JP2009277465A - 高分子電解質形燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】集電板とセパレータとの間の接触抵抗を十分に低減することができる高分子電解質形燃料電池を提供する。
【解決手段】膜電極接合体及び一対のセパレータを含むセルを有する積層体と、積層体を挟持する一対の端板と、端板と前記積層体との間に配置される一対の集電板とを有しており、集電板の積層体側の面上の内部には、第1凹凸部が形成されており、集電板に最も近いセパレータの集電板側の面上の内部には、第1凹凸部に嵌合する第2凹凸部が形成されている高分子電解質形燃料電池。
【選択図】図1
【解決手段】膜電極接合体及び一対のセパレータを含むセルを有する積層体と、積層体を挟持する一対の端板と、端板と前記積層体との間に配置される一対の集電板とを有しており、集電板の積層体側の面上の内部には、第1凹凸部が形成されており、集電板に最も近いセパレータの集電板側の面上の内部には、第1凹凸部に嵌合する第2凹凸部が形成されている高分子電解質形燃料電池。
【選択図】図1
Description
本発明は、定置用コジェネレーションシステム、移動体用電源、携帯用電気機器用電源等に使用される高分子電解質形燃料電池スタックに関する。
水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜を用いた高分子電解質形燃料電池(以下、燃料電池という)は、水素等の還元剤を含む燃料ガス(天然ガスの改質ガス等)と、酸素等の酸化剤を含む酸化剤ガス(空気等)とを電気化学的に反応させることで、電力と熱と水(反応生成物)とを同時に発生させる装置である。
この燃料電池は、主として、互いに対向配置される一対の導電性のセパレータと、この一対の導電性セパレータの間に配置される膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、膜電極接合体の周縁部に配置された環状のガスケットとを有している。
膜電極接合体は、主として、アノード(ガス拡散電極)と、カソード(ガス拡散電極)と、これらアノード及びカソードの間に配置される高分子電解質膜とを有して構成されている。アノード及びカソードは、主として、電極触媒と当該電極触媒の担体となる電子伝導性カーボン粒子と高分子電解質とを含む触媒層と、この触媒層の外側に配置される通気性と電子導電性とを併せ持つガス拡散層とを有して構成されている。なお、「膜電極接合体」とは、上述のアノード、カソード及び高分子電解質膜を含む部材をいう。
導電性のセパレータは、一対のセパレータの間に膜電極接合体を機械的に固定するための部材である。また、導電性のセパレータは、複数の膜電極接合体を積層した燃料電池スタックにおいて、各膜電極接合体の間に配置され、各膜電極接合体を電気的に直列に接続するための部材である。セパレータの主面のうち膜電極接合体と接触する側の主面には、ガス流路が形成されている。このガス流路は、セパレータと別に設けることもできるが、セパレータの表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的である(以下、必要に応じて、膜電極接合体とこれを挟む一対のセパレータとの構成を「セル」という。)。
さらに、膜電極接合体とセパレータとの間の領域であって膜電極接合体のアノード及びカソードの周辺の領域には、燃料電池に供給される燃料ガス又は酸化剤ガスが燃料電池の外部にリークしたり、燃料電池の内部で燃料ガスと酸化剤ガスとが直接混合しないように、一対のガスケット(ガスシール材)が配設される。
高分子電解質形燃料電池スタック(以下、燃料電池スタックという)の構造としては、一対の端板(エンドプレート)の間に複数の膜電極接合体と導電性のセパレータとを含む積層体を配置し、一対の端板により積層体をその両端から押圧するようにして固定する構造(締結ロッド及び締結ボルトを用いて締結し固定する構造)が一般的に採用されている。さらに、上記積層体と端板との間には、積層体の側に集電板、端板の側に絶縁板が配置された構造が採用されている。積層体の膜電極接合体の数は、実用に必要な電力に応じて所望の数が設定される。上記構成を有するものとしては、例えば、膜電極接合体とセパレータを交互に重ねていき、10〜200セル積層したものがある。
近年、燃料電池はその実用化に向けて様々な検討がなされている。例えば、燃料電池において、集電部材(本明細書の詳細な説明における集電板に相当する)とタイロッド(本明細書の詳細な説明における締結ロッドに相当する)との絶縁性を確実にするために、集電板にガイドを設けることにより、電池積層体あるいは締付板(本明細書の詳細な説明における端板に相当する)に集電板を係止し位置決め固定することが提案されている。(例えば、特許文献1の図1、図2又は図3参照)。
特開平8−78044号公報
しかしながら、積層体の両側に集電板を配置する構成を採用した上述の特許文献1の燃料電池をはじめとする従来技術の燃料電池は、集電板とセパレータとの接触抵抗を十分に低減するという観点から、未だ改善の余地があった。
燃料電池の実用化に向けて高い発電効率を得るには、燃料電池の内部抵抗を低減する必要がある。この観点から、集電板とセパレータとの接触抵抗のさらに低減を図ることは重要となる。
また、製造コスト低減の観点から、セパレータとしてカーボンとバインダーとを含む流体を圧縮成型することにより得られる圧縮成型セパレータを採用する場合、この圧縮成型セパレータは、一般的に抵抗が大きい。そのため、セパレータそのものの抵抗を低減するだけでなく、圧縮成型セパレータと集電板との接触抵抗を十分に低減することが特に重要である。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであり、セパレータと集電板との接触抵抗を十分に低減できる高分子電解質形燃料電池スタックを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、
