JP4730985B2 - 安定化された医薬製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光(とりわけ紫外線)や熱に対して安定であり、保存安定性に優れた医薬製剤、およびこのような医薬製剤の原料である被覆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホルムアルデヒド(ポリエチレングリコール400の不純物として含まれるもの、およびポリエチレングリコール400の空気酸化により生じるものを含む)とO6−ベンジルグアニンとが反応することにより、O6−ベンジルグアニンがポリエチレングリコール400水溶液中、室温下で分解することが知られている〔ファーマシューチカル・リサーチ(Pharmaceutical Research)、11巻、7号、1060−1064頁、1994年〕。
酸化チタンおよびポリエチレングリコール6000を含有する腸溶性フィルム液を用いて腸溶性コーティングを行うことが特開昭63−301816(EP公開第0277741号)に記載されている。
ビタミンC、インキョー(Yinqiao)抽出物、アセトアミノフェン、クロルフェニラミン、炭酸カルシウム、デンプン、デキストラン、ペパーミント油、インキョー(Yinqiao)およびジンファン(jingfang)の揮発性油を有する錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース、No2 腸溶性ビニル樹脂、PEG6000、ごま油、ツイーン80、タルク、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、フードカラー、95%エタノール、蒸留水を含む成分で被覆された錠剤がケミカル アブストラクツ 122:238853に記載されている。
特開昭63−166824は、光不安定な薬物含有油性溶液を、少なくとも85%が粒子径0.1μm以下の微粒子酸化チタンを含有する剤皮で被覆された軟カプセル剤を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光に対して不安定な医薬製剤を消費者に提供する場合、医薬製剤の遮光包装または遮光被覆を行う必要がある。しかしながら、病院内の薬局あるいは患者側での医薬製剤の保存状態を考慮すれば、遮光包装で医薬製剤の品質を十分保証できるとは言い難い。したがって、光に対して不安定な医薬製剤を製造する場合には、遮光被覆を行うことが望まれる。
ところが、光に対して不安定な薬物の製剤化に際し、酸化チタンなどの遮光剤とポリエチレングリコールなどの可塑剤とを含む被覆剤を、薬物含有錠剤に被覆したところ、得られるフィルムコーティング錠が、被覆処理を行う前の錠剤よりも、光に対する安定性において劣るという問題点が判明した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような問題点に鑑み、フィルムコーティング錠中での薬物の安定化について検討したところ、1)紫外線により被覆剤中の酸化チタンがフリーラジカルを発生すること、2)フリーラジカルによって薬物や被覆剤中のポリエチレングリコール等のアルコール類が分解すること、3)被覆剤中でポリエチレングリコール等のアルコール類の分解物、例えばホルムアルデヒド,アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、ギ酸などの酸や、過酸化物がさらに薬物の分解を引き起こすことを見いだした。
このような知見に基づいて、さらに薬物不安定化要因を解消し、種々の安定化された医薬製剤を得るべく検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)(i)紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤、および(ii)フリーラジカル消去剤を含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤;
(2)被覆剤が、さらにエステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質を含有してなる上記(1)記載の医薬製剤;
(3)紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤が金属酸化物である上記(1)記載の医薬製剤;
(4)金属酸化物が酸化チタン,三二酸化鉄または酸化亜鉛である上記(3)記載の医薬製剤;
(5)フリーラジカル消去剤が亜硫酸塩またはビタミン類である上記(1)記載の医薬製剤;
(6)ビタミン類がビタミンC類またはビタミンE類ある上記(5)記載の医薬製剤;
(7)油状物質がポリエチレングリコールである上記(2)記載の医薬製剤;
(8)(i)酸化チタンおよび(ii)亜硫酸水素ナトリウム,アスコルビン酸,アスコルビン酸ナトリウム,アスコルビン酸カルシウム,dl−α−トコフェロールまたは酢酸dl-α−トコフェロールを含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤;
(9)被覆剤が、さらに塩基性物質を含有する上記(2)記載の医薬製剤;
(10)塩基性物質が金属の炭酸塩または金属水酸化物である上記(9)記載の医薬製剤。
(11)(i)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、および(ii)フリーラジカル消去剤を含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤;
(12)(i)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、および(ii)塩基性物質を含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤;
(13)被覆剤が、さらに紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤を含有してなる上記(12)の医薬製剤;
(14)(i)紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤、および(ii)フリーラジカル消去剤を含有することを特徴とする被覆剤;
(15)(i)紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤、および(ii)フリーラジカル消去剤を含有する被覆剤で、薬物含有組成物を被覆することを特徴とする医薬製剤の安定化方法;
(16)(i)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、および(ii)フリーラジカル消去剤を含有する被覆剤で、薬物含有組成物を被覆することを特徴とする医薬製剤の安定化方法;
(17)(i)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、および(ii)塩基性物質を含有する被覆剤で、薬物含有組成物を被覆することを特徴とする医薬製剤の安定化方法;
(18)(i)紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤、および(ii)フリーラジカル消去剤を含有する被覆剤の医薬製剤安定化のための使用;
(19)(i)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、および(ii)フリーラジカル消去剤を含有する被覆剤の医薬製剤安定化のための使用;および、
(20)(i)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、および(ii)塩基性物質を含有する被覆剤の医薬製剤安定化のための使用に関する。
【0005】
以下に、本発明において用いられる「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」、「フリーラジカル消去剤」、「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」、「塩基性物質」、「被覆剤」および「医薬製剤」について詳述する。
【0006】
「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」は、遮光を目的として医薬製剤中に添加され、かつ紫外線によりフリーラジカルを発生しうるものを意味する。一般にこれら遮光剤は、常温で、室内の蛍光灯下あるいは屋外の日光下にさらすことによりフリーラジカルを発生するものを意味する。フリーラジカルとしては、例えばHO・、HO2・、O2-などが挙げられる。
このような遮光剤としては、例えば酸化チタン、三二酸化鉄、酸化亜鉛等の無機物の酸化物が挙げられる。遮光剤は、好ましくは金属酸化物であり、さらに好ましくは酸化チタンである。また、酸化チタンを用いる場合、その粒子径は、通常、約0.01〜約1.5μm、好ましくは約0.1〜約0.7μmである。
「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」の被覆剤中の含量は、医薬製剤の遮光という目的を達成し得る量であればよく、例えば約5〜約30重量%、好ましくは約10〜約30重量%である。
【0007】
