JP4730968B2 - 微生物の生育を抑制する方法 - Google Patents

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本発明は、紙パルプ工業分野における抄紙工程水や各種工業用の冷却水等に生息する微生物の生育を抑制する方法に関するものである。
従来から、紙パルプ工業分野における抄紙工程水や各種工業における冷却水には、細菌や真菌等の微生物が生息しスライムを発生させることが知られている。特に抄紙工程の白水中においては、白水ピット、フローボックス、配管等の壁面にスライムが付着する。このスライムが剥離し紙に混入すると紙に汚点、斑点、目玉等製品の品質を損なう原因となり、更に、紙切れ、ワイヤや毛布の目詰まり、腐食、悪臭等の工程上の障害をも引き起こし操業上にも重大な影響を及ぼす。したがって、スライムの発生の要因となる微生物の生育を抑制することが重要であり、これまで、これの対応が種々検討されてきた。
このような微生物の生育を抑制し、微生物を死殺させたり、繁殖を阻止させるために、様々な抗菌剤が使用されてきた。塩素、次亜塩素酸塩、塩素化シアヌル酸塩もその1種である。これら塩素系抗菌剤は、水に溶解すると遊離塩素を生成し抗菌効果を発揮するが、遊離塩素は、抗菌力が強く、反応時間が短い反面持続性が弱いという性質がある。また酸化力が強く設備の腐食や繊維製品、化学製品に悪影響を与えることがある。遊離塩素を生じる次亜塩素酸塩は、pHの影響を受けやすく、pHが高くなるとHOCl量が減少し抗菌効果が低下し、また逆にpHが低くなると抗菌効果は上昇するものの分解が促進されて塩素ガスを発生する。塩素剤から生じる遊離塩素は、系内の有機物との反応性が強く抗菌活性が消失する性質を有している。またこの遊離型塩素を利用する方法は、発癌性物質といわれているトリハロメタンが生成される可能性が危惧されている。
そのため、遊離塩素とアンモニウム塩との反応により生成する結合塩素であるクロラミンを用いた処理方法が提案されてきた。結合塩素は、遊離塩素に比べと殺菌力は弱いが反応時間が長く、持続性が強く、また酸化作用による悪影響も少ない特徴を有している。塩素とアンモニアとによるクロラミンの生成は、pHや配合比率により、モノクロラミン、ジクロラミン及びトリクロラミンの3種の結合塩素を生じ、モノクロラミンの抗菌活性が優れる。したがって、活性の優れるモノクロラミンのみを消毒に用いるため、次亜塩素酸ナトリウム(以下、ジアソという)と硫酸アンモニウム(以下、硫安という)を混合してジクロラミンが実質的に存在しない状態にするため、生成されるモノクロラミンとジクロラミンの量をそれぞれ測定しモノクロラミンのみが生成する最適な塩素量とアンモニア量を確保する方法が提案されている(特許文献1)。モノクロラミンは生成するがジクロラミンは生成されないようにするために、塩素とアンモニア性窒素の比が1:4になるように行うと説明されている。
また、ジアソのような酸化剤と臭化アンモニウム(以下、臭安という)や塩化アンモニウム等のアンモニウム塩をそれぞれ水に希釈し低濃度とした後、等モルで同期的に計量して管路内に供給して殺生物有効成分を管路内で製造し被処理液体中へ連続的に注入する方法(特許文献2)や塩化アンモニウムや臭安等の水溶性アンモニウム塩とジアソとをそれぞれ水で予め低濃度に希釈しておき、水溶性アンモニウム塩1当量に対して0.5〜2当量のジアソを混合し、換言すれば、ジアソの残留塩素濃度1モルに対してNH として2〜0.5モルの比率で混合し、両化合物のモル濃度の合計が0.1モル/L以下である殺菌剤が提案されている(特許文献3)。
特開平10−28981号公報 特許第3497171号明細書 特開2003−48804号公報
これらの方法は、ジアソのような酸化剤とアンモニウム塩との反応により結合塩素を生成させる公知の技術を改良するものである。これらの酸化剤とアンモニウム塩とを混合する場合、pH、濃度、混合比率等が僅かに異なるだけで混合液中のクロラミンの生成状況が変化し、クロラミンを安定、かつ簡単に調製することが難しいことから、混合時のpHや濃度、混合比率などを厳密に制御するものであり、そのための混合槽や制御装置を必要とするなど混合・添加装置が複雑かつ大型化することが避けられない。また、特許文献3に記載されたように残留塩素濃度1モルに対してNH として0.5モルの比率で混合した場合には、混合時のpHが酸性サイドに移行し、催涙性ガスを激しく発生するばかりでなく、殺菌効果が低下するきらいがある。更に、塩化アンモニウムを用いると得られた混合液による腐食性が強くなり被処理水系への影響が懸念される。本発明は、このような事情の下に、ジアソと、臭素を含まないアンモニア源として硫安を用い最も優れる殺菌効力を発揮する結合塩素を含む殺微生物活性成分を簡易な設備で簡単、かつ迅速に調製する方法を提供するものであり、更に得られた活性成分がこれまで知られた方法で得た殺菌剤よりも優れた殺微生物効果を発揮する使用方法を提供するものである。
