JP4729932B2 - 易開封性容器の製造方法 - Google Patents
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この種の密封容器にあっては、容器を開封して内容物を取り出す際に、蓋体が容易に剥離開封できる易開封性が求められるとともに、内容物を密封収容した後の加熱殺菌処理や、落下衝撃などによる内圧上昇によっても蓋体が剥がれてしまわないように、高い剥離強度が要求される。
すなわち、突起を熱盤で押し潰す際に、熱盤を押し当てる方向や、温度、押圧力などの諸条件にばらつきがあると、成りゆきにまかせて突起が変形してしまうため、所望の厚みや長さを確保して開口立上がり片を形成するのは難しく、開口立上がり片を形状再現性よく形成して、安定した剥離強度を確保するには、その形成条件を厳密に管理する必要があった。
また、開口立上がり片が形成されたフランジに蓋体をヒートシールする際に、開口立上がり片とフランジとの接触面が融着してしまう不具合も考えられる。これによって開口立上がり片の立ち上がりが妨げられると、開口立上がり片が用をなさなくなり、容器内方から蓋体を引き剥がそうとする力が作用したときの蓋体とフランジのシール破断を防げなくなってしまう。
このとき、易開封性を確保するためには、前記蓋体のヒートシール層と前記開口周縁部との接着強度が5〜30N/15mmであるのが好ましい。
このような構成とすることにより、切り込み片の立ち上がりが妨げられるのを有効に回避して、より確実に、容器内方から蓋体に作用する引き剥がし力に対する高い剥離強度を得ることができ、また、蓋体を開口周縁部にヒートシールする際のヒートシール条件が制限されず、蓋体と開口周縁部との接着強度の管理が容易になる。
このとき、前記融着阻害処理は、凹凸加工による粗面処理、又は非貼着性材料の塗工処理とすることができる。
このような構成とすることにより、ヒートシール用のフランジを容器本体の開口部の周縁に沿って設ける場合に、フランジの厚みが薄く、十分な剛性がない場合であっても、蓋体を剥離開封する際に、蓋体に接着した状態のままフランジが持ち上がってしまうのを防止し、蓋体の剥離開封がより良好に行われるようにすることができる。
なお、フランジの厚みが厚く(例えば、1mm以上)、十分な剛性がある場合は、蓋体と開口周縁部との接着強度にもよるが、フランジが持ち上がることなく開封できる。
このような直接的な加工によって切り込み片を形成することにより、切り込み片の厚みや長さなどの寸法管理が容易であるため、容器内方から蓋体に作用する引き剥がし力に対して、所望の剥離強度を任意に設定することができ、安定した剥離強度を確実に確保することができる。これらの直接的な加工のうち、レーザー加工が特に好ましく、機械加工に比べて、切り屑が発生せず、工具のメンテナンスも容易という利点がある。
このような方法とすることにより、切り込み片の立ち上がりが妨げられるのを有効に回避して、より確実に、容器内方から蓋体に作用する引き剥がし力に対する高い剥離強度を得ることができ、また、蓋体を開口周縁部にヒートシールする際のヒートシール条件が制限されず、蓋体と開口周縁部との接着強度の管理が容易になる。
このような場合には、容器内圧によって切り込み片4が蓋体3から容易に剥離してしまわないように、切り込み片4の根本部Pから容器内方に向かって、容器径方向に好ましくは1〜3mm、より好ましくは1.5〜2.5mmの範囲で、切り込み片4と蓋体3のヒートシール層31とのシール幅δ2を確保するものとする。
すなわち、容器内方から外方へ向けて蓋体3を剥がそうとする力が働いたときに、融着された切り込み片4とフランジ23の残部との剥離が優先してなされ、切り込み片4と蓋体3との間で剥離が生じることがないように、少なくとも容器内方側において、切り込み片4と蓋体3とのシール幅δ2として確保すべき範囲(容器径方向に好ましくは1〜3mm、より好ましくは1.5〜2.5mm)で、切り込み片4とフランジ23の残部とが、蓋体3のヒートシール層31と切り込み片4との接着強度よりも相対的に低い接着状態にあればよい。
例えば、ヒートシールの際の熱印加により蓄熱しやすいフランジ23の容器径方向中央寄りの根本部Pの近傍では、切り込み片4とフランジ23の残部とが融着しやすい傾向にあるが、当該根本部Pの近傍において、蓋体3のヒートシール層31と切り込み片4との接着強度よりも相対的に高い接着状態の融着部が生じた場合には、その部分を切り込み片4と蓋体3のヒートシール層31とのシール幅δ2から除外するものとする。
また、前述した特許文献2,3にて提案されている従来の技術のように、それ自身の層間剥離又は凝集剥離が可能となるように構成された積層体を用意したり、容器本体2を多層に構成したりする必要がなく、きわめて簡易な構成により、容器内方から蓋体に作用する引き剥がし力に対しては、安定した高い剥離強度を確保するとともに、容器外方から蓋体を剥離開封する際には、容易に蓋体を剥離するこができる易開封性の容器を得ることができる。
