が両端部にのみスリット425を有すると、冷媒が両端部の冷媒流路430のみを流れるおそれがある。しかし、本実施の形態では上述のように、第1分配リブ421の中央部側のスリット425の断面積は、第1分配リブ421の端部側のスリット425の断面積よりも大きいことから、第1分配リブ421の中央部側のスリット425を通る冷媒の流量は、第1分配リブ421の端部側のスリット425を通る冷媒の流量よりも多くなり、中央部の冷媒流路430にも十分な冷媒を供給することができる。このため、本実施の形態では、各冷媒流路430内の冷媒の流量も均一にすることができる。
一方、冷媒の機能は、燃料電池から発生する熱を奪い、発電中の燃料電池の温度を均一化することである。このため冷媒には、反応ガスほどの均一な分配性は求められない。
4)燃料極セパレータ300および空気極セパレータ200の形状について
上述のように、本実施の形態ではセパレータ(200、300)は、プレス加工によって形成された、金属セパレータである。このため、セパレータは、表面と裏面とに表裏一体の凹凸パターンを有し、厚さが一定で波形の断面形状を有する。すなわち、セパレータの表面の凸部は、セパレータの裏面の凹部に対応する。また、上述のように分配部は全て金属セパレータの外周部をプレス加工することによって形成される。
また、上述したように、本実施の形態では、空気極セパレータ200と燃料極セパレータ300とを貼り合わせることによって冷媒入口分配部410および冷媒流路430が形成される。以下、貼り合わせることによって、冷媒入口分配部410および冷媒流路430を形成できる金属セパレータの形状について説明する。
図6Aは、図5に示された冷媒入口分配部410および冷媒流路430のAA線による断面図であり;図6Bは、図5に示された冷媒入口分配部410および冷媒流路430のBB線による断面図であり;図6Cは、図5に示された冷媒入口分配部410および冷媒流路430のCC線による断面図であり;図6Dは、図5に示された冷媒入口分配部410および冷媒流路430のDD線による断面図である。
図6A〜図6Bに示されるように、ガス入口分配部(210、310)のリブは、裏面の冷媒入口分配部410の分配スペースに対応し、ガス入口分配部の分配スペースは、裏面の冷媒入口分配部410のリブに対応している。一方で、セパレータ(200、300)はそれぞれ、中間程度の(リブの頂点よりも低く、分配スペースの底面よりも高い)高さの面M(以下単に「中間面」とも称する)を有する。例えば、図6Bに示されるように、中間面Mの深さDは、燃料ガス入口分配部310の分配スペースの深さ310dの半分程度でよい。より具体的には、中間面Mの深さDは約0.25mmであり、燃料ガス入口分配部310の分配スペースの深さ310dは、約0.5mmである。
図6B〜図6Cに示されるように、冷媒入口分配部410のリブが有するスリット425は、中間面Mによって形成されている。中間面Mの領域では、酸化ガス入口分配部210の分配スペース、燃料ガス入口分配部310の分配スペースは閉塞されない。
このように空気極セパレータ200と燃料極セパレータ300とを貼り合わせることによって冷媒入口分配部410および冷媒流路430を形成することができる。また、空気極セパレータ200と燃料極セパレータ300が中間面Mを有することで、ガス分配部と、冷媒分配部とのパターンを違えることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、流路リブと触媒電極との接触を確実にするために、MEAの厚さと流路リブの高さとの和を、枠体の厚さと分配リブの高さとの和よりも大きくした形態について説明する。また、本実施の形態では、分配リブは、カーボンセパレータの外周部を切削加工することでセパレータに形成される。
図7は、実施の形態2の燃料電池の空気極セパレータ200の平面の一部拡大図である。実施の形態1の燃料電池1と、同一の構成要件については同一の符号を付し説明を省略する。図7に示されるように実施の形態2の燃料電池の空気極セパレータ200は、実施の形態1と同様のパターンの酸化ガス入口分配部210を有する。
