JP2007268893A - 液滴吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 駆動回路からの発熱を抑制して、効率的に記録ヘッドの回復動作ができる液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】 記録ヘッド30の回復動作が行われる際には、ステップ4で、ヘッドホルダ9内に備えられたサーミスタ80から得られた記録ヘッド30周囲の温度t℃が、所定温度s℃よりも低いと判定された時には、液滴を吐出しない非吐出駆動パルスのみを記録ヘッド30に印加して、ノズル近傍の液体のメニスカスに振動を加える。また、所定温度s℃よりも高いと判定された時には、媒体への吐出とは無関係の予備吐出パルスを、非吐出駆動パルスよりも単位時間当たり少ないパルス数だけ記録ヘッド30に印加して予備吐出動作を行う。すなわち、駆動回路49の駆動による発熱量に応じて、記録ヘッド30の回復動作が選択され、駆動回路49への負荷を減少させ、更なる発熱を抑制する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、液滴を吐出することが可能な液滴吐出装置に関するもので、例えばインクジェットプリンタ装置などのノズル開口近傍の液体の乾燥による吐出不良を防止するための制御に関するものである。
従来、インクジェットプリンタ装置は、インクを吐出させる複数のノズルを有する記録ヘッドが搭載されたキャリッジが備えられており、記録ヘッドは、ノズルを有するキャビティユニットと、圧力変形部を有する圧電式のアクチュエータと、駆動回路を備えたフレキシブル配線材からなる。記録ヘッドは、ノズルに連通する圧力室にインクを充填し、アクチュエータに選択的に駆動パルスを印加することにより圧力変形部を変位させ、圧力室を膨張、収縮させることで、圧力室内のインクに吐出圧力が与えられ、キャリッジが往復走査しながら、複数のノズルからインクが被記録媒体に吐出される。
ところで、インクをノズルから吐出して印字を行う記録ヘッドは、印字を休止している間や、吐出機会の少ないノズルにおいて、インク中の溶媒(水等)が除々に乾燥し、増粘することで、インク滴の大きさが小さくなったり、インクが吐出されにくいなどの不具合が起こり、印字性能の低下を招くという問題点があった。そのような場合、印字開始前や、印字動作途中など、定期的もしくは強制的にキャリッジを非印字領域にあるフラッシング受部まで移動待機させ、駆動パルスを印加して、強制的に全てのノズルからインクを吐出させる予備吐出動作を行ったり、また、キャップ部に移動待機させてノズルに負圧をかけて、強制的に気泡や異物を吸引除去させるパージ処理など、いわゆるメンテナンス動作がなされる。
しかしながら、パージ処理や予備吐出動作は、気泡などの異物除去に効果がある反面、印字動作を中断し、キャリッジを印字領域外の非印字領域へ移動させなければならないことによる印字速度の低下や、インクを無駄に消費するという問題点もあった。そのため、特許文献1や2では、インク吐出をしていない間に、インクを被記録媒体に吐出する駆動パルスとは別に、インクを吐出しない程度の非吐出駆動パルスをアクチュエータに印加し、ノズル開口近傍のインクのメニスカス(ノズル開口近傍で露出しているインク表面)を微小振動させることで、インクの乾燥を防いで増粘させないようにし、かつ、インクの無駄な排出を抑制してきた。
特許文献1では、インクジェットプリンタ装置の休止状態において、インクのメニスカスを必要最低限の周期で微小振動させて、アクチュエータ(特許文献1では圧電素子)の疲労を出来るだけ低減しながら、目詰まりを防止し、印字を開始する直前に、改めて連続微小振動させることで、確実に目詰まりを防止するような制御を行っている。
特許文献2では、インクジェットプリンタ装置の休止状態において、インクを吐出させない程度の振動をインクのメニスカスに加えると共に、キャリッジに備えられた温度センサによって温度および湿度を測定結果に応じた時間間隔で、パージ処理を行ってインクを排出させるようにし、さらに、液滴径によって排出時間間隔や、駆動波形を異なえるようにしている。このように微小振動とパージ処理を共に行い、印字速度の低下やインク排出量の増大を防ぎ、また、インク滴を安定に保てるようにしている。
