JP2007118459A - インクジェットプリンタ及びそのノズル回復方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクカートリッジ交換などに伴ってインク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行う。
【解決手段】ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させると共に、そのインク吸引中にノズルの回復を判定し、その判定結果に基づいてインクの吸引を制御するにあたり、インク貯留部から圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、インク経路中のインク全量が圧力室を通過する時間、インクを吸引しながらノズルの回復判定を禁止することにより、インクカートリッジ交換に伴ってインク経路中に混入した気泡を吸入することができ、これによりインク経路中に気泡が存在するにもかかわらずノズルが回復したと誤判定するのを抑制防止することができ、確実にノズル回復を行うことができる。
【選択図】 図15
【解決手段】ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させると共に、そのインク吸引中にノズルの回復を判定し、その判定結果に基づいてインクの吸引を制御するにあたり、インク貯留部から圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、インク経路中のインク全量が圧力室を通過する時間、インクを吸引しながらノズルの回復判定を禁止することにより、インクカートリッジ交換に伴ってインク経路中に混入した気泡を吸入することができ、これによりインク経路中に気泡が存在するにもかかわらずノズルが回復したと誤判定するのを抑制防止することができ、確実にノズル回復を行うことができる。
【選択図】 図15
Description
本発明は、例えば複数色の液体インクの微小なインク滴を複数のノズルから吐出してその微粒子(インクドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタ及びそのノズル回復方法に関するものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
ところで、この種のインクジェットプリンタでは、印刷媒体上のインクのにじみを防止するために、乾燥し易いインク又はインク成分を採用している。その結果、印字していないときにはインクジェットヘッドのノズルからインクの溶媒成分(水、溶剤、油など)が蒸発してノズル部のインク粘度が上昇し、インク滴の吐出に支障を来すことがある。また、インクジェットヘッドのキャビティ(インク収容部)などに気泡が混入したり、ゴミや紙粉などがノズル面に付着したりした場合にも、インク滴の吐出に支障を来すことがある。このようにして、所謂ノズルが目詰まりしてインク滴を吐出できなくなると、印刷媒体上の画像に所謂ドット抜けが生じ、画質を劣化させる原因となる。
そこで、ポンプなどの吸引装置でノズルからインクを吸引し、ノズルを回復させる所謂クリーニングを行っている。このクリーニングにおける吸引装置の駆動時間、駆動速度などは、想定される様々な使用環境の中でも最も厳しい使用環境下でも、ノズルの回復に必要な量のインクを吸引することができるように設定されている。つまり、通常の使用環境下では、ノズルの回復に必要な量以上のインクが吸引されることになり、インクの浪費を招いていた。
このような不具合を解消するために、以下の特許文献1では、クリーニングによってノズルを回復するにあたり、周囲の気圧や温度を検出し、その検出結果に基づいて、インクの吸引量が所定量になるように制御する技術が開示されている。
特開2000−108368号公報
ところで、クリーニングを行った後には、何らかの検査方法で、ノズルが正常に回復したことを検出しなければならない。その検査方法の一つとして、アクチュエータである圧電素子を電気信号で駆動してキャビティからインク滴を噴射させる場合には、圧電素子を駆動した後に圧電素子に発生する過剰電圧(起電圧)、所謂残留振動を検出し、その振動の状態からキャビティ内の気泡の有無、インクの乾燥、紙粉やゴミの付着といったノズルの状態を検出するものがある。一般的には、クリーニング後の検査でノズルが正常に回復したと見なされる場合には、通常の印刷動作を許可する。
しかしながら、例えばインクの供給源(インク貯留部)とノズルとが離間している場合、そのインク経路中に気泡が混入してしまうと、例えば前述した所謂残留振動検査方法でインクジェットヘッドのキャビティ内だけを検査しても、キャビティまでのインク経路中の気泡は検出できず、厳密な意味でノズルを回復したとは言い難い。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、インク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができるインクジェットプリンタ及びそのノズル回復方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、インク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができるインクジェットプリンタ及びそのノズル回復方法を提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタは、インク滴を吐出する複数のノズル及び各ノズルに夫々連通する圧力室及び各圧力室に対応してインク滴を吐出するために設けられたアクチュエータを備えたインクジェットヘッドと、前記ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させるインク吸引手段と、前記インク吸引手段によるインク吸引中にノズルの回復を判定するノズル回復判定手段と、前記ノズル回復判定手段の判定結果に基づいて前記インク吸引手段によるインクの吸引を制御するインク吸引制御手段とを備え、インク吸引制御手段は、インク貯留部から前記圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、前記ノズル回復判定手段によるノズルの回復判定を第1の所定時間禁止することを特徴とするものである。
この発明1に係るインクジェットプリンタによれば、ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させると共に、そのインク吸引中にノズルの回復を判定し、その判定結果に基づいてインクの吸引を制御するにあたり、インク貯留部から圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、ノズルの回復判定を第1の所定時間禁止する構成としたため、例えばノズル、即ちインクジェットヘッドとインク貯留部であるインクカートリッジとが離間している場合のインクカートリッジ交換に伴うインク経路中への気泡の混入に対し、インク経路中のインク全量が圧力室を通過する時間、インクを吸引しながらノズルの回復判定を禁止することで、インク経路中に気泡が存在するにもかかわらずノズルが回復したと誤判定するのを抑制防止することができ、これによりインク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。