アノード、カソード、及び前記アノードと前記カソードとの間に配置される高分子電解質膜を含む膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持するようにして互いに対向配置される一対のセパレータと、
前記膜電極接合体及び前記一対のセパレータを含むセルを1以上有する積層体を挟持するようにして、前記積層体の両端に互いに対向配置される一対の第1端板及び第2端板と、
前記第1端板と前記積層体との間、及び、前記第2端板と前記積層体との間に、前記積層体に電気的に接触するようにそれぞれ配置される第1集電板及び第2集電板と、
を有しており、
前記第1集電板は、前記積層体側の面上の内部に、第1凹凸部が形成されており、
前記積層体中の前記第1集電板に最も近いセパレータは、前記第1集電板側の面上の内部に、前記第1凹凸部に嵌合するように設けられた第2凹凸部が形成されている、
高分子電解質形燃料電池スタックを提供する。
アノード、カソード、及び前記アノードと前記カソードとの間に配置される高分子電解質膜を含む膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持するようにして互いに対向配置される一対のセパレータと、
前記膜電極接合体及び前記一対のセパレータを含むセルを1以上有する積層体を挟持するようにして、前記積層体の両端に互いに対向配置される一対の第1端板及び第2端板と、
前記第1端板と前記積層体との間、及び、前記第2端板と前記積層体との間に、前記積層体に電気的に接触するようにそれぞれ配置される第1集電板及び第2集電板と、
を有しており、
前記第1集電板は、前記積層体側の面上の内部に、第1凹凸部が形成されており、
前記積層体中の前記第1集電板に最も近いセパレータは、前記第1集電板側の面上の内部に、前記第1凹凸部に嵌合するように設けられた第2凹凸部が形成されている、
高分子電解質形燃料電池スタックを提供する。
即ち、第1凹凸部及び第2凹凸部は、それぞれ第1集電板の第1セパレータ側の面上、及び、第1セパレータの第1集電板側の面上の少なくとも内部に形成され、第1凹凸部及び第2凹凸部は、それぞれ互いに嵌合するように形成されている。例えば、第1凹凸部の凸部は、第2凹凸部の凹部と嵌合し、第1凹凸部の凹部は、第2凹凸部の凸部と嵌合するように形成されている。
これにより、本発明の燃料電池スタックは、集電板とセパレータとの接触面が平面である構成の燃料電池に比べ、締結した際に、より大きな集電板とセパレータとの接触面積を得ることができる。これにより、集電板とセパレータとの接触抵抗を十分に低減することができる。
また、本発明の燃料電池スタックにおいては、前記第2集電板は、前記積層体側の面上の内部に、第3凹凸部が形成されており、前記積層体中の前記第2集電板に最も近いセパレータは、前記第2集電板側の面上の内部に、前記第3凹凸部に嵌合するように設けられた第4凹凸部が形成されていることが好ましい。
即ち、第3凹凸部及び第4凹凸部は、それぞれ第2集電板の第2セパレータ側の面上、及び、第2セパレータの第2集電板側の面上の少なくとも内部に形成され、第3凹凸部及び第4凹凸部は、それぞれ互いに嵌合するように形成されていることが好ましい。
これにより、本発明の燃料電池スタックは、集電板とセパレータとの接触面が平面である構成の高分子電解質形燃料電池に比べ、締結した際に、さらに大きな集電板とセパレータとの接触面積を得ることができ、集電板とセパレータとの接触抵抗をさらに十分に低減することができる。
また、本発明の効果を確実に得るという観点から、本発明の燃料電池スタックは、前記第1凹凸部は、前記第1集電板側から前記セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有しており、前記第2凹凸部は、前記セパレータ側から前記第1集電板側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有していることが好ましい。これにより、燃料電池スタックを締結した際に、集電板とセパレータとを確実に密着することができ、集電板とセパレータとの間の接触抵抗をより確実に低減することができる。
また、本発明の効果を確実に得るという観点から、本発明の燃料電池スタックは、前記第3凹凸部は、前記第2集電板側から前記セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有しており、前記第4凹凸部は、前記セパレータ側から前記第2集電板側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有していることが好ましい。これにより、燃料電池スタックを締結した際に、集電板とセパレータとを確実に密着することができ、集電板とセパレータとの間の接触抵抗をより確実に低減することができる。
また、本発明の燃料電池スタックは、前記セパレータは、カーボン及びバインダーを含むセパレータであることが好ましい。
本発明において、第1凹凸部及び第2凹凸部は、凹部及び凸部のうちの少なくとも一方を有し、それぞれ互いに嵌合するように形成されていればよい。例えば、第1凹凸部は凹部のみを有し、第2凹凸部は凸部のみを有している構成であってもよい。また、上記とは逆に、第1凹凸部は凸部のみを有し、第2凹凸部は凹部のみを有する構成であってもよい。また、第3凹凸部及び第4凹凸部についても同様に、凹部及び凸部のうちの少なくとも一方を有し、それぞれ互いに嵌合するように形成されていればよい。
本発明において、第1集電板の集電体側の面上の「内部」とは、第1集電板の集電体側の面上の外縁部を除く内側の領域をいう。例えば、特許文献1に記載のガイドが形成されている集電部材の外縁部は、本発明において、第1集電板の第1セパレータ側の面上の「内部」に含まない。また、第2集電板の集電体側の面上の「内部」についても同様に、第2集電板の集電体側の面の外縁部を除く内側の領域をいう。
