JP4728725B2 - ワークの冷凍固定装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、それらのワークの固定方法では、ワークの材質や形状などに制限されるような場合があり、ワークを確実に安全に固定できないことがある。これを解決するため、凍結式固定法がある。この技術は、冷凍固定装置のワークをサブストレートに凝固剤を介在させて凍結固定し、サブストレートをチャックテーブルに固定し、凝固剤の凝固点よりも低い温度の冷却水をチャックテーブル(ワーク)に供給して、ワークを固定するようにしている。冷却水は、通常、チャックテーブルの周囲下部に配設されたトレイに回収されて、トレイの排出口を介して排出される。
また、冷却水は、トレイから排水されるが、ワークの位置決めのためにX軸方向やY軸方向にトレイを移送させる際に、トレイも同様にして移動するため、トレイに直接ホースなどのフレキシブル性のあるものを接続すると、ゴムなどのホースは冷やされて、ワークの移送の際に支障が生じるので、確実な排水ルートを確保する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、凍結固定装置のワーク固定部周辺の結露や凍結を防止するとともに、冷却水の回収(排水)を適正に行うことができるワークの冷凍固定装置を提供することを目的とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のワークの冷凍固定装置は、ワークを固定するチャックテーブルと、前記ワークを加工処理する処理具と、該処理具を支持する支持部材と、前記チャックテーブルを水平方向へ移送する移送手段と、前記支持部材をチャックテーブルに対して上下動させる昇降手段と、前記ワークをサブストレートに凍結固定し、該ワークの凍結状態を維持させるためのワークへの冷却水の供給手段と、前記チャックテーブルと共に前記移送手段に取付けられ、前記冷却水の供給手段がワークへ噴出した冷却水を回収する回収部材と、前記移送手段及び昇降手段を支持しこれらを制御する制御部を内部に配設した基台とを備えたワークの冷凍固定装置において、前記冷却水の回収部材を、冷却水を回収する側の内装パネルと該内装パネルの外側に位置する外装パネルとで形成し、これらの内装パネルと外装パネルを非接触状態でかつそれらのパネル間に断熱材を介して組付け、前記移送手段が基台に対して前記チャックテーブルをX軸方向に移送するX軸スライダと、該X軸方向に直交する方向に前記X軸スライダを移送するY軸スライダとを備え、前記X軸スライダに前記チャックテーブルと前記回収部材としての断熱トレイを配設するようにした。
また、上記目的を達成するために、本発明ワークの冷凍固定装置は、ワークを固定するチャックテーブルと、前記ワークを加工処理する処理具と、該処理具を支持する支持部材と、前記チャックテーブルを水平方向へ移送する移送手段と、前記支持部材をチャックテーブルに対して上下動させる昇降手段と、前記ワークをサブストレートに凍結固定し、該ワークの凍結状態を維持させるためのワークへの冷却水の供給手段と、前記チャックテーブルと共に前記移送手段に取付けられ、前記冷却水の供給手段がワークへ噴出した冷却水を回収する回収部材と、前記移送手段及び昇降手段を支持しこれらを制御する制御部を内部に配設した基台とを備えたワークの冷凍固定装置において、前記冷却水の回収部材を、冷却水を回収する側の内装パネルと該内装パネルの外側に位置する外装パネルとで形成し、これらの内装パネルと外装パネルを非接触状態でかつそれらのパネル間に断熱材を介して組付け、前記回収部材を前記移送手段へ取付けるための取付金具の一端部を前記内装パネルに連結し、前記外装パネルに形成したスリット又は孔から前記取付金具の他端部を突出させ、該他端部と前記移送手段への取付部との間に断熱性を有する樹脂連結部材を設け、該樹脂連結部材を介して前記回収部材を前記移送手段に取付けるようにした。
上記発明は、前記移送手段が基台に対して前記チャックテーブルをX軸方向に移送するX軸スライダと、該X軸方向に直交する方向に前記X軸スライダを移送するY軸スライダとを備え、前記X軸スライダに前記チャックテーブルと前記回収部材としての断熱トレイを配設することができる。
上記発明は、前記Y軸スライダに、前記断熱トレイから排出される冷却水を回収する前記回収部材の一部としてのX軸断熱ドレンを配設することができる。
上記発明は、前記基台に、前記X軸断熱ドレンから排出される冷却水を回収する前記回収部材の一部としてのY軸断熱ドレンを配設することができる。
上記発明は、前記X軸断熱ドレンを前記断熱トレイの冷却水の排出口の直下に配置し、X軸断熱ドレンを前記断熱トレイの排出口におけるX軸方向の移動範囲に対応させて延在し、かつ前記Y軸断熱ドレンを前記X軸断熱ドレンの冷却水の排出口の直下に配置し、Y軸断熱ドレンを前記X軸断熱ドレンの排出口におけるY軸方向の移動範囲に対応させて延在することができる。
上記発明は、前記ワークの周囲に断熱防水カバーを配設し、該断熱防水カバーを前記X軸スライダに固定することができる。
上記発明は、前記Y軸スライダに前記X軸断熱ドレンを樹脂製のブラケットを介して取付け、前記基台に前記Y軸断熱ドレンを樹脂製のブラケットを介して取付け、前記Y軸スライダに断熱防水カバーを樹脂製の取付けブラケットを介して取付けできる。
また、本発明は、冷却水の回収部材を、冷却水を回収する側の内装パネルと該内装パネルの外側に位置する外装パネルとで形成し、これらの内装パネルと外装パネルを非接触状態でかつそれらのパネル間に断熱材を介して組付けるようにしたので、回収部材の外表面に結露が生じるのを防止できる。
上記発明は、前記回収部材を前記基台側へ取付けるための取付金具の一端部を前記内装パネルに連結し、前記外装パネルに形成したスリット又は孔から前記取付金具の他端部を突出させ、該他端部と前記基台側取付部との間に断熱性を有する樹脂連結部材を設け、該樹脂連結部材を介して前記回収部材を前記基台側に取付けるようにしたので、回収部材を取付けるにあたって、固定力が必要な内装パネル側を安定させて取付けることができる。
上記発明は、前記水平方向へ移送する移送手段が基台に対して前記チャックテーブルをX軸方向に移送するX軸スライダと、該X軸方向に直交する方向に前記X軸スライダを移送するY軸スライダとを備え、前記X軸スライダに前記チャックテーブルと前記回収部材としての断熱トレイを配設するようにしたので、チャックテーブルに載置されるワークの位置きめが精確に行うことができる。
上記発明は、前記Y軸スライダに前記断熱トレイから排出される冷却水を回収する前記回収部材の一部としてのX軸断熱ドレンを配設したので、冷却水の排水路の引き回しをすることができる。X軸断熱ドレンも内外パネルの2重構造であるため、排水路を形成しても外装パネルに結露が生じない。
上記発明は、前記基台に前記X軸断熱ドレンから排出される冷却水を回収する前記回収部材の一部としてのY軸断熱ドレンを配設したので、冷却水の排水路の引き回しを、さらにすることができる。Y軸断熱ドレンも内外パネルの2重構造であるため、排水路を形成しても外装パネルに結露が生じない。
上記発明は、前記X軸断熱ドレンを前記断熱トレイの冷却水の排出口の直下に配置し、X軸断熱ドレンを前記断熱トレイの排出口におけるX軸方向の移動範囲に対応させて延在し、かつ前記Y軸断熱ドレンを前記X軸断熱ドレンの冷却水の排出口の直下に配置し、Y軸断熱ドレンを前記X軸断熱ドレンの排出口におけるY軸方向の移動範囲に対応させて延在したので、冷却水を確実に下流側に流下させることができる。
上記発明は、前記ワークの周囲に断熱防水カバーを配設し、該断熱防水カバーを前記X軸スライダに固定したので、冷却水の飛び散りを防止することができる。
上記発明は、前記Y軸スライダに前記X軸断熱ドレンを樹脂製のブラケットを介して取付け、前記基台に前記Y軸断熱ドレンを樹脂製のブラケットを介して取付け、前記Y軸スライダに断熱防水カバーを樹脂製の取付けブラケットを介して取付けたので、基台側とX軸断熱ドレン及びY軸断熱ドレンとの断熱性を樹脂製ブラケットによって維持することができる。よって、基台側に配設される制御部などの凍結を防止することができる。
図1は、本発明に係わるワークの冷凍切断装置を斜め上方から見た全体斜視図、図2は冷凍切断装置の分解斜視図、図3は冷凍切断装置の正面図、図4は冷凍切断装置の平面図、図5は冷凍切断装置の右側面図、図5は冷凍切断装置の左側面図である。なお、本実施の形態では、冷凍切断装置の幅方向をX軸方向とし、その前後方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
冷凍切断装置1は基台2としての機械本体3と電装ボックス4を並設し、機械本体3の上面には、チャックテーブル5を移動させる移送機構を設けている。移送機構は、冷凍切断装置1の前後方向となるY軸方向にチャックテーブル5を移動するY軸移送機構7と、その幅方向にチャックテーブル5を移動するX軸移送機構8とを備え、さらにワークに対してブレードを昇降させるZ軸移送機構9を備えている。
図2に示すように、Y軸移送機構7は、機械本体3上にボールナットブロック10を取付け、ボールナットブロック10には、Y軸スクリュー11が冷凍切断装置1の前後方向に貫通している。Y軸スクリュー11の左右両側には、Y軸スクリュー11に平行させて、ガイドレール12が機械本体3の上面に取付けられている。左右ガイドレール12には、その各々に2個設けられ、ガイドレール12に円滑に摺動する摺動部材13を嵌合させている。この摺動部材13の上部には、Y軸スライダ14が固定される。
Y軸スライダ14は、その本体部15の前後側面から前側に突出させた一対の前脚部16とその後側に突出させた後脚部17を取付けている。前後脚部16,17は、摺動部材13上に載置して固定される。Y軸スライダ14の下面には、図6に示すように下側に突出するスクリュー支持材18が設けられている。スクリュー支持材18は、Y軸スクリュー11の前側一端を軸支し、Y軸スクリュー11は軸周りの回転が阻止されるように支持されている。
機械本体3の内部には、駆動モータ23が設けられ、駆動モータ23から上方に延び、ボールナットブロック10の内部に差し込まれるモータ軸24の先端には、ウォームギア22が取付けられている。一方、ボールナットブロック10には、冷凍切断装置1の前後方向に貫通するナット孔19に、中空のウォームホイール20が螺着し、ウォームホイール20の内孔に形成した雌ねじ21に、Y軸スクリュー11がボールナットブロック10を貫通するように螺着している。そして、ウォームホイール20には、上述したウォームギア22を螺合している。
したがって、駆動モータ23が回転すると、駆動力がウォームギア22、ウォームホイール20と伝達し、ウォームホイール20が回転すると、Y軸スクリュー11は回転が阻止されているので、ウォームホイール20の回転量に応じて軸方向へ移動される。こうして、Y軸スクリュー11が正転又は反転し、冷凍切断装置1の前後方向に対するY軸スライダ14の進退移動が可能になる。
X軸スクリュー25の径方向両側部、すなわちY軸スライダ14の内面の前側及び後側には、ガイドレール27,28を設け、これらのガイドレール27,28はX軸スクリュー25に平行するように、Y軸スライダ14の長手(X軸)方向の一端部から他端部まで延在させている。図9に示すように、前側ガイドレール27はほぼ矩形断面形状であり、後側ガイドレール28は上部に三角形状の切込み28aを形成している。
図10に示すように、X軸スライダ26の上面側には、断熱チャックテーブル5が取付けられている。断熱チャックテーブル5は、X軸スライダ26の上面中央に板状に突出させて形成した島部36に配設されている。そして、断熱チャックテーブル5は、島部36面に固定して載置される金属板37と、金属板37の上部に断熱材38、冷却プレート39、バキュームチャック40の順に配置される。断熱材38の材質は特に限定されないが、本実施の形態では樹脂製断熱材が使用される。冷却プレート39は、内部に冷却水が流れる流通路41を形成している。バキュームチャック40には、図示しない、真空装置と接続されている吸着孔42が多数形成されている。
図11に示すように、断熱トレイ43は、内装パネル44に固定されたL字形の固定金具69を外装パネル45に形成したスリット45aから突出させて、X軸スライダ26に取付けたコ字形金具70と樹脂連結部材71を介してボルト72、ナット73などで固定される。樹脂連結部材71は、断熱性の良い樹脂を使用することができ、本実施の形態ではジュラコン(登録商標)が使用されている(なお、以下に説明する樹脂連結部材についても同じ材質である)。
この断熱トレイ43は、図4に示す断熱トレイ43の底面43aの周囲から突出させたリブ状の外縦壁43bを形成し、この外部縦壁43bが、ワークを固定する冷却水の堰としての役割を果たす。
Z軸移送機構9には、図2に示すようにZ軸スライダ48を設けている。Z軸スライダ48は、本体部48aの横断面形状がほぼ矩形であり上下方向に長く、上部にスピンドル50を設け、スピンドル50にワークを切削するブレード49を取付けている。本体部48aの両側部にはガイドレール51が取付けられている。Z軸スライダ48は、機械本体3に昇降可能に取付けられ、機械本体3の背面側にある溝部52にZ軸スライダ48を嵌合させている。図4に示すように、溝部52の左右後部には、ガイドレール51の一対の抜止め53が取付けられている。Z軸スライダ48は、機械本体3に配設された図示しない油圧シリンダに連結され、油圧シリンダの昇降に応じて上下動することができる。
断熱トレイ43の上部には、ケース状の断熱防水カバー46が装着される。この断熱防水カバー46は、ワーク及びZ軸スライダ48のブレード49を覆うとともに、冷却水の飛び跳ねを防止する役割を果たす。
図12に示すように、断熱防水カバー46は、ブレード49を覆うボックス状のカバー部54と、蓋部55を併設している。カバー部54には、天井壁に開口54aを形成し、開口54aには透明板54bが装着されている。また、図13に示すように、カバー部54の背後にもまた、開口54fを形成し、透明板54gが装着されている。
カバー部54の側部にある蓋部55の上面には、横方向に移動するスライド蓋55aが配設されている。スライド蓋55aには、開閉の際に用いられる取っ手55bが取付けられている。このスライド蓋55aの直下にチャックテーブル5を移動し、スライド蓋55aを開放することにより、ワークの出し入れができる。
カバー部54の背面には、図12及び図13に示すように断熱防水カバー46をY軸スライダ14に取付けるための取付金具56,57が固定されている。断熱防水カバー46は、図2に示すクランク形状の取付ブラケット58と、ほぼ直板状の取付ブラケット59の上端部が樹脂連結部材108,109を介して取付金具56,57に取付られ、取付ブラケット58,59の下端部がY軸スライダ14の一対の後脚部17上に取付けられる。
固定用樹脂材63は、図15に示すように、軸を水平方向に向けたビス64によって、外装パネル62に取付けられる一方、図15に示すように、軸を垂直方向に向けたボルト65によって、内装パネル60に固定される。この取付方については、図13に示す他の固定用樹脂材63についても同様である。なお、固定用樹脂材63は、図で示さないが断熱防水カバー46の縁部や開口の縁部全体に施されている。
図1に示すように、Z軸スライダ48のブレード49の近傍には冷却水のノズル66が備えられている。この冷却水を回収する断熱トレイ43の後側部には、図4に示すように、排水口43dが形成され、配水管67が排水口43dに接続されて、下方側に、下端部が無接続状態で延びている。なお、断熱トレイ43については、傾斜面などを設けて排水口43d側を低くすることが好ましい。
図8に示すように、Y軸スライダ14には、後側面の一端側には、断面が開口側を上に向けたコ字形状のX軸断熱ドレン68が取付けられている。
このX軸断熱ドレン68は、X軸方向に樋状に長く延び、上述した配水管67の下端部が内部に導入されている。X軸スライダ26がX軸方向に進退動する際に、X軸スライダ26がどの位置にあっても、排水管67の下端部がX軸断熱ドレン68の直上方に位置し、冷却水がX軸断熱ドレン68に回収できるように構成する。すなわち、断熱トレイ43は、X軸断熱ドレン68に対してX軸方向への相対移動が可能であるが、Y軸方向への相対移動が規制される。図8に示すように、X軸断熱ドレン68の冷凍切断装置1における内方側端部には、排水口75が形成されている。
図17及び図18に示すように、Y軸断熱ドレン74は、冷却水と直接接触する内装パネル79と接触しない外側の外装パネル80とを備え、内装パネル79の前端面は、冷凍切断装置1の前方側へ突出する取付フランジ81を形成している。内装パネル79と外装パネル80との間には、断熱材82が配設されている。そして、Y軸断熱ドレン74の上部外側周囲には、断熱材82を切欠いた部分に固定用樹脂材83が装着されている。この固定用樹脂材83を配設した部位では外装パネル80の上端部を、固定用樹脂材83の底部に沿って内側に曲げた折曲部80aを形成している。そして、ビス64によって内装パネル79と固定用樹脂材83を固定し、ボルト65によって外装パネル80と固定用樹脂材83を固定している。よって、Y軸断熱ドレン74の内装パネル79と外装パネル80とが直接接触する部分はなく、ボルト65についても、内装パネル79と接触するおそれがある部分については、孔84を形成することによって、内装パネル79と外装パネル80とが、ボルト65を介して間接的に接触することを阻止している。すなわち、断熱材82、固定用樹脂83の介在により、内装パネル79と外装パネル80は熱的に遮断される。
