JP5034582B2 - 液滴噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液滴を噴射するノズルを有する液滴噴射装置に関する。
液滴を噴射するノズルとノズルから液滴を噴射させるための圧力を液体に付与するアクチュエータとを有する液滴噴射装置において、ノズル近傍の液体が増粘したり、乾燥する(以下、両者をまとめて乾燥という)と、ノズル内の液体を液滴として正常に噴射されなくなることがある。ノズル近傍において液体が乾燥するのを防止するため、ノズルから液滴が噴射されない程度にアクチュエータを駆動してノズル近傍の液体を撹拌させることが考えられる。特許文献1は、圧力室と圧力室に連通するノズルとを有しており、ノズルから液滴が噴射されないように圧力室の容積を所定の周期で変化させるものである。
特開2006−123452号公報(請求項1)
しかし、液滴がノズルから噴射されない程度にノズル近傍の液体を微小に振動させるので、乾燥を防止するためには多くの回数液体を振動させ、ノズル近傍の液体に十分な対流を生じさせる必要がある。したがって、アクチュエータを多くの回数駆動しなければならない。この場合、アクチュエータやアクチュエータを駆動するための電気回路等の発熱が過大になるおそれがある。また、アクチュエータを駆動するための消費エネルギーも大きくなる。
本発明の目的は、消費エネルギーや発熱が過大にならない範囲でノズル近傍の液体を微小に振動させることで乾燥を防止することが可能な液滴噴射装置を提供することにある。
本発明の液滴噴射装置は、複数のノズルとこれら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室とを有する流路ユニットと、前記複数の圧力室の容積をそれぞれ変化させることにより、前記複数の圧力室内の液体に圧力を付与する複数のアクチュエータと、前記複数のアクチュエータのそれぞれに対して前記ノズルから液滴を噴射させるための噴射駆動パルスを印加する駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段とを備えている。そして、前記制御手段は、前記駆動手段に、前記ノズルから液滴を噴射させない程度に前記ノズル内の液体のメニスカスを微振動させるための微振動駆動パルスを、前記アクチュエータに対して印加させる微振動制御手段を有し、互いに離れて位置する複数の前記アクチュエータに対してそれぞれ前記微振動駆動パルスを、単独で印加したときよりも前記メニスカスに生じる圧力変動が大きくなるタイミングで印加する。
複数のアクチュエータをほぼ同時にあるいは順次駆動する際に、あるノズルから噴射される液滴の体積や速度等が単独で駆動されたときと異なる場合がある。かかる現象はクロストークと呼ばれる。クロストークは、一の圧力室で発生した振動が別の圧力室に伝播することによって発生すると考えられる。クロストークの影響は、複数のアクチュエータに駆動パルスを印加するタイミングによって異なることが、本発明者によって確認されている。そこで、本発明においては、単独で印加したときよりもメニスカスに生じる圧力変動が大きくなるようなタイミングで、各アクチュエータに微振動駆動パルスを印加する。つまり、クロストークの影響でメニスカスを大きく振動させるので、クロストークの影響が小さい場合と比べて少ないパルス数で乾燥防止の効果を確保することができる。一方で、アクチュエータに印加するパルス数が少ないほどアクチュエータや駆動手段からの発熱が小さくなり、消費エネルギーも小さくなる。したがって、本発明によると、消費エネルギーや発熱が過大にならない範囲でノズル近傍の液体を微小に振動させることで乾燥を防止することが可能な構成が実現する。
また、本発明において、前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記複数のアクチュエータの全部よりも少ない複数の前記微振動駆動パルスを印加させることで、前述のようにクロストークの影響でメニスカスを大きく振動させ、乾燥防止の効果を確保することができる。さらに、このとき、クロストークが大きくなった影響で、他のアクチュエータに対応する圧力室にクロストークに起因する圧力変動が生じる場合がある。この場合、その圧力室に対応するアクチュエータを駆動しなくても、ノズルメニスカスに微振動を与えることが可能となる。従って、微振動駆動パルスを印加するアクチュエータの数をより一層減らすことができる。この構成によると、駆動されるアクチュエータの数が減るので、全体として消費エネルギーや発熱が抑制される。
また、本発明においては、前記複数の圧力室が、所定方向に沿って延びる圧力室列を構成しており、前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記所定方向に関して所定数おきに配置された前記圧力室に対応する前記アクチュエータに前記微振動駆動パルスを印加させることで、請求項2にかかる発明の効果を実現することができる。また、圧力室が列状に配置されている場合に、所定数おきの圧力室に圧力を付与すると、その間の圧力室にはクロストークに起因する圧力変動が生じることから、微振動のための圧力を付与する(対応するアクチュエータに微振動駆動パルスを印加する)必要がない。この構成によると、駆動されるアクチュエータの数が減るので、全体として消費エネルギーや発熱が抑制される。
