JP2008067890A - イオントフォレーシス装置及びその作動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】薬液又は電解液に接触する分極性電極を収容する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置における薬液又は電解液の経時的なpH値の変動を防止する。
【解決手段】シリンジ16及び26が、キャップ15C、25Cの取り外された導入管15、25と接続管16a、26aにより接続され、シリンジ16に収容される薬液及びシリンジ26に収容される電解液が、接続管16a、26a及び導入管15、25を介して作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20に注入されることにより、薬物イオンの投与の直前の段階まで分極性電極と電解液を非接触に保つことを可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】シリンジ16及び26が、キャップ15C、25Cの取り外された導入管15、25と接続管16a、26aにより接続され、シリンジ16に収容される薬液及びシリンジ26に収容される電解液が、接続管16a、26a及び導入管15、25を介して作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20に注入されることにより、薬物イオンの投与の直前の段階まで分極性電極と電解液を非接触に保つことを可能にする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、分極性電極を使用するイオントフォレーシス装置及びその作動方法に関し、特に、分極性電極におけるpH変化を防止することができるイオントフォレーシス装置及びその作動方法に関する。
イオントフォレーシス装置は一般に、薬効成分がプラス又はマイナスのイオン(薬物イオン)に解離する薬液を保持する作用側電極構造体と、作用側電極構造体の対極の役割を有する非作用側電極構造体を備えており、これら両電極構造体を生体の皮膚に当接させた状態で、作用側電極構造体に薬物イオンと同一極性の電圧を印加することにより薬物イオンの投与を行うものである。
図8は、一般的なイオントフォレーシス装置101の構成を示す説明図である。
図示されるように、イオントフォレーシス装置101は、電極111とプラス又はマイナスの薬物イオンを含む薬液を保持する薬液保持部112とを収容する作用側電極構造体110、電極121と電解液を保持する電解液保持部122とを収容する非作用側電極構造体120、及び給電線141、142を介して電極111、121に両端を接続された電源140を備えており、薬液保持部112及び電解液保持部122を生体皮膚に接触させた状態で電極111に薬物イオンと同一極性の電圧を、電極121にその反対極性の電圧を印加することで薬物イオンが生体に投与される。
このようなイオントフォレーシス装置101における解決課題の一つに電極構造体110、120において通電の際に生じる種々の電極反応がある。
例えば、薬液中の薬物イオンがプラスイオンである場合には、電極反応によって電極111において酸素ガスや塩素ガス、或いは水素イオンや次亜塩素酸が発生する場合があり、薬物の種類によっては薬物が化学反応を起こして変質する場合がある。一方、電極121においては水素ガス、或いは水酸基イオンが発生する場合がある。
同様に、薬液中の薬物イオンがマイナスイオンである場合には、電極反応によって電極111においては水素ガス、或いは水酸基イオンが発生する場合があり、薬物の種類によっては薬物が化学反応を起こして変質する場合がある。一方、電極121においては酸素ガスや塩素ガス、或いは水素イオンや次亜塩素酸が発生する場合がある。
電極構造体110、120において上記のようなガスが発生した場合には、電極111、121から薬液、電解液への通電が阻害されることになり、水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸が生成された場合には、これらが生体界面に移行することで生体に有害な作用を及ぼす懸念を生じる。また薬物の変質を生じると、薬効の低下や消失を生じ、或いは有毒性の物質が生成されるなどの好ましくない状況を生じる場合がある。
上記のような通電時における電極反応に起因する問題を解決するための手法としては、電極に銀−塩化銀などの活性電極を使用する手法(例えば特許文献1)や、電極界面に水よりも酸化還元電位の低い電解質を溶解した電解液を介在させる手法(例えば特許文献2)が知られている。
しかしながら、前者の手法では、通電の際に生じる活性電極のモルフォロジー変化に対処するための特別な措置が必要になるなどの副次的な問題が派生する。後者の手法においても、電解液と薬液との混合を防止することが難しく、またその分離のために装置構成が複雑化するなどの副次的な問題が派生する。
このため、本願出願人は、通電時における電極反応に起因する問題を解決するための新たな手法を案出し、これを特願2005−363085号(以下、「先の出願」という)として特許出願を行っている。
図9は、先の出願に開示されるイオントフォレーシス装置が備える電極構造体210の構成を示す説明図である。
図示されるように、電極構造体210は、電極の表面での電気2重層の形成により電解液への通電を生じる性質を有する電極である分極性電極(電気2重層容量キャパシタ(EDLC)とも呼ばれる)211と、この分極性電極211を収容する容器213を有しており、この分極性電極211に生体に投与すべき薬物イオンを含む薬液を含浸保持させた場合には、電極構造体210はイオントフォレーシス装置101における作用側電極構造体110に代替することができ、分極性電極211に電解液保持部122と同様の電解液を含浸保持させた場合には、電極構造体210はイオントフォレーシス装置101における非作用側電極構造体120に代替することができる。
電極構造体210では、分極性電極211の表面での電気2重層の形成により分極性電極211から電解液(又は薬液)への通電を生じるため、従来のイオントフォレーシス装置101における電極反応による問題を軽減又は解消することが可能である。
更に、この電極構造体210を使用すれば、特許文献1における電極のモルフォロジー変化に起因する問題、或いは特許文献2における薬液と電解液の分離の困難性や装置構成の複雑化などの問題も解決することが可能である。
なお、分極性電極211の組成や電解液又は薬液の組成によっては、分極性電極211が電解液又は薬液に対する十分な含浸性を有さない場合もあるが、そのような場合には、図示のように分極性電極211の下面側に薬液又は電解液を保持する電解液保持部212を設けることが可能である。
米国特許第4744787号公報
特開平4−287277号公報
しかしながら、本願発明者らが分極性電極を収容する電極構造体210についての検討を進めるうちに、分極性電極の組成や、電極構造体に使用する薬液又は電解液の組成によっては、イオントフォレーシス装置の製造後に薬液や電解液のpH値が経時的に変動する場合があり、このpH値の変動により薬効が低下又は消失し、或いは電極構造体を構成する部材(容器213など)の劣化や生体皮膚における肌荒れや炎症などの問題を生じる場合があることが明らかとなった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、薬液又は電解液に接触する分極性電極を収容する電極構造体における上記問題を解消することをその目的とする。
