JP4732881B2 - イオントフォレーシス装置 - Google Patents

イオントフォレーシス装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4732881B2
JP4732881B2 JP2005353679A JP2005353679A JP4732881B2 JP 4732881 B2 JP4732881 B2 JP 4732881B2 JP 2005353679 A JP2005353679 A JP 2005353679A JP 2005353679 A JP2005353679 A JP 2005353679A JP 4732881 B2 JP4732881 B2 JP 4732881B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
working
ion
selective membrane
ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005353679A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007151932A (ja
Inventor
英郎 秋山
鳩夫 中山
健彦 松村
Original Assignee
Tti・エルビュー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tti・エルビュー株式会社 filed Critical Tti・エルビュー株式会社
Priority to JP2005353679A priority Critical patent/JP4732881B2/ja
Publication of JP2007151932A publication Critical patent/JP2007151932A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4732881B2 publication Critical patent/JP4732881B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、デキストランを生体に投与するためのイオントフォレーシス装置に関する。
例えば、特許文献1に示されるように、デキストランを主成分とした皮膚及び毛髪化粧料が知られている。
上記特許文献1においては、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デキストランの各成分を、50〜60℃の温度で水相成分に溶解したことを特徴とする水性皮膚及び毛髪化粧料に関するものである。この特許文献1記載の発明では、塩化ナトリウム、ブトウ糖及びデキストランを、50〜60℃の温度で水に混合して溶解させた水溶液を皮膚に塗布残留させることによって、浸透圧の応用で皮下細胞に組織液を循環させ、皮下細胞の活性分裂の促進によって色素沈着症や男女脱毛症等に有効であるとされている。
特に、上記塩化ナトリウム、ブトウ糖及びデキストランの各成分を50〜60℃の温度で水相成分に溶解したことによって、皮膚細胞間質液と同様な環境を皮膚表面に作り出すことに成功した、とされている。
しかしながら、実際は、上記化粧料を、皮膚細胞間質液と同等にするには、表皮に塗布残留させ、且つ、これを例えば蒸タオル等によって比較的長時間蒸したりすることによって初めて上記の効果が得られることが分かった。
又、デキストランは、化粧品添加物としての保湿剤の効果を有するのみならず、代用血漿、血流改善剤として用いられていることは周知である。
上記のような事実から、デキストランは、これが皮膚内に浸透したとき、細胞間質液と同様な作用をすることが予想できる。
他方、皮膚にできるシミや、脱毛症では、真皮層から表皮に向かう細胞間質液の流れの閉塞が原因の1つであるとされている。
特公平2−12443号公報
この発明は、特許文献1におけるような高温(50〜60℃)でデキストランを溶解させたり、あるいは皮膚に塗布して長時間蒸タオルを用いたりすることなく、確実にデキストランを皮膚内に投与できるようにした装置を提供することを解決課題とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、デキストラン硫酸等のデキストラン誘導体及び/又は部分分解デキストランを用い、これをイオントフォレーシスによって皮膚に投与できることを見出した。
即ち、以下のような実施例により上記課題を解決することができる。
(1)イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、これらの作用側電極構造体及び非作用側電極構造体に異なる極性で接続される直流電源と、を有し、前記作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと同種の極性に接続された作用側電極と、この作用側電極に電気的に接続され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部と、を少なくとも有してなり、且つ、前記薬液保持部に保持された薬物が、デキストラン誘導体及び部分分解デキストランの少なくとも一方であることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
(2)前記薬液保持部は、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる作用側イオン選択性膜に、前記薬物を含浸させるか、該作用側イオン選択性膜の、前記作用側電極と反対側に前記薬物を塗布るかのいずれかにより構成されていることを特徴とする(1)に記載のイオントフォレーシス装置。
(3)前記薬液保持部は、前記薬物と微量のゲル剤との混合剤であることを特徴とする(1)に記載のイオントフォレーシス装置。