特許第3613297号公報 特許第3412569号公報
上述したように、インクのメニスカスを微小振動させてインクの乾燥による影響を抑えることは、印字性能の低減を防止するともに、無駄なインク排出量を減少し、印字時間の短縮ができ非常に効果的である。しかしながら、このような微小振動は、予備吐出動作の際の駆動パルスと比べると、インクを吐出させない代わりに駆動パルス数を多くしているため、記録ヘッドの駆動回路の発熱量が多くなり、駆動回路自体が高温で故障したり、駆動回路からの熱がアクチュエータ周囲に伝導し、アクチュエータ自体や記録ヘッド内のインクの特性に影響を及ぼすという問題点があった。
本発明は、上述した事情を考慮したものであって、駆動回路からの発熱を抑制し、かつ、ノズル内の液体の増粘や乾燥をより確実に防止できる液滴吐出装置を提供することである。
この目的を解決するために、請求項1に記載の発明では、液滴吐出装置において、駆動パルスをアクチュエータに印加することで、液体をノズルから液滴として媒体に吐出させる吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドの周囲の温度を測定する温度検出手段を備えていて、前記吐出ヘッドの性能を回復させるために、液滴を吐出しない非吐出駆動パルスのみを前記アクチュエータに供給して、前記ノズル近傍の液体のメニスカスに振動を加える第1の制御と、前記媒体への吐出とは無関係の予備吐出パルスを、前記非吐出駆動パルスよりも単位時間当たり少ないパルス数だけ前記アクチュエータに供給して、前記ノズルから液滴を吐出させる第2の制御とが、前記温度検出手段の測定判定に応じて選択的に行われることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の液滴吐出装置において、前記吐出ヘッドは、前記媒体の幅方向に往復走査するキャリッジに塔載されていて、前記吐出ヘッドが前記媒体に液滴を吐出するために、前記キャリッジが前記媒体に沿って走査する動作中において、前記第1の制御と、前記第2の制御とが前記温度検出手段の測定判定に応じて選択的に行われることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記温度検出手段が、前記吐出ヘッドの周囲の温度が所定温度に達していないことを判定したとき、前記印字動作中において前記吐出が行われた後に前記第1の制御を行い、前記温度検出手段が、前記吐出ヘッドの周囲の温度が所定温度に達していることを判定したとき、前記キャリッジが印字領域外に移動して、前記第2の制御が行われることを特徴とする。
以上の構成によって、請求項1記載の発明では、駆動パルスをアクチュエータに印加し、ノズルから液滴を吐出させる吐出ヘッドと、吐出ヘッドの周囲の温度を測定する温度検出手段を備えた液滴吐出装置は、液滴を吐出しない非吐出駆動パルスのみをアクチュエータに供給し、ノズル近傍の液体のメニスカスに振動を加える第1の制御と、媒体への吐出とは無関係の予備吐出パルスをアクチュエータに供給し、ノズルから液滴を吐出させる第2の制御とが、温度検出手段の測定結果に応じて選択的に行われるため、温度が低い状況、たとえば印字データ量が少なく駆動回路があまり発熱していない場合には、第1の制御によりノズル近傍の液体のメニスカスに振動を加え、排出する液体の量を抑えながら液体の増粘を防ぐことができる。また、温度が高い状況、たとえば印字データ量が多く駆動回路が発熱している場合には、第2の制御によってノズルから液滴を吐出させ、少ないパルス数で液体の増粘を防ぎ、駆動回路の発熱を抑制して発熱による破壊やアクチュエータの特性変化を防ぐことができる。