JP2007118290A - インクジェットプリンタの駆動装置及びその駆動方法 - Google Patents

インクジェットプリンタの駆動装置及びその駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】引打ちを行うピエゾ方式のインクジェットプリンタにあっても、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させる。
【解決手段】インク滴を吐出するノズル24の圧電式アクチュエータ22にキャビティ23を膨張させてインクを引込む引込段階pull及びキャビティ23を収縮させてインクを押出す押出段階pushからなるインク滴吐出用駆動信号を供給する場合、インク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22には、インク滴吐出用駆動信号の引込段階pullと同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階pull及び引込段階pullの前の状態に戻す復帰段階rtnからなるインク滴非吐出用駆動信号を供給することにより、両者の引込段階におけるメニスカスの振動を一致させて干渉を全ノズル吐出時と同様に生じせしめ、もってインク滴を吐出すべきノズルからのインク滴吐出量を安定させる。
【選択図】 図10

Description

本発明は、例えば複数色の液体インクの微小なインク滴を複数のノズルから吐出してその微粒子(インクドット)を印刷媒体上に形成することにより、所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタの駆動装置及びその駆動方法に関するものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッド(インクジェットヘッドともいう)とが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体上をその搬送方向と交差する方向に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インク滴を吐出(噴射)して印刷媒体上に微小なインクドットを形成することで、当該印刷媒体上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
このようなインクジェットプリンタでは、駆動信号によってアクチュエータを駆動して圧力室内の圧力を変化せしめ、その圧力変化で当該圧力室内のインクを当該圧力室に連通するノズルからインク滴として吐出する。アクチュエータにも幾つかの種類があり、例えばピエゾ方式のインクジェットプリンタでは、アクチュエータであるピエゾ(圧電)素子に駆動信号を印加すると圧力室に接する振動板が変位し、これにより圧力室内の圧力が変化してインク滴が吐出される。
ところで、この種のインクジェットプリンタでは、高い解像度を達成するために、インクジェットヘッドに形成されている複数のノズルが互いに近接している。このような近接するノズルから同一のタイミングでインク滴を吐出する場合、インク滴吐出ノズルに隣接するノズルがインク滴を吐出するかしないかによって、流体的な干渉でインク滴の吐出量が変動し、画質の低下を引き起こす場合がある。そこで、以下に挙げる特許文献1では、インク滴を吐出しないノズルのアクチュエータに対しても、インク滴が吐出されない程度の駆動信号を供給してインク滴非吐出ノズルの圧力室内の圧力変動を安定させ、これによりインク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量の安定化を図っている。
特開平11−34325号公報
しかしながら、前記従来のインクジェットプリンタの駆動装置及びその駆動方法によって、単に、インク滴を吐出しないノズルのアクチュエータに対してインク滴が吐出されない程度の駆動信号を供給するだけでは、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させることができない。これは、特に、圧力室を膨張させてインクを引込んだ後、圧力室を収縮させてインクを押出す、その結果、ノズルからインク滴が吐出される、所謂引打ちを行うピエゾ方式のインクジェットプリンタで顕著である。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、引打ちを行うピエゾ方式のインクジェットプリンタにあっても、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させることが可能なインクジェットプリンタの駆動装置及びその駆動方法を提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタの駆動装置は、インクジェットヘッドに設けられた複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられたアクチュエータと、印刷データに基づいて何れのノズルからインク滴を吐出するか又はどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力する印字データ出力手段と、前記印字データ出力手段からの印字データに基づいて前記アクチュエータに駆動信号を印加して圧力室内の圧力を変化せしめることによりノズルからインク滴を吐出する駆動手段とを備え、前記駆動手段は、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を創成出力するインク滴吐出用駆動信号出力手段と、少なくとも前記インク滴吐出用駆動信号の引込段階と同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階を有するインク滴非吐出用駆動信号を創成出力するインク滴非吐出用駆動信号出力手段とを備え、インク滴を吐出するノズルのアクチュエータにはインク滴吐出用駆動信号出力手段からのインク滴吐出用駆動信号を供給し且つインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータにはインク滴非吐出用駆動信号出力手段からのインク滴非吐出用駆動信号を供給することを特徴とするものである。
