JP4710643B2 - インクジェットプリンタヘッドの駆動方法及びインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタヘッドの駆動方法及びインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP4710643B2
JP4710643B2 JP2006036396A JP2006036396A JP4710643B2 JP 4710643 B2 JP4710643 B2 JP 4710643B2 JP 2006036396 A JP2006036396 A JP 2006036396A JP 2006036396 A JP2006036396 A JP 2006036396A JP 4710643 B2 JP4710643 B2 JP 4710643B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive pulse
actuator
voltage value
signal
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006036396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007216401A5 (ja
JP2007216401A (ja
Inventor
修 新川
邦夫 田端
俊行 鈴木
智紀 波多野
敦 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006036396A priority Critical patent/JP4710643B2/ja
Publication of JP2007216401A publication Critical patent/JP2007216401A/ja
Publication of JP2007216401A5 publication Critical patent/JP2007216401A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4710643B2 publication Critical patent/JP4710643B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、例えば複数色の液体インクの微小なインク滴を複数のノズルから吐出してその微粒子(インクドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタヘッドの駆動方法に関するものである。
インクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
この種のインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
このようなインクジェットプリンタでは、複数のノズルの夫々に圧力室とアクチュエータを備え、駆動パルスによってアクチュエータを駆動して圧力室内の圧力を変化せしめ、その圧力変化で当該圧力室内のインクを当該圧力室に連通するノズルからインク滴として吐出する。アクチュエータにも幾つかの種類があり、例えばピエゾ方式のインクジェットプリンタでは、アクチュエータであるピエゾ(圧電)素子に、駆動パルスに応じた電力信号を印加すると圧力室に接する振動板が変位し、これにより圧力室内の圧力が変化してインク滴が吐出される。駆動パルスは、電圧値を規定する波形データをクロックの動作単位で加減算して電圧値を階段状に増減し、もって全体で台形波状に成形されている。そして、この台形波を逆向きに組合せて駆動パルスとし、前段で圧力室を膨張してインクを引込み、後段で圧力室を収縮してインクを押出すようにすることでインク滴をノズルから吐出する。従って、駆動パルスの台形波の傾きと波高値がインクの引込み及び押出しを制御する要素となり、それらを調整することで吐出されるインク滴の容量を変化させて例えば多階調化を可能とする。
アクチュエータを駆動する駆動回路としては、例えば下記特許文献1に記載されるように、2つのトランジスタをプッシュプル接続した電流増幅回路を用い、一方のトランジスタのゲート(ベース)に前述した駆動パルスを供給することでその出力、即ち駆動パルスを増幅した電力信号を電源からアクチュエータに供給して容量性負荷であるアクチュエータを充電すると共に、他方のトランジスタを介して容量性負荷であるアクチュエータから放電する。
特開平6−8427号公報
しかしながら、前記駆動パルスを用いた電流増幅回路では、トランジスタの発熱が大きく、電力消費量も大きいという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、トランジスタの発熱を低減すると共に、省電力を可能とするインクジェットプリンタ及びその駆動方法を提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法、インク滴を吐出するノズルのアクチュエータに駆動パルスを印加するインクジェットプリンタヘッドの駆動方法であって、前記アクチュエータに駆動パルスを印加するか否かを切り換える選択スイッチと、電圧値を規定する波形データをクロックの動作単位で加減算して階段状に電圧値が増減する駆動パルスを発生する駆動パルス発生回路、を備え、前記駆動パルスの電圧値を保持する時間内で前記選択スイッチを遮断し且つ前記選択スイッチが遮断されている時間内で前記駆動パルスの電圧値を0とすることを特徴とするものである。
この発明1に係るインクジェットプリンタヘッドの駆動方法によれば、容量性負荷からなるアクチュエータが充電されているのに電源からの電流がトランジスタに流れるのを抑制防止することができると共に、充電された容量性負荷からなるアクチュエータからの放電を防止することができ、これによりトランジスタの発熱を低減し且つ省電力を可能とする。
[発明2]発明2のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法は、前記発明1のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法において、前記選択スイッチ遮断開始タイミングは、前記駆動パルスの電圧値の保持開始から前記アクチュエータの充電電位が所定値に達するタイミング以後に設定されていることを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタヘッドの駆動方法によれば、容量性負荷からなるアクチュエータの充電状態を駆動パルス本来の電圧状態に応じたものとすることができる。