上記のように温度に応じて切り替えることにより、全体としての駆動回路の発熱を抑え、排出する液体の量を抑えることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の液滴吐出装置において、キャリッジに塔載された吐出ヘッドが、媒体に液滴を吐出するために、キャリッジが前記媒体に沿って走査する動作中に、第1の制御が吐出ヘッドと、第2の制御とが温度検出手段の測定判定に応じて選択的に行われるため、印字動作中においても、上記のようにインクの増粘を防ぐとともに、排出するインクを抑制しながら、駆動回路の発熱による故障や特性変化を防ぐことができる。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の液滴吐出装置において、吐出ヘッドの周囲の温度が所定温度に達していないとき、印字動作中において吐出が行われた後に第1の制御を行い、吐出ヘッドの周囲の温度が所定温度に達しているとき、キャリッジが印字領域外に移動して、第2の制御が行われるため、上記のようにインクの増粘を防ぐとともに、排出するインクを抑制しながら、駆動回路の発熱による破壊や特性変化を防ぐことができる。また、キャリッジが印字領域外に移動する第2の制御の回数を抑制できるため印字時間を短縮できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、図1、図2を参照して、本発明をインクジェットプリンタ装置1に具体化した構成を説明する。なお、以下の説明では、インクを吐出する側を下面および下方向とし、その反対側を上面および上方向とする。また、図1において図面左端側を左方向、右端側を右方向、図面下辺側を前方、図面上辺側を後方とする。
図1に示すように、インクジェットプリンタ装置1の内部には、2本のガイド軸6,7が平行に設けられており、そのガイド軸6,7には、キャリッジとして機能する略箱状のヘッドホルダ9が取り付けられていて、ヘッドホルダ9には、被記録媒体である記録用紙Pへノズル15からインクを吐出して記録を行う記録ヘッド30と各色インクを貯留するインクタンク40が塔載されている。ヘッドホルダ9は、モータ10により回転する無端ベルト11に連結されており、モータ10の駆動により、ガイド軸6,7に沿って記録用紙Pの幅方向(左右方向)に往復走査し、インクを吐出させる駆動パルスが記録ヘッド30のアクチュエータ31(図2)に印加されることで、ノズル15からインクが吐出される。その時、記録用紙Pは、インクジェットプリンタ装置1内部に備えられた搬送装置(図示せず)により、矢印F方向に紙送りされ、ヘッドホルダ9が記録用紙Pに沿って、その幅方向(左右方向)に往復走査しながら印字がなされる。
また、インクジェットプリンタ装置1には、各色のインク、例えば、ブラックBK、シアンC、マゼンタM、イエローYの4色のインクが収容されたインクカートリッジ5が備えられている。各インクカートリッジ5は、それぞれ可撓性のインク供給チューブ8によって、ヘッドホルダ9に搭載されているインクタンク40に接続され、インクタンク40内でインクが色別に貯留されて、各ノズル15に各色ごとに供給される。
インクジェットプリンタ装置1の左側で非印字領域には、フラッシング受部材4が設けられている。フラッシング受部材4は、記録ヘッド30から吐出される廃インクをうけて吸収する多孔質性のインク吸収材(例えばウレタンフォーム)をタンク内に収納する構成である。そして、印字開始前や印字途中などにおいて、ヘッドホルダ9がガイド軸6、7に沿ってインクジェットプリンタ装置1の左側の非印字領域に移動し、ヘッドホルダ9がフラッシング受部材4と対向する位置に配置される。そして、記録ヘッド30のノズル15からインクを吐出させて、インク中の気泡や増粘したインクをフラッシング受部材4に吸収させる(予備吐出動作(フラッシング))。予備吐出動作は、定期的もしくは強制的に行われる。
また、インクジェットプリンタ装置1の右側で非印字領域には、同じように、インク吐出の機能を回復させるため、ノズル15内のインクを吸引する吸引パージ処理を行うための吸引キャップ2が備えられている。吸引キャップ2は、記録ヘッド30のノズル面に対して、密着・離脱可能に設けられていて、吸引キャップ2がノズル面に密着している時に、公知のポンプにより吸引動作を行う。また、吸引パージ後のノズル面に付着したインクを払拭するためにワイパ部材3が備えられている。