(4)前記作用側電極と作用側イオン選択性膜との間に、作用側電極側から、電解液保持部と、第2イオン選択性膜と、薬液補充部とを、この順で設けてなり、前記薬液補充部はデキストラン硫酸及び部分分解デキストランの少なくとも一方を保持してなり、前記第2イオン選択性膜は、前記薬物イオンと反対のイオンを選択的に通過させるようにされたことを特徴とする(2)に記載のイオントフォレーシス装置。
(5)イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、これらの作用側電極構造体及び非作用側電極構造体に異なる極性で接続される直流電源と、を有し、前記作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと同種の極性に接続された作用側電極と、この作用側電極に電気的に接続され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部と、この薬液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる作用側イオン選択性膜と、を少なくとも有してなり、前記非作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと反対の極性に接続された非作用側電極と、この非作用側電極に電気的に接続され、電解液を保持する電解液保持部と、この電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと反対のイオンを選択的に通過させる非作用側イオン選択性膜と、を少なくとも有してなり、前記薬液保持部に保持された薬物がデキストラン誘導体及び部分分解デキストランの少なくとも一方であることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
(6)前記作用側電極構造体は、前記作用側電極と、この作用側電極の前面に配置され、電解液を保持する電解液保持部と、この電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと反対のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択性膜と、この第2イオン選択性膜の前面に配置された前記薬液保持部と、この薬液保持部の前面に配置された前記作用側イオン選択性膜と、を有してなること(5)に記載のを特徴とするイオントフォレーシス装置。
(7)前記非作用側電極構造体は、前記非作用側電極と、この非作用側電極の前面に配置され、第2電解液を保持する第2電解液保持部と、この第2電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる第3イオン選択性膜と、この第3イオン選択性膜の前面に配置された第3電解液保持部と、この第3電解液保持部の前面に配置された前記非作用側イオン選択性膜と、を有してなることを特徴とする(5)又は(6)に記載のイオントフォレーシス装置。
なお、イオン選択性膜は、イオン交換膜や多孔質膜を含むものであり、イオン交換膜は、イオン交換基を有する部材を示し、多孔質膜は、膜中に多数の孔(連続孔)を有する膜を示す。
この発明においては、デキストラン誘導体及び/又は部分分解デキストランを、イオントフォレーシス装置における薬液保持部に用いて、簡単に、且つ確実にデキストラン成分を皮下組織に投与することができる。
この最良の形態に係る装置は、イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、これらの作用側電極構造体及び非作用側電極構造体に異なる極性で接続される直流電源と、を有し、前記作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと同種の極性に接続された作用側電極と、この作用側電極に電気的に接続され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部と、を少なくとも有してなり、且つ、前記薬液保持部に保持された薬物をデキストラン誘導体として構成されている。
以下、図1を参照して、本発明の実施例1に係るイオントフォレーシス装置10について詳細に説明する。
この実施例に係るイオントフォレーシス装置10は、イオントフォレーシスによりイオン性薬剤を投与するために使用される作用側電極構造体20及び非作用側電極構造体40と、これらの作用側電極構造体20及び非作用側電極構造体40に異なる極性で接続される直流電源12と、を有している。
前記作用側電極構造体20は、前記直流電源12における、前記薬物イオンとなるデキストラン硫酸における薬効成分(アニオン)と同種の極性(カソード)に接続された作用側電極22と、この作用側電極22に電気的に接続された電解液保持部24と、第2イオン選択性膜26と、デキスラン誘導体の一つであるデキストラン硫酸を保持する薬液保持部28と、を備えて構成されている。
前記薬液保持部28は、この実施例1では、ヒドロゲルにデキストラン硫酸を含浸させて構成されている。
このヒドロゲルは、電子ビーム架橋結合されており、平均分子量が約50万ダルトン〜200万ダルトン、好ましくは約90万ダルトン〜約150万ダルトンのポリビニルピロドリピロリドン(PVP)である。ヒドロゲルは、人体の皮膚に対して十分な粘着性を有するだけでなく、皮膚にダメージを与えることなく取り除くことができる。
前記非作用側電極構造体40は、前記直流電源12における、デキストラン硫酸イオン(アニオン)と反対の極性(アノード)に接続された非作用側電極42と、この非作用側電極42の前面に配置され、第2電解液を保持する第2電解液保持部44と、この第2電解液保持部44の前面に配置され、前記デキストラン硫酸イオンと同種のイオン(アニオン)を選択的に通過させる第3イオン選択性膜46と、この第3イオン選択性膜46の前面に配置された第3電解液保持部48と、この第3電解液保持部48の前面に配置された非作用側イオン選択性膜(第4イオン選択性膜)50と、を備えて構成されている。
