JP2007037639A - 電極及びイオントフォレーシス装置 - Google Patents

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健彦 松村
Hatoo Nakayama
鳩夫 中山
Hideo Akiyama
英郎 秋山
Akihiko Matsumura
昭彦 松村
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Abstract

【課題】 柔軟性及び導電性に優れ、かつ通電時における金属イオンの生体への移行の懸念を解消できる電極及びこの電極を使用するイオントフォレーシス装置を提供する。
【解決手段】 電極を所定の面積を有する炭素繊維又は炭素繊維紙からなる導電シート部と、前記導電シート部と一体に形成された炭素繊維又は炭素繊維紙からなる延長部とから構成し、前記延長部の少なくとも一部に撥水性ポリマーを含浸させる。また、電源と、前記電源の両極に電気的に接続される2つの電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置において、2つの電極構造体の少なくとも一方に上記電極を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、イオントフォレーシス装置や低周波治療器などの生体への通電が行われる機器に使用される電極に関し、より詳細には、柔軟性及び導電性に優れ、かつ通電時における金属イオンの生体への移行を生じる可能性を低減できる電極に関する。また本発明は、柔軟性及び導電性に優れ、かつ通電時における金属イオンの生体への移行を生じる可能性を低減できる電極を備えるイオントフォレーシス装置に関する。
イオントフォレーシス装置や低周波治療器などの機器は、薬剤の投与を行い、或いはマッサージ効果を得るなど、それぞれの機器の効用を発揮するために皮膚を通して生体(人体など)への通電を行うようになっている。
これらの機器において生体への通電に使用される電極(「導子」とも呼ばれる)は、多くの場合、機器本体からの給電線に接続するための金属材料で形成された端子部と、当該端子部に電気的に接続された一定の面積(例えば10〜50mmφ程度、或いは10〜50mm角程度)を有する導電シート部を備えており、多くの場合、上記導電シート部と生体皮膚の間に電解液(或いは電解液を含浸させた担体)を介在させた状態で生体への通電が行われる。
上記電極では、電極の生体への密着性を高め、また曲げなどによる電極の破損を防ぐ必要から、導電シート部には、軟質樹脂にカーボン粉を混入させた導電性樹脂や金属薄膜などの柔軟な素材が使用される場合が多い。
しかし、導電性樹脂では柔軟性と導電性とがトレードオフの関係にあり、柔軟性を高めるにはカーボン粉の混入量を一定比率以下に押さえることが必要となり、その結果、導電シート部の抵抗値が大きくなってしまう問題がある。
即ち、この種の電極における導電シート部は、薬剤の投与効率を高め、或いは適切なマッサージ効果を得るためにある一定の面積を有するようにされており、導電シート部の全面から均等な通電を生じることが求められるが、導電シート部の抵抗値が大きくなると、導電シート部上における端子部から離れた部位からの電流密度は小さくなり、通電は専ら端子部近傍の僅かな面積から行われるようになってしまう。
更に上記の通り、端子部は一般に金属材料で形成されているため、通電の際に端子部から金属イオンが溶出して生体に移行し、健康被害を生じる可能性も考えられる。
一方、金属薄膜よりなる導電シート部は、多くの場合低抵抗であり、薄膜化によって高い柔軟性を得ることはできるものの、通電時における金属イオンの溶出量が大きく、生体に健康被害を生じる可能性が大きい。
この点、銀薄膜よりなる導電シート部の場合には、健康被害の懸念が小さいと言われているが、実際には、銀薄膜に不可避的に含まれる不純物金属がイオン化して生体に移行する問題があり、健康被害への懸念を完全に解消することはできない。
特開2002−233584号公報
本発明は、生体への通電に使用される電極であって、柔軟性及び導電性に優れ、かつ金属イオンの生体への移行の懸念を解消できる電極及びこの電極を使用するイオントフォレーシス装置を提供することをその目的とする。
また本発明は、電極を炭素繊維又は炭素繊維紙から構成した場合における導電シート部への給電を、導電シート部に金属を直接接触させることなく行うことを可能にし、もって、金属イオンの生体への移行の懸念を小さくすることが可能な電極及びこの電極を使用するイオントフォレーシス装置を提供することをもその目的とする。
また本発明は、炭素繊維又は炭素繊維紙からなる導電シート部に浸透した電解液又は薬剤液の電極外部への漏れ出しを防止し、しかも、導電シート部に金属を直接接触させることなく導電シート部に給電することが可能な電極及びこの電極を使用するイオントフォレーシス装置を提供することをもその目的とする。
本発明は、上記問題を解決したものであり、