[発明3]発明3のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法は、前記発明1又は2のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法において、前記選択スイッチの遮断動作が終了してから前記駆動パルスの電圧値を0とし且つ前記駆動パルスの電圧値を保持すべき電圧値に戻してから選択スイッチを接続することを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタによれば、プッシュプル接続された2つのトランジスタのうちの1つを介して、充電された容量性負荷からなるアクチュエータが接地されるのを防止することができ、もって容量性負荷からなるアクチュエータの放電を防止することができる。
[発明4]発明4のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法は、前記発明1乃至3のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法において、前記アクチュエータが自己放電する以前に前記駆動パルスの電圧値を保持すべき電圧値に戻し、次いで選択スイッチを接続することを特徴とするものである。
この発明4に係るインクジェットプリンタによれば、容量性負荷からなるアクチュエータの充電状態を駆動パルス本来の電圧状態に応じたものとすることができる。
[発明5]発明5のインクジェットプリンタは、前記発明1乃至4のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法を用いたことを特徴とするものである。
この発明5に係るインクジェットプリンタによれば、プッシュプル接続された二つのトランジスタに駆動波形信号を供給し、その出力を駆動パルスとして各アクチュエータに印加することによって、対応するノズルからインク滴を吐出するにあたり、電圧値を規定する波形データをクロックの動作単位で加減算して階段状に電圧値が増減する駆動パルスを発生する場合に、容量性負荷からなるアクチュエータの充放電状態に応じ、駆動パルスの電圧値を保持すべき時間内で所定時間選択スイッチを遮断し且つ少なくともこの選択スイッチが遮断されている時間内の所定時間駆動パルスの電圧値を0とする構成としたため、容量性負荷からなるアクチュエータが充電されているのに電源からの電流がトランジスタに流れるのを抑制防止することができると共に、充電された容量性負荷からなるアクチュエータからの放電を防止することができ、これによりトランジスタの発熱を低減し且つ省電力を可能とする。
次に、本発明のインクジェットプリンタの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成を示す平面図である。このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、ヘッドユニット2及びインクカートリッジ3を搭載したキャリッジ4を備え、このキャリッジ4は1組のキャリッジ軸5に案内されて主走査方向に移動できるようになっている。また、キャリッジ4の一部は歯付きベルト9に固定され、且つ歯付きベルト9は、モータ6の回転軸に固定された駆動プーリ7と従動プーリ8との間に掛け渡されている。ヘッドユニット2には複数個のインクジェットヘッドが搭載されている。
更にキャリッジ4にはエンコーダ10が取付けられ、キャリッジ4の移動方向に沿ってリニアスケール11が設けられている。これにより、エンコーダ10によりキャリッジ4上のヘッドユニット2の位置を検出するようになっている。なお、図1において、符号12はヘッドユニット2とシステムコントローラなどとを電気的に接続するケーブルであり、符号13は、後述するインクジェットヘッドの表面をなでてノズルのメニスカス(meniscus:インク液面を意味する)を整えるワイパであり、符号14は、そのインクジェットヘッドのノズル基板(図3参照)の後述するクリーニングを行うキャップである。
このような構成からなるインクジェットプリンタ1では、エンコーダ10の検出信号がモータ制御回路(図示せず)に入力されると、そのモータ制御回路によりモータ6の回転動作が、加速、一定速度、減速、反転、加速、一定速度、減速、反転…といったように制御される。このようなモータ6の動作に伴って、キャリッジ4が主走査方向に往復移動を繰り返し、一定速度の区間が印刷領域に相当するので、その一定速度の際にキャリッジ4に搭載されるヘッドユニット2の複数個のインクジェットヘッドのノズルから印刷媒体a上にインク滴が吐出される。この結果、印刷媒体aには、そのインク滴からなるインクドットによって所定の文字や画像が記録(印字)される。
インクジェットヘッドの各ノズルからインクを吐出出力する方法としては、静電方式、ピエゾ方式などがある。ピエゾ方式は、アクチュエータであるピエゾ素子に駆動パルスを与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出されるというものである。静電方式は、アクチュエータである静電ギャップに駆動パルスを与えると、キャビティ内の振動板が変位してキャビティ内に圧力変化を生じ、その圧力変化によってインク滴がノズルから吐出されるというものである。本発明は、容量性負荷からなるアクチュエータを有するものであれば、何れのインク出力方法も適用可能である。
本実施形態のインクジェットヘッドの具体的な構成について、図2a及び図4を参照して説明する。このインクジェットヘッド20は圧電式アクチュエータを用いたものであり、図2aに示すように、振動板21と、この振動板21を変位させる圧電式アクチュエータ22と、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板21の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)23と、このキャビティ23に連通し且つ当該キャビティ23内の圧力の増減によりインクを液滴として吐出するノズル24とを少なくとも備えている。
更に詳述すると、インクジェットヘッド20は、ノズル24が形成されたノズル基板25と、キャビティ基板26と、振動板21と、複数の圧電素子27を積層した積層型の圧電式アクチュエータ22とを備えている。キャビティ基板26は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティ23と、これに連通するリザーバ28とが形成されている。また、リザーバ28は、インク供給チューブ29を介してインク貯留部であるインクカートリッジ3に接続されている。圧電式アクチュエータ22は、対向して配置される櫛歯状の電極31、32と、その電極31、32の各櫛歯と交互に配置される圧電素子27とからなる。また、圧電式アクチュエータ22は、その一端側が図2aに示すように、中間層30を介して振動板21と接合されている。