前記作用側電極構造体20における作用側電極22及び非作用側電極構造体40における非作用側電極42は、例えばカーボンペースト等の非金属導電フィラーが配合された導電塗料から構成されている。これらの電極を銅板や金属薄膜によって構成することもできるが、ここから溶出した金属が薬剤投与に際して生体に移行することも考えられるので、非金属性が好ましい。
前記電解液保持部24、第2及び第3電解液保持部44、48は、電解質を保持するものであり、この電解質は、水の電解反応(プラス極での酸化及びマイナス極での還元)よりも酸化又は還元され易い電解質、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)やアスコルビン酸ナトリウム等の医薬剤、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸及び/又はその塩を使用することが特に好ましく、これにより、酸素ガスや水素ガスの発生を抑制することが可能であり、又、溶媒に溶解した際に緩衝電解液となる組合せの複数種の電解質を配合することにより、通電中におけるpHの変動を抑制することもできる。
前記電解液保持部24、44、48は、ガーゼや濾紙などの繊維シート、あるいは、アクリル系樹脂のヒドロゲル(アクリルヒドロゲル)、セグメント化ポリウレタン系ゲル等の高分子ゲルシート等、保水性を有する任意の素材よりなる担体に電解液を含浸又は含有させて構成されている。又、電解液を液体状態で保持するものでもよいし、電解質塗料を用いてもよい。
前記第2イオン選択性膜26は、デキストラン硫酸イオンと反対導電型のイオンを対イオンとするイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含有し、ここでは、薬液保持部28における薬効成分がアニオンとなるので、陽イオン交換樹脂が配合される。
前記非作用側電極構造体40における非作用側電極42は、前記直流電源12における、前記薬物イオンの帯電イオンと反対の極性に接続されている。
前記第2電解液保持部44は、第2電解液を保持するようにされている。更に、前記第3イオン選択性膜46は、前記薬物イオンの帯電イオンと同種のイオンを選択的に通過させるようにされている。又、前記第3電解液保持部48は、第3電解液を保持するようにされ、前記非作用側イオン選択性膜50は、前記イオン性薬剤の帯電イオンと反対のイオンを選択的に通過させるようにされている。
図1の符号21は、作用電極構造体20の外殻を構成するバッキング材、21Aはこのバッキング材21の内周と前記作用側電極22、電解液保持部24、第2イオン選択性膜26、及び薬液保持部28の外周との間に配置されたモールド材、21Bは前記バッキング材21の図2において下側面のフランジ部、21Cはこのフランジ部21Bの粘着剤層、21Dは薬液保持部28の、図1において外側面をシールするシールフィルムをそれぞれ示す。
前記非作用側電極42は、作用側電極22と同様の構成であり、又、前記第2電解液保持部44及び第3電解液保持部48の構成及び成分も、前記電解液保持部24と同様である。
更に、前記第3イオン選択性膜46は、前記第2イオン選択性膜26と反対の、イオン選択性膜として機能する。
即ち、前記第3イオン選択性膜46は、前記薬物イオンと同種のイオン(アニオン)を選択するようにされていて、薬液保持部28中の薬物イオンと同一導電型のイオンを対イオンとするイオン交換基が導入されたイオン交換樹脂を含んでいる。即ち、薬液保持部28のデキストラン硫酸等が、アニオンに解離するので陰イオン交換樹脂を含んでいる。
上記陽イオン交換樹脂としては、ポリスチレン樹脂やアクリル酸系樹脂等の炭化水素系樹脂やパーフルオロカーボン骨格を有するフッ素系樹脂等の3次元的な網目構造を持つ高分子に、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等の陽イオン交換基(対イオンが陽イオンである交換基)が導入されたイオン交換樹脂が制限無く使用することができる。
又、上記陰イオン交換樹脂としては、前記陽イオン交換樹脂と同様の3次元的な網目構造を持つ高分子に、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基、4級イミダゾリウム基等の陰イオン交換基(対イオンが陰イオンである交換基)が導入されたイオン交換樹脂が制限無く使用できる。
前記非作用側イオン選択性膜50は、上記と同様の第2イオン選択性膜26に含まれるイオン交換樹脂を含んで形成されている。この非作用側イオン選択性膜50は、第2イオン選択性膜26と同等のイオン選択性膜として機能する。
又、図1の符号41は、非作用電極構造体40の外殻を構成するバッキング材、41Aはこのバッキング材41の内周と前記非作用側電極42、第2電解液保持部44、第3イオン選択性膜46、第3電解液保持部48及び非作用側イオン選択性膜50の外周との間に配置されたモールド材、41Bは前記バッキング材41の図1において下側面のフランジ部、41Cはこのフランジ部41Bの粘着剤層、41Dは非作用側イオン選択性膜50の、図1において外側面をシールするシールフィルムをそれぞれ示す。
前記直流電源12は、例えばボタン電池あるいは、例えば、特開平11−067236号公報、米国特許公開公報2004/0185667A1号公報、米国特許6855441号公報等に開示される薄型の電池を使用することができ、実施例形態の構造に限定されるものでない。
この直流電源12は前記作用側電極構造体20又は非作用側電極構造体40と一体的に配置されていて、直流電源12とこれら作用側電極構造体20及び非作用側電極構造体40との間では、リード線14により接続されている。
この実施例1において、シールフィルム21D、41Dを剥がした後に、作用側電極構造体20の先端の薬液保持部28を、皮膚における、デキストランを投与しようとする個所に押し付けて粘着させ、且つその近傍に、非作用側電極構造体40の先端の非作用側イオン選択性膜50を密着して取り付けることによって、直流電源12からの電流が作用側電極構造体20、皮膚、及び、非作用側電極構造体40の回路に電流が流される。