[発明2]発明2のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記ノズルの回復判定を禁止する第1の所定時間を、インク貯留部でのインク充填完了後で且つ前記インク吸引手段によるインク吸引の初期に設け、且つインク貯留部から圧力室までの圧力室を含むインク経路中のインク全量が前記インク吸収手段のインク吸引によって圧力室を通過する時間に設定したことを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタによれば、ノズルの回復判定を禁止する第1の所定時間を、インク貯留部でのインク充填完了後で且つインク吸引の初期に設け、且つインク貯留部から圧力室までの圧力室を含むインク経路中のインク全量がインク吸引によって圧力室を通過する時間に設定したことにより、ノズル、即ちインクジェットヘッドと離間しているインク貯留部でのインク充填時、例えばインクカートリッジ交換時にインク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。
[発明3]発明3のインクジェットプリンタは、前記発明1又は2のインクジェットプリンタにおいて、前記ノズル回復判定手段によるノズル回復判定までの所要時間を検出する回復時間検出手段を備え、前記インク吸引制御手段は、前記回復時間検出手段で検出されたノズル回復判定までの所要時間が第2の所定時間以上である場合に、インク経路中に存在していた気泡が多かったものとして、前記ノズル回復判定手段によるノズルの回復判定を第3の所定時間禁止した後、再度ノズルの回復判定を行うことを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、ノズル回復判定までの所要時間が第2の所定時間以上である場合に、インク経路中に存在していた気泡が多かったものとして、ノズルの回復判定を第3の所定時間禁止した後、再度ノズルの回復判定を行う構成としたため、圧力室の近傍、例えば圧力室と圧力室とを連通するリザーバなどに残存している気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。
[発明4]発明4のインクジェットプリンタは、前記発明3のインクジェットプリンタにおいて、前記インク吸引制御手段は、前記回復時間検出手段で検出されたノズル回復判定までの所要時間が第2の所定時間未満になるまで、前記ノズルの回復判定の禁止とノズルの回復判定を繰り返して行うことを特徴とするものである。
この発明4に係るインクジェットプリンタによれば、ノズル回復判定までの所要時間が第2の所定時間未満になるまで、ノズルの回復判定の禁止とノズルの回復判定を繰り返して行う構成としたため、圧力室の近傍、例えば圧力室と圧力室とを連通するリザーバなどに残存している気泡をより一層確実に除去して、より一層確実にノズル回復を行うことができる。
この発明4に係るインクジェットプリンタによれば、ノズル回復判定までの所要時間が第2の所定時間未満になるまで、ノズルの回復判定の禁止とノズルの回復判定を繰り返して行う構成としたため、圧力室の近傍、例えば圧力室と圧力室とを連通するリザーバなどに残存している気泡をより一層確実に除去して、より一層確実にノズル回復を行うことができる。
[発明5]発明5のインクジェットプリンタは、前記発明1乃至4のインクジェットプリンタにおいて、前記ノズル回復判定手段は、前記圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段を備え、この残留振動検出手段で検出される圧力室内の圧力変化発生後の残留振動の状態からノズル及び圧力室の状態を推定することを特徴とするものである。
この発明5に係るインクジェットプリンタによれば、圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出し、その検出される圧力室内の圧力変化発生後の残留振動の状態からノズル及び圧力室の状態を推定する構成としたため、ノズルの回復状態を確実に検出することができる。
[発明6]発明6のインクジェットプリンタのノズル回復方法は、インク滴を吐出する複数のノズル及び各ノズルに夫々連通する圧力室及び各圧力室に対応してインク滴を吐出するために設けられたアクチュエータをインクジェットヘッドに備え、前記ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させると共に、そのインク吸引中にノズルの回復を判定し、その判定結果に基づいて前記インクの吸引を制御するにあたり、インク貯留部から前記圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、前記ノズルの回復判定を第1の所定時間禁止することを特徴とするものである。
この発明6に係るインクジェットプリンタのノズル回復方法によれば、ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させると共に、そのインク吸引中にノズルの回復を判定し、その判定結果に基づいてインクの吸引を制御するにあたり、インク貯留部から圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、ノズルの回復判定を第1の所定時間禁止する構成としたため、例えばノズル、即ちインクジェットヘッドとインク貯留部であるインクカートリッジとが離間している場合のインクカートリッジ交換に伴うインク経路中への気泡の混入に対し、インク経路中のインク全量が圧力室を通過する時間、インクを吸引しながらノズルの回復判定を禁止することで、インク経路中に気泡が存在するにもかかわらずノズルが回復したと誤判定するのを抑制防止することができ、これによりインク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成を示す平面図である。このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、ヘッドユニット2及びインクカートリッジ3を搭載したキャリッジ4を備え、このキャリッジ4は1組のキャリッジ軸5に案内されて主走査方向に移動できるようになっている。また、キャリッジ4の一部は歯付きベルト9に固定され、且つ歯付きベルト9は、モータ6の回転軸に固定された駆動プーリ7と従動プーリ8との間に掛け渡されている。ヘッドユニット2には複数個のインクジェットヘッドが搭載されている。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成を示す平面図である。このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、ヘッドユニット2及びインクカートリッジ3を搭載したキャリッジ4を備え、このキャリッジ4は1組のキャリッジ軸5に案内されて主走査方向に移動できるようになっている。また、キャリッジ4の一部は歯付きベルト9に固定され、且つ歯付きベルト9は、モータ6の回転軸に固定された駆動プーリ7と従動プーリ8との間に掛け渡されている。ヘッドユニット2には複数個のインクジェットヘッドが搭載されている。
更にキャリッジ4にはエンコーダ10が取付けられ、キャリッジ4の移動方向に沿ってリニアスケール11が設けられている。これにより、エンコーダ10によりキャリッジ4上のヘッドユニット2の位置を検出するようになっている。なお、図1において、符号12はヘッドユニット2とシステムコントローラなどとを電気的に接続するケーブルであり、符号13は、後述するインクジェットヘッドの表面をなでてノズルのメニスカス(meniscus:インク液面を意味する)を整えるワイパであり、符号14は、そのインクジェットヘッドのノズル基板(図3参照)の後述するクリーニングを行うキャップである。
