JP2007244551A - イオントフォレーシス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電源から分極性電極への通電性を向上させることにより、分極性電極を有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置の性能を改善する。
【解決手段】 導電粉を含有する導電塗料の塗膜により形成される集電体12と、前記集電体の前面側に配置され、前記集電体からの通電を受ける分極性電極13とを有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置において、前記集電体に前記導電粉よりも比抵抗の小さい金属メッキM1、M2が施されたイオントフォレーシス装置が開示される。この金属メッキM1、M2は、導電粉Pの表面に施すことが可能であり、或いは集電体12の前面側表面に施すことが可能である。金属メッキには金を使用することが可能である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、イオントフォレーシス装置に関し、特に、電極構造体における好ましくない電極反応を抑止ないし抑制できるイオントフォレーシス装置に関する。
イオントフォレーシスは、プラス又はマイナスのイオンに解離した薬物(薬物イオン)を電圧により駆動して経皮的に生体内に移行させるものであり、患者に対する負担が少なく、薬物の投与量の制御性に優れるなどの利点を有している。
図7は、上記イオントフォレーシスを行うための装置であるイオントフォレーシス装置101の基本的な構成を示す説明図である。
図示されるように、イオントフォレーシス装置101は、電極111と、プラス又はマイナスの薬物イオンを含む薬液を保持する薬液保持部112とを有する作用側電極構造体110、電極121と、電解液を保持する電解液保持部122とを有する非作用側電極構造体120、及び給電線131、132を介して電極111、121に両端を接続された電源130を備えており、薬液保持部112及び電解液保持部122を生体皮膚に接触させた状態で電極111に薬物イオンと同一極性の電圧を、電極121にその反対極性の電圧を印加することで薬物イオンが生体に投与される。
このようなイオントフォレーシス装置101における解決課題の一つに電極構造体110、120中において通電の際に生じる種々の電極反応がある。
例えば、薬液中の薬物イオンがプラスイオンである場合には、電極反応によって電極111において酸素ガスや塩素ガス、或いは水素イオンや次亜塩素酸が発生する場合があり、薬物の種類によっては薬物が化学反応を起こして変質する場合がある。一方、電極121においては水素ガス、或いは水酸基イオンが発生する場合がある。
同様に、薬液中の薬物イオンがマイナスイオンである場合には、電極反応によって電極111においては水素ガス、或いは水酸基イオンが発生する場合があり、薬物の種類によっては薬物が化学反応を起こして変質する場合がある。一方、電極121においては酸素ガスや塩素ガス、或いは水素イオンや次亜塩素酸が発生する場合がある。
電極構造体110、120において上記のようなガスが発生した場合には、電極111、121から薬液、電解液への通電が阻害されることになり、水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸が生成された場合には、これらが生体界面に移行することで生体に有害な作用を及ぼす懸念を生じる。また薬物の変質を生じると、薬効の低下や消失を生じ、或いは有毒性の物質が生成されるなどの好ましくない状況を生じる場合がある。
上記のような通電時における電極反応に起因する問題を解決するための手法としては、電極に銀−塩化銀などの活性電極を使用する手法(例えば特許文献1)や、電極界面に水よりも酸化還元電位の低い電解質を溶解した電解液を介在させる手法(例えば特許文献2)が知られている。
しかしながら、前者の手法では、装置の保管中に進行する活性電極と薬物との反応を抑止することが難しく、或いは通電の際に生じる活性電極のモルフォロジー変化に対処するための特別な措置が必要になるなどの副次的な問題が派生する。後者の手法においても、電解液と薬液との混合を防止することが難しく、またその分離のために装置構成が複雑化するなどの副次的な問題が派生する。
このため、本願出願人は、通電時における電極反応に起因する問題を解決するための新たな手法を案出し、これを特願2005−363085号として特許出願を行っている。
図8は、特願2005−363085号において一実施形態として開示されるイオントフォレーシス装置における電極構造体210の構成を示す説明図である。
図示されるように、電極構造体210は、給電線231を介して不図示の電源からの通電を受ける集電体211と、集電体211の前面側に配置され、電極の表面での電気2重層の形成により電解液への通電を生じる性質を有する電極である分極性電極(電気2重層容量キャパシタ(EDLC)とも呼ばれる)212と、この分極性電極212の前面側に配置された電解液保持部213とを有しており、この電解液保持部213に生体に投与すべき薬物イオンを含む薬液を保持した場合には、電極構造体210はイオントフォレーシス装置101における作用側電極構造体110として使用することができ、電解液保持部213に電解液保持部122と同様の電解液を保持した場合には、電極構造体210はイオントフォレーシス装置101における非作用側電極構造体120として使用することができる。
電極構造体210では、分極性電極212の表面での電気2重層の形成により分極性電極212から電解液(又は薬液)への通電を生じるため、従来のイオントフォレーシス装置における電極反応による問題を軽減又は解消することが可能である。
更に、この電極構造体210を使用すれば、特許文献1における電極と薬物の反応の問題や電極のモルフォロジー変化に起因する問題、或いは特許文献2における薬液と電解液の分離の困難性や装置構成の複雑化などの問題も解決することが可能である。
米国特許第4744787号公報 特開平4−297277号公報
本発明は、分極性電極を有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置の更なる改善に係るものであり、具体的には下記のいずれか一以上の目的を達成するものである。
即ち、本発明の目的は、分極性電極を有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置において、電源から分極性電極への通電性を向上させることにある。
本発明の他の目的は、分極性電極を有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置であって、分極性電極のより広い面積からより均一な通電が行われるイオントフォレーシス装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、分極性電極を有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置であって、電源から分極性電極への通電性に優れるとともに、製造コストを低減させることが可能なイオントフォレーシス装置を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、分極性電極を有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置であって、電源から分極性電極への通電性に優れるとともに、製造歩留まりの向上や製造規模の拡大を図ることが容易なイオントフォレーシス装置を提供することにある。
