JP4730355B2 - 内燃機関のポート及びポート製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関のポート及びポート製造方法に関する。
内燃機関のシリンダヘッドに設けられる吸気ポート又は排気ポートの燃焼室側の端部領域は、スロートカッタによって吸気ポート又は排気ポートのスロート部を切削加工すると共に吸気ポート又は排気ポートの端部に嵌め込まれたバルブシートの内面をシートカッタによって切削加工することによって形成される。
具体的には、例えば、吸気ポートの燃焼室側の端部領域を形成するには、まずシートカッタを吸気弁の軸線と同軸に進めてバルブシートのシート面を切削加工する。その後、スロートカッタを吸気弁の軸線に対して吸気ポートの中心軸線側に所定角度だけ傾斜させた軸線に沿って進め、バルブシートのシート面及び吸気ポートのスロート部を加工する。このようにスロートカッタを吸気弁の軸線に対して傾斜させた軸線に沿って進めることにより、吸気ポート上面に沿った吸気ガスが直線的に流れるようになるため、燃焼室内に生じるタンブル流を強いものとすることができる(特許文献1)。
特開2005−201089号公報 特許第3575337号 特開平5−106450号公報 特開2004−162563号公報 特開2003−262156号公報
ところで、上記特許文献1に記載の吸気ポートでは、吸気弁の軸線と同軸にシートカッタを進め、バルブシートのシート面をほぼ切頭円錐形状に切削加工するようにしている。このため、シートカッタによって形成されるシート面は、その中心が吸気弁の軸線上に位置する複数段の部分シート面から形成されることになる。
吸気ポートについてバルブシートのシート面をこのように形成した場合、吸気ポートの傾斜角度、ポート径、ポート高さ等に応じて燃焼室に流入する吸気ガスの流量又は燃焼室内の吸気ガスに生じるタンブル流の強さが変化する。しかしながら、斯かる吸気ポートでは、吸気ガスの流量が多くなるような形状にするとタンブル流が弱くなり、逆にタンブル流が強くなるような形状にするとタンブル流が強くなる傾向にある。すなわち、上記吸気ポートでは、吸気ガスの流量とタンブル流の強さを同時に改善することはできない。
また、排気ポートについてもバルブシートのシート面をこのように形成すると、燃焼室内の排気ガスを効率良く排気ポートを介して排出することができない。
そこで、本発明の目的は、タンブル流を強めつつ吸気ガスの流量を増大させることができる内燃機関の吸気ポートを提供すること、及び排気効率の高い排気ポートを提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、端部にバルブシートが嵌め込まれた内燃機関のポートにおいて、バルブシートのシート面が燃焼室に向かって広がるように複数の段から形成されており、これら複数の段によって画成されるシート面の湾曲半径がバルブシートの周方向の位置によって異なり、上記シート面の各段を画成する部分シート面は所定の軸線回りに環状に形成されており、各部分シート面の軸線は他の部分シート面の軸線と平行に延びると共に該他の部分シート面の軸線からずれている。
第1の発明によれば、シート面の湾曲半径がバルブシートの周方向の位置によって異なるものとされる。このため、湾曲半径が大きいところでは吸気ガス又は排気ガスがシート面に沿って滑らかに流れ、また湾曲半径が小さいところでは吸気弁又は排気弁の弁体の外周とシート面の最も径方向(吸気弁又は排気弁の径方向)内側の部分との間の径方向の距離が短くなる。このため、吸気ポートでは、湾曲半径を大きくする位置及び小さくする位置を適切に選択することにより燃焼室内のタンブル流を強めたり、吸気ポートを通って流れる吸気ガスの流量を増大させたりすることができ、また排気ポートでは湾曲半径を大きくする位置及び小さくする位置を適切に選択することにより排気ポートを通って流れる排気ガスの流量を増大させることができる。
なお、シート面は複数の段によって画成されることから、滑らかに湾曲しているわけではない。従って、「湾曲半径」という用語は、複数の段から画成されたシート面を滑らかな湾曲面に置き換えた場合における湾曲半径を示している。
の発明では、第の発明において、当該内燃機関のポートは吸気ポートであり、上記バルブシートからの吸気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも小さい。
の発明では、第の発明において、当該内燃機関のポートは吸気ポートであり、上記バルブシートからの吸気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも大きい。
の発明では、第の発明において、当該内燃機関のポートは吸気ポートであり、吸気ポートは各気筒当たり二つ設けられ、各吸気ポートの最も湾曲半径の小さいシート面が他方の吸気ポートの燃焼室側端部に向かう方向と吸気ポートの延在方向との間の方向側に設けられる。
の発明では、第の発明において、当該内燃機関のポートは排気ポートであり、上記バルブシートからの排気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも小さい。
の発明では、第の発明において、当該内燃機関のポートは排気ポートであり、上記バルブシートからの排気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも大きい。