このような構成からなるインクジェットプリンタ1では、エンコーダ10の検出信号がモータ制御回路(図示せず)に入力されると、そのモータ制御回路によりモータ6の回転動作が、加速、一定速度、減速、反転、加速、一定速度、減速、反転…といったように制御される。このようなモータ6の動作に伴って、キャリッジ4が主走査方向に往復移動を繰り返し、一定速度の区間が印刷領域に相当するので、その一定速度の際にキャリッジ4に搭載されるヘッドユニット2の複数個のインクジェットヘッドのノズルから印刷媒体a上にインク滴が吐出される。この結果、印刷媒体aには、そのインク滴からなるインクドットによって所定の文字や画像が記録(印字)される。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、ピエゾ方式、膜沸騰インクジェット方式などがある。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動信号を与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。膜沸騰インクジェット方式は、キャビティ内に微小ヒータがあり、瞬間的に300℃以上に加熱されてインクが膜沸騰状態となって気泡が生成し、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出出力されるというものである。本発明は、何れのインク出力方法も適用可能である。
本実施形態のインクジェットヘッドの具体的な構成について、図2a及び図3を参照して説明する。このインクジェットヘッド20は圧電式アクチュエータを用いたものであり、図2aに示すように、振動板21と、この振動板21を変位させる圧電式アクチュエータ22と、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板21の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)23と、このキャビティ23に連通し且つ当該キャビティ23内の圧力の増減によりインクを液滴として吐出するノズル24とを少なくとも備えている。
更に詳述すると、インクジェットヘッド20は、ノズル24が形成されたノズル基板25と、キャビティ基板26と、振動板21と、複数の圧電素子27を積層した積層型の圧電式アクチュエータ22とを備えている。キャビティ基板26は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティ23と、これに連通するリザーバ28とが形成されている。また、リザーバ28は、インク供給チューブ29を介してインク貯留部であるインクカートリッジ3に接続されている。圧電式アクチュエータ22は、対向して配置される櫛歯状の電極31、32と、その電極31、32の各櫛歯と交互に配置される圧電素子27とからなる。また、圧電式アクチュエータ22は、その一端側が図2aに示すように、中間層30を介して振動板21と接合されている。
このような構成からなる圧電式アクチュエータ22では、第1電極31と第2電極32との間に印可される駆動信号源からの駆動信号により、図2aに矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、圧電式アクチュエータ22では、例えば図2aに示すような駆動信号が印加されると、振動板21に変位が生じてキャビティ23内の圧力が変化し、ノズル24からインク滴が吐出されるようになっている。具体的には、後段に詳述するように、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してインク滴を吐出する。なお、図2aに示すノズル基板26に形成されるインクジェットヘッド20毎のノズル24は、例えば図3に示すように配列されている。この図3の例では、4色のインク(Y:イエロー、M:マゼンダ、C:シアン、K:ブラック)に適用した場合のノズル24の配列パターンを示しており、これらの色の組合せにより所謂フルカラー印刷が可能となる。
図2bには、圧電式アクチュエータ22の他の例を示す。図中の符号は、図2aのものを流用している。この圧電式アクチュエータは、一般にユニモルフ型アクチュエータと呼ばれ、圧電素子27を二つの電極31、32で挟んだ簡単な構造であるが、駆動信号を印加することによって、図2aの積層型アクチュエータと同様に、図の上下方向に伸び縮みし、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してノズル24からインク滴を吐出する。このインクジェットヘッド20も、図示しないインク供給チューブを介してインクカートリッジに接続されている。
このようなインクジェットヘッド20を備えたインクジェットプリンタ1では、インク切れ、気泡の発生、目詰まり(乾燥)、紙粉付着などの原因によって、ノズル24からインク滴が吐出すべきときに吐出しないというインク滴の吐出異常(不吐出)、所謂ドット抜け現象を生じることがある。紙粉とは、木材パルプを原料とする印刷媒体が記録ローラなどと摩擦接触した際に発生し易く、印刷媒体の一部からなり、繊維状又はその集合体のものを意味する。本実施形態では、後述する残留振動を用いてドット抜け、つまりノズル状態を検出し、必要に応じてキャップ14及びワイパ13によるクリーニングを行う。
図4には、キャップ14に接続されたクリーニング装置を示す。キャップ14の筐体53は、図示しない昇降装置によって、図の矢印方向、つまり上下方向に昇降する。また、キャップ14と筐体53との間にはコイルスプリング51が介装されており、筐体53が上昇されたときに、コイルスプリング51の弾性によって、キャップ14がインクジェットヘッド20の下面、即ちノズル面25に密着し易いように構成されている。また、筐体53の底部は、インク吸引手段を構成するチューブポンプ15のチューブ56に接続されている。チューブポンプ15は、比較的簡易な構造で負圧を発生させることができる。チューブポンプ15では、回転するローラ55が、その周囲に配設されている可撓性チューブ56を押しつぶして内部の流体を移動させることで負圧を発生する。例えば、前述した吸引によってキャップ14内に溜まったインクはチューブポンプ4によって吸引され、廃インクタンク52に蓄えられる。なお、図中の符号57は、廃インクタンク52中のインクの満杯状態を検出するための液位センサである。
キャップ3の筐体53の周壁上端部には、インクジェットヘッド20のノズル面に気密に密着するシール部材58が取付けられている。シール部材58としては、適度な弾性があり、インクに接触しても劣化しにくい材料が適しており、例えばシリコンゴム、フッ素系ゴムなどが挙げられる。インクジェットヘッド20の下方には、インク吸収部材60が設けられている。このインク吸収部材60は、インクジェットヘッド20のノズルから吸引したインクを吸収するためのものである。インク吸収部材60には、インク溶媒を吸収し易い材料で、しかもインクを吸収し易くするように多孔質材料が適しており、例えば水系インクの場合にはポリビニルアルコール系の材料が挙げられる。
従って、クリーニングユニット3の筐体53を、図示しない昇降装置で上昇して、シール部材58がノズル面に密着するようにしてキャップ14をインクジェットヘッド20に密着し、その状態でチューブポンプ15を駆動してキャップ14内を負圧化すると、インクジェットヘッド20のノズルからインクが吸引され、インクジェットヘッド20の回復処理、即ちクリーニングを行うことができる。吸引されたインクはインク吸収部材60に一旦吸収され、更に筐体53の下部からチューブポンプ15のチューブ56を経て廃インクタンク52に排出される。なお、吸引を行わず、インク滴だけを予備吐出する、所謂フラッシング時には、キャップ14をインクジェットヘッド20に密着させる必要がないので、筐体53を上昇させずにフラッシングを行うようにしてもよい。また、クリーニング後、ノズルのメニスカスを整えるために、ワイパ13でノズル面25をなでてもよい。