所定の面積を有し、炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる導電シート部と、前記導電シート部と一体に形成された炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる延長部とを有する電極であって、
前記延長部の少なくとも一部に撥水性ポリマーが含浸された撥水部が形成されていることを特徴とする電極である。
即ち本発明では、生体への通電を行うための導電シート部が炭素繊維又は炭素繊維紙により形成されているために、生体への適用に適した高い柔軟性と導電シート部全体からの均一な通電を可能にできる高い導電性を得ることができ、炭素繊維や炭素繊維紙は不純物金属の混入を容易に防止できることから、金属イオンの生体への移行による健康被害の可能性を小さくすることができる。
また炭素繊維や炭素繊維紙は水などの溶媒が浸透し得る素材であるため、導電シート部と電解液の電気的接触を良好に保つことができる。
更に、イオントフォレーシス装置や低周波治療器などの機器本体から導電シート部への給電は、導電シート部と一体に形成された炭素繊維又は炭素繊維紙からなる延長部を介して行われるため、給電のための金属製の部材を導電シート部に接触させる必要性が解消されており、更に延長部の少なくとも一部にフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、シラン系樹脂などの撥水性ポリマーが含浸されているために、仮に延長部が水分を含んだ状態になったとしても、金属製の部材からの金属イオンなどが延長部を伝って導電シート部に移行する懸念も解消されている。
本発明に使用される炭素繊維としては、導電シート部の全面から実質的に均一な電流密度での通電を行い得る程度の十分に高い導電性を有している限り、あらゆる種類の炭素繊維を使用することができ、ポリエステル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリオレフィン系などの合成繊維、或いは綿、麻、生糸などの天然繊維の織布や不織布を炭化させることで得られる炭素繊維を使用することができる。
本発明に使用される炭素繊維紙としては、炭素繊維を抄紙技術を用いてシート状、或いはペーパー状に成形した炭素繊維紙を使用することができる。
本発明の電極は、導電シート部の上部を覆う上壁と、側部を覆う側壁とを有する非水透過性のケースであって、前記上壁又は側壁に開口部を有する前記ケースを更に備え、前記延長部が前記開口部から前記ケースの外部に導き出され、前記撥水部が前記開口部に位置するように構成することが好ましい(請求項3)。
かかる構成によれば、導電シート部への給電は、ケースの外部に導き出された延長部から行うことが可能である一方で、ケースの開口部に位置する撥水部によってケース内部に電解液を保持した場合におけるその電解液が延長部を伝って外部に滲み出すことが防止される。
この場合における撥水部は、延長部の炭素繊維又は炭素繊維紙の全厚みに渡って撥水性ポリマーが含浸されている部分と、延長部の炭素繊維又は炭素繊維紙の表面部のみに撥水性ポリマーが含浸されている部分とを有するように構成すること(請求項4)が好ましく、これにより撥水性ポリマーの使用量をあまり増やすことなく、撥水部の開口部への位置合わせの際のマージンを大きくすることが可能となる。
本発明の導電シート部及び/又は延長部の炭素繊維又は炭素繊維紙には、軟質ポリマーを含浸させること(請求項5)が好ましく、これにより炭素繊維の脱落を防止し、電極の取扱性や電極品質の向上を図ることができる。なお炭素繊維や炭素繊維紙への電解液への浸透により導電シート部と電解液の電気的接触を良好に保ちたい場合には、熱可塑性ポリウレタンなどの親水性の高い軟質ポリマーを使用することが好ましい。
上記本発明の電極は、より低い電圧でより高い薬剤の投与効率を得るために、導電シート部の全面からの均一な電流密度での通電が望まれ、また金属イオンの生体への移行の回避が必要とされているイオントフォレーシス装置に特に好適に使用することができる。
一般にイオントフォレーシス装置は、生体に投与すべき薬剤を保持する作用側電極構造体と、その対極としての役割を有する非作用側電極構造体とを有するが、この2つの電極構造体の少なくとも一方が本発明の電極を備えることが好ましい(請求項6)。
かかる本発明によれば、導電シート部が高い柔軟性を有するために生体と電極構造体の密着性を高めることができ、導電シート部が高い導電性を有するために電流密度の粗密が生じた場合の不快な刺激を生体に与えることなく、また効率的に薬剤の投与を行うことが可能となり、導電シート部への給電が導電シート部と一体に構成された炭素繊維又は炭素繊維紙からなる延長部から行われるために、導電シート部に直接金属製の部材を接触させることなく給電を行うことが可能になる。更に、延長部の少なくとも一部に撥水性ポリマーを含浸することで、電解液が電極構造体の外部に漏れ出すことを防止することが可能となる。