また、本発明において、セパレータの第1集電板側の面上の「内部」とは、上記の第1集電板の積層体側の面上の「内部」に対向する領域、即ち、セパレータの第1集電板側の面の外縁部を除く内側の領域をいう。また、セパレータの第2集電板側の面上の「内部」についても同様に、上記の第2集電板のセパレータ側の面上の「内部」に対向する領域、即ち、セパレータの第2集電板側の面の外縁部を除く内側の領域をいう。
本発明の高分子電解質形燃料電池スタックによれば、集電板とセパレータとの接触抵抗を先に述べた従来の燃料電池よりも十分に低減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の高分子電解質形燃料電池スタック(以下、燃料電池スタックという)の第1実施形態の基本構成の一例を示す概略断面図である。
図1は、本発明の高分子電解質形燃料電池スタック(以下、燃料電池スタックという)の第1実施形態の基本構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示す本実施形態にかかる燃料電池スタックは、主として固体高分子形燃料電池の単電池であるセル10を複数積層したセル積層体1と、この積層体1を両側から挟持する一対の端板4と、セル積層体1と一対の端板4との間にそれぞれ配置される一対の集電板(即ち、第1集電板5及び第2集電板6)と、を有している。
セル10は、膜電極接合体11と、ガスリークを防止するため膜電極接合体11の周縁部に配置された一対の環状のガスケット12と、膜電極接合体11の両面に配置された一対の板状の導電性のセパレータ13とを有している。
膜電極接合体11は、プロトンを選択的に輸送する高分子電解質膜11aと、この高分子電解質膜11aの両面に形成され且つガスケット12より内側に配置された一対のガス拡散電極とを有して構成されている。
高分子電解質膜11aは、固体電解質膜であり、水素イオン伝導性を有する。高分子電解質膜14としては特に限定されるものではなく、通常の固体高分子形燃料電池に搭載されている高分子電解質膜を使用することができる。例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜(例えば、DuPont社製のNafion(商品名)、旭硝子(株)社製のFlemion(商品名)及びAciplex(商品名)、ジャパンゴアテックス(株)社製のGSIIなど)を使用することができる。
一対のガス拡散電極のうち、一方はアノード11bであり、他方はカソード11cである。アノード11bは、高分子電解質膜11a側に設けられている、白金系金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするアノード触媒層(図示せず)と、高分子電解質膜11aの反対側に設けられている、ガス通気性及び導電性を備えるアノードガス拡散層(図示せず)とを有している。同様に、カソード電極11cは、高分子電解質膜11a側に設けられている、白金系金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とするカソード触媒層(図示せず)と、高分子電解質膜11aと反対側に設けられている、ガス通気性及び導電性を備えるカソードガス拡散層(図示せず)とを有している。
アノードガス拡散層及びカソードガス拡散層は、特に限定されるものではなく、公知の燃料電池に搭載されているガス拡散電極のガス拡散層と同様の構成を有することができる。これらのガス拡散層の構成材料となる基材としては、得られるガス拡散層にガス透過性を持たせるために、例えば、カーボン微粉末、増孔剤、カーボンぺーパー又はカーボンクロスなどを用いて作製された、多孔質構造を有する導電性基材を用いてもよい。また、十分な撥水性を得る観点から、フッ素樹脂を代表とする撥水性高分子などをガス拡散層中に分散させてもよい。さらに、十分な電子伝導性を得る観点から、カーボン繊維、金属繊維、又はカーボン微粉末などの電子伝導性材料でガス拡散層を構成してもよい。また、アノードガス拡散層及びカソードガス拡散層の構成は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
アノード触媒層及びカソード触媒層の構成は、特に限定されず、公知の固体高分子形燃料電池に搭載されているガス拡散電極の触媒層を使用することができる。これらの触媒層の構成としては、例えば、電極触媒が担持された導電性炭素粒子と陽イオン(水素イオン)伝導性を有する高分子電解質とを含む構成を有していてもよく、上記構造に加え、ポリテトラフルオロエチレンなどの撥水材料をさらに含む構成を有していてもよい。高分子電解質としては、上述した高分子電解質膜11の構成材料を用いることができる。また、アノード触媒層及びカソード触媒層の構成は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記のアノード触媒層の電極触媒は、例えば、金属粒子(例えば、貴金属からなる金属粒子)からなり、導電性炭素粒子(粉末)に担持されて用いられる。当該金属粒子は、特に限定されず、公知の高分子電解質形燃料電池のアノードに使用される電極触媒を用いることができる。例えば、Ptを構成元素として含む金属粒子を用いてもよく、一酸化炭素に対する良好な耐久性を持たせるため、Pt及びRuを構成元素として含む金属粒子を用いてもよい。
上記のカソード電極触媒は、例えば、金属粒子(例えば、貴金属からなる金属粒子)からなり、導電性炭素粒子(粉末)に担持されて用いられる。当該金属粒子は、特に限定されず、種々の金属を用いることができる。電極反応活性の観点から、白金、金、銀、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、及びスズからなる群より選択される少なくとも1種を構成元素として含むものであることが好ましい。
