JP4729935B2 - インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタのヘッド駆動装置、インクジェットプリンタのヘッド駆動方法 - Google Patents
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Description
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体(記録紙)上をその紙送り方向の左右に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴子を吐出(噴射)して記録紙上に微小なドットを形成出力することで、当該記録紙上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
この発明1に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動装置によれば、ノズルからインク滴を吐出するためにアクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段と、駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段とを備え、駆動手段は、駆動信号に、圧力室の容積を拡大してインクを引き込む第1段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する第2段階とを設けるものとし、且つ第1段階で生じるインク充満状態での圧力室の固有振動が反転する位相に合わせて第2段階を設定する構成としたため、圧力室の固有振動が駆動信号の第2段階によって打ち消されにくくなり、その結果、当該駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を確保することができるのでそれを的確に検出することが可能となる。
この発明2に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動装置によれば、駆動信号の第1段階から第2段階に切替えるまでの時間、つまり圧力室の容積を拡大してインクを引き込む段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する段階との間隔を、インク充満状態での圧力室の固有振動周期の0.4倍以上0.8倍以下としたことにより、圧力室の固有振動が確実に打ち消されにくくなり、その結果、駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を確実に確保することができる。
この発明3に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動装置によれば、1回の残留振動を検出するために、2つ以上の駆動信号を出力することにより、先の駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を次の駆動信号によって増幅することが可能となり、その結果、駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を確実に検出することが可能となる。
この発明5に係るインクジェットプリンタのヘッド駆動装置によれば、先の駆動信号の出力から次の駆動信号の出力までの時間を、アクチュエータを構成する圧電素子の固有振動周期の0.9倍以上1.1倍以下としたことにより、先の駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を次の駆動信号によって確実に増幅することが可能となる。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成を示す平面図である。このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、ヘッドユニット2及びインクカートリッジ3を搭載したキャリッジ4を備え、このキャリッジ4は1組のキャリッジ軸5に案内されて主走査方向に移動できるようになっている。また、キャリッジ4の一部は歯付きベルト9に固定され、且つ歯付きベルト9は、モータ6の回転軸に固定された駆動プーリ7と従動プーリ8との間に掛け渡されている。
Ca:アクチュエータのコンプライアンス(単位圧力あたりの容積変化)
Ma:アクチュエータのイナータンス(質量)
Cn:メニスカスの表面張力によるコンプライアンス
Mn:ノズル流路のイナータンス
Rn:ノズル流路の抵抗
Ms:インク供給路のイナータンス
Rs:インク供給路の抵抗
Cc:インク室のコンプライアンス=Ci+Cv
Ci:インクの圧縮性によるコンプライアンス
Cv:振動板のコンプライアンス
キャビティ(圧力室)の振動モードは下記1式で表れる。
Tcはキャビティ(インク充満状態)の固有振動周期である。Mは、キャビティからみたインク流路のイナータンスであり、ノズル流路のイナータンスMnとインク供給路のイナータンスMsの並列合成イナータンスとなる。
例えば図2aに示す積層型圧電式アクチュエータ22の場合には、厚さの薄い圧電素子27を積層し、縦振動モードで使用しているため、圧電式アクチュエータ22のコンプライアンスは振動板21のコンプライアンスに比べて小さい値(硬い)となる。また、圧電式アクチュエータ22の縦寸法が大きく、イナータンスMaを無視することができないため、圧電式アクチュエータ22の固有振動モードとして、固有振動周期Taで振動する成分が存在し、それはキャビティ23のインクの有無に関係なく圧電式アクチュエータ22の動作によって発生する。一方、図2bのユニモルフ型圧電式アクチュエータ22の場合には、圧電素子27が薄く小さいため、圧電式アクチュエータ22のイナータンスMaを無視することができ、圧電式アクチュエータ22の固有振動周期Taは凡そインク充満状態でのキャビティ23の固有振動周期Tcと考えることができる。
Claims (11)
- インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられ且つ圧電素子で構成されるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段と、前記駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段とを備え、
前記駆動手段は、
前記駆動信号に、圧力室の容積を拡大してインクを引き込む第1段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する第2段階とを設けるものとし、且つ前記第1段階で生じるインク充満状態での圧力室の固有振動が反転する位相に合わせて第2段階を設定し、
前記残留振動検出手段で1回の残留振動を検出するために、2つ以上の駆動信号を出力し、
先の駆動信号の出力後、メニスカスの振動が圧力室内方向に引き込まれ次いでインク滴吐出方向で最大となるときに、前記第1段階となる次の駆動信号を出力することを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。 - インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられ且つ圧電素子で構成されるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段と、前記駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段とを備え、