上記課題を解決するために、第の発明では、複数のシートカッタにより順々にバルブシートの切削を行うことによりバルブシートの段加工を行う内燃機関のポート製造方法において、一つのシートカッタを吸気弁又は排気弁の軸線と同軸の加工軸線回りで回転させることによりバルブシートの一つの部分シート面を切頭円錐状に形成する工程と、各部分シート面の軸線が他の部分シート面の軸線と平行に延びると共に該他の部分シート面の軸線からずれるように、上記一つのシートカッタとは別のシートカッタを上記加工軸線と平行で且つ該加工軸線からずれている別の加工軸線回りで回転させることにより上記一つの部分シート面とは別の部分シート面を切頭円錐状に形成する工程とを具備する
の発明では、第の発明において、上記他のシートカッタの軸線をバルブシートからのポートの延在方向又はその反対方向にずらすようにした。
本発明によれば、タンブル流を強めつつ吸気ガスの流量を増大させることができる内燃機関の吸気ポートが提供されると共に排気効率の高い排気ポートが提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明が適用される内燃機関の全体図である。なお、図示した内燃機関は、ポート噴射タイプのガソリンエンジンであるが、本発明は、例えば、直噴タイプ(燃焼室に燃料を直接噴射するタイプ)のガソリンエンジンやディーゼルエンジンといったその他の内燃機関にも適用可能である。
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は燃焼室5の頂面中央部に配置された点火プラグ、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれぞれ示す。吸気ポート8は吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、各吸気枝管11にはそれぞれ対応する吸気ポート8内に向けて燃料を噴射するための燃料噴射弁13が配置される。なお、燃料噴射弁13は各吸気枝管11に取付ける代りに各燃焼室5内に配置してもよい。
サージタンク12は吸気ダクト14を介して排気ターボチャージャ15のコンプレッサ15aの出口に連結され、コンプレッサ15aの入口は例えば熱線を用いた吸入空気量検出器16を介してエアクリーナ17に連結される。吸気ダクト14内にはアクチュエータ18によって駆動されるスロットル弁19が配置される。
一方、排気ポート10は排気マニホルド20を介して排気ターボチャージャ15の排気タービン15bの入口に連結され、排気タービン15bの出口は排気管21を介して排気浄化触媒(三元触媒等)を内蔵した触媒コンバータ22に連結される。
図2は本発明の第一実施形態のポートの断面側面図であり、図2(b)は図2(a)に示したシート部の拡大図である。図2に示したように、吸気ポート8の一方の端部(以下、「燃焼室側端部」と称す)31は燃焼室5に連通すると共に、他方の端部(以下、「枝管側端部」と称す)32(図1参照)は吸気枝管11に連通する。吸気ポート8は三つの部分に分けることができ、これら部分は燃焼室側端部31から枝管側端部32へ向かってシート部33、スロート部34、ポート本体部35の順に配置される。
吸気ポート8のシート部33には、すなわち吸気ポート8の燃焼室側端部31近傍には、バルブシート40が設けられる。バルブシート40はシリンダヘッド3に設けられた凹部内に嵌め込まれ、バルブシート40の内面(シート面)は吸気ポート8の一部を画成する。
吸気ポート8の燃焼室側端部31近傍には、吸気弁7の弁体7aが配置される。吸気弁7は吸気弁7の軸線IVに沿って摺動可能であり、この吸気弁7の摺動に伴って燃焼室5と吸気ポート8内との間が開閉せしめられる。吸気弁7が閉弁されているとき、すなわち弁体7aの外周に設けられた環状の当接面7bがバルブシート40のシート面41に当接し、これにより吸気ポート8と燃焼室5との間の連通が遮断される。一方、吸気弁4が開弁されているときには、吸気弁7の当接面7bはバルブシート40のシート面41に当接しておらず、よって吸気弁7の弁体7aとバルブシート40のシート面41との間に通路が形成され、これにより吸気ポート8と燃焼室5とが連通せしめられる。
バルブシート40のシート面41は、後述するようにシートカッタによって研削することにより形成される面であり、図2に示したように複数段の部分シート面41a〜41dから形成される。図示した実施形態では4段の部分シート面から形成される。各部分シート面41a〜41dは吸気弁7の軸線IVと平行な軸線を中心としたほぼ切頭円錐状である。各部分シート面41a〜41dはその軸線に対してそれぞれ異なる傾斜角度α1〜α4で傾斜している。