このような構成からなる圧電式アクチュエータ22では、第1電極31と第2電極32との間に印加される駆動パルス源からの駆動パルスにより、図2aに矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、圧電式アクチュエータ22では、例えば図2aに示すような駆動パルスが印加されると、振動板21に変位が生じてキャビティ23内の圧力が変化し、ノズル24からインク滴が吐出されるようになっている。具体的には、後段に詳述するように、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してインク滴を吐出する。なお、図2aに示すノズル基板26に形成されるインクジェットヘッド20毎のノズル24は、例えば図4に示すように配列されている。この図3の例では、4色のインク(Y:イエロー、M:マゼンダ、C:シアン、K:ブラック)に適用した場合のノズル24の配列パターンを示しており、これらの色の組合せにより所謂フルカラー印刷が可能となる。
図2bには、圧電式アクチュエータ22の他の例を示す。図中の符号は、図2aのものを流用している。この圧電式アクチュエータは、一般にユニモルフ型アクチュエータと呼ばれ、圧電素子27を二つの電極31、32で挟んだ簡単な構造であるが、駆動パルスを印加することによって、図2aの積層型アクチュエータと同様に、図の上下方向に伸び縮みし、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してノズル24からインク滴を吐出する。このインクジェットヘッド20も、図示しないインク供給チューブを介してインクカートリッジに接続されている。
図3には、静電式アクチュエータ22を用いたインクジェットヘッドの例を示す。図中の符号のうち、図2a,bと同機能、同名称のものには同等の符号を附してある。インクタンク3内のインクはリザーバ28内に流入し、狭い流路101を経てキャビティ23に導入される。流路101及びキャビティ23には、共通電極102に導通する導電性の振動板21が接している。また、この振動板21に対して、ギャップ(空隙)103を介して個別電極104が配設されている。この結果、共通電曲102と個別電極104の間にギャップ103が介装されていることになり、このギャップ103の静電容量を用いて静電式アクチュエータ22が構成される。従って、この静電式アクチュエータ22に駆動パルスを印加するとギャップ103の静電吸引力により振動板21が個別電極104側に吸引されて弾性エネルギーが貯えられ、その弾性エネルギーを解放することで振動板21が個別電極104と反対側に撓み、キャビティ23内の圧力が高くなってノズル24からインク滴が吐出される。
前記インクジェットプリンタ1内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば図5に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取る入力インタフェース部61と、この入力インタフェース部61から入力された印雑データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、キャリッジモータ41を駆動制御するキャリッジモータドライバ63と、給紙モータ51を駆動制御する給紙モータドライバ64と、インクジェットヘッド20を駆動制御するヘッドドライバ65と、各ドライバ63、64、65の出力信号を外部のキャリッジモータ41、給紙モータ51、インクジェットヘッド20で使用する制御信号に変換して出力するインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dとを備えている。この制御部62は、インタフェース部61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れのノズルからインク滴を吐出するか或いはどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力し、この印字データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63〜65に制御信号を出力する。各ドライバ63〜65から制御信号が出力されると、これらがインタフェース部67で駆動信号に変換されてインクジェットヘッド20の複数のノズル24に対応するアクチュエータ22、キャリッジモータ41、給紙モータ51が夫々作動して、印刷媒体に印刷処理が実行される。なお、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
また、制御部62は、後述する駆動信号を形成するための波形形成用データDATAを後述する波形メモリ701に書込むために、書込みイネーブル信号DENと、書込みクロック信号WCLKと、書込みアドレスデータA0〜A3とを出力して、例えば16ビットの波形形成用データDATAを波形メモリ701に書込むと共に、この波形メモリ701に記憶された波形形成用データDATAを読出すための読出しアドレスデータA0〜A3、波形メモリ701から読出した波形形成用データDATAをラッチするタイミングを設定する第1のクロック信号ACLK、ラッチした波形データを加算するためのタイミングを設定する第2のクロック信号BCLK、ラッチデータをクリアするクリア信号CLER及びラッチデータを有効な状態にしたり一時的に無効な状態にしたりするためのマスク信号MSをヘッドドライバ65に出力する。なお、マスク信号MSは、第2クロック信号BCLKと同期するクロック信号であるが、後段に詳述するように、ON/OFFのタイミングはわずかに異なる。
ヘッドドライバ65は、駆動パルスCOMを形成する駆動パルス発生回路70と、クロック信号SCKを出力する発振回路71とを備えている。駆動パルス発生回路70は、図6に示すように、制御部62から入力される駆動パルス生成のための波形形成用データDATAを所定のアドレスに対応する記憶素子に記憶する波形メモリ701と、この波形メモリ701から読出された波形形成用データDATAを前述した第1のクロック信号ACLKによってラッチするラッチ回路702と、ラッチ回路702の出力と後述するラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAとを加算する加算器703と、この加算器703の加算出力を前述した第2のクロック信号BCLKによってラッチするラッチ回路704と、このラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAとマスク信号MSを入力とするアンドゲート708と、アンドゲート708の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器705と、このD/A変換器705から出力されるアナログ信号を電圧増幅する電圧増幅部706と、この電圧増幅部706の出力信号を電流増幅して駆動パルスCOMを出力する電流増幅部707とを備えている。ここで、ラッチ回路702、704には制御部62から出力されるクリア信号CLERが入力され、このクリア信号CLERがオフ状態となったときに、ラッチデータがクリアされる。