本発明は、
導電粉を含有する導電塗料の塗膜により形成される集電体と、
前記集電体の前面側に配置され、前記集電体からの通電を受ける分極性電極とを有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置であって、
前記集電体に前記導電粉よりも比抵抗の小さい金属メッキが施されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置である(請求項1)。
本発明では、分極性電極への通電を行うための部材である集電体が導電粉を含有する導電塗料の塗膜により形成されているために、集電体の形成に係る製造コストを低減することが可能であり、製造規模の拡大や歩留まりの向上を図ることも容易である。
更に、導電粉よりも比抵抗が小さい金属メッキが集電体に施されるために、集電体の抵抗値を低下させることが可能であり、集電体から分極性電極への通電性をより良好なものとすることが可能である。
また本発明では、分極性電極における通電は、分極性電極の表面に電気2重層が形成されることにより生じるが故に、電極反応を生じさせることなく、或いは電極反応を低減させた状態で、電解液や薬液への通電を行うことが可能であり、その結果、酸素ガス、塩素ガス、水素ガスなどのガスの発生、或いは水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などの好ましくないイオンの発生、或いは化学反応による薬物イオンの変質を抑止し、又は少なくとも低減することができる。
本発明における金属メッキに使用される金属は、導電粉よりも比抵抗が小さい金属である限り、金、白金、銅など任意のものを使用することが可能であるが、比抵抗が極めて低く化学的安定性にも優れる金メッキを使用することが特に好ましい(請求項2)。
本発明における金属メッキは、集電体を構成する導電粉の表面に施すこと(請求項3)及び集電体の前面側表面に施すこと(請求項4)のいずれもが可能であり、いずれの場合も集電体の低抵抗値化、及びこれによる集電体から分極性電極への通電性の向上の効果を達成することができる。
なお、請求項1〜4の発明における金属メッキは、電解メッキ法及び無電解メッキ法のいずれにより形成しても構わない。
請求項1〜4の発明においては、導電粉としてカーボン粉を使用すること(請求項5)が好ましく、これにより、電解液又は薬液が集電体に接触した場合に金属イオンが溶出して生体に移行する懸念を低減又は解消することができる。
請求項1〜5の発明においては、集電体と分極性電極とを導電性接着剤により接着させること(請求項6)が可能であり、これにより、集電体から分極性電極への通電性を一層向上させることができる。なお、この場合の導電性接着剤としては、カーボン粉を配合することにより導電性が付与された導電性接着剤を使用することが好ましく、これにより、導電性接着剤から溶出した金属イオンが生体に移行する懸念を低減又は解消することができる。
請求項1〜6における集電体は、プラスチック基体上に形成すること(請求項7)が可能であり、これにより、安価であり、取扱性にも優れる集電体を得ることができる。
請求項1〜7の発明では、前記電極構造体が、前記分極性電極の前面側に配置され、薬物イオンを含む薬液を保持する薬液保持部を更に備えること(請求項8)が可能であり、かかる電極構造体は、イオントフォレーシス装置における作用側電極構造体として使用することが可能である。
上述の各発明における分極性電極は、単位重量当たりの静電容量が1F/g以上の導電体を含有する電極とすること、或いは比表面積が10m/g以上の導電体を含有する電極とすることが可能であり、これにより、分極性電極の表面に電気2重層が形成されることによる通電量を増大させ、電極反応によるガスや好ましくないイオンの発生、或いは薬物イオンの変質を生じることなく、より多量の薬物イオンを投与することができるイオントフォレーシス装置を実現することができる。
上記における分極性電極に含有される導電体としては、金、銀、アルミニウム、ステンレスなどの金属導電体、或いは活性炭や酸化ルテニウムなどの非金属導電体を使用することが可能であるが、この導電体として非金属導電体を使用することが特に好ましく、これにより、分極性電極から金属イオンが溶出して生体に移行する懸念を低減又は解消することが可能となる。なお、分極性電極を構成する導電体として、アルマイトなどの表面に不溶化処理が施された金属導電体を使用した場合も、同様の効果を得ることができる。
上述の各発明における分極性電極は、活性炭を含有する電極とすることも可能であり、これにより、安価かつ安全であり、また静電容量の高い分極性電極を得ることができる。
上記活性炭としては、ヤシ殻、木粉、石炭、ピッチ、コークスなどの炭素を含有する原料を炭化、賦活することで得られるごく普通の活性炭を使用することが可能である。上記活性炭は、単位重量当たりの静電容量が1F/g以上であること、或いは比表面積が10m/g以上であることが好ましい。
分極性電極に含有される上記活性炭として活性炭繊維を使用した場合には、分極性電極の取扱性の向上という追加的な効果を得ることができる。活性炭繊維は、例えば、織布や不織布の形態のものを使用することができる。
この場合の活性炭繊維としては、ノボロイド繊維(フェノール樹脂を繊維化した後、架橋処理し、分子構造を3次元化させた繊維)を炭化、賦活させたものを使用することが特に好ましく、これにより、柔軟性や機械的強度(引っ張り強度など)に優れるとともに極めて比表面積が高く、静電容量の大きい分極性電極を得ることができる。
なお、この場合の分極性電極は、活性炭又は活性炭繊維のみから構成されていても良く、賦型性や保型性、或いは取扱性向上のためのバインダポリマーなどの他の成分が活性炭又は活性炭繊維に配合されていても良い。この場合に好適に使用することができるバインダーポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン又はポリフッ化ビニリデンフロライドを例示することができる。活性炭又は活性炭繊維97〜80重量部に対するバインダーポリマーの好ましい配合量は、3〜20重量部である。
上記各発明においては、前記電極構造体が、イオン選択膜などの追加的な構成を備えることにより、イオントフォレーシス装置の性能の一層の向上を達成することが可能である。
例えば、請求項7の発明においては、薬液保持部の前面側に薬物イオンの通過を許容し、生体対イオンの通過を遮断する特性を有する第1イオン選択膜を配置することが可能である。或いは、この第1イオン選択膜に代えて、又は第1イオン選択膜とともに、分極性電極と薬液保持部の間に配置された第2イオン選択膜であって、薬物対イオンの薬液保持部から分極性電極側への通過を許容し、薬物イオンと同一極性のイオンの分極性電極側から薬液保持部への通過を遮断する第2イオン選択膜を備えることが可能である。
同様に、上記各発明における電極構造体が薬液保持部を備えない非作用側電極構造体である場合であっても、当該非作用側電極構造体がイオン選択膜などの追加的な構成を備えることにより、イオントフォレーシス装置の性能の一層の向上を達成することが可能である。