図8Aは、図7に示されたAA線による本実施の形態の燃料電池2の断面図である。図8Aに示されるように、MEA101の厚さ101tと流路リブ231の高さ231hとの和(以下「S1」とも称する)は、枠体105の厚さ105tと分配リブの高さ220hの和(以下「S2」とも称する)よりも大きい。このように、S1を、S2よりも大きくすることで、流路リブ231とMEA101の触媒電極とが確実に接触する。一方、S1がS2よりも大きすぎると、分配リブと枠体105との間に隙間Gが大きくなり、分配スペースの密閉性が保てなくなるので好ましくない。S1とS2との差は、200μm以下であることが好ましい。
また、本実施の形態では、図8Bに示されるように第1分配リブ221の高さは、他の分配リブ(第2分配リブ222、第3分配リブ223)の高さよりも高い。図8Bは、図8Aに示された、第1分配リブ221、第2分配リブ222および第3分配リブ223の拡大図である。
さらに本実施の形態では、分配リブの高さは、第1分配リブ221から第3分配リブ223に向かって徐々に低くなることが好ましい。具体的には、第2分配リブ222は第1分配リブ221よりも10〜40μm低いことが好ましく、第3分配リブ223は第2分配リブ222よりも40〜86μm低いことが好ましい。
このように分配リブの高さを調整する理由については、後述する「分配スペースの密閉性について」で詳細に説明する。
上述のように、本実施の形態では、図8Aに示されるように、MEA101の厚さと流路リブ231の高さ231hとの和S1を、枠体105の厚さ105tと分配リブの高さ220hとの和S2よりも大きくすることで、MEA101と流路リブと接触を確実にしている。
一方、図8Cに示されるように、MEA101の厚さ101tと流路リブの高さ231hとの和S1が、枠体105の厚さ105tと分配リブの高さ220hとの和S2よりも小さかった場合、流路リブ231と、MEA101との間に隙間Gが形成され、流路リブ231が、MEA101に接触することができない。流路リブ231が、MEA101に接触することができないと、電子が空気極から燃料極に移動することができなくなり、電気エネルギを取り出せなくなる。
図8A〜図8Cでは、空気極セパレータ200についてのみ説明したが、燃料極セパレータ300も、空気極セパレータ200と同様の形状を有する。
分配スペースの密閉性について
上述のように、MEAの厚さと流路リブの高さとの和S1を、枠体の厚さと分配リブの高さとの和S2よりも大きくすることで、流路リブとMEAとの接触は確実になるが、分配リブと枠体との間に隙間が形成されるおそれがある(図8A参照)。
このように、分配リブと枠体との間に隙間が形成されてしまうと、燃料電池に締結圧が加えられた場合であっても、分配スペースが密閉されない場合がある。分配スペースが密閉されないと、分配部のガス分配機能が低下する。特に、第1分配リブが枠体105に接触せず、拡散スペースが密閉されなかった場合、分配部のガス分配機能が著しく低下する。
しかし、本実施の形態では、図8Bに示されるように、第1分配リブの高さを他の分配リブの高さよりも高くすることで、第1分配リブと、枠体105との接触を確実にしている。
図9Aは、締結圧(124MPa)が加えられた本実施の形態の燃料電池における、分配リブ(221、222、223)と枠体との接触領域を示す図である。分配リブの頂面における白くなった領域Yが枠体との接触領域を示す。
図9Aに示された酸化ガス入口分配部210では、図8Bに示されたように分配リブの高さを、第1分配リブ221から第3分配リブ223に向かって徐々に低くしている。具体的には、第1分配リブの高は0.25mmであり、第2分配リブの高さは、0.24m
mであり、第3分配リブの高さは0.21mmである。
図9Aに示されるように、第1分配リブ221から第3分配リブ223に向かって徐々に低くすると、第1分配リブ221、第2分配リブ222および第3分配リブ223全てが枠体に接触する。したがって、本実施の形態によれば、第1分配リブ221、第2分配リブ222および第3分配リブ223が全て枠体に接触する。これにより分配スペースが密閉され、分配部のガス分配機能が確保される。
一方、図9Bは、分配リブ(221、222、223)の高さが全て同じであった場合の、分配リブと枠体105との接触領域を示す図である。図9Bに示されるように、全ての分配リブの高さが同じであった場合、第3分配リブ223のみが枠体に接触し、拡散スペース211が密閉されない。このため、分配部のガス分配機能が著しく低下する。
また、図9Cは、第1分配リブ221の高さと第2分配リブ222の高さが同じであった場合の、分配リブと枠体105との接触領域を示す図である。図9Cに示された分配部210では、第1分配リブの高が0.25mmであり、第2分配リブの高さが、0.25mmであり、第3分配リブの高さが0.21mmである。