波形メモリ701は、図7に示すように、指示したアドレスに夫々数ビットずつのメモリ素子が配列され、アドレスA0〜A3と共に波形データDATAが記憶される。具体的には、制御部62から指示したアドレスA0〜A3に対して、クロック信号WCLKと共に波形データDATAが入力され、書込みイネーブル信号DENの入力のよってメモリ素子に波形データDATAが記憶される。
インクジェットヘッド20には、インタフェース67を介して、駆動パルス発生回路70で生成された駆動パルスCOM、印刷データに基づいて吐出するノズルを選択し、どの程度のインク滴を吐出するかを設定する印字データSI、全ノズルにノズル選択データが入力された後、これらのデータにより駆動パルスCOMとインクジェットヘッド20のアクチュエータ22とを接続するラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH、これらの印字データSIをシリアル信号としてインクジェットヘッド20に送信するためのクロック信号SCK、及び駆動パルスCOMとアクチュエータ22とを断続するための選択スイッチ201を強制的に断続するスイッチ信号SSが入力されている。なお、スイッチ信号SSは、第2クロック信号BCLKやマスク信号MSと同期するクロック信号であるが、後段に詳述するように、ON/OFFのタイミングはわずかに異なる。
次に、前記駆動パルス発生回路70から出力される駆動パルスCOMとアクチュエータ22とを接続する構成について説明する。図8は、駆動パルスCOMとアクチュエータ22とを接続する選択部のブロック図である。この選択部は、インク滴を吐出させるべきノズル24に対応したアクチュエータ22を指定すると共にインク滴を吐出しないノズル24に対応した圧電式アクチュエータ22も指定する印字データSIを保存するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211のデータを一時的に保存するラッチ回路212と、ラッチ回路212の出力とスイッチ信号SSとを入力とするアンドゲート214と、アンドゲート214の出力をレベル変換するレベルシフタ213と、レベルシフタの出力に応じて駆動パルスCOMをアクチュエータ22に接続する選択スイッチ201によって構成されている。
シフトレジスタ211には、印字データSIが順次入力されると共に、クロック信号SCKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路212は、ノズル数分の印字データSIがシフトレジスタ211に格納された後、入力されるラッチ信号LAT及びチャンネル信号CHによってシフトレジスタ211の各出力信号をラッチする。ラッチ回路212に保存され、且つアンドゲート214から出力された信号は、レベルシフタ213によって次段の選択スイッチ201をオンオフできる電圧レベルに変換される。これは、駆動パルスCOMが、ラッチ回路212及びアンドゲート214の出力電圧に比べて高い電圧であり、これに合わせて選択スイッチ201の動作電圧範囲も高く設定されているためである。選択スイッチ201は、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを組合せたトランスミッションゲートによるアナログスイッチで構成されており、このアナログスイッチを十分に動作させるためにゲート電圧を高い値にレベル変換している。そして、レベルシフタ213によって選択スイッチ201のゲート電圧が印加されたノズルのアクチュエータ22は駆動パルスCOMに接続される。また、シフトレジスタ211の印字データSIがラッチ回路212に保存された後、次の印字情報をシフトレジスタ211に入力し、インク滴の吐出タイミングに合わせてラッチ回路212の保存データを順次更新する。なお、図中の符号HGNDは、圧電式アクチュエータ22のグランド端である。
次に、駆動パルス生成の原理について説明する。まず、前述したアドレスA0には単位時間当たりの電圧変化量として0となる波形データが書込まれている。同様に、アドレスA1には+ΔV1、アドレスA2には−ΔV2、アドレスA3には+ΔV3の波形データが」書込まれている。また、クリア信号CLERによってラッチ回路702、704の保存データがクリアされる。また、駆動パルスCOMは、所望の波形データによって中間電位(オフセット)まで立上げられている。
この状態から、例えば図9に示すようにアドレスA1の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に+ΔV1のデジタルデータが保存される。保存された+ΔV1のデジタルデータは加算器703を経てラッチ回路704に入力され、このラッチ回路704では、第2クロック信号BCLKの立上がりに同期して加算器703の出力を保存する。加算器703には、ラッチ回路704の出力も入力されるので、ラッチ回路704の出力(COM)は、第2クロック信号BCLKが閾値LV0以上となるタイミングで+ΔV1ずつ加算される。この例では、時間幅T1の間、アドレスA1の波形データが読込まれ、その結果、+ΔV1のデジタルデータが3倍になるまで加算されている。
次いで、アドレスA0の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わる。この0のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKが閾値LV0以上となるタイミングで加算されるが、デジタルデータが0であるので、実質的には、それ以前の値が保持される。この例では、時間幅T0の間、駆動パルスCOMが一定値に保持されている。
次いで、アドレスA2の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは−ΔV2に切替わる。この−ΔV2のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKが閾値LV0以上となるタイミングで加算されるが、デジタルデータが−ΔV2であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて駆動パルスCOMは−ΔV2ずつ減算される。この例では、時間幅T2の間、駆動パルスCOMは、−ΔV2のデジタルデータが6倍になるまで減算されている。
このようにして生成されアナログ変換・電圧電流増幅されて出力された駆動パルスCOMが、前述した図9に示すような波形信号になる。このうち駆動パルスCOMの立上がり部分がキャビティ23の容積を拡大してインクを引き込む(インクの吐出面を考えればメニスカスを引き込むとも言える)段階であり、駆動パルスCOMの立下がり部分がキャビティ23の容積を縮小してインク滴を吐出する(インクの吐出面を考えればメニスカスを押出すとも言える)段階である。ちなみに、駆動パルスの波形は、前述からも容易に推察されるように、アドレスA0〜A3に書込まれる波形データ0、+ΔV1、−ΔV2、+ΔV3、第1クロック信号ACLK、第2クロック信号BCLKによって調整可能である。