本明細書における「薬物」は、調製されているか否かに関わらず、一定の薬効又は薬理作用を有し、病気の治療、回復又は予防、健康の増進又は維持、病状や健康状態などの診断、或いは美容の増進又は維持などの目的で生体に投与される物質を意味する。
本明細書における「薬物イオン」は、薬物がイオン解離することにより生じるイオンであって、薬効又は薬理作用を担うイオンを意味する。
本明細書における「薬液」は、薬物イオンを含む流動物を意味し、本明細書における「薬液」には、薬物を溶媒に溶解させた溶液や薬物が液状である場合における原液などの液体状態のものだけでなく、薬物の少なくとも一部が薬物イオンに解離する限り、薬物を溶媒等に懸濁又は乳濁させたもの、軟膏状又はペースト状に調整されたものなど各種の状態のものを含む。
本明細書における「薬物対イオン」は、薬液中に存在するイオンであって、薬物イオンとは反対極性のイオンを意味する。
本発明の薬液保持部、分極性電極、隔離膜などに保持される薬物イオンは必ずしも単一種類である必要はなく、これらのいずれか一以上に保持される薬物イオンが複数種類であっても構わない。また、本発明の薬液保持部、分極性電極、隔離膜などに保持される薬物イオンは、同一種類の薬物イオンとすることも可能であり、それぞれ異なる種類の薬物イオンとすることも可能である。
本明細書における「皮膚」は、イオントフォレーシスによる薬物イオンの投与を行い得る生体表面を意味しており、例えば口腔内の粘膜なども含まれる。「生体」は人及び動物を含む。
本明細書における「生体対イオン」は、生体の皮膚上又は生体内に存在するイオンであって、薬物イオンと反対極性のイオンを意味する。
本明細書における「前面側」は、薬物イオンの投与に際して装置内を流れる電流の経路上における生体皮膚に近い側を意味する。
本明細書における「第1極性」は、プラス又はマイナスの電気極性を意味し、「第2極性」は第1極性と反対の電気極性(マイナス又はプラス)を意味する。
イオン交換膜としては、イオン交換樹脂を膜状に形成したものの他、イオン交換樹脂をバインダーポリマー中に分散させ、これを加熱成型などにより製膜することで得られる不均質イオン交換膜や、イオン交換基を導入可能な単量体、架橋性単量体、重合開始剤などからなる組成物、又はイオン交換基を導入可能な官能基を有する樹脂を溶媒に溶解させたものを、布や網、或いは多孔質フィルムなどの基材に含浸充填させ、重合又は溶媒除去を行った後にイオン交換基の導入処理を行うことにより得られる均質イオン交換膜など各種のイオン交換膜が知られているが、本発明のイオン交換膜には、これらのイオン交換膜を特段の制限無く使用することができる。
本明細書における「第1極性のイオン交換膜」は、第1極性のイオンの通過を許容する一方で第2極性のイオンの通過を遮断する機能を有するイオン交換膜(即ち、第1極性のイオンが、第2極性のイオンよりも通過し易いイオン交換膜)を意味する。第1極性がプラスである場合には「第1極性のイオン交換膜」はカチオン交換膜であり、第1極性がマイナスである場合には「第1極性のイオン交換膜」はアニオン交換膜である。
同様に、「第2極性のイオン交換膜」は、第2極性のイオンの通過を許容する一方で第2極性のイオンの通過を遮断する機能を有するイオン交換膜(即ち、第2極性のイオンが、第1極性のイオンよりも通過し易いイオン交換膜)を意味する。第2極性がプラスである場合には「第2極性のイオン交換膜」はカチオン交換膜であり、第2極性がマイナスである場合には「第2極性のイオン交換膜」はアニオン交換膜である。
カチオン交換膜の具体例としては、(株)トクヤマ製ネオセプタCM−1、CM−2、CMX、CMS、CMBなどの陽イオン交換基が導入されたイオン交換膜を例示することができ、アニオン交換膜の具体例としては、(株)トクヤマ製ネオセプタAM−1、AM−3、AMX、AHA、ACH、ACSなどの陰イオン交換基が導入されたイオン交換膜を例示することができる。
本発明のイオン交換膜には、多孔質フィルムの孔中にイオン交換樹脂が充填されたタイプのイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。具体的には、0.005〜5.0μm、より好ましくは0.01〜2.0μm、最も好ましくは0.02〜0.2μmの平均孔径(バブルポイント法(JIS K3832−1990)に準拠して測定される平均流孔径)の多数の孔が、20〜95%、より好ましくは30〜90%、最も好ましくは30〜60%の空隙率で形成された5〜140μm、より好ましくは10〜120μm、最も好ましくは15〜55μmの膜厚を有する多孔質フィルムを使用し、5〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、特に好ましくは20〜60質量%の充填率でイオン交換樹脂を充填させたイオン交換膜を使用することができる。
本明細書においてイオン選択膜又はイオン交換膜について述べる「イオンの通過の遮断」は、必ずしも一切のイオンを通過させないことを意味するのではなく、例えば、ある特定のイオンの通過速度又は通過量が他の特定のイオンよりも十分に小さいがために、当該イオン選択膜又はイオン交換膜に求められる機能が十全に発揮される場合を含む。同様に、イオン選択膜又はイオン交換膜について述べる「イオンの通過の許容」は、イオンの通過に一切の制約が生じないことを意味するのではなく、例えば、イオンの通過がある程度制約される場合であっても、当該イオン選択膜又はイオン交換膜に求められる機能が十全に発揮される程度のイオンの通過速度又は通過量が確保される場合を含む。
図1は、本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置1の構成を示す説明図である。
図示されるように、イオントフォレーシス装置1は、主として作用側電極構造体10、非作用側電極構造体20及び電源30から構成されている。
作用側電極構造体10は、基体11、基体11の前面側に形成され、電源30の一方の極に給電線31を介して接続される集電体12、集電体12の前面側に配置される分極性電極13、分極性電極13の前面側に配置される薬液保持部16を備えており、その全体がケース又は容器19に収容されている。
一方、非作用側電極構造体20は、電源30の他方の極に給電線32を介して接続される電極21及び電極21に接触する電解液を保持する電解液保持部26を備えており、その全体がケース又は容器29に収容されている。
図2(A)は、上記集電体12及びその周辺の部材を拡大して模式的に示す説明図である。
図示されるように、集電体12は、基体11の前面側表面に形成された導電塗膜F及び導電塗膜Fの前面側表面に施された金属メッキM1から構成されている。
ここで、基体11は、導電塗膜Fを担持することができる典型的には平板状の形態を付与された部材であり、その低廉性及び入手の容易性などからポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルムにより構成することができる。