図9Cに示されるように、第1分配リブ221の高さと第2分配リブ222の高さが同じであった場合、第2分配リブ222のみが枠体に接触し、拡散スペース211が密閉されない。このため、分配部のガス分配機能が著しく低下する。
このように、第1分配リブの高さを、他の分配リブの高さよりも高くすれば、第1分配リブと枠体との接触を確保することができ、分配部のガス分配機能が確保される。
(実施の形態3)
実施の形態2では、MEAの厚さと流路リブの高さとの和を、枠体の厚さと分配リブの高さとの和よりも大きくすることで、流路リブとMEAとの接触を確実にした形態について説明した。実施の形態3では分配リブの頂面を弾性部材とすることで、流路リブとMEAとの接触を確実にした形態について説明する。
図10Aは、実施の形態3の燃料電池3の分解断面図を示す。図10Aに示された燃料電池3は、分配リブの構造が異なる以外は、図8Aに示された実施の形態2の燃料電池2と同じである。実施の形態2の燃料電池2と同一の構成要素については同一の符号を付し、説明を省略する。
図10Aに示されるように、実施の形態3の燃料電池3では、分配リブの頂面が弾性部材170からなる。また、本実施の形態では、実施の形態2と異なり、MEAの厚さ101tと流路リブの高さ231hとの和S1は、枠体の厚さ105tと分配リブの高さ220hとの和S2以下であってもよい。さらに全ての分配リブの高さは同じであってよい。
図10Bは、図10Aに示された燃料電池2に締結圧を加えた様子を示す。図10Bに示されるように、燃料電池2に矢印X方向からの締結圧が加わると、弾性部材170が枠体に接触し、弾性部材170が潰れる。弾性部材170が潰れると、分配リブの高さ220hが低くなり、MEAの厚さ101tと流路リブの高さ231hとの和S1が、枠体105tの厚さと分配リブの高さ220hとの和S2以上になる。これにより、MEA101と流路リブ231とが接触することができる。また、分配リブも枠体105に確実に接触することができるので、分配スペースの密封性も確保される。
また、図10Aおよび図10Bでは、分配リブが、セパレータを加工成形することで形
成された突起と、突起の頂面に配置された弾性部材からなる例について説明したが、本実施の形態では、分配リブは、図10Cに示されるようにセパレータに配置された弾性部材170のみから構成されてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態4では、拡散スペースの長軸に沿って拡散スペースの幅が変動する形態について説明する。
図11は、実施の形態4の燃料電池4の空気極セパレータ200の平面の一部拡大図である。実施の形態1の燃料電池1と、同一の構成要件については同一の符号を付し説明を省略する。
図11に示されるように、本実施の形態では、拡散スペース211の幅は、酸化ガス供給マニホールド孔210と反対側の長軸方向の端部Aから、酸化ガス供給マニホールド孔210側の長軸方向の端部Bに向かって、徐々に広くなる。したがって、拡散スペース211の端部B近傍の幅W2は、端部A近傍の幅W1よりも広い。
このように、拡散スペースの幅を、端部Aから端部Bに向かって広くすることで反応ガス供給マニホールド孔近傍の拡散スペースの圧力損失をさらに下げることができ、反応ガスが、拡散スペースを満たす前に第1分配リブのスリットから漏れ出すことを防止することができる。
(実施の形態5)
実施の形態1〜4では、ガス分配部が3以上の分配スペースおよび2以上の分配リブを有する形態について説明した。実施の形態5では、ガス分配部が1つの分配リブを有する形態について説明する。
実施の形態5の燃料電池は、ガス分配部のパターンが異なる以外は、実施の形態1の燃料電池1と同じである。したがって、実施の形態5では、ガス分配部のパターンについてのみ説明する。
1)空気極セパレータ200aの酸化ガス入口分配部210aの構造について
図12は、空気極セパレータ200aのMEAに接する面に形成された酸化ガス入口分配部210aおよび酸化ガス流路230のパターンを示す図である。実施の形態1の空気極セパレータと同一の構成部材については同一の符号を付し説明を省略する。