「フリーラジカル消去剤」は、前記したフリーラジカルを消去しうる物質、および酸化反応による被覆剤成分あるいは医薬製剤成分の分解を抑制する物質であればよい。フリーラジカル消去剤としては、例えばマンニトール等の糖アルコール類;安息香酸等の有機酸;トリプトファン、システイン等のアミノ酸;炭酸イオン;銅錯体、マンガン錯体等の金属錯体;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、チオグリセロール等のチオール誘導体;グアヤク脂等の天然樹脂;ノルジヒドログアヤレチック酸、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン等のフェノール誘導体;エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ビタミンC類(例、アスコルビン酸パルミテート,アスコルビン酸ジパルミテート,アスコルビン酸ステアレート等のアスコルビン酸エステル、アスコルビン酸ナトリウム,アスコルビン酸カルシウム等のアスコルビン酸塩)、ビタミンE類(例、コハク酸dl−α−トコフェロール,コハク酸d−α−トコフェロール,コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム,酢酸dl−α−トコフェロール,酢酸d−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロールのエステル類、dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、天然ビタミンE)、β−カロチン等のビタミン類;グルタチオン等のペプチド;尿酸等のプリン誘導体などが挙げられる。これらのフリーラジカル消去剤は、1種または2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
「フリーラジカル消去剤」は、好ましくは亜硫酸塩またはビタミン類(とりわけビタミンC類、ビタミンE類)であり、さらに好ましくは亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、dl−α−トコフェロールまたは酢酸dl−α−トコフェロールである。
また、「フリーラジカル消去剤」の作用を増強するために、エチレンジアミン四酢酸またはその塩等を併用してもよい。
「フリーラジカル消去剤」の被覆剤中の含量は、被覆剤に含まれる「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」から発生したフリーラジカルを消去できる量であればよい。「フリーラジカル消去剤」の被覆剤中の含量は、例えば約0.1〜約50重量%、好ましくは約1〜約20重量%である。
【0008】
「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」としては、例えば約20〜約65℃で油状のエステル類およびアルコール類、好ましくは多価アルコール等が挙げられる。該油状物質としては、通常医薬製剤中に用いられる可塑剤が挙げられ、具体的には、例えばクエン酸トリエチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、トリアセチン(トリアセチルグリセリン)、ブチルフタリルブチルグリコレート、グリセリルカプリル酸エステル等のエステル類;グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール類等が挙げられる。その他、ゴマ油、ヒマシ油等も油状物質として用いることができる。これらの油状物質は、1種または2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
油状物質は、好ましくはアルコール類、より好ましくは多価アルコール、特に好ましくはポリエチレングリコールである。また、ポリエチレングリコールとしては、例えばポリエチレングリコール400,ポリエチレングリコール600,ポリエチレングリコール1500,ポリエチレングリコール4000,ポリエチレングリコール6000などが挙げられる。
油状物質の被覆剤中の含量は、例えば約0.1〜約30重量%、好ましくは約10〜約20重量%である。
上記油状物質を被覆剤に添加することにより、強度および展延性に優れ、操作性に優れた被覆剤を得ることができる。また、このような被覆剤を使用することにより、均一な被覆が可能となる。
【0009】
「塩基性物質」は、ギ酸などの酸を中和する塩基性を示す物質であればよく、具体的には、例えばアルカリ金属の炭酸水素塩(例、炭酸水素ナトリウム等)、アルカリ金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等)、アルカリ土類金属の炭酸塩(例、炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム等)などの金属の炭酸塩;アルカリ金属のリン酸水素二塩(例、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等)などのリン酸水素二塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩;酸化マグネシウムなどの金属酸化物;水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物;クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩;dl−およびl−酒石酸ナトリウムなどの酒石酸塩;パントテン酸カルシウムなどのパントテン酸塩などの塩基性を示す塩、酸化物または水酸化物が挙げられる。これらの塩基性物質は、1種または2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
塩基性物質は、好ましくは金属の炭酸塩または金属水酸化物であり、さらに好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムである。
また、塩基性物質の被覆剤中の含量は、医薬製剤中で生ずるギ酸などの酸を中和するのに十分な量であればよく、例えば約0.1〜約50重量%、好ましくは約1〜約20重量%である。
【0010】
「被覆剤」は、上記した「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」、「フリーラジカル消去剤」、「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」または「塩基性物質」の他に、コーティング基剤を含む。該コーティング基剤の被覆剤中の含量は、一般製剤の製造に用いられる量である。また、「被覆剤」は、所望により、被覆剤および医薬製剤に悪影響を及ぼさない添加物をさらに含んでいてもよい。
さらに、「被覆剤」は、上記各成分を水または有機溶媒に溶解または分散した液であってもよい。該有機溶媒の種類は、特に限定されず、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;アセトン等のケトン類が使用できる。また、水と有機溶媒との混合液も使用することができる。
【0011】
上記コーティング基剤としては、例えば糖衣基剤、水溶性フィルムコーティング基剤、腸溶性フィルムコーティング基剤、徐放性フィルムコーティング基剤などが挙げられる。
糖衣基剤としては、白糖が用いられ、さらに、タルク、沈降炭酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、プルラン、カルナバロウなどから選ばれる1種または2種以上を併用してもよい。
水溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース系高分子;ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタアクリレートコポリマーE〔オイドラギットE(商品名)、ロームファルマ社〕、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子;プルランなどの多糖類などが挙げられる。
腸溶性フィルムコーティング基剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース アセテートサクシネート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロースなどのセルロース系高分子;メタアクリル酸コポリマーL〔オイドラギットL(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーLD〔オイドラギットL−30D55(商品名)、ロームファルマ社〕、メタアクリル酸コポリマーS〔オイドラギットS(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子;セラックなどの天然物などが挙げられる。
徐放性フィルムコーティング基剤としては、例えばエチルセルロースなどのセルロース系高分子;アミノアルキルメタアクリレートコポリマーRS〔オイドラギットRS(商品名)、ロームファルマ社〕、アクリル酸エチル・メタアクリル酸メチル共重合体懸濁液〔オイドラギットNE(商品名)、ロームファルマ社〕などのアクリル酸系高分子などが挙げられる。
上記したコーティング基剤は、その2種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0012】
上記した添加物としては、例えば着色剤、香料等が挙げられ、その添加量は、一般製剤の製造に用いられる量である。
着色剤としては、例えば水溶性食用タール色素(例、食用赤色2号および3号、食用黄色4号および5号、食用青色1号および2号等)、水不溶性レーキ色素(前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩等)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル等)などが挙げられる。
香料としては、例えばレモン油、オレンジ、dl−またはl−メントールなどが挙げられる。
【0013】
本発明の「被覆剤」は、例えば上記した「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」、「フリーラジカル消去剤」、「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」または「塩基性物質」などの各成分と、コーティング基剤とを、所望により上記添加物を添加した後、混合することにより製造される。
また、「被覆剤」は、上記各成分を水または上記有機溶媒に溶解または分散することによっても製造され、このような製造方法により、均一な被覆を得ることができる。
【0014】
本発明の「医薬製剤」は、「薬物含有組成物」を上記被覆剤で被覆することにより得られる。該「薬物含有組成物」は、「薬物」単独であっても、「薬物」と医薬製剤の製造に用いられる慣用の「製剤成分」との混合物であってもよい。
