JP2007244491A - イオントフォレーシス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬液保持部及び電解液保持部が単一の支持体に収容され、当該支持体を皮膚に当接させて薬物イオンの投与を行うイオントフォレーシス装置における薬液保持部から電解液保持部への液路の形成を防ぐ装置を提供する。
【解決手段】上面及び前記上面に対向する下面を有する第1支持体32であって、前記下面において開口する第1空孔32cと、前記第1空孔32cから離間して配置され、前記下面において開口する第2空孔32dとが形成された第1支持体32と、前記第1空孔32cに収容され、薬物イオンと薬物対イオンとを含む薬液を保持する薬液保持部14と、前記第2空孔32dに収容され、電解液を保持する電解液保持部24とを有するイオントフォレーシス装置1において、前記第1空孔32cと前記第2空孔32dとの間における前記下面に凹陥部Rを形成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、薬物イオンを含む薬液を保持する薬液保持部と、その薬液保持部の対極の役割を果たす電解液保持部とが単一の部材(支持体)に形成されたイオントフォレーシス装置であって、当該部材の下面を生体皮膚に当接させた状態で薬物イオンの投与が行われるイオントフォレーシス装置に関する。
イオントフォレーシスは、プラス又はマイナスのイオンに解離した薬物(薬物イオン)を電圧により駆動して経皮的に生体内に移行させるものであり、患者に対する負担が少なく、薬物の投与量の制御性に優れるなどの利点を有している。
従来のイオントフォレーシス装置の一般的な形態を図11に示す。
図示のようにイオントフォレーシス装置101は、電源140の一方の極に給電線141を介して接続された電極111と、電極111に接触する薬液を保持する薬液保持部112と、薬液の漏れ出しを防止するための半透膜113とから構成される作用側電極構造体110、及び電源140の他方の極に給電線142を介して接続された電極121と、電極121に接触する電解液を保持する電解液保持部122と、電解液の漏れ出しを防止するための半透膜123とから構成される非作用側電極構造体120とを有しており、半透膜113及び123を生体皮膚に当接させて電極111及び121にそれぞれ電圧を印加することにより、薬液中の薬物イオンが半透膜113を介して生体内に投与される。また、薬物イオンの投与中における生体皮膚と半透膜113及び123との密着性及び導電性を良好に保つために、一般には、増粘剤により粘度を高められた薬液の層(粘性薬液層)114及び電解液の層(粘性電解液層)124がそれぞれ半透膜113及び123の前面側に形成される。
しかし、図示のイオントフォレーシス装置101は、作用側電極構造体110と非作用側電極構造体120とが別個独立の部材として構成されているために、部品点数の増大による組立工数の増加や生体への適用時におけるハンドリングの困難性などの問題を有している。
図12は、イオントフォレーシス装置101の改良に係るイオントフォレーシス装置201であって、各部材の形状、寸法などを適切に選択することで、組み立ての容易性やハンドリング性の向上が図られたイオントフォレーシス装置201の説明図であり、図12(A)にはその平面図が、図12(B)にはそのA−A断面図が示されている。
図示のように、イオントフォレーシス装置201は、下面側に電極211及び電極221が形成されたカバー231と、薬物イオンを含む薬液を担持する薬液保持部212及び電解液を担持する電解液保持部222が装填された2つの空孔232c及び232dを有する支持体232とから構成されている。
このイオントフォレーシス装置201では、電極211及び薬液保持部212の部分により上記イオントフォレーシス装置101における作用側電極構造体110と同様の機能が達成され、電極221及び電解液保持部222の部分により上記イオントフォレーシス装置101における非作用側電極構造体120と同様の機能が達成されるものであり、薬物イオンの投与に際しては、支持体232の下面232bを生体皮膚Sに当接させた状態で、不図示の電源から薬物イオンと同一極性の電圧が給電線241を介して電極211に印加され、その反対極性の電圧が給電線242を介して電極221に印加される。
また、イオントフォレーシス装置201においても、必要に応じて、イオントフォレーシス装置101における半透膜113、123、粘性薬液層114及び粘性電解液層124と同様の半透膜213、223、粘性薬液層214及び粘性電解液層224を薬液保持部212及び電解液保持部222の下面側に配置することができる。
上記イオントフォレーシス装置201は、シート状のカバー231及び支持体232を重ね合わせるのみで組み立てることができるが故に製造が容易であり、装置201の全体が単一の部材により構成されているため、生体への適用時におけるハンドリング性にも優れている。
米国特許第4744787号公報
上記のような、薬液保持部212及び電解液保持部222が単一の支持体232に収容され、当該支持体232の下面232bを皮膚Sに当接させて薬物イオンの投与を行うイオントフォレーシス装置201では、薬液保持部212及び/又は電解液保持部222から滲出した薬液又は電解液が支持体232の下面232bと生体皮膚Sとの隙間で毛管現象などによって広がる結果、薬液と電解液との接触を生じる場合がある。このような接触が生じると、薬液保持部212から電解液保持部222に至る液路が形成されて生体を通過しない電流が流れるために、薬物イオンの投与効率が低下し、或いは薬物イオンの投与量の厳密な管理が困難になるなどの問題を生じる。
特に、薬液保持部212及び/又は電解液保持部222と生体皮膚との密着性や導通性を高めるなどを目的として、薬液保持部212及び/又は電解液保持部222の下面側に粘性薬液層214及び/又は粘性電解液層224が形成されたイオントフォレーシス装置201の場合には、支持体232の下面232cを生体皮膚に当接させることで粘性薬液層214及び/又は粘性電解液層224が周囲に広がって上記のような液路が一層形成され易くなる。
このような問題は、薬液保持部212と電解液保持部222の間隔を十分に大きくすることで解消することも可能であるが、その場合には、イオントフォレーシス装置201の寸法が大きくなり、製品価格の上昇やハンドリング性の低下などの二次的な問題を生じてしまう。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、下記のいずれか1以上の目的を達成するものである。
即ち、本発明の目的は、薬液保持部及び電解液保持部が単一の支持体に収容され、当該支持体の下面を生体皮膚に当接させて薬物イオンの投与を行うイオントフォレーシス装置であって、薬液保持部から電解液保持部への液路が形成され難いイオントフォレーシス装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、薬液保持部及び電解液保持部が単一の支持体に収容され、当該支持体の下面を生体皮膚に当接させて薬物イオンの投与を行うイオントフォレーシス装置であって、薬物イオンの投与量をより容易に、及び/又は、より正確に管理することが可能なイオントフォレーシス装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、薬液保持部及び電解液保持部が単一の支持体に収容され、当該支持体の下面を生体皮膚に当接させて薬物イオンの投与を行うイオントフォレーシス装置であって、生体への適用の容易性を向上させたイオントフォレーシス装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、薬液保持部及び電解液保持部が単一の支持体に収容され、当該支持体の下面を生体皮膚に当接させて薬物イオンの投与を行うイオントフォレーシス装置であって、装置寸法を増大させなくとも、薬液保持部から電解液保持部への液路が形成され難くすることができ、或いは生体への適用の容易性を向上させることができ、或いは薬物イオンの投与量をより正確に管理することが可能なイオントフォレーシス装置を提供することにある。