なおイオントフォレーシス装置の種類によっては、電源の両極に接続される2つの電極構造体の双方に生体に投与すべき薬剤が保持される場合があり、或いは電源のそれぞれの極に複数の電極構造体が接続される場合もあるが、請求項6に係る発明は、これらの場合における少なくとも一つの電極構造体が本発明の電極を備えることを包含する。
本発明のイオントフォレーシス装置では、本発明の電極を備える電極構造体において導電シート部に接触する電解液をイオン解離性の薬剤を溶解した薬剤液とすることが可能であり、これにより電極構造体の構成を簡素化することができる(請求項7)。
本発明のイオントフォレーシス装置では、本発明の電極を備える電極構造体が、
前記電解液保持部の前面側に配置され、第2導電型のイオンを選択的に通過させる第1イオン交換膜と、
前記第1イオン交換膜の前面側に配置され、薬効成分が第1導電型の薬剤イオンに解離する薬剤の溶液を保持する薬剤液保持部とを備えることが特に好ましい(請求項8)。
かかる構成によれば、薬剤液と独立に電解液の組成を選択できるために、通電の際の電気分解によるガスの発生やpH値の変動が生じにくい電解液など、より適切な電解液の選択が可能になり、安全性又は安定性の高い薬剤投与を行いうるイオントフォレーシス装置を実現することができる。
更に上記構成によれば、電解液保持部の前面側に第1イオン交換膜が配置されているために、電解液保持部の第1導電型のイオンが薬剤液保持部に移行して薬剤イオンの競合イオンとなることを防止できる。またイオントフォレーシス装置の保管中における薬剤イオンの電解液保持部への移行が第1イオン交換膜により遮断されるため、通電時における薬剤イオンの電極での分解をも防止することができる。
上記薬剤液保持部の前面側には第1導電型のイオンを選択的に通過させる第2イオン交換膜を更に配置することが好ましい(請求項9)。
かかる構成によれば、生体対イオン(生体の皮膚上又は生体内に存在するイオンであって、薬剤イオンと反対の導電型に荷電したイオン)の薬剤液保持部への流入が抑止されるために薬剤の投与効率を向上させることが可能になる。
本明細書において「薬剤」の語は、調製の有無を問わず、一定の薬効又は薬理作用を有し、病気の治療、回復、予防、健康の増進、維持などの目的で生体(人又は動物)に投与される物質の意味で用いている。
本明細書における「薬剤イオン」は、薬剤がイオン解離することにより生じる薬理作用を担うイオンを意味する。薬剤の薬剤イオンへの解離は、薬剤を水、酸、アルカリなどの溶媒に溶解させることにより生じるものであっても良く、更に電圧の印加やイオン化剤の添加等を行うことにより生じるものであっても良い。
本明細書における「薬剤液」は、薬剤を溶解させた液体状の溶液だけでなく、溶媒中において薬剤の少なくとも一部が薬剤イオンに解離する限り、薬剤を溶媒に懸濁又は乳濁させたもの、軟膏状又はペースト状に調整されたものなど各種の状態のものを含む。また薬剤液は、液体、懸濁液、乳濁液、軟膏、ペーストなどの状態で使用しても良く、これらをガーゼ、濾紙、ゲルなどの担体に含浸させて使用しても良い。
本発明における「第1導電型」は、プラス又はマイナスの電気極性を意味し、「第2導電型」は第1導電型と反対の電気極性(マイナス又はプラス)を意味する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係る電極部材10aの平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。
図示されるように、電極部材10aは、所定の面積を有する導電シート部11と、導電シート部11から引き出された延長部12から構成されている。
この電極部材10aは、合成繊維又は天然繊維からなる単一の織布又は不織布を、例えば不活性ガス雰囲気下で高温処理することにより炭化させた炭素繊維から形成されており、導電シート部11及び延長部12は一体に構成されている。この場合、電極部材10aに図示の形状を付与するための裁断は、織布又は不織布の状態で行っても良く、炭化処理の後に行ってもよい。
電極部材10aの導電シート部11と延長部12の境界部分には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性ポリマーを含浸させた撥水部13が形成されている。
この撥水部13は、例えば、適当な濃度の撥水性ポリマーの懸濁液又は溶液を図中の13の部分に含浸させた後に溶媒を蒸発させることで形成することが可能であり、これにより、撥水部13に撥水性の性状を付与し、導電シート部11に浸透した水分が撥水部13を越えて延長部12の先端(図の右方)に滲み出して行かないようにすることができる。また、PTFEなどの難溶性の撥水性ポリマーの懸濁液を使用する場合には、その懸濁液の含浸後に100℃程度の加熱処理によってPTFEを溶融、凝固させることで、撥水部13の撥水性をより完全にすることができる。
なお自明ではあるが、水分の漏れ出しを完全に遮断するためには、撥水部13の撥水性ポリマーは、炭素繊維の全厚みに渡って含浸されていることが必要である。
図1(c)は、上記電極部材10aと組み合わせて使用されるケース14aの平面図であり、図1(d)はそのB−B断面図である。