薬物含有組成物の剤形としては、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤および丸剤などが挙げられる。
【0015】
「薬物」としては、光、とりわけ紫外線により分解する薬物、フリーラジカルにより分解する薬物、フリーラジカルが製剤成分を分解して生じるアルデヒド類(例、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド),酸類(例、ギ酸)または過酸化物により分解する薬物などが挙げられる。このような薬物としては、例えば滋養強壮保健薬、解熱鎮痛消炎薬、向精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、鎮痙薬、中枢神経作用薬、脳代謝改善剤、抗てんかん剤、交感神経興奮剤、胃腸薬、制酸剤、抗潰瘍剤、鎮咳去痰剤、鎮吐剤、呼吸促進剤、気管支拡張剤、抗アレルギー薬、歯科口腔用薬、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿薬、血圧降下剤、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症治療剤、利胆剤、抗生物質、化学療法剤、糖尿病治療剤、骨粗しょう症治療剤、骨格筋弛緩薬、鎮うん剤、ホルモン剤、アルカロイド系麻薬、サルファ剤、痛風治療薬、血液凝固阻止剤、抗悪性腫瘍剤、アルツハイマー治療薬などから選ばれた1種または2種以上の成分が挙げられる。
これら「薬物」の「医薬製剤」中の含量は、「薬物」の有効量であればよい。
【0016】
以下、上記した薬物の具体例を述べる。
滋養強壮保健薬としては、例えばビタミンA、ビタミンD、ビタミンE(酢酸d−α−トコフェロールなど)、ビタミンB1(ジベンゾイルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩など)、ビタミンB2(酪酸リボフラビンなど)、ビタミンB6(塩酸ピリドキシンなど)、ビタミンC(アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウムなど)、ビタミンB12(酢酸ヒドロキソコバラミンなど)のビタミン;カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル;タンパク、アミノ酸、オリゴ糖、生薬などが挙げられる。
解熱鎮痛消炎薬としては、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl-マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカビン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、無水カフェイン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、サリチルアミド、アミノピリン、ケトプロフェン、インドメタシン、ブコロール、ペンタゾシンなどが挙げられる。
向精神病薬としては、例えばクロルプロマジン、レセルピンなどが挙げられる。
抗不安薬としては、例えばアルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが挙げられる。
抗うつ薬としては、例えばイミプラミン、マプロチリン、アンフェタミンなどが挙げられる。
【0017】
催眠鎮静薬としては、例えばエスタゾラム、ニトラゼパム、ジアゼパム、ペルラピン、フェノバルビタールナトリウムなどが挙げられる。
鎮痙薬としては、例えば臭化水素酸スコポラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸パパベリンなどが挙げられる。
中枢神経作用薬としては、例えばシチコリン、ロチレニンなどが挙げられる。
脳代謝改善剤としては、例えばイデベノン、ビンポセチン、塩酸メクロフェニキセート、8−〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピンまたはその塩などが挙げられる。
抗てんかん剤としては、例えばフェニトイン、カルバマゼピンなどが挙げられる。
交感神経興奮剤としては、例えば塩酸イソプロテレノールなどが挙げられる。
胃腸薬としては、例えばジアスターゼ、含糖ペプシン、ロートエキス、セルラーゼAP3、リパーゼAP、ケイヒ油などの健胃消化剤;塩酸ペルペリン、耐性乳酸菌、ビフィズス菌などの整腸剤などが挙げられる。
制酸剤としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
抗潰瘍剤としては、例えばベンツイミダゾール系化合物(例、ランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾール)、ファモチジン、シメチジン、塩酸ラニチジンなどが挙げられる。
【0018】
鎮咳去痰剤としては、例えば塩酸クロペラスチン、臭化水素酸デキストロメルトファン、テオフィリン、グァヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、リン酸コデインなどが挙げられる。
鎮吐剤としては、例えば塩酸ジフェニドール、メトクロプラミドなどが挙げられる。
呼吸促進剤としては、例えば酒石酸レバロルファンなどが挙げられる。
気管支拡張剤としては、例えばテオフィリン、硫酸サルブタノールなどが挙げられる。
抗アレルギー薬としては、例えばアンレキサノクス、セラトロダストなどが挙げられる。
歯科口腔用薬としては、例えばオキシテトラサイクリン、トリアムシノロンアセトニド、塩酸クロルヘキシジン、リドカインなどが挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジル、dl-マレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられる。
強心剤としては、例えばカフェイン、ジゴキシンなどが挙げられる。
不整脈用剤としては、例えば塩酸プロカインアミド、塩酸プロプラノロール、ピンドロールなどが挙げられる。
利尿薬としては、例えばイソソルピド、フロセミドなどが挙げられる。
血圧降下剤としては、例えば塩酸デラプリル、カプトプリル、臭化ヘキサメトニウム、塩酸ヒドララジン、塩酸ラペタロール、塩酸マニジピン、カンデサルタン シレキセチル、メチルドーパ、ロサルタン、バルサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、ポミサルタン、リピサルタン、フォラサルタンなどが挙げられる。
【0019】
血管収縮剤としては、例えば塩酸フェニレフリンなどが挙げられる。
冠血管拡張剤としては、例えば塩酸カルボクロメン、モルシドミン、塩酸ペラパミルなどが挙げられる。
末梢血管拡張薬としては、例えばシンナリジンなどが挙げられる。
高脂血症治療剤としては、例えばセリバスタンチンナトリウム、シンバスタチン、プラバススタチンなどが挙げられる。
利胆剤としては、例えばデヒドロコール酸、トレピプトンなどが挙げられる。
抗生物質としては、例えばセファレキシン、アモキシシリン、塩酸ピプメシリナム、塩酸セフォチアム、塩酸セフォゾプラン、塩酸セフメノキシム、セフスロジンナトリウムなどのセフェム系抗生物質;アンピシリン、シクラシン、スルベニシリンナトリウム、ナリジクス酸、エノキサシンなどの合成抗菌剤;カルモナムナトリウムなどのモノバクタム系抗生物質;ペネム系抗生物質及びカルパペネム系抗生物質などが挙げられる。
化学療法剤としては、例えば塩酸スルファメチゾール、チアゾスルホンなどが挙げられる。
糖尿病治療剤としては、例えばトルブタミド、ボグリボース、チアゾリジンジオン誘導体(例、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、5−〔〔4−〔2−(メチル−2−ピリジニルアミノ)エトキシ〕フェニル〕メチル〕−2,4−チアゾリンジオン)、アカルボース、ミグリトール、エミグリテートなどが挙げられる。
骨粗しょう症治療剤としては、例えばイプリフラボンなどが挙げられる。
骨格筋弛緩薬としては、例えばメトカルパモールなどが挙げられる。
鎮うん剤としては、例えば塩酸メクリジン、シメンヒドリナートなどが挙げられる。
【0020】
ホルモン剤としては、例えばリオチニンナトリウム、リン酸デキメタゾンナトリウム、プレドニゾロン、オキセンドロン、酢酸リュープロレリンなどが挙げられる。
アルカロイド系麻薬としては、例えばアヘン、塩酸モルヒネ、トコン、塩酸オキシコドン、塩酸アヘンアルカロイド、塩酸コカインなどが挙げられる。
サルファ剤としては、例えばスルファミン、スルファメチゾールなどが挙げられる。
痛風治療薬としては、例えばアロプリノール、コルヒチンなどが挙げられる。
血液凝固阻止剤としては、例えばジクマロールが挙げられる。
抗悪性腫瘍剤としては、例えば5−フルオロウラシル、ウラシル、マイトマイシンなどが挙げられる。
アルツハイマー病治療薬としては、例えばイデベノン、ビンポセチン、8−〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピンまたはその塩などが挙げられる。
【0021】
また、アミノ基またはイミノ基を有する「薬物」は、紫外線、フリーラジカル、またはフリーラジカルが製剤成分を分解して生じるアルデヒド類(例、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド),酸類(例、ギ酸)または過酸化物により分解しやすいので、「薬物」として、アミノ基またはイミノ基を有する「薬物」を用いることが好ましい。
【0022】
「薬物」は、さらに好ましくは式
【化1】
Figure 0004730985
〔式中、XはR1-N<(R1は水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基 または置換基を有していてもよいアシル基を示す)、酸素原子または硫黄原子を示し、R2は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、環A は置換基を有していてもよいベンゼン環を、kは0〜3の整数を、mは1〜8の整数を、nは1〜6の整数を示す。〕で表わされる化合物およびその塩である。