所謂引打ちを行うピエゾ方式のインクジェットプリンタでは、圧力室を膨張させてインクを引込むときのメニスカス(meniscus:ノズル内の液面を意味する)の振動が、リザーバを介して隣接する圧力室に干渉し、その結果、ノズルからのインク滴吐出量に影響を及ぼす。この発明1に係るインクジェットプリンタの駆動装置によれば、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を創成すると共に、少なくともインク滴吐出用駆動信号の引込段階と同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階を有するインク滴非吐出用駆動信号を創成し、インク滴を吐出するノズルのアクチュエータにはインク滴吐出用駆動信号を供給し且つインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータにはインク滴非吐出用駆動信号を供給する構成としたため、インク滴を吐出するノズルの圧力室のインクを引込むときのメニスカスの振動と、インク滴を吐出しないノズルの圧力室のインクを引込むときのメニスカスの振動とが一致して互いの干渉が全ノズル吐出時と同様に生じ、その結果、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させることができる。
[発明2]発明2のインクジェットプリンタの駆動装置は、前記発明1のインクジェットプリンタの駆動装置において、前記駆動手段は、前記圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階及び圧力室を引込段階の前の状態に戻す復帰段階からなる共通駆動信号を発生する共通駆動信号発生手段を備え、前記インク滴吐出用駆動信号出力手段は、前記共通駆動信号発生手段から発生される共通駆動信号のうち引込段階及び押出段階を選択してインク滴吐出用駆動信号を創成し、前記インク滴非吐出用駆動信号出力手段は、前記共通駆動信号発生手段から発生される共通駆動信号のうち引込段階及び復帰段階を選択してインク滴非吐出用駆動信号を創成することを特徴とするものである。
この発明2に係るインクジェットプリンタの駆動装置によれば、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階及び圧力室を引込段階の前の状態に戻す復帰段階からなる共通駆動信号を発生し、この共通駆動信号のうち引込段階及び押出段階を選択してインク滴吐出用駆動信号を創成すると共に、共通駆動信号のうち引込段階及び復帰段階を選択してインク滴非吐出用駆動信号を創成する構成としたため、各ノズルのアクチュエータへの駆動信号供給用信号線が一本ですむ。
[発明3]発明4のインクジェットプリンタの駆動装置は、前記発明1のインクジェットプリンタの駆動装置において、前記駆動手段は、前記圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を発生するインク滴吐出用駆動信号発生手段と、前記圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を引込段階の前の状態に戻す復帰段階からなるインク滴非吐出用駆動信号を発生するインク滴非吐出用駆動信号発生手段とを備え、前記インク滴吐出用駆動信号出力手段は、前記インク滴吐出用駆動信号発生手段から発生されるインク滴吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出するノズルのアクチュエータに供給し、前記インク滴非吐出用駆動信号出力手段は、前記インク滴非吐出用駆動信号発生手段から発生されるインク滴非吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータに供給することを特徴とするものである。
この発明3に係るインクジェットプリンタの駆動装置によれば、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を発生すると共に、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を引込段階の前の状態に戻す復帰段階からなるインク滴非吐出用駆動信号を発生し、インク滴吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出するノズルのアクチュエータに供給すると共に、インク滴非吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータに供給する構成としたため、一つのノズルのアクチュエータの駆動周期を短縮することが可能となる。
[発明4]発明4のインクジェットプリンタの駆動方法は、印刷データに基づいて、複数のヘッド毎に設けられている複数のノズルのうち、何れのノズルからインク滴を吐出するか又はどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力し、その印字データに基づいてアクチュエータに駆動信号を印加して圧力室内の圧力を変化せしめることにより当該圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出するインクジェットプリンタの駆動方法であって、インク滴を吐出するノズルのアクチュエータには、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を供給し、且つインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータには、少なくとも前記インク滴吐出用駆動信号の引込段階と同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階を有するインク滴非吐出用駆動信号を供給することを特徴とするものである。
この発明4に係るインクジェットプリンタの駆動方法によれば、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を創成すると共に、少なくともインク滴吐出用駆動信号の引込段階と同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階を有するインク滴非吐出用駆動信号を創成し、インク滴を吐出するノズルのアクチュエータにはインク滴吐出用駆動信号を供給し且つインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータにはインク滴非吐出用駆動信号を供給する構成としたため、インク滴を吐出するノズルの圧力室のインクを引込むときのメニスカスの振動と、インク滴を吐出しないノズルの圧力室のインクを引込むときのメニスカスの振動とが一致して互いの干渉が全ノズル吐出時と同様に生じ、その結果、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させることができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの駆動装置の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成を示す平面図である。このインクジェットプリンタ1は、図1に示すように、ヘッドユニット2及びインクカートリッジ3を搭載したキャリッジ4を備え、このキャリッジ4は1組のキャリッジ軸5に案内されて主走査方向に移動できるようになっている。また、キャリッジ4の一部は歯付きベルト9に固定され、且つ歯付きベルト9は、モータ6の回転軸に固定された駆動プーリ7と従動プーリ8との間に掛け渡されている。