導電塗膜Fは、導電粉Pを含有する導電塗料を塗布することにより形成されるものである。導電塗料中の導電粉Pには、任意の導電体の粉末を使用することが可能であるが、化学的安定性や価格などの面から導電粉Pとしてカーボン粉を使用することが特に好ましい。導電塗膜Fは、スクリーン印刷、バーコーティングなどの任意の方法により形成することができる。なお、図は導電粉Pが球状であるかのごとく描かれているが、本発明における導電粉Pの形状には特段の制限はなく、球状、フレーク状、デンドライト状などの任意の形状の導電粉Pを使用することができる。
金属メッキM1は、導電粉Pよりも比抵抗が小さい任意の金属をメッキすることにより形成することができるが、比抵抗の低さ及び化学的安定性などから金属メッキM1は金メッキにより形成することが好ましい。金属メッキM1は、電解メッキ、無電解メッキのいずれにより形成しても構わない。
集電体12と分極性電極13の電気的接続は、単に両者の表面を接触させることにより得ることも可能であるが、図示されるように導電性接着剤Aを用いて集電体12と分極性電極13の界面を接着させることにより、集電体12から分極性電極13への通電性を向上させることができる。この場合の導電性接着剤Aには、金属成分を含まないカーボン系の導電性接着剤を使用することが好ましく、これにより、導電性接着剤から溶出する金属イオンが生体に移行する懸念を低減又は解消することができる。
図2(A)に示す集電体12では、導電塗膜Fの前面側表面に導電粉Pよりも比抵抗の小さい金属メッキM1が施されているために、集電体12の面抵抗を低下させることができ、より広い面積からより均一な電流密度で分極性電極13に通電することが可能となる。
集電体12は、図2(A)に示す構成に代えて、図2(B)、(C)に示す構成とすることも可能である。
即ち、図2(B)の集電体12は、導電塗膜F中の導電粉Pの表面に金属メッキM2が施される一方、導電塗膜Fの前面側には金属メッキが施されない点を除いて図2(A)の集電体12と同一の構成を有している。金属メッキM2は、導電粉Pよりも比抵抗が小さい任意の金属をメッキすることにより形成することができるが、比抵抗の低さ及び化学的安定性などから金属メッキM2は金メッキにより形成することが好ましい。金属メッキM2は、電解メッキ、無電解メッキのいずれにより形成しても構わない。
図2(B)の集電体12では、導電粉Pに施された金属メッキM2の作用により集電体12の面抵抗を低下させることができ、そのために、より広い面積からより均一な電流密度で分極性電極13に通電することが可能となる。
図2(C)の集電体12は、導電塗膜Fの前面側に図2(A)における金属メッキM1と同様の金属メッキM1が施されるとともに、導電塗膜F中の導電粉Pに図2(B)の金属メッキM2と同様の金属メッキM2が施されている点を除いて図2(A)又は(B)の集電体12と同一の構成を有している。
図2(C)の集電体12では、導電塗膜Fの前面側表面に施された金属メッキM1及び導電粉Pに施された金属メッキM2の双方の作用により、集電体12の面抵抗を一層低下させることが可能であり、より広い面積からより均一な電流密度で分極性電極13に通電することが可能となる。
図2(A)〜(C)に示される集電体2における導電粉Pの粒径、粒度分布、導電塗膜Fの膜厚、金属メッキM1、M2の膜厚などは任意であるが、典型的な範囲を示せば、導電粉Pの粒径は1〜20μm、導電塗膜の膜厚は10〜100μm、金属メッキM1の膜厚は0.1〜5μm、金属メッキの膜厚は0.05〜3μmとすることができる。
給電線31と集電体12の電気的接続は、任意の方法により行うことが出来るが、図1では、基体11に形成されたスルーホールTにより基体11の裏面に形成されたランドLと集電体12を接続し、給電線31がこのランドLに導電性接着剤などにより接続される例が示されている。
分極性電極13には、単位体積当たりの静電容量が100mF/g以上の導電体、又は比表面積が1m/g以上の導電体、又は活性炭を含有する板状ないし膜状の部材を使用することができる。
好ましい分極性電極13の構成としては、比表面積100m/g程度の活性炭粉末97〜80重量部に対してポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンフロライドなどのバインダーポリマー3〜20重量部を配合した組成物を膜状に成形したものを例示することができる。
更に好ましい分極性電極13の構成としては、活性炭繊維の織布又は不織布、或いはこれにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンフロライドなどのバインダーポリマーを3〜20重量部程度含浸させたものを例示することができる。この場合の活性炭繊維としては、極めて高い比表面積(例えば1000〜2500m/g)と高い引張強度(例えば300〜400N/mm)を有し、柔軟性にも優れるノボロイド繊維を炭化、賦活することで得られる活性炭繊維を特に好ましく使用できる。ノボロイド繊維を炭化、賦活することで得られる活性炭繊維は、例えば「カイノール活性炭繊維」の商品名で日本カイノール社から入手することができる。
分極性電極13には、電解液を含浸させて保持することが可能であり、これにより、分極性電極13から電解液への通電性を良好なものとすることができる。この場合の電解液としては、後述の薬液保持部16の薬液と同一組成の薬液を使用することが特に好ましく、これにより、薬液の混合による装置特性の経時的変化を防止することが可能となる。
更に、増粘剤を配合して上記電解液又は薬液の粘度を調整することにより、分極性電極13内における電解液又は薬液の保持性を向上させることが可能であり、これにより、分極性電極13の取扱性や装置の組立の容易性を高めることができる。この場合に使用できる特に好ましい増粘剤としてはHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)を例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は、1〜5%程度である。
分極性電極13に電解液又は薬液を保持する場合には、これらに対する浸透性に優れる活性炭又は活性炭繊維を含有する分極性電極を使用することが好ましい。
薬液保持部16には、プラス又はマイナスの薬物イオンを含む薬液が保持される。この薬液は、薬物を水などの溶媒に溶解した溶液であることができ、薬物が装置の使用条件下(例えば室温)において液体である場合には、薬物の原液であることができる。薬液中における薬物は必ずしも全てが薬物イオンに解離している必要はなく、薬物の一部のみが薬物イオンに解離していても構わない。
薬効成分がプラスの薬物イオンに解離する薬物としては、塩酸リドカインや塩酸モルヒネを例示することができ、薬効成分がマイナスの薬物イオンに解離する薬物としては、アスコルビン酸を例示することができる。
分極性電極13に増粘剤が配合された薬液が保持される場合には、薬液保持部16の薬液にも同種かつ同量の増粘剤を配合して、各薬液の組成を同一にすることが好ましく、これにより、作用側電極構造体10内における薬液の混合による装置性能の経時的変化を防止することができる。
薬液保持部16は、薬液を液体状体で保持することができ、天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、或いはゲルなどの適当な吸収性の担体に含浸させて保持することもできる。