前記薬液保持部28に保持されたデキストラン硫酸はこれが電離した場合にアニオンとなり、一方、第2イオン選択性膜26側からは、デキストラン硫酸と同極性のイオンが流入してくるので、薬液保持部28のデキストラン硫酸イオンは皮膚内に浸透していく。
皮膚内に浸透するためには、薬物イオンの分子量が小さい方がよいが、デキストラン硫酸は、最小の分子量が約1600とされているので、これを用いるのが最適である。通常、このようなデキストラン硫酸は、分子量2000〜4000の部分分解デキストランが原料として用いられるので、デキストラン硫酸と部分分解デキストランあるいは部分分解デキストランのみを薬液保持部28に保持するようにしてもよい。
上記のように、デキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランを薬液保持部28に保持して、これをイオントフォレーシスによって容易に皮膚に投与することができる。
更に、この実施例1においては、薬液保持部28が、上記のように、ヒドロゲルから構成され、これにデキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランが含浸された構成であるので、皮膚に確実に粘着・密着させて、デキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランを安定して皮膚内に投与することができる。
なお、前記のように薬物保持部28に用いられるデキストラン硫酸は、他のデキストラン誘導体を用いてもよい。他のデキストラン誘導体としては、カルボキシメチルデキストラン、カチオン化デキストラン、デキストランメチルメタクリレート共重合体、カルボキシメチルデキストラン、フェルカルボトラン(磁性硫化鉄‐デキストラン複合体)、デキストラン鉄等がある。
実施例2に係るイオントフォレーシス装置60は、前記実施例1に係るイオントフォレーシス装置10に対して、一部の構成を変えたものであり、他の構成はイオントフォレーシス装置10と同一であるので、同一部分に同一符号を付することによって説明を省略するものとする。なお、図2には作用側電極構造体62のみを示し、非作用側電極構造体の図示を省略している。
この実施例2に係るイオントフォレーシス装置60における薬液保持部32は第1イオン選択性膜33に前記デキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランである薬物を含浸させるか、その皮膚側に塗布するかのいずれかによって構成されている(図2では塗布型を示している)。
ここで、第1イオン選択性膜(作用側イオン選択性膜)33は、前記デキストランイオンと同種のイオン、即ちアニオンを選択的に通過させるように、前記第3イオン選択性膜46と同様に構成されている。
又、前記第2イオン選択性膜26と薬液保持部32との間には、薬液補充部34が配置されている。この薬液補充部34には、前記薬液保持部32におけると同様のデキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランが保持されている。
又、前記薬液補充部34と第2イオン選択性膜26との間には、ライナー36が配置され、非使用時(使用前)には両者間を隔絶する構成となっている。
前記ライナー36は、その一端を外側から引っ張ることによって第2イオン選択性膜26と薬液補充部34との間から除去することができ、これによって両者を接触可能とすることができる。
前記粘着剤層21Cによって作用側電極構造体21の先端を皮膚に密着させた状態で貼り付けると共に、非作用側電極構造体40の先端の非作用側イオン選択性膜50も、作用側電極構造体21の近傍位置で皮膚に貼り付ける。
次に、前記ライナー36を引抜くと、薬液補充部34と第2イオン選択性膜26とが接触して、直流電源12からの電流が流されることになる。
この実施例2においては、デキストラン硫酸イオンが、薬液保持部32から皮膚内へ、又、第1イオン選択性膜33から薬液保持部32へと送達されるが、その際、アニオン交換膜である第1イオン選択性膜33のイオン交換基からアニオンが離れるためには、その手前側、即ち薬液補充部34より置換され得るアニオンが必要となる。このため、薬液補充部34にもデキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランを配置することによって、アニオンの競合による薬物イオンの送達を阻止して、皮膚へのデキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランの投与を促進することができる。
更に又、この実施例2においては、ライナー36が第2イオン選択性膜26と薬液補充部34の薬物との接触を防止するので、保存期間中の電極液と薬物の拡散による混合を抑制することができる。
更に又、この実施例2においては、第1イオン選択性膜33にデキストラン硫酸及び/又は部分分解デキストランが含浸あるいは塗布された構成であるので、これを皮膚に密着させることができるという利点がある。例えば、皮膚の汗腺、毛穴等の皮膚間の凹み部分にも薬物を密着させることができ、薬物送達効率を向上させることができる。
なお、上記実施例1、2において、非作用側電極構造体40は、非作用側電極42、第2電解液保持部44、第3イオン選択性膜46、第3電解液保持部48及び非作用側イオン選択性膜50からなる構成とされているが、本発明はこれに限定されるものでなく、非作用側電極構造体は、薬物イオンと反対の極性に接続された非作用側電極42と、この非作用側電極42に電気的に接続され、電解液を保持する電解液保持部と、この電解液保持部の前面に配置され、薬物イオンと反対のイオンを選択的に通過させる非作用側イオン選択性膜と、を少なくとも有するものであればよい。
本発明の実施例1に係るイオントフォレーシス装置を示す断面図 本発明の実施例2に係るイオントフォレーシス装置を示す図1と同様の断面図
符号の説明
10、60…イオントフォレーシス装置
12…直流電源
20、21…作用側電極構造体
22…作用側電極
24…電解液保持部
26…第2イオン選択性膜
28、32…薬液保持部
33…第1イオン選択性膜(作用側イオン選択性膜)
34…薬液補充部