また、本発明においては、前記複数の圧力室が、所定方向に沿って互いに平行に延びる複数の圧力室列を構成しており、前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記全部の圧力室列数よりも少ない複数の前記圧力室列に対応する前記アクチュエータに前記微振動駆動パルスを印加させてもよい。これにより、前述のようにクロストークの影響でメニスカスを大きく振動させ、乾燥防止の効果を確保することができる。さらに、圧力室が複数列に配置されている場合に、所定数列おきの圧力室列に圧力を付与することによって、その間の圧力室列にクロストークに起因する圧力変動を生じさせることができ、微振動のための圧力を付与する必要がない。この構成によると、駆動されるアクチュエータの数が減るので、全体として消費エネルギーや発熱が抑制される。
また、本発明において、前記複数の圧力室はその圧力室の列方向に複数の圧力室群に区分され、前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記一部の圧力室群に対応する前記アクチュエータごとに前記微振動駆動パルスを印加させてもよい。これにより、前述のようにクロストークの影響でメニスカスを大きく振動させ、乾燥防止の効果を確保することができる。さらに、圧力室が複数の圧力室群に区分され、一部の圧力室群が残りの圧力室群を挟むように配置されている場合、一部の圧力室群に圧力を付与することによって、その間に挟まれる残りの圧力室群に、クロストークに起因する圧力変動を生じさせることができる。この構成によると、駆動されるアクチュエータの数が減るので、全体として消費エネルギーや発熱が抑制される。
また、本発明において、前記微振動制御手段は、第1の前記アクチュエータのメニスカスに生じる圧力変動が前記第1のアクチュエータに対して単独で前記微振動駆動パルスを印加したときよりも大きくなるように、前記駆動手段に、第2の前記アクチュエータに対して前記微振動駆動パルスを印加させると共に、前記第2のアクチュエータに対して前記微振動駆動パルスを印加してから1印字周期より短い所定の時間が経過した後に前記第1のアクチュエータに対して前記微振動駆動パルスを印加させることが好ましい。この構成によると、2つのアクチュエータに所定の時間を挟んで微振動駆動パルスを印加することによって、クロストークに起因して圧力変動が大きくなるようにアクチュエータを駆動することができる。
また、本発明において、第1の前記アクチュエータに前記噴射駆動パルスを印加すると共に、前記第1のアクチュエータに前記噴射駆動パルスを印加してから1印字周期より短い所定の時間が経過した後に第2の前記アクチュエータに前記噴射駆動パルスを印加したときと、前記第2のアクチュエータに単独で前記噴射駆動パルスを印加したときとの間における、前記第2のアクチュエータのメニスカスに生じる圧力変動の差の絶対値が、前記所定の時間がゼロであるときよりも前記所定の時間がゼロでないtであるときの方が小さい場合に、前記制御手段は、前記駆動手段に、前記第1のアクチュエータに対して前記噴射駆動パルスを印加させると共に、前記第1のアクチュエータに対して前記噴射駆動パルスを印加してからtの時間が経過した後に前記第2のアクチュエータに対して前記噴射駆動パルスを印加させることが好ましい。この構成によると、噴射駆動パルスを印加する際にはクロストークの影響が小さくなるようにアクチュエータが駆動されると共に、微振動駆動パルスを印加する際にはクロストークの影響が大きくなるようにアクチュエータが駆動される。したがって、液滴噴射の際はクロストークの悪影響を抑制すると共に、ノズル近傍の液滴を微小に振動させる際はクロストークの影響を利用した構成が実現する。
本発明は、各圧力室に対応する各アクチュエータに、メニスカスに生じる圧力変動が大きくなるようなタイミングで微振動駆動パルスを印加し、クロストークの影響でメニスカスを大きく振動させるので、少ないパルス数で乾燥防止の効果を確保することができる。また、パルス数が少なくなることで、アクチュエータや駆動手段からの発熱が小さくなり、消費エネルギーも小さくすることができる。
以下、本発明の好適な一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係る液滴噴射装置の一実施形態であるインクジェットプリンタ1の概略構成を示す説明図である。なお、以下の説明では、図1に向かって手前から奥に向かう方向を下方向とし、その逆の方向を上方向とする。
インクジェットプリンタ1(以下、「プリンタ1」と記載する)には、制御部100が設置されている。制御部100はプリンタ1内の各部の動作を制御する。プリンタ1の内部にはキャリッジ9及びガイド軸6、7が設置されている。ガイド軸6、7は、図1の左右方向に沿って延在している。キャリッジ9はガイド軸6及び7上に、これらに沿ってスライド可能に支持されている。
キャリッジ9には記録ヘッド30(液滴噴射ヘッド)及びインクタンク9bが支持されている。記録ヘッド30には、複数のノズル15が下面に形成されており、インクタンク9aが接続されている。プリンタ1の内部には各色のインク、例えばブラックBk、シアンC、マゼンタM、イエローYの4色のインクが収容されたインクカートリッジ5が収容されている。インクタンク9aは、可撓性のインク供給チューブ8を通じて各インクカートリッジ5に接続されている。記録ヘッド30内には、後述のようにインクタンク9aからのインクをノズル15へと導入するインク流路が形成されている。これによって、インクカートリッジ5からインクタンク9aへと供給された各色のインクがインク流路を介して各ノズル15に供給され、ノズル15からインクの液滴(以下、インク滴という)として下方へと噴射される。
キャリッジ9は、公知のように、キャリッジモータ10のプーリとプーリ11a間に掛け渡された無端ベルト11に連結され、キャリッジモータ10の正逆回転によってガイド軸6及び7に沿って図1の左右方向に往復移動する。印刷用紙Pは、記録ヘッド30の下方位置においてキャリッジ9の移動方向と直交する方向に、図示されていない公知の搬送機構によって搬送される。