図2(b)を参照して、部分シート面41a〜41dの傾斜角度について説明する。図2(b)において一点鎖線Lは吸気弁7の軸線IVと平行な直線を示している。燃焼室5から最も離れて配置された部分シート面を第一部分シート面41aとし、その傾斜角度をα1とすると、第一部分シート面41aの燃焼室5側に第一部分シート面41aに隣接して配置された第二部分シート面41bの傾斜角度α2は第一部分シート面41aの傾斜角度α1よりも大きい。また、第二部分シート面41bの燃焼室5側に第二部分シート面41bに隣接して配置された第三部分シート面41cの傾斜角度α3は第二部分シート面41bの傾斜角度α2よりも大きく、第三部分シート面41cの燃焼率5側に第三シート面41cに隣接して配置された第四部分シート面41dの傾斜角度α4は第三部分シート面41cの傾斜角度α3よりも大きい(α1<α2<α3<α4)。本実施形態では、例えば、第一部分シート面41aの傾斜角度α1が15°、第二部分シート面41bの傾斜角度α2が30°、第三部分シート面41cの傾斜角度α3が45°、第四部分シート面41dの傾斜角度α4が60°とされる。
本発明の実施形態では、ほぼ切頭円錐状である部分シート面41a〜41dの中心となる軸線(以下、単に「部分シート面の軸線」と称す)は、全ての部分シート面41a〜41dについて同一ではなく、部分シート面毎に異なっている。
図示した実施形態では、吸気弁7が閉弁したときに吸気弁7の当接面7bと当接する第三部分シート面41cの軸線A3が吸気弁7の軸線IVと同軸となっている。第一部分シート面41aの軸線A1、第二部分シート面41bの軸線A2及び第四部分シート面41dの軸線A4は、第三部分シート面41cの軸線A3と平行ではあるが、燃焼室側端部31から吸気ポート8が延びる方向(以下、「吸気ポートの延在方向」と称す)X又はその反対方向Yにずれている。
特に、図2に示した実施形態では、第一部分シート面41aの軸線A1及び第二部分シート面41bの軸線A2は第三部分シート面41cの軸線A3に対して吸気ポートの延在方向Xにずれており、そのずれ幅は軸線A2よりも軸線A1の方が大きい。一方、第四部分シート面41dの軸線A4は第三部分シート面41cの軸線A3に対して吸気ポートの延在方向とは反対方向Yにずれている。従って、これら軸線A1〜A4は、互いに平行に且つ吸気ポートの延在方向Xからその反対方向Yに向かって軸線A1、A2、A3、A4の順に並ぶような関係となる。特に、本実施形態では、軸線A1とA2との間隔、軸線A2とA3との間隔、軸線A3とA4との間隔は互いに等しいものとされる。
このように軸線A1〜A4が互いにずれるように部分シート面41a〜41dを形成することによって、各部分シート面41a〜41dの吸気弁軸線方向の幅がその部分シート面の円周方向の位置によって異なるものとなる。図示した実施形態では、吸気ポートの延在方向X側、すなわち吸気ポート8の内側における各部分シート面の上記幅は、吸気ポートの延在方向とは反対方向Y側、すなわち吸気ポート8の外側における各部分シート面の上記幅よりも小さい。
ここでシート面41の周方向の特定の位置において全ての部分シート面41a〜41dによって画成される段付きの面を湾曲面と称すると、上述したようなシート面41の構成により、この湾曲面の曲率半径はシート面41の周方向の位置に応じて異なるものとなる。図2に示した実施形態では、シート面41の湾曲面の曲率半径のうち、吸気ポートの延在方向X側のシート面41(以下、「内側シート面41X」と称す)の曲率半径R1が最も小さく、逆に吸気ポートの延在方向とは反対方向Y側のシート面41(以下、「外側シート面41Y」と称す)の曲率半径R2が最も大きい。
次に、図3を参照して、シート面41をこのように形成することによる効果について説明する。図3は図2(a)と同様な図である。まず、外側シート面41Yの曲率半径R2が大きいため、吸気ポート8の上面に沿って流れてきた吸気ガスは、外側シート面41Y上を通って比較的直線的に燃焼室5内に進入することができるようになる(図3のF1)。このため、このような吸気ガスの流れF1に対する吸気抵抗が減少し、外側シート面41Y上を通って燃焼室5内に流入する吸気ガスの流量が増大する。このようにして燃焼室5内に進入した吸気ガスは燃焼室5の上面に沿って流れ、その後燃焼室5の下方へと潜るように流れることになるため、吸気ガスの流れF1を増大させると燃焼室5内に生じるタンブル流が強くなる。従って、上記実施形態の吸気ポートによれば、外側シート面41Yの曲率半径R2が大きくされるため、燃焼室5内に生じるタンブル流が強くなる。
また、シート面41を上述したように形成することによって、吸気ポート8のシート部33からスロート部34への連通位置が吸気ポートの延在方向側にずれることになる。すなわち、全ての部分シート面41a〜41dを吸気弁7の軸線IVと同軸にした場合には、シート部33からスロート部34への連結位置は吸気弁7の軸線IVを中心とした位置となるのに対して、上記構成のシート面41を有する場合には、斯かる連結位置は吸気弁7の軸線IVからずれた第一部分シート面41aの軸線A1を中心とした位置となる。このことによっても、吸気ポート8の上面に沿って流れてきた吸気ガスは、外側シート面41Y上を通って比較的直線的に燃焼室5内に進入することができるようになり、その結果燃焼室5内に生じるタンブル流が強くなる。
従って、上述したようなシート面41を有する吸気ポート8を用いることによって、タンブル流を強くすることができる。