記録ヘッド30は、特開2005−161761号公報に記載された公知のものと同様に、図2に示すように、キャビティユニット20にプレート型のアクチュエータ31が接着剤にて接合され、さらにその上面に可撓性のフレキシブル配線材39が電気的に接合されている。キャビティユニット20は、複数のプレート21が積層されて構成され、インクを吐出する複数のノズル15が形成されたノズル面を最下層のプレート21に有している。そして、その各々のノズル15に連通した複数の圧力室16が最上層のプレート21に平面視細長形状に形成され、その長手方向の一端部が複数のノズル15と連通し、他端部がマニホールド流路14と連通している。マニホールド流路14には、インクタンク40からインクが供給され、マニホールド流路14から複数の圧力室16にインクが分配され、各圧力室16から対応するそれぞれのノズル15に至り、ノズル15から吐出されるようになっている。
アクチュエータ31は、1枚の厚さが30μm程度の複数枚のPZTなどの圧電セラミックス層31aが積層された構造で、セラミックス層31a間にはキャビティユニット20における各々の圧力室16に対応した箇所に個別電極33、複数の圧力室16に対して共通のコモン電極32が交互に挟まれている。フレキシブル配線材39は、駆動回路49を内装する駆動ICチップが搭載され、アクチュエータ31の電極32,33に電気的に接続される。駆動回路49は、個別電極33とコモン電極32の間に電圧を印加させる駆動パルスを発生させ、電極間に挟まれたセラミックス層31aの活性部を変位させることで、圧力室16の容積を変化させて、インクをノズル15から吐出させる。記録時には、インクをノズル15から記録用紙Pに向けて吐出させ、記録が行われる。
また、駆動回路49の発熱による高温で、駆動回路49自身が故障したり破壊されたり、また記録ヘッド30に熱の影響が及んで、インクの増粘や乾燥を促進させることがある。そのため、記録ヘッド30の周囲には、後述する温度検出手段を備え、この温度検出結果に応じて、記録ヘッド30のインク吐出の性能を回復させるとき、ノズル15近傍の液体のメニスカスに振動を与えたり、予備吐出をさせたりする。詳しくは後ほど説明する。
図3に示すように、略箱状のヘッドホルダ9には、その内部に駆動回路49の熱を放出させるための放熱板53が塔載され、ヘッドホルダ9の底壁9cの下面側には、記録ヘッド30が接着・固定されている。そして、インクタンク40の上方には、回路基板50がヘッドホルダ9の両方の側壁9aに跨って配置されている。フレキシブル配線材39は、底壁9cに貫通された貫通孔9c1からヘッドホルダ9内ヘ引き出され、実装されている駆動回路49をゴム状部材52によって放熱板53に接触させ、そして、ヘッドホルダ9の側壁9aに沿って上方に延び、回路基板の上面に設けられたコネクタ51と接続される。
また、回路基板50には、温度検出手段としてのサーミスタ80が備えられている。サーミスタ80は、そのリード線81が回路基板50に貫通された穴83にて導電性ろう材で固定されていて、サーミスタ80の検温部82が放熱板53と接触している。サーミスタ80などの温度検出手段によって検出された温度は、電圧信号としてフレキシブル配線材39を介して、インクジェットプリンタ装置1本体側のメイン制御回路に伝送され、温度演算式に基づいて、記録ヘッド30周囲の温度を演算推定し、駆動回路49を介して記録ヘッド30を適した範囲内で制御するような信号が生成される。図3では、サーミスタ80は、その感温部82を放熱板53に接触させているが、記録ヘッド30の周囲の温度を検出できる位置であればそれに限らず、感温部82はヘッドホルダ9内の雰囲気を測定してもよいし、回路基板50に感温部82を当接しても良い。好ましくは、測定する対称物に近い方が真値に近いため、記録ヘッド30の近傍に配置させると良い。