制御部100には、PC(パーソナルコンピュータ)などの外部機器から画像に対応する印刷パターンデータが送信される。制御部100は、後述のようにPCなどから送信された印刷パターンデータに基づいて搬送機構及びキャリッジモータ10を制御しつつ記録ヘッド30を駆動することにより、印刷パターンデータに対応する画像を印刷用紙P上に形成する。
また、プリンタ1はフラッシング受け部材4を有している。フラッシング受け部材4は、ガイド軸6及び7の下方において用紙搬送領域の左外方に配置されている。フラッシング受け部材4は、例えばウレンタンフォームのような多孔質のインク吸収材を内部に収容している。キャリッジ9が、用紙搬送領域外の記録ヘッド30をフラッシング受け部材4と対向させる位置(フラッシング領域)へ移動して、記録ヘッド30からインク滴が噴射されると、フラッシング受け部材4内のインク吸収材にインク滴が吸収される。
また、プリンタ1は回復装置2を有している。回復装置2は、ガイド軸6及び7の下方において用紙搬送領域の右方に配置されている。回復装置2は、公知のように記録ヘッド30のノズル面に着脱可能な吸引キャップ(不図示)と吸引キャップに接続された吸引ポンプ(不図示)とを備える。キャリッジ9が、用紙搬送領域外の記録ヘッド30を吸引キャップと対向させる位置(回復領域)へ移動して、記録ヘッド30のノズル面が吸引キャップによって覆われると、上記の吸引ポンプの駆動によって記録ヘッド30のノズル内のインクが吸引される。
また、プリンタ1はワイパ装置3を有している。上記の吸引動作の後、キャリッジ9が用紙搬送領域内へ移動する際、ワイパ装置3は公知のように記録ヘッド30のノズル面を払拭する。
図2は、記録ヘッド30の下面(ノズル面)図である。記録ヘッド30は複数のノズル15を有しており、下面には各ノズル15を開口させている。ノズル15は記録ヘッド30の長手方向に沿って配列され、その列方向と直交する方向に間隔をおいて5列のノズル列35M、35C、35Y及び35Bkが形成されている。各ノズル列に属するノズル15からは同色のインク滴が噴射される。ノズル列35M、35C、35Y及び35Bkからは、それぞれマゼンタM、シアンC、イエローY及びブラックBkの4色のインク滴が噴射される。なお、本実施形態においてはノズル列35Bkが2列設けられている。
記録ヘッド30の内部にはインクが貯留される複数の圧力室16が形成されている。圧力室16は、ノズルの列方向と直交する方向に長尺な形状を有している。圧力室16とノズル15とは1対1に対応している。各圧力室16はノズル列35M、35C、35Y及び35Bkと対応しかつそれと平行な列をなして配置されている。これによって圧力室列36M、36C、36Y及び36Bkが形成されている。圧力室列36M、36C、36Y及び36Bkに属する圧力室16は、それぞれノズル列35M、35C、35Y及び35Bkに属するノズル15に対応している。なお、本実施形態においては、2列のノズル列35Bkに対応する2列の圧力室列36Bkが設けられている。
以下、図3を参照しつつ記録ヘッド30の内部構成についてさらに詳細に説明する。図3は、図2のIII−III線に沿った記録ヘッド30の縦断面図である。記録ヘッド30は、流路ユニット20と流路ユニット20の上面に接着剤で接合されたアクチュエータユニット31とを有している。アクチュエータユニット31のさらに上面には、可撓性のフレキシブル配線基板40が電気的に接合されている。
流路ユニット20は複数のプレート20a〜20fを積層することによって構成されている。プレート20a〜20fのそれぞれにはインク流路を形成する複数の貫通孔が形成されている。プレート20c及び20dに形成された貫通孔は圧力室の列毎にマニホールド流路14を構成している。これらのマニホールド流路14は、図示されていない領域においてインクタンク9aに接続されている。
流路ユニット20において最上層のプレート20aに形成された各貫通孔は、各圧力室16を構成している。最下層のプレート20fに形成された各貫通孔は、各ノズル15を構成している。プレート20a〜20fは積層されることで、これらの貫通孔が互いに連通してマニホールド流路14から各列の複数の圧力室16を経て各ノズル15に至るインク流路が形成されている。
アクチュエータユニット31は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの複数の圧電セラミックス層31aと共通電極32及び個別電極33とが交互に積層された構造を有している。個別電極33は、流路ユニット20に形成された下方の圧力室16と平面視で一対一で重なる位置に設置されている。共通電極32は、平面視において個別電極33が延在する複数の領域を含む範囲に亘って延在している。共通電極32及び個別電極33は、フレキシブル配線基板40上に形成された配線に図示されていない領域において電気的に接続されている。
アクチュエータユニット31は、フレキシブル配線基板40を介して供給される駆動パルスによって以下のように駆動される。共通電極32はいずれもグランド電位に保持されている。個別電極33には、フレキシブル配線基板40を介して駆動パルスを含む駆動波形信号が供給される。これによって、個別電極33と共通電極32との間において電位差が発生すると、セラミックス層31aが変形して、圧力室16内のインクに圧力を印加し、インクをノズル15からインク滴として噴射させることができる。
以下、プリンタ1の電気的構成について図4及び図5を参照しつつ説明する。