前記式(I)において、R1およびR2で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、例えば、鎖状、環状、飽和、不飽和、さらにはこれらの種々の組み合わせからなる炭化水素基が挙げられる。鎖状飽和炭化水素基としては、例えば、直鎖状もしくは分枝状の炭素数1〜11(C1-11)のアルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,tert−ブチル,ペンチル,ヘキシル)が挙げられる。
鎖状不飽和炭化水素基としては、直鎖状もしくは分枝状のC2-4のアルケニル 基(例えば、ビニル,アリル,2−ブテニル,イソプロペニル)およびC2-4のアルキニル基(例、エチニル,2−プロピニル,2−ブチニル,3−ブチニル)が挙げられる。
環状飽和炭化水素基としては、C3-7の単環シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル,シクロブチル,シクロペンチル,シクロヘキシル)およびC8-14の架橋環式飽和炭化水素基(例えば、ビシクロ[3.2.1]オクト−2−イル,ビシクロ[3.3.1]ノン−2−イル,アダマンタン−1−イル)が挙げられる。
環状不飽和炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基などが用いられる。
【0023】
また、前記の「炭化水素基」としては、先に例示した鎖状、環状、飽和、不飽和の炭化水素基の種々の組み合わせからなる炭化水素基でもよく、例えば、C7-18アラルキル(例えば、トリル,キシリル;ベンジル,フェネチル,フェニルプロピル,フェニルブチル,フェニルペンチル,フェニルヘキシルなどのフェニル−C1-12アルキル;α−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-8アルキル)、C8-18アリールアルケニル(例えば、スチリル,シンナミル,4−フェニル−2−ブテニル,4−フェニル−3−ブテニルなどのフェニル−C2-12アルケニル)、C8-18アリールアルキニル(例えば、フェネチル,3−フェニル−2−プロピニル,3−フェニル−1−プロピニルなどのフェニル−C2-12アルキニル)、C3 -7シクロアルキル−C1-6アルキル(例えば、シクロプロピルメチル,シクロブチルメチル,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメチル,シクロヘプチルメチル,シクロプロピルエチル,シクロブチルエチル,シクロペンチルエチル,シクロヘキシルエチル,シクロヘプチルエチル,シクロプロピルブチル,シクロブチルブチル,シクロペンチルブチル,シクロヘキシルブチル,シクロヘプチルブチル,シクロプロピルペンチル,シクロブチルペンチル,シクロペンチルペンチル,シクロヘキシルペンチル,シクロヘプチルペンチル,シクロプロピルヘキシル,シクロブチルヘキシル,シクロペンチルヘキシル,シクロヘキシルヘキシル,シクロヘプチルヘキシル)等が挙げられる。
【0024】
1で表わされる「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」としては、上記の中でも直鎖状もしくは分枝状C1-7アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ヘキシル,ヘプチル)またはC7-10アラルキル基(例えば、ベンジル,フェネチル,フェニルプロピル)などが好ましい。
2で表わされる「置換基を有していてもよい炭化水素基」の「炭化水素基」 としては、上記の中でもC7-10アラルキル(例えば、ベンジル,フェネチル,フェニルプロピル)などが好ましい。
1,R2で表わされる上記の炭化水素は置換可能な位置に置換基を有していてもよい。
1,R2で表わされる上記したような鎖状飽和、鎖状不飽和および環状飽和炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシ)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオ)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ,エチルアミノ,プロピルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノ)、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ)、モルホリノ、C1-4アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノ等のアルキル部分がC1-4であるアルキルカルボニルアミノ)、C1-4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ,エチルスルホニルアミノ)、C1-4アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル)、ヒドロキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基(例えば、アセチル,プロピオニル,ブチリル,バレリル,ヘプタノイル)、カルバモイル基、モノまたはジC1-4アルキルカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル,N−エチルカルバモイル,N−プロピルカルバモイル,N−ブチルカルバモイル)、C1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル)等が挙げられ、これらから選ばれた1ないし5個を有していてもよい。
【0025】
式(I)において環Aで表わされる「置換基を有していてもよいベンゼン環」の置換基、R1,R2で表わされる環状不飽和炭化水素基の置換基としては、例えば、C1-4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,ブチル)、ハロゲン原子(例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシ)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオ)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキルアミノ基(例えば、N−メチルアミノ,N−エチルアミノ,N−プロピルアミノ,N,N−ジメチルアミノ,N,N−ジエチルアミノ)、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ)、モルホリノ、C1-4アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノ)、アミノカルボニルオキシ基、モノまたはジC1-4アルキルカルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ,N−エチルカルバモイルオキシ,N,N−ジメチルカルバモイルオキシ,N,N−ジエチルカルバモイルオキシ)、C1-4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノ)、C1-4アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,イソブトキシカルボニル)、カルボキシ基、C1-6アルキルカルボニル基(例えば、アセチル,プロピオニル,ブチリル,シクロヘキシルカルボニル)、カルバモイル基,モノまたはジC1-4アルキルカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル,N−エチルカルバモイル,N−プロピルカルバモイル,N−ブチルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバモイル,N,N−ジブチルカルバモイル)、C1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル,シクロペンチルスルホニル,シクロヘキシルスルホニル)、1〜4個の置換基を有していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキシ、ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェニルC1-4アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フェニルC1-4アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルC1-4アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニルC1-4アルキルスルフィニル、フェニルC1-4アルキルスルホニルアミノまたはフェニルスルホニルアミノ基(それぞれのフェニル基またはナフチル基における置換基としては、例えば上記に例示したようなC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素などのハロゲン原子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキルアミノ基、ニトロ基、C1-4アルキルカルボニル基などが用いられる。)などが挙げられる。これら環Aで表わされる「置換基を有していてもよいベンゼン環」または、R1,R2で表わされる環状不飽和炭化水素基の置換基の数は1〜3個程度が適当である。
【0026】