図12に示されるように酸化ガス入口分配部210aは酸化ガス供給マニホールド孔130と直線状の酸化ガス流路230とを接続する。酸化ガス供給マニホールド孔130と酸化ガス入口分配部210aとは流路受け部240を介して連結されている。
酸化ガス入口分配部210aは、酸化ガス流路230の長軸に垂直な長軸を有する1つの分配リブ221aを有する。分配リブ221aは、酸化ガス入口分配部210aを、酸化ガス供給マニホールド孔130側の拡散スペース211と、酸化ガス流路230側の分配スペース212とに区切る。
分配リブ221aは、拡散スペース211と分配スペース212とを接続する2以上(6個)の分配流路227を有する。分配流路227は、酸化ガス供給マニホールド孔130側から酸化ガス流路230側にトーナメント表状に分岐している。分配流路227は全て同じ寸法を有することが好ましい。
拡散スペース211の断面積は、分配流路227の断面積よりも大きい。例えば、拡散スペース211の深さは0.25〜0.50mmであり、幅は1.0〜10.0mmであり;第1分配リブ221aが有する分配流路227の深さは0.25〜0.50mmであり、幅は0.5〜3.0mmである。
次に、酸化ガス供給マニホールド孔130から酸化ガス流路230への酸化ガスの流れについて説明する。図12に示された矢印は酸化ガスの動きを示す。
図12に示されるように、酸化ガス供給マニホールド孔130から供給された酸化ガスは、まず酸化ガス入口分配部210aの拡散スペース211内に流入する。上述のように拡散スペース211の断面積は、分配流路227の断面積よりも大きいので、拡散スペース211の圧力損失は分配流路227の圧力損失よりも小さい。このため、拡散スペース211内に流入した酸化ガスは、分配流路227に流入する前に、まず拡散スペース211全体に拡散する。このため、酸化ガスは、酸化ガス流路230の長軸に垂直方向にまず拡散する。
全体に酸化ガスが拡散した拡散スペース211内にさらに酸化ガスが流入すると、拡散スペース211内の酸化ガスの圧力が高まり、酸化ガスは、分配流路227に流入する。上述のように、6つの分配流路227の寸法は同じであり、圧力損失が同じであることから各分配流路227に流入する酸化ガスの流量も均一である。
各分配流路227に流入する酸化ガスは、トーナメント表状に分岐した分配流路によって、酸化ガス流路230の長軸に垂直方向に均等に分配され分配スペース212に流入する。
このように、各分配流路227に流入する酸化ガスの流量を均一にし、各分配流路227で酸化ガスをさらに均等に分配することで、第1分配スペース212では、酸化ガスの流量は、酸化ガス流路230の長軸に垂直方向に均等になる。
そして第1分配スペース212の酸化ガスが各酸化ガス流路230に流入する。上述のように、第1分配スペース212では、酸化ガスの流量は、酸化ガス流路230の長軸に垂直方向に均等になるので、各酸化ガス流路230内の酸化ガスの流量を均一にすることができる。
2)燃料極セパレータ300aの燃料ガス入口分配部310aの構造について
図13は、燃料極セパレータ300aのMEAに接する面に形成された燃料ガス入口分配部310aおよび酸化ガス流路330のパターンを示す図である。実施の形態1の燃料極セパレータと同一の構成部材については同一の符号を付し説明を省略する。
図13に示されるように燃料ガス入口分配部310aは燃料ガス供給マニホールド孔110と直線状の燃料ガス流路330とを接続する。燃料ガス供給マニホールド孔110と燃料ガス入口分配部310aとは流路受け部340を介して連結されている。
燃料ガス入口分配部310aは、燃料ガス流路330の長軸に垂直な長軸を有する1つの分配リブ321aを有する。分配リブ321aは、燃料ガス入口分配部310aを、燃料ガス供給マニホールド孔110側の拡散スペース311と、燃料ガス流路330側の分配スペース312とに区切る。
分配リブ321aは、拡散スペース311と分配スペース312とを接続する2以上(6個)の分配流路327を有する。分配流路327は、燃料ガス供給マニホールド孔11
0側から燃料ガス流路330側にトーナメント表状に分岐している。分配流路327は全て同じ寸法を有することが好ましい。
図13に示されるように、燃料入口分配部310aの構造は、図11に示された酸化ガス入口分配部210aの構造と同様であることから説明を省略する。
(実施の形態6)
実施の形態6では、燃料ガス分配部の分配リブがMEAの枠体に形成される形態について説明する。