本発明は、第1分極性電極を収容する第1電極構造体と、
電解液が前記第1分極性電極に接触するように、前記第1電極構造体に電解液を注入する第1電解液注入手段とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置(請求項1)、又は、
第1分極性電極を収容する第1電極構造体と、
前記第1電極構造体に電解液を注入するための第1電解液注入手段とを備えるイオントフォレーシス装置の作動方法であって、
前記第1電極構造体に電解液を注入することで電解液を前記第1分極性電極に接触させるステップと、
前記第1分極性電極に電圧を印加するステップとを有することを特徴とするイオントフォレーシス装置の作動方法(請求項9)である。
電解液が前記第1分極性電極に接触するように、前記第1電極構造体に電解液を注入する第1電解液注入手段とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置(請求項1)、又は、
第1分極性電極を収容する第1電極構造体と、
前記第1電極構造体に電解液を注入するための第1電解液注入手段とを備えるイオントフォレーシス装置の作動方法であって、
前記第1電極構造体に電解液を注入することで電解液を前記第1分極性電極に接触させるステップと、
前記第1分極性電極に電圧を印加するステップとを有することを特徴とするイオントフォレーシス装置の作動方法(請求項9)である。
上記したように、薬液や電解液と接触する分極性電極を収容する電極構造体を備えるイオントフォレーシス装置では、分極性電極や薬液又は電解液の組成などによって、装置の製造後に薬液又は電解液のpH値に経時的な変動を生じる場合があることが本発明者らにより確認された。
例えば、分極性電極として活性炭や活性炭繊維を含む電極を使用し、薬液である塩酸リドカインの水溶液を分極性電極に含浸させた電極構造体(作用側電極構造体)の場合では、薬液の含浸から24時間のうちに、塩酸リドカイン水溶液のpH値が常態での値である5〜7程度から2.5程度にまで低下する。
同様の現象は、塩酸モルヒネや硫酸キニジンの水溶液などの他の薬液の場合にも確認されており、更には、薬液以外の電解液であっても、ある程度分子量の大きい電解質を溶解させた電解液を分極性電極に接触させた電極構造体では同様の現象が生じる場合があることが確認されている。
本発明では、第1分極性電極を収容する第1電極構造体に電解液を注入するための第1電解液注入手段を備えているため、分極性電極と電解液の接触を装置の使用(薬物イオンの投与)の直前の段階に生じさせることが可能であり、従って、装置の保管中における薬液又は電解液のpH値の変動の問題を防止することができる。
本発明における分極性電極は、電極の表面での電気2重層の形成により電解液への通電を生じる性質を有する電極(電気2重層容量キャパシタ)である。
本発明における分極性電極には、単位重量当たりの静電容量が100mF/g以上の導電体を含有する分極性電極、或いは比表面積が1m2/g以上の導電体を含有する分極性電極を使用することが好ましく、これにより、分極性電極の表面に電気2重層が形成されることによる通電量を増大させ、電極反応によるガスや好ましくないイオンの発生、或いは薬物イオンの変質を生じることなく、より多量の薬物イオンを投与することができるイオントフォレーシス装置を実現することができる。
本発明の分極性電極は、特に好ましくは、単位重量当たりの静電容量が1F/g以上であることができ、或いは比表面積が10m2/g以上であることができる。
上記における分極性電極に含有される導電体としては、金、銀、アルミニウム、ステンレスなどの金属導電体、或いは活性炭や酸化ルテニウムなどの非金属導電体を使用することが可能であるが、この導電体として非金属導電体を使用することが特に好ましく、これにより、分極性電極から金属イオンが溶出して生体に移行する懸念を低減又は解消することが可能となる。なお、分極性電極を構成する導電体として、アルマイトなどの表面に不溶化処理が施された金属導電体を使用した場合も同様の効果を得ることができる。
本発明の第1電解液注入手段により注入される電解液を、薬液以外の電解液とした場合には、本発明の第1電極構造体は非作用側電極構造体として使用することができ、本発明の第1電解液注入手段により注入される電解液を薬液とした場合(請求項2)には、本発明の第1電極構造体は作用側電極構造体として使用することができる。
また、請求項2の発明において、第2分極性電極を含有する第2電極を収容する第2電極構造体と、前記第2電極構造体に電解液を注入するための第2電解液注入手段とを更に備えた場合(請求項3)には、作用側電極構造体及びその対極としての非作用側電極構造体の双方において、電極反応の問題が解決され、電極のモルフォロジー変化や電解液と薬液との混合などの問題が派生せず、しかも、装置の保管中における経時的なpH変動を生じないイオントフォレーシス装置を実現することができる。
本発明における分極性電極は、活性炭又は活性炭繊維を含有する電極とすること(請求項4)が好ましく、これにより、安価かつ安全であり、静電容量の高い分極性電極を得ることができる。特に、本発明における分極性電極を、活性炭繊維を含有する電極とした場合には、分極性電極の取扱性の向上という追加的な効果を得ることができる。
上記活性炭としては、ヤシ殻、木粉、石炭、ピッチ、コークスなどの炭素を含有する原料を炭化、賦活することで得られるごく普通の活性炭を使用することが可能であり、活性炭繊維は、例えば、織布や不織布の形態のものを使用することができる。活性炭繊維としては、ノボロイド繊維(フェノール樹脂を繊維化した後、架橋処理し、分子構造を3次元化させた繊維)を炭化、賦活させたものを使用することが特に好ましく、これにより、取扱性や柔軟性、機械的強度(引っ張り強度など)に優れるとともに極めて比表面積が高く、静電容量の大きい分極性電極を得ることができる。
請求項4における活性炭又は活性炭繊維は、単位重量当たりの静電容量が100mF/g以上であること、或いは比表面積が1m2/g以上であることが好ましく、単位重量当たりの静電容量が1F/g以上であること、或いは比表面積が10m2/g以上であることが特に好ましい。
請求項4の分極性電極は、活性炭又は活性炭繊維のみから構成されていても良く、賦型性や保型性、或いは取扱性向上のためのバインダポリマーなどの成分が活性炭又は活性炭繊維に配合されていても良い。この場合に好適に使用することができるバインダーポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン又はポリフッ化ビニリデンフロライドを例示することができる。活性炭又は活性炭繊維97〜80重量部に対するバインダーポリマーの好ましい配合量は3〜20重量部である。
本発明の第1分極性電極及び/又は第2分極性電極には増粘剤を配合すること(請求項5)が好ましい。
即ち、活性炭又は活性炭繊維などの吸収性の物質を含有する分極性電極を使用する場合は、第1又は第2電解液注入手段により注入された薬液や電解液を含浸させることが可能であるが、この分極性電極に増粘剤を配合することにより、分極性電極への薬液や電解液の含浸性を高めることができ、薬液又は電解液の含浸量の増大又はその含浸に要する時間の短縮などの効果を達成することができる。