図4はプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ1の制御部100は、CPU(Central Processing Unit)41、制御回路22、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、インタフェース27、モータドライバ45、46、イメージメモリ25、及び、駆動回路49を有している。ROM12は、制御プログラムやインク滴を噴射するための各種の駆動波形データを記憶しており、RAM13は種々の作業データ等を一時的に記憶するものである。CPU41、ROM12、RAM13、及び制御回路22は、アドレスバス23およびデータバス24を介して互いに接続されている。そして、CPU41は、ROM12にあらかじめ記憶されたプログラムに従って動作し、各種の制御処理を実行する。
CPU41には、操作パネル44、モータドライバ45及びモータドライバ46が接続されている。搬送モータ48は印刷用紙の搬送機構を駆動するモータである。モータドライバ45及び46は、キャリッジモータ10及び搬送モータ48の駆動をそれぞれ制御するものである。また、プリンタ1には、印刷用紙Pの有無を検出するペーパセンサ17、記録ヘッド30が原点位置にあることを検出する原点センサ18、及び、インクカートリッジ5が正常な装着状態にあることを検出するインクカートリッジセンサ19が設置されている。CPU41にはペーパセンサ17、原点センサ18及びインクカートリッジセンサ19の検出結果が入力される。制御部100は、原点センサ18の検出結果とモータドライバ45の制御量とに基づいて、記録ヘッド30のガイド軸6及び7上に沿った方向に関する位置を取得することができる。
制御回路22はゲートアレー回路であり、インタフェース27及びイメージメモリ25に接続されている。また、フレキシブル配線基板40を介して記録ヘッド30と接続されている。フレキシブル配線基板40上には駆動回路49が装着されており、制御回路22からの信号が駆動回路49を介して記録ヘッド30へと送信される。
制御回路22は、PCなどの外部機器からインタフェース27を介して送信される印刷パターンデータを、イメージメモリ25に記憶させる。そして、PCなどからインタフェース27を介して送信されるデータに基づいて受信割込信号WSを生成し、その信号WSをCPU41へ送信する。信号WSを受信すると、CPU41は記録タイミング信号TSと制御信号RSを生成し、各信号TS、RSを制御回路22に送信する。記録タイミング信号TS及び制御信号RSを受信すると、制御回路22はイメージメモリ25に記憶されている印刷パターンデータに基づいて印刷データ信号DATAを生成する。信号DATAは、印刷パターンデータに対応する画像を形成するように記録ヘッド30にインク滴を噴射させるためのシリアルデータ信号である。また、制御回路22は、信号DATAと同期する転送クロックTCK及びストローブ信号STBを生成する。さらに、ROM12に記憶された駆動波形データに基づいて駆動波形信号ICKを生成する。駆動波形信号ICKは、後述する各種の印刷用波形信号51及び微小振動用波形信号52を含む。信号DATA、TCK、STB及びICKは駆動回路49へと送信される。
信号STBには、後述のデータラッチ回路36が信号DATAをラッチする期間の長さ等を示す信号が含まれている。制御回路22は、圧力室列36M〜36Bkの5列のそれぞれに関連付けて信号ICKを印加する印加タイミングを示すデータを保持している。下記の表1は、制御回路22が保持しているデータの一例を示すものである。なお、表1の2行目は後述の印刷用波形信号を印加する場合のデータに、表1の3行目は後述の微小振動用波形信号を印加する場合のデータにそれぞれ対応するものである。
表1には、圧力室列36M、36C、36Y及び36Bkのそれぞれと、印加タイミングを示す時間値t1〜t8とが含まれている。これらの時間値は、1印字周期の先端からの時間を示している。例えば、シアンCの時間値t2は、圧力室列36Cに対応する個別電極33に印刷用波形信号の印加タイミングが、1印字周期の先端からt2後の時間であることを示している。制御回路22は、表1に対応する印加タイミングで信号ICKを各圧力室列36に対応する個別電極33に出力する。なお、t1〜t8は後述の印加タイミング決定方法に従って設定されている。
Figure 0005034582

図5は、駆動回路49の構成を示すブロック図である。駆動回路49は、シリアル−パラレル変換器64、データラッチ回路63、選択回路62及びドライバ回路61を有している。選択回路62及びドライバ回路61は、それぞれ記録ヘッド30に形成されたノズル15と1対1に対応している。制御回路22からの信号DATAは、信号TCKと共にシリアル−パラレル変換器64に入力される。また、信号STBはデータラッチ回路63に、信号ICKは選択回路62にそれぞれ入力される。
シリアル−パラレル変換器64は、信号TCKに同期して制御回路22からシリアル転送されてくる信号DATAをパラレルデータに変換し、データラッチ回路63へと出力する。データラッチ回路63は、シリアル−パラレル変換器64からのパラレルデータを信号STBに基づいてラッチすると共に、選択回路62へと出力する。
選択回路62は、データラッチ回路63からのパラレルデータが示す波形に相当する信号ICKを選択し、ドライバ回路61へと出力する。ドライバ回路61は、選択回路62からの信号ICKをアクチュエータユニット31に適した電圧に変換し、駆動パルスとして記録ヘッド30の個別電極33にそれぞれ出力する。
以下、個別電極33に印加される駆動波形信号について、図6を参照しつつさらに詳細に説明する。駆動波形信号は、主に2種類の波形を有する信号に対応している。1つ目は、記録ヘッド30からインク滴を噴射させることによって印刷用紙Pに画像を形成するための、印刷用波形信号51(図6(a))である。2つ目は、ノズル15近傍のインク(メニスカス)を微小に振動させるための、微小振動用波形信号52(図6(b))である。