図14は、実施の形態6の燃料電池スタック6の断面図を示す。実施の形態1と同一の構成要件については同一の符号を付し説明を省略する。
図14に示されるように、本実施の形態では、燃料ガス入口分配部の分配リブ(第1分配リブ321b、第2分配リブ322bおよび第3分配リブ323b)は、枠体一体型MEA100の枠体105に形成される。したがって、燃料極セパレータ300bの外周部は、凹凸形状を有さず平板である。
一方で、酸化ガス入口分配部の分配リブは、実施の形態3と同様に金属セパレータである空気極セパレータ200の外周部をプレス加工することによって形成される。また、空気極セパレータ200と燃料極セパレータ300bとを貼り合わせることで、冷媒入口分配部が形成される。
このように、燃料ガス入口分配部の分配リブをMEAの枠体に形成することで、燃料極セパレータの外周部が平板になり、燃料セパレータの凹凸形状を単純にすることができる。これにより、燃料極セパレータの歪みを防止することができる。
(実施の形態7)
実施の形態7では、酸化ガス分配部および燃料ガス分配部の分配リブが枠体に形成される形態について説明する。
図15は、実施の形態7の燃料電池スタック7の断面図を示す。実施の形態6と同一の構成要件については同一の符号を付し説明を省略する。
図15に示されるように、本実施の形態では、酸化ガス入口分配部および燃料ガス入口分配部の分配リブは、枠体一体型MEA100の枠体105に形成される。具体的には、酸化ガス入口分配部の分配リブ(第1分配リブ221c、第2分配リブ222cおよび第3分配リブ223c)が枠体105に形成され;同様に燃料ガス入口分配部の分配リブ(第1分配リブ321c、第2分配リブ322cおよび第3分配リブ323c)が枠体105に形成される。したがって、セパレータ(200c、300c)の外周部は、凹凸形状を有さず平板である。
セパレータ(200c、300c)の外周部が平板であると、空気極セパレータ200cおよび燃料極セパレータ300cを貼り合わせただけでは、実施の形態1のように冷媒分配部を形成することができない(図6A〜D参照)。このため、本実施の形態では、冷媒入口分配部の分配リブ(第1分配リブ421c、第2分配リブ422cおよび第3分配リブ423c)は、セパレータの外周部(平板)に配置されたシール部材である。
このように、燃料ガス入口分配部および酸化ガス入口分配部の分配リブを枠体に形成することで、空気極セパレータおよび燃料極セパレータ両方の凹凸形状を単純にすることが
できる。このため、本実施の形態によれば、空気極セパレータおよび燃料極セパレータ両方の歪みを防止する効果が高い。
(実施の形態8)
実施の形態8では、反応ガス流路がガス拡散層に形成されている例について説明する。
図16は、本発明の実施の形態8の燃料電池の分解斜視図である。実施の形態1と同一の構成部材については同一の符号を付し説明を省略する。図16に示されるように、燃料極セパレータ300dは、燃料ガス流路を有さない。
図17は、図16に示された燃料電池5のAA線による断面の一部拡大図である。実施の形態1と同一の構成要件については同一の符号を付し説明を省略する。
図17に示されるように、燃料ガス流路330dは、MEA101のガス拡散層104に形成されている。このため燃料極セパレータ300dの中央部は凹凸形状を有さず平板である。
(実験例1)
本発明によって反応ガスの分配性が向上することを示すためシミュレーション実験を行った。具体的には、ANSYS社のFLUENTのPEMモジュールを用いて、実施の形態1の燃料電池の発電状態におけるガスの流れ方を解析した。
次にシミュレーションにおける各種パラメータについて説明する。触媒電極のサイズは横120mm、縦200mmとした。
酸化ガス流路230の幅を1.0mmとし、深さを0.3mmとし、本数を48本とした。流路を規定する分配リブの幅を1.5mmとし、流路間のピッチを2.5mmとした。燃料ガス流路330の幅を1.0mmとし、深さを0.5mmとし、本数を48本とした。流路を規定する分配リブの幅を1.5mmとし、流路間のピッチを2.5mmとした。酸化ガス流路と燃料ガス流路とは対向するように配置した。
酸化ガス入口分配部210は、4つ分配スペースおよび3つの分配リブを有するように設定した。拡散スペース211の幅を10mmとし、深さを0.5mmとした。第1分配スペース212および第2分配スペース213の幅を1mmとし、深さを0.5mmとした。第3分配スペース214の幅を3.5mmとし、深さを0.5mmとした。
分配リブの幅は全て1.5mmとした。第1分配リブ221のスリットの幅を3mmとした。第2分配リブ222および第3分配リブ223のスリットの幅を1.5mmとした。
燃料ガス入口分配部310では、分配スペースの深さを0.25mmとした以外は、酸化ガス分配部と同じ寸法にした。
1セルあたりの酸化ガスの標準状態の流量を1.737L/minとし、燃料ガスの標準状態の流量を0.713L/minとした。酸化ガスの露点を65℃とし、燃料ガスの露点を65℃とし、セル温度を80℃とした。酸化ガスを空気とし、燃料ガスを水素に、二酸化炭素を体積比率にして25%混入させたガスとした。発電時における電流密度を、0.24A/cmとした。
(比較例1)
比較例として分配部が分配スペースおよび分配リブを有さないように設定した以外は、実験例と同じ条件でシミュレーションを行った。
(解析結果)
実験例の解析結果を図18および図19に示す。図18は、酸化ガス流路における解析結果を示し、図19は燃料ガス流路における解析結果を示す。図18および図19では縦軸は、平均流量に対する割合を%で示し、横軸は流路番号を示す。
平均流量とは、供給したガスの流量を反応ガス流路の数で割った値である。平均流量に対する割合が100%である場合、その反応ガス流路に流れる反応ガスの流量が平均流量と同じであることを意味し;100%超であると、その反応ガス流路に流れる反応ガスの流量が平均流量よりも多いことを意味し;100%未満であると、その反応ガス流路に流れる反応ガスの流量が平均流量よりも少ないことを意味する。
図18に示されるように、分配部が分配スペースおよび分配リブを有する実験例では、各酸化ガス流路の酸化ガスの流量のばらつきを5%以内に抑えることができた。一方比較例では、各酸化ガス流路の酸化ガスの流量のばらつきは30%以上であった。また、図19に示されるように、分配部が分配スペースおよび分配リブを有する実験例では、各燃料ガス流路の燃料ガスの流量のばらつきは1%以内に抑えることができた。一方比較例では、燃料ガス流路間の燃料ガスの流量のばらつきは10%以上であった。
また、燃料極のほうが酸化極よりもガスの流量のバラツキが小さかったのは、燃料ガスの方が酸化ガスよりも粘性が小さいことに起因すると考えられる。
これらの結果は本発明によって反応ガス流路内のガスの流量を一定にすることができることを示唆する。また、比較例で示されたように分配部が分配スペースを有しない場合、分配部に流入した反応ガスは、均等に分配されることなく反応ガス流路に流入するので、反応ガス流路間の反応ガスの流量がばらつく。
定置型の家庭用コージェネレーションシステム用燃料電池スタックでは、発電効率が高いことが求められる。このため、家庭用コージェネレーションシステム用燃料電池スタックでは、反応ガスの利用率を上げて、発電効率を高めるために、燃料電池に供給する反応ガスの流量を少なくしている。具体的には、触媒電極の面積が240cmの燃料電池単セルあたり、酸化ガスを0.1L/min〜3L/min、燃料ガスを0.05L/min〜1.2L/min程度供給する。これにより、酸化ガスの酸素利用率(限界利用率)を最高80%まで、燃料ガスの水素利用率(限界利用率)を最高95%まで向上させることができる。また、このような条件下で家庭用コージェネレーションシステム用燃料電池スタックを運転すると電流密度は、0.02A/cm〜0.4A/cmになる。
上述のように本発明の燃料電池によれば、2L/min以下の反応ガスの流量では、反応ガスの流量のバラツキ5%以下に抑えることができる。このため、本発明の燃料電池は、家庭用コージェネレーションシステム用燃料電池として特に適している。
また、上述したように、酸素の限界利用率が80%で、水素の限界利用率が95%であれば、反応ガスの流量が酸化ガス流路で5%、燃料ガス流路で1%の範囲でバラついたとしても、電極の電流分布が均一に安定する。
(実験例2)
反応ガスの流量と反応ガスの分配性との関係を示すためシミュレーション実験を行った。実験例2では、反応ガスの流量を変数とした以外は、実験例1と同じ条件でシミュレーションを行った。
(比較例2)
比較例2では、分配部が分配スペースおよび分配リブを有さないように設定した以外は、実験例2と同じ条件でシミュレーションを行った。
(解析結果)