40…非作用側電極構造体
42…非作用側電極
44…第2電解液保持部
46…第3イオン選択性膜
48…第3電解液保持部
50…非作用側イオン選択性膜

Claims (7)

  1. イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、これらの作用側電極構造体及び非作用側電極構造体に異なる極性で接続される直流電源と、を有し、
    前記作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと同種の極性に接続された作用側電極と、この作用側電極に電気的に接続され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部と、を少なくとも有してなり、且つ、前記薬液保持部に保持された薬物が、デキストラン誘導体及び部分分解デキストランの少なくとも一方であることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 請求項1において、
    前記薬液保持部は、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる作用側イオン選択性膜に、前記薬物を含浸させるか、該作用側イオン選択性膜の、前記作用側電極と反対側に前記薬物を塗布るかのいずれかにより構成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  3. 請求項1において、
    前記薬液保持部は、前記薬物とゲル剤との混合剤であることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  4. 請求項2において、
    前記作用側電極と作用側イオン選択性膜との間に、作用側電極側から、電解液保持部と、第2イオン選択性膜と、薬液補充部とを、この順で設けてなり、前記薬液補充部はデキストラン硫酸及び部分分解デキストランの少なくとも一方を保持してなり、前記第2イオン選択性膜は、前記薬物イオンと反対のイオンを選択的に通過させるようにされたことを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  5. イオントフォレーシスにより薬物イオンを投与するために使用される作用側電極構造体及び非作用側電極構造体と、これらの作用側電極構造体及び非作用側電極構造体に異なる極性で接続される直流電源と、を有し、
    前記作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと同種の極性に接続された作用側電極と、この作用側電極に電気的に接続され、前記薬物イオンとなる薬物を保持する薬液保持部と、この薬液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる作用側イオン選択性膜と、を少なくとも有してなり、
    前記非作用側電極構造体は、前記直流電源における、前記薬物イオンと反対の極性に接続された非作用側電極と、この非作用側電極に電気的に接続され、電解液を保持する電解液保持部と、この電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと反対のイオンを選択的に通過させる非作用側イオン選択性膜と、を少なくとも有してなり、
    前記薬液保持部に保持された薬物がデキストラン誘導体及び部分分解デキストランの少なくとも一方であることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  6. 請求項5において、
    前記作用側電極構造体は、前記作用側電極と、この作用側電極の前面に配置され、電解液を保持する電解液保持部と、この電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと反対のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択性膜と、この第2イオン選択性膜の前面に配置された前記薬液保持部と、この薬液保持部の前面に配置された前記作用側イオン選択性膜と、を有してなることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  7. 請求項5又は6において、
    前記非作用側電極構造体は、前記非作用側電極と、この非作用側電極の前面に配置され、第2電解液を保持する第2電解液保持部と、この第2電解液保持部の前面に配置され、前記薬物イオンと同種のイオンを選択的に通過させる第3イオン選択性膜と、この第3イオン選択性膜の前面に配置された第3電解液保持部と、この第3電解液保持部の前面に配置された前記非作用側イオン選択性膜と、を有してなることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
JP2005353679A 2005-12-07 2005-12-07 イオントフォレーシス装置 Expired - Fee Related JP4732881B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005353679A JP4732881B2 (ja) 2005-12-07 2005-12-07 イオントフォレーシス装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005353679A JP4732881B2 (ja) 2005-12-07 2005-12-07 イオントフォレーシス装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007151932A JP2007151932A (ja) 2007-06-21