本実施形態では、サーミスタ80で検出された測定結果は、記録ヘッド30の制御だけでなく、後述する非吐出駆動と予備吐出動作のメンテナンスについても制御されるようにしている。これについては、後ほど説明する。
次に図4、図5を参照して、本実施の形態のインクジェットプリンタ装置1の電気的構成について説明する。図4は、インクジェットプリンタ装置1の電気的構成を示すブロック図であり、インクジェットプリンタ装置1の制御装置は、インクジェットプリンタ装置全体の各部を制御する1チップマイクロコンピュータ(以下、CPUとする)41と、ゲート回路LSIである制御回路22と、各種のインクを吐出する制御プログラムや駆動波形データを記憶したROM12と、データを一時的に記憶するRAM13とを備えている。CPU41には、各種の指令を入力するための操作パネル44、ヘッドホルダ9を往復走査するキャリッジモータ47を駆動させるモータドライバ45、記録用紙P用の搬送装置を駆動させる搬送モータ48を駆動させるモータドライバ46、また、記録用紙の有無を検出するセンサであるぺーパセンサ17、記録ヘッド3が原点位置にあることを検出するセンサである原点センサ18やインクカートリッジ5が正常な装着状態にあることを検出するセンサであるインクカートリッジセンサ19と接続されている。
CPU41、ROM12、RAM13、及び制御回路22は、アドレスバス23およびデータバス24を介して接続されている。そして、CPU41は、ROM12にあらかじめ記憶されたプログラムにしたがい、印字タイミング信号TSと制御信号RSを生成し、各信号TS、RSを制御回路22に転送する。また、制御回路22は、パーソナルコンピュータ26などの外部機器からインターフェース27を介して転送されてくる印字データを、イメージメモリ25に記憶させる。そして、制御回路22は、パーソナルコンピュータ26などからインターフェース27を介して転送されてくるデータから、受信割込信号WSを生成し、その信号WSをCPU41へ転送する。制御回路22は、印字タイミング信号TS及び制御信号RSにしたがい、イメージメモリ25に記憶されている印字データにもとづいて、その印字データを被記録媒体に形成するための印字データ信号DATA,その印字データ信号DATAと同期する転送クロックTCK,ストローブ信号STB,印字波形信号ICKを生成し、それら各信号DATA,TCK,STB,ICKを駆動回路49へ転送する。
図5は、駆動回路49の内部構成を図示したものである。駆動回路49は、制御回路22内のデータ転送部(図示しない)から転送クロック信号TCKに同期してシリアル転送されてくる印字データ信号DATAをパラレルデータに変換するシリアルーパラレル変換部37、この変換されたパラレルデータDATAをストローブ信号STBにもとづいてラッチするデータラッチ36、そのパラレルデータにもとづいて印字波形信号ICKを選択的に出力するANDゲート35、出力された印字波形信号をアクチュエータ31に適した電圧に変換し駆動パルスとして出力するドライバ34とを備える。ドライバ34から出力した駆動パルスは、記録ヘッド30の個別電極32に印加され、アクチュエータ31を変位させる。シリアルーパラレル変換部37や、データラッチ36やANDゲート35およびドライバ34は、それぞれ記録ヘッド30のノズル数にあわせた数が用意されている。
駆動波形信号ICKには、インクを吐出するための駆動波形信号と、インクを吐出しない程度にノズル内のメニスカスを振動させる後述する非吐出駆動波形信号とがあり、それぞれROM12に格納されており、プログラム制御にもとづいて選択的に読み出される。図6は、非吐出駆動波形信号にもとづいて出力される本実施形態の非吐出駆動パルスの波形であり、図6(b)に示すように、1ドットの印字周期(印字はしない)に対して、第1の非吐出駆動パルス50a、第2の非吐出駆動パルス50bおよび第3の非吐出駆動パルス50cの3つの非吐出駆動パルスで構成されている。また、その駆動周波数は26KHzであり、電圧は22Vである。前記駆動パルスが立ち上がりまたは立ち下がってアクチュエータ31が変位することで、圧力室内にインクに生じた圧力波が変動する周期の1/2をALとすると、1つの非吐出駆動パルスのパルス幅Tpは、0.1AL≦Tp≦0.3ALで、パルス間の間隔Twは0.6AL以上としている。さらに好ましくは、ALは4μsecで、Tpは0.8μsec〜1.2μsec、Twは18μsecくらいの値であることが好ましい。