電極21には、任意の導電性材料を特段の制限無しに使用することが可能であるが、銀/塩化銀電極などの水よりも酸化還元電位の低い導電性材料を用いた電極を使用することで、水の電気分解による酸素ガス、水素ガス、塩素ガスなどのガス、或いは水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などの有害なイオンの発生を抑止することが可能である。
また電解液保持部26に保持される電解液を適切に選択するなどによって水の電気分解によるガスの発生やイオンの生成を防止できる場合、或いは通電量が小さいなどのために非作用側電極構造体20における電極反応が問題とならない場合などには、金、白金、ステンレス、カーボンなどの不活性電極を使用することも可能である。
電解液保持部26は、電極21から生体皮膚への通電性を確保することができる任意の電解質を溶解した電解液を保持することができるが、水よりも酸化還元電位の低い電解質を使用し、或いは複数種類の電解質を溶解した緩衝電解液とすることで、通電の際における水の電気分解によるガスの発生やイオンの生成、或いはこれによるpH変化を抑制することができる。
上記の目的を達成することができる電解液としては、例えば、0.5Mのフマル酸ナトリウムと0.5Mのポリアクリル酸の5:1混合液を例示することができる。
電解液保持部26は、電解液を液体状体で保持することができ、天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、或いはゲルなどの適当な吸収性の担体に含浸させて保持することもできる。
電解液保持部26の前面側には、任意的な部材として、イオン選択膜27を配置することが可能であり、これにより、皮膚界面におけるイオンバランスの安定性を高めることができる。
この場合に使用されるイオン選択膜27は、薬液保持部16中の薬物イオンと同一極性のイオンの通過を遮断し、その反対極性のイオンの通過を許容する特性を有することが好ましい。
イオン選択膜27は、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を取ることができ、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う半透膜の形態を取ることができる。
特に好ましくは、イオン選択膜27として、薬液保持部16の薬物イオンと反対極性のイオン交換膜を使用することができる。即ち、当該薬物イオンがプラスイオンである場合にはイオン選択膜27としてアニオン交換膜を好ましく使用することができ、薬物イオンがマイナスイオンである場合にはイオン選択膜27としてカチオン交換膜を好ましく使用することができる。
作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20の容器19、29は、内部に上述の各要素を収容できる空間が形成され、下面が開放されたプラスチックなどの任意の素材から形成される部材である。容器19、29は、好ましくは内部からの水分の蒸発や外部からの異物の侵入を防ぐことができ、生体の動きや皮膚の凹凸に追随できる柔軟な素材から形成することができる。容器19、29の下面には、イオントフォレーシス装置1の保存中における水分の蒸発や異物の混入を防ぐことができる適宜の材料からなり、使用に際して取り外されるライナー(不図示)を貼付することができ、更には、容器19、29の下面の外周縁などに生体皮膚との密着性を向上させるための粘着剤層を設けることも可能である。
電源30としては、電池、定電圧装置、定電流装置、定電圧・定電流装置などを使用することができるが、本実施形態では、0.01〜1.0mA/cm、好ましくは、0.01〜0.5mA/cmの範囲で電流調整が可能であり、50V以下、好ましくは、30V以下の安全な電圧条件で動作する定電流装置が使用される。
イオントフォレーシス装置1では、薬液保持部16及び電解液保持部26(イオン選択膜27を備える場合はイオン選択膜27)を生体皮膚に当接させた状態で、電源30から集電体12及び電極21に、それぞれ薬液保持部16の薬物イオンと同一極性の電圧及び反対極性の電圧を印加することにより、薬液保持部16中の薬物イオンが生体に投与される。
イオントフォレーシス装置1の作用側電極構造体10では、電解液(又は薬液)への通電が分極性電極13を介して行われるため、通電の際における電極反応を抑止又は抑制することができ、酸素ガス、塩素ガス、水素ガスなどのガスの発生、水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などの有害なイオンの生成、或いは薬物イオンの化学反応による変質を防止し、又は少なくとも低減することができる。
更に、イオントフォレーシス装置1では、集電体12が導電粉Pを含有する導電塗膜Fにより形成されているために集電体12に係る製造コストを低減させることが可能であり、導電塗膜Fの前面側表面及び/又は導電粉Pの表面に金属メッキM1、M2が施されているために、より広い面積からより均一な電流密度で分極性電極13への通電を行うことが可能となり、従って、通電の安定性を向上させ、及び/又は、薬物イオンの投与効率を上昇させることができる。
図3(A)〜(C)は、イオントフォレーシス装置1において作用側電極構造体10に代えて使用することができる他の態様の作用側電極構造体10a〜10cの構成を示す説明図である。
図3(A)に示されるように、作用側電極構造体10aは、作用側電極構造体10と同様の基体11、集電体12、分極性電極13及び薬液保持部16を備えることに加え、薬液保持部16の前面側に生体対イオンの通過を遮断するとともに、薬液保持部16の薬物イオンの通過を許容する特性を有するイオン選択膜17を備えている。
イオン選択膜17は、電荷に基づいて薬物イオンの通過を許容し、生体対イオンの通過を遮断する電荷選択膜の形態を取ることができ、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて薬物イオンの通過を許容し、生体対イオンの通過を遮断する半透膜の形態を取ることができる。
特に好ましくは、イオン選択膜17として、薬物イオンと同一極性のイオン交換膜を使用することができる。即ち、薬物イオンがプラスイオンである場合にはイオン選択膜17としてカチオン交換膜を好ましく使用することができ、薬物イオンがマイナスイオンである場合にはイオン選択膜17としてアニオン交換膜を好ましく使用することができる。
作用側電極構造体10aを備えるイオントフォレーシス装置1では、イオン選択膜17及び電解液保持部26(イオン選択膜27を備える場合はイオン選択膜27)を生体皮膚に当接させた状態で、給電線31、32から集電体12及び電極21に、それぞれ薬液保持部16の薬物イオンと同一極性の電圧及び反対極性の電圧を印加することにより、薬液保持部16中の薬物イオンが生体に投与される。
イオン選択膜17としてイオン交換膜が使用される場合には、作用側電極構造体10aは、分極性電極13と当該イオン交換膜の接触を防止するための隔離手段を備えることが好ましく、これにより当該イオン交換膜の近傍における気泡の発生を防止することができる。この隔離手段として、天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、吸収性ゲルなどよりなる隔離膜Sを薬液保持部16中に配置することができる。この隔離膜Sは、薬液を担持するための担体の役割を兼ねるものとすることもできる。