一対のガスケット12は、膜電極接合体11の一対のガス拡散電極の周囲にそれぞれ配置される。これにより、アノード11b及びカソード11cにそれぞれ供給される燃料ガス及び酸化剤ガスが外部に漏れることを防止することができる。ガスケット12の材料としては、弾性を有する材料が好ましい。例えば、フッ素ゴムをガスケット13の好適な材料として用いることができる。
一対のセパレータ13のうちの一方には、アノード電極11bと接触する主面に、燃料ガスが流通する燃料ガス流路溝14が設けられている。一対のセパレータ13のうちの他方には、カソード電極11cと接触する主面に、酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流路溝15が設けられている。燃料ガス流路溝14及び酸化剤ガス流路溝15を通じてアノード11b及びかソート11cにそれぞれ燃料ガス又は酸化剤ガスが供給され、電気化学反応が起こり、電力と熱とが発生する。
また、隣り合う2つのセル10の互いに接触する一対のセパレータ13のうち少なくとも一方には、冷却水などの熱媒体が通流する熱媒体流路溝16が設けられている。例えば、図1では、セル積層体1は、セル10のアノード11bに接触するセパレータ13のアノード11bと反対側の主面に、熱媒体流路溝16が設けられている。なお、熱媒体流路溝16は、1つのセル10のカソード11cに接触するセパレータ13のカソード11cと反対側の主面に設けられていてもよい。
また、セル積層体1は、各膜電極接合体11に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給マニホールド(図示せず)と、反応生成水を含む未反応の燃料ガスを膜電極接合体11の外に排出するための燃料ガス排出マニホールド(図示せず)とを有している。燃料ガス供給マニホールド及び燃料ガス排出マニホールドは、セパレータ13をセル積層体1の積層方向に貫通し、燃料ガス流路溝14の入口及び出口とそれぞれ連通するように設けられている。燃料ガス供給マニホールド及び燃料ガス排出マニホールドは、一対の端板4の一方に設けられた燃料ガス供給口(図示せず)及び燃料ガス排出口(図示せず)とそれぞれ連通している。
同様に、セル積層体1は、各膜電極接合体11に酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給マニホールド(図示せず)と、反応生成水を含む未反応の酸化剤ガスを膜電極接合体11の外に排出するための酸化剤ガス排出マニホールド(図示せず)とを有している。酸化剤ガス供給マニホールド及び酸化剤ガス排出マニホールドは、セパレータ13をセル積層体1の積層方向に貫通し、酸化剤ガス流路溝15の入口及び出口とそれぞれ連通するように設けられている。酸化剤ガス供給マニホールド及び酸化剤ガス排出マニホールドは、一対の端板4の一方に設けられた酸化剤ガス供給口(図示せず)及び酸化剤ガス排出口(図示せず)とそれぞれ連通している。
また、セル積層体1は、熱媒体を供給するための熱媒体供給マニホールド(図示せず)と、熱媒体を膜電極接合体11の外に排出するための熱媒体排出マニホールド(図示せず)とを有している。熱媒体供給マニホールド及び熱媒体排出マニホールドは、セパレータ13をセル積層体1の積層方向に貫通し、熱媒体流路溝16の入口及び出口とそれぞれ連通するように設けられている。熱媒体供給マニホールド及び熱媒体排出マニホールドは、一対の端板4の一方に設けられた熱媒体供給口(図示せず)及び熱媒体排出口(図示せず)とそれぞれ連通している。
セル積層体1の両端のうちの一方の外側には、第1集電板5が配置されており、他方の外側には、第2集電板6が配置されている。第1集電板5は、セル積層体1の両端に配置されているセパレータ13のうちの一方(以下、第1端部セパレータという)と電気的に接触するように配置されている。第2集電板6は、セル積層体1の両端に配置されているセパレータ13のうちの他方(以下、第2端部セパレータという)と電気的に接触するように配置されている。第1集電板5及び第2集電板6には、外部電線との接続のため、セル積層体1の積層方向と略垂直な方向に突出した集電端子7がそれぞれ設けられている。セル積層体1の両端に配置されている第1端部セパレータ及び第2端部セパレータには、熱媒体流路溝16は設けられていない。
また、セル積層体1、第1集電板5及び第2集電板6を両側から挟持するように、一対の端板4が一対の絶縁板3を介して配置されている。端板4は、ステンレス等の金属材料で構成されている。セル積層体1、第1集電板5、第2集電板6、一対の絶縁板3、及び、一対の端板4は、セル積層体1の積層方向に加圧された状態で、締結部材20を用いて加圧締結される。ここでは、締結部材20として締結ロッド21と締結ナット22と締結バネ23とを用いた例を、図1に図示している。燃料電池スタックには、セル積層体1の積層方向に貫通する締結ロッド用孔(図示せず)が設けられており、締結ロッド21が締結ロッド用孔を貫通するように配置されている。締結ロッド21の一端には、締結バネ23が固定されており、他端には、締結ナット22が配置されている。燃料電池スタックを締結する際に、締結ナット22の締め付けによる荷重が、締結バネ23を介してセル積層体1にかかるように構成されている。
なお、端板4は、樹脂等の絶縁性の材料で構成されていてもよい。この場合、絶縁板3を用いなくてもよいため、燃料電池スタックの構成を簡素化できる。
なお、燃料電池スタックの両端に配置されている一対の第1端部セパレータの第1集電板5側の主面、及び、第2端部セパレータの第2集電板6側の主面には、熱媒体流路溝16は設けてられていない。
以下、本実施形態に備えられる第1集電板5、第2集電板6、第1端部セパレータ及び第2端部セパレータについて説明する。
本実施形態の燃料電池スタックは、第1集電板5と第1端部セパレータとの間に、第1凹凸部31及び第2凹凸部32を有している。ここで、第1凹凸部31及び第2凹凸部32は、第1集電板5の第1端部セパレータ側の面上、及び、第1端部セパレータの第1集電板5側の面上の少なくとも内部に形成されている。第1凹凸部31及び第2凹凸部32は、互いに嵌合するように形成されている。例えば、第1凹凸部31の凸部は、第2凹凸部32の凹部と嵌合し、第1凹凸部31の凹部は、第2凹凸部32の凸部と嵌合するように形成されている。
