JP4729555B2 - スポンジチタンの反応容器とこれを用いるスポンジチタンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スポンジチタンの製造に使用される反応容器、およびこの反応容器を用いるスポンジチタンの製造方法に関する。
金属チタンの素材として使用されるスポンジチタンは、通常、四塩化チタン(TiCl4)のマグネシウム(Mg)による還元を利用したクロール法により製造される。
図1は、クロール法によるスポンジチタンの製造に使用される反応容器の概略構成例を示す縦断面図である。反応容器1は、底部を有し上面が開口をなす円筒形状の容器本体1aと、その上面開口部に装着される蓋体2とを有している。
蓋体2は、円板状の天板2aと、天板2aの外周部下面から下方へ延びる側面2bと、底板2cとを有し、主に底板2cを冷却するために蓋体2内に配置された環状の冷却配管3aを有している。蓋体2の中心部には、天板2aおよび底板2cを貫通して排気管4が設けられ、その側方には、原料供給管6が取り付けられた圧抜き管5が設けられている。なお、図1に示した例では、蓋体2の側面2bは垂直であるが、蓋体2の装着、脱着を円滑に行うために、下向きに若干のテーパーを設ける場合もある。
クロール法では、先ず、溶融Mgを収容した反応容器1内に原料供給管6からTiCl4を供給して、Tiと副生物である塩化マグネシウム(MgCl2)を生成させる。生成したTiは溶融物(溶融Mgおよび溶融MgCl2)の中を沈降して容器本体1aの底部に配置されたロストル(図示せず)上に堆積し、溶融MgCl2は下端部が容器本体1aの底部に接続された汲み出し管(図示せず)から適宜反応容器1外へ抜き出される。この還元工程の終了時点では、反応容器1内に、溶融状態で残存する未反応のMgおよび溶融MgCl2が付着したスポンジ状のチタン(スポンジチタン)が形成される。
続いて、このスポンジチタンに付着している未反応のMgおよび溶融MgCl2を除去するために、反応容器1を連結管7により別の反応容器(この場合、「凝縮容器」と称される)に接続し、反応容器1を外部から加熱するとともに、前記凝縮容器内を真空(減圧)状態にする。この真空分離工程で、スポンジチタンに含まれる未反応Mgおよび残留MgCl2は蒸発、分離され、連結管7を経由して凝縮容器内に導入され、凝縮、回収される。未反応Mgおよび残留MgCl2が除去されたスポンジチタンは、押し抜きプレスによりバッチ毎に反応容器1から通常は略円柱状の塊として押し出される。
例えば、特許文献1には、このようなスポンジチタンの製造に使用される装置(反応容器)が記載されている。
ところで、前記真空分離工程において、反応容器1内を真空状態に保持するために、前記反応容器の本体1aとこれに蓋体2を装着したときの接合部(図1の拡大図に示すように、蓋体2の天板2aの下面と容器本体1aの上面縁部との接触部)はリング状の真空シール材8で気密性が保たれているが、このシール材8が損傷を受け、トラブルが発生する場合がある。これはシール材8の熱による劣化に起因するものと考えられるが、操業中にこれを検知することは困難で、シール材8が損傷すると、真空分離中に反応容器内に大気が侵入するため、酸素濃度が上昇するなど、1バッチ分のスポンジチタンの品質が低下する。
真空分離の際、大部分のMgは蒸発して蓋体2の中心部に設けられた排気管4および連結管7を経由し、凝縮容器へ導入されるので、蓋体2の側面近傍に配置された真空シール部への影響は少ない。また、給気管3を経由して冷却配管3aに送り込まれた冷却用空気が冷却配管3aに設けられた多数の孔から底板2cに向けて噴出され、天板2aに取り付けられた排気管9を介して外部へ排出されているので、蓋体2は、その全体が冷却されており、蒸発したMgの一部が容器本体1aの上方部内面と蓋体2の側面とで形成される隙間10(図1の拡大図参照)に入り込んでも、シール部はそれ程高温にはならず、シール材8はMg蒸気がもつ顕熱から保護されると推測される。
しかし、還元および真空分離工程はバッチ式であって、反応容器内の状況はバッチごとに相違し、前記上部空間へのMg蒸気の侵入状況もバッチごとに異なる。また、バッチによっては、真空シール部の近くで何らかの発熱反応が生じ、そのためにシール材が劣化するという推測も成り立つが、いずれにせよ、その原因は必ずしも明らかではない。