隔離膜Sの厚み寸法は、図示のように薬液保持部16の厚み寸法と同程度にしても良く、これより小さくしても構わない。図面では、薬液保持部16において隔離膜Sの周辺にスペースが形成されている様子が模式的に示されているが、このようなスペースは存在しても良く、存在しなくても構わない。このようなスペースが存在する場合には、分極性電極13からイオン交換膜17への通電性を高めるために、そのスペースは薬液により満たされていることが好ましい。
作用側電極構造体10aを備えるイオントフォレーシス装置1では、作用側電極構造体10を備えるイオントフォレーシス装置1と同様の効果が達成されることに加え、生体対イオンの薬液保持部16への移行がイオン選択膜17により遮断されるために、薬物イオンの投与効率(輸率)を上昇させることができる。
作用側電極構造体10bは、作用側電極構造体10と同様の基体11、集電体12、分極性電極13及び薬液保持部16を備えることに加え、分極性電極13と薬液保持部16の間に電解液保持部14及びイオン選択膜15を備えている。
このイオン選択膜15には、薬液保持部16から分極性電極13側への薬物対イオンの通過を許容し、分極性電極13側から薬液保持部16への薬液保持部16中の薬物イオンと同一極性のイオンの通過を遮断する特性を有する膜部材が使用される。
イオン選択膜15は、電荷に基づいて上記イオンの通過及び遮断を行う電荷選択膜の形態を取ることができ、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過及び遮断を行う半透膜の形態を取ることができる。
特に好ましくは、イオン選択膜15として、薬液保持部16の薬物イオンと反対極性のイオン交換膜を使用することができる。即ち、薬物イオンがプラスイオンである場合にはイオン選択膜15としてアニオン交換膜を好ましく使用することができ、薬物イオンがマイナスイオンである場合にはイオン選択膜15としてカチオン交換膜を好ましく使用することができる。
電解液保持部14は、電解液保持部26と同様の電解液を保持することも可能であるが、薬物イオンを含む薬液を保持することも可能である。特に、電解液保持部14において薬液保持部16の薬液と同一組成の薬液を保持した場合には、薬液の混合による装置特性の経時的変化を防止することが可能となる。
電解液保持部14は、電解液又は薬液を液体状体で保持することができ、天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、吸収性ゲルなどの適当な吸収性の担体に含浸させて保持することもできる。
イオン選択膜15としてイオン交換膜が使用される場合には、作用側電極構造体10bは、分極性電極13とイオン選択膜15との接触を防止するための隔離手段を備えることが好ましく、これにより通電中におけるイオン選択膜15の前面側での気泡の発生を防止することができる。この隔離手段として、天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、吸収性ゲルなどよりなる隔離膜Sを電解液保持部14中に配置することができる。この隔離膜Sは、電解液(又は薬液)を担持するための担体の役割を兼ねるものとすることもできる。
隔離膜Sの厚み寸法は、図示のように電解液保持部14の厚み寸法と同程度にしても良く、これより小さくしても構わない。図面では、電解液保持部14において隔離膜Sの周辺にスペースが形成されている様子が模式的に示されているが、このようなスペースは存在しても良く、存在しなくても構わない。このようなスペースが存在する場合には、分極性電極13からイオン交換膜15への通電性を高めるために、そのスペースは電解液(又は薬液)により満たされていることが好ましい。
作用側電極構造体10bを備えるイオントフォレーシス装置1では、薬液保持部16及び電解液保持部26(イオン選択膜27を備える場合はイオン選択膜27)を生体皮膚に当接させた状態で、給電線31、32から集電体12及び電極21に、それぞれ薬液保持部16の薬物イオンと同一極性の電圧及び反対極性の電圧を印加することにより、薬液保持部16中の薬物イオンが生体に投与される。
作用側電極構造体10bを備えるイオントフォレーシス装置1では、作用側電極構造体10を備えるイオントフォレーシス装置1と同様の効果が達成されることに加え、分極性電極13において水素イオンや水酸基イオン、次亜塩素酸などの好ましくないイオンが生成され、或いは薬物イオンの変質を生じたとしても、これらの好ましくないイオンや変質した薬物イオンの薬液保持部16への移行をイオン選択膜15により遮断でき、従って、薬物イオンの投与の安全性が向上するという追加的な効果が達成される。
作用側電極構造体10cは、作用側電極構造体10bと同様の基体11、集電体12、分極性電極13、電解液保持部14、イオン選択膜15及び薬液保持部16を備えることに加え、薬液保持部16の前面側に作用側電極構造体10aと同様のイオン選択膜17を備えている。
従って、作用側電極構造体10cを備えるイオントフォレーシス装置1では、作用側電極構造体10aを備えるイオントフォレーシス装置1及び作用側電極構造体10bを備えるイオントフォレーシス装置1の効果が併せ奏される。
図4は、本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置2の構成を示す説明図である。
イオントフォレーシス装置2は、主として作用側電極構造体10d、非作用側電極構造体20d及び電源30dから構成されている。
本実施形態の作用側電極構造体10dには、従来のイオントフォレーシス装置101の作用側電極構造体110と実質的に同一又は類似の構成が採用されている。
即ち、作用側電極構造体10dは、電源30dの一方の極に給電線31dを介して接続される電極11dと、電極11dの前面側に配置される薬液保持部16dを備えており、その全体がケース又は容器19dに収容されている。
電極11dは、非作用側電極構造体20における電極21と同様の構成とすることができ、薬液保持部16dは、作用側電極構造体10における薬液保持部16と同様の構成とすることができる。
一方、非作用側電極構造体20dは、基体21d、電源30dの一方の極に給電線32dを介して接続される集電体22d、集電体22dの前面側に配置される分極性電極23d、分極性電極23dの前面側に配置される電解液保持部26dを備えている。
基体21d、集電体22d、分極性電極23dは、それぞれ作用側電極構造体10における基体11、集電体12及び分極性電極13と同様の構成とすることができる。
即ち、集電体22dは導電粉Pを含む導電塗膜Fにより構成され、導電塗膜Fの前面側表面及び/又は導電粉Pの表面には金属メッキM1、M2が施される。また、集電体22dと分極性電極23dは、導電性接着剤Aと同様の導電性接着剤により接着させることが可能である。
なお、分極性電極23dを活性炭や活性炭繊維などの浸透性の材料により構成し、これに電解液を含浸させて保持する場合には、この電解液として、水よりも酸化還元電位の低い電解質を溶解した電解液を使用することが好ましく、これにより、電極反応を一層効果的に抑制することが可能となる。また、この場合の電解液に増粘剤を配合して電解液の粘度を調整することで、分極性電極23d内における電解液の保持性を向上させ、これにより、分極性電極23dの取扱性や装置の組立の容易性を高めることが可能である。電解液に配合する特に好ましい増粘剤としてはHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)を例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は、1〜5%程度である。