更にキャリッジ4にはエンコーダ10が取付けられ、キャリッジ4の移動方向に沿ってリニアスケール11が設けられている。これにより、エンコーダ10によりキャリッジ4上のヘッドユニット2の位置を検出するようになっている。なお、図1において、符号12はヘッドユニット2とシステムコントローラなどとを電気的に接続するケーブルであり、符号13は、後述するインクジェットヘッドの表面をクリーニングするワイパであり、符号14は、そのインクジェットヘッドのノズル基板(図3参照)のキャッピングを行うキャップである。
このような構成からなるインクジェットプリンタ1では、エンコーダ10の検出信号がモータ制御回路(図示せず)に入力されると、そのモータ制御回路によりモータ6の回転動作が、加速、一定速度、減速、反転、加速、一定速度、減速、反転…といったように制御される。このようなモータ6の動作に伴って、キャリッジ4が主走査方向に往復移動を繰り返し、一定速度の区間が印刷領域に相当するので、その一定速度の際にキャリッジ4に搭載されるヘッドユニット2のノズルから印刷媒体a上にインク滴が吐出される。この結果、印刷媒体aには、そのインク滴からなるインクドットによって所定の文字や画像が記録(印字)される。
次に、図1に示すヘッドユニット2の具体的な構成について、図2a及び図3を参照して説明する。このヘッドユニット2は、図2aに示すようなインクジェットヘッド(ノズルヘッド)20を複数個備え、各インクジェットヘッド20は圧電式アクチュエータを用いたものである。インクジェットヘッド20は、図2aに示すように、振動板21と、この振動板21を変位させる圧電式アクチュエータ22と、内部に液体であるインクが充填され且つ振動板21の変位により内部の圧力が増減されるキャビティ(圧力室)23と、このキャビティ23に連通し且つ当該キャビティ23内の圧力の増減によりインクを液滴として吐出するノズル24とを少なくとも備えている。
更に詳述すると、インクジェットヘッド20は、ノズル24が形成されたノズル基板25と、キャビティ基板26と、振動板21と、複数の圧電素子27を積層した積層型の圧電式アクチュエータ22とを備えている。キャビティ基板26は、図示のように所定形状に形成され、これにより、キャビティ23と、これに連通するリザーバ28とが形成されている。また、リザーバ28は、インク供給チューブ29を介してインクカートリッジ3に接続されている。圧電式アクチュエータ22は、対向して配置される櫛歯状の電極31、32と、その電極31、32の各櫛歯と交互に配置される圧電素子27とからなる。また、圧電式アクチュエータ22は、その一端側が図2aに示すように、中間層30を介して振動板21と接合されている。
このような構成からなる圧電式アクチュエータ22では、第1電極31と第2電極32との間に印可される駆動信号源からの駆動信号により、図2aに矢印で示すように上下方向に伸び縮みするモードを利用している。従って、圧電式アクチュエータ22では、例えば図2aに示すような駆動信号が印加されると、振動板21に変位が生じてキャビティ23内の圧力が変化し、ノズル24からインク滴が吐出されるようになっている。具体的には、後段に詳述するように、キャビティ23の容積を拡大して(膨張させて)インクを引込み、次いでキャビティ23の容積を縮小して(収縮させて)インクを押出し、これによりノズルからインク滴を吐出する。なお、図2aに示すノズル基板26に形成されるインクジェットヘッド20毎のノズル24は、例えば図3に示すように配列されている。この図3の例では、4色のインク(Y:イエロー、M:マゼンダ、C:シアン、K:ブラック)に適用した場合のノズル24の配列パターンを示しており、これらの色の組合せにより所謂フルカラー印刷が可能となる。
圧電式アクチュエータ22の他の例を図2bに示す。図中の符号は、図2aのものを流用している。この圧電式アクチュエータは、一般にユニモルフ型アクチュエータと呼ばれ、圧電素子27を二つの電極31、32で挟んだ簡単な構造であるが、駆動信号を印加することによって、図2aの積層型アクチュエータと同様に、図の上下方向に伸び縮みし、キャビティ23の容積を拡大してインクを引き込み、次いでキャビティ23の容積を縮小してノズル24からインク滴を吐出する。
前記インクジェットプリンタ1内には、自身を制御するための制御装置が設けられている。この制御装置は、例えば図4に示すように、例えばパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ等のホストコンピュータ60から入力された印刷データに基づいて、印刷装置や給紙装置等を制御することにより印刷媒体に印刷処理を行うものである。そして、ホストコンピュータ60から入力された印刷データを受取る入力インタフェース部61と、この入力インタフェース部61から入力された印雑データに基づいて印刷処理を実行する例えばマイクロコンピュータで構成される制御部62と、キャリッジモータ41を駆動制御するキャリッジモータドライバ63と、給紙モータ51を駆動制御する給紙モータドライバ64と、インクジェットヘッド20を駆動制御するヘッドドライバ65と、各ドライバ63、64、65の出力信号を外部のキャリッジモータ41、給紙モータ51、インクジェットヘッド20で使用する制御信号に変換して出力するインタフェース67とを備えて構成される。
制御部62は、印刷処理等の各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)62aと、入力インタフェース61を介して入力された印刷データ或いは当該印刷データ印刷処理等を実行する際の各種データを一時的に格納し、或いは印刷処理等のアプリケーションプログラムを一時的に展開するRAM(Random Access Memory)62cと、CPU62aで実行する制御プログラム等を格納する不揮発性半導体メモリで構成されるROM(Read-Only Memory)62dとを備えている。この制御部62は、インタフェース部61を介してホストコンピュータ60から印刷データ(画像データ)を入手すると、CPU62aが、この印刷データに所定の処理を実行して、何れのノズルからインク滴を吐出するか或いはどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力し、この印字データ及び各種センサからの入力データに基づいて、各ドライバ63〜65に制御信号を出力する。各ドライバ63〜65から制御信号が出力されると、これらがインタフェース部67で駆動信号に変換されてインクジェットヘッド20の複数のノズル24に対応する圧電式アクチュエータ22、キャリッジモータ41、給紙モータ51が夫々作動して、印刷媒体に印刷処理が実行される。なお、制御部62内の各構成要素は、図示しないバスを介して電気的に接続されている。