また、本実施形態の燃料電池スタックは、第2集電板6と第2端部セパレータとの間に、第3凹凸部33及び第4凹凸部34を有している。ここで、第3凹凸部33及び第4凹凸部34は、第2集電板6の第2端部セパレータ側の面上、及び、第2端部セパレータの第2集電板6側の面上の少なくとも内部に形成されている。第3凹凸部33及び第4凹凸部34は、互いに嵌合するように形成されている。例えば、第3凹凸部33の凸部は、第4凹凸部34の凹部と嵌合し、第3凹凸部33の凹部は、第4凹凸部34の凸部と嵌合するように形成されている。
以下、本実施形態における第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34について、図2を用いてさらに詳しく説明する。
図2(A)及び図2(B)は、図1に示した第1集電板5と第1端部セパレータ(セパレータ13)との接触部分の一部(以下、接触部分R1という)の要部拡大斜視図である。より具体的には、図2(A)は、締結前の第1集電板5及び第1端部セパレータの一部の要部分解斜視図であり、図2(B)は、締結後の第1集電板5及び第1端部セパレータの一部の要部拡大斜視図である。
図2(A)及び図2(B)に示すように、第1集電板5の第1端部セパレータ側の面上には、第1凹凸部31が形成されている。この第1凹凸部31は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部から画成されている。第1端部セパレータの第1集電板5側の面上には、第2凹凸部32が形成されている。この第2凹凸部32は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部とから画成されている。
本実施形態の接触部分R1において、第1凹凸部31の各凸部及び第2凹凸部32の各凸部は、それぞれ台形柱形状となるように形成されている。換言すると、第1凹凸部31の各凸部の表面及び第2凹凸部32の表面は、それぞれ複数の平面を有する波状の形状となるように形成されている。
ここで、第1凹凸部31の各凸部及び第2凹凸部32の各凸部は、セル積層体1の積層方向と垂直な断面において台形形状となるように形成されている。即ち、第1凹凸部31の各凸部は、第1集電板5側から第1端部セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような台形形状を有し、第2凹凸部32の各凸部は、第1端部セパレータ側から第1集電板5側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような台形形状を有している。
また、同様に、第2集電板6の第2端部セパレータ側の面上には、第3凹凸部33(図示せず)が形成されている。この第3凹凸部33は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部から画成されている。第2端部セパレータの第2集電板6側の面上には、第4凹凸部34(図示せず)が形成されている。この第4凹凸部34は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部とから画成されている。
第3凹凸部33及び第4凹凸部34は、それぞれ第1凹凸部31及び第2凹凸部32と同様の形状を有している。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタックは、第1集電板5は、セル積層体1側の面上の内部に、第1凹凸部31が形成されており、セル積層体1中の第1集電板5に最も近いセパレータ13(第1端部セパレータ)は、第1集電板5側の面上の内部に、第1凹凸部31に嵌合するように設けられた第2凹凸部32が形成されている。
これにより、本実施形態の燃料電池スタックは、第1集電板5と第1端部セパレータとの接触面が平坦な構成である場合に比べ、締結した際に、第1集電板5と第1端部セパレータとの接触面積が大きくなるため、第1集電板5と第1端部セパレータとの接触抵抗をさらに十分に低減することができる。
また、第2集電板6は、セル積層体1側の面上の内部に、第3凹凸部33が形成されており、セル積層体1中の第2集電板6に最も近いセパレータ13(第2端部セパレータ)は、第2集電板6側の面上の内部に、第3凹凸部33に嵌合するように設けられた第4凹凸部34が形成されている。
これにより、本実施形態の燃料電池スタックは、第2集電板6と第2端部セパレータとの接触面が平坦な構成である場合に比べ、締結した際に、第2集電板6と第2端部セパレータとの接触面積が大きくなるため、第2集電板6と第2端部セパレータとの接触抵抗をさらに十分に低減することができる。
また、第1凹凸部31の各凸部は、第1集電板5側から第1端部セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような台形形状を有しており、第2凹凸部32の各凸部は、第1端部セパレータ側から第1集電板5側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような台形形状を有している。即ち、第1集電板5及び第1端部セパレータは、燃料電池スタックを締結した際に、互いに密着しやすい形状を有している。そのため、第1集電板5と第1端部セパレータとを確実に密着することができ、第1集電板5と第1端部セパレータとの間の接触抵抗をより確実に低減することができる。