前記駆動手段は、
前記駆動信号に、圧力室の容積を拡大してインクを引き込む第1段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する第2段階とを設けるものとし、且つ前記第1段階で生じるインク充満状態での圧力室の固有振動が反転する位相に合わせて第2段階を設定し、
前記残留振動検出手段で1回の残留振動を検出するために、2つ以上の駆動信号を出力し、
先の駆動信号の出力から次の駆動信号の出力までの時間を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の固有振動周期の0.9倍以上1.1倍以下とし、
前記アクチュエータは、ユニモルフ型であることを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。 - 前記駆動手段は、先の駆動信号の出力後、メニスカスの振動が圧力室内方向に引き込まれ次いでインク滴吐出方向で最大となるときに、前記第1段階となる次の駆動信号を出力することを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。
- 前記インク充満状態での圧力室の固有振動周期と前記アクチュエータを構成する圧電素子の固有振動周期とが異なる場合、前記第1段階の時間及び第2段階の時間を、前記圧電素子の固有振動周期に設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。
- インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられ且つ圧電素子で構成されるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段と、前記駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段とを備え、
前記駆動手段は、前記駆動信号に、圧力室の容積を拡大してインクを引き込む第1段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する第2段階とを設けるものとし、且つ前記第1段階で生じるインク充満状態での圧力室の固有振動が反転する位相に合わせて第2段階を設定し、
前記インク充満状態での圧力室の固有振動周期と前記アクチュエータを構成する圧電素子の固有振動周期とが異なる場合、前記第1段階の時間及び第2段階の時間を、前記圧電素子の固有振動周期とすることを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。 - 前記駆動手段は、前記残留振動検出手段で1回の残留振動を検出するために、2つ以上の駆動信号を出力することを特徴とする請求項5に記載のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。
- 前記第1段階から第2段階に切替えるまでの時間を、前記インク充満状態での圧力室の固有振動周期の0.4倍以上0.8倍以下としたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置。
- 請求項1乃至7の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- インクジェットプリンタのヘッド駆動方法であって、
前記インクジェットプリンタは、インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられ且つ圧電素子で構成されるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段と、前記駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段とを備え、
前記駆動手段は、
前記駆動信号に、圧力室の容積を拡大してインクを引き込む第1段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する第2段階とを設けるものとし、且つ前記第1段階で生じるインク充満状態での圧力室の固有振動が反転する位相に合わせて第2段階を設定し、
前記残留振動検出手段で1回の残留振動を検出するために、2つ以上の駆動信号を出力し、
先の駆動信号の出力後、メニスカスの振動が圧力室内方向に引き込まれ次いでインク滴吐出方向で最大となるときに、前記第1段階となる次の駆動信号を出力することを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動方法。 - インクジェットプリンタのヘッド駆動方法であって、
前記インクジェットプリンタは、インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられ且つ圧電素子で構成されるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段と、前記駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段とを備え、
前記駆動手段は、
前記駆動信号に、圧力室の容積を拡大してインクを引き込む第1段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する第2段階とを設けるものとし、且つ前記第1段階で生じるインク充満状態での圧力室の固有振動が反転する位相に合わせて第2段階を設定し、
前記残留振動検出手段で1回の残留振動を検出するために、2つ以上の駆動信号を出力し、
先の駆動信号の出力から次の駆動信号の出力までの時間を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の固有振動周期の0.9倍以上1.1倍以下とし、
前記アクチュエータは、ユニモルフ型であることを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動方法。 - インクジェットプリンタのヘッド駆動方法であって、
前記インクジェットプリンタは、インク滴を吐出する複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられ且つ圧電素子で構成されるアクチュエータとを備えたインクジェットプリンタのノズルヘッドに対し、前記ノズルからインク滴を吐出するために前記アクチュエータに駆動信号を出力する駆動手段と、前記駆動信号による圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段とを備え、
前記駆動手段は、前記駆動信号に、圧力室の容積を拡大してインクを引き込む第1段階と、圧力室の容積を縮小してインク滴を吐出する第2段階とを設けるものとし、且つ前記第1段階で生じるインク充満状態での圧力室の固有振動が反転する位相に合わせて第2段階を設定し、
前記インク充満状態での圧力室の固有振動周期と前記アクチュエータを構成する圧電素子の固有振動周期とが異なる場合、前記第1段階の時間及び第2段階の時間を、前記圧電素子の固有振動周期とすることを特徴とするインクジェットプリンタのヘッド駆動方法。
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