前述の反応容器の本体1aと蓋体2との接触部におけるエアーリークと、それに伴うスポンジチタンの品質低化等の問題は、一旦発生すれば、そのバッチのスポンジチタン全体の品質に係るという、クロール法で使用される反応容器に特有の問題である。しかし、その対策について公にされた文献等はなく、前掲の特許文献1でも、何も記載されていない。
特開2002−363661号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、反応容器の本体と蓋体との接合部をシールするリング状の真空シール材の熱による劣化に伴うエアーリークを防止し、それに起因するスポンジチタンの品質低下を確実に防止することができるスポンジチタン製造用の反応容器、およびこの反応容器を用いるスポンジチタンの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するために、先ず、真空シール材の劣化の原因について検討し、以下のように推測した。
すなわち、還元工程では、反応容器内に供給されたTiCl4の一部が低級塩化物(二塩化チタン、三塩化チタンなど)となる。一方、反応容器本体の上方部内面と蓋体の側面とで形成される隙間付近は反応容器の内部よりも低温であるため、前記低級塩化物がその隙間付近に付着する。
還元工程が終了し、真空分離工程の初期には、反応容器の温度を上昇させるとともに減圧状態にするので、スポンジチタンに付着している未反応のMgが気化し、その一部がMg濃度の高いガスとなって反応容器内の前記の隙間に流れ込む。このMgガスと隙間付近に付着している低級塩化物が反応して、真空シール材のごく近傍で高熱を発し、蓋体の空冷程度ではその高熱を吸収し得ず、真空シール材が劣化する。
本発明者は、この推論に基づき、真空シール材の劣化対策を検討した。その結果、反応容器の構造を、容器本体と蓋体との隙間、特に真空シール材の近傍に、気体状の低級塩化物やMgガスが入り込まないような構造にすることにより、低級塩化物の前記隙間付近への付着や、付着した低級塩化物とMgガスとの反応を防止することができ、真空シール材の熱による劣化とそれに起因するエアーリークを防止する上で極めて有効であることが確認できた。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その要旨は、下記(1)のスポンジチタン製造用の反応容器、および、この反応容器を用いる(2)のスポンジチタンの製造方法にある。
(1)クロール法によるスポンジチタンの製造に使用され、連結管により別の反応容器に接続する構造からなる反応容器であって、反応容器は、底部を有し上面が開口をなす円筒形状の容器本体とその上面縁部と天板下面とが接触して本体の上面開口部に装着される蓋体とを有し、さらに蓋体は、天板の外周部下面から下方へ延びる側面と底面になる底板とを備え、本体の上面縁部と蓋体の天板下面との接合部に配置されたリング状の真空シール材により気密性が保持されており、真空シール材から反応容器内へ通じ、容器本体の上端部から蓋体の底面と同じ高さレベルまでの部分である、本体の内面と蓋体の側面とで形成される隙間に、圧縮性を有する耐熱断熱材がリング状に配置されていることを特徴とするスポンジチタンの反応容器である。
ここで言う「圧縮性を有する」とは、圧力を加えてその容積を縮小させ得る性質を有することを意味する。言い換えれば、比較的柔らかく、クッション性(復元性)があることをいう。なお、前記の本体と蓋体の「接合部」とは、蓋体を装着したときに、本体と蓋体とが気密状態に保持される部位をいう。
本発明のスポンジチタンの反応容器において、耐熱断熱材が耐熱繊維を含んでおり、耐熱断熱材が本体と蓋体により圧縮された状態で保持されるものであれば、耐久性に優れ、また気密性が高くなるので望ましい。さらに蓋体は冷却機能を有することが望ましい。
本発明のスポンジチタンの反応容器は、前記隙間の形成に与る容器本体部分において、本体の内径が下向きに小さくなっている構造とすることができる。
前記の「隙間の形成に与る容器本体部分」とは、言い換えれば、容器本体のうち、蓋体側面に相対する部分、すなわち、容器本体の上端部から蓋体の底面と同じ高さレベルまでの部分である。また、「本体(容器本体)の内径が下向きに小さくなっている構造」には、内径が漸減する構造の他、途中に段部が設けられているような構造(例えば、後述する図2に示す構造)も含まれる。なお、段部は水平であってもよいし、容器の外方向へ下向きに傾斜していてもよい。