電解液保持部26dには、分極性電極23dから皮膚への通電性を確保するための任意の電解液を保持することが可能であるが、例えば生理食塩水などの生体に対する安全性の高い電解液を使用することで、薬物投与の安全性を高めることができる。或いは、分極性電極23dに保持される電解液と同一組成の電解液を電解液保持部26dにおいて保持することで、電解液の混合による装置性能の経時変化を防止することができる。
電解液保持部26dは、電解液を液体状体で保持することができ、天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、或いはゲルなどの適当な吸収性の担体に含浸させて保持することもできる。
非作用側電極構造体20dは、任意的な部材として、電解液保持部26dの前面側に非作用側電極構造体20におけるイオン選択膜27と同様のイオン選択膜27dを備えることが可能であり、これにより、皮膚界面におけるイオンバランスの安定性を高めることができる。
イオントフォレーシス装置2では、薬液保持部16d及び電解液保持部26d(イオン選択膜27dを備える場合はイオン選択膜27d)を生体皮膚に当接させた状態で、給電線31d、32dから電極11d及び集電体22dに、それぞれ薬液保持部16dの薬物イオンと同一極性の電圧及び反対極性の電圧を印加することにより、薬液保持部16d中の薬物イオンが生体に投与される。
イオントフォレーシス装置2の非作用側電極構造体20dでは、電解液への通電が分極性電極23dを介して行われるため、通電の際における電極反応を抑止又は抑制することができ、電極反応による酸素ガス、塩素ガス、水素ガスなどのガスの発生、水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などの有害なイオンの発生を防止し、又は少なくとも低減することができる。
更に、イオントフォレーシス装置2では、集電体22dが導電粉Pを含有する導電塗膜Fにより形成されているために集電体22dに係る製造コストを低減させることが可能であり、導電塗膜Fの前面側表面及び/又は導電粉Pの表面に金属メッキM1、M2が施されているために、より広い面積からより均一な電流密度で分極性電極23dへの通電を行うことが可能となり、従って、通電の安定性を向上させ、薬物イオンの投与効率を上昇させることができる。
図5(A)は、本発明の更に他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置3を示す平面図であり、図5(B)はそのA−A断面図である。
イオントフォレーシス装置3は、イオントフォレーシス装置1における作用側電極構造体10と同様の部材から構成される作用側電極構造体部分10eと、イオントフォレーシス装置2における非作用側電極構造体20dと同様の部材から構成される非作用側電極構造体部分20eを有しているが、イオントフォレーシス装置3では、各部材の寸法、形状などを適切に選択することで、組み立ての容易性やハンドリング性の向上が実現されている。
即ち、イオントフォレーシス装置3は、カバー19a及びそれぞれ所定形状(例えば円形)の2つの開口が形成された支持体19b、19cを有しており、支持体19bの開口には分極性電極13e及び23eが、支持体19cの開口には薬液保持部16e及び電解液保持部26eがそれぞれ装填され、カバー19aと支持体19bの間には、前面側に集電体12e及び22eが形成された基体11eが挟持されるようになっている。
上記基体11e、集電体12e、分極性電極13e及び薬液保持部16eは作用側電極構造体10における基体11、集電体12、分極性電極13及び薬液保持部16と同様の構成を有し、基体11e、集電体22e、分極性電極23e及び電解液保持部26eは非作用側電極構造体20dにおける基体21d、集電体22d、分極性電極23d及び電解液保持部26dと同様の構成を有している。
従って、イオントフォレーシス装置3では、
(1)カバー19a
(2)集電体12e及び22eが形成された基体11e
(3)分極性電極13e、23eが装填された支持体19b
(4)薬液保持部16e、電解液保持部26eが装填された支持体19c
の4つのシート状の部材を重ね合わせて張り合わせるという簡便な手法により作用側電極構造体部分10e及び非作用側電極構造体部分20eを同時に組み立てることが可能である。このため、イオントフォレーシス装置3では、製造の容易化、製造コストの低減、歩留まりの向上などの効果を達成することができる。
また、イオントフォレーシス装置3は、図示のように装置の薄型化が容易であり、カバー19a及び支持体19b、19cなどに発泡ポリウレタンなどの柔軟な素材を使用することで、皮膚の凹凸や動きへの追随性を向上させることが可能である。
なお、イオントフォレーシス装置3では、任意的な構成として、薬液保持部16eの前面側にHPCなどの増粘剤により粘度調整された薬液の層18eを、電解液保持部26eの前面側にHPCなどの増粘剤により粘度調整された電解液の層28eを備えることが可能であり、これにより、皮膚との密着性向上による薬物イオンの投与効率の向上を図ることができる。これらの層18e、28eにおける薬液や電解液は、天然繊維、人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、或いはゲルなどの適当な吸収性の担体に含浸させて保持することも可能である。また、皮膚界面のイオンバランスを良好に保つなどを目的として、電解液保持部26eの前面側にイオン選択膜27と同様のイオン選択膜27eを配置することも可能である。
イオントフォレーシス装置3では、支持体19cの前面側に、皮膚との密着性を高めるための粘着剤層を形成することが可能であり、更にその前面側に、装置の保管中における異物の混入や乾燥を防止するための剥離可能なライナーを貼付することが可能である。
イオントフォレーシス装置3における給電は、集電体12e、22eから延長された給電線31e、32eの先端に不図示の電源を接続することにより行うことができる。給電線31e、32eは、集電体12e、22eと同一の導電塗料の塗膜により形成することが可能であり、集電体12e、22eと、給電線31e、32eを1回の塗布工程で形成することで、更なる製造コストの低減を図ることができる。
図6(A)は、本発明の更に他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置4を示す平面図であり、図6(B)はそのA−A断面図である。
このイオントフォレーシス装置4は、イオントフォレーシス装置3と同様の構成に加え、以下の追加的部材を備えている。
即ち、分極性電極13eと薬液保持部16eの間には電解液又は薬液を含浸させた隔離膜S及びイオン選択膜15eが挟持され、薬液保持部16eの前面側にはイオン選択膜17eが薬液保持部16eの薬液の粘着力により貼着されている。また分極性電極23eと電解液保持部26eの間にはスペーサーBが挟持され、電解液保持部26eの前面側にはイオン選択膜27eが電解液保持部26eの電解液の粘着力により貼着されている。