図示されるように、ケース14aは、円筒状の側壁15とその上部を封鎖する上壁16とから構成されており、側壁15には開口部17が形成されている。このケース14aは、内部からの電解液の蒸発や滲み出しを防止できる非水透過性の性状とともに、生体皮膚の凹凸や生体の動きに追随できる十分な柔軟性を有する素材で形成することが好ましい。
図1(e)は、上記電極部材10a及びケース14aを備える本発明の一実施形態に係る電極20aの断面説明図である。
図示されるように、電極部材10aの導電シート部11はケース14aの側壁15と上壁16に囲われる空間18に収容され、電極部材10aの延長部12は、撥水部13が開口部17に位置するようにして、先端がケース14aの外部に導き出されており、イオントフォレーシス装置や低周波治療器などの機器本体から電極20aへの給電は、(鰐口クリップなどの接続手段を用いて)ケース14aの外部に引き出された延長部12において行なわれる。またケース14aの空間18には、導電シート部11に接触させた状態で電解液を保持する電解液保持部19が形成されている。
かかる電極20aは以下の特徴を兼ね備えている。
(1)炭素繊維よりなる導電シート部は、例えば、1〜10Ω/□(4探針法、JIS K7194)などの極めて低い表面抵抗を有するため、導電シート部11からの電流は、導電シート部11の全面(電解液に接触している部分の全体)から均一な電流密度で生体皮膚に導かれることになる。
(2)炭素繊維は柔軟性に富む素材であるため、電極20aと生体皮膚の密着性を高めることができ、生体皮膚への通電性を一層高めることができる。
(3)炭素繊維への金属不純物の混入を回避することは容易であり、従って、通電の際に生体に金属イオンが移行する懸念を小さくできる。
(4)電解液保持部19の電解液が導電シート部11に浸透可能であるため、導電シート部11と電解液の電気的接触状態が良好に保たれる。
(5)撥水部13が開口部17の位置に形成されているため、導電シート部11に浸透した電解液のケース14a外部への滲み出しが防止され、また給電のための接続手段に金属が使用されている場合であっても、その接続手段からの金属イオンが導電シート部11に移行することが防止される。
図2(a)、(b)は、本発明に係る他の態様の電極部材10bの平面図及び断面図である。
図示されるように、電極部材10bは、撥水部13が導電シート部11と延長部12の境界部分ではなく、延長部12の中間部分に形成されている点を除いて電極部材10aと同様の構成を有している。
この電極部材10bは、電極部材10aと同様に、側壁15に開口部17が形成されたケース14aと組み合わせて電極を構成することで、電極20aについて上記したと同様の効果を達成できる他、図2(c)に示すように、上壁16に開口部17が形成されたケース14bと組み合わせて電極20bを構成することも可能であり、この場合も、電極20aについて上記したと同様の効果を達成できる。このように、電極部材10bによれば、開口部17の形成位置に関する電極の設計の自由度を高めることが可能である。
図2(d)は、本発明の更に他の実施形態に係る電極部材10cにおける撥水部13の近傍を拡大して示す断面図である。
図示されるように、電極部材10cの撥水部13は、炭素繊維の全厚みに渡って完全に撥水性ポリマーが含浸した部分13bと、炭素繊維の表面部のみに撥水性ポリマーが含浸又は被覆した部分13a、13cとから構成されている。この電極部材10cでは、部分13a〜13cのいずれかをケース14a又は14bの開口部17に位置させることでケース14a、14b内の電解液の滲み出しを防ぐことができるため、電極20a、20bの組み立ての際における撥水部13の位置合わせのマージンを大きくすることが可能であり、従って撥水性ポリマーの使用量をあまり増やすことなく、電極20a、20bの組み立ての容易性や生産歩留まりを高めることが可能となる。
なお、この場合における撥水部13は、電極部材10aと同様に導電シート部11と延長部12の境界部分に形成しても良く、電極部材10bと同様に延長部12の中間部分に形成しても良い。
以上の実施形態では、電極部材10a〜10cを炭素繊維により形成する場合について説明したが、炭素繊維ではなく、炭素繊維を抄紙技術を用いてシート状、或いはペーパー状に成形した炭素繊維紙により電極部材10a〜10cを形成することも可能であり、その場合も上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また電極部材10a〜10cの炭素繊維又は炭素繊維紙に軟質ポリマーを含浸させることが可能であり、これにより、炭素繊維又は炭素繊維紙の柔軟性を損なうことなく電極部材10a〜10cからの炭素繊維の脱落を防止し、電極部材10a〜10cの取扱性や品質を高めることが可能となる。この場合、軟質ポリマーとして熱可塑性ポリウレタンなどの親水性の高いものを使用することにより、電解液の導電シート部11への浸透による導電シート部11と電解液の良好な接触状態を良好に保つことが可能であり、軟質ポリマーにカーボン粉などの非金属導電フィラーを混入させることにより、導電シート部11と電解液の導通性をより高めることが可能である。