1,R2で表わされる「鎖状、環状、飽和、不飽和炭化水素基の種々の組み合わせからなる炭化水素基」の置換基としては、例えば、C1-4アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,ブチル)、ハロゲン原子(例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,ブチルオキシ,イソプロピルオキシ)、C1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ,エチルチオ,プロピルチオ,イソプロピルチオ,ブチルチオ)、アミノ基、モノまたはジC1-4アルキルアミノ基(例えば、N−メチルアミノ,N−エチルアミノ,N−プロピルアミノ,N,N−ジメチルアミノ,N,N−ジエチルアミノ)、環状アミノ基(例えば、ピロリジノ,ピペリジノ)、モルホリノ、C1-4アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ブチリルアミノ)、カルバモイルオキシ基、モノまたはジC1-4アルキルカルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ,N−エチルカルバモイルオキシ,N,N−ジメチルカルバモイルオキシ,N,N−ジエチルカルバモイルオキシ)、C1-4アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ,プロピルスルホニルアミノ)、C1-4アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル,エトキシカルボニル,プロポキシカルボニル,イソブトキシカルボニル)、ヒドロキシカルボニル基、C1-6アルキルカルボニル基(例えば、アセチル,プロピオニル,ブチリル,シクロヘキシルカルボニル)、カルバモイル基、モノまたはジC1-4アルキルカルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル,N−エチルカルバモイル,N−プロピルカルバモイル,N−ブチルカルバモイル,N,N−ジエチルカルバモイル,N,N−ジブチルカルバモイル)、C1-6アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル,シクロペンチルスルホニル,シクロヘキシルスルホニル)、1〜4個の置換基を有していてもよいフェニル、ナフチル、フェノキシ、ベンゾイル、フェノキシカルボニル、フェニルC1-4アルキルカルバモイル、フェニルカルバモイル、フェニルC1-4アルキルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、フェニルC1-4アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、フェニルC1-4アルキルスルフィニル、フェニルC1-4アルキルスルホニルアミノまたはフェニルスルホニルアミノ基(それぞれの環状基上の置換基としては、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル,イソプロピルなどのC1-4アルキル基、メトキシ,エトキシ,プロピルオキシ,イソプロピルオキシ,ブチルオキシなどのC1-4アルコキシ基、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素などのハロゲン原子、水酸基、ベンジルオキシ基、アミノ基、上記のごときモノまたはジC1-4アルキル置換アミノ基、ニトロ基、上記のごときC1-4アルキルカルボニル基などが挙げられる。)などが挙げられる。これらの炭化水素基の置換の数は1〜5個程度が適当である。
【0027】
1で示される「置換基を有していてもよいアシル基」の「アシル基」としては、カルボン酸アシル基(例えばホルミルや、アセチル,プロピオニル,ブチリル,ベンゾイルなどのC2-8アルキルカルボニルまたはフェニルカルボニル)、スルホン酸アシル基(例えばメタンスルホニル,エタンスルホニル,プロパンスルホニル、ベンゼンスルホニル,p−トルエンスルホニルなどのC1-7アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニル)、ホスホン酸アシル基(例えばメタンホスホニル,エタンホスホニル,プロパンホスホニル,ベンゼンホスホニルなどのC1-7アルキルホスホニルまたはフェニルホスホニル)、置換オキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル,tert−ブトキシカルボニル,ベンジルオキシカルボニルなどのC1-8アルキルオキシカルボニル又はC7-8アラルキルオキシカルボニル)が挙げられる。なかでも、C2-8アルキルカルボニル基が好ましい。
これらアシル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素)、アミノ基、C1-6アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,ヘキシル)を有するモノ−またはジ−アルキルアミノ基、C1-4アルコキシ基(例えば、メトキシ,エトキシ,プロポキシ)などが挙げられ、これらの基を置換可能な位置に1〜3個好ましくは1〜2個有していてもよい。
【0028】
式(I)で表される化合物(本明細書中、単に化合物(I)と略記することもある)の好ましい実施態様を以下に述べる。
Xとしては、R1−N<が好ましく、なかでもR1が水素原子、直鎖状もしくは分枝状C1-3アルキル基(例えば、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル)、ベンジル、フェニル、C1-4アルキルカルボニル(例えば、アセチル,プロピオニル,ブチリル)、ベンゾイル、C1-4アルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル,エトキシカルボニル)などの場合がより好ましい。Xは、特に好ましくはHN<である。
2としては、無置換あるいは1ないし2個のハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素)、メチル、ニトロおよび/またはメトキシで置換されたベンジルまたはα−ナフチルメチル基が好ましく、特に無置換ベンジル基が好ましい。
環A上の置換基としては、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、メチル、メトキシなどが好ましく、特にフッ素が好ましい。また、kとmの和(k+m)が2〜6の整数のとき、すなわち
【化2】
Figure 0004730985
が5〜9員環を形成する場合が好ましく、なかでもk+mが4の場合が好ましい。さらにk,mの組み合わせとしては、kが0のときmとしては2,3,4または5が、kが1のときmとしては1,2または3が、またkが2のときはmは2が好ましい。すなわち、
【化3】
Figure 0004730985
で表される含窒素縮合複素環としては、2,3−ジヒドロ−1H−インドール、 1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン、2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−2−ベンズアゼピン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−1−ベンズアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−2−ベンズアゾシン、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロ−3−ベンズアゾシン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−1−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−2−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−3−ベンズアゾニン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−4−ベンズアゾニンが好ましい。
【0029】
【化4】
Figure 0004730985
で表される含酸素縮合複素環としては、2,3−ジヒドロベンゾフラン、1,3−ジヒドロイソベンゾフラン、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン、3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾピラン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾオキセピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2−ベンゾオキセピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾオキセピン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1−ベンゾオキソシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾオキソシン、1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾオキソシン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1−ベンゾオキソニン、1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−ベンゾオキソニン、1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−3−ベンゾオキソニン、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−4−ベンゾオキソニンなどが好ましい。
【0030】
【化5】
Figure 0004730985
で表される含硫黄縮合複素環としては、2,3−ジヒドロ[b]チオフェン、1,3−ジヒドロベンゾ[c]チオフェン、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾチオピラン、3,4−ジヒドロ−1H−2−ベンゾチオピラン、2,3,4,5−テトラヒドロ−1−ベンゾチエピン、1,3,4,5−テトラヒドロ−2−ベンゾチエピン、1,2,4,5−テトラヒドロ−3−ベンゾチエピン、3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−1−ベンゾチオシン、3,4,5,6−テトラヒドロ−1H−2−ベンゾチオシン、1,4,5,6−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾチオシン、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1−ベンゾチオニン、1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−ベンゾチオニン、1,2,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−3−ベンゾチオニン、1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−4−ベンゾチオニンなどが好ましい。
【0031】
【化6】
Figure 0004730985
[式中、R3は水素原子またはC1-3アルキル基を示す。]で表わされる含窒素縮合複素環などであり、とりわけベンズアゼピン環が好ましい。上記式中、R3で示されるC1-3アルキル基はメチル,エチル,プロピル,イソプロピルである。
nは、1、2または3、特に2が好ましい。
化合物(I)は、特に好ましくは8−〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピンである。
【0032】
化合物(I)の塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。それらの塩としては、例えば無機酸(例、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩等が挙げられる。さらに化合物(I)が、−COOHなどの酸性基を有している場合、化合物(I)は、無機塩基(例、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニア)または有機塩基(例、トリエチルアミン)と塩を形成してもよい。化合物(I)の塩は、特に好ましくは有機酸塩である。
化合物(I)またはその塩は、特に好ましくは8−〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン フマレートである。
化合物(I)またはその塩は、特開平5−140149号公報に記載の公知方法またはこれに準じる方法により製造されうる。
【0033】
上記した「製剤成分」としては、例えば賦形剤〔例、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプンなど)、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、デキストラン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど〕、結合剤(例、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム粉末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、デキストリン、プルランなど)、滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなど)、崩壊剤〔例、乳糖、白糖、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン(トウモロコシデンプン、バレイショデンプンなど)、軽質無水ケイ酸、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムなど〕、着色剤、香料、矯味剤、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤、崩壊延長剤等が挙げられる。
上記した製剤成分の添加量は、一般製剤の製造に用いられる量を用いてもよい。
【0034】
本発明の「医薬製剤」の剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤などが挙げられる。顆粒剤は、例えば粒径約500〜約1410μmの粒子を約90重量%以上、粒径約177μm以下の粒子を約5重量%以下含有する。また、細粒剤は、例えば粒径約10〜約500μmの粒子を約75重量%以上、粒径約500μm以上の粒子を約5重量%以下、粒径約10μm以下の粒子を約10重量%以下含有する。好ましい細粒剤は、粒径約105〜約500μmの粒子を約75重量%以上、粒径約500μm以上の粒子を約5重量%以下、粒径約74μm以下の粒子を約10重量%以下含有する。
【0035】
本発明の「医薬製剤」は、上記した「薬物」および「製剤成分」を常法により混合して得られる「薬物含有組成物」を「被覆剤」で被覆することにより製造される。
被覆剤の使用量は、医薬製剤の剤形に応じて選択すればよい。医薬製剤に対する被覆剤(乾燥重量)の使用量は、例えば錠剤では約0.1〜約30重量%、好ましくは約0.5〜約10重量%程度であり;顆粒剤および丸剤では約0.1〜約50重量%、好ましくは約1〜約20重量%程度であり;細粒剤では約0.1〜約100重量%、好ましくは約1〜約50重量%程度である。
【0036】
被覆方法としては、自体公知の方法、例えばパンコーティング法、流動コーティング法、転動コーティング法さらにはそれらを組み合わせた方法などが採用できる。また、被覆剤が、水または有機溶媒を含む溶液または分散液である場合、被覆方法としてスプレーコーティング法も採用できる。
被覆の際の温度は、通常約25〜約60℃、好ましくは約25〜約40℃である。
また、被覆に要する時間は、被覆方法、被覆剤の特性や使用量、医薬製剤の特性などを考慮して適宜選択できる。
【0037】
本発明の「医薬製剤」は、例えば薬物として化合物(I)またはその塩を用いる場合、老年性痴呆、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、運動過多病、躁病などの疾病の予防または治療に用いることができる。
本発明の「医薬製剤」の投与量は、薬物の種類、対象疾患の種類、症状、剤形などを考慮して、薬物としての投与量が該薬物の有効量となるように選択すればよい。例えば薬物として化合物(I)またはその塩を用いる場合、「医薬製剤」は、化合物(I)またはその塩の投与量が、成人(体重60kg)において一日あたり約0.01mg〜約100mg、好ましくは約0.1〜約30mg、より好ましくは約0.3〜約10mgとなる範囲で、1回または2〜3回に分けて投与される。
【0038】
以下、本発明の各種「医薬製剤」について具体的に述べる。
「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤、およびフリーラジカル消去剤を含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤」は、前述の「薬物含有組成物」を、「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」および「フリーラジカル消去剤」を含有する被覆剤で被覆することにより製造される。
該被覆剤は、さらにエステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質を含有することが好ましい。この場合、被覆剤は、さらに塩基性物質を含有することが好ましい。また、該油状物質としては、ポリエチレングリコールが好ましい。
該「医薬製剤」の好適な態様としては、「(i)酸化チタンおよび(ii)亜硫酸水素ナトリウム,アスコルビン酸,アスコルビン酸ナトリウム,アスコルビン酸カルシウム,dl−α−トコフェロールまたは酢酸dl-α−トコフェロールを含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤」が挙げられる。
また、「紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤」および「フリーラジカル消去剤」を含有する被覆剤は、例えばこれらの成分をコーティング基剤とともに精製水に溶解または分散することにより製造される。
【0039】
「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、およびフリーラジカル消去剤を含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤」は、前述の「薬物含有組成物」を、「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」および「フリーラジカル消去剤」を含有する被覆剤で被覆することにより製造される。
また、「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」および「フリーラジカル消去剤」を含有する被覆剤は、例えばこれらの成分をコーティング基剤とともに精製水に溶解または分散することにより製造される。
【0040】
「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質、および塩基性物質を含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤」は、前述の「薬物含有組成物」を、「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」および「塩基性物質」を含有する被覆剤で被覆することにより製造される。
該被覆剤は、さらに紫外線によりフリーラジカルを発生しうる遮光剤を含有することが好ましい。
また、「エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質」および「塩基性物質」を含有する被覆剤は、例えばこれらの成分をコーティング基剤とともに精製水に溶解または分散することにより製造される。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下において、実施例および試験例により、本発明をより具体的に説明する。
【0042】
【実施例】
実施例1
精製水2300gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)129.6gおよびポリエチレングリコール6000 30.0gを溶解し、酸化チタン20.0g、黄色三二酸化鉄0.4gおよび〔表1〕に示すフリーラジカル消去剤または塩基性物質(以下、これらを安定化剤と略記する)のそれぞれ1種20.0gを分散させ、それぞれ被覆剤を製造した。
【表1】
Figure 0004730985
【0043】
実施例2
精製水2300gに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)121.6gおよびポリエチレングリコール6000 30.0gを溶解し、酸化チタン20.0g、黄色三二酸化鉄0.4g、亜硫酸水素ナトリウム14.0gおよび炭酸水素ナトリウム14.0gを分散させ、被覆剤を製造する。
【0044】
実施例3
流動層造粒乾燥機(FD−3S、パウレック社)中で、8−〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン フマレート(以下、化合物Aと略記する)40.0g、マンニトール1600gおよびコーンスターチ220.0gを均一に混合後、機内で、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L)60.0gを溶解した水溶液を噴霧して造粒し、ついで流動層造粒乾燥機中で乾燥した。
得られる造粒物を、パワーミル粉砕機(P−3、昭和化学機械工作所)を用い、1.5mmφパンチングスクリーンで解砕して整粒末とした。
さらに、上記と同様の操作を繰り返して整粒末を得た。この整粒末を3456.0gとり、これにコーンスターチ126.0gとステアリン酸マグネシウム18.0gを加え、タンブラー混合機(TM−15、昭和化学機械工作所)で混合して打錠用顆粒とした。この顆粒をロータリー打錠機(コレクト19K、菊水製作所)で6.5mmφの杵を用いて重量100.0mgで打錠(打錠圧0.8トン/杵)し、裸錠とした。
【0045】
得られる裸錠に、フィルムコーティング機(HCT−20、フロイント産業)中で、実施例1で得られた各種被覆剤を噴霧し、1錠当たり化合物Aを2.0mg含有する、〔表2〕に示す処方のフィルムコーティング錠各2800錠を得た。
【表2】
Figure 0004730985
【0046】
実施例4
被覆剤として実施例2で製造した被覆剤を用いる以外は実施例3と同様にして、フィルムコーティング錠を製造する。
【0047】
比較例1
安定化剤を用いず、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(TC−5)の量を1錠当たり2.992mgとする以外は実施例3と同様にして、フィルムコーティング錠を製造した。
【0048】
試験例1
フィルムコーティング錠の安定性評価試験
実施例3および比較例1で得られたフィルムコーティング錠をプラスチックシャーレに入れ、シャーレの上面をポリ塩化ビニリデンフィルム(サランラップ、旭化成工業)で覆い、完全に密閉するためにシャーレの円周をセロハンテープで固定した。このシャーレに光照射〔光源:白色蛍光灯、照射量:120万ルクス・時間(1000ルクス×50日)〕した後、以下のような方法で、化合物Aの分解生成物である1−メチル−8−〔1−オキソ−3−〔1−(フェニルメチル)ピペリジン−4−イル〕プロピル〕−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンズアゼピン フマレート(以下、分解物Iと略記する)およびポリエチレングリコールの分解生成物であるホルムアルデヒドの生成量を測定した。
〔分解物Iの定量方法〕
化合物Aが約200μg/mlとなるように移動相で溶解し、非水系フィルター(0.45μm)でろ過した後、次の条件で高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)法により定量した。その生成量は、化合物Aのイニシャル含量との比率で表した。
Figure 0004730985
〔ホルムアルデヒドの定量方法〕
錠剤5錠を50ml蒸留水に加え、30分振盪して溶解し、4000rpmで10分間遠心分離する。上澄み液を水系フィルター(0.45μm)でろ過して得られるろ液をホルムアルデヒド定量キット(ホルムアルデヒド−テストワコー、和光純薬工業)を用いて、比色定量(測定波長550nm)した。
なお、分解物Iは、次のような物性を有している。
化学式:C26342
分子量:390.267
【0049】
結果を〔表3〕に示す。表中、NDは検出されなかったことを示す。化合物Aの分解生成物である分解物Iの検出限界は0.05%、ホルムアルデヒドの検出限界は4μg/錠である。
【表3】
Figure 0004730985
〔表3〕に示されるように、安定化剤を用いることにより、分解物Iおよびホルムアルデヒドの生成が抑制された。すなわち、酸化チタン、ポリエチレングリコール6000および安定化剤を含有する被覆剤を用いることにより、該被覆剤で被覆された素錠中の化合物Aの分解が抑制され、化合物Aに悪影響を及ぼすホルムアルデヒドの生成量も抑制された。
【0050】
試験例2
塩基性物質またはフリーラジカル消去剤の化合物Aに及ぼす影響の評価試験
化合物A、酸化チタン、ポリエチレングリコール6000、コーンスターチおよび安定化剤を、重量比が0.3:5:5:2.5:2.5となるように混合して粉末を得た。安定化剤としては、塩基性物質:炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムまたはフリーラジカル消去剤:d-α-トコフェロールを用いた。
対照として、安定化剤をコーンスターチとする以外は上記と同様にして粉末を得た。
得られる粉末をガラスシャーレに入れ、シャーレの上面をポリ塩化ビニリデンフィルム(サランラップ、旭化成工業)で覆い、完全に密閉するためにシャーレの円周をセロハンテープで固定した。このシャーレに光照射〔光源:ケミカルランプ、照射量:350μW/cm2×5日〕した後、試験例1と同様にして、分解物Iの生成量を測定した。
【0051】
結果を〔表4〕に示す。
【表4】
Figure 0004730985
〔表4〕に示されるように、化合物A、酸化チタンおよびポリエチレングリコール6000を含有する粉末に、塩基性物質またはフリーラジカル消去剤を添加することにより、化合物Aの分解が抑制された。
【0052】
【発明の効果】
本発明の医薬製剤は、光、とりわけ紫外線や熱に対して安定であり、保存安定性に優れる。また、該医薬製剤の表面が均一であるため、例えば刻印等の処理も容易であり、その仕上がりも美しい。さらに、該医薬製剤は、投与時に食道粘膜への癒着が見られない。
本発明の被覆剤は、上記のように保存安定性に優れた医薬製剤を製造するための原料として有用である。また、該被覆剤は、強度および展延性に優れるため、操作性に優れ、均一な被覆が可能である。

Claims (18)

  1. 薬物を含有し、
    (i)酸化チタン、三二酸化鉄および酸化亜鉛から選ばれる金属酸化物、
    (ii)
    (a)(1)マンニトール、
    (2)安息香酸、
    (3)トリプトファン、
    (4)システイン、
    (5)炭酸イオン、
    (6)銅錯体、
    (7)マンガン錯体、
    (8)亜硫酸水素ナトリウム、
    (9)亜硫酸ナトリウム、
    (10)メタ重亜硫酸ナトリウム、
    (11)ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、
    (12)チオグリセロール、
    (13)グアヤク脂、
    (14)ノルジヒドログアヤレチック酸、
    (15)没食子酸プロピル、
    (16)ブチルヒドロキシアニソール、
    (17)ジブチルヒドロキシトルエン、
    (18)エリソルビン酸、
    (19)エリソルビン酸ナトリウム、
    (20)アスコルビン酸パルミテート、
    (21)アスコルビン酸ジパルミテート、
    (22)アスコルビン酸ステアレート、
    (23)アスコルビン酸、
    (24)アスコルビン酸ナトリウム、
    (25)アスコルビン酸カルシウム、
    (26)コハク酸dl−α−トコフェロール、
    (27)コハク酸d−α−トコフェロール、
    (28)コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、
    (29)酢酸dl−α−トコフェロール、
    (30)酢酸d−α−トコフェロール、
    (31)ニコチン酸dl−α−トコフェロール、
    (32)dl−α−トコフェロール、
    (33)d−α−トコフェロール、
    (34)dl−δ−トコフェロール、
    (35)d−δ−トコフェロール、
    (36)天然ビタミンE、
    (37)グルタチオン、および
    (38)尿酸、
    から選ばれる1種または2種以上のフリーラジカル消去剤、および/または
    (b)塩基性物質(ただし、タルクおよびケイ酸マグネシウムを除く。)、および
    (iii)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質
    を含有する被覆剤で被覆してなる安定化された医薬製剤。
  2. 薬物が光により分解する薬物またはフリーラジカルにより分解する薬物である請求項1記載の医薬製剤。
  3. フリーラジカル消去剤が亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ステアレート、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、dl−δ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、および天然ビタミンE、から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の医薬製剤。