また、第3凹凸部33の各凸部は、第2集電板6側から第2端部セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような台形形状を有しており、第4凹凸部34の各凸部は、第2端部セパレータ側から第2集電板6側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような台形形状を有している。即ち、第2集電板6及び第2端部セパレータは、燃料電池スタックを締結した際に、互いに密着しやすい形状を有している。そのため、第2集電板6と第2部セパレータとを確実に密着することができ、第2集電板6と第2端部セパレータとの間の接触抵抗をより確実に低減することができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の燃料電池スタックの第2実施形態について説明する。本実施形態の燃料電池スタックの構成は、先に述べた第1実施形態の燃料電池1における第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34の形状が異なること以外は、第1実施形態と同様の構成とすることができる。
次に、本発明の燃料電池スタックの第2実施形態について説明する。本実施形態の燃料電池スタックの構成は、先に述べた第1実施形態の燃料電池1における第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34の形状が異なること以外は、第1実施形態と同様の構成とすることができる。
以下、本実施形態における第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34について、図3を用いてさらに詳しく説明する。
図3(A)及び図3(B)は、図1に示した第1集電板5と第1端部セパレータとの接触部分R1の要部拡大斜視図である。より具体的には、図3(A)は、締結前の第1集電板5及び第1端部セパレータの一部の要部分解斜視図であり、図3(B)は、締結後の第1集電板5及び第1端部セパレータの一部の要部拡大斜視図である。
図3(A)及び図3(B)に示すように、第1集電板5の第1端部セパレータ側の面上には、第1凹凸部31が形成されている。この第1凹凸部31は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部から画成されている。第1端部セパレータの第1集電板5側の面上には、第2凹凸部32が形成されている。この第2凹凸部32は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部とから画成されている。
本実施形態の接触部分R1において、第1凹凸部31の各凸部及び第2凹凸部32の各凸部は、それぞれ略半円柱形状となるように形成されている(ここで、略半円柱とは、半円柱及び半円柱を変形した形状のことをいう)。換言すると、第1凹凸部31の各凸部の表面及び第2凹凸部32の表面は、それぞれ滑らかな表面を有する波状の形状となるように形成されている。
ここで、第1凹凸部31の各凸部及び第2凹凸部32の各凸部は、セル積層体1の積層方向と垂直な断面において略半円形状となるように形成されている(ここで、略半円とは、半円及び半円を変形した形状のことをいう)。即ち、第1凹凸部31の各凸部は、第1集電板5側から第1端部セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような略半円形状を有し、第2凹凸部32の各凸部は、第1端部セパレータ側から第1集電板5側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような略半円形状を有している。
また、同様に、第2集電板6の第2端部セパレータ側の面上には、第3凹凸部33(図示せず)が形成されている。この第3凹凸部33は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部から画成されている。第2端部セパレータの第2集電板6側の面上には、第4凹凸部34(図示せず)が形成されている。この第4凹凸部34は、複数の凸部と、この複数の凸部の間に形成される複数の凹部とから画成されている。
第3凹凸部33及び第4凹凸部34は、それぞれ第1凹凸部31及び第2凹凸部32と同様の形状を有している。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池スタックは、第1集電板5は、セル積層体1側の面上の内部に、第1凹凸部31が形成されており、セル積層体1中の第1集電板5に最も近いセパレータ13(第1端部セパレータ)は、第1集電板5側の面上の内部に、第1凹凸部31に嵌合するように設けられた第2凹凸部32が形成されている。
これにより、本実施形態の燃料電池スタックは、第1集電板5と第1端部セパレータとの接触面が平坦な構成である場合に比べ、締結した際に、第1集電板5と第1端部セパレータとの接触面積が大きくなるため、第1集電板5と第1端部セパレータとの接触抵抗をさらに十分に低減することができる。
また、第2集電板6は、セル積層体1側の面上の内部に、第3凹凸部33が形成されており、セル積層体1中の第2集電板6に最も近いセパレータ13(第2端部セパレータ)は、第2集電板6側の面上の内部に、第3凹凸部33に嵌合するように設けられた第4凹凸部34が形成されている。
これにより、本実施形態の燃料電池スタックは、第2集電板6と第2端部セパレータとの接触面が平坦な構成である場合に比べ、締結した際に、第2集電板6と第2端部セパレータとの接触面積が大きくなるため、第2集電板6と第2端部セパレータとの接触抵抗をさらに十分に低減することができる。
また、第1凹凸部31の各凸部は、第1集電板5側から第1端部セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような略半円形状を有しており、第2凹凸部32の各凸部は、第1端部セパレータ側から第1集電板5側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような略半円形状を有している。即ち、第1集電板5及び第1端部セパレータは、燃料電池スタックを締結した際に、互いに密着しやすい形状を有している。そのため、第1集電板5と第1端部セパレータとを確実に密着することができ、第1集電板5と第1端部セパレータとの間の接触抵抗をより確実に低減することができる。