アクチュエータ31は、電極間に圧電セラミックス31aを挟んだコンデンサと同等であるから、上記Tpでは、アクチュエータ31に印加される電圧は、図6(b)に破線で示すように、駆動パルスの最高電圧まで上がりきらないところで、駆動パルスが立ち下がるので、圧力室16内のインクには、ノズルから吐出するほどの圧力が作用せず、ノズル内のインクのメニスカスに振動のみを与えることができる。なお、上記実施形態では、駆動パルスの幅Tpだけアクチュエータ31に電圧を印加しているが、常態においてアクチュエータ31に電圧を印加し、圧力室16の容積を縮小しておいて、駆動パルスの幅Tpだけアクチュエータ31への電圧の印加を停止して圧力室16の容積を拡大し、パルス間隔Twだけ圧力室16の容積を縮小する動作を繰り返すように構成することもできる。
上記非吐出駆動は、3つの駆動パルスからなる組を、1周期として26KHzの周波数で所定回数連続して出力する動作を繰り返し、その後、所定周期分休止し、再び連続して出力する動作を繰り返す。好ましくは、図6(a)のように3つの非吐出駆動パルスからなる組を100周期〜150周期分繰り返して出力するのを1ブロックとして非吐出駆動が行われ、その後100周期〜150周期分の休止間隔をおいて、再び1ブロックを非吐出駆動が行われる動作が繰り返される。
図7は、予備吐出動作の予備吐出駆動パルスとして、吐出駆動波形信号にもとづいて出力される本実施形態の吐出駆動パルスの波形を示し、1ドットの印字周期(26KHz)に対して、上記の非吐出駆動パルス50aの数よりも少ない数の吐出駆動パルス51で構成されている。この吐出駆動パルス51のパルス幅は、最高電圧まで上がりきって、かつ圧力室内にインクに生じる圧力波の変動周期に同期して立ち上がり立ち下がりをするように、ほぼ1AL近傍の値が使用される。吐出駆動パルス51は、ノズル近傍のインクを排出してしまうから、非吐出駆動パルスよりも単位時間当たり少ないパルス数でよい。両者のパルス数は、吐出駆動パルスが非吐出駆動パルスよりも少なければ、任意に設定できる。
上述のように、非吐出駆動パルスは、インク吐出のための駆動パルスの波形よりも、印加パルス幅が短い。また、駆動回路49から出力される電圧は、吐出駆動パルスと同じ電圧だが、パルス幅が短く、印加時間が短いために、結果としてアクチュエータ31に印加される電圧は、吐出駆動パルスよりも低いものとなっている。そのため、ノズル開口内のインクのメニスカスに、インクを吐出しない程度の振動のみを与え、その近傍のインクを攪拌して、ノズル開口内のインクが乾燥するのを防止することができる。また、上記のようにこの動作を所定周期分繰り返すことと休止することを交互に繰り返すことで、インクの攪拌が単調に繰り返されるのでなく、変化を付けて行われるので、インクが乾燥するのをより効果的に防止することができる。
また、上述したように非吐出駆動パルスは、インク吐出のための駆動パルスよりも、短いパルス幅でインクの攪拌を効果的に行うために、その単位時間当たりのパルス数は、予備吐出のための駆動パルスのパルス数よりも多い。そのため、駆動回路49は、予備吐出動作を行っている時よりも発熱が多く、負荷が大きい。
次に非吐出駆動を含んだ本実施例の記録ヘッド30の一連の回復動作について説明する。本実施例の回復動作は、駆動回路49の負荷を抑制し、また記録ヘッド30周囲の温度による印字品質の低下を回避するために、サーミスタ80で検出測定された記録ヘッド30の温度に応じて、非吐出駆動を行うか、予備吐出動作を行うかが決定される。つまり、記録ヘッド30の回復動作をする前に、記録ヘッド30の駆動回数が多く、駆動回路49の発熱が増えている場合(所定温度より高いとき)は、駆動回路49への負荷が高い非吐出駆動はしないで、駆動回路49への負荷が少ない予備吐出動作を行う。また、印字動作による駆動回路49への負荷があまりなく、駆動回路49の発熱が少ないとき(所定温度より低いとき)は、非吐出駆動をさせる。