印刷用波形信号には、噴射されるインク滴の大きさ、個数等に応じた複数の種類の波形が用意されており、図6(a)はそのうちの一つである。印刷用波形51は、1印字周期Taに対して3つの噴射用の駆動パルス51aと1つの非噴射用の駆動パルス51bとを有している。
1つの駆動パルス51aが個別電極33に供給されると、個別電極33の電位が駆動パルス51aのパルス高さまで変化し、1つの駆動パルス51aに対して1滴のインク滴が、その個別電極33に対応するノズル15から噴射される。したがって、3つの駆動パルス51aが供給されることにより、合わせて3滴のインク滴が噴射される。一方で、非噴射用の駆動パルス51bは、噴射用の駆動パルスによって生じたインクの残留圧力波をほぼ相殺するタイミングで印加される。駆動パルス51bは噴射用の駆動パルス51aに比べてパルス幅が小さく、後述の駆動パルス52aと同様に個別電極33に供給されてもノズル15からインク滴が噴射されない。
微小振動用波形52は、1印字周期Taに対して、2つの非噴射用の駆動パルス52a(微振動駆動パルス)を有している。駆動パルス52aのパルス幅W2は、駆動パルス51aのパルス幅W1よりも小さい。圧電アクチュエータではコンデンサと同様に個別電極33の電位が徐々に上昇するため、パルス幅W2を、個別電極33の電位がパルスの高さに相当する大きさに達する前に1パルスの供給が終了する幅に設定することで、圧電セラミックス層の変形を小さくしている。つまり、パルス幅W2は、ノズル15からインク滴が噴射されない程度の大きさに調整されている。
以上の構成において、制御部100は記録ヘッド30及びモータドライバ45、46の駆動を以下のように制御する。第1は、印刷制御である。制御部100は、PCなどから送信された印刷パターンデータに基づいて、キャリッジ9を移動すると共に、記録ヘッド30に印刷用波形信号を供給する。これによって、印刷用紙P上に印刷パターンデータに基づく画像を形成する。制御部100は、画像の印刷領域に沿って例えば図1の右から左へと記録ヘッド30を1回移動させる際に、1ライン分の画像を形成し、その1ラインを形成するごとに印刷用紙Pを搬送装置によって搬送する。
第2は、微振動制御である。制御部100は、記録ヘッド30に所定数の微小振動用波形信号を供給することによって、ノズル15からインク滴を噴射させることなくノズル15の近傍のインクを微小に振動させる(微振動制御手段)。かかる微振動制御は、印刷制御の合間の所定のタイミングで実行される。例えば、1ラインの印刷が終了して次のラインの印刷に移る際に、キャリッジ9が移動方向を反転するために減速及び加速されるときに、実行される。これによって、ノズル15の近傍においてその中のインクが撹拌されて、乾燥するのが抑制され、ノズル15からのインク滴の噴射性能が低下することが抑制される。
図7は、印刷用波形51の遅延態様を説明する図、図8は、微小振動用波形52の遅延態様を説明する図である。SIG1〜SIG4及びSIG5〜SIG8は、制御回路22から異なる圧力室36列に対応してそれぞれ供給される印刷用波形51及び微小振動用波形52であり、2列の圧力室36Bkに対しては、共通の印刷用波形51及び微小振動用波形52が供給される。SIG1〜SIG4は印刷用波形51をそれぞれ印字周期の先端からt1〜t4遅延させている。SIG5〜SIG8は微小振動用波形52をそれぞれ印字周期の先端からt5〜t8遅延させている。なお、t1〜t4とt5〜t8とは、異なる値であり、いずれもゼロ(t1とt5はゼロを含む)以上Ta未満である。
以下、印刷制御及び微振動制御のそれぞれにおける駆動波形信号の印加タイミング等の条件を決定する方法の一例について図9及び図10を参照しつつ説明する。図9は、印加タイミングを決定するために実行される一連のステップS1〜S4を示している。
まず、記録ヘッド30に形成されたノズル列35に属するノズル15から単独でインク滴を噴射させると共に、各ノズル列35からのインクの噴射速度を測定する(S1)。なお、本実施形態において「単独で」インク滴を噴射するとは、1印字周期内にいずれか1列のノズル列35に属する1つのノズル15のみからインク滴を噴射することを意味している。インク滴の噴射速度は、例えばインク滴の飛跡を水平方向から動画等で撮影し、その撮像を解析することによって導出される。
次に、S1において測定したノズル15が属するノズル列35を含む複数のノズル列35から、1印字周期内で所定のディレイ時間を挟みつつインク滴を噴射させると共に、インク滴の噴射速度を測定する。そして、ディレイ時間を様々に変更しつつ、噴射速度を複数回に亘って測定する(S2)。なお、複数のノズル列35からインク滴を噴射させる際に、各ノズル列35に含まれる全てのノズル15からインク滴を噴射させてもよいし、各ノズル列35に含まれる一部のノズル15のみからインク滴を噴射させてもよい。
例えば、図10は、上記複数のノズル列35のうち1つのノズル列35Bk及び35Cからそれぞれ1印刷周期内に所定の印加タイミングでインク滴を噴射させ、インク滴の噴射速度を計測した結果を示す、一実施例のグラフである。なお、図10横軸のディレイ時間は、ノズル列35Bkからインク滴を噴射してから、ノズル列35Cからインク滴を噴射するまでの時間を示している。v1はノズル列35Bkに属するノズル15から単独でインク滴を噴射させた際の噴射速度を示し、v2はノズル列35Bk及び35Cの両方からインク滴を噴射させた際の噴射速度を示している。v2を測定する際には、同じノズル列35Bk及び35Cに属する全てのノズル15からインク滴を噴射させている。