また、本実施形態では、内側シート面41Xの曲率半径R1が小さいため、吸気弁7の弁体7aの外周と内側シート面41bの最も径方向内側(吸気弁7の径方向)の部分との間の径方向の距離(図3中のD1)が短くなる。この距離が長いと吸気ポート8の下面に沿って流れてきた吸気ガスの多くが吸気弁7の弁体7aの上面に衝突することになるため、燃焼室5内へ流入する吸気ガスの流量が減少してしまう。これに対して、本実施形態では、この距離D1が短くなるため、吸気ポート8の下面に沿って流れてきた吸気ガスのほとんどは吸気弁7の弁体7a上面に衝突することなく燃焼室5内へ流入する(図3中のF2)。このため、燃焼室5内へ流入する吸気ガスの流量が増大する。従って、上述したようなシート面41を有する吸気ポート8を用いることによって、燃焼室5内への吸気ガスの流量を増大させることができる。
図4は、様々な吸気ポートにおけるタンブル比と流量係数との関係を示す図である。一般に、吸気弁の軸線に対する吸気ポートの延びる角度や吸気ポートのポート径等に応じてタンブル比と流量係数とは図4に従来のポートとして示した関係をとる。すなわち、流量係数を大きくしようとして吸気ポートの延びる角度を小さくしたり吸気ポートのポート径を大きくしたりすると、タンブル比が小さくなり、逆にタンブル比を大きくしようとすると流量係数が小さくなってしまう。
これに対して、上記実施形態の吸気ポートによれば、上述したように燃焼室5内に生じるタンブル流を強くしつつ燃焼室5内に流入する吸気ガスの流量を増大させることができる。特に、本実施形態の吸気ポートではタンブル比と流量係数とは図4に第一実施形態のポートとして示した関係をとる。このように、本実施形態によれば、タンブル比及び流量係数を共に大きくすることができ、よって極めて効率の高い吸気ポートを実現することができる。
なお、上記実施形態では、シート面41は4段の部分シート面41a〜41dから形成されているが、必ずしも部分シート面の段数は4段でなくてもよく、5段以上又は3段以下のいずれであってもよい。また、上記実施形態では、下から2段目に配置される第三部分シート面41cを吸気弁7の当接面7bと当接する当たり面としているが、必ずしも下から2段目を当たり面とする必要はない。ただし、吸気弁7の当接面7bと当接する部分シート面はその軸線が吸気弁の軸線と同軸になるように形成される必要がある。
また、上記実施形態では、各部分シート面毎にその軸線をずらすこととしているが、シート面の湾曲面の曲率半径がシート面の周方向の位置に応じて異なるように、各部分シート面毎にその軸線の傾斜角度を変更するようにしてもよい。この場合にも、吸気弁7の当接面7bと当接する部分シート面はその軸線が吸気弁の軸線と同軸になるように形成される必要がある。
図5及び図6は、上記実施形態の吸気ポートの製造方法を示す図である。なお、以下では、図5(a)、(b)、(c)、図6(a)、(b)の順にスロートカッタ50及びシートカッタ51〜54によって吸気ポート8のシート部33等の切削加工が行われる場合を示しているが、必ずしもこの順序で切削加工を行う必要はなく、上記手順とは逆の手順で切削加工が行われてもよいし、これら以外の手順で切削加工が行われてもよい。
図5に示した実施形態では、まず、シリンダヘッド3の鋳造段階で吸気ポート8のポート本体部35を形成すると共に、シリンダヘッド3の鋳造後に吸気ポート8の燃焼室側端部付近に設けられた凹部内にバルブシート40を圧入する。
その後、図5(a)に示したように、スロートカッタ50が吸気ポート8の燃焼室側端部付近に進入せしめられる。このときスロートカッタ50はその軸線が上述した第一部分シート面41aの軸線A1上に位置する状態で移動せしめられる。これにより、バルブシート40及び吸気ポート8の燃焼室側端部付近の側壁が切削され、スロート部34が形成される。
次いで、図5(b)に示したように、シートカッタ51により吸気ポート8の燃焼室側端部付近が切削加工される。このときシートカッタ51はその軸線が上述した第一部分シート面41aの軸線A1上に位置する状態で移動せしめられる。すなわち、シートカッタ51は切削加工の際に軸線A1回りで回転せしめられる。このシートカッタ51は、軸線A1に対して傾斜角度α1で傾斜した切削面を有している。このシートカッタ51によりバルブシート40及び吸気ポート8の燃焼室端部付近の側壁が切頭円錐形状に切削される。このように切削された切頭円錐形状の表面は第一部分シート面41aを構成する。
次いで、図5(c)、図6(a)、図6(b)に示したように、シートカッタ52、53、54により順に吸気ポート8の燃焼室側端部付近が切削加工される。このときシートカッタ52、53、54はそれぞれその軸線が上述した第二部分シート面41bの軸線A2、第三部分シート面41cの軸線A3、第四部分シート面41dの軸線A4上に位置する状態で移動せしめられる。すなわち、シートカッタ52、53、54は切削加工の際にそれぞれ軸線A2、A3、A4回りで回転せしめられる。シートカッタ52は軸線A2に対して傾斜角度α2で傾斜した切削面を有し、シートカッタ53は軸線A3に対して傾斜角度α3で傾斜した切削面を有し、シートカッタ54は軸線A4に対して傾斜角度α4で傾斜した切削面を有している。シートカッタ52により切削された切頭円錐形状の表面は第二部分シート面41bを構成し、シートカッタ53により切削された切頭円錐形状の表面は第三部分シート面41cを構成し、シートカッタ54により切削された切頭円錐形状の表面は第四部分シート面41dを構成する。
このように、シートカッタ51〜54の軸線をずらしつつ切削加工をすることにより、図2に示したような湾曲面の曲率半径がシート面41の周方向の位置に応じて異なる吸気ポート8が形成される。