本発明の第1分極性電極及び/又は第2分極性電極にはグリセリンを配合すること(請求項6)が可能であり、この場合も請求項5の発明と同様に、第1又は第2電解液注入手段により注入された薬液又は電解液の活性炭又は活性炭繊維への含浸性を高めることができる。
本発明の第1分極性電極及び/又は第2分極性電極にはポリリジン又はアガロースを配合することが可能である。
即ち、分極性電極に接触する薬液又は電解液を保持する電極構造体では、薬液又は電解液のpH値に経時的な変動を生じる場合があることは上記した通りであるが、本発明者らの検討により、分極性電極にポリリジン又はアガロースを配合することにより、分極性電極の表面に電気2重層が形成されることによる通電量を大幅に低下させることなく、分極性電極に接触する薬液又は電解液のpH値変動を抑止し、或いは遅延させることが可能であることが見出されている。
従って、本発明においてポリリジン又はアガロースを配合した分極性電極を使用した場合には、薬液又は電解液が分極性電極と接触した以降におけるpH値の変動を抑止し、或いは遅延させることが可能となるため、第1又は第2電解液注入手段による電解液の注入から薬物イオンの投与の開始又は終了までの時間がある程度長くなったとしても、その間におけるpH値の変動の程度を小さくすることができる。
ポリリジン又はアガロースを配合することによるpH値変動が抑制又は遅延される程度は、分極性電極の組成或いは薬液や電解液の組成によって相違するが、活性炭又は活性炭繊維を含む分極性電極、とりわけカイノール繊維よりなる分極性電極にポリリジン又はアガロースを配合した場合にはpH値変動の抑制が特に顕著に抑制できることが確認されている。
従って、pH値変動が抑制又は遅延される程度やイオントフォレーシス装置の使用態様(流通過程に置かれる期間など)によっては、本願各発明における電解液注入手段を使用しないことも可能である。即ち、ポリリジン又はアガロースが配合された分極性電極を収容する電極構造体(作用側電極構造体又は非作用側電極構造体)を備えるイオントフォレーシス装置は、本願各請求項の発明とは別個の発明として独立した利用価値を有する。
本発明では、前記第1分極性電極及び/又は前記第2分極性電極に、前記第1及び/又は前記第2電解液注入手段により注入される電解液を受容する貫通孔が形成されていること(請求項7)が好ましく、これにより、第1及び/又は第2電解液注入手段により注入された電解液の第1及び/又は第2分極性電極への浸透を迅速化又は円滑化することができる。
本発明は、上面及び下面を有する第1支持体であって、前記下面において開口する第1空孔と、前記第1空孔から離間して配置され、前記下面において開口する第2空孔とが形成された第1支持体と、前記第1空孔に収容された第1分極性電極と、電解液が前記第1分極性電極に接触するように、前記第1空孔に電解液を注入する第1電解液注入手段とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置(請求項8)とすることが可能であり、この場合には、装置の保管中における電解液のpH値変動の問題が解消されるとともに、装置の製造の容易性や生体への適用時のハンドリング性などが高められたイオントフォレーシス装置を実現することができる。
本発明は、銀電極又は塩化銀電極を収容する第1電極構造体と、電解液が前記銀電極又は塩化銀電極に接触するように、前記第1電極構造体に電解液を注入する第1電解液注入手段とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置(請求項10)とすることも可能である。
かかる発明では、第1電極構造体(作用側電極構造体又は非作用側電極構造体)における通電が、銀電極や塩化銀電極などの活性電極を介して行われるため、通電時における電極反応に起因する問題を解消することが可能である。
更に、銀電極や塩化銀電極などの活性電極を長期間に渡って電解液(又は薬液)に接触させた状態に保持すると、電極と電解液の反応が生じることにより装置特性が不安定化する問題を生じるが、本発明では、第1電極構造体に電解液を注入するための第1電解液注入手段を備えているため、活性電極と電解液の接触を装置の使用(薬物イオンの投与)の直前の段階に生じさせることが可能であり、従って、装置の保管中における装置特性の変動の問題を解消することができる。
本明細書における「薬物」は、調製されているか否かに関わらず、一定の薬効又は薬理作用を有し、病気の治療、回復又は予防、健康の増進又は維持、病状や健康状態などの診断、或いは美容の増進又は維持などの目的で生体に投与される物質を意味する。
本明細書における「薬物イオン」は、薬物がイオン解離することにより生じるイオンであって、薬効又は薬理作用を担うイオンを意味する。
本明細書における「薬液」は、薬物イオンを含む流動物を意味し、本明細書における「薬液」には、薬物を水などの溶媒に溶解させた溶液や薬物が液状である場合における原液などの液体状態のものだけでなく、薬物の少なくとも一部が薬物イオンに解離する限り、薬物を溶媒に懸濁又は乳濁させたもの、軟膏状又はペースト状に調整されたものなど各種の状態のものを含む。
本明細書における「薬物対イオン」は、薬液中に存在するイオンであって、薬物イオンとは反対極性のイオンを意味する。
本明細書における「皮膚」は、イオントフォレーシスによる薬物イオンの投与を行い得る生体表面を意味しており、例えば口腔内の粘膜なども含まれる。「生体」は人及び動物を含む。
本明細書における「生体対イオン」は、生体の皮膚上又は生体内に存在するイオンであって、薬物イオンと反対極性のイオンを意味する。
本明細書における「下面側」は、薬物イオンの投与に際して装置内を流れる電流の経路上における生体皮膚に近い側を意味する。また、ある部材についての「下面」及び「上面」は、その部材の下面側及びその反対側の表面を意味する。
イオン交換膜としては、イオン交換樹脂を膜状に形成したものの他、イオン交換樹脂をバインダーポリマー中に分散させ、これを加熱成型などにより製膜することで得られる不均質イオン交換膜や、イオン交換基を導入可能な単量体、架橋性単量体、重合開始剤などからなる組成物、又はイオン交換基を導入可能な官能基を有する樹脂を溶媒に溶解させたものを、布や網、或いは多孔質フィルムなどの基材に含浸充填させ、重合又は溶媒除去を行った後にイオン交換基の導入処理を行うことにより得られる均質イオン交換膜など各種のイオン交換膜が知られているが、本発明のイオン交換膜には、これらのイオン交換膜を特段の制限無く使用することができる。
本明細書におけるカチオン交換膜は、陽イオンの通過を許容する一方で陰イオンの通過を遮断する機能を有するイオン交換膜(即ち、陽イオンが陰イオンよりも通過し易いイオン交換膜)であり、具体的には、(株)トクヤマ製ネオセプタCM−1、CM−2、CMX、CMS、CMBなどを例示することができる。
同様に、本明細書におけるアニオン交換膜は、陰イオンの通過を許容する一方で陽イオンの通過を遮断する機能を有するイオン交換膜(即ち、陰イオンが陽イオンよりも通過し易いイオン交換膜)であり、具体的には、(株)トクヤマ製ネオセプタAM−1、AM−3、AMX、AHA、ACH、ACSなどの陰イオン交換基が導入されたイオン交換膜を例示することができる。