図10には、電圧増幅部706、電流増幅部707、選択スイッチ201、アクチュエータ22、レベルシフタ213、アンドゲート240の構成を示す。前述したように、電流増幅部707は、2つのトランジスタTr1、Tr2をプッシュプル接続して構成され、そのうち一方のNPN型トランジスタTr1のコレクタが、例えば+42Vの直流電源からなる定電圧電源Vccに接続され、エミッタが選択スイッチ201の入力側に接続され、ベースが電圧増幅部706の一方の出力Q1に接続されている。また、他方のPNP型トランジスタTr2のエミッタが選択スイッチ201の入力側に接続され、コレクタが接地され、ベースが電圧増幅部706の他方の出力Q2に接続されている。この電流増幅部707では、一方のトランジスタTr1は、選択スイッチ201を介して、駆動パルスCOMに応じた電圧波形を伴いながら定電圧電源Vccから容量性負荷であるアクチュエータ22に電荷を供給する、即ち充電し、他方のトランジスタTr2は、選択スイッチ201を介して、駆動パルスCOMに応じた電圧波形を伴いながら容量性負荷であるアクチュエータ22の電荷を放電する。従って、電圧増幅部706の出力を駆動波形信号と定義すると、2つのトランジスタTr1、Tr2に駆動波形信号を供給することで、それを電流増幅した駆動パルスCOMを選択スイッチ201からアクチュエータ22に印加することができる。
ちなみに、本実施形態では、電流増幅部707の出力電圧を電圧増幅部706にフィードバックしている。これは、前述したようにアクチュエータ22が静電容量を有するため、例えば配線の寄生インピーダンスとの組合せによって駆動回路にローパスフィルタが構築され、しかもそのローパスフィルタの特性が、接続されるアクチュエータ22の数によって変化することに起因している。このように、駆動回路にローパスフィルタが構築されると、実際にアクチュエータ22に印加される駆動パルスCOMが、駆動波形信号に応じた駆動パルスCOMと異なるものになり、更に接続されるアクチュエータ22の数によってローパスフィルタの特性が変化すると、駆動パルスCOM自体も接続アクチュエータ数によって変化してしまう。このようなアクチュエータ22への駆動パルスCOMの変化をフィードバック補正するため、駆動パルスCOMを電圧増幅部706にフィードバックしているのである。
このような構成により、インク滴を吐出すべきノズルの選択スイッチ201をONし、その状態で、図9のような駆動パルスCOMを出力すれば、該当するアクチュエータ22には駆動パルスCOMが印加されるはずである。しかしながら、単にそのようにしたのでは、前述したように、トランジスタTr1、Tr2の発熱が大きく、電力消費量も多くなってしまう。そこで、本実施形態では、単に波形データを加算して駆動パルスCOMを生成したり、インク滴を吐出すべきノズルの選択スイッチ201をONしたままにしたりするのではなく、図11のロジック(実際にはハードウエアで達成される)に従って、駆動パルスCOMを一時的に0としたり、選択スイッチ201を一時的にOFFしたりすることで、トランジスタTr1、Tr2の発熱を低減したり、電力消費量を低減したりする。
このロジックでは、まずステップS1で、波形メモリ701から波形データDATAを読出す。
次にステップS2に移行して、ラッチ回路702に波形データDATAを保存する。
次にステップS3に移行して、加算器703の出力をラッチ回路704に保存する。
次にステップS4に移行して、マスク信号MSが閾値LV1以下であるか否かを判定し、マスク信号MSが閾値LV1以下である場合にはステップS5に移行し、そうでない場合にはステップS10に移行する。
ステップS5では駆動パルスCOMを一時的に0としてからステップS6に移行する。
ステップS6では、マスク信号MSが閾値LV1以上であるか否かを判定し、マスク信号MSが閾値LV1以上である場合にはステップS7に移行し、そうでない場合にはステップS5に移行する。
ステップS7では、駆動パルスCOMを本来の値に復帰してからステップS8に移行する。
ステップS8では、駆動パルスCOMが目標値に到達したか否かを判定し、駆動パルスCOMが目標値に到達した場合にはステップS9に移行し、そうでない場合にはステップS3に移行する。
ステップS9では、駆動パルスCOMの出力が完了したか否かを判定し、駆動パルスCOMの出力が完了した場合には処理を終了し、そうでない場合にはステップS1に移行する。
一方、ステップS10では、スイッチ信号SSが閾値LV2以上であるか否かを判定し、スイッチ信号SSが閾値LV2以上である場合にはステップS11に移行し、そうでない場合にはステップS13に移行する。
ステップS11では、選択スイッチ201をONしてからステップS12に移行する。
ステップS12では、スイッチ信号SSが閾値LV2以下であるか否かを判定し、スイッチ信号SSが閾値LV2以下である場合にはステップS13に移行し、そうでない場合にはステップS11に移行する。
ステップS13では、選択スイッチ201をOFFしてからステップS4に移行する。
このロジックによる駆動パルスCOM、選択スイッチ201のON/OFF信号SW、アクチュエータ22の充電電位Vaの経時変化を図12に示す。なお、マスク信号MSは、第2クロック信号BCLKより立上がりが遅く且つ立下がりが早い、つまりマスク信号MSのパルス幅は第2クロック信号BCLKのパルス幅より狭い。また、スイッチ信号SSは、マスク信号MSより立上がりが遅く且つ立下がりが早い、つまりスイッチ信号SSのパルス幅はマスク信号MSのパルス幅より狭い。従って、スイッチ信号SSが閾値LV2以上となるより早いタイミングでマスク信号MSが閾値LV1以上となり、これにより図6のアンドゲート708のマスク信号MSがハイレベルになるのでラッチ回路704の保存データがD/A変換器705以後に出力され、例えば波形データDATAがないか若しくは0である場合には駆動パルスCOMが中間電位まで立上がる。その後、スイッチ信号SSが閾値LV2以上となり、これにより図8のアンドゲート214のスイッチ信号SSがハイレベルになるのでラッチ回路212の保存データがレベルシフタ213以後に出力され、選択スイッチ201がONされる。但し、駆動パルスCOMが中間電位であるからアクチュエータ22の充電電位Vaは変化しない。そして、マスク信号MSが閾値LV1以下となるより早いタイミングでスイッチ信号SSが閾値LV2以下となり、これにより図8のアンドゲート214のスイッチ信号SSがローレベルになってラッチ回路212の保存データが遮断され、その結果、選択スイッチ201がOFFされる。その後、マスク信号MSが閾値LV1以下となり、これにより図6のアンドゲート708のマスク信号MSがローレベルになるのでラッチ回路704の保存データが遮断され、その結果、駆動パルスCOMが0(V)となる。