また、制御部62は、後述する駆動信号を形成するための波形形成用データDATAを後述する波形メモリ701に書込むために、書込みイネーブル信号DENと、書込みクロック信号WCLKと、書込みアドレスデータA0〜A3とを出力して、例えば16ビットの波形形成用データDATAを波形メモリ701に書込むと共に、この波形メモリ701に記憶された波形形成用データDATAを読出すための読出しアドレスデータA0〜A3、波形メモリ701から読出した波形形成用データDATAをラッチするタイミングを設定する第1のクロック信号ACLK、ラッチした波形データを加算するためのタイミングを設定する第2のクロック信号BCLK及びラッチデータをクリアするクリア信号CLERをヘッドドライバ65に出力する。
ヘッドドライバ65は、共通駆動信号COMを形成する共通駆動信号発生回路68と、クロック信号SCKを出力する発振回路71とを備えている。共通駆動信号発生回路68は、図5に示すように、制御部62から入力される駆動信号生成のための波形形成用データDATAを所定のアドレスに対応する記憶素子に記憶する波形メモリ701と、この波形メモリ701から読出された波形形成用データDATAを前述した第1のクロック信号ACLKによってラッチするラッチ回路702と、ラッチ回路702の出力と後述するラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAとを加算する加算器703と、この加算器703の加算出力を前述した第2のクロック信号BCLKによってラッチするラッチ回路704と、このラッチ回路704から出力される波形生成データWDATAをアナログ信号に変換するD/A変換器705と、このD/A変換器705から出力されるアナログ信号を電圧増幅する電圧増幅部706と、この電圧増幅部706の出力信号を電流増幅して共通駆動信号COMを出力する電流増幅部707とを備えている。ここで、ラッチ回路702、704には制御部62から出力されるクリア信号CLERが入力され、このクリア信号CLERがオフ状態となったときに、ラッチデータがクリアされる。
波形メモリ701は、図6に示すように、指示したアドレスに夫々数ビットずつのメモリ素子が配列され、アドレスA0〜A3と共に波形データDATAが記憶される。具体的には、制御部62から指示したアドレスA0〜A3に対して、クロック信号WCLKと共に波形データDATAが入力され、書込みイネーブル信号DENの入力のよってメモリ素子に波形データDATAが記憶される。
インクジェットヘッド20には、入出力インタフェース部67を介して、共通駆動信号発生回路68で生成された共通駆動信号COM、印刷データに基づいて吐出するノズルを選択すると共に圧電式アクチュエータ22の共通駆動信号COMへの接続タイミングを決定する駆動波形信号選択データ信号SI、全ノズルにノズル選択データが入力された後、駆動波形信号選択データSIに基づいて共通駆動信号COMとインクジェットヘッド20の圧電式アクチュエータ22とを接続させるラッチ信号LAT及びチャンネル信号CH、駆動波形信号選択データ信号SIをシリアル信号としてインクジェットヘッド20に送信するためのクロック信号SCKが入力されている。
次に、前記共通駆動信号発生回路68から出力される共通駆動信号COMと圧電素子71とを接続する構成について説明する。図7は、共通駆動信号COMと圧電素子71とを接続する選択部のブロック図である。この選択部は、インク滴を吐出させるべきノズル24に対応した圧電式アクチュエータ22を指定すると共にインク滴を吐出しないノズル24に対応した圧電式アクチュエータ22も指定し、且つそれらの圧電式アクチュエータ2の共通駆動信号COMへの接続タイミングを決定する駆動波形信号選択データSIを保存するシフトレジスタ211と、シフトレジスタ211のデータを一時的に保存するラッチ回路212と、ラッチ回路212の出力をレベル変換するレベルシフタ213と、レベルシフタの出力に応じて共通駆動信号COMを圧電式アクチュエータ22に接続する選択スイッチ201によって構成されている。
シフトレジスタ211には、駆動波形信号選択データ信号SIが順次入力されると共に、クロック信号SCKの入力パルスに応じて記憶領域が初段から順次後段にシフトする。ラッチ回路212は、ノズル数分の駆動波形信号選択データSIがシフトレジスタ211に格納された後、入力されるラッチ信号LATによってシフトレジスタ211の各出力信号をラッチする。ラッチ回路212に保存された信号は、レベルシフタ213によって次段の選択スイッチ201をオンオフできる電圧レベルに変換される。これは、共通駆動信号COMが、ラッチ回路212の出力電圧に比べて高い電圧であり、これに合わせて選択スイッチ201の動作電圧範囲も高く設定されているためである。選択スイッチ201は、PチャンネルFETとNチャンネルFETとを組合せたトランスミッションゲートによるアナログスイッチで構成されており、このアナログスイッチを十分に動作させるためにゲート電圧を高い値にレベル変換している。そして、レベルシフタ213によって選択スイッチ201のゲート電圧が印加されたノズルの圧電式アクチュエータ22は駆動波形信号選択データSIの接続タイミングで共通駆動信号COMに接続される。また、シフトレジスタ211の駆動波形信号選択データ信号SIがラッチ回路212に保存された後、次の印字情報をシフトレジスタ211に入力し、インク滴の吐出タイミングに合わせてラッチ回路212の保存データを順次更新する。なお、図中の符号HGNDは、圧電式アクチュエータ22のグランド端である。また、この選択スイッチ201によれば、圧電式アクチュエータ22を共通駆動信号COMから切り離した後も、当該圧電式アクチュエータ22の入力電圧は、切り離す直前の電圧に維持される。
次に、駆動信号生成の原理について説明する。まず、前述したアドレスA0には単位時間当たりの電圧変化量として0となる波形データが書込まれている。同様に、アドレスA1には+ΔV1、アドレスA2には−ΔV2、アドレスA3には+ΔV3の波形データが書込まれている。また、クリア信号CLERによってラッチ回路702、704の保存データがクリアされる。また、共通駆動信号COMは、波形データによって中間電位(オフセット)まで立上げられている。