また、インクジェットプリンタ1内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば図5に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ16から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ16から入力された印刷データを受取るインタフェース61と、このインタフェース61から入力された印雑データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、キャリッジモータ41を駆動制御するキャリッジモータドライバ63と、給紙モータ51を駆動制御する給紙モータドライバ64と、インクジェットヘッド20を駆動制御するヘッドドライバ65と、チューブポンプ15のポンプモータ17を駆動制御するポンプモータドライバ66と、各ドライバ63、64、65、66の出力信号を外部のキャリッジモータ41、給紙モータ51、インクジェットヘッド20、ポンプモータ17で使用する制御信号に変換して出力すると共に、残留振動検出回路18で検出されたキャビティの残留振動、液位センサ57で検出された廃インクタンク52内の液量、インクカートリッジセンサ68で検出されたインクカートリッジ3の有無、液位センサ69で検出されたインクカートリッジ3内の液量を制御部62に入力するインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dと、主としてクリーニング装置によって全てのノズルが回復するまでの時間を検出するタイマ62eを備えている。この制御部62は、入力インタフェース61を介してホストコンピュータ16から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、この処理データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63〜66に制御信号を出力する。各ドライバ63〜66から制御信号が出力されると、これらがインタフェース67で駆動信号に変換されてインクジェットヘッド20の複数のノズル24に対応する圧電式アクチュエータ22、キャリッジモータ41、給紙モータ51、ポンプモータ17が夫々作動して、印刷媒体への印刷処理或いはクリーニングによるノズル回復処理が実行される。なお、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
また、制御部62は、後述する駆動信号を形成するための波形形成用データDATAを後述する波形メモリ701に書込むために、書込みイネーブル信号DENと、書込みクロック信号WCLKと、書込みアドレスデータA0〜A3とを出力して、例えば16ビットの波形形成用データDATAを波形メモリ701に書込むと共に、この波形メモリ701に記憶された波形形成用データDATAを読出すための読出しアドレスデータA0〜A3、波形メモリ701から読出した波形形成用データDATAをラッチするタイミングを設定する第1のクロック信号ACLK、ラッチした波形データを加算するためのタイミングを設定する第2のクロック信号BCLK及びラッチデータをクリアするクリア信号CLERをヘッドドライバ65に出力する。
ヘッドドライバ65は、駆動信号COMを形成する駆動信号発生回路70と、クロック信号SCKを出力する発振回路71とを備えている。駆動信号発生回路70は、図6に示すように、制御部62から入力される駆動信号生成のための波形形成用データDATAを所定のアドレスに対応する記憶素子に記憶する波形メモリ701と、この波形メモリ701から読出された波形形成用データDATAを前述した第1のクロック信号ACLKによってラッチするラッチ回路702と、ラッチ回路702の出力と後述するラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAとを加算する加算器703と、この加算器703の加算出力を前述した第2のクロック信号BCLKによってラッチするラッチ回路704と、このラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAをアナログ信号に変換するD/A変換器705と、このD/A変換器705から出力されるアナログ信号を電圧増幅する電圧増幅部706と、この電圧増幅部706の出力信号を電流増幅して駆動信号COMを出力する電流増幅部707とを備えている。ここで、ラッチ回路702、704には制御部62から出力されるクリア信号CLERが入力され、このクリア信号CLERがオフ状態となったときに、ラッチデータがクリアされる。
波形メモリ701は、図7に示すように、指示したアドレスに夫々数ビットずつのメモリ素子が配列され、アドレスA0〜A3と共に波形データDATAが記憶される。具体的には、制御部62から指示したアドレスA0〜A3に対して、クロック信号WCLKと共に波形データDATAが入力され、書込みイネーブル信号DENの入力のよってメモリ素子に波形データDATAが記憶される。
インクジェットヘッド20には、インタフェース67を介して、駆動信号発生回路70で生成された駆動信号COM、印刷データに基づいて吐出するノズルを選択し、どの程度のインク滴を吐出するかを設定するデータ信号SI、全ノズルにノズル選択データが入力された後、これらのデータにより駆動信号COMとインクジェットヘッド20の圧電式アクチュエータ22とを接続したり圧電式アクチュエータ22を残留振動検出回路18に接続したりさせるラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH、これらの選択データ信号SIをシリアル信号としてインクジェットヘッド20に送信するためのクロック信号SCKが入力されている。
次に、前記駆動信号発生回路70から出力される駆動信号COMと圧電素子71とを接続する構成について説明する。図8は、駆動信号COMと圧電素子71とを接続する選択部のブロック図である。この選択部は、インク滴を吐出させるべきノズル24に対応した圧電式アクチュエータ22を指定すると共にインク滴を吐出しないノズル24に対応した圧電式アクチュエータ22も指定する選択データSIを保存するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211のデータを一時的に保存するラッチ回路212と、ラッチ回路212の出力をレベル変換するレベルシフタ213と、レベルシフタの出力に応じて共通駆動信号COMを圧電式アクチュエータ22に接続する選択スイッチ201によって構成されている。
シフトレジスタ211には、選択データ信号SIが順次入力されると共に、クロック信号SCKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路212は、ノズル数分の駆動波形信号選択データSIがシフトレジスタ211に格納された後、入力されるラッチ信号LATによってシフトレジスタ211の各出力信号をラッチする。ラッチ回路212に保存された信号は、レベルシフタ213によって次段の選択スイッチ201をオンオフできる電圧レベルに変換される。これは、駆動信号COMが、ラッチ回路212の出力電圧に比べて高い電圧であり、これに合わせて選択スイッチ201の動作電圧範囲も高く設定されているためである。選択スイッチ201は、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを組合せたトランスミッションゲートによるアナログスイッチで構成されており、このアナログスイッチを十分に動作させるためにゲート電圧を高い値にレベル変換している。そして、レベルシフタ213によって選択スイッチ201のゲート電圧が印加されたノズルの圧電式アクチュエータ22は駆動信号COMに接続される。また、シフトレジスタ211の選択データSIがラッチ回路212に保存された後、次の印字情報をシフトレジスタ211に入力し、インク滴の吐出タイミングに合わせてラッチ回路212の保存データを順次更新する。なお、図中の符号HGNDは、圧電式アクチュエータ22のグランド端である。