一方、図6のラッチ回路702に保存されている波形データDATAがアドレス1に相当する+ΔV1である場合に、スイッチ信号SSが閾値LV2以上となるより早いタイミングでマスク信号MSが閾値LV1以上となると、ラッチ回路704の出力にラッチ回路702の波形データDATA(=+ΔV1)を加算した電圧値が駆動パルスCOMとなる。そして、その後、スイッチ信号SSが閾値LV2以上となって選択スイッチ201がONされると、当該駆動パルスCOMに応じた電荷が容量性負荷であるアクチュエータ22に供給されて充電される。従って、アクチュエータ22の充電電位Vaが所定の電位まで充電されていれば、その後、選択スイッチ201がOFFとなり、駆動パルスCOMが0(V)となっても、自己放電が起きない限り、アクチュエータ22の充電電位Vaは保持される。
また、図6のラッチ回路702に保存されている波形データDATAがアドレス2に相当する−ΔV2である場合に、スイッチ信号SSが閾値LV2以上となるより早いタイミングでマスク信号MSが閾値LV1以上となると、ラッチ回路704の出力にラッチ回路702の波形データDATA(=−ΔV2)を加算した電圧値が駆動パルスCOMとなる。そして、その後、スイッチ信号SSが閾値LV2以上となって選択スイッチ201がONされると、当該駆動パルスCOMに応じた電荷が容量性負荷であるアクチュエータ22から放電される。従って、この場合もアクチュエータ22の充電電位Vaが所定の電位まで充電されていれば、その後、選択スイッチ201がOFFとなり、駆動パルスCOMが0(V)となっても、自己放電が起きない限り、アクチュエータ22の充電電位Vaは保持される。
この充放電状態並びに充電電位保持状態を図13a、bに模式的に示す。駆動パルスCOMに応じて容量性負荷であるアクチュエータ22を充放電している状態は、トランジスタTr1、Tr2を、夫々、可変抵抗VR1、VR2に置き換えて考えることができる。即ち、可変抵抗VR1、VR2の抵抗値を駆動波形信号に応じて調整することで、定電圧電源Vccの電圧を可変抵抗VR1、VR2による分圧比で調整して駆動パルスCOMを創成し、この創成された駆動パルスCOMでアクチュエータ22を充放電する。しかしながら、アクチュエータ22の電位が駆動パルスCOM相当の電圧値まで充電されると、それ以後は、アクチュエータ22には電流は流れず、にも関わらず、電流増幅部77内には一定の電流(Vcc/(VR1+VR2))が流れ続け、これがトランジスタTr1、Tr2の発熱につながり、同時に電力消費量の増大につながる。
そこで、本実施形態では、図13bに示すように、トランジスタTr1、Tr2を、夫々、スイッチSW1、SW2として用い、アクチュエータ22への充放電が終了したら選択スイッチ201をOFFとし、次いで定電圧電源Vcc側のスイッチSW1(=Tr1)をOFFとする。このようにすれば、電流増幅部707内では電流が流れず、トランジスタTr1、Tr2が発熱することも、電力を消費することもない。従って、選択スイッチ201の遮断開始タイミングは、駆動パルスCOMの電圧値の保持開始から少なくともアクチュエータ22の充電電位Vaが駆動パルスCOM相当の所定の充電電位に達するタイミング以後に設定する必要がある。なお、2つのトランジスタTr1、Tr2はプッシュプル接続されているので、定電圧電源Vcc側のスイッチSW1(=Tr1)をOFFとすると、接地側のスイッチSW2(=Tr2)はON状態となる。
このように本実施形態のインクジェットプリンタによれば、プッシュプル接続された二つのトランジスタTr1、Tr2に駆動波形信号を供給し、その出力を駆動パルスCOMとして各アクチュエータ22に印加することによって、対応するノズル24からインク滴を吐出するにあたり、電圧値を規定する波形データDATAを第2クロック信号BCLKの動作単位で加減算して階段状に電圧値が増減する駆動パルスCOMを発生する場合に、容量性負荷からなるアクチュエータ22の充放電状態に応じ、駆動パルスCOMの電圧値を保持すべき時間内で所定時間選択スイッチ201を遮断し且つ少なくともこの選択スイッチ201が遮断されている時間内の所定時間駆動パルスCOMの電圧値を0とすることにより、容量性負荷からなるアクチュエータ22が充電されているのに定電圧電源Vccからの電流がトランジスタTr1、Tr2に流れるのを抑制防止することができると共に、充電された容量性負荷からなるアクチュエータ22からの放電を防止することができ、これによりトランジスタの発熱を低減し且つ省電力を可能とする。
また、選択スイッチ201の遮断開始タイミングは、駆動パルスCOMの電圧値の保持開始から少なくとも容量性負荷からなるアクチュエータ22の充電電位が所定値に達するタイミング以後に設定することにより、容量性負荷からなるアクチュエータ22の充電状態を駆動パルスCOM本来の電圧状態に応じたものとすることができ、これによりアクチュエータ22を駆動パルスCOM本来の状態に駆動することができる。
また、選択スイッチ201の遮断動作が終了してから駆動パルスCOMの電圧値を0とし且つ駆動パルスCOMの電圧値を保持すべき電圧値に戻してから選択スイッチ201を接続することにより、プッシュプル接続された2つのトランジスタTr1、Tr2のうちの1つ、つまり接地側のトランジスタTr2を介して、充電された容量性負荷からなるアクチュエータ22が接地されるのを防止することができ、もって容量性負荷からなるアクチュエータ22の放電を防止することができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態について説明する。本実施形態のインクジェットプリンタの構成や作用は、前述した第1実施形態とほぼ同様であるが、前記第1実施形態におけるマスク信号MSやスイッチ信号SSの出力形態が異なる。具体的には、駆動パルスCOMの電圧値を変化させるときにはマスク信号MS及びスイッチ信号SSをHiレベルに保持し、駆動パルスCOMの電圧値が変化しないときには、第2クロック信号BCLK1パルス分、マスク信号MS及びスイッチ信号SSをLoレベルに保持する。つまり、駆動パルスCOMの電圧値を変化する必要があるときには、波形データDATAを積極的に取り入れて駆動パルスCOMの電圧値を確実に変化せしめ、駆動パルスCOMの電圧値を変化する必要がないときには、電流増幅部707のトランジスタTr1、Tr2に流れる電流を極力低減して発熱や電力消費量を低減する。但し、アクチュエータ22を長く放置しておくと自己放電が生じて電位が低下するので、第2クロック信号BCLK1パルス分、アクチュエータ22への充電を休止したら再び充電を行う。
図14には、マスク信号MS及びスイッチ信号SS生成のための演算処理のフローチャートを示す。この演算処理では、まずステップS21で、図6の波形メモリ701に記憶されている波形データDATAが0であるか否か、即ちラッチ回路704の出力が変化しないか否かを判定し、波形データDATAが0である場合にはステップS22に移行し、そうでない場合にはステップS26に移行する。
ステップS22では、タイマTが作動中であるか否かを判定し、タイマTが作動中である場合にはステップS23に移行試、そうでない場合にはステップS27に移行する。
ステップS27ではタイマTを起動してからステップS24に移行する。
ステップS23では、タイマTのカウント値が第2クロック信号BCLK1パルス分に相当する所定値Tm以上であるか否かを判定し、タイマTのカウント値が所定値Tm以上である場合にはステップS25に移行し、そうでない場合にはステップS24に移行する。
ステップS24では、マスク信号MS及びスイッチ信号SSを共にLoレベルとしてからメインプログラムに復帰する。
また、ステップS25では、通常のクロック信号からなるマスク信号MS及びスイッチ信号SSを出力すると共にタイマTをクリアし、且つ停止してからメインプログラムに復帰する。
ステップS26では、マスク信号MS及びスイッチ信号SSを共にHiレベルとしてからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、図15に示すように、波形メモリ701に記憶されている波形データDATAが0でないとき、つまり駆動パルスCOMの電圧値を変化させるときには、マスク信号MS及びスイッチ信号SSをHiレベルに保持して波形データDATAを積極的に取り入れ、駆動パルスCOMの電圧値を確実に変化させてアクチュエータ22への充放電を行う。一方、波形メモリ701に記憶されている波形データDATAが0であるとき、つまり駆動パルスCOMの電圧値が変化しないときには、通常のクロック信号からなるマスク信号MS及びスイッチ信号SSを出力した後、第2クロック信号BCLK1パルス分、マスク信号MS及びスイッチ信号SSをLoレベルに保持する。これにより、電流増幅部707のトランジスタTr1、Tr2に流れる電流を極力低減して発熱や電力消費量を低減することができる。また、アクチュエータ22の自己放電が生じる以前にマスク信号MS及びスイッチ信号SSを復帰してアクチュエータ22を充電する。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタによれば、前記第1実施形態の効果に加えて、駆動パルスCOMが変化しないときには電流増幅部707のトランジスタTr1、Tr2への電流を積極的に停止して発熱や電力消費量を低減することができる。但し、容量性負荷からなるアクチュエータ22が自己放電する以前に駆動パルスCOMの電圧値を保持すべき電圧値に戻し、次いで選択スイッチ201を接続することにより、容量性負荷からなるアクチュエータ22の充電状態を駆動パルスCOM本来の電圧状態に応じたものとすることができ、これによりアクチュエータ22を駆動パルスCOM本来の状態に駆動することができる。
なお、前記各実施形態では、所謂マルチパス型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置を適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、ラインヘッド型プリンタを始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
本発明のインクジェットプリンタの一実施形態を示す平面図である。 図1のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの概略構成図である。 図1のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの他の例を示す概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドのノズルの説明図である。 図1のインクジェットプリンタに設けられた制御装置のブロック図である。 図5の駆動パルス発生回路のブロック図である。 図6の波形メモリの説明図である。 駆動パルスをアクチュエータに接続する選択部のブロック図である。 駆動パルス生成の説明図である。 図6の電流増幅部の構成図である。 駆動パルス生成及び選択スイッチ制御のロジックを示すフローチャートである。 本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態による駆動パルス及びアクチュエータ充電電位のタイミングチャートである。 図12の駆動パルス及びアクチュエータ充電電位の説明図である。 本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態を示すマスク信号及びスイッチ信号生成のための演算処理のフローチャートである。 図13の演算処理による駆動パルス及びアクチュエータ充電電位のタイミングチャートである。
符号の説明
1はインクジェットプリンタ、20はインクジェットヘッド、21は振動板、22はアクチュエータ、23はキャビティ、24はノズル、60はホストコンピュータ、62は制御部、70は駆動パルス発生回路、707は電流増幅部、aは印刷媒体、Tr1、Tr2はトランジスタ

Claims (5)

  1. ンク滴を吐出するノズルのアクチュエータに駆動パルスを印加するインクジェットプリンタヘッドの駆動方法であって
    記アクチュエータに駆動パルスを印加するか否かを切り換える選択スイッチと、
    電圧値を規定する波形データをクロックの動作単位で加減算して階段状に電圧値が増減する駆動パルスを発生する駆動パルス発生回路
    備え、
    記駆動パルスの電圧値を保持する時間内で前記選択スイッチを遮断し且つ前記選択スイッチが遮断されている時間内で前記駆動パルスの電圧値を0とすることを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの駆動方法
  2. 記選択スイッチ遮断開始タイミングは、前記駆動パルスの電圧値の保持開始から前記アクチュエータの充電電位が所定値に達するタイミング以後に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法
  3. 記選択スイッチの遮断動作が終了してから前記駆動パルスの電圧値を0とし且つ前記駆動パルスの電圧値を保持すべき電圧値に戻してから前記選択スイッチを接続することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法
  4. 記アクチュエータが自己放電する以前に前記駆動パルスの電圧値を保持すべき電圧値に戻し、次いで前記選択スイッチを接続することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載のインクジェットプリンタヘッドの駆動方法を用いたインクジェットプリンタ。
JP2006036396A 2006-02-14 2006-02-14 インクジェットプリンタヘッドの駆動方法及びインクジェットプリンタ Active JP4710643B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006036396A JP4710643B2 (ja) 2006-02-14 2006-02-14 インクジェットプリンタヘッドの駆動方法及びインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006036396A JP4710643B2 (ja) 2006-02-14 2006-02-14 インクジェットプリンタヘッドの駆動方法及びインクジェットプリンタ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2007216401A JP2007216401A (ja) 2007-08-30