この状態から、例えば図8に示すようにアドレスA1の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に+ΔV1のデジタルデータが保存される。保存された+ΔV1のデジタルデータは加算器703を経てラッチ回路704に入力され、このラッチ回路704では、第2クロック信号BCLKの立上がりに同期して加算器703の出力を保存する。加算器703には、ラッチ回路704の出力も入力されるので、ラッチ回路704の出力、即ち共通駆動信号COMは、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで+ΔV1ずつ加算される。この例では、時間幅T1の間、アドレスA1の波形データが読込まれ、その結果、+ΔV1のデジタルデータが3倍になるまで加算されている。
次いで、アドレスA0の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは0に切替わる。この0のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが0であるので、実質的には、それ以前の値が保持される。この例では、時間幅T0の間、共通駆動信号COMが一定値に保持されている。
次いで、アドレスA2の波形データが読込まれ且つ第1クロック信号ACLKが入力されるとラッチ回路702に保存されるデジタルデータは−ΔV2に切替わる。この−ΔV2のデジタルデータは、前述と同様に、加算器703を経て、第2クロック信号BCLKの立上がりのタイミングで加算されるが、デジタルデータが−ΔV2であるので、実質的には第2クロック信号に合わせて共通駆動信号COMは−ΔV2ずつ減算される。この例では、時間幅T2の間、−ΔV2のデジタルデータが6倍になるまで減算されている。
このようにして生成されアナログ変換・電圧電流増幅されて出力された共通駆動信号COMが、前述した図2aに示すような波形信号になる。このうち共通駆動信号COMの立上がり部分がキャビティ23の容積を拡大して(膨張させて)インクを引込む(インクの吐出面を考えればメニスカスを引き込むとも言える)段階であり、共通駆動信号COMの立下がり部分がキャビティ23の容積を縮小して(収縮させて)インクを押出す(インクの吐出面を考えればメニスカスを押出すとも言える)段階であり、インクを押出した結果、インク滴がノズルから吐出される。ちなみに、駆動信号の波形は、前述からも容易に推察されるように、アドレスA0〜A3に書込まれる波形データ0、+ΔV1、−ΔV2、+ΔV3、第1クロック信号ACLK、第2クロック信号BCLKによって調整可能である。
本実施形態の共通駆動信号COMの全体像は、図9のようになっている。このうち、時刻t0〜t3の時間T1は、キャビティ23の容積を拡大して(膨張させて)インクを引込む引込段階pullであり、時刻t3〜t4の時間T2は、キャビティ23の容積を縮小して(収縮させて)インクを押出す押出段階pushであり、時刻t5〜t6の時間T4は、キャビティ23の容積を引込段階T1の前の状態、つまり前述した中庸状態に戻す復帰段階rtnである。また、時刻t4〜t5の時間T3は、前述した中庸状態から引込段階の波高値Vhまで電位を高める移行段階shftである。そして、本実施形態では、インク滴を吐出すべきノズル24の圧電式アクチュエータ22に対しては、共通駆動信号COMの引込段階pull及び押出段階pushだけを選択して接続することで、キャビティ23の容積を拡大して(膨張させて)インクを引込み、次いでキャビティ23の容積を縮小して(収縮させて)インクを押出すことによりインク滴をノズル24から吐出することができる。従って、この信号形態が本発明のインク滴吐出用駆動信号となる。一方、インク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22に対して、共通駆動信号COMの引込段階pull及び復帰段階rtnだけを選択して接続することで、キャビティ23の容積を拡大して(膨張させて)インクを引込んだ後、キャビティ23の容積をゆっくり縮小して(収縮させて)引込段階pullの前の状態に戻す。その際、押出段階pushがないので、インク滴がノズル24から吐出されることはない。従って、この信号形態が本発明のインク液非吐出用駆動信号となる。このインク滴非吐出用駆動信号の引込段階pullは、インク滴を吐出すべきノズル24の圧電式アクチュエータ22へのそれと同じなので、その際に発生するメニスカスの振動が両者間で一致して互いの干渉が全ノズル吐出時と同様に生じ、その結果、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させることができる。
図10は、インク滴吐出ノズルか否かに応じて共通駆動信号COMと圧電式アクチュエータ22との接続状態を変更するための駆動波形信号選択データSIの設定の演算処理を示すフローチャートである。この演算処理では、まずステップS1で印字データを読込む。
次いでステップS2に移行して、印字データを読込んだノズルがインク滴吐出ノズルか否かを判定し、インク滴吐出ノズルである場合にはステップS3に移行し、そうでない場合にはステップS4に移行する。
ステップS3では、共通駆動信号COMの引込段階pull及び押出段階pushを圧電式アクチュエータ22に接続する駆動波形信号選択データSIを創成出力してからステップS5に移行する。
一方、ステップS4では、共通駆動信号COMの引込段階pull及び復帰段階rtnを圧電式アクチュエータ22に接続する駆動波形信号選択データSIを創成出力してからステップS5に移行する。
ステップS5では、全画素データについて処理が終了したか否かを判定し、全画素データについて処理が終了した場合にはメインプログラムに復帰し、そうでない場合にはステップS6で次の画素に移行してステップS1に移行する。
例えば、前述したインク滴を吐出すべきノズル24の圧電式アクチュエータ22に対して引込段階pull及び押出段階pushだけ共通駆動信号COMを接続するパターンを吐出駆動ノズル、インク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22に対して引込段階pull及び復帰段階rtnだけ共通駆動信号COMを接続するパターンを非吐出駆動ノズル、インク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22に対して共通駆動信号COMを全く接続しないパターンを非駆動ノズルとしたとき、図11に示すように、副走査方向(ノズル配列方向)に180個配列されたノズル24のうち、5ノズル毎に吐出駆動ノズルとし、残りを非駆動ノズルとした場合(図11の印字パターンA)、5ノズル毎に吐出駆動ノズルとし、残りを非吐出駆動ノズルとした場合(図11の印字パターンB)、全ノズルを吐出駆動ノズルとした場合(図11の印字パターンC)の夫々について、全ノズルのインク滴の吐出量を、印刷媒体上のインクドットの面積で評価した。評価結果を図12に示す。