本発明のイオン交換膜には、多孔質フィルムの孔中にイオン交換樹脂が充填されたタイプのイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。具体的には、0.005〜5.0μm、より好ましくは0.01〜2.0μm、最も好ましくは0.02〜0.2μmの平均孔径(バブルポイント法(JIS K3832−1990)に準拠して測定される平均流孔径)の多数の小孔が、20〜95%、より好ましくは30〜90%、最も好ましくは30〜60%の空隙率で形成された5〜140μm、より好ましくは10〜120μm、最も好ましくは15〜55μmの膜厚を有する多孔質フィルムを使用し、5〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、特に好ましくは20〜60質量%の充填率でイオン交換樹脂を充填させたイオン交換膜を使用することができる。
本明細書においてイオン選択膜又はイオン交換膜について述べる「イオンの通過の遮断」は、必ずしも一切のイオンを通過させないことを意味するのではなく、例えば、ある特定のイオンの通過速度又は通過量が他の特定のイオンよりも十分に小さいがために、当該イオン選択膜又はイオン交換膜に求められる機能が十全に発揮される場合を含む。同様に、イオン選択膜又はイオン交換膜について述べる「イオンの通過の許容」は、イオンの通過に一切の制約が生じないことを意味するのではなく、例えば、イオンの通過がある程度制約される場合であっても、当該イオン選択膜又はイオン交換膜に求められる機能が十全に発揮される程度のイオンの通過速度又は通過量が確保される場合を含む。
図1(A)は、本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置1の構成を示す説明図である。
図示されるように、イオントフォレーシス装置1は、主として作用側電極構造体10、非作用側電極構造体20及び電源40から構成されている。
作用側電極構造体10は、電源40の一方の極に接続される給電線41からの通電を受ける分極性電極13と、分極性電極13を収容する容器31を有しており、容器31には薬液の導入管15が取り付けられている。
一方、非作用側電極構造体20は、電源40の他方の極に接続される給電線42からの通電を受ける分極性電極23と、分極性電極23を収容する容器32を有しており、容器32には電解液の導入管25が取り付けられている。
作用側電極構造体10及び/又は非作用側電極構造体20は、特に好ましい態様においては、任意的な部材として、給電線41、42からの電流を分極性電極13、23のなるべく広い面積に均等な電流密度で伝達するための集電体12、22を備えることが可能である。
集電体12、22には、金属などの任意の導電性材料を使用することができるが、分極性電極13、23を構成する導電体よりも比抵抗又は面抵抗が小さい導電性材料を使用することが好ましい。また集電体12、22に薬液又は電解液が接触した場合における集電体12、22からの金属成分の溶出を防止するなどの意味で、集電体12、22には、炭素繊維又は炭素繊維紙を特に好ましく使用することができる。この場合、本願出願人による特願2004−317317号に開示されるポリマーマトリクスにカーボンを混入させた端子部材と、当該端子部材に取り付けられた炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる導電シートを有する集電体や、特願2005−223282号に開示される炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる導電シート部及び炭素繊維又は炭素繊維紙よりなる延長部を有し、当該延長部の一部に撥水性ポリマーが含浸された集電体を特に好ましく使用することができる。
或いは、図示のように、プラスチックなどの基体11、21上にカーボン粉などの導電粉を含有する導電塗料を塗布することにより形成された導電塗膜により集電体12、22を構成することで、集電体12、22の形成に係る製造コストを低減させることも可能である。この場合における給電線41、42と集電体12、22の電気的接続は任意の方法により行うことが出来るが、図では、基体11、21に形成されたスルーホールT1、T2により基体11、21の上面に形成されたランドLa1、La2と集電体12、22を接続し、給電線41、42がこのランドLa1、La2に導電性接着剤などにより接続される例が示されている。
分極性電極13、23には、単位体積当たりの静電容量が100mF/g以上の導電体、比表面積が1m2/g以上の導電体、活性炭又は活性炭繊維を含有する板状ないし膜状の部材を使用することができる。
特に好ましい分極性電極13、23の構成としては、比表面積50〜500m2/gの活性炭粉末97〜80重量部に対してポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンフロライドなどのバインダーポリマー3〜20重量部を配合した組成物を板状又は膜状に成形したものを例示することができる。
更に好ましい分極性電極13、23の構成としては、活性炭繊維の織布又は不織布、或いはこれにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンフロライドなどのバインダーポリマーを3〜20重量部程度含浸させたものを例示することができる。この場合の活性炭繊維としては、極めて高い比表面積(例えば1000〜2500m2/g)と高い引張強度(例えば300〜400N/mm2)を有し、柔軟性にも優れるノボロイド繊維を炭化、賦活することで得られる活性炭繊維を好ましく使用できる。ノボロイド繊維を炭化、賦活することで得られる活性炭繊維は、例えば「カイノール活性炭繊維」の商品名で日本カイノール社から入手することができる。
分極性電極13及び/又は23として、活性炭又は活性炭繊維などの含浸性の物質を含む分極性電極が使用される場合には、分極性電極13及び/又は23に増粘剤を配合すること、又はグリセリンを含浸させることが好ましく、これにより電極構造体10、20に薬液、電解液を注入した際における薬液、電解液の含浸性を増進させることが可能である。
上記増粘剤の配合は、例えば、増粘剤を溶媒に溶解させた適宜の濃度の溶液を分極性電極13、23に含浸させた後に、適宜の乾燥条件下で溶媒を除去することにより行うことができる。分極性電極13、23への上記溶液の含浸は、上記溶液中に分極性電極13、23を浸漬し、或いは分極性電極13、23に上記溶液を滴下することで行うことができる。この場合に特に好適に使用できる増粘剤としては、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)やPVA(ポリビニルアルコール)を例示することができる。また、上記溶媒として、低級アルコールなどの低沸点の有機溶媒を使用することにより溶媒の乾燥除去を容易化することができる。
上記グリセリンの含浸は、分極性電極13、23をグリセリン中に浸漬し、或いは分極性電極13、23にグリセリンを滴下することで行うことができる。
上記分極性電極13、23への増粘剤の配合及びグリセリンの含浸は併用することも可能である。この場合、上記の各手法により分極性電極13、23に増粘剤を配合した後にグリセリンを含浸させることが可能であり、或いは増粘剤がグリセリンに可溶であれば、増粘剤を溶解させたグリセリン溶液を分極性電極13、23に含浸させることにより、上記増粘剤の配合とグリセリンの含浸を同時に行うことも可能である。