次に、駆動信号生成の原理について説明する。まず、前述したアドレスA0には単位時間当たりの電圧変化量として0となる波形データが書込まれている。同様に、アドレスA1には+ΔV1、アドレスA2には−ΔV2、アドレスA3には+ΔV3の波形データが」書込まれている。また、クリア信号CLERによってラッチ回路702、704の保存データがクリアされる。また、駆動信号COMは、所望の波形データによって中間電位(オフセット)まで立上げられている。
この状態から、例えば図9に示すようにアドレスA1の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に+ΔV1のデジタルデータが保存される。保存された+ΔV1のデジタルデータは加算器703を経てラッチ回路704に入力され、このラッチ回路704では、第2クロック信号BCLKの立上がりに同期して加算器703の出力を保存する。加算器703には、ラッチ回路704の出力も入力されるので、ラッチ回路704の出力(COM)は、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで+ΔV1ずつ加算される。この例では、時間幅T1の間、アドレスA1の波形データが読込まれ、その結果、+ΔV1のデジタルデータが3倍になるまで加算されている。
次いで、アドレスA0の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わる。この0のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが0であるので、実質的には、それ以前の値が保持される。この例では、時間幅T0の間、駆動信号COMが一定値に保持されている。
次いで、アドレスA2の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは−ΔV2に切替わる。この−ΔV2のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが−ΔV2であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて駆動信号COMは−ΔV2ずつ減算される。この例では、時間幅T2の間、駆動信号COMは、−ΔV2のデジタルデータが6倍になるまで減算されている。
このようにして生成されアナログ変換・電圧電流増幅されて出力された駆動信号COMが、前述した図2aに示すような波形信号になる。このうち駆動信号COMの立上がり部分がキャビティ23の容積を拡大してインクを引き込む(インクの吐出面を考えればメニスカスを引き込むとも言える)段階であり、駆動信号COMの立下がり部分がキャビティ23の容積を縮小してインク滴を吐出する(インクの吐出面を考えればメニスカスを押出すとも言える)段階である。ちなみに、駆動信号の波形は、前述からも容易に推察されるように、アドレスA0〜A3に書込まれる波形データ0、+ΔV1、−ΔV2、+ΔV3、第1クロック信号ACLK、第2クロック信号BCLKによって調整可能である。
さて、このようにして各ノズル24に対応する圧電式アクチュエータ22に駆動信号COMを印加すると、その際の圧力変動後、キャビティ23内に残留振動(正確には、図2の振動板21の自由振動)が発生する。この残留振動の状態から各ノズル24の状態(キャビティ23内の状態を含む)を検出することが可能である。例えば図10に示すように、ノズル正常時に比べて、気泡がインクの流路やノズル先端に混入した場合(図の「気泡混入」に該当)には、気泡が混入した分だけインク重量(=イナータンス)が減少すると共に、気泡によりノズル径が大きくなった状態と等価となって音響抵抗が減少し、振動周波数が高くなる特徴がある。また、ノズル部のインクが乾燥した場合(図の「乾燥」に該当)には、インクの粘性が増加することによって音響抵抗が増大し、過減衰になるという特徴がある。また、紙粉やゴミがノズル面に付着した場合(図の「紙粉」に該当)には、紙粉によりノズルからインクが染み出すことによって、振動板から見たインク重量が増加してイナータンスが増加し、またノズルに付着した紙粉の繊維によって音響抵抗が増大し、周期が大きくなる(周波数が低くなる)という特徴がある。
そこで、このような残留振動を検出するための残留振動検出回路18として、例えば図11に示す回路が設けられている。この残留振動検出回路18は、キャビティ23内の圧力変化が圧電式アクチュエータ22に伝達されることを利用して検出するものであり、具体的には圧電式アクチュエータ22の機械的変位によって発生する起電力(起電圧)の変化を検出するものである。この残留振動検出回路18は、圧電式アクチュエータ22のグランド端HGNDを接地又は開放するスイッチ(トランジスタQ)と、圧電式アクチュエータ22に駆動信号COMを印可した後にグランド端HGNDを接地又は開放することで発生する残留振動の交流成分を増幅する交流増幅器116と、増幅された残留振動VaOUTを基準電圧Vref1でパルスPOUTに変換する比較器117と、比較器117のパルスPOUT及びトランジスタQのゲート信号DSELが入力される論理和回路ORとで構成されている。このうち、交流増幅器16は、直流成分を除去するコンデンサCと、基準電圧Vref1の電位を基準として抵抗R1、R2で決まる増幅率で反転増幅する演算器AMPとで構成されている。
本実施形態では、クリーニング処理の効率化のために、原則的にクリーニング装置によってインクを吸引しているときに残留振動によるノズル回復検査を行う。残留振動検出のための、換言すればノズル回復検出のための駆動信号COM及び増幅残留振動VaOUT及びパルスPOUTを図12に示す。前述したように、駆動信号COMの初期値は中庸状態まで引上げられているので、そこから駆動信号COMを所定時間立上げてキャビティ23の容積を拡大してメニスカスを引込み、その状態を所定時間保持した後、駆動信号COMを所定時間立下げて中庸状態に戻すと共にキャビティ23の容積を縮小してメニスカスを押出す。この間は、残留振動検出回路18のトランジスタQのゲート電圧DSELをハイレベルにして圧電式アクチュエータ22を駆動信号発生回路70に接続しておき、その後、残留振動検出回路18のトランジスタQのゲート電圧DSELをローレベルにして圧電式アクチュエータ22を残留振動検出回路18に接続し、その状態で圧電式アクチュエータ22に発生する圧力変動発生後の残留振動を検出する。検出された残留振動は残留振動検出回路18の交流増幅器16で増幅された残留振動VaOUTとなり、比較器17からパルスPOUTが出力されるので、このパルスPOUTを、予め記憶しておいた基準値と比較してノズルの状態を検出する。前述したように、気泡が混入した場合の残留振動は、正常時に比べて周期が短くなるので、増幅残留振動VaOUTを基準値と比較して得るパルスPOUTも、正常時に比べて周期が短い。従って、パルスPOUTの周期が正常になるまでインクを吸引し続ければ、キャビティ23内には気泡が残存していないことになる。即ち、パルスPOUTの周期が正常になれば、ノズルが回復したものと判定できる。なお、残留振動検出中に駆動信号発生回路70を圧電式アクチュエータ22から切り離すのは、駆動信号発生回路70のフィードバック機能によってキャビティ23内の残留振動が打ち消されてしまうのを回避するためである。