また、第3凹凸部33の各凸部は、第2集電板6側から第2端部セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような略半円形状を有しており、第4凹凸部34の各凸部は、第2端部セパレータ側から第2集電板6側へ向かうにつれて、幅が狭くなるような略半円形状を有している。即ち、第2集電板6及び第2端部セパレータは、燃料電池スタックを締結した際に、互いに密着しやすい形状を有している。そのため、第2集電板6と第2部セパレータとを確実に密着することができ、第2集電板6と第2端部セパレータとの間の接触抵抗をより確実に低減することができる。
本発明の実施形態では、第1凹凸部31及び第2凹凸部32は、凹部及び凸部のうちの少なくとも一方を有し、それぞれ互いに嵌合するように形成されていればよい。例えば、第1凹凸部31は凹部のみを有し、第2凹凸部32は凸部のみを有している構成であってもよい。また、上記とは逆に、第1凹凸部31は凸部のみを有し、第2凹凸部32は凹部のみを有する構成であってもよい。また、第3凹凸部33及び第4凹凸部34についても同様に、凹部及び凸部のうちの少なくとも一方を有し、それぞれ互いに嵌合するように形成されていればよい。
本発明において、第1集電板5のセパレータ13側の面上の「内部」とは、第1集電板のセパレータ13側の面上の外縁部を除く内側の領域をいう。例えば、特許文献1に記載のガイドが形成されている集電部材の外縁部は、本発明において、第1集電板5の第1セパレータ13側の面上の「内部」に含まない。また、第2集電板6のセパレータ13側の面上の「内部」についても同様に、第2集電板のセパレータ13側の面の外縁部を除く内側の領域をいう。
また、本発明において、セパレータ13の第1集電板5側の面上の「内部」とは、上記の第1集電板5のセパレータ13側の面上の「内部」に対向する領域、即ち、セパレータ13の第1集電板5側の面の外縁部を除く内側の領域をいう。また、セパレータ13の第2集電板6側の面上の「内部」についても同様に、上記の第2集電板6のセパレータ13側の面上の「内部」に対向する領域、即ち、セパレータ13の第2集電板6側の面の外縁部を除く内側の領域をいう。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の燃料電池スタックは、これらの実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。
例えば、セル積層体1は、セル10を複数積層して構成されるものとしたが、1つのセル10で構成されてもよい。
また、セパレータ13としては、第1端部セパレータ及び第2端部セパレータ以外は、特に限定されるものではなく、通常のセパレータを使用することができる。セパレータ13の材料としては、特に限定されず、例えば、ステンレスやチタン等の金属、黒鉛、カーボンと樹脂を含む材料を用いることができる。コスト、製造の容易さ等の観点から、カーボン樹脂セパレータを用いることが好ましい。特に、導電性カーボン粒子とバインダーとしての樹脂とを含む流体を原料として圧縮成型により得られる圧縮成型セパレータが、セパレータ13として好ましい。
また、セル10を2セル積層する毎に上述の熱媒体流路溝16を設けてもよく、セル10を3セル積層する毎に上述の熱媒体流路溝16を設けてもよい。
また、1つのセル10のセパレータ13と、これに隣接するセル10のセパレータ13とが一体化したセパレータを有していてもよい。
また、本発明の実施形態は、端板4を用いて燃料電池スタックを締結する構成を有しているが、例えば、第1集電板5及び第2集電板6が一対の端板4を兼ねており、端板4を用いない構成であってもよい。
例えば、本発明の燃料電池スタックでは、第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34の凸部の形状は、台形柱状又は略半円柱状に設けられているとしたが、これに限られず、本発明の効果を奏する範囲で他の様々な構成を適用することができる。例えば、四角柱形状、三角柱形状、半楕円柱形状であってもよく、これらが変形した形状であってもよい。また、第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34の凸部を配置する向きは、どのような向きであってもよい。例えば、第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34の凸部の形状は、角錐(四角錐、三角錐)形状、角錐台(四角錐台、三角錐台)形状、円柱形状、半球形状であってもよく、これらが変形した形状であってもよい。また、これらの凸部が市松状又は千鳥格子状に配置されていてもよい(ここで、「市松状又は千鳥格子状」とは、複数の凸部が、碁盤目状の隣り合う行と列とにおいて互いに連続しないよう交互に配置されている配置のことをいう)。
また、本発明の燃料電池スタックにおいて、第1凹凸部31及び第2凹凸部32は、締結した際に互いの間の一部に隙間を有していてもよい。ただし、第1集電板5及び第1端部セパレータの接触面の内部が平坦な構成を有する従来の燃料電池スタックよりも、本発明の燃料電池スタックほうが、より大きな第1集電板5と第1端部セパレータとの接触面積を得られるように、第1凹凸部31及び第2凹凸部32は形成される。また、第3凹凸部33及び第4凹凸部34についてもこれと同様に、締結した際に互いの間の一部に隙間を有していてもよい。例えば、第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34のそれぞれの角部には、製造過程での制約上形成されうる角の丸みや面取りが一部に形成されていてもよい。