このように回復動作を行うことで、駆動回路49への負荷を少なくしつつ、ノズル開口近傍のインクのメニスカスの増粘や乾燥を防止し、かつ、廃インク量を抑制することができる。
図8、図9のフローチャートを用いて、本実施例の具体的な記録ヘッド30の回復動作の例を説明する。図8、図9のインクジェットプリンタ装置1の回復動作のプログラムは、図4に示すROM12に記憶されていて、CPU41によって実行される。以下、この回復動作のフローチャートの各ステップについては「S」と略記する。
図8に記載の実施形態では、印字動作中において記録ヘッド30周囲の温度によって、回復動作を選択制御する例を示している。印字指令が入力される(S1)と、イメージメモリ25に格納されている一行分のイメージデータを印字する動作が開始される。つまり、キャリッジモータ47の駆動により、ヘッドホルダ9が記録用紙Pに沿って左右方向に走査され、イメージメモリ25に格納されているイメージデータが印字データ信号DATAとして制御回路22によってキャリッジの走査方向に順次読み出され、駆動回路49を介してアクチュエータ31に選択的に印加されることで印字がなされる(S2)。
このようにしてキャリッジの走査方向に順次印字動作が一走査分行われるまで繰り返され(S3)、一走査分の印字動作が終了すると、記録ヘッド30周囲の温度測定結果を判定する動作が開始される。つまり、記録ヘッド30が、一走査分の印字データのある領域を終了し終えた時点で、ヘッドホルダ9内のサーミスタ80が伝熱板53の温度を検出し、その結果より演算した記録ヘッド30周囲の温度測定結果が所定温度s℃以下であるかどうかの判定がなされる(S4)。そして、記録ヘッド30周囲の温度が、所定温度s℃以下である場合は、インクを吐出することなくノズル開口部内のインクに振動が与えられる(S5)。
非吐出駆動(S5)は、ROM12に格納されているプログラムにしたがって、すべてのノズルに対して印字データ信号DATAと同等の駆動データ信号がROM12から読み出され、また、ROM12に格納されている図6(b)の非吐出駆動パルス50a〜50cが読み出され、駆動回路49に出力され、アクチュエータ31が駆動される。非吐出駆動は、ヘッドホルダ9が一走査分の印字動作が終了後、印字領域あるいはヘッドホルダ9の減速領域にて行うことができ、また次の一走査分の印字動作がある場合、印字データ終了後から、次の一走査分の印字動作前までの間に行われる。また、前述のとおり100〜150周期分の休止期間が含まれる。
また、記録ヘッド30周囲の温度が、所定温度s℃以上である場合は、ヘッドホルダ9(キャリッジ)は、インクジェットプリンタ装置1の左側にあるフラッシング受部材4まで移動し、フラッシング受部材4に対向して位置し(S6)、そして、図7の予備吐出駆動パルス51が読み出され、予備吐出動作が行われる(S7)。そして、記録ヘッドの回復動作が終了した際、全ての印字データが印字終了しているかどうかの判断が行われ(S8)、まだ印字データが残っていれば、一連の印字動作を実行し、全て処理できていれば、印字動作が終了する。
図9に記載の実施形態では、印字動作が行われる前の回復動作において、記録ヘッド30周囲の温度により回復動作が制御される例を示している。印字指令が入力される(S1)と、記録ヘッド30周囲の温度測定結果を判定する動作が開始される(S4)。S5、S6、S7は前述の実施形態と同様で、所定温度s℃との比較により、非吐出駆動もしくは、予備吐出駆動がなされる。そして、その後、記録ヘッド30が往復走査(左右方向)して、順次一走査印字動作が繰り返される(S2、S3)。さらに、全ての印字データが印字終了しているかの判断が行われ(S8)、まだ印字データが残って入れば、一連の印字動作を実行し、全て処理できれば印字動作が終了する。つまり、この実施形態では、前回までの印字動作による記録ヘッド30周囲の温度が考慮されて、非吐出駆動もしくは予備吐出駆動がなされる。また、前回の非吐出駆動もしくは予備吐出駆動からの経過時間を計測して、その経過時間の長さと記録ヘッド30周囲の温度とに応じて、制御することもできる。