分極性電極13及び/又は23にはアガロース又はポリリジンを配合することも可能であり、この場合には、分極性電極13及び/又は23に薬液及び/又は電解液を含浸させた以降のpH値変動を抑止又は遅延させることができる。アガロース又はポリリジンの配合は、分極性電極13及び/又は23として、活性炭又は活性炭繊維を含む分極性電極が使用される場合に、特に顕著なpH値変動の抑止又は遅延効果を達成することができる。分極性電極13、23へのアガロース、ポリリジンの含浸は、増粘剤について上記したと同様の方法により行うことができる。
集電体12、22と分極性電極13、23との機械的及び/又は電気的な接触状態を良好に保つために、集電体12、22と分極性電極13、23は導電性接着剤A1、A2により接着させることが可能である。導電性接着剤A1、A2としては、薬液又は電解液が接触した場合における金属イオンの溶出を防止するなどの意味で、導電性フィラーとしてカーボン粉が使用された導電性接着剤を使用することが好ましい。
特に好ましい実施形態では、分極性電極13、23の下面側に任意的な部材としてイオン選択膜14、24を配置することが可能である。
ここで、イオン選択膜14には、作用側電極構造体10に注入される後述の薬液中の薬物イオンと同一極性のイオンを選択的に通過させる膜状の部材を使用することが可能であり、かかるイオン選択膜14を使用した場合には、薬物対イオンの移動により消費される電流量を低減させ、薬物イオンの投与効率又は投与速度を上昇させることが可能である。
イオン選択膜14は、上記薬物イオンと反対極性のイオンの通過を遮断する特性を併せ有することが好ましい。
イオン選択膜24には、作用側電極構造体10に注入される薬液中の薬物イオンと反対極性のイオンを選択的に通過させる膜状の部材を使用することが可能であり、かかるイオン選択膜24を使用した場合には、非作用側電極構造体20の生体皮膚面におけるイオンバランスを安定化させることが可能となり、皮膚の炎症やかぶれを抑止し、薬物イオン投与の安全性を高めることが可能となる。
イオン選択膜24は、上記薬物イオンと同一極性のイオンの通過を遮断する特性を併せ有することがが好ましい。
イオン選択膜14、24は、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う半透膜(限外濾過膜など)の形態を採ることが可能であり、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を採ることも可能である。
電荷選択膜の形態のイオン選択膜14、24としては、イオン交換膜を特に好ましく使用することができる。
具体的には、作用側電極構造体10に注入される薬液中の薬物イオンがプラスイオンである場合には、イオン選択膜14としてカチオン交換膜を、イオン選択膜24としてアニオン交換膜を好ましく使用することができ、上記薬物イオンがマイナスイオンである場合には、イオン選択膜14としてアニオン交換膜を、イオン選択膜24としてカチオン交換膜を好ましく使用することができる。
容器31、32は、内部に上述の各要素を収容できる空間が形成され、下面が開放されたプラスチックなどの任意の素材から形成される部材である。容器31、32は、好ましくは外部からの異物の侵入を防ぐことができ、生体の動きや皮膚の凹凸に追随できる柔軟な素材から形成することができる。
容器31、32には、装置外部から薬液又は電解液を注入して分極性電極13、23に接触させるための中空の導入管15、25が取り付けられている。図示の例では、容器31、32の上壁から集電体12、22などを貫通して分極性電極13、23に至る態様の導入管15、25が示されているが、外部から分極性電極13、23に薬液又は電解液を注入することが可能であれば、導入管15、25の取り付け位置や導入管15、25の素材、形状などは任意である。導入管15、25は、キャップ15C、25Cなどの封止手段を備えることにより、装置の保管中における外部からの異物の侵入などを防ぐことができる。
容器31、32の下面の外周縁には、生体皮膚との密着性を向上させるための不図示の粘着剤層を設けることが可能であり、容器31、32の下面には、イオントフォレーシス装置1の保存中における外部からの異物の混入などを防ぐことができる適宜の材料からなり、使用に際して取り外されるライナー31a、32aを貼付することが可能である。
電源40としては、電池、定電圧装置、定電流装置、定電圧・定電流装置などを使用することができるが、本実施形態では、0.01〜1.0mA/cm2、好ましくは、0.01〜0.5mA/cm2の範囲で電流調整が可能であり、50V以下、好ましくは、30V以下の安全な電圧条件で動作する定電流装置が使用される。
図1(B)は、作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20への薬液、電解液の注入の態様を示す説明図である。
図示の例では、シリンジ16及び26が、キャップ15C、25Cの取り外された導入管15、25と接続管16a、26aにより接続され、シリンジ16に収容される薬液及びシリンジ26に収容される電解液が、接続管16a、26a及び導入管15、25を介して作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20に注入される様子が示されている。
作用側電極構造体10には、治療や診断などの目的に応じた任意の薬液を注入することが可能であるが、その例を挙げれば、プラスの薬物イオンを含む薬液としては、塩酸リドカイン水溶液や塩酸モルヒネ水溶液を使用することができ、マイナスの薬物イオンを含むの薬液としては、アスコルビン酸水溶液を使用することができる。
非作用側電極構造体20には、生理食塩水など、分極性電極23からの電流を生体皮膚Sに伝達することができる任意の電解液を注入することができるが、水よりも酸化還元電位の低い電解質を溶解し、或いは複数種類の電解質を溶解した緩衝電解液を使用することで、通電時の電極反応によるガスの発生や好ましくないイオンの生成の可能性を低減させることができる。
或いは、非作用側電極構造体20に注入される電解液として、作用側電極構造体10に注入される薬液中の薬物イオンと反対極性の薬物イオンを含む薬液を使用することも可能であり、この場合には、作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20の双方から薬物イオンの投与が行われるイオントフォレーシス装置1を実現することができる。
イオントフォレーシス装置1では、図1(B)に例示される態様で作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20にそれぞれ薬液及び電解液が注入され、ライナー31a、32aが使用される場合にはこれが取り外された後に、分極性電極13(イオン選択膜14を備える場合はイオン選択膜14)及び分極性電極23(イオン選択膜24を備える場合はイオン選択膜24)を生体皮膚に当接させ、電源40から分極性電極13、23に、それぞれ作用側電極構造体10に注入された薬液中の薬物イオンと同一極性の電圧及びその反対極性の電圧を印加することにより、薬物イオンの生体への投与が行われる。