従って、イオントフォレーシス装置4は、作用側電極構造体10cについて上記した効果と、非作用側電極構造体20dについて上記した効果を併せ奏することができる。
更にイオントフォレーシス装置4では、イオントフォレーシス装置3について上記した(1)〜(4)のシート状の部材とともに、隔離膜S、スペーサーB、イオン選択膜15e、17e、27eを重ね合わせて張り合わせるという簡便な手法により作用側電極構造体部分10e及び非作用側電極構造体部分20eを同時に組み立てることが可能である。従って、イオントフォレーシス装置4では、製造の容易化、製造コストの低減、歩留まりの向上などの効果を達成することができる。
また、イオントフォレーシス装置4は、イオントフォレーシス装置3と同様、カバー19a及び支持体19b、19cなどに発泡ポリウレタンなどの柔軟な素材を使用することで、皮膚の凹凸や動きへの追随性を向上させることが可能である。
なお、上記隔離膜S、イオン選択膜15e、17e、27eは、それぞれイオントフォレーシス装置1における隔離膜S、イオン選択膜15、17、27と同様の構成とすることができる。また、スペーサーBは、作用側電極構造体部分10eと非作用側電極構造体部分20eに大きな段差が生じないようにするための部材であり、隔離膜S及びイオン選択膜15eの厚みと同程度の厚みを有し、電解液を含浸させた不織布などが使用される。
イオントフォレーシス装置4においては、追加的な部材として、イオン選択膜17e、27eの前面側にイオントフォレーシス装置3と同様の薬液の層18e及び電解液の層28eを備えることが可能であり、これにより、イオントフォレーシス装置3について上記したと同様の効果を達成することができる。
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態においては、非作用側電極構造体が電解液保持部を備える場合について説明したが、電解液保持部を省略し、非作用側電極構造体の電極を直接皮膚に接触させて薬物イオンの投与を行うようにすることも可能である。或いは、イオントフォレーシス装置そのものには非作用側電極構造体を設けずに、例えば、生体皮膚に本発明に従う作用側電極構造体を当接させ、アースとなる部材にその生体の一部を当接させた状態で作用側電極構造体に電圧を印加して薬物の投与を行うようにすることも可能である。
また上記実施形態では、単一の作用側電極構造体と単一の非作用側電極構造体とを備えるイオントフォレーシス装置を例として説明したが、電源の両極に接続される2つの電極構造体の双方に生体に投与すべき薬物が保持されるイオントフォレーシス装置や、電源のそれぞれの極に複数の作用側電極構造体及び/又は非作用側電極構造体が接続されるイオントフォレーシス装置にも本発明を適用することは可能である。この場合、それらの作用側電極構造体及び非作用側電極構造体のうちの少なくとも一つを本発明に従う電極構造体とすることができ、好ましくはその全ての電極構造体を本発明に従う電極構造体とすることができる。
上記実施形態おける各部材の形状、寸法、材質などは単なる例として記述したものであり、本発明はこれらの記述により限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。 (A)〜(C)は、本発明の集電体をその周辺部材とともに拡大して示す説明図。 (A)〜(C)は、本発明のイオントフォレーシス装置において使用することができる他の態様の作用側電極構造体の構成を示す説明図。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。 従来のイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。 特願2005−363085号において一実施形態として開示されるイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図である。
符号の説明
1〜4・・・イオントフォレーシス装置
10、10a〜10d・・・作用側電極構造体
10e・・・作用側電極構造体部分
11、11e・・・基体
11d・・・電極
12、12e・・・集電体
13、13e・・・分極性電極
14、14e・・・電解液保持部
15、15e・・・イオン選択膜
16、16d、16e・・・薬液保持部
17、17e・・・イオン選択膜
19、19d・・・容器
19a・・・カバー
19b、c・・・支持体
20、20d・・・非作用側電極構造体
20e・・・非作用側電極構造体部分
21・・・電極
21d・・・基体
22d、22e・・・集電体
23d、23e・・・分極性電極
26、26d、26e・・・電解液保持部
27、27d、27e・・・イオン選択膜
29、29d・・・容器
30、30d・・・電源
31、31d、31e、32、32d、32e・・・給電線
101・・・イオントフォレーシス装置
110・・・作用側電極構造体
111・・・電極
112・・・薬液保持部
120・・・非作用側電極構造体
121・・・電極
122・・・電解液保持部
130・・・電源
131、132・・・給電線
210・・・電極構造体
211・・・集電体
212・・・分極性電極
213・・・電解液保持部
231・・・給電線
A・・・導電性接着剤
F・・・導電塗膜
P・・・導電粉
M1、M2・・・金属メッキ
T・・・スルーホール
L・・・ランド
S・・・隔離膜
B・・・スペーサー

Claims (8)

  1. 導電粉を含有する導電塗料の塗膜により形成される集電体と、
    前記集電体の前面側に配置され、前記集電体からの通電を受ける分極性電極とを有する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置であって、
    前記集電体に、前記導電粉よりも比抵抗の小さい金属メッキが施されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 前記金属メッキが金メッキであることを特徴とする請求項1に記載のイオントフォレーシス装置。
  3. 前記金属メッキが前記導電粉の表面に施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のイオントフォレーシス装置。
  4. 前記金属メッキが前記集電体の前面側表面に施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  5. 前記導電粉がカーボン粉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  6. 前記集電体と前記分極性電極が導電性接着剤により接着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  7. 前記集電体がプラスチック基体上に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  8. 前記電極構造体が、前記分極性電極の前面側に配置され、薬物イオンを含む薬液を保持する薬液保持部を更に備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
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