次に、図7を参照して本発明の第二実施形態のポートについて説明する。図7は本発明の第二実施形態の吸気ポート8’の断面側面図である。図7に示した吸気ポート8’の形状は基本的に図2に示した吸気ポート8の形状と同様である。しかしながら、図7に示した吸気ポート8’では吸気弁7の軸線IVとポート本体部35が延びる方向との角度が図2に示した吸気ポート8における角度よりも大きい。また、図7に示した吸気ポート8’におけるシート面41’の構成は図2に示した吸気ポート8におけるシート面41の構成とは異なっている。
図7に示した第二実施形態でも、図2に示した第一実施形態と同様に、バルブシート40’のシート面41’は、シートカッタによって研削することにより形成される面であり、複数段の部分シート面41’a〜41’dから形成される。図示した実施形態では、シート面41’は4段の部分シート面から形成される。各部分シート面41’a〜41’dは吸気弁7の軸線IVと平行な軸線を中心としたほぼ切頭円錐状である。各部分シート面41’a〜41’dは図2に示した第一実施形態と同様にその軸線に対してそれぞれ異なる傾斜角度α1〜α4で傾斜している。これら傾斜角度は第一実施形態と同様にα1<α2<α3<α4の関係を有する。
そして、本実施形態では、部分シート面41’a〜41’dの軸線A1〜A4は、第一実施形態と同様に部分シート面41’a〜41’d毎に異なっているが、その軸線のずれる方向が第一実施形態と異なっている。
図7に示した実施形態では、吸気弁7が閉弁したときに吸気弁7の当接面7bと当接する第三部分シート面41’cの軸線A3が吸気弁7の軸線IVと同軸となっている。第一部分シート面41’aの軸線A1、第二部分シート面41’bの軸線A2及び第四部分シート面41’dの軸線A4は、第三部分シート面41’cの軸線A3と平行ではあるが、吸気ポートの延在方向X又はその反対方向Yにずれている。
図7に示した実施形態では、第一部分シート面41a’の軸線A1及び第二部分シート面41’bの軸線A2は第三部分シート面41’cの軸線A3に対して吸気ポートの延在方向とは反対方向Yにずれており、そのずれ幅は軸線A2よりも軸線A1の方が大きい。一方、第四部分シート面41’dの軸線A4は第三部分シート面41’cの軸線A3に対して吸気ポートの延在方向Xにずれている。従って、これら軸線A1〜A4は、互いに平行に且つ吸気ポートの延在方向Xからその反対方向Yに向かって軸線A4、A3、A2、A1の順に並ぶような関係となる。特に、本実施形態では、軸線A1とA2との間隔、軸線A2とA3との間隔、軸線A3とA4との間隔は互いに等しいものとされる。
このように軸線A1〜A4が互いにずれるように部分シート面41’a〜41’dを形成することによって、吸気ポートの延在方向X側、すなわち吸気ポート8’の内側における各部分シート面の吸気弁軸線方向の幅は、吸気ポートの延在方向とは反対方向Y側、すなわち吸気ポート8’の外側におけるその部分シート面の上記幅よりも大きい。換言すると、図7に示した実施形態では、シート面41’の湾曲面の曲率半径のうち、吸気ポートの延在方向X側のシート面41’(内側シート面41’X)の曲率半径R3が最も大きく、逆に吸気ポートの延在方向とは反対方向Y側のシート面41’(外側シート面41’Y)の曲率半径R4が最も小さい。
次に、図7に示したようにシート面41’を構成する効果について説明する。内側シート面41’Xの曲率半径R3が大きいため、吸気ポート8’の下面に沿って流れてきた吸気ガスは内側シート面41’Xに沿って滑らかに流れるようになる。このため、吸気ポート8の下面に沿って流れてきた吸気ガスは燃焼室5内へ流入し易くなる。したがって、本実施形態によれば、内側シート面41’Xの曲率半径R3が大きいため、燃焼室5内へ流入する吸気ガスの流量が極めて増大する。
一方、外側シート面41’Yの曲率半径R4は小さいため、図2に示した第一実施形態の吸気ポート8に比べて、吸気ポート8の上面に沿って流れてきた吸気ガスは、外側シート面41’Yに沿って流れにくくなる。このため、本実施形態の吸気ポート8’によれば、第一実施形態の吸気ポート8に比べて燃焼室5内に生じるタンブル流は弱くなる。
以上より、本実施形態の吸気ポート8’によれば、従来の吸気ポートと比較すると、流量係数は大きくなるが、タンブル比はあまり大きくならない。ここで、図4を参照して説明すると、全ての部分シート面の軸線が同一となっている従来の吸気ポートであって流量係数とタンブル比との関係がm1となっている吸気ポートがあるとすると、この吸気ポートのシート面を第一実施形態のような構成にすると流量係数とタンブル比との関係はm2となるのに対して、この吸気ポートのシート面を第二実施形態のような構成にすると流量係数とタンブル比との関係はm3となる。
次に、図8及び図9を参照して本発明の第三実施形態のポートについて説明する。図8及び図9は、燃焼室5の上面を示す概略底面図である。第三実施形態の吸気ポートの形状は基本的に図1に示した吸気ポート8の形状と同様である。しかしながら、図8及び図9に示した第三実施形態におけるシート面41’’の構成は図2に示した吸気ポートにおけるシート面41の構成とは異なっている。
本実施形態によれば、各気筒に対して二つの吸気ポート8’’が設けられており、燃焼室5には二つの吸気ポート8’’が連通することになる。