イオントフォレーシス装置1では、装置の製造から使用(薬物イオンの投与)の直前に至るまでの期間中、分極性電極13、23を薬液、電解液と非接触の状態に保つことが可能であるため、分極性電極13、23と薬液、電解液とが接触した場合に生じる経時的なpH値の変動を防止し、pH値の変動に起因する薬効の低下や消失、容器31、32などの部材の劣化などの問題を解消することができる。
なお、上記実施形態では、本発明における第1、第2電解液注入手段が導入管15、25やシリンジ16、26などにより構成される場合について説明したが、電解液注入手段は、薬液や電解液を作用側電極構造体10、非作用側電極構造体20に注入できる他の任意の構成とすることが可能であり、例えば、容器31、32を注射針による穿刺が可能な部材により構成すれば、イオントフォレーシス装置1に導入管15、25を設けずに、シリンジ16、26中の薬液、電解液を注射針を用いて作用側電極構造体10、非作用側電極構造体20に注入するなどが可能である。
また、上記実施形態では、電解液注入手段による薬液及び電解液の注入が、作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20の双方について行われる場合について説明したが、電解液注入手段による薬液又は電解液の注入を、作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20のいずれか一方についてのみ行うようにすることも可能である。
例えば、分極性電極13の組成と薬液組成の組合せによっては、分極性電極13に薬液を接触させても経時的なpH値の変動が生じない場合や、その変動により許容範囲を越える悪影響を生じない場合があるが、そのような場合には、作用側電極構造体10には装置の製造の時点で薬液を注入しておき、非作用側電極構造体20についてのみ電解液注入手段による電解液(又は薬液)の注入を行うようにすることが可能である。同様に、分極性電極23に電解液(又は薬液)を接触させても経時的なpH値が変動しない場合や、その変動が許容できる場合には、非作用側電極構造体20には装置の製造の時点で電解液を注入しておき、作用側電極構造体10についてのみ電解液注入手段による薬液の注入を行うようにすることが可能である。
或いは、薬物イオンの投与の際の通電条件などとの関係で、作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20のいずれか一方においては電極反応の問題が生じない場合も考えられるが、そのような場合には、当該問題を生じない電極構造体10、20を、作用側電極構造体110又は非作用側電極構造体120と同様の分極性電極を備えない構成とすることも可能である。
また、上記実施形態における分極性電極13及び/又は23が、薬液、電解液に対する十分な含浸性を有しない場合などにおいては、分極性電極13とイオン選択膜14(又はライナー31a)との間に薬液を担持するための薬液保持部を配置し、或いは分極性電極23とイオン選択膜24(又はライナー32a)との間に電解液を担持するための電解液保持部を配置することも可能である。
この場合における薬液保持部及び電解液保持部は、分極性電極13、23に吸収できなかった薬液又は電解液を液体状体で保持するよう構成することが可能であり、薬液保持部又は電解液保持部にガーゼ、濾紙、水性ゲルなどの適当な吸収性の担体を配置し、分極性電極13、23に吸収できなかった薬液又は電解液をこの担体に含浸させて保持するように構成することも可能である。
図1(C)は、イオントフォレーシス装置1における作用側電極構造体10又は非作用側電極構造体20の好ましい変形形態を示す説明図である。
図示される電極構造体10又は20では、分極性電極13又は23が、第1電解液注入手段15、16又は第2電解液注入手段25、26から注入される薬液又は電解液を受容できるように、分極性電極13又は23の上面から下面に至る貫通孔13aを備えている。この貫通孔13aにより、作用側電極構造体10又は非作用側電極構造体20に薬液又は電解液を注入した際における薬液又は電解液の分極性電極13又は23への含浸性を高めることができる。
なお、図示の例では、貫通孔13aが分極性電極13又は23の中心から外れた位置に形成されているが、分極性電極13又は23の全体に薬液又は電解液を均一に含浸させる観点からは、貫通孔13aを分極性電極13又は23の中心部近傍に形成することが好ましい。
図2〜4は、本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置2に使用される電極部材33、第1支持体34及び第2支持体35の構成を示す説明図であり、図2には電極部材33の底面図(A)及びそのA−A断面図(B)が、図3には第1支持体34の平面図(A)、そのA−A断面図(B)及びB−B断面図(C)が、図4には、第2支持体35の底面図(A)、そのA−A断面図(B)及びB−B断面図(C)が示されている。
図2に示されるように、電極部材33は、ポリエチレンテレフタレートなどの適宜の素材よりなる基体33a及びこの基体33aの下面に形成された導電パターン33bから構成されている。
導電パターン33bは、図2(A)に示すように、所定の面積を有する2つの領域(図示の例では円形の領域)12、22と、この領域12、22から引き出される2本の細長い領域41、42とから構成されており、領域12、22は、後述の第1、第2空孔h1、h2に収容される分極性電極13、23への通電を行うための集電体として機能し、細長い領域41、42は、領域12、22を不図示の電源に接続するための給電線として機能する。
導電パターン33bは、金属のパターンメッキや金属フィルムのエッチングなどにより形成することができ、或いは導電粉を含む導電塗料の塗膜により形成することで、電極部材33の形成に係るコストを低減することができる。
電極部材33の下面における導電パターン33bの周囲には、電極パターンを第1支持体34の上面に張り付けるための接着剤層33cを形成することができる。
図3に示されるように、第1支持体34は、実質的に平坦な上面34a及び下面34bを有する平板状の部材であり、その左右中央部には、上面34a及び下面34bに開口する第1空孔h1と、この第1空孔h1から離間して形成された上面34a及び下面34bに開口する第2空孔h2を有している。第1、第2空孔h1、h2は、平面視において領域12、22と相似の形状で、領域12、22と同じか、それよりも大きい寸法に形成することが好ましく、図示の例では、半径Rの円形形状の第1、第2空孔h1、h2が示されている。
第1支持体34の上面34aには、第1空孔h1から第1支持体34の左端までの長さL1に渡る所定深さの凹陥部D1及び第2空孔h2から第1支持体34の右端までの長さL1に渡る所定深さの凹陥部D2が形成されている。
第1支持体34の下面34bには、後述のイオン選択膜14、24やライナー36を貼着し、或いは生体皮膚Sとの密着性を高めるための粘着剤層34cを形成することが可能である。
図4に示されるように、第2支持体35は、好ましくは平面視において第1支持体34と実質的に同一の外形を有する平板状の部材である。
第2支持体35の下面には、第2支持体35を第1支持体34に接着するための接着剤層35aを有することができる。なお、接着剤層35aは、図示のように、第1支持体34における凹陥部D1、D2に対応する部分を避けるように形成することが可能である。