JP4732881B2 true JP4732881B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=38237020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005353679A Expired - Fee Related JP4732881B2 (ja) 2005-12-07 2005-12-07 イオントフォレーシス装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4732881B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05506158A (ja) * 1990-04-30 1993-09-16 アルザ・コーポレーション イオン導入による薬物投与デバイスと方法
JP2000229128A (ja) * 1999-02-10 2000-08-22 R & R Ventures Kk イオントフォレーゼ装置
JP2002154973A (ja) * 1991-05-31 2002-05-28 Gliatech Inc アニオン性ポリマーによる骨成長の抑制に基づく方法及び組成物
JP2004188188A (ja) * 2002-11-27 2004-07-08 Tokuyama Corp イオントフォレーシス用装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61246130A (ja) * 1985-04-24 1986-11-01 Japan Fine Chem Kk 水性皮膚及び毛髪化粧料
JP2798272B2 (ja) * 1989-08-31 1998-09-17 久光製薬株式会社 イオントフォレーゼ用インタフェース
JP3040517B2 (ja) * 1991-03-27 2000-05-15 アール アンド アール ベンチャーズ株式会社 電気泳動による薬剤浸透装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05506158A (ja) * 1990-04-30 1993-09-16 アルザ・コーポレーション イオン導入による薬物投与デバイスと方法
JP2002154973A (ja) * 1991-05-31 2002-05-28 Gliatech Inc アニオン性ポリマーによる骨成長の抑制に基づく方法及び組成物
JP2000229128A (ja) * 1999-02-10 2000-08-22 R & R Ventures Kk イオントフォレーゼ装置
JP2004188188A (ja) * 2002-11-27 2004-07-08 Tokuyama Corp イオントフォレーシス用装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007151932A (ja) 2007-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7590444B2 (en) Iontophoresis device
RU2269366C2 (ru) Аппарат для ионтофореза
US7660626B2 (en) Iontophoresis device
JP4361153B2 (ja) イオントフォレーゼ装置
US20060235351A1 (en) External preparation, method of applying external preparation, iontophoresis device, and percutaneous patch
US20060095001A1 (en) Electrode and iontophoresis device
US20040267190A1 (en) Kit, device and method for controlled delivery of oxidizing agent into the skin
JPWO2007026672A1 (ja) イオントフォレーシス用汎用性電解液組成物
KR20200108765A (ko) 역전기투석과 산화-환원 반응을 이용한 장치 및 그를 사용하여 약물을 전달하는 방법
JPH04297277A (ja) 電気泳動による薬剤浸透装置
JPS61149168A (ja) イオン導入薬剤供給電極アセンブリ
EP1820533B1 (en) Ion-tophoretic apparatus
JP2000237326A (ja) イオントフォレーゼ装置
JP4732881B2 (ja) イオントフォレーシス装置
EP1932562A1 (en) Iontophoresis apparatus
JP2007037639A (ja) 電極及びイオントフォレーシス装置
EP1844813B1 (en) Iontophoresis apparatus
JP2007135814A (ja) 薬物イオン投与方法及びピン型イオントフォレーシス装置
JP2007089776A (ja) 低周波治療器
JP2007167309A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007260275A (ja) イオントフォレーシス装置及びイオントフォレーシス投与用組成物
JP2007229228A (ja) リリースライナー
JP4719563B2 (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007244700A (ja) イオントフォレーシス装置
JP2007244551A (ja) イオントフォレーシス装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071005

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20071005

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110421

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees