JP4729185B2 - 座席場所に関連して備品やごみを収容する装置を備えた乗客座席 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗客座席が特に飛行機客室内の座席グループの一部である、座席場所に関連して備品やごみを収容するための装置を備えた乗客座席に関する。
【０００２】
【従来の技術】
飛行機座席で備品やごみを収容するために、多数の解決策が知られている。安全説明書、搭乗情報、新聞、雑誌等を収容するためのポケットは通常は、乗客座席の背もたれに配置され、例えばドイツ連邦共和国特許第３４４７１７９号公報に従って、弾性的な紐を有する収納網として形成されている。飲物コップ、びん、提供された食事の包装材料または残った紙のような、乗客の座席領域で出るごみを収容するために、多くの場合、前側の座席の背もたれに配置された収納網が使用されるかあるいはごみが座席の足元範囲に置かれる。しかし、このごみ収納方法は乗客にとって不愉快である。なぜなら、両手で取扱い操作する必要があり、汚れるからである。更に、飛行機の地上での時間の間に行われる客室掃除にとって、乗客が残したごみを除去し、備品を新たに整頓または補充するために労力がかかる。ごみが通常の備品と共にごみ収納網に入れられているときには、掃除人は、ごみで一杯の網から両手でごみを集め、網内に残る必要な備品を整頓し、きれいにするかまたは補充し、大きなごみを床から拾い集めなければならない。ごみの除去のために費やされる時間は、客室掃除のために必要な時間を延長する。これは飛行機の経済性を左右する飛行機の地上での時間に不利に作用する。
【０００３】
ドイツ連邦共和国特許第４３１９２１４号公報によって知られている解決策は、乗客座席の背もたれに配置されたごみ袋を提案している。このようなごみ袋は折り畳まれたテーブルの範囲内に、帯板で保持されて配置されている。この帯板は上方に折り畳まれるテーブルの範囲内において、テーブルのすぐ下で座席の背もたれに固定されているかまたはテーブルに直接固定されている。この解決策によって、収納網とは別にごみを集めることができるがしかし、このごみ袋にごみを廃棄するかまたは収納袋に入れるかは乗客に委ねられている。ごみ袋に入れにくいとき、例えばテーブルを上方に折り畳んだときには、乗客はごみを収納網に入れるので、客室掃除の労力は減らない。なぜなら、掃除人はごみ除去時に網を調べ、ごみを除去し、備品を整頓しなければならないからである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の根底をなす課題は、技術水準によって知られている欠点が除去され、特に乗客にとって、ごみと座席場所に関連する備品をはっきりと分離することができ、飛行機の必要な地上での時間を左右する、客室掃除のための労力が低減されるように、乗客座席で座席場所に関連する備品とごみを収容するための装置を形成することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題は、冒頭に述べた種類の乗客座席において、請求項１記載の手段によって解決される。
【０００６】
その際特に、発生するごみと、座席に付設された備品をはっきりと区別することによって、客室掃除時間が短縮可能であり、それによって連続する飛行の間の、飛行機の地上での時間（ターンアラウンドタイムと呼ばれる）が短縮されることにより、輸送飛行機の経済性が高められるという利点がある。
発展形態と他の実施形は従属請求項２〜６に記載され、次に図に基づいて説明する。
【０００７】
【発明の実施の形態】
図には本発明の実施の形態が示してある。次に、図１〜４に基づいてこの実施の形態を詳しく説明する。図において、同じ部品には同じ参照符号が付けてある。
【０００８】
図１は、乗客座席グループ１を後側から見た図である。このような乗客座席グループ１は図示した実施の形態では３個の乗客座席２，３，４からなっている。この乗客座席の背もたれ２Ａ，３Ａ，４Ａは後側部分が示してある。背もたれ２Ａ，３Ａ，４Ａの上側範囲はそれぞれ、下方に揺動可能なテーブル５を備えている。このテーブルは必要時に、乗客座席２，３または４の背後の座席端部から下方に揺動可能である。背もたれ２Ａ，３Ａ，４Ａの下側範囲には、普通の収納網の代わりに、備品を収容するための本発明による装置６が各々の座席２，３または４に１個ずつ設けられ、そしてごみ箱８が中間アームレスト９，１０に設けられている。
【０００９】