第1、第2支持体34、35は、イオントフォレーシス装置2の保管、使用環境下において変質しない安定な素材であって、後述の薬液や電解液などに対する耐性を有する任意の素材により形成することができるが、生体の動きや皮膚の凹凸に追随できる柔軟性を有する発泡ポリウレタンなどの素材により形成することが好ましい。
図5(A)は、電極部材33、第1支持体34及び第2支持体35を組み上げることにより製作されたイオントフォレーシス装置2の平面図であり、図5(B)及び(C)は、そのA−A断面図及びB−B断面図である。
図示のように、電極部材33は、領域12及び領域22を第1空孔h1及び第2空孔h2に上下で位置合わせた状態で第1支持体34に張り合わされており、第2支持体35は、電極部材33を挟み込むようにして第1支持体34に張り合わされている。
このとき、第1基体34の凹陥部D1、D2の部分に、第1空孔h1、h2と装置外部とを連通させる間隙が形成されることになる。
第1空孔h1及び第2空孔h2には、イオントフォレーシス装置1について上記したと同様の分極性電極13及び23が装填される。即ち、分極性電極13及び/又は23には、活性炭や活性炭繊維を含む分極性電極を使用することができ、分極性電極13及び/又は23には、必要に応じて、増粘剤を配合し、及び/又は、グリセリンを含浸し、及び/又は、アガロースやポリリジンを配合することが可能である。
分極性電極13、23の下面側、第1支持体34の下面側には、任意的な部材として、それぞれイオントフォレーシス装置1について上記したと同様のイオン選択膜14、24及び/又はライナー36を貼着することが可能であり、これにより、イオントフォレーシス装置1について上記したと同様の効果を達成することができる。
イオントフォレーシス装置2では、領域12、分極性電極13及び第1空孔h1(或いはこれらに加えてイオン選択膜14)がイオントフォレーシス装置1における作用側電極構造体10と同様の役割を果たす作用側電極構造体部分10aを構成し、領域12、分極性電極23及び第2空孔h2(或いはこれらに加えてイオン選択膜24)がイオントフォレーシス装置1における非作用側電極構造体20と同様の役割を果たす非作用側電極構造体部分20aを構成する。
図6(A)は、イオントフォレーシス装置2と組み合わせて好適に使用することができるスポイド50を拡大して示す説明図であり、図6(B)、(C)には、それぞれそのA−A断面図及びB−B断面図が示されている。
図示のように、スポイド50は、薬液や電解液を貯留するための液溜り51と液溜り51から延びる細長い液路52とを有し、液路52の先端付近の切欠部53で液路52を切断することにより、液溜り51中の薬液や電解液を吐出できるようになっている。
液路52の液溜り51側の基端から切欠部53までの寸法(L2)は、凹陥部D1、D2の幅方向寸法(L1)よりも大きい寸法とすることができ、特に好ましくは、分極性電極13、23への薬液及び/又は電解液の均等な吐出を行うために、この寸法(L2)を、凹陥部D1、D2の幅方向寸法(L1)に第1、第2空孔h1、h2の半径寸法(R)を加えた程度の寸法とすることができる。
スポイド50は、プラスチックなどの素材を用い、加熱成型やヒートシールなどの任意の手法により形成することが可能である。
図7は、上記スポイド50(50a、50b)によるイオントフォレーシス装置2への薬液及び電解液の注入の態様を示す説明図である。
図示のように、先端部を切欠部53で切断したスポイド50a及び50bの液路52部分が凹陥部D1及びD2に形成された間隙からそれぞれ第1、第2空孔h1、h2に挿入されており、図示の状態で液溜り51の部分を押し潰すように圧縮することで、液溜り51中の薬液及び電解液が第1及び第2空孔h1、h2に注入されて、分極性電極13、23に接触し、或いは分極性電極13、23に含浸する。スポイド50aからは、イオントフォレーシス装置1における作用側電極構造体10について上記したと同様の薬液を注入することができ、スポイド50bからは、イオントフォレーシス装置1における非作用側電極構造体20について上記したと同様の電解液又は薬液を注入することができる。
イオントフォレーシス装置2では、図7に例示される態様で薬液及び電解液が注入され、ライナー36が使用される場合にはこれが取り外された後に、分極性電極13(イオン選択膜14を備える場合はイオン選択膜14)及び分極性電極23(イオン選択膜24を備える場合はイオン選択膜24)を生体皮膚Sに当接させ、不図示の電源から領域12、22に、それぞれ作用側電極構造体部分10aに注入された薬液中の薬物イオンと同一極性の電圧及びその反対極性の電圧を印加することにより、薬液中の薬物イオンが生体に投与される。
イオントフォレーシス装置2では、装置の製造から使用(薬物イオンの投与)の直前に至るまでの期間中、分極性電極13、23を薬液、電解液と非接触の状態に保つことが可能であるため、分極性電極13、23と薬液、電解液とが接触した場合に生じる経時的なpH値の変動を防止し、pH値の変動に起因する薬効の低下、消失や、電極部材33、第1、第2支持体34、35やこれらの部材の接着に使用される接着剤33c、34c、35aなどの劣化の問題などを解消するなど、イオントフォレーシス装置1と同様の効果を達成することができる。
加えて、イオントフォレーシス装置2は、分極性電極13、23を装填し、必要に応じてイオン選択膜14、24やライナー36を貼付した第1支持体34を、電極部材33及び第2支持体35と重ね合わせて一体化するのみにより製造することが可能である。従って、イオントフォレーシス装置2では、製造の容易化、製造コストの低減、歩留まりの向上などの効果を達成することができる。
更にイオントフォレーシス装置2は、単一の平板状の形態に形成されており、第1、第2支持体35、36の材料を適切に選択するなどにより高い柔軟性を得ることが容易であるため、使用時などにおけるハンドリング性に優れ、生体の動きや皮膚の凹凸への追随性に優れるイオントフォレーシス装置を実現することが容易である。
なお、上記実施形態では、本発明における第1、第2電解液注入手段が凹陥部D1、D2における間隙及びスポイド50a、50bにより構成される場合について説明したが、第1、第2電解液注入手段は、薬液や電解液を作用側電極構造体部分10a、非作用側電極構造体部分20aに注入できる他の任意の構成とすることが可能である。例えば、装置の上面や側面から第1、第2空孔h1、h2への注射針による穿刺が可能なように第1、第2支持体34、35などの材質、寸法などを選択すれば、イオントフォレーシス装置2に凹陥部D1、D2を設けずに、スポイドやシリンジなどに貯留した薬液、電解液を注射針を用いて作用側電極構造体部分10a、非作用側電極構造体部分20aに注入することも可能である。
また、上記実施形態では、第1、第2電解液注入手段による薬液及び電解液の注入が、作用側電極構造体部分10a及び非作用側電極構造体部分20aの双方について行われる場合について説明したが、イオントフォレーシス装置1の場合と同様、作用側電極構造体部分10a及び非作用側電極構造体部分20aのいずれかには装置の製造の段階で薬液又は電解液を注入しておき、他方の作用側電極構造体部分10a又は非作用側電極構造体部分20aについてのみ電解液注入手段による薬液又は電解液の注入を行うようにすることも可能である。