本発明は、
上面及び前記上面に対向する下面を有する第1支持体であって、
前記下面において開口する第1空孔と、
前記第1空孔から離間して配置され、前記下面において開口する第2空孔とが形成された第1支持体と、
前記第1空孔に収容され、薬物イオンと薬物対イオンとを含む薬液を保持する薬液保持部と、
前記第2空孔に収容され、電解液を保持する電解液保持部と、
前記薬液保持部の薬液に前記薬物イオンと同一極性の電圧を印加し、前記電解液保持部の電解液にその反対極性の電圧を印加する電圧印加手段とを有するイオントフォレーシス装置であって、
前記第1空孔と前記第2空孔との間における前記下面に凹陥部が形成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置(請求項1)である。
即ち、本発明は、薬液保持部及び電解液保持部を収容する第1空孔及び第2空孔が形成された第1支持体の下面を生体皮膚に当接させて薬物イオンの投与が行われるイオントフォレーシス装置を対象とするものであり、第1空孔と第2空孔との間における第1支持体の下面に凹陥部を形成することにより、薬液保持部から電解液保持部に至る液路が形成され難くしたものである。
本発明の凹陥部が有すべき寸法(面積)、深さ、形状などは、第1空孔と第2空孔間の距離、薬液保持部及び/又は電解液保持部の含水率、薬液保持部及び/又は電解液保持部の下面側に配置される粘性薬液層及び/又は粘性電解液層の有無などに応じて、実験などに基づいて適宜決定することができる。
本発明における凹陥部は、第1支持体の下面を、第1区画と第2区画に分断する線状の形態に形成されていることが好ましく(請求項2)、これにより、薬液保持部から電解液保持部への液路が形成される可能性をより低減することができる。
この場合においては、前記第1空孔又は前記第2空孔と前記凹陥部との間に配置され、前記凹陥部に並行する線状の形態を成す第2凹陥部が、前記下面に更に形成されていること(請求項3)が特に好ましい。
かかる構成によれば、薬液保持部からの薬液や電解液保持部からの電解液が、それぞれ凹陥部又は第2凹陥部を越えて凹陥部と第2凹陥部の間のスペースにまで広がらない限り薬液保持部から電解液保持部への液路が形成され得ないため、そのような液路の形成の可能性を一層低減することができる。
本発明の第1支持体は、可撓性を有する素材により形成されていることが好ましく(請求項4)、これにより、生体の動きや生体皮膚の凹凸への追随性に優れるイオントフォレーシス装置が提供される。
また、本発明の凹陥部及び/又は第2凹陥部はプレス成形により形成すること(請求項5)が好ましく、これにより、凹陥部及び第2凹陥部の形成に係るイオントフォレーシス装置の製造コストを低減させることが可能となる。
また、本発明の凹陥部及び/又は第2凹陥部には、撥水処理を施すこと(請求項6)が好ましく、これにより、薬液保持部から電解液保持部に至る液路が一層形成され難いものとすることができる。
なお、本発明における撥水処理は、例えば、凹陥部及び/又は第2凹陥部の表面に油脂などの撥水性物質の塗膜を形成することにより、或いは凹陥部及び/又は第2凹陥部の内部に撥水性繊維や撥水性樹脂よりなる撥水層を形成することにより行うことができる。
本発明では、薬液に増粘剤を配合させた粘性薬液層が、前記薬液保持部の下面側に形成されていること(請求項7)、及び/又は、電解液に増粘剤を配合させた粘性電解液層が、前記電解液保持部の下面側に形成されていること(請求項8)が好ましく、これにより、薬物イオンの投与時における薬液保持部及び/又は電解液保持部と生体皮膚の密着性や通電性を高めることができる。
粘性薬液層の薬液及び粘性電解液層の電解液に配合する特に好適な増粘剤としては、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)を例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は1〜5%程度である。
粘性薬液層の薬液は、薬液保持部の薬液と同一種類の薬物イオン及び/又は薬物対イオンを含むことが可能であり、これと異なる種類の薬物イオン及び/又は薬物対イオンを含むことも可能である。
本発明では、前記薬液保持部の下面側に、前記薬物イオンを選択的に通過させる第1イオン選択膜が配置されていることが好ましい(請求項9)。
かかる構成によれば、薬液保持部から生体への通電を薬液保持部の薬物イオンの移動により生じさせる一方で、生体対イオンが薬液保持部に移行することにより消費される電流量を低減させることが可能となるために、薬物イオンの投与効率又は投与速度の向上を達成することができる。
第1イオン選択膜は、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を取ることができ、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う精密濾過膜の形態を取ることができる。
電荷選択膜の形態の第1イオン選択膜としては、薬物イオンと同一極性のイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。
本発明では、前記電解液保持部の下面側に、前記電解液保持部の電解液に含まれるイオンであって、前記薬物イオンと反対極性のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択膜が配置されていることが好ましい(請求項10)。
かかる構成によれば、電解液保持部の電解液から生体への通電を専ら第2空孔内の薬物イオンと反対極性のイオンの移動により生じさせることが可能となるために、生体皮膚面におけるイオンバランスを良好に保つことが可能となる。
第2イオン選択膜は、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を取ることができ、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う半透膜の形態を取ることができる。
電荷選択膜の形態の第2イオン選択膜としては、薬物イオンと反対極性のイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。
本発明のイオントフォレーシス装置は、第2上面及び前記第2上面に対向する第2下面を有し、前記第1支持体の上面側に配置される第2支持体であって、
前記第2下面において開口する第3空孔と、
前記第3空孔から離間して配置され、前記第2下面において開口する第4空孔とが形成された第2支持体を更に備え、
前記第1空孔及び前記第2空孔は、それぞれ前記上面において開口して前記第3空孔及び前記第4空孔と連通し、
前記第3空孔及び前記第4空孔の少なくともいずれか一方には分極性電極が収容されていることが好ましい(請求項11)。
かかる構成によれば、薬液又は電解液への通電が分極性電極(電気2重層容量キャパシタ(EDLC)とも呼ばれる)の表面に電気2重層が形成されることにより生じるため、通電時における電極反応によるガスの発生や、水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などの好ましくないイオンの発生、或いは薬物イオンの分解、変質などを抑制することが可能となる。
本発明における分極性電極は、単位重量当たりの静電容量が1F/g以上の導電体を含有する電極とすること、或いは比表面積が10m/g以上の導電体を含有する電極とすることが可能であり、これにより、分極性電極の表面に電気2重層が形成されることによる通電量を増大させ、電極反応によるガスや好ましくないイオンの発生、或いは薬物イオンの変質を生じることなく、より多量の薬物イオンを投与することができるイオントフォレーシス装置を実現することができる。特に好ましくは、分極性電極の単位重量当たりの静電容量を1F/g以上とし、或いは分極性電極の比表面積を10m/g以上とすることができる。
上記導電体としては、金、銀、アルミニウム、ステンレスなどの金属導電体、或いは活性炭や酸化ルテニウムなどの非金属導電体を使用することが可能であるが、この導電体として非金属導電体を使用することが特に好ましく、これにより、分極性電極から金属イオンが溶出して生体に移行する懸念を低減又は解消することが可能となる。なお、分極性電極を構成する導電体として、アルマイトなどの表面に不溶化処理が施された金属導電体を使用した場合も、同様の効果を得ることができる。
本発明における分極性電極は、活性炭を含有する電極とすることも可能であり、これにより、安価かつ安全であり、また静電容量の高い分極性電極を得ることができる。
上記活性炭としては、ヤシ殻、木粉、石炭、ピッチ、コークスなどの炭素を含有する原料を炭化、賦活することで得られるごく普通の活性炭を使用することが可能である。上記活性炭は、単位重量当たりの静電容量が1F/g以上であること、或いは比表面積が10m/g以上であることが好ましい。
分極性電極に含有される上記活性炭として活性炭繊維を使用した場合には、分極性電極の取扱性の向上という追加的な効果を得ることができる。活性炭繊維は、例えば、織布や不織布の形態のものを使用することができる。
この場合の活性炭繊維としては、ノボロイド繊維(フェノール樹脂を繊維化した後、架橋処理し、分子構造を3次元化させた繊維)を炭化、賦活させたものを使用することが特に好ましく、これにより、柔軟性や機械的強度(引っ張り強度など)に優れるとともに極めて比表面積が高く、静電容量の大きい分極性電極を得ることができる。
なお、活性炭又は活性炭繊維を含む分極性電極は、活性炭又は活性炭繊維のみから構成されていても良く、賦型性や保型性、或いは取扱性向上のためのバインダポリマーなどの他の成分が活性炭又は活性炭繊維に配合されていても良い。上記バインダーポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン又はポリフッ化ビニリデンフロライドを特に好ましく使用することができる。活性炭又は活性炭繊維97〜80重量部に対するバインダーポリマーの好ましい配合量は、3〜20重量部である。
分極性電極として、活性炭又は活性炭繊維を含む吸収性の分極性電極が使用される場合には、第3空孔の分極性電極に薬液を、第4空孔の分極性電極に電解液を含浸させることが好ましく、これにより、薬液又は電解液への通電性を高めることができる。
この場合、分極性電極に含浸させる薬液及び/又は電解液にHPCなどの増粘剤を配合することが好ましく、これにより、分極性電極内における薬液及び/又は電解液の保持性を高め、分極性電極の取扱性を向上させることができる。
上記本発明においては、前記第3空孔に前記分極性電極を収容し、前記薬液保持部と前記第3空孔に収容される前記分極性電極の間に、前記薬物対イオンの通過を選択的に許容する第3イオン選択膜を配置することが好ましい(請求項12)。
かかる構成によれば、第3空孔の分極性電極から薬液保持部への通電を薬物対イオンの移動により確保する一方、仮に第3空孔の分極性電極の表面において電極反応が生じて水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などが生成され、或いは薬物イオンの変質を生じたとしても、これらのイオンが薬液保持部に移行することを効果的に抑制することが可能となる。
第3イオン選択膜は、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を取ることができ、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う半透膜の形態を取ることができる。
電荷選択膜の形態の第3イオン選択膜としては、薬物イオンと反対極性のイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。
第3イオン選択膜として薬物イオンと反対極性のイオン交換膜が使用され、第3空孔に分極性電極が収容される場合には、前記第3空孔に収容される前記分極性電極と前記第3イオン選択膜の間に、イオンの通過を許容できる隔離膜が配置することが好ましく(請求項13)、これにより、通電の際の第3イオン選択膜の周辺におけるガスの発生を効果的に抑制することができる。
この場合における隔離膜としては、分極性電極がイオン交換膜に接触することを確実に防止できるとともに、分極性電極と薬液との間でのイオンの移動がなるべく制限されないものを使用することが好ましく、例えば、濾紙や適当な繊維素材(ポリプロピレンなど)よりなる織布又は不織布に薬液を含浸させたものを好ましく使用することができる。
本明細書における「薬物」は、調製されているか否かに関わらず、一定の薬効又は薬理作用を有し、病気の治療、回復又は予防、健康の増進又は維持、病状や健康状態などの診断、或いは美容の増進又は維持などの目的で生体に投与される物質を意味する。
本明細書における「薬物イオン」は、薬物がイオン解離することにより生じるイオンであって、薬効又は薬理作用を担うイオンを意味する。
本明細書における「薬液」は、薬物イオンを含む流動物を意味し、本明細書における「薬液」には、薬物を水などの溶媒に溶解させた溶液や薬物が液状である場合における原液などの液体状態のものだけでなく、薬物の少なくとも一部が薬物イオンに解離する限り、薬物を溶媒に懸濁又は乳濁させたもの、軟膏状又はペースト状に調整されたものなど各種の状態のものを含む。
本明細書における「薬物対イオン」は、薬液中に存在するイオンであって、薬物イオンとは反対極性のイオンを意味する。
本明細書における「皮膚」は、イオントフォレーシスによる薬物イオンの投与を行い得る生体表面を意味しており、例えば口腔内の粘膜なども含まれる。「生体」は人及び動物を含む。
本明細書における「生体対イオン」は、生体の皮膚上又は生体内に存在するイオンであって、薬物イオンと反対極性のイオンを意味する。
本明細書における「下面側」及び「上面側」は、それぞれ薬物イオンの投与に際して装置内を流れる電流の経路上における生体皮膚に近い側及び遠い側を意味する。また、ある部材についての「下面」及び「上面」は、その部材の下面側及び上面側の表面を意味する。
イオン交換膜としては、イオン交換樹脂を膜状に形成したものの他、イオン交換樹脂をバインダーポリマー中に分散させ、これを加熱成型などにより製膜することで得られる不均質イオン交換膜や、イオン交換基を導入可能な単量体、架橋性単量体、重合開始剤などからなる組成物、又はイオン交換基を導入可能な官能基を有する樹脂を溶媒に溶解させたものを、布や網、或いは多孔質フィルムなどの基材に含浸充填させ、重合又は溶媒除去を行った後にイオン交換基の導入処理を行うことにより得られる均質イオン交換膜など各種のイオン交換膜が知られているが、本発明のイオン交換膜には、これらのイオン交換膜を特段の制限無く使用することができる。
本明細書におけるカチオン交換膜は、陽イオンの通過を許容する一方で陰イオンの通過を遮断する機能を有するイオン交換膜(即ち、陽イオンが陰イオンよりも通過し易いイオン交換膜)であり、具体的には、(株)トクヤマ製ネオセプタCM−1、CM−2、CMX、CMS、CMBなどを例示することができる。
同様に、本明細書におけるアニオン交換膜は、陰イオンの通過を許容する一方で陽イオンの通過を遮断する機能を有するイオン交換膜(即ち、陰イオンが陽イオンよりも通過し易いイオン交換膜)であり、具体的には、(株)トクヤマ製ネオセプタAM−1、AM−3、AMX、AHA、ACH、ACSなどの陰イオン交換基が導入されたイオン交換膜を例示することができる。
本発明のイオン交換膜には、多孔質フィルムの孔中にイオン交換樹脂が充填されたタイプのイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。具体的には、0.005〜5.0μm、より好ましくは0.01〜2.0μm、最も好ましくは0.02〜0.2μmの平均孔径(バブルポイント法(JIS K3832−1990)に準拠して測定される平均流孔径)の多数の小孔が、20〜95%、より好ましくは30〜90%、最も好ましくは30〜60%の空隙率で形成された5〜140μm、より好ましくは10〜120μm、最も好ましくは15〜55μmの膜厚を有する多孔質フィルムを使用し、5〜95質量%、より好ましくは10〜90質量%、特に好ましくは20〜60質量%の充填率でイオン交換樹脂を充填させたイオン交換膜を使用することができる。
本明細書においてイオン選択膜又はイオン交換膜について述べる「イオンの通過の遮断」は、必ずしも一切のイオンを通過させないことを意味するのではなく、例えば、ある特定のイオンの通過速度又は通過量が他の特定のイオンよりも十分に小さいがために、当該イオン選択膜又はイオン交換膜に求められる機能が十全に発揮される場合を含む。同様に、イオン選択膜又はイオン交換膜について述べる「イオンの通過の許容」は、イオンの通過に一切の制約が生じないことを意味するのではなく、例えば、イオンの通過がある程度制約される場合であっても、当該イオン選択膜又はイオン交換膜に求められる機能が十全に発揮される程度のイオンの通過速度又は通過量が確保される場合を含む。
図1、2は本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置1の主要な構成部材を示す説明図であり、図1には電極部材31の平面図(図1(A))及びそのA−A断面図(図1(B))が示されており、図2には第1支持体32の平面図(図2(A))及びそのA−A断面図(図2(B))が示されている。
図1に示されるように、電極部材31は、ポリエチレンテレフタレートなどの適宜の素材よりなる基体31a及びこの基体31aの下面に形成された導電層31bとから構成されている。
この導電層31bは、図1(A)に示すように、2つの円形の領域と、この円形の領域から引き出される2本の細長い領域とから構成されており、これらの領域のうち、2つの円形の領域はそれぞれ後述の薬液保持部14及び電解液保持部24への通電を行うための電極11、21として使用され、2本の細長い領域はこれら電極11、21と不図示の電源とを接続する給電線41、42として使用される。
導電層31bは、任意の導電性材料により形成することが可能であるが、カーボン粉などの導電粉を含む導電塗料の塗膜により導電層31bを形成することで、電極部材31の形成に係る製造コストを低減することができる。
図2に示されるように、第1支持体32は、上面32a及び好ましくは平滑な下面32bを有する平板状の部材であり、その左右中央部には、上面及32aび下面32bに開口する第1空孔32cと、この第1空孔32cから離間して形成された上面及32aび下面32bに開口する第2空孔32dを有している。なお、第1支持体32の下面32bの平滑度は、当該下面32bと生体皮膚との良好な密着性を保てる程度であることが望ましいが、必ずしも一定以下の粗度であることは要しない。
第1支持体32は、イオントフォレーシス装置1の保管、使用環境下において変質しない安定な素材であって、後述の薬液や電解液などに対する耐性を有する任意の素材により形成することができるが、生体の動きや皮膚の凹凸に追随できる柔軟性を有する発泡ポリウレタンなどの素材により形成することが特に好ましい。
第1支持体32の下面32bには、第1空孔32cと第2空孔32dの間の位置に線状(細長い形状)の凹陥部Rが形成されている。
凹陥部Rは、第1支持体32が熱可塑性ポリマーなどの塑性変形可能な素材により形成されている場合には、図3に示すようにプレス成形の手法により簡易に形成することができる。
具体的にには、第1支持体32を下型51上に載置し(図3(A))、凹陥部Rに対応する形状の突起部52aを有する上型52を用いてプレス成形(図3(B))を行うことにより、凹陥部Rを形成することができる(図3(C))。
この場合、第1支持体32に使用される素材に応じて上型52又は上型52の突起部52aを適切な温度に加熱しておくことにより、凹陥部Rの形成の容易性を高めることができる。
なお、図2、3では、凹陥部Rの断面形状が矩形である場合が示されているが、凹陥部Rの断面形状は三角状、半円状など他の任意の形状とすることも可能であり、その場合には図3に示される上型52の突起部52aの形状をそれに合わせて変更すれば良い。
また、図3(A)〜(C)では、予め第1空孔32c及び第2空孔32dが形成された第1支持体32を用いて凹陥部Rの形成が行われる場合が例示されているが、第1空孔32c及び第2空孔32dの形成は、凹陥部Rの形成の後に行ってもよく、或いは図3(D)に示すような下型53及び上型54を使用すれば、第1空孔32c及び第2空孔32dの形成を凹陥部Rの形成と同時に行うこともできる。
図4は、上記電極部材31及び第1支持体32を用いて組み上げられたイオントフォレーシス装置1の構成を示す説明図であり、図4(A)にはその平面図が、図4(B)にはそのA−A断面図が示されている。
図示のように、イオントフォレーシス装置1は、電極部材31の下面側に第1支持体32を積層することにより形成される。電極部材31と第1支持体32は、例えば、電極部材31下面の導電層31bが形成されていない部分に塗布された接着剤により接合一体化することが可能である。
上記積層は、導電層31bの電極11及び電極21の部分が第1支持体32の第1空孔32c及び第2空孔32dに重なり合うように行われ、その結果、電極11及び電極21から後述の薬液保持部14及び電解液保持部24への通電が可能となる。
第1支持体32の第1空孔32c内には、薬物イオン及び薬物対イオンを含む薬液を保持する薬液保持部14が装填される。
薬液保持部14に保持される薬液には、イオントフォレーシス装置1の目的に応じて各種の薬液を使用することができる。プラスの薬物イオンを含む薬液としては、麻酔薬である塩酸リドカインや塩酸モルヒネの水溶液を例示することができ、マイナスの薬物イオンを含む薬液としてはビタミン剤であるアスコルビン酸ナトリウムの水溶液を例示することができる。
薬液保持部14は、薬液のみで構成することも可能であるが、天然繊維又は人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、或いはゲルなどの適当な吸収性の担体に薬液を含浸させて構成することも可能である。
薬液保持部14の薬液には、増粘剤を配合すること可能であり、これにより、特に吸収性の担体を使用する場合における薬液の保持性を高めることができる。この場合に使用できる特に好ましい増粘剤としてはHPCを例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は1〜5%程度である。
薬液保持部14の下面側には、任意的な部材として、装置の保管中などにおける薬液保持部14からの薬液の漏出を防止するための半透膜15を配置することができる。
この半透膜15としては、薬液保持部14の薬物イオンの通過を許容する一方で、生体対イオンの通過を遮断する特性を有する膜部材(イオン選択膜)を使用することが可能であり、この場合には、通電時に生体対イオンが薬液保持部14に移行することで消費される電流量が低減されるために、薬物イオンの投与効率を上昇させることができる。
上記イオン選択膜は、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う精密濾過膜の形態を採ることが可能であり、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を採ることも可能である。電荷選択膜の形態のイオン選択膜としては、薬液保持部14の薬物イオンと同一極性のイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。
薬液保持部14の前面側に半透膜15を配置する場合には、当該半透膜15の前面側に増粘剤を配合することにより高粘度に調整された薬液よりなる粘性薬液層16を設けることが好ましく、これにより、薬物イオンの投与時における薬液保持部14から生体皮膚Sへの通電性を高めることができる。この場合に使用できる特に好ましい増粘剤としてはHPCを例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は1〜5%程度である。粘性薬液層16の薬液は、薬液保持部14と同一種類の薬物イオン及び/又は薬物対イオンを含むことが可能であり、これとは異なる薬物イオン及び/又は薬物対イオンを含むことも可能である。
第1支持体32の第2空孔32dには、電解液を保持する電解液保持部24が保持される。
電解液保持部24の電解液には、電極21から生体への通電性を確保するための任意の組成の電解液を使用することができるが、水よりも酸化還元電位の低い電解質を溶解し、或いは複数種類の電解質を溶解した緩衝電解液を使用することで、通電の際における電極反応によるガスの発生やイオンの生成、或いはこれによるpH変化を抑制することができる。
上記の目的を達成することができる電解液としては、例えば、0.5Mのフマル酸ナトリウムと0.5Mのポリアクリル酸の5:1混合液を例示することができる。
電解液保持部24は、電解液のみで構成することも可能であるが、天然繊維又は人工繊維の織布や不織布、多孔質膜、或いはゲルなどの適当な吸収性の担体に電解液を含浸させて構成することも可能である。
電解液保持部24の電解液には、増粘剤を配合することが可能であり、これにより、特に吸収性の担体を使用する場合における電解液の保持性を高めることができる。この場合に使用できる特に好ましい増粘剤としてはHPCを例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は1〜5%程度である。
電解液保持部24の下面側には、任意的な部材として、装置の保管中などにおける電解液保持部24からの電解液の漏出を防止するための半透膜25を配置することができる。
この半透膜25として、電解液保持部24の電解液中のイオンであって、薬物イオンと反対極性のイオンの通過を許容する一方で、生体側からの薬物イオンと同一極性のイオンの通過を遮断する特性を有する膜部材(イオン選択膜)を使用することも可能であり、これにより、皮膚界面におけるイオンバランスをより良好なものとすることが可能となる。
上記イオン選択膜は、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う精密濾過膜の形態を採ることが可能であり、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を採ることも可能である。電荷選択膜の形態のイオン選択膜としては、薬液保持部14の薬物イオンと反対極性のイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。
電解液保持部24の前面側に半透膜25を配置する場合には、当該半透膜25の前面側に増粘剤を配合することにより高粘度に調整された電解液よりなる粘性電解液層26を設けることが好ましく、これにより、薬物イオンの投与時における電解液保持部24から生体皮膚Sへの通電性を高めることができる。この場合に使用できる特に好ましい増粘剤としてはHPCを例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は1〜5%程度である。
上記に加え、第1支持体32の下面32bには、薬物イオンの投与中における生体皮膚Sとの密着性を良好に保つための粘着剤層17を形成することが可能であり、更に第1支持体32の下面32bには、これら粘着剤層17、粘性薬液層16、粘性電解液層26などを覆う取り外し可能なリリースライナー35を貼付することが可能である。
上記のように構成されたイオントフォレーシス装置1では、電極11及び薬液保持部14(或いはこれに加えて、半透膜15及び粘性薬液層16)の部分がイオントフォレーシス装置101における作用側電極構造体110と同様の役割を果たす作用側電極構造体部分10を構成し、電極21及び電解液保持部24(或いはこれに加えて、半透膜25及び粘性電解液層26)の部分がイオントフォレーシス装置101における非作用側電極構造体120と同様の役割を果たす非作用側電極構造体部分20を構成する。
イオントフォレーシス装置1は、導電層31bにより形成される給電線41、42に両極を接続される不図示の電源を更に備えることができる。当該電源としては、電池、定電圧装置、定電流装置、定電圧・定電流装置などを使用することができるが、本実施形態では、0.01〜1.0mA/cm、好ましくは、0.01〜0.5mA/cmの範囲で電流調整が可能であり、50V以下、好ましくは、30V以下の安全な電圧条件で動作する定電流装置が使用される。
イオントフォレーシス装置1では、上記リリースライナー35を取り外した後に、第1支持体32の下面32bを生体皮膚Sに当接させて、不図示の電源から薬物イオンと同一極性の電圧を給電線41を介して電極11に、その反対極性の電圧を給電線42を介して電極21に印加することにより、薬液保持部14の薬物イオンが生体に投与される。
このとき、イオントフォレーシス装置1は、その全体が単一の平板状(シート状)の形態を有しているため、生体皮膚Sへの当接作業又は貼付作業の容易化を図ることができる。
また、第1支持体32の下面32bが平滑に形成されているため、第1支持体32と生体皮膚Sとの間に容易に良好な密着性を得ることができる。
その一方、第1支持体32の下面32bが平滑であるが故に、薬液保持部14や電解液保持部24から滲出した薬液や電解液、或いは粘性薬液層16や粘性電解液層26の薬液や電解液が、第1支持体32の下面32bと生体皮膚Sに挟まれて広がり易くなっているが、第1支持体32の下面32bは、第1空孔32cと第2空孔32dの中間の位置に凹陥部Rを有しているために、上記により広がった薬液と電解液が接触して薬液保持部14から電解液保持部24に至る液路が形成される可能性が低減される。
従って、イオントフォレーシス装置1では、生体を通過しない電流を生じることによる薬物イオンの投与効率の低下を防止することが可能となり、或いは薬物イオンの投与量のより厳密な管理が可能となり、或いは熟練を要さずしてイオントフォレーシス装置1の生体皮膚への貼付作業を行うことが可能となるなどの効果が達成される。
図5は、上記リリースライナー35を第1支持体32の下面32bに貼付する際、或いは薬物投与に際して第1支持体32の下面32bを生体皮膚Sに当接させる際の第1空孔32cと第2空孔32dの間における第1支持体32の下面32bの様子を従来のイオントフォレーシス装置(例えば、図12に示されるイオントフォレーシス装置201)と本実施形態に係るイオントフォレーシス装置1とで対比して示す説明図である。
図5に示されるように、第1支持体32の下面32bに凹陥部Rが形成されない従来のイオントフォレーシス装置201(図5(A)、(B))では、リリースライナー35(又は皮膚S)と第1支持体32の下面32bが接近することにより粘性薬液層16の薬液と粘性電解液層26の電解液が周囲に広げられて両者が接触し(図5(B)の破線で囲われた部分を参照)、薬液保持部14から電解液保持部24に至るに液路が形成され易かった。