図10に示されているように、1印字周期内に2つのノズル列35Bk及び35Cからインク滴を噴射させた場合には、単独でインク滴を噴射させたv1の場合と比べて噴射速度v2が異なる場合がある。例えばディレイ時間がゼロ、つまり2つのノズル列35に同時に駆動波形信号を印加した場合の速度v2は、単独で印加した場合のv1と比べて小さい。また、ディレイ時間が約3マイクロ秒前後の領域では、速度v2は、v1よりも大きい。このように噴射速度が異なるのは、いわゆるクロストークが生じていることによるものと考えられる。つまり、一の圧力室16で発生した振動がキャビティユニットを通じて別の圧力室16内のインクに伝播し、その別の圧力室16に対応するノズル内のインクのメニスカスの圧力変動に影響を及ぼしている。そして、図10のグラフから、クロストークの影響は2つのノズル列35の印加タイミングをずらしたとき、そのずらした時間(ディレイ時間)の大きさによって異なることが導かれる。
次に、図9のS3において、S1で測定した噴射速度とS2において測定した噴射速度とを比較する。これによって、どのようなディレイ時間においてクロストークの影響がどのように表れるかを評価する(S3)。
例えば、図10のグラフによると、2本の一点鎖線の間の領域(ディレイ時間が約0.80〜約1.8マイクロ秒の領域)において、v1及びv2の大きさが近く且つディレイ時間の変化に対するv2の変化が小さくなって噴射速度がかなり安定している。つまり、この領域では、クロストークの影響が小さく、メニスカスの圧力変動が少ない。一方で、ディレイ時間が3.2マイクロ秒付近の場合に、v2は極大値を有している。つまり、この領域では、クロストークの影響でメニスカスの圧力変動が大きく、これに重畳して噴射速度が速くなったためであると考えられる。
そこで、クロストークの影響が比較的小さいディレイ時間を有するように印刷制御の印加タイミングを決定すると共に、クロストークの影響が比較的大きく且つ噴射速度が大きくなるようなディレイ時間を有するように微振動制御の印加タイミングを決定する(図9のS4)。つまり、図10においてクロストークの影響が比較的小さい0.80〜1.8マイクロ秒の領域、例えば1.2マイクロ秒のディレイ時間を取るように、圧力室列36Bk及び36Cに関する印刷制御の印加タイミングを決定する。そして、図10においてクロストークの影響が極大となる3.2マイクロ秒の近傍のディレイ時間を取るように、圧力室列36Bk及び36Cに関する微振動制御の印加タイミングを決定する。この場合、クロストークの影響があっても、微振動制御によってノズルからインク滴が噴射されない程度に設定される。具体的には、表1においてt4−t2が1.2マイクロ秒となるように各数値を決定すると共に、t8−t6が3.2マイクロ秒となるように各数値を決定する。
これらのステップS1〜S4を、ノズル列35Mとノズル列35Bkとの組み合わせなど、他のノズル列35の組み合わせに関しても繰り返し実行する。そして、表1のt1〜t8を全て決定する。これによって、印刷制御及び微振動制御の両方において、駆動波形信号を印加するタイミングが決定される。
最後に、微振動制御において乾燥防止に必要な微小振動用波形信号の数を決定する(S5)。つまり、キャリッジ9が印刷用紙に沿って移動する間に、噴射動作をしなかったとしても、その直後に正常に噴射できるように、そのキャリッジ移動前に微振動制御を行っておく回数を求めるのである。1回の微振動制御に例えば印字周期Taの100周期分または200周期分の微小振動用波形信号を印加し、その後、噴射動作をしない時間(以下「乾燥時間」という)を後述するように段階的におく。そして、印刷制御を実行してベタ画像などを形成した際に、画像の端部等に乱れが発生しているか否かを観察する。
上記の例では、ノズル列ごとに微振動制御を行っているが、例えば、ノズル列内において互いに離れて位置する複数のノズルに対して所定タイミングで微小振動用波形信号を印加することでも、メニスカスに生じる圧力変動を大きくすることができる。上記S1〜S5を実行することで、微小振動用波形信号を印加するタイミング、駆動回数などを設定できる。以下に、その各種の態様を説明する。
第1のモードにおいては、圧力室列36の各列内において、1つおきの圧力室16に対応する各個別電極33にのみ、微小振動用波形信号が印加される。1つおきの各圧力室16間での微小振動用波形信号の印加タイミングのずれは、上記S1〜S4によって設定される。これにより、ノズル内のインクのメニスカスに大きな圧力変動を発生させるとともに、隣接する、微小振動用波形信号が印加されなかったノズルに対しても大きな圧力変動を発生させることができる。1つおきの各圧力室16内で生じた圧力変動は、キャビティユニットを通じて伝播するだけでなく、マニホールド流路14を介しても隣接する圧力室に伝播し、それに対応するノズル内のインクを振動させることになる。
上記制御のために、制御回路22から、印字周期Taの開始から上記印加タイミングだけずれを持たせた微小振動用波形信号52の複数種類が、信号ICKとして各選択回路62に出力される。また、制御回路22から、1つおきの圧力室16に対応する信号DATAとして複数種類の微小振動用波形信号52の何れかを指定する信号が出力される。これにより、1つおきの圧力室16の各個別電極33に、微小振動用波形信号52が相互に印加タイミングにずれを持って印加される。
第2のモードにおいては、全部の圧力室列のうち、複数の圧力室列36に対応する各個別電極33にのみ、微小振動用波形信号が印加される。ノズル列35Bk及び35Cについて前述したとおり、微小振動用波形信号の印加タイミングが設定される。そして、制御回路22から、印字周期Taの開始から上記印加タイミングだけずれを持たせた微小振動用波形信号52の複数種類が、各選択回路62に出力される。また、制御回路22から、ノズル列35Bk及び35Cに対応する信号DATAとして複数種類の微小振動用波形信号52の何れかを指定する信号が出力される。これにより、ノズル列35Bk及び35Cに対応する各個別電極33に、微小振動用波形信号52が相互に印加タイミングにずれを持って印加される。