同図から明らかなように、印字パターンAでは、吐出駆動ノズルのメニスカスの振動がリザーバ28及び非駆動ノズルのキャビティ23内で減衰し、全ノズルを吐出駆動ノズルとする印字パターンCに比して、インク滴の吐出量であるインクドット面積が小さくなっている。一方、インク滴を吐出しないノズルを非吐出駆動ノズルとする印字パターンBでは、前述のように隣接するノズルの引込段階でのメニスカスの振動が一致するため、互いの干渉が全ノズル吐出時と同様に生じ、全ノズルを吐出駆動ノズルとする印字パターンCに、インク滴の吐出量であるインクドット面積を近づけることができる。
このように、本実施形態のインクジェットプリンタの駆動装置及び駆動方法によれば、キャビティ23を膨張させてインクを引込む引込段階pull及びキャビティ23を収縮させてインクを押出す押出段階pushからなるインク滴吐出用駆動信号を創成すると共に、少なくともインク滴吐出用駆動信号の引込段階pullと同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階pullを有するインク滴非吐出用駆動信号を創成し、インク滴を吐出するノズル24の圧電式アクチュエータ22にはインク滴吐出用駆動信号を供給し且つインク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22にはインク滴非吐出用駆動信号を供給する構成としたため、インク滴を吐出するノズル24のキャビティ23のインクを引込むときのメニスカスの振動と、インク滴を吐出しないノズル24のキャビティ23のインクを引込むときのメニスカスの振動とが一致して互いの干渉が全ノズル吐出時と同様に生じ、その結果、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させることができる。
また、キャビティ23を膨張させてインクを引込む引込段階pull及びキャビティ23を収縮させてインクを押出す押出段階push及びキャビティ23を引込段階pullの前の状態に戻す復帰段階rtnからなる共通駆動信号COMを発生し、この共通駆動信号COMのうち引込段階pull及び押出段階pushを選択してインク滴吐出用駆動信号を創成すると共に、共通駆動信号COMのうち引込段階pull及び復帰段階rtnを選択してインク滴非吐出用駆動信号を創成する構成としたため、各ノズル24の圧電式アクチュエータ22の駆動周期は若干長ずるものの、当該圧電式アクチュエータ22への駆動信号供給用信号線が一本ですむ。
次に、本発明のインクジェットプリンタの駆動装置及び駆動方法の第2実施形態について説明する。この実施形態では、まず第1実施形態の制御装置が、図4のものから図13のものに変更されている。具体的な相違点は、第1実施形態の共通駆動信号発生回路68に代えて、第1駆動信号COM1を発生する第1駆動信号発生回路69及び第2駆動信号COM2を発生する第2駆動信号発生回路70が設けられている。これにあわせて、制御部62から出力される駆動波形信号選択データSIは、第1及び第2駆動信号COM1,COM2中から後述する駆動波形信号を選択するものに変更されている。
第1駆動信号発生回路69で発生される第1駆動信号COM1及び第2駆動信号発生回路70で発生される第2駆動信号COM2は、夫々、図14に示すような形態をしている。第1駆動信号COM1は、引込段階pull及び押出段階pushを備えた二つの駆動信号を時系列的に配列してなり、第2駆動信号COM2は、引込段階pull及び復帰段階rtnを備えた二つの駆動信号を時系列的に配列してなる。この単一の波形からなる駆動信号を駆動波形信号WCOMと定義し、第1駆動信号COM1の時間的に早い駆動波形信号WCOMを第1駆動波形信号WCOM1、次の駆動波形信号WCOM2、第2駆動信号COM2の時間的に早い駆動波形信号を第3駆動波形信号WCOM3、次の駆動波形信号WCOM4とする。従って、第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1及び第2駆動波形信号WCOM2が夫々本発明のインク滴吐出用駆動信号に相当し、第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3及び第4駆動波形信号WCOM4の夫々が本発明のインク滴非吐出用駆動信号に相当する。
なお、本実施形態では、第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1の引込段階pullの波高値も押出段階pushの波高値も、第2駆動波形信号WCOM2のそれらより小さい。また、第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3の引込段階pullの波高値Vhaは第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1の引込段階pullの波高値Vhaに等しく、即ちインク引込量が等しく且つ引込段階pullのタイミング、即ちインク引込タイミングも等しい。また、第2駆動信号COM2の第4駆動波形信号WCOM4の引込段階pullの波高値Vhbは第1駆動信号COM1の第2駆動波形信号WCOM2の引込段階pullの波高値Vhbに等しく、即ちインク引込量が等しく且つ引込段階pullのタイミング、即ちインク引込タイミングも等しい。従って、後述するようにインク滴を吐出するノズル24の圧電式アクチュエータ22に第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1が供給されているときに、インク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22に第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3が供給されれば、第1実施形態と同様に、両者のメニスカスの振動が一致して全ノズル吐出時と同様の干渉が生じ、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴吐出量が安定する。同様に、インク滴を吐出するノズル24の圧電式アクチュエータ22に第1駆動信号COM1の第2駆動波形信号WCOM2が供給されているときに、インク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22に第2駆動信号COM2の第4駆動波形信号WCOM4が供給されれば、両者のメニスカスの振動が一致して全ノズル吐出時と同様の干渉が生じ、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴吐出量が安定する。