現地時間記録紙、安全説明書および乗物酔い袋のような備品のための収容袋がごみ箱として使用されないようにするために、網の代わりに、挟みクリップ７が雑誌ホルダーとして背もたれ２Ａ，３Ａ，４Ａに１個ずつ設けられている。この挟みクリップ７は専ら、雑誌、安全説明書および乗物酔い袋等のような平らな物を収容するために設けられている。瓶、眼鏡、ヨーグルトコップのようなコンパクトな物または小さな物は、背もたれ面と挟持クリップ７によって形成された収容範囲７Ａを通って落下するかまたは収容範囲に適合しない。挟みクリップ７は好ましくは合成樹脂からなり、上側およびまたは側方が開放している。この場合、開放したこの範囲が収容範囲７Ａを形成している。クリップ７の下側部分としてのクリップホルダー７Ｂは、それぞれの背もたれ２Ａ，３Ａまたは４Ａに固定するために役立つ。挟みクリップ７全体は背もたれ２Ａ，３Ａまたは４Ａに平らに接触し、平らな物を収容範囲７Ａに挿入または引き出すために、保持付勢力に抗して開放可能である。中身を垂直にまたは側方から挿入および引き出すことは片手で行うことができる。必要な保持付勢力のために、クリップホルダー７ｂの範囲に配置されたばねまたは材料自体の弾性が利用される。クリップ７は図示した実施の形態では、クリップホルダー７Ｂ上に設けられた弧状の枠要素７Ｃを備えている。枠要素７Ｃの開放した形状のため、雑誌ホルダーの中身を目で迅速にチェックすることができる。クリップ７の形は多彩に形成可能である。合成樹脂の代わりに、他の材料、例えば金属（線材または薄板）を使用することができ、形も多彩であってもよく、造形的な要素として使用可能である。備品やごみを収容するための整頓装置６は挟みクリップ７のほかに、ごみ箱８を備えている。客室内のごみを除去するために、スチュワードによる回収に頼る必要なしにおよび雑誌ホルダー７内にごみを入れることなく、乗客にとって座席場所で、ごみを処理することができる。雑誌ホルダーを挟みクリップ７として形成したことにより、ごみを収容するためにこの挟みクリップを利用することはもはや不可能である。従って、ごみ箱８はごみを除去することだけしかできない。ごみ箱８は好ましくは、中間アームレスト９，１０の後側部分に配置される。この配置により、乗客によるごみ箱の取扱い操作が良好であり、かつ掃除人がごみ箱の廃棄操作を迅速に行うことができる。しかし、ごみ箱８を座席列毎に１個設けてもよい。この場合特に、ごみ箱は通路側の座席のアームレスト１１に取付けられる。それによって、掃除人がごみ箱を最適に取扱い操作可能である。ごみ箱８はアームレスト１１の後側部分の垂直な延長部に設けることができる（図示していない）。この取付け場所の場合、掃除人がごみ箱を最適に取扱い操作可能である。
【００１０】
図２には座席場所に関連する備品を乗客座席２，３，４に収容するための整頓装置６の第１の実施の形態と、乗客座席２，３，４の間、特に中間アームレストに配置されたごみ受け８が詳細に示してある。図２は中間アームレスト９または１０の後側部分に配置されたごみ箱８を示している。ごみ箱８は既存の座席グループにも後から装備可能であるかまたは容易に交換可能である。
【００１１】
図３には、乗客座席２，３または４に配置された整頓装置６′の第２の実施の形態が示してある。整頓装置６′は既存の乗客座席のために後から装備することができる。図３に示すように、雑誌ホルダーとしての挟みクリップ７とごみ箱８′は水平平面内に並べて配置されている。この場合、ごみ箱８′の位置は挟みクリップ７の通路側のエッジに設けられている。挟みクリップ７とごみ箱８′は基板１２上に配置可能である。この基板は全体が背もたれ２Ａ，３Ａまたは４Ａの後側範囲内で座席２，３または４に取付けられる。しかし同様に、両部品７または８′を座席２，３または４に直接固定することもできる。
【００１２】
上記のごみ箱８，８′は図示ではごみ袋を一体化した袋ディスペンサ１３として形成されている。好ましくは片手で廃棄可能なごみ袋１４が使用される。このごみ袋は袋ディスペンサ１３から取り出す際に、使用準備ができた開放した次のごみ袋を袋ディスペンサ１３から自動的に補充する。袋ディスペンサの多数の実施の形態が適用可能である。この実施の形態は技術水準によって多彩な用途について知られている。本発明によるごみ箱８の実施の形態が図４に示してある。図４は前方に開放する貯蔵容器１５を示している。この貯蔵容器の大きさと形状は、ごみ袋１４に対応して形成されている。矢印Ｉで示すように、複数のごみ袋１４を貯蔵容器１５に充填することができる。貯蔵容器１５の充填のために、ごみ袋１４は開放したカバープレート１５Ａから挿入可能である。ばねクランプ１６は、貯蔵容器１５の前面の開口１７の方に袋１４を押す。