また図1、2では、導電シート部11が円形の形状を有する場合を例示したが、導電シート部11の形状は任意である。同様に図1、2では、延長部12が断面長方形の扁平なひも状である場合を例示したが、延長部12の形状も任意である。また電極部材10a〜10cの寸法(導電シート部11の面積や厚み、延長部12の長さ、幅、厚みなど)は用途(電極部材10a〜10cが接続される機器や接続手段の種類)に応じて適宜定めることができる。
上記実施形態における電解液保持部19は、電解液を液体状態で保持しても良く、ガーゼ、綿、濾紙、ゲルなどの担体に含浸させて保持しても良い。また、この電極20a、20bをイオントフォレーシス装置に使用する場合であれば、電解液保持部19には、電解液として、生体に投与すべき薬剤を含む薬剤液を保持することができる。
電解液保持部19の下面には、電極20a、20bの保管中におけるケース14a、14b内部からの水分の蒸発や漏れ出し、或いは外部からの異物の混入を防ぐために、プラスチックフィルムなどの非水透過性のライナーを貼付しておくことができる。
図3は、本発明の電極を使用したイオントフォレーシス装置30の構成を示す説明図である。
なお、以下では、説明の便宜上、薬効成分がプラスの薬剤イオンに解離する薬剤(例えば、麻酔薬である塩酸リドカインや塩酸モルヒネなど)を投与するためのイオントフォレーシス装置を例として説明するが、薬効成分がマイナスの薬剤イオンに解離する薬剤(例えば、ビタミン剤であるアスコルビン酸など)を投与するためのイオントフォレーシス装置の場合は、以下の説明における電源、各電極部材及び各イオン交換膜の極性が逆転することになる。
図示されるように、このイオントフォレーシス装置30は、主たる構成要素として、作用側電極構造体40、非作用側電極構造体50及び電源60を備えている。なお、参照符号Sは生体の皮膚(又は粘膜)を示している。
作用側電極構造体40は、電源60のプラス端子から伸びる給電線61aに鰐口クリップなどの接続手段62aにより接続された電極部材41、電極部材41の導電シート部11に接触する電解液を保持する第1電解液保持部42、第1電解液保持部42の前面側に配置されたマイナスイオンを選択的に通過させるアニオン交換膜43、アニオン交換膜43の前面側に配置された薬剤液保持部44、薬剤液保持部44の前面側に配置されたプラスイオンを選択的に通過させるカチオン交換膜45を有しており、その全体がケース46に収容されている。
また、非作用側電極構造体50は、電源60のマイナス端子から伸びる給電線61bに鰐口クリップなどの接続手段62bにより接続された電極部材51、電極部材51の導電シート部11に接触する電解液を保持する電解液保持部52、電解液保持部52の前面側に配置されたプラスイオンを選択的に通過させるカチオン交換膜53、カチオン交換膜53の前面に配置された第3電解液保持部54、第3電解液保持部54の前面側に配置されたマイナスイオンを選択的に通過させるアニオン交換膜55を有しており、その全体がケース56に収容されている。
ここで、電極部材41、51は、図1、2に示す電極部材10a〜10cと同一の構成を有しており、ケース46、56は、ケース14a又は14bと同一の構成を有している。
即ち電極部材41、51は、単一の炭素繊維又は炭素繊維紙から構成される導電シート部11と延長部12から構成されており、導電シート部11と延長部12の境界部分又は延長部12の中間部分に撥水部13が形成されている。また、ケース46、56の側壁15又は上壁16には開口部17が形成され(図では開口部17が側壁15に設けられている場合を示している)、その開口部17に撥水部13が位置するようにして、延長部12の先端がケース46、56の外側に引き出されており、上記接続手段62a、62bは、その延長部12の先端に取り付けられている。
ケース46、56は、電解液の蒸発や滲み出しを防止できる非水透過性の性状とともに、皮膚Sの凹凸や生体の動きに追随できる十分な柔軟性を有する素材で形成することが好ましい。ケース46、56の下面46b、56bには、皮膚Sとの密着性を高めるための粘着剤層を形成することが可能である。
電解液保持部42、52、54には、通電性を確保することができる任意の電解液が保持されるが、水の電解反応によるガスの発生やpH変化を防止するために、水よりも酸化または還元されやすい電解質を添加することが可能であり、生体安全性、経済性(安価かつ入手の容易性)の観点からは、例えば、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄などの無機化合物、アスコルビン酸(ビタミンC)やアスコルビン酸ナトリウムなどの医薬剤、乳酸、シュウ酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸などの有機酸及び/又はその塩などを好ましく使用することができる。また2種類以上の電解質を溶解した緩衝電解液を使用することでpH変化を抑制することも可能である。