本発明を概説すれば、本発明は、
(1)被処理水系に接続する水の流れる配管内に、次亜塩素酸ナトリウムを残留塩素(Cl )として1〜6g/Lとなるように注入した後、高濃度の硫酸アンモニウムを注入して、配管内で次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとを、残留塩素(Cl)に対するNH のモル比が1:1.2〜1.8となるように混合して得た混合液を用いて被処理水系の微生物の生育を抑制する方法、
前記混合液は、遊離塩素と結合塩素の割合が25〜35:75〜65であることを特徴とする(1)項記載の微生物の生育を抑制する方法、
前記被処理水系が紙パルプ工業分野における抄紙工程水であることを特徴とする(1)項又は(2)項記載の微生物の生育を抑制する方法、に関する。
本発明者は、結合塩素を含む安定で効果的な殺微生物活性成分を簡単に、かつ迅速に調製する方法を完成するため、ジアソと硫安の混合割合及び混合方法について鋭意研究した結果、流水にジアソと硫安を特定の割合で混合することにより微生物に対する活性の優れる成分の得られることを見出し本発明を完成した。この活性成分は、残留塩素濃度(Cl)に占める結合塩素の比率が65〜75%の範囲にある。この混合液が、他の比率で混合した場合よりも細菌のみでなくカビに対しても優れた殺微生物効果を発揮する。
本発明のジアソ溶液と硫安水溶液とを混合して被処理水系に添加する方法によれば、得られた混合液のpHは、自ずと8〜11の範囲となり、pHを調整する必要がなく、用いる薬剤を混合前に特定の濃度に希釈する必要もないため、混合・希釈のためのタンクが不要となり、制御装置も簡略化することができる。したがって装置コストも安価なものとなり、簡単かつ迅速に、効果的なクロラミンを含む混合液を調製できる。また、本発明の方法では、催涙性ガスを発生することもなくトリクロラミンの発生を回避できる。更に、ジアソ単独では効果の見られないカビに対しても優れた殺菌効果を発揮することから、防カビ成分の配合や併合使用の必要がないこと、微生物へ与えるダメージが強く、微生物の増殖を抑制する働きが強いため、微生物によるスライムの形成やその付着を防止できる。このため、1日当りの添加回数や1回当りの添加時間を削減することができるなど、薬剤コストを軽減することができる。また、発癌性の恐れが指摘されている臭素酸を生じる恐れのある臭素化合物を使用しない利点もある。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、流水にジアソの希釈液及び高濃度の硫安水溶液を添加、混合することで非常に優れる殺微生物効果を有する活性成分を生成させ使用するものである。本発明に使用するジアソは、市販されている工業用の残留塩素(Cl)として10〜12%濃度のジアソ溶液を用いることができる。ジアソ溶液を添加後、要すればラインミキサー等を設けて撹拌する。また、アンモニウム塩との混合時に混合液のpHをアルカリ域に保ち、且つ、効果的な殺微生物活性成分を調製するためには、このジアソ水溶液は、被処理水系に接続された水が流れる配管に添加される際に、残留塩素濃度(Cl)として1〜6g/Lであることが望ましい。1gに満たない場合は、十分な反応が進まず殺微生物効果が低くなり、6gを超えると殺微生物成分の分解が促進され効果の低下が見られる。また、硫安との混合性を良くするために、配管内のスタティックミキサーのようなラインミキサーで撹拌することが好ましい。
使用する硫安は、25%以上の高濃度のもの、特に30〜40%濃度の水溶液とするのが水溶液の安定性、薬剤コストや設置スペースの面からも好ましい。本発明では、硫安を用いることにより、ジアソとの混合時のpHや安定性などの混合液の性状、水への溶解性、1分子当りに2当量のアンモニウム性窒素(NH )を含むことなどから高濃度の水溶液を調製できる利点がある。ジアソとの混合性の面で界面活性剤の配合や必要によりグリコール類や非プロトン性溶媒などの親水性溶媒を配合して用いることもできる。
本発明において、ジアソと硫安との混合比率は、混合液としてのCl:NH のモル比が1:1.2〜1.8であることを必須要件とし、この方法、比率で混合した場合には、混合液の残留塩素濃度に占める結合塩素濃度の割合は65〜75%となることが判り、このとき、混合液は安定で且つ最も高い殺微生物効果を有する状態にある。また、ジアソと硫安との混合順序を変えてもこの比率で混合する限り、同様の混合液が得られる。ここで、塩素濃度(mg/L)は、JISK0101の方法によって遊離塩素濃度と残留塩素濃度を測定することができ、結合塩素濃度は、残留塩素濃度から遊離塩素濃度を差引いた値で示される。