図2に示した第一実施形態の吸気ポート8では、上述したように、第一部分シート面41aの軸線A1、第二部分シート面41bの軸線A2、第三部分シート面41cの軸線A3、第四部分シート面41dの軸線A4は互いに平行に且つ吸気ポートの延在方向Xからその反対方向Yに向かって軸線A1、A2、A3、A4の順に並ぶような関係となっている。
これに対して、第三実施形態の吸気ポート8’’では、各吸気ポートの燃焼室側端部31から他方の吸気ポートの燃焼室側端部31に向かう方向と吸気ポートの延在方向との間の方向(図9の角度β1及びβ2内の方向)から、その逆方向に向かって軸線A1、A2、A3、A4の順に並ぶような関係となっている。換言すると、図8に示した実施形態では、両吸気ポート8’’の燃焼室側端部の中心間を結んだ直線Mに対して角度γ(0°≦γ≦90°。図8及び図9に示した例では45°)で延びる直線Nとほぼ垂直に交わるように軸線A1、A2、A3、A4が配置されることになる。
このように軸線A1〜A4が互いにずれるように部分シート面41a〜41dを形成することによって、シート面41’’の湾曲面の曲率半径はシート面41の周方向の位置に応じて異なるものとなり、図8に示した実施形態では、シート面41’’の湾曲面の曲率半径のうち、上記両吸気ポート8’’の燃焼室側端部の中心間を結んだ直線Mに対して角度γの方向側のシート面41’’の曲率半径が最も小さく、その反対側のシート面41’’の曲率半径が最も大きい。
次に、図9を参照して、シート面41’’をこのように形成することによる効果について説明する。図9に示したように、曲率半径が最も大きいシート面41’’の部分に沿って流出した吸気ガスは燃焼室5の上面及び燃焼室5の側壁に沿って燃焼室5の径方向外側領域まで流れる(図9中のF3)。一方、燃焼室5の中央寄りのシート面41’’の部分に沿って流出した吸気ガスは燃焼室5の上面及び燃焼室5の中央を通って燃焼室5の径方向外側領域まで流れる(図9中のF4)。
ここで、このようにしてシート面41’’の異なる部分に沿って流出した異なる吸気ガスの流れは、燃焼室5内の上面に沿った所定の領域で衝突することになる。そして、衝突した吸気ガスは、その衝突した位置において燃焼室5の下方(図9の紙面に対して垂直方向)に潜ることになる。このように吸気ガスが下方に潜る位置が、すなわち異なる吸気ガスの流れの衝突位置が燃焼室5の径方向外側であればあるほど、燃焼室5内に生じるタンブル流が強くなる。
ここで、本実施形態によれば、曲率半径が最も大きいシート面41’’の部分に沿って流出する吸気ガスは、シート面41’’の曲率半径が大きいため、シート面41’’に沿って流れるときの吸気抵抗が小さく、よって燃焼室5内に流出したときの流速が速い。一方、燃焼室5の中央寄りのシート面41’’の部分に沿って流出する吸気ガスは、曲率半径が最も大きいシート面41’’の部分よりも曲率半径が小さいため、シート面41’’に沿って流れるときの吸気抵抗は大きく、よって燃焼室5内に流出したときの流速が遅い。
このため、本実施形態によれば、図9に示したように、曲率半径が最も大きいシート面41’’の部分に沿って流出した吸気ガスの流れF3と、燃焼室5の中央寄りのシート面41’’の部分に沿って流出した吸気ガスの流れF4とは、燃焼室5の径方向において最も外側で衝突することになり、よって燃焼室5内に生じるタンブル流は極めて強いものとなる。
なお、上記説明では、各吸気ポートの燃焼室側端部31から他方の吸気ポートの燃焼室側端部31に向かう方向と吸気ポートの延在方向との間の方向に軸線A1、A2、A3、A4が並ぶとしている。ただし、最も好ましいのは、曲率半径が最も大きいシート面41’’の部分に沿って流出した吸気ガスの流れF3と燃焼室5の中央寄りのシート面41’’の部分に沿って流出した吸気ガスの流れF4とが燃焼室5の径方向において最も外側で衝突するように軸線A1、A2、A3、A4を並ばせてシート面41’’を形成することである。
次に、図10を参照して、本発明の第四実施形態のポートについて説明する。図10は、本発明の第四実施形態の排気ポート10の断面側面図である。図1に示したように、排気ポート10の一方の端部(以下、「燃焼室側端部」と称す)61は燃焼室5に連通すると共に、他方の端部(以下、「マニホルド側端部」と称す)62は排気マニホルド20に連通する。排気ポート10は三つの部分に分けることができ、これら部分は燃焼室側端部61からマニホルド側端部62へ向かってシート部63、スロート部64、ポート本体部65の順に配置される。
排気ポート10のシート部63には、バルブシート70が設けられる。バルブシート70はシリンダヘッド3に設けられた凹部内に嵌め込まれ、バルブシート70の内面(シート面)は排気ポート10の一部を画成する。排気ポート10の燃焼室側端部61近傍には、排気弁9の弁体9aが配置される。排気弁9はその軸線EVに沿って摺動可能であり、この排気弁9の摺動に伴って燃焼室5と排気ポート10との間が開閉せしめられる。
バルブシート70のシート面71は、シートカッタによって研削することにより形成される面であり、図10に示したように複数段の部分シート面71a〜71dから形成される。各部分シート面71a〜71dは、排気弁9の軸線EVと平行な軸線を中心としたほぼ切頭円錐状である。各部分シート面71a〜71dは、図2に示したシート面41と同様に、その軸線に対してそれぞれ異なる傾斜角度α1〜α4で傾斜している。