薬剤液保持部44には、上記の通り、薬効成分がプラスの薬剤イオンに解離する薬剤の溶液が保持される。
電解液保持部42、52、54及び薬剤液保持部44は、上記の電解液や薬剤液を液体状態で保持するものとしても良いが、電解液や薬剤液をガーゼ、濾紙、ゲルなどの担体に含浸させた状態で保持することで、取扱性などを向上させることができる。
カチオン交換膜45、53としては、(株)トクヤマ製ネオセプタCM−1、CM−2、CMX、CMS、CMBなどの陽イオン交換基が導入されたイオン交換膜が使用でき、アニオン交換膜43、55としては、例えば、(株)トクヤマ製ネオセプタAM−1、AM−3、AMX、AHA、ACH、ACSなどの陰イオン交換基が導入されたイオン交換膜を使用することができる。
ここで、イオン交換膜には、既製のイオン交換樹脂をバインダーポリマー中に分散させ、これを加熱成型などにより製膜することで得られる不均質イオン交換膜や、イオン交換基を導入可能な単量体、架橋性単量体、重合開始剤などからなる組成物や、イオン交換基を導入可能な官能基を有する樹脂を溶媒に溶解させたものを、布や網、或いは多孔質フィルムなどの基材に含浸充填させ、重合又は溶媒除去を行った後にイオン交換基の導入処理を行うことにより得られる均質イオン交換膜など各種のものが知られており、カチオン交換膜45、53、アニオン交換膜43、55には、これらのイオン交換膜を特別な制限無く使用することができる。
上記カチオン交換膜45、53に導入される陽イオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等があるが、強酸性基であるスルホン酸基を導入することにより、輸率の高いカチオン交換膜を得ることができる。
アニオン交換膜43、55に導入される陰イオン交換基としては、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基、4級イミダゾリウム基等があるが、強塩基性基である4級アンモニウム基や4級ピリジニウム基を導入することにより、輸率の高いアニオン交換膜を得ることができる。
電源60としては、電池、定電圧装置、定電流装置、定電圧・定電流装置などを使用することができるが、0.01〜1.0mA/cm、好ましくは、0.01〜0.5mA/cmの範囲で電流調整が可能であり、50V以下、好ましくは、30V以下の安全な電圧条件で動作する定電流装置を使用することが好ましい。
上記イオントフォレーシス装置30では、電源60から印加される電圧により、プラスイオンに解離した薬剤イオンが、カチオン交換膜45及び皮膚Sを介して生体内に投与される。
この場合、イオン交換膜43、45、53、55の作用により、生体対イオンの薬剤液保持部44への移行が遮断され、電極部材41、51近傍で発生したHイオンやOHイオンの皮膚S側への移動が抑制され、皮膚S上におけるpH変化を抑制しつつ、高い効率で薬剤の投与を行うことが可能である。
また、上記イオントフォレーシス装置30では、電極部材41、51の導電シート部11が、低抵抗の炭素繊維又は炭素繊維紙で形成されているため、電解液保持部42/アニオン交換膜43/薬剤液保持部44/カチオン交換膜45、或いは電解液保持部52/カチオン交換膜53/電解液保持部54/アニオン交換膜55を介する通電は、導電シート部11の全体から均一な電流密度をもって行われることになる。
従って、電気抵抗の高い導電性樹脂からなる導電シートを使用していたがために、端子部の近傍の狭い面積に電流密度が集中した状態での通電が行われていた従来のイオントフォレーシス装置と比較して、本発明のイオントフォレーシス装置では、電流が集中した場合の不快な刺激を生体に与えることなく、効率良く薬剤の投与を行うことができる。
また銀などの金属の薄膜よりなる導電シートを使用していた従来のイオントフォレーシス装置と異なり、本発明のイオントフォレーシス装置では、作用側電極構造体40、非作用側電極構造体50の内部に金属素材を使用する必要性が解消されており、従って、電気分解などにより生じる金属イオンの生体への移行が防止される。
更に、電解液保持部42、52の電解液が、導電シート部11を構成する炭素繊維又は炭素繊維紙に浸透するため、導電シート部11と電解液保持部42、52の電解液の導通状態が良好に保たれる。
加えて、導電シート部11への電源60からの給電は、導電シート部11と一体に形成され、その一部に撥水部13が形成された延長部12を介して行われるために、接続手段62a、62bからの金属イオンなどがケース46、56内に移行する懸念を伴うことなく導電シート部11への給電を行うことが可能となっており、撥水部13が開口部17に位置しているために、電解液保持部42、52の電解液がケース46、56の外部に滲み出すことも防止される。
図4(a)、(b)は、本発明のイオントフォレーシス装置が上記作用側電極構造体40に代えて備えることができる他の作用側電極構造体40a、40bの構成を示す説明図である。