一方、本実施形態に係るイオントフォレーシス装置1(図5(C)、(D))では、リリースライナー35(又は皮膚S)と第1支持体の下面32bが接近することにより粘性薬液層16の薬液と粘性電解液層26の電解液が周囲に広がったとしても、これらの薬液及び電解液は凹陥部Rのスペースに逃げることができる(図5(D)の破線で囲われた部分を参照)ために、粘性薬液層16の薬液と粘性電解液層26の電解液とが接触する可能性を低減することができる。
なお、図5に関する上記説明は、薬液保持部14及び電解液保持部24の下面側に粘性薬液層16及び粘性電解液層26が形成されたイオントフォレーシス装置を前提としているが、粘性薬液層16、粘性電解液層26を備えないイオントフォレーシス装置にも同様の説明が妥当する。
即ち、粘性薬液層16、粘性電解液層26を備えない場合であっても、イオントフォレーシス装置の保管中又は薬物イオンの投与中などに薬液保持部14の薬液及び/又は電解液保持部24の電解液は半透膜15、25から滲出してくるため、凹陥部Rを備えない従来のイオントフォレーシス装置201では、この滲出した薬液及び/又は電解液により上記と同様の液路が形成される場合があり、凹陥部Rを備える本実施形態のイオントフォレーシス装置1では、そのような液路をより形成され難くすることができる。
図6は、第1支持体32の下面32bに形成することができる他の態様の凹陥部R1〜R5を示す説明図である。
図6(A)に示される例では、図2(A)に示される凹陥部Rよりも長手方向に短い凹陥部R1が形成され、図6(B)に示される例では、凹陥部R1と同様の凹陥部R2が長手方向に複数配列して形成されている。このような凹陥部R1、R2を有するイオントフォレーシス装置1では、図2(A)の凹陥部Rとの比較では、凹陥部R1、R2の形成されていないスペース(図中の破線で示される部分)において薬液と電解液が接触して液路が形成され易いと言い得るが、凹陥部が全く形成されない従来のイオントフォレーシス装置201との比較では、なお液路形成の可能性は低減されているのであり、図6(A)、(B)に示す態様の凹陥部R1、R2が形成されたイオントフォレーシス装置1も本発明の範囲に含まれる。
図6(C)には、図2(A)に示される凹陥部Rよりも更に好ましい態様の凹陥部R3の態様が示されている。即ち、図6(C)示される例では、線状(細長い形状)の凹陥部R3が第1支持体の全長に渡って形成される結果、第1支持体の下面32bが、凹陥部R3の左側の区画A1と凹陥部R3の右側の区画A2とに分断されている。従って、図6(C)の態様の凹陥部R3を形成すれば、第1支持体32の縁近辺において薬液保持部14から電解液保持部24に至る液路が形成される可能性をも低減することができる。
図6(D)には、図6(C)に示される凹陥部R3よりも更に好ましい態様の凹陥部R4、R5の態様が示されている。即ち、図6(D)示される例では、凹陥部R3と同様の形態の凹陥部R4、R5が2本並べて(並行して)形成されているため、凹陥部R4及び/又はR5から溢れた薬液及び/又は電解液が凹陥部R4と凹陥部R5の間のスペースA3に流れ込まない限り薬液と電解液との接触が生じないようになっている。従って、凹陥部R4、R5が形成されたイオントフォレーシス装置1では、薬液保持部14から電解液保持部24に至る液路が形成される可能性をより低減することができる。
図7(A)、(B)は、上記凹陥部R(又はR1〜R5)が備えることができる特に好ましい形態を図2におけるA−A断面として示す説明図である。
図7(A)に示される凹陥部Rでは、その表面に油脂や疎水性合成樹脂などの疎水性物質よりなる塗膜Mが形成されることにより、凹陥部Rに撥水処理が施されている。このような撥水処理が行われた場合には、リリースライナー35を第1支持体32の下面32bに貼付等した際に薬液及び/又は電解液が凹陥部Rに侵入したとしても、薬液及び/又は電解液が塗膜M上において弾かれるために、薬液保持部14から電解液保持部24に至る液路が一層形成され難くなる。
図7(B)に示される凹陥部Rは、その内部にポリエチレンやポリプロピレンなどの撥水性繊維、或いは撥水性樹脂よりなる撥水層Mが形成されることによる撥水処理が施されており、この場合も、撥水層Mにおいて薬液及び/又は電解液が撥水層M上において弾かれるために、薬液保持部14から電解液保持部24に至る液路が一層形成され難くなる。なお、撥水層Mを凹陥部Rの全体に充填した場合には、薬液及び/又は電解液の逃げることができるスペースが失われてしまうため、撥水層Mは、凹陥部Rの上部からの高さHが、凹陥部Rの深さ寸法Hの例えば1/3未満となるように形成することが好ましい。
続いて、本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置2についての説明を行う。
図8(A)、(B)及び図9(A)、(B)には、当該イオントフォレーシス装置2において使用される部材である第2支持体33及び第3支持体34の平面図及びそれぞれのA−A断面図が示されている。
図8に示されるように、第2支持体33は、第1支持体32より一回り狭い上面33a及び下面33bを有する平板状の部材である。
また、第2支持体33は、上面33a及び下面33bにおいて開口する第3空孔33c及び、この第3空孔33cから離間して形成された上面33a及び下面33bにおいて開口する第4空孔33dを有している。
図9に示されるように、第3支持体34は、第2支持体33と概略同サイズに形成された平面状の部材である。
第2支持体33及び第3支持体34は、発砲ポリウレタンなどの柔軟性のある素材により形成することが好ましく、これにより、生体の動きや皮膚の凹凸に追随できる柔軟性のあるイオントフォレーシス装置2を実現できる。
図10は、組み上げられたイオントフォレーシス装置2の構成を示す説明図であり、図10(A)にはその平面図が、図10(B)にはそのA−A断面図が示されている。
図示のように、イオントフォレーシス装置2は、イオントフォレーシス装置1と同様の電極部材31及び第1支持体32に加え、第2支持体33及び第3支持体34が更に積層されて形成されている。
上記積層では、導電層31bの円形の領域11及び12が第2支持体33の第3空孔33c及び第2空孔33dに重ね合せられ、その結果、円形の領域11及び21がそれぞれ後述の分極性電極12及び22と電気的に接続される。従って、イオントフォレーシス装置2においては、円形の領域11及び21は、なるべく広い面積から分極性電極12及び22に均等に通電を行うための集電体の役割を担うことになる。
また、第2支持体33の第3空孔33c及び第4空孔33dが、第1支持体の第1空孔32c及び第2空孔32dとそれぞれ重ね合せられ、その結果、分極性電極12と薬液保持部14の間でのイオンの移動が可能なように第3空孔33cと第1空孔32cが連通し、分極性電極22と電解液保持部24の間でのイオンの移動が可能なように第4空孔33dと第2空孔32dが連通する。
第3支持体34、電極部材31及び第2支持体33は、例えば、第3支持体34の下面全面に形成された接着剤によって積層一体化することが可能である。第3、第4空孔33c、33dへの分極性電極22、23の装填は、この積層を行う前後のいずれにおいて行っても構わない。
第2支持体33と第1支持体32は、例えば、第2支持体33の下面33bに形成された接着剤層により積層一体化させることが可能である。第1支持体32の第1、第2空孔32c、32dには、イオントフォレーシス装置1と同様の薬液保持部14及び電解液保持部24が装填される。薬液保持部14及び電解液保持部24の装填は、上記積層を行う前後のいずれにおいて行っても構わない。
分極性電極12、22には、単位体積当たりの静電容量が100mF/g以上の導電体、又は比表面積が1m/g以上の導電体、又は活性炭を含有する板状ないし膜状の部材を使用することができる。
特に好ましい分極性電極12、22の構成としては、比表面積100m/g程度の活性炭粉末97〜80重量部に対してポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンフロライドなどのバインダーポリマー3〜20重量部を配合した組成物を膜状に成形したものを例示することができる。