このような構造の反応容器が、耐熱断熱材の配置個所において、本体内面が水平な箇所を有し、蓋体の側面も装着時に前記本体内面の水平箇所に当接する水平な箇所を有していれば、真空シール材を配置する際の位置決めを確実行うことができ、耐熱断熱材を本体と蓋体それぞれの水平箇所の間で圧縮された状態とし、シール性を高めることができるので望ましい。
また、本発明のスポンジチタンの反応容器において、耐熱断熱材の配置位置が、真空シール材の位置よりも5cm以上低ければ、シール材の熱による劣化を確実に防止できるので望ましい。
(2)前記(1)に記載のスポンジチタンの反応容器を用いることを特徴とするスポンジチタンの製造方法である。
本発明のスポンジチタンの反応容器は、容器本体と蓋体との接合部をシールするリング状の真空シール材の熱による劣化に伴うエアーリークの防止に極めて有効である。この反応容器を用いる本発明のスポンジチタンの製造方法によれば、前記のエアーリークに起因するスポンジチタンの品質低下を防止することができる。
本発明のスポンジチタンの反応容器は、容器本体と蓋体との接合部に配置された真空シール材から反応容器内へ通じる隙間、すなわち容器本体の内面と蓋体の側面とで形成される隙間に、圧縮性を有する耐熱断熱材が配置されていることを特徴とする反応容器である。
本発明の反応容器において、真空シール材から反応容器内へ通じる隙間に耐熱断熱材を配置するのは、この隙間に気体状の低級塩化物やMgガスが入り込まないような構造にするためである。これにより、隙間付近への低級塩化物の付着や、付着した低級塩化物と隙間へ入り込んだMgガスとの反応を防止して、真空シール材が高熱にさらされるのを防止することができる。
耐熱断熱材を、圧縮性を有するものとするのは、そのような耐熱断熱材を前記の隙間へ配置することにより隙間への低級塩化物やMgガスの侵入を遮る効果が得られるからである。すなわち、狭い隙間に配置された耐熱断熱材は容器本体の内面と蓋体の側面に挟まれ、変形して、耐熱断熱材に接する本体内面および蓋体の側面に密着するので、前記低級塩化物やMgガスの侵入遮断効果が増大する。
耐熱断熱材の配置の仕方について何ら限定はない。後述する本発明の実施形態で具体的な配置例を示すが、それらの配置以外でも、耐熱断熱材が容器本体の上方部の内側に存在する隙間にリング状に配置されていれば、前記の低級塩化物やMgガスの侵入遮断効果が認められるので、本発明の反応容器として採用できる。
図2は、本発明のスポンジチタンの反応容器の要部(蓋体装着部近傍)の概略構成例を示す図で、容器本体1aの内面と蓋体2の側面2bとで形成される隙間10の近傍を表している。なお、図2に示した例では、蓋体2の側面2bには下向きに若干のテーパーが設けられている。
図2に示すように、前記の隙間10は、容器本体1aと蓋体2との接合部に配置された真空シール材8から反応容器内へ通じているが、本発明の反応容器では、この隙間10に圧縮性を有する耐熱断熱材11が配置される。これによって、耐熱断熱材11は、蓋体2の装着時にその側面2bに押されて変形し、耐熱断熱材11に接する本体1aの内面および蓋体2の側面2bに密着するので、前記の低級塩化物やMgガスの侵入遮断効果が発揮される。
本発明のスポンジチタンの反応容器において、耐熱断熱材が本体と蓋体により圧縮された状態で保持されるものであれば、前述のように、変形して容器本体の内面や蓋体の側面への密着度が強くなり、気密性が高まるので、隙間への低級塩化物やMgガスの侵入に対する遮断効果が増大する。
その場合、耐熱断熱材に耐熱繊維が含まれていれば、一般に、圧縮変形に対する復元力が大きくなり、また、耐熱性が優れ、耐熱断熱材の繰り返し使用が可能となるので望ましい。なお、耐熱断熱材は、耐熱繊維に僅かな加工を施した程度の実質的に耐熱繊維からなるものであってもよい。耐熱繊維としては、ロックウールおよびガラスウールなどが適用できる。
本発明のスポンジチタンの反応容器は、隙間(容器本体の内面と蓋体の側面とで形成される隙間)の形成に与る容器本体部分において、本体の内径が下向きに小さくなっている構造とすることが可能である。端的に言えば、容器本体の上端部における内径に比べて、蓋体の底面と同じ高さレベルにおける内径が小さい(つまり、下向きに絞られている)構造である。
このような構造とすることにより、耐熱断熱材を配置し、蓋体を装着するだけで、前記耐熱断熱材を圧縮された状態とすることが可能となる。
図3は、本発明のスポンジチタンの反応容器の要部の他の概略構成例を示す図で、容器本体の内面と蓋体2の側面2bとで形成される隙間10の近傍を拡大して表している。なお、この例でも、蓋体2の側面2bにはテーパーが設けられている。
図3に示すように、この反応容器では、本体1aの上端から蓋体の底面と同じ高さレベル(図3のP点)までが、容器本体の内径が下向きに小さくなる構造となっている。耐熱断熱材はリング状をなしており、一方、本体1aの上端からP点までは容器の内径が下向きに漸減しているので、配置した耐熱断熱材は図3に示した位置よりも下方に移動することはない。したがって、容器本体の内径が下向きに小さくなっている部分に耐熱断熱材を配置すれば、蓋体を装着するだけで、前記耐熱断熱材を圧縮された状態とすることができる。
このように、内径が下向きに小さくなっている構造の反応容器において、特に、本体内面が水平な箇所を有し、蓋体の側面も装着時に前記本体内面の水平箇所に当接する水平な箇所を有する構造をもった反応容器であれば、後述する実施例に示すように、気密性が高まり、隙間への低級塩化物やMgガスの侵入に対する遮断効果が増大するので、望ましい。
図4は、このような構造をもった本発明のスポンジチタンの反応容器の要部(蓋体装着部近傍)の概略構成例を示す図である。なお、この例では、蓋体2の側面2bは垂直であるが、下向きにテーパーが設けられていてもよい。
図4に示すように、この反応容器1では、本体1aの内面が水平な箇所を有し、蓋体2の側面2bには、装着時に前記本体内面の水平箇所に当接する、下面が水平なリング状を呈する板12が取り付けられており、これら両水平箇所の間に耐熱断熱材11が配置されている。耐熱断熱材11は、本体内面の水平箇所と蓋体の側面2bに取り付けられたリング状の板12の間で圧縮されて変形し、シール性が高められる。また、真空シール材を配置する際の位置決めを確実に行うことができ、耐熱断熱材(あるいは、その欠片)が反応容器1内に落下する危険性もなくなる。
また、本発明のスポンジチタンの反応容器において、耐熱断熱材の配置位置(高さ方向レベル)が、真空シール材の位置よりも5cm以上低ければ、その配置位置の直下で低級塩化物とMgガスとの発熱反応が起こったとしても、その熱が真空シール材までは伝わりにくく、シール材の熱による劣化を避けることができるので望ましい。真空シール材の位置よりも10cm以上低ければ、更に望ましい。
本発明のスポンジチタンの反応容器において、耐熱断熱材は容器本体の内面と蓋体の側面とで形成される隙間に、すなわち、蓋体の底面と同レベルかまたは底面より高い位置(隙間の途中)に配置される。真空分離時には、反応容器の本体上部付近は自然放冷によってある程度は冷却され、また外側から冷却手段によって冷却される場合もあるが、耐熱断熱材が隙間の途中に配置されていれば、その上方の隙間内も冷却されるので、真空シール材の劣化は更に効果的に抑制される。
本発明の反応容器に使用する耐熱断熱材の材質は特に限定されない。スポンジチタン製造時の使用条件に耐える程度の耐熱性、断熱性を有し、圧縮性を備え、かつ容器本体の内面と蓋体の側面とで形成される隙間にリング状に配置し得るものであればよい。例えば、ロックウールおよびガラスウール等が使用できる。
本発明のスポンジチタンの製造方法は、本発明の反応容器を用いるスポンジチタンの製造方法である。本発明の反応容器は、前述のとおり、容器本体の内面と蓋体の側面とで形成される隙間に耐熱断熱材が配置された容器で、使用に際し、従来の反応容器と何ら変わるところはない。
本発明のスポンジチタンの製造方法によれば、反応容器の真空シール材の熱による劣化で生じるエアーリークに起因するスポンジチタンの品質低下を防止することができる。
前記の図2および図4に示した構成を有する本発明の反応容器を作製し、それを使用してスポンジチタンを製造し、真空シール材(パッキン)の熱による劣化(この場合、硬化を伴うので、「硬化」ともいう)の発生状態を調査した。使用した耐熱断熱材はロックウール製のリング状の断熱材である。なお、比較のために、前記図1に示した構成を有する従来の反応容器を使用した場合についても、同様の調査を行った。