図示されるように、作用側電極構造体40aは、作用側電極構造体40における電解液保持部42、アニオン交換膜43を有さない点を除いて作用側電極構造体40と同一の構成を有しており、作用側電極構造体40bは、作用側電極構造体40における電解液保持部42、アニオン交換膜43及びカチオン交換膜45を有さない点を除いて作用側電極構造体40と同一の構成を有している。
この作用側電極構造体40a、40bを備えるイオントフォレーシス装置は、上記したイオントフォレーシス装置30と比較して、薬剤の電極部材41近傍での分解を生じる可能性があり、電極部材41での水の電気分解により生じるHイオンにより皮膚S界面のpH値が変動する可能性があるなど、イオントフォレーシス装置30に及ばない面があり、作用側電極構造体40bを備えるイオントフォレーシス装置では、更に生体対イオンの薬剤液保持部44への移行が生じることにより薬剤の投与効率が低下する点においてもイオントフォレーシス装置30に及ばないということはできるが、イオントフォレーシス装置30について述べた電極部材41を備えることによる本発明の基本的な効果は全て達成されるのであり、作用側電極構造体40a、40bを備えるイオントフォレーシス装置も本発明の範囲に含まれる。
図4(c)は、本発明のイオントフォレーシス装置が上記非作用側電極構造体40に代えて備えることができる他の非作用側電極構造体50aの構成を示す説明図である。
図示されるように、非作用側電極構造体50aは、非作用側電極構造体50における電解液保持部52、カチオン交換膜53及びアニオン交換膜55を有さない点を除いて非作用側電極構造体50と同一の構成を有している。
この非作用側電極構造体50aを備えるイオントフォレーシス装置は、上記したイオントフォレーシス装置30と比較して、電極部材51での水の電気分解により生じるOHイオンにより皮膚S界面のpH値が変動する可能性があるなど、イオントフォレーシス装置30に及ばない点はあるものの、イオントフォレーシス装置30について述べた電極部材51を備えることによる本発明の基本的な効果は全て達成されるのであり、非作用側電極構造体50aを備えるイオントフォレーシス装置も本発明の範囲に含まれる。
図5は、低周波治療器70における本発明の電極の使用態様を示す説明図である。
図5に示されるように、低周波治療器70は、低周波治療器本体71と、当該低周波治療器本体71から伸びる給電線72、72及び鰐口クリップなどの接続手段73、73を介して通電を受ける一組の電極74、74を備えている。
上記電極74は、図1、2に示した電極20a、20bと同様の構成を有している。
即ち、電極74、74には、単一の炭素繊維又は炭素繊維紙から構成される導電シート部11及び撥水部13が形成された延長部12からなる電極部材10a〜10cと同一の構成の電極部材が収容されている。またケース14の側壁15又は上壁16には開口部17が設けられ、この開口部17に上記撥水部13が位置するようにして、延長部12の先端がケース14の外部に引き出されている。そして、低周波治療器本体71からの通電は、接続手段73をこの延長部12の先端に接続することにより行われる。
また、導電シート部11の下方には、塩化カリウム水溶液などの電解液を含侵させたポリヒドロキシメタアクリレートなどのゲル体よりなる粘着性を有する電解液保持部19が配置されており、皮膚への通電は、この電解液保持部19を介して行われる。
この電極74、74では、抵抗値が低く、柔軟性の高い炭素繊維又は炭素繊維紙で形成された導電シート部11が使用されているために、電極74、74の生体への密着性を高めるとともに、導電シート部11の全面から均一な電流密度をもって通電を行うことができ、従って、狭い範囲に電流が集中することによる不快感を与えることなく、生体に対してマッサージ等の作用を施すことができる。
また電極74、74への通電は、接続手段73、73を延長部12の先端に接続することにより行われるため、導電シート部11に直接金属の部材を接触させることなく給電することが可能である。
更に、撥水部13がケース14の開口17に位置しているために、ケース14からの水分の滲み出しを防止でき、接続手段73からの金属イオンが導電シート部11に移行することも防止できる。
以上、本発明をいくつかの実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲において、種々の改変が可能である。
例えば、上記した実施形態では、本発明の電極がイオントフォレーシス装置又は低周波治療器に使用される場合について説明したが、本発明の電極は、心電計や美顔器など、生体への通電が行われる他の任意の機器の電極として使用することが可能である。
本発明の電極を備えるイオントフォレーシス装置に関しては、必ずしも作用側電極構造体と非作用側電極構造体の双方が本発明の電極を備えることは必要ではなく、いずれか一方のみに本発明の電極を使用することも可能である。
また作用側電極構造体、非作用側電極構造体及び電源は、上記実施形態のように、それぞれ別体として構成することは必要ではなく、これらの全部又は一部を単一のケーシング中に組み込み、或いは、これらを組み込んだ装置全体をシート状又はパッチ状に形成して、その取扱性を向上させることも可能である。