Cl:NH のモル比が1:0.5のような塩素が過剰の状態となると、混合時のpHが酸性サイドに移行し、催涙性ガスを激しく発生するばかりでなく、トリクロラミンが生じ殺菌効果が低下してしまうので避けなければならない。本発明の前記の比率より硫安が過剰になると残留塩素濃度に占める結合塩素濃度の比率が上がり、即効的な効果が弱まる傾向にある。このことは、混合液中の遊離塩素が即効的な効果の発現に少なからず関わっており、遊離塩素をある程度含んだ状態の方が高い効果が得られると推測され、総塩素濃度に占める結合塩素濃度の比率として65〜75%にある時が即効的な効果と持続的な効果を併せ持った極めて優れた殺微生物効果を発現できると考えられる。更に、より過剰の硫安は、過剰に配合した量ほどの殺菌効果の向上はみられず、逆に余剰の硫安は、被処理水系内で微生物の栄養源となるほか、塩基性が高い条件下では、過剰の硫安がモノクロラミンと反応してヒドラジンに変換されるおそれもある。ヒドラジンは、発ガン性が疑われている物質であり、生成を避ける必要からも過剰過ぎる硫安の配合は好ましくない。
本発明は、ジアソの希釈液に高濃度の硫安水溶液を特定比率で添加、混合することにより得られる混合液が優れた殺微生物効果を示すことに基づいている。本発明における混合液の被処理水系への添加量は、被処理水系の規模、対象とする水系の水質、スライムの発生程度、添加頻度等により異なるために一律に決められるものではないが、通常は該水系の水において残留塩素濃度が1〜50mg/Lとするのが望ましい。残留塩素濃度として1mg/Lより低い場合には、実質的に本発明の効果が期待できず、また50mg/Lより多い場合は、経済性の面で好ましくない。また、1回5〜30分、1日当り2〜5回の添加で好ましい効果が得られる。
本発明の方法には、安定性を損なわない範囲内で、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールや2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールなどのブロモアルコール系殺菌剤、5−クロロ−2−メチルイソチアゾロンや2−メチルイソチアゾロンなどのイソチアゾロン系殺菌剤、その他の殺菌剤の添加、配合することができる。
混合液の調製方法を図1により説明する。まず、希釈用水、例えば20〜40L/分で工業用水を、水流入ロ(1)より流量調節用バルブ(2)及び流量計(3)を経て主配管(4)中を流れさせる。ジアソ溶液は、薬液タンク(5)から定量ポンプ(6)により水が流れる主配管に添加されると同時にラインミキサー(7)により希釈され、均一なジアソの希釈液となる。一方、硫安水溶液は、薬液タンク(8)から定量ポンプ(9)により、均一なジアソ希釈液に対して、添加直後は高濃度となる状態で添加される。そして、添加と同時に反応し、主配管中のラインミキサー(10)により効率的に高濃度の殺微生物効果を有した混合液が主配管の管路内で調製され、排出口(11)を経て被処理水系へ添加される。これら、主配管を流れる水量や薬剤添加量は、各バルブやポンプを制御することで調整でき、タイマー制御装置(12)により、薬剤添加時間と時間間隔を制御することができる。
次に、本発明を実施例及び試験例を挙げて更に具体的に説明する。ジアソは、残留塩素濃度(Cl)として12%濃度の工業用ジアソ溶液を用い、硫安水溶液は、上水中に硫安を溶解して35%水溶液としたものを用いた。臭安は上水中に臭安を溶解して30%水溶液としたものを用いた。これらを用い各試験例に用いた実施例及び比較例に示す混合液を、図1に示す装置を用いて調製した。
実施例1では、主配管に30L/分となる工業用水を流し、ジアソ溶液を1分間当りの残留塩素濃度が3g/L(ジアソ溶液として750g/L)となるように添加し、硫安を1分間当り5.02g/L(硫安溶液として430g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.8の混合液を調製した。
実施例2では、硫安を4.46g/L(硫安溶液として383g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.6の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
実施例3では、硫安を3.91g/L(硫安溶液として335g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.4の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