実験例2および比較例2の解析結果を図20に示す。図20のグラフでは、縦軸は、流量のバラツキを%で示し、反応ガスの流量を示す。流量のバラツキとは、各反応ガス流路に流れる反応ガスの流量の最大値と最小値との差を、反応ガス流路に流れる反応ガスの平均流量で割った値を示したものである。
図20のグラフに示されるように、実験例2および比較例2では、反応ガスの流量が増加するとともに、反応ガスの流量のバラツキも増加した。しかしながら、実験例2における反応ガスの流量のバラツキは、比較例2における反応ガスの流量のバラツキよりも常に低かった。
具体的には、酸化ガス流路では、酸化ガスの流量が3L/minであっても、酸化ガスの流量のバラツキを5%以内に抑えることができた。また、燃料ガス流路では、燃料ガスの流量が1.2L/minであっても、燃料ガスの流量のバラツキを1%以内に抑えることができた。
一方、分配部が分配スペースを有さない比較例2では、反応ガスのバラツキは最小でも6%以上であった。
このように本発明の燃料電池は、反応ガスの流量が増加した場合であっても、高い反応ガスの分配性を示す。したがって本発明の燃料電池は、反応ガスの流量が多い自動車用燃料電池としても適している。
自動車用燃料電池では、通常の発電における電流密度は0.5A/cm2〜2A/cmである。この電流密度を達成するため、自動車用燃料電池では、触媒電極の面積が240cmの燃料電池単セルあたり、酸化ガスを3.5L/min〜8L/min、燃料ガスを1.4L/min〜6L/minを供給する。
本出願は、2009年9月16日出願の特願2009−214693および2010年2月17日出願の特願2010−32619に基づく優先権を主張する。当該出願明細書に記載された内容は、すべて本願明細書に援用される。
本発明の燃料電池は、高い反応ガスの分配性を有するので、家庭用コージェネレーションシステム用燃料電池スタックとして適している。また、本発明の燃料電池は、反応ガスの流量が多くても場合でも高い反応ガスの分配性を有する。このため本発明の燃料電池は、電気自動車用燃料電池、モバイル用燃料電池としても、高い発電性能を発揮することができる。
1、2、3、5、6、7 燃料電池
100 枠体一体型MEA
101 MEA
105 枠体
102 電解質膜
103 触媒層
104 ガス拡散層
110 燃料ガス供給マニホールド孔
120 冷媒供給マニホールド孔
130 酸化ガス供給マニホールド孔
140 燃料ガス排出マニホールド孔
150 冷媒排出マニホールド孔
160 酸化ガス排出マニホールド孔
170 弾性部材
200 空気極セパレータ
210 酸化ガス入口分配部
211 拡散スペース
212、213、214 分配スペース
221、222、223 分配リブ
225、325、425 スリット
227、327 分配流路
230 酸化ガス流路
231 流路リブ
240、340、440 流路受け部
250、350、450 シール部材
260 酸化ガス出口分配部
300 燃料極セパレータ
310 燃料ガス入口分配部
311 拡散スペース
312、313、314 分配スペース
321、322、323 分配リブ
330 燃料ガス流路
331 流路リブ
360 燃料ガス出口分配部
410 冷媒入口分配部
411、412、413、414 分配スペース
421、422、423 分配リブ
430 冷媒流路
431 流路リブ
460 冷媒出口分配部

Claims (15)

  1. 高分子電解質膜および前記高分子電解質膜を挟む一対の触媒電極を有する膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を挟み、直線状の流路リブによって規定された直線状の反応ガス流路、反応ガス供給マニホールド孔および反応ガス排出マニホールド孔を有する一対のセパレータと、
    前記反応ガス供給マニホールド孔と前記反応ガス流路とを接続するガス入口分配部と、を有する固体高分子型燃料電池であって、
    前記ガス入口分配部は、前記ガス入口分配部を複数のスペースに区切り、前記直線状のガス流路の長軸に垂直な長軸を有し、かつ前記直線状のガス流路の長軸に平行な2以上のスリットを有するn個[nは2以上の整数である]の分配リブを有し、
    前記リブのうち、最も前記反応ガス供給マニホールド孔側の分配リブを第1分配リブとし、最も前記反応ガス流路側の分配リブを第n分配リブとし、前記スペースのうち前記第1分配リブよりも前記反応ガス供給マニホールド孔側のスペースを拡散スペースとしたとき、