本発明に係る電極の一実施形態である電極部材10aの構成、及び本発明の一実施形態に係る電極20aの構成を示す説明図。 本発明に係る電極の一実施形態である電極部材10b、10cの構成及び、本発明の一実施形態に係る電極20bの構成を示す説明図。 本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置30の構成を示す説明図。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置が備える作用側電極構造体40a、40b及び非作用側電極構造体50aの構成を示す説明図。 低周波治療器70における本発明の電極の使用態様を示す説明図。
符号の説明
10a〜10c 電極部材
11 導電シート部
12 延長部
13 撥水部
14a、14b ケース
15 側壁
16 上壁
17 開口部
18 空間
19 電解液保持部
20a、20b 電極
30 イオントフォレーシス装置
40、40a、40b 作用側電極構造体
50、50a 非作用側電極構造体
41、51 電極部材
42、52、54 電解液保持部
43、55 アニオン交換膜
44 薬剤液保持部
45、53 カチオン交換膜
46、56 ケース
60 電源
61a、61b 給電線
62a、62b 接続手段
70 低周波治療器
71 低周波治療器本体
72 給電線
73 接続手段
74 電極
S 皮膚

Claims (9)

  1. 所定の面積を有し、炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる導電シート部と、前記導電シート部と一体に形成された炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる延長部とを有する電極であって、
    前記延長部の少なくとも一部に撥水性ポリマーが含浸された撥水部が形成されていることを特徴とする電極。
  2. 前記撥水性ポリマーがフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はシラン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電極。
  3. 前記導電シート部の上部を覆う上壁と、側部を覆う側壁とを有する非水透過性のケースであって、前記上壁又は側壁に開口部を有する前記ケースを更に備え、
    前記延長部が前記開口部から前記ケースの外部に導き出され、前記撥水部が前記開口部に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記撥水部が、前記延長部の炭素繊維又は炭素繊維紙の全厚みに渡って前記撥水性ポリマーが含浸されている部分と、前記延長部の炭素繊維又は炭素繊維紙の表面部のみに撥水性ポリマーが含浸されている部分とを有することを特徴とする請求項3に記載の電極。
  5. 前記導電シート部及び/又は前記延長部に軟質ポリマーが含浸されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極。
  6. 電源と、前記電源の両極に電気的に接続される2つの電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置であって、
    前記2つの電極構造体の少なくとも一方が、
    所定の面積を有し、炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる導電シート部と、前記導電シート部と一体に形成された炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる延長部とを有する電極であって、前記延長部の少なくとも一部に撥水性ポリマーが含浸された撥水部が形成された前記電極と、
    前記導電シート部に接触する電解液を保持する電解液保持部とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  7. 前記電解液保持部が、前記電解液として、イオン解離性の薬剤を含む薬剤液を保持することを特徴とする請求項6に記載のイオントフォレーシス装置。
  8. 前記2つの電極構造体の少なくとも一方が更に、
    前記電解液保持部の前面側に配置され、第2導電型のイオンを選択的に通過させる第1イオン交換膜と、
    前記第1イオン交換膜の前面側に配置され、薬効成分が第1導電型の薬剤イオンに解離する薬剤を含む薬剤液を保持する薬剤液保持部とを備えることを特徴とする請求項6に記載のイオントフォレーシス装置。
  9. 前記薬剤液保持部の前面側に配置され、第1導電型のイオンを選択的に通過させる第2イオン交換膜を更に備えることを特徴とする請求項7又は8に記載のイオントフォレーシス装置。
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