以上のように、記録ヘッドの回復動作において、記録ヘッド30周囲の温度を検出することにより、その温度状況に応じて予備吐出駆動と非吐出駆動を選択的に制御するため、温度が低い状況、たとえば駆動回路49があまり発熱していない場合には、無駄にインクを消費することなく、インクの増粘や乾燥を防ぐことができる。また、頻繁に予備吐出動作のためにヘッドホルダをフラッシング受け部材4の位置へ移動させる必要が少なくなり、印字速度が低下することがない。さらに、温度が高い状況、たとえば駆動回路49が発熱している場合には、少ないパルス数でインクの増粘や乾燥を防ぐことができる予備吐出を行って、駆動回路49の発熱による故障や破壊を防止することができる。また、これにより駆動回路49の温度変化によるインクへの影響を抑え、高い印字品質を実現することができる。
上記のように、本発明を、インクジェットプリンタ装置に適用した実施形態について説明したが、本発明は、着色液を微小液滴として塗布などする装置などにも適用することができる。
インクジェットプリンタ装置1の平面図である。 記録ヘッド30の側断面図である。 図1のA−A線断面図である。 インクジェットプリンタ装置1の電気的制御のための構成を示すブロック図である。 駆動回路49の内部構成を示す図である。 本実施形態に使用される非吐出駆動パルス信号の波形図である。 本実施形態に使用される吐出駆動パルス信号の波形図である。 本実施形態の回復動作を示すフローチャートである。 他の実施形態の回復動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ装置
4 フラッシング受部材
9 ヘッドホルダ
15 ノズル
30 記録ヘッド
41 CPU
49 駆動回路
50 非吐出駆動パルス
80 サーミスタ


Claims (3)

  1. 駆動パルスをアクチュエータに印加することで、液体をノズルから液滴として媒体に吐出させる吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドの周囲の温度を測定する温度検出手段を備えていて、
    前記吐出ヘッドの性能を回復させるために、
    液滴を吐出しない非吐出駆動パルスのみを前記アクチュエータに供給して、前記ノズル近傍の液体のメニスカスに振動を加える第1の制御と、
    前記媒体への吐出とは無関係の予備吐出パルスを、前記非吐出駆動パルスよりも単位時間当たり少ないパルス数だけ前記アクチュエータに供給して、前記ノズルから液滴を吐出させる第2の制御とが、
    前記温度検出手段の測定判定に応じて選択的に行われることを特徴とする液滴吐出装置。
  2. 前記吐出ヘッドは、前記媒体の幅方向に往復走査するキャリッジに塔載されていて、
    前記吐出ヘッドが前記媒体に液滴を吐出するために、前記キャリッジが前記媒体に沿って走査する動作中において、前記第1の制御と、前記第2の制御とが前記温度検出手段の測定判定に応じて選択的に行われることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
  3. 前記温度検出手段が、前記吐出ヘッドの周囲の温度が所定温度に達していないことを判定したとき、前記印字動作中において前記吐出が行われた後に前記第1の制御を行い、
    前記温度検出手段が、前記吐出ヘッドの周囲の温度が所定温度に達していることを判定したとき、前記キャリッジが印字領域外に移動して、前記第2の制御が行われることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出装置。


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