開口１７に最も近いごみ袋１４は使用のために取扱い操作可能である。開口１７の下側の外側エッジは折り曲げ部を有する。それによって、袋１４は貯蔵容器１５内に保持される。開口１７の上側の外側エッジは折り曲げ部を備えておらず、一杯になったごみ袋１４を容易に取り出しできるように形成されている。折り曲げ部１８でごみ袋１４を確実に保持するために、袋１４の背壁は、例えば厚紙で補強されている。袋１４を取り出すときに破れないようにするために、上側充填範囲において袋１４を周方向に補強すると有利である。図示したごみ袋１４とごみ箱８のほかに、袋の補充とごみ箱８からの簡単な取り出しを可能にする他の実施の形態が考えられる。更に、補強のために折り畳んだ閉鎖ふた１４Ａのふたは、中身に接触しないで取り出し開口１７から袋１４を引っ張るために役立つ。ごみ袋１４を取り出した後で、閉鎖ふた１４Ａの折り目が開放され、矢印ＩＩで示すように、閉鎖ふた１４Ａはごみ袋１４を閉鎖する。図示したごみ袋１４とごみ箱８のほかに、袋の補充とごみ箱８からの簡単な取り出しを可能にする他の実施の形態が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による装置の第１の実施の形態を備えた乗客座席グループの後側の部分を示す図である。
【図２】図１の乗客座席グループの詳細図である。
【図３】本発明による装置の第２の実施の形態を備えた乗客座席グループの後側の部分を示す図である。
【図４】本発明による装置の一部としてのごみ袋ディスペンサの実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
１ 乗客座席グループ
２，３，４ 乗客座席
５ テーブル
６，６′ 座席場所に関連する備品とごみを収容する装置
７ 挟みクリップ
７Ａ 収容範囲
７Ｂ クリップホルダー
７Ｃ 枠要素
８，８′ ごみ箱
９，１０ 中間アームレスト
１１ 通路側のアームレスト
１２ 基板
１３ 袋ディスペンサ
１４ ごみ袋
１４Ａ 上側袋エッジの閉鎖ふた
１５ 貯蔵容器
１５Ａ バープレート
１６ ばねクランプ
１７ 取り出し範囲
１８ 折り曲げ部

Claims (6)

1. 乗客座席が特に飛行機客室内の座席グループの一部である、座席場所に関連して備品やごみを収容するための装置を備えた乗客座席において、少なくとも１個の装置（６，６′）が乗客座席（２，３，４）の背もたれ（２Ａ，３Ａ，４Ａ）の後側範囲に配置され、平らな物を収容するための挟みクリップ（７）を備え、各々の乗客座席（２，３，４）にごみ箱（８，８′）が付設されているかまたは少なくとも座席のアームレスト（９，１０，１１）の範囲内においてアームレストの後側部分にごみ箱（８）が配置され、
   挟みクリップ（７）がクリップホルダー（７Ｂ）によって背もたれ（２Ａ，３Ａ，４Ａ）の後側部分に連結され、枠要素（７Ｃ）が設けられ、この枠要素が背もたれ（２Ａ，３Ａ，４Ａ）に平面で接触し、保持付勢力に抗して収容範囲（７Ａ）を生じ、弧状構造をしており、コンパクトな物が落下するように開口を形成しており、
   ごみ箱（８，８′）がごみ袋ディスペンサ（１３）として形成され、このごみ袋ディスペンサが少なくとも１個のごみ袋（１４）を有する貯蔵容器（１５）を備えていることを特徴とする乗客座席。
2. ごみ箱（８，８′）が座席グループ（１）の中間アームレスト（９，１０）に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の乗客座席。
3. ごみ箱（８，８′）が座席グループ（１）の通路側のアームレスト（１１）に配置されていることを特徴とする請求項１に記載の乗客座席。
4. ごみ容器（８，８′）が水平平面内で挟みクリップ（７）の隣において少なくとも１個の乗客座席（２，３，４）の少なくとも１個の背もたれ（２Ａ，３Ａ，４Ａ）に設けられていることを特徴とする請求項１に記載の乗客座席。
5. 挟みクリップ（７）とごみ箱（８，８′）が共通の基板（１２）上に配置され、この基板（１２）が乗客座席（２，３，４）の背もたれ（２Ａ，３Ａ，４Ａ）に固定可能であることを特徴とする請求項４に記載の乗客座席。
6. 挟みクリップ（７）とごみ箱（８）を備えた、備品とごみを収容するための装置（６）が、後で装備するセットとして形成されていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一つに記載の乗客座席。

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