  4. 油状物質が
    (1)クエン酸トリエチル、
    (2)中鎖脂肪酸トリグリセリド、
    (3)フタル酸ジエチル、
    (4)フタル酸ジブチル、
    (5)トリアセチン、
    (6)ブチルフタリルブチルグリコレート、
    (7)グリセリルカプリル酸エステル、
    (8)グリセリン、
    (9)プロピレングリコール、
    (10)ポリエチレングリコール、
    (11)ゴマ油、および
    (12)ヒマシ油。
    から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の医薬製剤。
  5. 油状物質がポリエチレングリコールである請求項1記載の医薬製剤。
  6. 金属酸化物が酸化チタンであり、フリーラジカル消去剤が亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、dl−α−トコフェロールまたは酢酸dl−α−トコフェロールである請求項1記載の医薬製剤。
  7. 塩基性物質が
    (1)炭酸水素ナトリウム、
    (2)炭酸ナトリウム、
    (3)炭酸カリウム、
    (4)炭酸カルシウム、
    (5)炭酸マグネシウム、
    (6)リン酸水素二ナトリウム、
    (7)リン酸水素二カリウム、
    (8)ケイ酸カルシウム
    (9)酸化マグネシウム、
    (10)水酸化ナトリウム、
    (11)水酸化カルシウム、
    (12)水酸化マグネシウム、
    (13)水酸化アルミニウム、
    (14)クエン酸ナトリウム、
    (15)dl−酒石酸ナトリウム、
    (16)l−酒石酸ナトリウム、および
    (17)パントテン酸カルシウム、
    から選ばれる1種または2種以上である請求項1記載の医薬製剤。
  8. 塩基性物質が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは水酸化アルミニウムである請求項1記載の医薬製剤。
  9. 前記被覆剤が前記フリーラジカル消去剤を含有する請求項1記載の医薬製剤。
  10. 前記被覆剤が前記塩基性物質を含有する請求項1記載の医薬製剤。
  11. 前記被覆剤が前記フリーラジカル消去剤および前記塩基性物質を含有する請求項1記載の医薬製剤。
  12. (i)酸化チタン、三二酸化鉄および酸化亜鉛から選ばれる金属酸化物、
    (ii)
    (a)(1)マンニトール、
    (2)安息香酸、
    (3)トリプトファン、
    (4)システイン、
    (5)炭酸イオン、
    (6)銅錯体、
    (7)マンガン錯体、
    (8)亜硫酸水素ナトリウム、
    (9)亜硫酸ナトリウム、
    (10)メタ重亜硫酸ナトリウム、
    (11)ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、
    (12)チオグリセロール、
    (13)グアヤク脂、
    (14)ノルジヒドログアヤレチック酸、
    (15)没食子酸プロピル、
    (16)ブチルヒドロキシアニソール、
    (17)ジブチルヒドロキシトルエン、
    (18)エリソルビン酸、
    (19)エリソルビン酸ナトリウム、
    (20)アスコルビン酸パルミテート、
    (21)アスコルビン酸ジパルミテート、
    (22)アスコルビン酸ステアレート、
    (23)アスコルビン酸、
    (24)アスコルビン酸ナトリウム、
    (25)アスコルビン酸カルシウム、
    (26)コハク酸dl−α−トコフェロール、
    (27)コハク酸d−α−トコフェロール、
    (28)コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、
    (29)酢酸dl−α−トコフェロール、
    (30)酢酸d−α−トコフェロール、
    (31)ニコチン酸dl−α−トコフェロール、
    (32)dl−α−トコフェロール、
    (33)d−α−トコフェロール、
    (34)dl−δ−トコフェロール、
    (35)d−δ−トコフェロール、
    (36)天然ビタミンE、
    (37)グルタチオン、および
    (38)尿酸、
    から選ばれる1種または2種以上のフリーラジカル消去剤、および/または
    (b)塩基性物質(ただし、タルクおよびケイ酸マグネシウムを除く。)、および
    (iii)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質
    を含有することを特徴とする被覆剤。
  13. (i)酸化チタン、三二酸化鉄および酸化亜鉛から選ばれる金属酸化物、
    (ii)
    (a)(1)マンニトール、
    (2)安息香酸、
    (3)トリプトファン、
    (4)システイン、
    (5)炭酸イオン、
    (6)銅錯体、
    (7)マンガン錯体、
    (8)亜硫酸水素ナトリウム、
    (9)亜硫酸ナトリウム、
    (10)メタ重亜硫酸ナトリウム、
    (11)ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、
    (12)チオグリセロール、
    (13)グアヤク脂、
    (14)ノルジヒドログアヤレチック酸、
    (15)没食子酸プロピル、
    (16)ブチルヒドロキシアニソール、
    (17)ジブチルヒドロキシトルエン、
    (18)エリソルビン酸、
    (19)エリソルビン酸ナトリウム、
    (20)アスコルビン酸パルミテート、
    (21)アスコルビン酸ジパルミテート、
    (22)アスコルビン酸ステアレート、
    (23)アスコルビン酸、
    (24)アスコルビン酸ナトリウム、
    (25)アスコルビン酸カルシウム、
    (26)コハク酸dl−α−トコフェロール、
    (27)コハク酸d−α−トコフェロール、
    (28)コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、
    (29)酢酸dl−α−トコフェロール、
    (30)酢酸d−α−トコフェロール、
    (31)ニコチン酸dl−α−トコフェロール、
    (32)dl−α−トコフェロール、
    (33)d−α−トコフェロール、
    (34)dl−δ−トコフェロール、
    (35)d−δ−トコフェロール、
    (36)天然ビタミンE、
    (37)グルタチオン、および
    (38)尿酸、
    から選ばれる1種または2種以上のフリーラジカル消去剤、および/または
    (b)塩基性物質(ただし、タルクおよびケイ酸マグネシウムを除く。)、および
    (iii)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質
    を含有する被覆剤で、薬物含有組成物を被覆することを特徴とする医薬製剤の安定化方法。
  14. 前記被覆剤が前記フリーラジカル消去剤を含有する請求項13記載の安定化方法。
  15. 前記被覆剤が前記塩基性物質を含有する請求項13記載の安定化方法。
  16. (i)酸化チタン、三二酸化鉄および酸化亜鉛から選ばれる金属酸化物、
    (ii)
    (a)(1)マンニトール、
    (2)安息香酸、
    (3)トリプトファン、
    (4)システイン、
    (5)炭酸イオン、
    (6)銅錯体、
    (7)マンガン錯体、
    (8)亜硫酸水素ナトリウム、
    (9)亜硫酸ナトリウム、
    (10)メタ重亜硫酸ナトリウム、
    (11)ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、
    (12)チオグリセロール、
    (13)グアヤク脂、
    (14)ノルジヒドログアヤレチック酸、
    (15)没食子酸プロピル、
    (16)ブチルヒドロキシアニソール、
    (17)ジブチルヒドロキシトルエン、
    (18)エリソルビン酸、
    (19)エリソルビン酸ナトリウム、
    (20)アスコルビン酸パルミテート、
    (21)アスコルビン酸ジパルミテート、
    (22)アスコルビン酸ステアレート、
    (23)アスコルビン酸、
    (24)アスコルビン酸ナトリウム、
    (25)アスコルビン酸カルシウム、
    (26)コハク酸dl−α−トコフェロール、
    (27)コハク酸d−α−トコフェロール、
    (28)コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、
    (29)酢酸dl−α−トコフェロール、
    (30)酢酸d−α−トコフェロール、
    (31)ニコチン酸dl−α−トコフェロール、
    (32)dl−α−トコフェロール、
    (33)d−α−トコフェロール、
    (34)dl−δ−トコフェロール、
    (35)d−δ−トコフェロール、
    (36)天然ビタミンE、
    (37)グルタチオン、および
    (38)尿酸、
    から選ばれる1種または2種以上のフリーラジカル消去剤、および/または
    (b)塩基性物質(ただし、タルクおよびケイ酸マグネシウムを除く。)、および
    (iii)エステル類およびアルコール類から選ばれる油状物質
    を含有する被覆剤の医薬製剤安定化のための使用。
  17. 前記被覆剤が前記フリーラジカル消去剤を含有する請求項16記載の使用。
  18. 前記被覆剤が前記塩基性物質を含有する請求項16記載の使用。
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