(1)容器本体
通常の共押出しシート成形により、外層:ポリプロピレン(PP,MI=0.5)+チタン白顔料(630μm)/接着剤層:無水マレイン酸変性ポリプロピレン(30μm)/バリアー層:エチレン−ビニルアルコール共重合体(180μm)/接着剤層:同上(30μm)/内層:PP(630μm)からなる3種5層の多層シート(ラミコンシート)を、総厚さ1.5mmで作製した。
このようにして得られた多層シートを用いて、通常の真空・圧空成形機により、容器外径76mm×高さ90mm(内容積約215ml)、容器径方向のフランジ幅約6mmのフランジ付き丸形容器を成形した。
次いで、出力30Wの炭酸ガスレーザー装置を用いて、得られた容器のフランジ上面側を容器内方側から切り込んで、容器径方向の長さ3mm、厚さ0.1mmの切り込み片を形成し、切り込み片とフランジの残部との対向面に凹凸加工を施した。
通常のドライラミネート法により、外層:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/中間層:2軸延伸ナイロンフィルム(15μm)/内層:エチレン・プロピレン系複合材料(50μm)構成の蓋体を作製した。
蓋体をフランジにヒートシールする際のシール幅δ3を3mmとし、蓋体と切り込み片とのシール幅δ2を1.0mmとした以外は、実施例1と同様にして充填容器を得、同様の条件でレトルト殺菌を行った。
蓋体をフランジにヒートシールする際のシール幅δ3を3.5mmとし、フランジの外周に沿った未接着部δ1を1.5mm、蓋体と切り込み片とのシール幅δ2を1.5mmとした以外は、実施例1と同様にして充填容器を得、同様の条件でレトルト殺菌を行った。
切り込み片を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして充填容器を得、同様の条件でレトルト殺菌を行った。
切り込み片とフランジの残部との対向面に凹凸加工を施さなかった以外は、実施例1と同様にして充填容器を得、同様の条件でレトルト殺菌を行った。
任意に選んだ20個の充填容器を用いて、蓋体の開封感についての官能試験を行った。
[評価試験2]
任意に選んだ20個の充填容器の温度を5℃に調温して、80cmの高さから側面を下方にした状態で10回落下させる落下試験を行い、破損の有無を調べた。表1に示す値は、破損した容器の個数である。
また、実施例1〜3、比較例1,2において、レトルト殺菌を行った後の蓋体とフランジとの接着強度は15N/15mmであった。接着強度の測定は、ヒートシール部を15mmの長さに切り取って、剥離に要する力を引張り試験装置で測定した。
一方、切り込み片を設けなかった比較例1では、開封性は良好なものの、落下試験で半数以上のものがシール破損してしまい、強度的に不十分なものであった。切り込み片とフランジの残部との対向面に凹凸加工を施さなかった比較例2では、切り込み片とフランジの残部との対向面が部分的に接着してしまい、δ2が十分に確保されず、落下試験で破損するものが多く見られた。
2 容器本体
23 フランジ(開口周縁部)
231 上面
232 スカート部
3 蓋体
31 ヒートシール層
4 切り込み片
P 根本部
δ1 蓋体とフランジ(開口周縁部)との間の未接着部
δ2 蓋体と切り込み片とのシール幅
δ3 蓋体とフランジ(開口周縁部)とのシール幅
Claims (4)
- ヒートシール層を内面に備えた蓋体を、前記ヒートシール層を容器本体の開口周縁部に対向させて載置し、前記蓋体を前記開口周縁部にヒートシールしてなる易開封性容器の製造方法であって、
前記容器本体を所定の容器形状に成形した後に、前記開口周縁部の上面側を容器内方側から切り込んで、前記開口周縁部にヒートシールされた前記蓋体を容器内方から外方へ向けて剥がそうとする力が働いたときに、前記蓋体とともに立ち上がるように、容器内方側の一端が自由端とされ、容器外方側の他端は前記開口周縁部と一体になっている切り込み片を設け、
容器内方側において、前記蓋体のヒートシール層と前記切り込み片とが接着するように、前記蓋体を前記開口周縁部にヒートシールすることを特徴とする易開封性容器の製造方法。 - 前記切り込み片をレーザー加工により設ける請求項1に記載の易開封性容器の製造方法。
- 前記切り込み片を機械加工により設ける請求項1に記載の易開封性容器の製造方法。
- 前記切り込み片と前記開口周縁部の残部との対向面のうち少なくとも一方に融着阻害処理を施した後に、前記蓋体を前記開口周縁部にヒートシールする請求項1〜3のいずれか1項に記載の易開封性容器の製造方法。
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