更に好ましい分極性電極12、22の構成としては、活性炭繊維の織布又は不織布、或いはこれにポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデンフロライドなどのバインダーポリマーを3〜20重量部程度含浸させたものを例示することができる。この場合の活性炭繊維としては、極めて高い比表面積(例えば1000〜2500m/g)と高い引張強度(例えば300〜400N/mm)を有し、柔軟性にも優れるノボロイド繊維を炭化、賦活することで得られる活性炭繊維を好ましく使用できる。ノボロイド繊維を炭化、賦活することで得られる活性炭繊維は、例えば「カイノール活性炭繊維」の商品名で日本カイノール社から入手することができる。
分極性電極12には薬液を、分極性電極22には電解液を含浸して保持させることにより、分極性電極12、22から薬液、電解液への通電性を向上させることができる。この場合、薬液や電解液の含浸性に優れる活性炭又は活性炭繊維を含む分極性電極12、22を好ましく使用できる。
分極性電極12、22に含浸させる薬液、電解液には、増粘剤を配合することが好ましく、これにより、分極性電極12、22における薬液、電解液の保持性を高めることができる。この場合に使用できる特に好ましい増粘剤としてはHPCを例示することができる。HPCの適切な配合量の範囲は1〜5%程度である。
分極性電極12、22に含浸させる薬液、電解液は、薬液保持部14の薬液、電解液保持部の電解液と同一組成とすることもでき、異なる組成とすることもできる。
分極性電極12と薬液保持部14との間には、任意的な部材として、薬液保持部14の薬物対イオンの通過を許容し、分極性電極12側からの薬物イオンと同一極性のイオンの通過を遮断するイオン選択膜13を配置することができる。
かかるイオン選択膜13を備える場合には、分極性電極12から薬液保持部14への通電を薬物対イオンの移行により確保する一方で、仮に分極性電極12の表面において電極反応が生じ、その結果、水素イオンや水酸基イオンなどの好ましくないイオンが発生し、或いは薬物イオンの変質を生じたとしても、これらのイオンが薬液保持部14、ひいては生体界面に移行することを防止できる。
上記イオン選択膜13は、イオンの分子量やサイズ、或いは立体的形状に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う精密濾過膜の形態を採ることが可能であり、電荷に基づいて上記イオンの通過の許容及び遮断を行う電荷選択膜の形態を採ることも可能である。電荷選択膜の形態のイオン選択膜としては、薬液保持部14の薬物イオンと反対極性のイオン交換膜を特に好ましく使用することができる。
イオン選択膜13として、薬液保持部14の薬物イオンと反対極性のイオン交換膜を使用する場合には、分極性電極12とイオン選択膜13との間に、イオンの通過を許容するとともに、分極性電極12とイオン選択膜13とを非接触に保つための隔離膜Dを更に配置することが好ましく、これにより、通電の際にイオン選択膜13の周辺において生じうるガスの発生を防止することができる。
分極性電極12と薬液保持部14の間に上記イオン選択膜13及び/又は隔離膜Dを配置する場合には、分極性電極22と電解液保持部24の間に電解液を含浸させたポリプロピレンの不織布などよりなるスペーサー23を配置することにより、作用側電極構造体部分10と非作用側電極構造体部分20との間で大きな段差が生じないようにすることができる。
薬液保持部14、電解液保持部24の下面側には、イオントフォレーシス装置1と同様の半透膜15及び/又は粘性薬液層16、並びに半透膜25及び/又は粘性電解液層26を配置することができ、第1支持体32の下面には、粘着剤層17を設けることができる。更に第1支持体32の下面には、リリースライナー35を貼付して、粘着剤層17、粘性薬液層16、粘性電解液層26などの保護を行うことができる。
イオントフォレーシス装置2では、イオントフォレーシス装置1と同様に、第1支持体32の下面32bを生体皮膚Sに当接させた状態で、不図示の電源から薬物イオンと同一極性の電圧を集電体11に、その反対極性の電圧を集電体21に印加することで、薬物イオンの投与が行われる。
イオントフォレーシス装置2は、イオントフォレーシス装置1と同様、その全体が単一の平板状(シート状)の形態を有しているため、生体皮膚Sへの貼付作業を容易に行うことができる。
また、イオントフォレーシス装置2では、第1支持体32の下面32bにおける第1空孔32c及び第2空孔32dの間に凹陥部(R又はR1〜R5)が形成されているために、薬液保持部14から電解液保持部24に至る液路が形成される可能性を低減することができ、従って、生体を通過しない電流を生じることによる薬物イオンの投与効率の低下を防止することが可能となり、或いは薬物イオンの投与量のより厳密な管理が可能となり、或いは熟練を要さずしてイオントフォレーシス装置2の生体皮膚への貼付作業を行うことが可能となるなどの効果が達成される。
更に、イオントフォレーシス装置2では、作用側電極構造体部分10及び非作用側電極構造体部分20における薬液及び電解液への通電が分極性電極12、22により行われるために、通電の際の電極反応による水素ガス、塩素ガス、酸素ガスなどのガスの発生、水素イオン、水酸基イオン、次亜塩素酸などの好ましくないイオンの発生、或いは薬物イオンの分解、変質などを防止することが可能となる。
なお、イオントフォレーシス装置2では、第2支持体33及び第3支持体34を追加的に備えるが故にイオントフォレーシス装置1と比較すれば装置全体の厚みが大きくなるが、イオントフォレーシス装置2では、第2支持体33及び第3支持体34の面積が第1支持体32よりも小さくされているために、厚みの増大による柔軟性の低下を最小限に抑えることができる。
以上、いくつかの実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内において種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態においては、単一の作用側電極構造体部分と単一の非作用側電極構造体部分とを備えるイオントフォレーシス装置を例として説明したが、非作用側電極構造体部分の電解液保持部に、薬液保持部の薬物イオンと反対極性の薬物イオンを含む薬液を保持することにより、2つの電極構造体部分の双方から薬物イオンの投与が行われるイオントフォレーシス装置を実現することができる。
また、作用側電極構造体部分に複数の薬液保持部を備え、及び/又は非作用側電極構造体部分に複数の電解液保持部を備えるイオントフォレーシス装置にも本発明は適用することが可能であり、第1支持体の下面における薬液保持部から電解液保持部への液路が形成され易い部分に上記実施形態と同様の凹陥部を形成することにより、本発明の効果を達成することが可能である。
また、イオントフォレーシス装置2としては、薬液保持部14及び電解液保持部24を収容する部材として第1支持体32を使用し、分極性電極12、22を収容する部材として第2支持体33を使用する場合につき説明したが、2つの空孔が形成された単一の支持体を使用し、その一方の空孔に分極性電極12及び薬液保持部14を収容し、他方の空孔に分極性電極22及び電解液保持部24を収容してイオントフォレーシス装置を構成することも可能である。
また、イオントフォレーシス装置1については、より広い面積から均等な電流密度での通電を可能とするために、電圧印加手段を構成する電極11、21が薬液保持部14及び電解液保持部24とほぼ同一の形状、面積を有するが故に、第1、第2空孔32c、32dが下面と同様に上面においても開口する場合を説明したが、薬液保持部14及び電解液保持部24は何らかの手段により電圧印加手段からの電圧の印加を受けることができれば足りるのであり、第1、第2空孔32c、32dは必ずしも上面において開口していることは必要ではない。