実施例4では、硫安を3.35g/L(硫安溶液として287g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.2の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
実施例5では、実施例1のジアソ溶液を1分間当りの残留塩素濃度が1.0g/L(ジアソ溶液として250g/L)となるように添加し、硫安を1分間当り1.49g/L(硫安溶液として128g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.6の混合液を調製した。
実施例6では、実施例1のジアソ溶液を1分間当りの残留塩素濃度が4g/L(ジアソ溶液として1000g/L)となるように添加し、硫安を1分間当り5.95g/L(硫安溶液として510g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.6の混合液を調製した。
実施例7では、実施例1のジアソ溶液を1分間当りの残留塩素濃度が6.0g/L(ジアソ溶液として1500g/L)となるように添加し、硫安を1分間当り8.93g/L(硫安溶液として766g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.6の混合液を調製した。
比較例1では、実施例1の硫安を11.2g/L(硫安溶液として957g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:4の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
比較例2では、実施例1の硫安を5.85g/L(硫安溶液として478g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:2の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
比較例3では、実施例1の硫安を2.79g/L(硫安溶液として239g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
比較例4では、実施例1の硫安を1.39g/L(硫安溶液として120g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:0.5の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
比較例5では、実施例1のジアソ溶液を1分間当りの残留塩素濃度が0.5g/L(ジアソ溶液として125g/L)となるように添加し、硫安を1分間当り0.74g/L(硫安溶液として64g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.6の混合液を調製した。
比較例6では、実施例1のジアソ溶液を1分間当りの残留塩素濃度が7.0g/L(ジアソ溶液として1750g/L)となるように添加し、硫安を1分間当り10.4g/L(硫安溶液として893g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:1.6の混合液を調製した。
比較例7では、実施例1の硫安溶液の替りに臭安溶液を用い、1分間当り8.28g/L(臭安溶液として828g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:2の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
比較例8では、実施例1の硫安溶液の替りに臭安溶液を用い、1分間当り2.07g/L(臭安溶液として207g/L)となるように添加してCl:NH のモル比が1:0.5の混合液を調製した。他の条件は実施例1と同様である。
比較例9では、ジアソ溶液のみを用いて30L/分の水中に1分間当りの残留塩素濃度が3g/L(ジアソ溶液として750g/L)となるように添加して調製した。これらをまとめると表1の通りである。
Figure 0004730968
試験例1 殺菌活性試験
某製紙会社の新聞古紙原料を用いた抄造工程白水(pH6.4、細菌数7.8×10CFU/ml、カビ数4.4×10CFU/ml、還元物質を2ppm含有している)を試験水として用い、上記実施例1〜4及び比較例1〜4、7〜9に従って調製した混合直後の混合液を試験水に添加して効力評価を行った。試験水に対する添加量は、ジアソのみを使用した場合(比較例9)の塩素濃度を基準として同等量を加えた。試験条件は、30℃の恒温槽中で振とう培養し、薬剤添加10分後の試験水中の生菌数を測定して行った。細菌に対する効果を表2に、カビに対する効果の結果を表3に示す。なお、添加量は、塩素量で示した。