図13には、インクカートリッジ3から廃インクタンク52までのインクの経路及び残留振動検出回路18及び制御部62の概略を、図14には、インク供給チューブ29とインクジェットヘッド20との接続部の詳細を夫々示す。なお、図13において、インク供給チューブ29とキャビティ23との間にはリザーバ28が存在している。例えば、インクカートリッジ3を交換する際にインク供給チューブ29内に気泡が混入する場合がある。インク供給チューブ29内に混入した気泡は、ノズル24からのインク滴の吐出に伴ってキャビティ23側に移動し、更にはキャビティ23内に侵入或いは混入してドット抜けの原因となる。つまり、インク供給チューブ29内に気泡が混入した状態で、残留振動によるノズル回復を検出しても、やがてドット抜けが発生してしまう。このような懸念は、インク供給チューブ29とキャビティ23との間のリザーバ28近傍に気泡が残存している場合も同様である。
そこで、本実施形態では、インクカートリッジ3交換後の最初のインク吸引時、インクカートリッジ3からキャビティ23までのインク経路、即ちインク供給チューブ29内に気泡が存在する可能性があるとして、予め設定された第1の所定時間t1、残留振動によるノズル回復判定を禁止する。また、ノズル回復判定までの所要時間tsを検出し、その検出されたノズル回復判定までの所要時間tsが第2の所定時間t2以上である場合に、インク経路中に存在していた気泡が多かったものとして、残留振動によるノズルの回復判定を第3の所定時間t3禁止した後、再度ノズルの回復判定を行う。更に、検出されたノズル回復判定までの所要時間tsが第2の所定時間t2未満になるまで、前記ノズルの回復判定の禁止とノズルの回復判定を繰り返して行う。なお、第3の所定時間t1は、キャビティ23やインク供給チューブ29内を含むインク経路中のインク全量を吸引する時間とした。また、第3の所定時間t3は、インクジェットヘッド20のリザーバ28近傍のインク全量を吸引する時間とした。
次に、インクカートリッジ3交換後の最初のインク吸引時、残留振動によるノズル回復判定禁止のための第1の所定時間t1の設定方法について説明する。各諸元を以下のように定義する。なお、接続部は、図14の接続部72を意味する。また、ヘッド内インク流路は、図2a、bのリザーバ28とキャビティ23との間のインク経路を意味する。
チューブポンプのインク吸引流量:Q(m3/min)
インク供給チューブの内径の半径:r(m)
インク供給チューブの内径断面積:St=π×r2(m2)、π=円周率
インク供給チューブの長さ:L(m)
インク供給チューブ内のインク量:Mq=St×L=π×r2×L(m3)
リザーバ内のインク量:Mr(m3)
ヘッド内インク流路のインク量:Ms(m3)
接続部のインク量:Mc(m3)
全ノズル数:N
全接続部数:J
ヘッド内のインク量:Mt=(Mr+Ms)×N+Mc×J(m3)
第1の所定時間:t1=(Mq+Mt)/Q(min)
第3の所定時間:t3=Mt/Q(m3)
図15は、本実施形態のノズル回復処理のフローチャートである。このノズル回復処理は、インクカートリッジ交換後を始め、ユーザによるクリーニング指示時、プリンタ長期間不使用後の自動クリーニング時、プリンタの電源投入時の自動クリーニング時、インクジェットヘッドの操作回数に応じたパスクリーニング時、ドット抜けによりノズルに不具合が検出されたとき等に実行される。この演算処理では、まずステップS1で、第1判定回数カウンタMをクリアする。
チューブポンプのインク吸引流量:Q(m3/min)
インク供給チューブの内径の半径:r(m)
インク供給チューブの内径断面積:St=π×r2(m2)、π=円周率
インク供給チューブの長さ:L(m)
インク供給チューブ内のインク量:Mq=St×L=π×r2×L(m3)
リザーバ内のインク量:Mr(m3)
ヘッド内インク流路のインク量:Ms(m3)
接続部のインク量:Mc(m3)
全ノズル数:N
全接続部数:J
ヘッド内のインク量:Mt=(Mr+Ms)×N+Mc×J(m3)
第1の所定時間:t1=(Mq+Mt)/Q(min)
第3の所定時間:t3=Mt/Q(m3)
図15は、本実施形態のノズル回復処理のフローチャートである。このノズル回復処理は、インクカートリッジ交換後を始め、ユーザによるクリーニング指示時、プリンタ長期間不使用後の自動クリーニング時、プリンタの電源投入時の自動クリーニング時、インクジェットヘッドの操作回数に応じたパスクリーニング時、ドット抜けによりノズルに不具合が検出されたとき等に実行される。この演算処理では、まずステップS1で、第1判定回数カウンタMをクリアする。
次にステップS2に移行して、インクカートリッジ交換などによる初期インク充填後か否かを判定し、初期インク充填後である場合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはステップS15に移行する。
ステップS3では、前述した方法で第1の所定時間t1を設定してからステップS4に移行する。
ステップS3では、前述した方法で第1の所定時間t1を設定してからステップS4に移行する。
ステップS4では、チューブポンプによるインク吸引及びタイマによるカウントを開始してからステップS5に移行する。
ステップS5では、ステップS3で設定した第1の所定時間t1(又はステップS17で設定する第3の所定時間t3)が経過したか否かを判定し、所定時間t1(t3)が経過した場合にはステップS6に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS5では、ステップS3で設定した第1の所定時間t1(又はステップS17で設定する第3の所定時間t3)が経過したか否かを判定し、所定時間t1(t3)が経過した場合にはステップS6に移行し、そうでない場合には待機する。
ステップS6では、タイマのリセット及びリスタートを行ってからステップS7に移行する。
一方、ステップS15では、チューブポンプによるインク吸引及びタイマによるカウントを開始してからステップS7に移行する。
ステップS7では、第2判定回数カウンタNをクリアする。
一方、ステップS15では、チューブポンプによるインク吸引及びタイマによるカウントを開始してからステップS7に移行する。
ステップS7では、第2判定回数カウンタNをクリアする。
次にステップS8に移行して、第1判定回数カウンタM又は第2判定回数カウンタNが夫々の判定回数上限値未満であるか否かを判定し、第1判定回数カウンタM又は第2判定回数カウンタNが夫々の判定回数上限値未満である場合にはステップS9に移行し、そうでない場合にはステップS16に移行する。
ステップS9では、後述する図16の演算処理に従って、ノズル回復判定処理を行ってからステップS10に移行する。
ステップS9では、後述する図16の演算処理に従って、ノズル回復判定処理を行ってからステップS10に移行する。
ステップS10では、ステップS9の判定により、全ノズルが回復したか否かを判定し、全ノズルが回復した場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはステップS14に移行する。
ステップS14では、第2判定回数カウンタNをインクリメントしてからステップS8に移行する。
ステップS14では、第2判定回数カウンタNをインクリメントしてからステップS8に移行する。
ステップS11では、カウントを停止してからステップS12に移行する。
ステップS12では、タイマによるカウント値、即ちノズル回復所要時間tsが前記第2の所定時間t2未満であるか否かを判定し、ノズル回復所要時間tsが第2所定時間t2未満である場合にはステップS13に移行し、そうでない場合、即ちノズル回復所要時間tsが第2所定時間t2以上である場合にはステップS17に移行する。