このように、単独の駆動波形信号であっても、引込段階pullと押出段階pushを有する第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1及び第2駆動波形信号WCOM2では、ノズルからインク滴を吐出することができる。従って、駆動波形信号を時系列的に連結して駆動信号を創成した場合でも、そのうちから単独の駆動波形信号を選択して圧電式アクチュエータ22に供給し、インク滴を吐出する場合もあるし、複数の駆動波形信号を選択して圧電式アクチュエータ22に供給し、インク滴を複数回吐出する場合もある。インクが乾かないうちに複数のインク滴を同じ位置に着弾すると、実質的に大きなインク滴を吐出するのと同じことになり、インクドットの大きさを大きくすることできる。このような技術の組合せによって多階調化を図っている。
本実施形態の場合、第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3及び第4駆動波形信号WCOM4ではインク滴が吐出されないので、同一駆動周期のうちで波高値の小さい第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1と第2駆動信号COM2の第4駆動波形信号WCOM4との組合せによってインク滴の吐出量が小さい、即ちインクドット面積の小さい階調度1を得ることができる。また、同一駆動周期のうちで第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3と波高値の大きい第2駆動信号COM2の第2駆動波形信号WCOM2との組合せによってインク滴の吐出量が中程度の、即ちインクドット面積が中程度の階調度2を得ることができる。また、同一駆動周期のうちで第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1と同じく第2駆動波形信号WCOM2との組合せによってインク滴の吐出量が大きい、即ちインクドット面積の大きい階調度3を得ることができる。また、同一駆動周期のうちで第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3と同じく第4駆動波形信号WCOM4との組合せによってインク滴が吐出されない、即ちインクドット面積のない階調度0を得ることができる。
従って、印字データから要求階調度を読取り、必要な駆動波形信号WCOMの組合せを選択する駆動波形信号選択データSIを創成すれば、階調度0〜階調度3の4つの階調度(階調数は4)を達成することができる。この駆動波形信号選択データSIに応じて第1駆動信号COM1及び第2駆動信号COM2から必要な駆動波形信号WCOMを選択して圧電式アクチュエータ22に供給する選択部が図15のように構成されている。この選択部では、前述した図7の選択部のラッチ回路212とレベルシフタ213との間に、駆動波形信号選択回路214及び駆動信号選択回路217が介装されている。駆動波形信号選択回路214は、駆動波形信号選択データSIに基づいて、例えば図14に示す波形図の駆動波形信号選択タイミングta、tbの夫々で、駆動波形信号WCOMを選択するものであり、駆動信号選択回路217は、同じく駆動信号COMを選択するものである。この二つの回路で選択される選択肢のマトリックスから4つの階調度に対応する駆動波形信号WCOMの組合せが決定される。
図16は、要求階調度に応じて必要な駆動波形信号を選択し、それらの組合せを設定するための駆動波形信号選択データSIの設定の演算処理を示すフローチャートである。この演算処理では、まずステップS11で印字データを読込む。
次いでステップS12に移行して、印字データが要求する階調度を判定し、要求階調度が階調度0の場合にはステップS13に移行し、要求階調度が階調度1の場合にはステップS14に移行し、要求階調度が階調度2の場合にはステップS15に移行し、要求階調度が階調度3の場合にはステップS16に移行する。
ステップS13では、第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3及び第4駆動波形信号WCOM4を圧電式アクチュエータ22に接続する駆動波形信号選択データSIを創成出力してからステップS17に移行する。
ステップS14では、第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1及び第2駆動信号COM2の第4駆動波形信号WCOM4を圧電式アクチュエータ22に接続する駆動波形信号選択データSIを創成出力してからステップS17に移行する。
ステップS15では、第2駆動信号COM2の第3駆動波形信号WCOM3及び第1駆動信号COM1の第2駆動波形信号WCOM2を圧電式アクチュエータ22に接続する駆動波形信号選択データSIを創成出力してからステップS17に移行する。
ステップS16では、第1駆動信号COM1の第1駆動波形信号WCOM1及び第2駆動波形信号WCOM2を圧電式アクチュエータ22に接続する駆動波形信号選択データSIを創成出力してからステップS17に移行する。
ステップS17では、全画素データについて処理が終了したか否かを判定し、全画素データについて処理が終了した場合にはメインプログラムに復帰し、そうでない場合にはステップS18で次の画素に移行してステップS11に移行する。
この演算処理によれば、4つの階調度を達成しながら、第1実施形態と同様に、インク滴を吐出するノズル24のキャビティ23のインクを引込むときのメニスカスの振動と、インク滴を吐出しないノズル24のキャビティ23のインクを引込むときのメニスカスの振動とが一致して互いの干渉が全ノズル吐出時と同様に生じ、その結果、インク滴を吐出すべきノズルからのインク滴の吐出量を十分に安定させることができる。
また、キャビティ23を膨張させてインクを引込む引込段階pull及びキャビティ23室を収縮させてインクを押出す押出段階pushからなる第1駆動波形信号WCOM1及び第2駆動波形信号WCOM2(インク滴吐出用駆動信号)を発生すると共に、キャビティ23を膨張させてインクを引込む引込段階pull及びキャビティ23を引込段階pullの前の状態に戻す復帰段階rtnからなる第3駆動波形信号WCOM3及び第4駆動波形信号WCOM4(インク滴非吐出用駆動信号)を発生し、インク滴吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出するノズル24の圧電式アクチュエータ22に供給すると共に、インク滴非吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出しないノズル24の圧電式アクチュエータ22に供給する構成としたため、一つのノズル24の圧電式アクチュエータ22に駆動信号を供給する信号線は二本必要となるものの、その駆動周期を短縮することが可能となる。