また、本実施形態においても、ほぼ切頭円錐状である部分シート面71a〜71dの中心となる軸線(部分シート面の軸線)は、全ての部分シート面71a〜71dについて同一ではなく、部分シート面毎に異なっている。
図示した実施形態では、排気弁9が閉弁したときに排気弁9の当接面9bと当接する第三部分シート面71cの軸線A3が排気弁9の軸線EVと同軸となっている。第一部分シート面71aの軸線A1、第二部分シート面71bの軸線A2及び第四部分シート面71dの軸線A4は、第三部分シート面71cの軸線A3と平行ではあるが、排気ポートの延在方向X’又はその反対方向Y’にずれている。
図10に示した実施形態では、第一部分シート面71aの軸線A1及び第二部分シート面71bの軸線A2は第三部分シート面71cの軸線A3に対して排気ポートの延在方向X’にずれており、そのずれ幅は軸線A2よりも軸線A1の方が大きい。一方、第四部分シート面71dの軸線A4は第三部分シート面71cの軸線A3に対して排気ポートの延在方向とは反対方向Y’にずれている。従って、これら軸線A1〜A4は、互いに平行に且つ排気ポートの延在方向X’からその反対方向Y’に向かって軸線A1、A2、A3、A4の順に並ぶような関係となる。特に、本実施形態では、軸線A1とA2との間隔、軸線A2とA3との間隔、軸線A3とA4との間隔は互いに等しいものとされる。
このように部分シート面71a〜71dを形成することによって、排気ポートの延在方向X’側、すなわち排気ポート10の内側における各部分シート面の吸気弁軸線方向の幅は、排気ポートの延在方向とは反対方向Y’側、すなわち排気ポート10の外側における各部分シート面の上記幅よりも小さい。よって、図10に示した実施形態では、シート面71の湾曲面の曲率半径のうち、排気ポートの延在方向X’側のシート面71(内側シート面71X)の曲率半径R5が最も小さく、逆に排気ポートの延在方向とは反対方向Y’側のシート面71(外側シート面71Y)の曲率半径R6が最も大きい。
このように構成された排気ポート10では、外側シート面71Yの曲率半径R6が大きいため、燃焼室5の上面に沿って流れてきた排気ガスは外側シート面71Yに沿って滑らかに流れるようになる。このため、燃焼室5の上面に沿って流れてきた排気ガスに対する排気抵抗が小さいものとなり、燃焼室5内から排気ガスを排出するためにピストン4から燃焼室5内の排気ガスに加えるべき力が減少する。
次に、図11を参照して、本発明の第五実施形態のポートについて説明する。図11は、本発明の第五実施形態の排気ポート10’の断面側面図である。図11に示した排気ポート10’の形状は基本的に図10に示した排気ポート10の形状と同様である。しかしながら、図11に示した排気ポート10’では排気弁9の軸線EVとポート本体部65が延びる方向との角度が図10に示した排気ポート10における角度よりも大きい。また、図10に示した排気ポート10’におけるシート面71’の構成は、図10に示した排気ポート10におけるシート面71の構成とは異なっている。
図11に示した第五実施形態でも、図10に示した第四実施形態と同様に、バルブシート70’のシート面71’は、シートカッタによって研削することにより形成される面であり、複数段の部分シート面71’a〜71’dから形成される。図示した実施形態では、シート面71’は4段の部分シート面から形成される。各部分シート面71a〜71dは排気弁9の軸線EVと平行な軸線を中心としたほぼ切頭円錐状である。各部分シート面71’a〜71’dは図10に示した第四実施形態と同様にその軸線に対してそれぞれ異なる傾斜角度α1〜α4で傾斜している。これら傾斜角度はα1<α2<α3<α4の関係を有する。
そして、本実施形態では、部分シート面71’a〜71’dの軸線は、第四実施形態と同様に部分シート面71’a〜71’d毎に異なっているが、これら軸線のずれる方向が第四実施形態とは異なっている。
図11に示した実施形態では、排気弁9が閉弁したときに排気弁9の当接面9bと当接する第三部分シート面71’cの軸線A3が排気弁9の軸線EVと同軸となっている。第一部分シート面71’aの軸線A1、第二部分シート面71’bの軸線A2及び第四部分シート面71’dの軸線A4は、第三部分シート面71’cの軸線A3と平行ではあるが、排気ポートの延在方向X’又はその反対方向Y’にずれている。
図11に示した実施形態では、第一部分シート面71’aの軸線A1及び第二部分シート面71’bの軸線A2は第三部分シート面71’cの軸線A3に対して排気ポートの延在方向とは反対方向Y’にずれており、そのずれ幅は軸線A2よりも軸線A1の方が大きい。一方、第四部分シート面71’dの軸線A4は第三部分シート面71’cの軸線A3に対して排気ポートの延在方向X’にずれている。従って、これら軸線A1〜A4は、互いに平行に且つ排気ポートの延在方向X’からその反対方向Y’に向かって軸線A4、A3、A2、A1の順に並ぶような関係となる。特に、本実施形態では、軸線A1とA2との間隔、軸線A2とA3との間隔、軸線A3とA4との間隔は互いに等しいものとされる。