また、本発明の高分子電解質形燃料電池は、第1集電板5と第1端部セパレータとの間、及び、第2集電板6と第2端部セパレータとの間には、導電性接着剤、導電性シート、導電性弾性体などを有している構成であってもよい。これにより、それぞれ第1集電板5と第1端部セパレータとの間の接触抵抗、及び、第2集電板6と第2端部セパレータと間の接触抵抗をより低減させることができる場合がある。
また、第3凹凸部33及び第4凹凸部34は、第1凹凸部31及び第2凹凸部32と同じ構成を採用してもよく、異なる構成を採用してもよい。第3凹凸部33及び第4凹凸部34を有しておらず、第1凹凸部31及び第2凹凸部32のみを有している構成であってもよい。逆に、第1凹凸部31及び第2凹凸部32を有しておらず、第3凹凸部33及び第4凹凸部34のみを有している構成であってもよい。上述の様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
なお、本発明の第1凹凸部31、第2凹凸部32、第3凹凸部33及び第4凹凸部34の構成は、断面を観察することにより容易に検証可能である。
本発明の膜電極接合体、燃料電池及び燃料電池スタックは、分散型(オンサイト型)発電システム(家庭用コジェネレーションシステム等)の主電源又は補助電源、移動体(自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等)の主電源又は補助電源、及び、携帯用電気機器(ノート型パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレーヤー等)等の主電源又は補助電源として好適に利用されることが期待される。
1 セル積層体
2 集電板
3 絶縁板
4 端板
7 集電端子
10 セル
11 膜電極接合体
12 ガスケット
13 セパレータ
14 燃料ガス流路溝
15 酸化剤ガス流路溝
16 熱媒体流路溝
20 締結部材
21 締結ロッド
22 締結ナット
23 締結バネ
2 集電板
3 絶縁板
4 端板
7 集電端子
10 セル
11 膜電極接合体
12 ガスケット
13 セパレータ
14 燃料ガス流路溝
15 酸化剤ガス流路溝
16 熱媒体流路溝
20 締結部材
21 締結ロッド
22 締結ナット
23 締結バネ
Claims (5)
- アノード、カソード、及び前記アノードと前記カソードとの間に配置される高分子電解質膜を含む膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟持するようにして互いに対向配置される一対のセパレータと、
前記膜電極接合体及び前記一対のセパレータを含むセルを1以上有する積層体を挟持するようにして、前記積層体の両端に互いに対向配置される一対の第1端板及び第2端板と、
前記第1端板と前記積層体との間、及び、前記第2端板と前記積層体との間に、前記積層体に電気的に接触するようにそれぞれ配置される第1集電板及び第2集電板と、
を有しており、
前記第1集電板は、前記積層体側の面上の内部に、第1凹凸部が形成されており、
前記積層体中の前記第1集電板に最も近いセパレータは、前記第1集電板側の面上の内部に、前記第1凹凸部に嵌合するように設けられた第2凹凸部が形成されている、
高分子電解質形燃料電池スタック。 - 前記第2集電板は、前記積層体側の面上の内部に、第3凹凸部が形成されており、
前記積層体中の前記第2集電板に最も近いセパレータは、前記第2集電板側の面上の内部に、前記第3凹凸部に嵌合するように設けられた第4凹凸部が形成されている、
請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池スタック。 - 前記第1凹凸部は、前記第1集電板側から前記セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有しており、前記第2凹凸部は、前記セパレータ側から前記第1集電板側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有している、請求項1に記載の高分子電解質形燃料電池スタック。
- 前記第3凹凸部は、前記第2集電板側から前記セパレータ側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有しており、前記第4凹凸部は、前記セパレータ側から前記第2集電板側へ向かうにつれて、幅が狭くなるよう形成されている凸部を有している、請求項2に記載の高分子電解質形燃料電池スタック。
- 前記セパレータは、カーボン及びバインダーを含むセパレータである、請求項1〜5に記載の高分子電解質形燃料電池スタック。
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JP2008126755A JP2009277465A (ja) | 2008-05-14 | 2008-05-14 | 高分子電解質形燃料電池スタック |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013534687A (ja) * | 2010-02-19 | 2013-09-05 | トレナージ コーポレーション | 燃料電池スタックの製造用の一体化されたシール |
JP2020057488A (ja) * | 2018-10-01 | 2020-04-09 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック |
-
2008
- 2008-05-14 JP JP2008126755A patent/JP2009277465A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2020057488A (ja) * | 2018-10-01 | 2020-04-09 | 本田技研工業株式会社 | 燃料電池スタック |
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