JP2007216401A5 JP2007216401A5 (ja) 2009-03-26
JP4710643B2 true JP4710643B2 (ja) 2011-06-29

Family

ID=38494188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006036396A Active JP4710643B2 (ja) 2006-02-14 2006-02-14 インクジェットプリンタヘッドの駆動方法及びインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4710643B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5145921B2 (ja) 2007-12-25 2013-02-20 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP4957756B2 (ja) 2009-06-25 2012-06-20 セイコーエプソン株式会社 容量性負荷駆動回路、液体噴射装置および印刷装置
JP5783205B2 (ja) * 2013-05-01 2015-09-24 セイコーエプソン株式会社 容量性負荷駆動回路、液体噴射装置および印刷装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH068427A (ja) * 1991-12-26 1994-01-18 Seiko Epson Corp インクジェット記録ヘッドの駆動回路
JP2000238264A (ja) * 1999-02-18 2000-09-05 Seiko Epson Corp 容量性負荷駆動回路

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH068427A (ja) * 1991-12-26 1994-01-18 Seiko Epson Corp インクジェット記録ヘッドの駆動回路
JP2000238264A (ja) * 1999-02-18 2000-09-05 Seiko Epson Corp 容量性負荷駆動回路

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007216401A (ja) 2007-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8240798B2 (en) Head drive apparatus of inkjet printer and inkjet printer
JP4483884B2 (ja) 駆動信号生成装置、液体吐出装置、及び、駆動信号生成方法
JP4929637B2 (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置及びヘッド駆動方法
JP2006116705A (ja) 液滴吐出装置及び液滴吐出制御方法
JP5163207B2 (ja) 液体噴射装置、及び印刷装置
JP4957855B2 (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置、インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタのヘッド駆動方法
JP3797161B2 (ja) インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法
JP4656125B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP4710643B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの駆動方法及びインクジェットプリンタ
JP4729935B2 (ja) インクジェットプリンタ、インクジェットプリンタのヘッド駆動装置、インクジェットプリンタのヘッド駆動方法
JP2007203493A (ja) インクジェットプリンタ
JP3711447B2 (ja) インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法
JP5076345B2 (ja) 液滴吐出ヘッドの駆動装置、駆動方法、及び液滴吐出装置
JP3757808B2 (ja) インクジェット式プリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法
JP5582132B2 (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置及びインクジェットプリンタのヘッド駆動方法
JP2007001028A (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法
JP4701967B2 (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置及びヘッド駆動方法
JP5115620B2 (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置、インクジェットプリンタのヘッド駆動方法
JP4899592B2 (ja) インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタ駆動方法
US8004343B2 (en) Driver circuit and ink jet printer head driver circuit
JP2007118290A (ja) インクジェットプリンタの駆動装置及びその駆動方法
JP2010162767A (ja) 液体吐出装置及びその制御方法
JP4345346B2 (ja) 静電式インクジェットヘッドの駆動方法、及びインクジェットプリンタ
JP4725307B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP2007001027A (ja) インクジェットプリンタのヘッド駆動装置及び駆動方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090205

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090205

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110307

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350