ステップS12では、タイマによるカウント値、即ちノズル回復所要時間tsが前記第2の所定時間t2未満であるか否かを判定し、ノズル回復所要時間tsが第2所定時間t2未満である場合にはステップS13に移行し、そうでない場合、即ちノズル回復所要時間tsが第2所定時間t2以上である場合にはステップS17に移行する。
ステップS17では、前述した方法で第3の所定時間t3を設定してからステップS18に移行する。
ステップS18では、タイマによるカウントを開始してからステップS19に移行する。
ステップS19では、第1判定回数カウンタMをインクリメントしてからステップS5に移行する。
ステップS18では、タイマによるカウントを開始してからステップS19に移行する。
ステップS19では、第1判定回数カウンタMをインクリメントしてからステップS5に移行する。
一方、ステップS16では、図示しない個別の演算処理によってノズル回復不能処理を行ってからステップS13に移行する。このノズル回復不能処理は、例えばホストコンピュータ16或いはインクジェットプリンタに設けられた表示部に、ノズルを回復することができない旨の表示を行うなどの処理を示す。
ステップS13では、チューブポンプによるインク吸引を停止すると共にタイマをリセットしてからメインプログラムに復帰する。
ステップS13では、チューブポンプによるインク吸引を停止すると共にタイマをリセットしてからメインプログラムに復帰する。
次に、図15の演算処理のステップS9で行われる図16の演算処理について説明する。この演算処理では、まずステップS91で、検査ノズルを選択する。
次にステップS92に移行して、選択された検査ノズルの圧電式アクチュエータ22に検査用の駆動信号COMを印加する。
次にステップS93に移行して、駆動信号COM印加後の残留振動を残留振動検出回路18によって検出する。
次にステップS92に移行して、選択された検査ノズルの圧電式アクチュエータ22に検査用の駆動信号COMを印加する。
次にステップS93に移行して、駆動信号COM印加後の残留振動を残留振動検出回路18によって検出する。
次にステップS94に移行して、残留振動検出回路18によって検出された残留振動からノズルの正常/異常判定を行う。
次にステップS95に移行して、ステップS94でのノズルの正常/異常判定結果をRAM62cに保存する。
次にステップS96に移行して、全ノズルに対して検査が終了したか否かを判定し、全ノズルに対して検査が終了した場合には図15の演算処理のステップ10に移行し、そうでない場合にはステップS97に移行する。
次にステップS95に移行して、ステップS94でのノズルの正常/異常判定結果をRAM62cに保存する。
次にステップS96に移行して、全ノズルに対して検査が終了したか否かを判定し、全ノズルに対して検査が終了した場合には図15の演算処理のステップ10に移行し、そうでない場合にはステップS97に移行する。
ステップS97では、次の検査ノズルを選択してからステップS92に移行する。
この演算処理によれば、例えば図17に示すように、インクカートリッジ交換のようなインクの初期充填後の最初のノズル回復処理時には、第1の所定時間t1の間、ノズルの回復判定が禁止されるので、インクカートリッジからキャビティまでのインク経路中、具体的にはインク供給チューブ内に気泡が混入している状態でノズルが回復したと誤判定することがなく、その間、キャビティ23やインク供給チューブ29内を含むインク経路中のインク全量がキャビティ23を通過して吸引されるので、インク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。また、第1の所定時間t1後は、全ノズルの正常/異常検査が行われ、全ノズルの回復所要時間tsが検出される。このとき、ノズル回復所要時間tsが第2の所定時間t2以上である場合には、第3の所定時間t3の間、再びノズル回復判定が禁止され、その間に、リザーバ28近傍に残存している気泡がキャビティ23を通過して吸引される。従って、最初の全ノズル回復判定時に、リザーバ28近傍に気泡が残存しているにもかかわらす、ノズルが回復したと誤判定されるのを抑制防止することができる。そして、この第3の所定時間t3後の全ノズル回復判定までの所要時間tsが第2の所定時間t2以下であれば、インク吸引が停止され、ノズルが完全に回復したと判定される。
この演算処理によれば、例えば図17に示すように、インクカートリッジ交換のようなインクの初期充填後の最初のノズル回復処理時には、第1の所定時間t1の間、ノズルの回復判定が禁止されるので、インクカートリッジからキャビティまでのインク経路中、具体的にはインク供給チューブ内に気泡が混入している状態でノズルが回復したと誤判定することがなく、その間、キャビティ23やインク供給チューブ29内を含むインク経路中のインク全量がキャビティ23を通過して吸引されるので、インク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。また、第1の所定時間t1後は、全ノズルの正常/異常検査が行われ、全ノズルの回復所要時間tsが検出される。このとき、ノズル回復所要時間tsが第2の所定時間t2以上である場合には、第3の所定時間t3の間、再びノズル回復判定が禁止され、その間に、リザーバ28近傍に残存している気泡がキャビティ23を通過して吸引される。従って、最初の全ノズル回復判定時に、リザーバ28近傍に気泡が残存しているにもかかわらす、ノズルが回復したと誤判定されるのを抑制防止することができる。そして、この第3の所定時間t3後の全ノズル回復判定までの所要時間tsが第2の所定時間t2以下であれば、インク吸引が停止され、ノズルが完全に回復したと判定される。
図18には、ドット抜けノズル数とノズル回復に必要なインク吸引時間との関係を示す。同図から明らかなように、ドット抜けノズル数が多いほど、つまり混入気泡が多いほど、ノズル回復に必要なインク吸引時間が長い。これは、逆に言えば、ノズル回復に必要なインク吸引時間が長いほど、混入気泡が多いことを意味し、従って、一見、ノズルが回復したように見えても、例えばリザーバ28の近傍に気泡が残存している可能性がある。本実施形態では、全ノズル回復までの所要時間tsが第2の所定時間t2以上であるときに、リザーバ28の近傍に気泡が残存している可能性があるとして、その後、第3の所定時間t3、ノズルの回復判定を禁止することで、リザーバ28近傍の気泡をキャビティ23を通過して完全に吸引することができる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタ及びそのノズル回復方法によれば、ノズル24からインクを吸引することによりノズルを回復させると共に、そのインク吸引中にノズル24の回復を判定し、その判定結果に基づいてインクの吸引を制御するにあたり、インクカートリッジ3からキャビティ23までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、ノズルの回復判定を第1の所定時間t1の間、禁止する構成としたため、例えばノズル24、即ちインクジェットヘッド20とインクカートリッジ3とが離間している場合のインクカートリッジ交換に伴うインク経路中への気泡の混入に対し、インク経路中のインク全量がキャビティ23を通過する時間、インクを吸引しながらノズルの回復判定を禁止することで、インク経路中に気泡が存在するにもかかわらずノズルが回復したと誤判定するのを抑制防止することができ、これによりインク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。