上記実施形態おける各部材の形状、寸法、材質などは単なる例として記述したものであり、本発明はこれらの記述により限定されるものではない。また、上記実施形態の説明に用いた図面は、理解の容易化のために、厚み方向の寸法を幅方向の寸法よりも拡大するなどの変形が加えられている。
本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置に使用される電極部材の平面図(A)及びそのA−A断面図(B)。 本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置に使用される第1支持部材の平面図(A)及びそのA−A断面図(B)。 本発明の一実施形態に係る第1支持部材への凹陥部の形成手法を示す説明図。 本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置の平面図(A)及びそのA−A断面図(B) 第1支持体下面の様子を従来のイオントフォレーシス装置と、本発明の一実施形態に係るイオントフォレーシス装置とで対比して示す説明図。 本発明の他の実施形態に係る凹陥部を示す説明図。 本発明の他の実施形態に係る凹陥部を示す説明図。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置に使用される第2支持部材の平面図(A)及びそのA−A断面図(B)。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置に使用される第3支持部材の平面図(A)及びそのA−A断面図(B)。 本発明の他の実施形態に係るイオントフォレーシス装置の平面図(A)及びそのA−A断面図(B)。 従来のイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。 組み立ての容易性やハンドリング性の向上が図られた従来のイオントフォレーシス装置の構成を示す説明図。
符号の説明
1、2・・・イオントフォレーシス装置
10・・・作用側電極構造体部分
11・・・電極(集電体)
12・・・分極性電極
D・・・隔離膜
13・・・イオン選択膜
14・・・薬液保持部
15・・・半透膜
16・・・粘性薬液層
17・・・粘着剤層
20・・・非作用側電極構造体部分
21・・・電極(集電体)
22・・・分極性電極
23・・・スペーサー
24・・・電解液保持部
25・・・半透膜
26・・・粘性電解液層
31・・・電極部材
32・・・第1支持体
31a・・・基体
31b・・・導電層
32a・・・上面
32b・・・下面
32c、32d・・・空孔
R、R1〜R5・・・凹陥部
33・・・第2支持体
33a・・・上面
33b・・・下面
33c、33d・・・空孔
34・・・第3支持体
35・・・リリースライナー
41、42・・・給電線
51、53・・・下型
52、54・・・上型
52a・・・突起部
101、201・・・イオントフォレーシス装置
110・・・作用側電極構造体
111、211・・・電極
112、212・・・薬液保持部
113、213・・・半透膜
114、214・・・粘着薬液層
120・・・非作用側電極構造体
121、221・・・電極
122、222・・・電解液保持部
123、223・・・半透膜
124、224・・・粘着電解液層
231・・・カバー
232・・・支持体
241、242・・・給電線
140・・・電源
141、142・・・給電線

Claims (13)

  1. 上面及び前記上面に対向する下面を有する第1支持体であって、
    前記下面において開口する第1空孔と、
    前記第1空孔から離間して配置され、前記下面において開口する第2空孔とが形成された第1支持体と、
    前記第1空孔に収容され、薬物イオンと薬物対イオンとを含む薬液を保持する薬液保持部と、
    前記第2空孔に収容され、電解液を保持する電解液保持部と、
    前記薬液保持部の薬液に前記薬物イオンと同一極性の電圧を印加し、前記電解液保持部の電解液にその反対極性の電圧を印加する電圧印加手段とを有するイオントフォレーシス装置であって、
    前記第1空孔と前記第2空孔との間における前記下面に凹陥部が形成されていることを特徴とするイオントフォレーシス装置。
  2. 前記凹陥部が前記下面を第1区画と第2区画に分断する線状の形態を成し、
    前記第1空孔が前記第1区画に形成され、前記第2空孔が前記第2区画に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のイオントフォレーシス装置。
  3. 前記第1空孔又は前記第2空孔と前記凹陥部との間に配置され、前記凹陥部に並行する線状の形態を成す第2凹陥部が、前記下面に更に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のイオントフォレーシス装置。
  4. 前記第1支持体が可撓性を有する素材により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  5. 前記凹陥部及び/又は前記第2凹陥部が、プレス成形により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  6. 前記凹陥部及び/又は前記第2凹陥部に撥水処理が施されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  7. 薬液に増粘剤を配合させた粘性薬液層が、前記薬液保持部の下面側に形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  8. 電解液に増粘剤を配合させた粘性電解液層が、前記電解液保持部の下面側に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  9. 前記薬液保持部の下面側に、前記薬物イオンを選択的に通過させる第1イオン選択膜が配置されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  10. 前記電解液保持部の下面側に、前記電解液保持部の電解液に含まれるイオンであって、前記薬物イオンと反対極性のイオンを選択的に通過させる第2イオン選択膜が配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  11. 第2上面及び前記第2上面に対向する第2下面を有し、前記第1支持体の上面側に配置される第2支持体であって、
    前記第2下面において開口する第3空孔と、
    前記第3空孔から離間して配置され、前記第2下面において開口する第4空孔とが形成された第2支持体を更に備え、
    前記第1空孔及び前記第2空孔は、それぞれ前記上面において開口して前記第3空孔及び前記第4空孔と連通し、
    前記第3空孔及び前記第4空孔の少なくとも一方には、分極性電極が収容されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のイオントフォレーシス装置。
  12. 前記第3空孔に前記分極性電極が収容されており、
    前記薬液保持部と前記第3空孔に収容される前記分極性電極の間に、前記薬物対イオンの通過を選択的に許容する第3イオン選択膜が配置されていることを特徴とする請求項11に記載のイオントフォレーシス装置。
  13. 前記第3イオン選択膜が、前記薬物イオンと反対極性のイオン交換膜であり、
    前記第3空孔に収容される前記分極性電極と前記第3イオン選択膜の間に、イオンの通過を許容できる隔離膜が配置されていることを特徴とする請求項12に記載のイオントフォレーシス装置。
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