上記の場合、残りの圧力室列36Y及び36Mには、微小振動用波形信号を印加しなくても、圧力室列36Bk及び36Cに対するアクチュエータの駆動によって生じた振動が伝播し、それに対応するノズル35Y及び35M内のインクのメニスカスに振動を与えることができる。
第3のモードにおいては、圧力室の列方向に対して複数に区分された圧力室群E,F,G(図2参照)ごとに微小振動用波形信号が印加される。そして、かかる圧力室群のうち、全部の群数よりも少ない複数の圧力室群に対して、前述のようにクロストークを生じさせるタイミングで、微小振動用波形信号が印加される。このための制御は、第1のモードの制御と同様で、1つおきの圧力室が圧力室群に置き換えられるだけである。
この場合、3以上に区分された圧力室群E,F,Gにおいて両端の圧力室群E,Gのみに、微小振動用波形信号が印加されることで、それらの間に挟まれる圧力室群Fには、微小振動用波形信号を印加しなくても、圧力室群E,Gに対するアクチュエータの駆動によって生じた振動が伝播し、それに対応するノズル内のインクのメニスカスに振動を与えることができる。
表2,3は、上記の第1〜第3のモードにおいて、S5の決定をするために、画像を印刷した結果の評価である。表2は、1回の微振動制御に印字周期Taにおいて100周期分の微小振動用波形信号を印加した場合、表3は200周期分の微小振動用波形信号を印加した場合を示す。各表において「第1」「第2」「第3」は、第1〜第3のモードのそれぞれで微振動制御を実行した場合を示す。「○」は画像に乱れが生じていないことを示しており、「△」は画像に乱れがあるが、実用の範囲内であることを示しており、「×」は実用に向かないほど画像に乱れがあることを示している。
Figure 0005034582
Figure 0005034582
以上の構成を有する本実施形態によって、以下の効果が奏される。上記のとおり、微振動制御における駆動波形信号の印加タイミングが、クロストークの影響が大きく且つメニスカスの振幅が大きくなるようなディレイ時間を取るように決定されている。これによって、全体として少ないパルス数の駆動波形信号でも、ノズル近傍の液滴の乾燥を防止することが可能となる。また、駆動波形信号が印加された複数の圧力室間に挟まれた圧力室に対しては駆動波形信号を印加しなくても、ノズル内のインクに振動を与え、乾燥防止効果を得ることが可能となるので、パルス数をより一層少なくすることができる。その結果、パルス数が少なくなることで、アクチュエータユニット31や駆動回路49の発熱が小さくなり、消費されるエネルギーも抑えられる。
また、本実施形態においては、印刷制御における駆動波形信号の印加タイミングが、クロストークの影響が比較的小さいものに設定されている。例えば、図10においてクロストークの影響が比較的小さい0.80〜1.8マイクロ秒の領域に設定されている。これによって、印刷制御の際にクロストークの影響でインク滴の噴射速度が低下したり、クロストークの影響でノズル15間に噴射速度のばらつきが生じたりすることが抑制される。したがって、印刷制御の際にクロストークによってインク滴の噴射速度が変化して印刷品質が低下することが抑制される。
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲において様々な変更が可能なものである。
<変形例>
前記第1のモードにおいて、1つおきの圧力室と、残りの1つおきの圧力室とに交互に同様の微振動制御を行うようにしてもよい。また、第2のモードにおいて、圧力室列36Bk及び36Cと、残りの圧力室列36Y及び36Mとに交互に同様の微振動制御を行うようにしてもよい。この場合、表1のt5及びt7も使用される。また、第3のモードにおいて、圧力室を4以上の群に分け、そのうち2群以上ずつに対して交互に同様の微振動制御を行うようにしてもよい。このようにすると、1つのメニスカスに2つの微振動制御による振動が交互に印加され、効率よく乾燥防止を達成できる。
さらに、第1のモードは、2つおき、あるいは3つおきなど所定数おきの圧力室に対して、また、第2のモードはさらに多数列の圧力室列を設けて全列数よりも少ない複数列に対して、また、第3のモードはさらに圧力室を多数群に分けて全群数よりも少ない複数群に対して、それぞれ微振動制御を行うこともできる。
また、上述の実施形態においては、記録ヘッド30がキャリッジ9と共に移動する方式が採用されている。しかし、固定式のインクジェットヘッドが採用されたものであってもよい。また、上述の実施形態では圧電方式が採用されているが、サーマル方式など、他の方式が採用されたインクジェットヘッドであってもよい。さらに、インクジェットプリンタとは異なり、インク以外の液体、例えば液晶表示装置のカラーフィルタを製作するために着色液を塗布する装置など、各種の液体を噴射する装置に本発明が適用されてもよい。
なお、上述の実施形態における駆動波形信号の印加タイミングの決定方法はあくまで一例である。印刷制御や微振動制御が実行される場合には、駆動波形信号が印加される個別電極33と印加されない個別電極33との分布状況は種々に変化する。したがって、印加タイミングの決定に当たっては、種々の分布状況に対応する種々の測定状況で噴射速度が測定されることが好ましい。
また、上述の実施形態においては、1つの微小振動用波形52に2つの駆動パルス52aが含まれている。しかし、1つの微小振動用波形52に1つ、又は3つ以上の駆動パルス52aが含まれていてもよい。