Figure 0004730968
Figure 0004730968
表2及び表3から、本発明の方法と同様にして特許文献3に記載されたジアソと臭安を1:2又は1:0.5の配合比で使用した場合に比べ、硫安を、Cl:NH のモル比が1:1.2〜1.8の比率で用いた場合、優れた殺菌力があり、特に、カビに対して高い効果があることがわかる。
試験例2 最適添加塩素濃度試験
残留塩素と硫安の配合比を一定(1:1.6)に保ち、ジアソの添加時の残留塩素濃度を変えて最適の添加塩素濃度を調べた。殺菌試験は、試験例1と同様の試験液、方法で行った。表4に細菌に対する効果を、表5にカビに対する効果の結果を示す。
Figure 0004730968
Figure 0004730968
表4及び表5より、混合時の主配管中での毎分当りの流水量に対する残留塩素濃度(Cl)が1〜6g/Lにあるときには、高い殺菌効果を示すが、この範囲から外れるとその効果は悪くなることがわかる。
試験例3 残留塩素中の結合塩素の測定
実施例及び比較例に従って調製した混合液の混合直後の残留塩素濃度(mg/L)と遊離塩素濃度(mg/L)及びpHの測定をした。塩素濃度の測定は、JISK0101の方法に従った。結合塩素濃度は、残留塩素濃度から遊離塩素濃度を差引き求め、残留塩素に占める結合塩素の割合(CC)を算出した。結果を表6に示す。なお、表中、FC(上段)は、遊離塩素濃度(mg/L)、RC(下段)は、残留塩素濃度(mg/L)を示す。
Figure 0004730968
表6に示されるように、本発明の試験区(実施例1〜7)では、残留塩素濃度に占める結合塩素濃度の割合が65〜75%の範囲にある。ジアソのみの試験区(比較例9)では、塩素濃度は、そのほぼ全量が遊離塩素として示される。特許文献3に記載された1:0.5の割合で臭安を用いた場合(比較例8)の残留塩素濃度に占める結合塩素濃度の割合は、52.1%と低い値であった。なお、この割合の低かった試験区(比較例4)では、強烈な臭気が発生した。
試験例4 微生物の増殖能阻害試験
某製紙会社の上質紙抄造工程白水(pH6.9、細菌数10CFU/ml、還元物質を1ppm含有している)をろ過し、滅菌蒸留水で細菌数を10CFU/mlに希釈調製し、栄養源として滅菌処理した普通ブイヨン(栄研化学株式会社製)を1%添加したものを試験液とした。この試験液に実施例及び比較例に従って得た混合直後の薬剤混合液を添加し、30℃にて振とうし、試験液の濁度(660nmにおける吸光度)を経時的に測定した。最初の濁度の指数に対する指数が0.1を超える時点を菌の増殖の開始時とした。薬剤無添加区の増殖の開始時と薬剤添加区の増殖の開始時との時間差を増殖抑制時間とした。結果を表7に示す。なお、混合液の添加量は、塩素量で示した。
Figure 0004730968
表7に見られるように、アンモニウム塩として硫安を用いて本発明の試験区では、増殖抑制時間が長く、本発明の比率から外れた混合液や臭安を用いた場合は短いことがわかる。この増殖抑制時間の長いことは、微生物が薬剤によりダメージを受けた後、ダメージから回復し再び増殖するまでに長時間を要することであり、微生物に対する静菌力の高いことが示される。したがって、本発明によれば、1回の添加でスライムの発生を抑制できる時間が長くなり、1日当りの添加回数や1回当りの添加時間を減らすことが可能となる。
薬剤添加方法の一例を示す工程の概略図である。
符号の説明
1:水流入口、
2:流量調節用バルブ、
3:流量計、
4:主配管、
5:薬液タンク(ジアソ溶液用)、
6:定量ポンプ、
7:ラインミキサー、
8:薬液タンク(硫安水溶液用)、
9:定量ポンプ、
10:ラインミキサー、
11:排出ロ、
12:制御装置

Claims (3)

  1. 被処理水系に接続する水の流れる配管内に、次亜塩素酸ナトリウムを残留塩素(Cl )として1〜6g/Lとなるように注入した後、高濃度の硫酸アンモニウムを注入して、配管内で次亜塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムとを、残留塩素(Cl)に対するNH のモル比が1:1.2〜1.8となるように混合して得た混合液を用いて被処理水系の微生物の生育を抑制する方法。
  2. 前記混合液は、遊離塩素と結合塩素の割合が25〜35:75〜65であることを特徴とする請求項1記載の微生物の生育を抑制する方法。
  3. 前記被処理水系が紙パルプ工業分野における抄紙工程水であることを特徴とする請求項1又は2記載の微生物の生育を抑制する方法。
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