また、ノズルの回復判定を禁止する第1の所定時間t1を、インクカートリッジ交換などのインク充填完了後で且つインク吸引の初期に設け、且つインクカートリッジ3からキャビティ23までの当該キャビティ23を含むインク経路中のインク全量がインク吸引によってキャビティ23を通過する時間に設定したことにより、ノズル24、即ちインクジェットヘッド20と離間しているインクカートリッジ交換等によるインク充填時にインク経路中に混入した気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。
また、ノズル回復判定までの所要時間tsが第2の所定時間t2以上である場合に、インク経路中に存在していた気泡が多かったものとして、ノズルの回復判定を第3の所定時間t3の間、禁止した後、再度ノズルの回復判定を行う構成としたため、キャビティ23の近傍、例えばリザーバ28などに残存している気泡を確実に除去して、確実にノズル回復を行うことができる。
また、ノズル回復判定までの所要時間tsが第2の所定時間t2未満になるまで、ノズルの回復判定の禁止とノズルの回復判定を繰り返して行う構成としたため、キャビティ23の近傍、例えばリザーバ28などに残存している気泡をより一層確実に除去して、より一層確実にノズル回復を行うことができる。
また、キャビティ23内の圧力変化発生後の残留振動を、圧電式アクチュエータ22を構成する圧電素子27の起電力の変化として検出し、その検出されるキャビティ23内の圧力変化発生後の残留振動の状態からノズル24及びキャビティ23の状態を推定する構成としたため、ノズルの回復状態を確実に検出することができる。
また、キャビティ23内の圧力変化発生後の残留振動を、圧電式アクチュエータ22を構成する圧電素子27の起電力の変化として検出し、その検出されるキャビティ23内の圧力変化発生後の残留振動の状態からノズル24及びキャビティ23の状態を推定する構成としたため、ノズルの回復状態を確実に検出することができる。
なお、前記各実施形態では、所謂マルチパス型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置を適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、ラインヘッド型プリンタを始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
1はインクジェットプリンタ、14はキャップ、15はチューブポンプ、16はホストコンピュータ、17はポンプモータ、18は残留振動検出回路、20はインクジェットヘッド、21は振動板、22は圧電式アクチュエータ、23はキャビティ、24はノズル、28はリザーバ、29はインク供給チューブ、62は制御部、68はインクカートリッジセンサ、69は液位センサ、70は駆動信号発生回路、aは印刷媒体
Claims (6)
- インク滴を吐出する複数のノズル及び各ノズルに夫々連通する圧力室及び各圧力室に対応してインク滴を吐出するために設けられたアクチュエータを備えたインクジェットヘッドと、前記ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させるインク吸引手段と、前記インク吸引手段によるインク吸引中にノズルの回復を判定するノズル回復判定手段と、前記ノズル回復判定手段の判定結果に基づいて前記インク吸引手段によるインクの吸引を制御するインク吸引制御手段とを備え、インク吸引制御手段は、インク貯留部から前記圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、前記ノズル回復判定手段によるノズルの回復判定を第1の所定時間禁止することを特徴とするインクジェットプリンタ。
- 前記ノズルの回復判定を禁止する第1の所定時間を、インク貯留部でのインク充填完了後で且つ前記インク吸引手段によるインク吸引の初期に設け、且つインク貯留部から圧力室までの圧力室を含むインク経路中のインク全量が前記インク吸収手段のインク吸引によって圧力室を通過する時間に設定したことを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記ノズル回復判定手段によるノズル回復判定までの所要時間を検出する回復時間検出手段を備え、前記インク吸引制御手段は、前記回復時間検出手段で検出されたノズル回復判定までの所要時間が第2の所定時間以上である場合に、インク経路中に存在していた気泡が多かったものとして、前記ノズル回復判定手段によるノズルの回復判定を第3の所定時間禁止した後、再度ノズルの回復判定を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記インク吸引制御手段は、前記回復時間検出手段で検出されたノズル回復判定までの所要時間が第2の所定時間未満になるまで、前記ノズルの回復判定の禁止とノズルの回復判定を繰り返して行うことを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
- 前記ノズル回復判定手段は、前記圧力室内の圧力変化発生後の残留振動を、前記アクチュエータを構成する圧電素子の起電力の変化として検出する残留振動検出手段を備え、この残留振動検出手段で検出される圧力室内の圧力変化発生後の残留振動の状態からノズル及び圧力室の状態を推定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタ。
- インク滴を吐出する複数のノズル及び各ノズルに夫々連通する圧力室及び各圧力室に対応してインク滴を吐出するために設けられたアクチュエータをインクジェットヘッドに備え、前記ノズルからインクを吸引することによりノズルを回復させると共に、そのインク吸引中にノズルの回復を判定し、その判定結果に基づいて前記インクの吸引を制御するにあたり、インク貯留部から前記圧力室までのインク経路中に気泡が存在する可能性がある場合に、前記ノズルの回復判定を第1の所定時間禁止することを特徴とするインクジェットプリンタのノズル回復方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005315159A JP2007118459A (ja) | 2005-10-28 | 2005-10-28 | インクジェットプリンタ及びそのノズル回復方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011240564A (ja) * | 2010-05-18 | 2011-12-01 | Seiko Epson Corp | 液体吐出装置、及び、吐出検査方法 |
JP2012245715A (ja) * | 2011-05-30 | 2012-12-13 | Brother Industries Ltd | 液体吐出装置 |
US8708449B2 (en) | 2010-05-18 | 2014-04-29 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejection device and liquid testing method |
-
2005
- 2005-10-28 JP JP2005315159A patent/JP2007118459A/ja active Pending
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US8708449B2 (en) | 2010-05-18 | 2014-04-29 | Seiko Epson Corporation | Liquid ejection device and liquid testing method |
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