このように軸線A1〜A4が互いにずれるように部分シート面71’a〜71’dを形成することによって、排気ポートの延在方向X’側、すなわち排気ポート10’の内側における各部分シート面の吸気弁軸線方向の幅は、排気ポートの延在方向とは反対方向Y’側、すなわち排気ポート10’の外側におけるその部分シート面の上記幅よりも大きい。換言すると、図11に示した実施形態では、シート面71’の湾曲面の曲率半径のうち、排気ポートの延在方向X’側のシート面71’(内側シート面71’X)の曲率半径R7が最も大きく、逆に排気ポートの延在方向とは反対方向Y’側のシート面71’(外側シート面71’Y)の曲率半径R8が最も小さい。
次に、図11に示したようにシート面71’を構成する効果について説明する。図11に示したように、排気ポート10’では排気弁9の軸線EVとポート本体部65が延びる方向との角度が図10に示した排気ポート10における角度よりも大きい。このため、シート面を図10に示したように形成すると、シート部及びスロート部において排気ポートの延在方向側の面が大きく湾曲することになる(シート部及びスロート部における湾曲面の曲率半径が小さいものとなる)。このため、排気ガスがこの湾曲面上を通って流れようとすると、この湾曲面上において排気ガスの流れの剥離が生じてしまう虞がある。このように剥離が生じると、排気ポートを通って流れる排気ガスに対する排気抵抗が大きなものとなってしまう。
これに対して、本実施形態の排気ポートによれば、内側シート面71’Xの曲率半径R8が大きいため排気ガスの流れに剥離が生じてしまうことが抑制され、よって排気ポートを通って流れる排気ガスに対する排気抵抗が低減せしめられる。これにより、排気ガスが排気ポートを通って流れ易くなる。
本発明が適用される内燃機関の全体図である。 本発明の第一実施形態の吸気ポートの断面側面図である。 本発明の第一実施形態の吸気ポートによって得られる効果を説明するための図である。 タンブル比と流量係数との関係を示す図である。 本発明の第一実施形態の吸気ポートの製造方法の一部を示す図である。 本発明の第一実施形態の吸気ポートの製造方法の一部を示す図である。 本発明の第二実施形態の吸気ポートの断面側面図である。 燃焼室の上面を示す図である。 第三実施形態の吸気ポートによって得られる効果を説明するための図である。 本発明の第四実施形態の排気ポートの断面側面図である。 本発明の第五実施形態の排気ポートの断面側面図である。
符号の説明
5 燃焼室
7 吸気弁
8 吸気ポート
9 排気弁
10 排気ポート
40、70 バルブシート
41、71 シート面
41X、71X 内側シート面
41Y、71Y 外側シート面
A1、A2、A3、A4 軸線

Claims (8)

  1. 端部にバルブシートが嵌め込まれた内燃機関のポートにおいて、バルブシートのシート面が燃焼室に向かって広がるように複数の段から形成されており、これら複数の段によって画成されるシート面の湾曲半径がバルブシートの周方向の位置によって異なり、
    上記シート面の各段を画成する部分シート面は所定の軸線回りに切頭円錐状に形成されており、各部分シート面の軸線は他の部分シート面の軸線と平行に延びると共に該他の部分シート面の軸線からずれている、内燃機関のポート。
  2. 当該内燃機関のポートは吸気ポートであり、上記バルブシートからの吸気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも小さい、請求項に記載の内燃機関のポート。
  3. 当該内燃機関のポートは吸気ポートであり、上記バルブシートからの吸気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも大きい、請求項に記載の内燃機関のポート。
  4. 当該内燃機関のポートは吸気ポートであり、吸気ポートは各気筒当たり二つ設けられ、各吸気ポートの最も湾曲半径の小さいシート面が他方の吸気ポートの燃焼室側端部に向かう方向と吸気ポートの延在方向との間の方向側に設けられる、請求項に記載の内燃機関のポート。
  5. 当該内燃機関のポートは排気ポートであり、上記バルブシートからの排気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも小さい、請求項に記載の内燃機関のポート。
  6. 当該内燃機関のポートは排気ポートであり、上記バルブシートからの排気ポートの延在方向側におけるシート面の湾曲半径はその反対側におけるシート面の湾曲半径よりも大きい、請求項に記載の内燃機関のポート。
  7. 複数のシートカッタにより順々にバルブシートの切削を行うことによりバルブシートの段加工を行う内燃機関のポート製造方法において、
    一つのシートカッタを吸気弁又は排気弁の軸線と同軸の加工軸線回りで回転させることによりバルブシートの一つの部分シート面を切頭円錐状に形成する工程と、
    各部分シート面の軸線が他の部分シート面の軸線と平行に延びると共に該他の部分シート面の軸線からずれるように、上記一つのシートカッタとは別のシートカッタを上記加工軸線と平行で且つ該加工軸線からずれている別の加工軸線回りで回転させることにより上記一つの部分シート面とは別の部分シート面を切頭円錐状に形成する工程とを具備する、内燃機関のポート製造方法。
  8. 上記他のシートカッタの軸線をバルブシートからのポートの延在方向又はその反対方向にずらすようにした、請求項に記載の内燃機関のポート製造方法。
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