    前記拡散スペースの、前記反応ガス流路の長軸に平行で、かつ前記セパレータの面方向に垂直な断面の平均面積は、前記第1分配リブが有するスリットの、前記分配リブの長軸に平行で、かつ前記セパレータの面方向に垂直な断面の面積よりも大きく、
    前記第m[mは1〜n−1までの任意の整数である]分配リブが有するスリットの位置は、前記第m+1分配リブが有する2つの隣接するスリットの間に位置する、固体高分子型燃料電池。
  2. 前記拡散スペースの断面の平均面積は、前記第1分配リブが有するスリットの断面の面積の総和の0.9倍以上である、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  3. 前記第m分配リブが有するスリットの数は、前記第m+1分配リブが有するスリットの数よりも少ない、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  4. 前記第m分配リブが有するスリットの数は、前記第m+1分配リブが有するスリットの数の1/2である、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  5. 前記第n分配リブが有するスリットの数は、
    前記セパレータが有する反応ガス流路の本数の1/2である、請求項4に記載の固体高分子型燃料電池。
  6. 前記反応ガス流路と前記反応ガス排出マニホールド孔とを接続するガス出口分配部をさらに有し、
    前記反応ガス供給マニホールド孔は、前記反応ガス排出マニホールド孔の対角に位置し、かつ前記反応ガス供給マニホールド孔の位置と前記反応ガス排出マニホールド孔の位置とは、前記セパレータの中心点に関して点対称であり、
    前記ガス入口分配部の位置および形状と、前記ガス出口分配部の位置および形状とは、前記セパレータの中心点に関して点対称である、請求項1に記載の固体高分子燃料電池。
  7. 前記膜電極接合体を保持する枠体をさらに有し、
    前記ガス入口分配部は、前記セパレータと前記枠体との間に設けられる、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  8. 前記流路リブの高さと、前記膜電極接合体の厚さとの和は、前記分配リブの高さと前記枠体の厚さとの和以上であり、前記分配リブのうち前記第1分配リブが最も高い、請求項7に記載の固体高分子型燃料電池。
  9. 前記分配リブの高さは、前記第1分配リブから前記第n分配リブに向かって、徐々に減少する、請求項8に記載の固体高分子型燃料電池。
  10. 前記分配リブの頂面は、弾性部材からなる、請求項7に記載の固体高分子型燃料電池。
  11. 前記スペースのうち、前記拡散スペース以外のスペースを分配スペースとしたとき、前記拡散スペースの断面の平均面積は、
    いずれの前記分配スペースの、前記反応ガス流路の長軸に平行で、かつ前記セパレータの面方向に垂直な断面の平均面積よりも大きい、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  12. 前記セパレータは、冷媒供給マニホールド孔と、前記反応ガス流路が形成された面の裏面に直線状の冷媒流路と、をさらに有し、
    前記冷媒供給マニホールド孔は、前記反応ガス供給マニホールド孔に隣接する、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  13. 前記冷媒供給マニホールド孔と、前記冷媒流路とを接続する冷媒入口分配部をさらに有し、
    前記冷媒入口分配部は、前記ガス入口分配部を複数のスペースに区切り、前記直線状の冷媒流路の長軸に垂直な長軸を有し、かつ前記直線状の冷媒流路の長軸に平行な2以上のスリットを有するn個[nは2以上の整数である]の分配リブを有する、請求項12に記載の固体高分子型燃料電池。
  14. 前記ガス入口分配部の分配リブは、前記セパレータに形成される、請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
  15. 前記セパレータは、前記反応ガス流路が形成された中央部と、前記中央部を囲む外周部とを有し、
    前記ガス入口分配部の分配リブは、前記枠体に形成され、
    前記外周部は、平板である、請求項7に記載の固体高分子型燃料電池。
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