本発明の一実施形態であるインクジェットプリンタの内部構成を示す平面図である。 図1の記録ヘッドの下面図である。 図2のIII−III線に沿った記録ヘッドの縦断面図である。 図1のインクジェットプリンタの電気的構成を示すブロック図である。 図4の駆動回路の構成を示すブロック図である。 図4の駆動回路に供給される駆動波形信号の波形の一例を示す図である。 図3の個別電極に2印字周期に亘って印加される印刷用波形の一例を示す図である。 図3の個別電極に2印字周期に亘って印加される微振動用波形の一例を示す図である。 微振動制御において個別電極に駆動波形信号が印加される印加タイミングを決定する印加タイミング決定方法の一連のステップを示すフローチャートである。 図9の印加タイミング決定方法の一実施例において測定されたインク噴射速度と印加タイミングのディレイ時間との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ(プリンタ)
15 ノズル
16 圧力室
30 記録ヘッド
31 アクチュエータユニット
35(35C,35M,35Y,35Bk) ノズル列
36(36C,36M,36Y,36Bk) 圧力室列
49 駆動回路
51 印刷用波形
52 微小振動用波形
51a,51b,52a 駆動パルス
100 制御部

Claims (7)

  1. 複数のノズルとこれら複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室とを有する流路ユニットと、
    前記複数の圧力室の容積をそれぞれ変化させることにより、前記複数の圧力室内の液体に圧力を付与する複数のアクチュエータと、
    前記複数のアクチュエータのそれぞれに対して前記ノズルから液滴を噴射させるための噴射駆動パルスを印加する駆動手段と、
    前記駆動手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記駆動手段に、前記ノズルから液滴を噴射させない程度に前記ノズル内の液体のメニスカスを微振動させるための微振動駆動パルスを、前記アクチュエータに対して印加させる微振動制御手段を有し、
    互いに離れて位置する複数の前記アクチュエータに対してそれぞれ前記微振動駆動パルスを、単独で印加したときよりも前記メニスカスに生じる圧力変動が大きくなるタイミングで印加することを特徴とする液滴噴射装置。
  2. 前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記複数のアクチュエータの全部よりも少ない複数の前記微振動駆動パルスを印加させることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  3. 前記複数の圧力室が、所定方向に沿って延びる1圧力室列を構成しており、
    前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記所定方向に関して所定数おきに配置された前記圧力室に対応する前記アクチュエータに前記微振動駆動パルスを印加させることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  4. 前記複数の圧力室が、所定方向に沿って互いに平行に延びる複数の圧力室列を構成しており、
    前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記全部の圧力室列数よりも少ない複数の前記圧力室列に対応する前記アクチュエータに前記微振動駆動パルスを印加させることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  5. 前記複数の圧力室はその圧力室の列方向に複数の圧力室群に区分され、
    前記微振動制御手段は、前記駆動手段に、前記一部の圧力室群に対応する前記アクチュエータごとに前記微振動駆動パルスを印加させることを特徴とする請求項2に記載の液滴噴射装置。
  6. 前記微振動制御手段は、
    第1の前記アクチュエータのメニスカスに生じる圧力変動が前記第1のアクチュエータに対して単独で前記微振動駆動パルスを印加したときよりも大きくなるように、前記駆動手段に、第2の前記アクチュエータに対して前記微振動駆動パルスを印加させると共に、前記第2のアクチュエータに対して前記微振動駆動パルスを印加してから1印字周期より短い所定の時間が経過した後に前記第1のアクチュエータに対して前記微振動駆動パルスを印加させることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
  7. 第1の前記アクチュエータに前記噴射駆動パルスを印加すると共に、前記第1のアクチュエータに前記噴射駆動パルスを印加してから1印字周期より短い所定の時間が経過した後に第2の前記アクチュエータに前記噴射駆動パルスを印加したときと、前記第2のアクチュエータに単独で前記噴射駆動パルスを印加したときとの間における、前記第2のアクチュエータのメニスカスに生じる圧力変動の差の絶対値が、前記所定の時間がゼロであるときよりも前記所定の時間がゼロでないtであるときの方が小さい場合に、
    前記制御手段は、
    前記駆動手段に、前記第1のアクチュエータに対して前記噴射駆動パルスを印加させると共に、前記第1のアクチュエータに対して前記噴射駆動パルスを印加してからtの時間が経過した後に前記第2のアクチュエータに対して前記噴射駆動パルスを印加させることを特徴とする請求項1に記載の液滴噴射装置。
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