或いは、薬物イオンの投与の際の通電条件などとの関係で、作用側電極構造体部分10a及び非作用側電極構造体部分20aのいずれか一方においては電極反応の問題が生じない場合には、当該問題を生じない電極構造体部分10a、20aは、分極性電極13、23を備えない構成とすることも可能である。即ち、当該分極性電極13、23を備えない側の第1空孔h1又は第2空孔h2にガーゼ、濾紙、水性ゲルなどの適当な吸収性の担体を装填し、この担体に含浸させた薬液又は電解液に領域12又は22から通電を行うことで薬物イオンの投与を行うことが可能である。
また、イオントフォレーシス装置2においても、第1、第2電解液注入手段により注入される薬液又は電解液を受容できるように、分極性電極13及び/又は23にイオントフォレーシス装置1について述べたと同様の貫通孔13aを形成することで、薬液及び/又は電解液の分極性電極13及び/又は23への含浸性を高めることが可能である。
また、分極性電極13とイオン選択膜14(又はライナー36)との間にイオントフォレーシス装置1について述べたと同様の薬液保持部を配置し、或いは分極性電極23とイオン選択膜24(又はライナー36)との間にイオントフォレーシス装置1について述べたと同様の電解液保持部を配置することも可能である。
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、電極構造体10、20又は電極構造体部分10a、20aにおける通電が分極性電極13、23を介して行われるイオントフォレーシス装置1、2を例として説明したが、イオントフォレーシス装置1、2における分極性電極13、23のいずれか一方又は双方を銀電極又は塩化銀電極に置換することが可能である。この場合、置換の対象となる分極性電極13又は23が、薬物イオンの投与に際して電源のプラス極に接続される場合であれば、当該分極性電極13又は23は銀電極に置換することができ、逆にマイナス極に接続される場合であれば、当該分極性電極13又は23は塩化銀電極に置換することができる。
上記実施形態おける各部材の形状、寸法、材質などは単なる例として記述したものであり、本発明はこれらの記述により限定されるものではない。
また、上記実施形態の説明に用いた各図面は、理解の容易化のための変形が加えられており、その縮尺等は正確ではない。例えば、イオントフォレーシス装置1における作用側電極構造体10及び非作用側電極構造体20、或いはイオントフォレーシス装置2における作用側電極構造体部分10a及び非作用側電極構造体部分20bは対称の構造を有するが如くに描かれているが、これらは相互に異なる形状、寸法を有することができる。
1、2・・・イオントフォレーシス装置、10・・・作用側電極構造体、20・・・非作用側電極構造体、10a・・・作用側電極構造体部分、20a・・・非作用側電極構造体部分、La1,La2・・・ランド、T1,T2・・・スルーホール、11,21・・・基体、12、22・・・集電体(導電パターンの円形の領域)、13、23・・・分極性電極、13a・・・貫通部、14、24・・・イオン選択膜、15、25・・・導入管、15C、25C・・・キャップ、16、26・・・シリンジ、16a、26a・・・接続管、31、32・・・容器、31a、32a・・・ライナー、33・・・電極部材、33a・・・基体、33b・・・導電パターン、33c・・・接着剤層、34・・・第1支持体、34a・・・上面、34b・・・下面、34c・・・粘着剤層、D1、D2・・・凹陥部、h1、h2・・・空孔、35・・・第2支持体、35a・・・接着剤層、36・・・ライナー、40・・・電源、41、42・・・給電線(導電パターンの細長い領域)、50、50a、50b・・・スポイド、51・・・液溜り、52・・・液路、53・・・切欠部、101・・・イオントフォレーシス装置、110・・・作用側電極構造体、120・・・非作用側電極構造体、111、121・・・電極、112・・・薬液保持部、122・・・電解液保持部、130・・・電源、131・・・給電線、210・・・電極構造体、211・・・分極性電極、212・・・電解液(薬液)保持部、213・・・容器
Claims (10)
- 第1分極性電極を収容する第1電極構造体と、
電解液が前記第1分極性電極に接触するように、前記第1電極構造体に電解液を注入する第1電解液注入手段とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置。 - 前記第1電解液注入手段により注入される電解液が薬物イオンを含む薬液であることを特徴とする請求項1に記載のイオントフォレーシス装置。
- 第2分極性電極を収容する第2電極構造体と、
電解液が前記第2分極性電極に接触するように、前記第2電極構造体に電解液を注入する第2電解液注入手段とを更に備えることを特徴とする請求項2に記載のイオントフォレーシス装置。 - 前記第1分極性電極及び/又は前記第2分極性電極が、活性炭又は活性炭繊維を含む電極であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
- 前記第1分極性電極及び/又は前記第2分極性電極に増粘剤が配合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
- 前記第1分極性電極及び/又は前記第2分極性電極にグリセリンが含浸されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
- 前記第1分極性電極及び/又は前記第2分極性電極に、前記第1及び/又は前記第2電解液注入手段により注入される電解液を受容する貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
- 上面及び下面を有する第1支持体であって、
前記下面において開口する第1空孔と、
前記第1空孔から離間して配置され、前記下面において開口する第2空孔とが形成された第1支持体と、
前記第1空孔に収容された第1分極性電極と、
電解液が前記第1分極性電極に接触するように、前記第1空孔に電解液を注入する第1電解液注入手段とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置。 - 第1分極性電極を収容する第1電極構造体と、
前記第1電極構造体に電解液を注入するための第1電解液注入手段とを備えるイオントフォレーシス装置の作動方法であって、
前記第1電極構造体に電解液を注入することで電解液を前記第1分極性電極に接触させるステップと、
前記第1分極性電極に電圧を印加するステップとを有することを特徴とするイオントフォレーシス装置の作動方法。 - 銀電極又は塩化銀電極を収容する第1電極構造体と、
電解液が前記銀電極又は塩化銀電極に接触するように、前記第1電極構造体に電解液を注入する第1電解液注入手段とを備えることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
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2006
- 2006-09-14 JP JP2006248919A patent/JP2008067890A/ja active Pending
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