なお、前記各実施形態では、所謂マルチパス型インクジェットプリンタを対象として本発明のインクジェットプリンタの駆動装置を適用した例についてのみ詳述したが、本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置は、ラインヘッド型プリンタを始めとして、あらゆるタイプのインクジェットプリンタを対象として適用可能である。
本発明のインクジェットプリンタのヘッド駆動装置の一実施形態を示すインクジェットプリンタの平面図である。 図1のインクジェットプリンタのインクジェットヘッドの概略構成図である。 図2のインクジェットヘッドのノズルの説明図である。 図1のインクジェットプリンタに設けられた制御装置のブロック図である。 図4の駆動信号発生回路のブロック図である。 図5の波形メモリの説明図である。 駆動信号を圧電式アクチュエータに接続する選択部のブロック図である。 駆動信号生成の説明図である。 インク滴吐出用駆動信号及びインク滴非吐出用駆動信号の第1実施形態を示す創成方法の説明図である。 図9のインク滴吐出用駆動信号及びインク滴非吐出用駆動信号創成のための駆動波形信号選択データ設定の演算処理を示すフローチャートである。 吐出駆動ノズル、非吐出駆動ノズル、非駆動ノズルによる印字パターンの説明図である。 図11の印字パターンによるインクドット面積の説明図である。 第2実施形態における制御装置のブロック図である。 図13の第1駆動信号発生回路で発生される第1駆動信号及び第2駆動信号発生回路で発生される第2駆動信号の説明図である。 図14の第1駆動信号及び第2駆動信号からインク滴吐出用駆動信号及びインク滴非吐出用駆動信号を創成するための選択部のブロック図である。 要求解像度に応じて駆動波形信号を選択してインク滴吐出用駆動信号及びインク滴非吐出用駆動信号を創成するための駆動波形信号選択データ設定の演算処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1はインクジェットプリンタ、15は選択スイッチ、20はインクジェットヘッド、21は振動板、22は圧電式アクチュエータ、23はキャビティ、24はノズル、62は制御部、68は共通駆動信号発生回路、69は第1駆動信号発生回路、70は第2駆動信号発生回路、aは印刷媒体

Claims (4)

  1. インクジェットヘッドに設けられた複数のノズルと、各ノズルに夫々連通する圧力室と、各圧力室に対応して設けられたアクチュエータと、印刷データに基づいて何れのノズルからインク滴を吐出するか又はどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力する印字データ出力手段と、前記印字データ出力手段からの印字データに基づいて前記アクチュエータに駆動信号を印加して圧力室内の圧力を変化せしめることによりノズルからインク滴を吐出する駆動手段とを備え、前記駆動手段は、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を創成出力するインク滴吐出用駆動信号出力手段と、少なくとも前記インク滴吐出用駆動信号の引込段階と同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階を有するインク滴非吐出用駆動信号を創成出力するインク滴非吐出用駆動信号出力手段とを備え、インク滴を吐出するノズルのアクチュエータにはインク滴吐出用駆動信号出力手段からのインク滴吐出用駆動信号を供給し且つインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータにはインク滴非吐出用駆動信号出力手段からのインク滴非吐出用駆動信号を供給することを特徴とするインクジェットプリンタの駆動装置。
  2. 前記駆動手段は、前記圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階及び圧力室を引込段階の前の状態に戻す復帰段階からなる共通駆動信号を発生する共通駆動信号発生手段を備え、前記インク滴吐出用駆動信号出力手段は、前記共通駆動信号発生手段から発生される共通駆動信号のうち引込段階及び押出段階を選択してインク滴吐出用駆動信号を創成し、前記インク滴非吐出用駆動信号出力手段は、前記共通駆動信号発生手段から発生される共通駆動信号のうち引込段階及び復帰段階を選択してインク滴非吐出用駆動信号を創成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタの駆動装置。
  3. 前記駆動手段は、前記圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を発生するインク滴吐出用駆動信号発生手段と、前記圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を引込段階の前の状態に戻す復帰段階からなるインク滴非吐出用駆動信号を発生するインク滴非吐出用駆動信号発生手段とを備え、前記インク滴吐出用駆動信号出力手段は、前記インク滴吐出用駆動信号発生手段から発生されるインク滴吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出するノズルのアクチュエータに供給し、前記インク滴非吐出用駆動信号出力手段は、前記インク滴非吐出用駆動信号発生手段から発生されるインク滴非吐出用駆動信号を選択してインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータに供給することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタの駆動装置。
  4. 印刷データに基づいて、複数のヘッド毎に設けられている複数のノズルのうち、何れのノズルからインク滴を吐出するか又はどの程度のインク滴を吐出するかという印字データを出力し、その印字データに基づいてアクチュエータに駆動信号を印加して圧力室内の圧力を変化せしめることにより当該圧力室に連通するノズルからインク滴を吐出するインクジェットプリンタの駆動方法であって、インク滴を吐出するノズルのアクチュエータには、圧力室を膨張させてインクを引込む引込段階及び圧力室を収縮させてインクを押出す押出段階からなるインク滴吐出用駆動信号を供給し、且つインク滴を吐出しないノズルのアクチュエータには、少なくとも前記インク滴吐出用駆動信号の引込段階と同じインク引込量及びインク引込タイミングの引込段階を有するインク滴非吐出用駆動信号を供給することを特徴とするインクジェットプリンタの駆動方法。
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