調査結果を表1に示す。なお、真空シール材の硬化の発生状態の調査では、エアーリークが生じる危険性を避けるため、反応容器からスポンジチタンを取り出す際に、シール材を調査し、色調、感触、変形、その他硬化の兆候が認められた時点で(つまり、エアーリークにまでは至っていない時点も含めて)、劣化と評価した。
Figure 0004729555
表1に示したように、本発明の反応容器を使用した場合、真空シール材の硬化発生率は、従来の反応容器を使用した場合に比べて著しく低下した。これは、前述のように、耐熱断熱材によって容器本体と蓋体側面との隙間への低級塩化物やMgガスの侵入が遮られ、真空シール材の熱による硬化が起こらなかったことによるものと推測される。
図4に示した反応容器を使用した場合の方が、図2の反応容器を使用した場合より効果が大きかったが、これは、耐熱断熱材が水平な面で上下から圧縮され、シール性が大きかったことによるものと考えられる。
本発明のスポンジチタンの反応容器は、容器本体の上方部内面と蓋体の側面とで形成される隙間に、圧縮性を有する耐熱断熱材が配置されており、容器本体と蓋体との接合部に配置された真空シール材の熱による劣化に伴うエアーリークの防止に極めて有効である。この反応容器を用いる本発明のスポンジチタンの製造方法によれば、前記のエアーリークに起因するスポンジチタンの品質低下、生産性の低下等を防止することができる。
したがって、スポンジチタンの反応容器およびこの反応容器を用いる本発明のスポンジチタンの製造方法は、スポンジチタンの製造に有効に利用することができる。
クロール法によるスポンジチタンの製造に使用される反応容器の概略構成例を示す縦断面図である。 本発明のスポンジチタンの反応容器の要部の概略構成例を示す図である。 本発明のスポンジチタンの反応容器の要部の他の概略構成例を示す図である。 本発明のスポンジチタンの反応容器の要部のさらに他の概略構成例を示す図である。
符号の説明
1:反応容器、1a:容器本体、1b:ロストル
2:蓋体、2a:天板、2b:側面、2c:底板
3:給気管、3a:冷却配管
4:排気管
5:圧抜き管
6:原料供給管
7:連結管
8:真空シール材
9:排水管
10:隙間
11:耐熱断熱材
12:リング状の板

Claims (6)

  1. クロール法によるスポンジチタンの製造に使用され、連結管により別の反応容器に接続する構造からなる反応容器であって、
    反応容器は、底部を有し上面が開口をなす円筒形状の容器本体とその上面縁部と天板下面とが接触して本体の上面開口部に装着される蓋体とを有し、
    さらに蓋体は、天板の外周部下面から下方へ延びる側面と底面になる底板とを備え
    本体の上面縁部と蓋体の天板下面との接合部に配置されたリング状の真空シール材により気密性が保持されており、
    真空シール材から反応容器内へ通じ、容器本体の上端部から蓋体の底面と同じ高さレベルまでの部分である、本体の内面と蓋体の側面とで形成される隙間に、圧縮性を有する耐熱断熱材がリング状に配置されていることを特徴とするスポンジチタンの反応容器。
  2. 耐熱断熱材が耐熱繊維を含んでおり、耐熱断熱材が本体と蓋体により圧縮された状態で保持され、蓋体は冷却機能を有することを特徴とする請求項1に記載のスポンジチタンの反応容器。
  3. 前記隙間の形成に与る容器本体部分において、本体の内径が下向きに小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載のスポンジチタンの反応容器。
  4. 耐熱断熱材の配置個所において、本体内面が水平な箇所を有し、蓋体の側面も装着時に前記本体内面の水平箇所に当接する水平な箇所を有することを特徴とする請求項3に記載のスポンジチタンの反応容器。
  5. 耐熱断熱材の配置位置が、真空シール材の位置よりも5cm以上低いことを特徴とする請求項1に記載のスポンジチタンの反応容器。
  6. 請求項1に記載の反応容器を用いることを特徴とするスポンジチタンの製造方法。
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