X軸断熱ドレン68について説明は省略するが、X軸断熱ドレン68に、Y軸断熱ドレン74と同様に内装パネルと外装パネルとが断熱材、固定用樹脂を用いることによって非接触状態で配設され、内装パネルに固定した取付フランジが外装パネルに形成したスリットから非接触状態で突出し、この取付フランジが樹脂連結部材を介して、Y軸スライダ14に固定した取付ブラケットにより固定される。
冷凍切断装置1には、この冷凍切断装置1と併設して冷凍機90を設けている。冷凍機90は、温度上昇した冷却水を減温させるものであり、冷却水の冷却後、ポンプ91により管路92を通り、図10に示す冷凍切断装置1の冷却プレート39に冷却水を圧送する。冷却プレート39の流通路41を通った冷却水は、管路93を通り冷凍機90に戻される。
また、冷凍機90のポンプ91からは、予備冷却プレート94へ管路95を介して冷却水が圧送される。予備冷却プレート94では、その上面にサブストレート97が載置され、サブストレート97とワーク98が冷凍固定される。予備冷却プレート94を通った冷却水は、管路96を通り冷凍機90に戻される。
前作業として、予め予備冷却プレート94を5℃−15℃程度に冷却しておく。ワークの固定剤としては、水溶性凝固剤の他、水でもワークを固定できる。ワーク98及び(又は)サブストレート97に凝固剤を塗布し、ワーク98をサブストレート97に載せる。図20に示す予備冷却プレート94にサブストレート97を載せる。凝固剤としてマジックウォータ、水などを使用できる。そして、予備冷却プレート94上にて、サブストレート97とワーク98を冷却する。
断熱トレイ43に回収された冷却水は、その排出口43dから配水管67を介してX軸断熱ドレン68に流下し、次いでX軸断熱ドレン68の排水口75からY軸断熱ドレン74に流下する。
同様に、Y軸断熱ドレン74についても、直接冷却水と接触する内装パネル79が、外装パネル80と非接触状態にあるので、外装パネル80に結露が生じることなく、X軸断熱ドレン68についても同じく、結露の発生を防止できる。
断熱トレイ43もまた、図11に示すように、断熱トレイ43をX軸スライダ26に取付けるために、固定金具69及びコ字形金具70の間に樹脂連結部材71を設けており、断熱トレイ43の内装パネル44の冷熱がX軸スライダ26に伝わることがない。よって、X軸スライダ26の構造部材が冷熱によって、その作動に支障を来たすことを防止できる。
例えば、上記実施の形態では、断熱トレイ43、X軸断熱ドレン68及びY軸断熱ドレン74を設け、冷凍液を排出するようにしたが、X軸移送機構8、Y軸移送機構7のいずれか一方又は両者を省略するような場合は、それに応じてX軸断熱ドレン68、Y軸断熱ドレン74を省略してもよい。
本実施の形態では、冷凍固定装置をワークの切断装置で説明したが、冷凍固定装置は切断機以外の冷凍固定装置、例えば研磨機の冷凍固定装置にも適用が可能である。
2 基台
5 チャックテーブル
14 Y軸スライダ
26 X軸スライダ
38,47,61,82 断熱材
43 断熱トレイ
44,79 内装パネル
45,80 外装パネル
48 Z軸スライダ
49 ブレード
63,83 固定用樹脂材
68 X軸断熱ドレン
71,78,87 樹脂連結部材
74 Y軸断熱ドレン
98 ワーク
Claims (9)
- ワークを固定するチャックテーブルと、前記ワークを加工処理する処理具と、該処理具を支持する支持部材と、前記チャックテーブルを水平方向へ移送する移送手段と、前記支持部材をチャックテーブルに対して上下動させる昇降手段と、前記移送手段及び昇降手段を支持しこれらを制御する制御部を内部に配設した基台とを備え、
前記移送手段が基台に対して前記チャックテーブルをX軸方向に移送するX軸スライダと、該X軸方向に直交する方向に前記X軸スライダを移送するY軸スライダとを備え、前記X軸スライダに前記チャックテーブルと前記回収部材としての断熱トレイを配設し、
前記ワークをサブストレートに凍結固定するとともに、該サブストレートをチャックテーブルに固定し、凝固剤の凝固点よりも低い温度の冷却水を前記ワークに供給するようにしたことを特徴とするワークの冷凍固定装置。 - ワークを固定するチャックテーブルと、前記ワークを加工処理する処理具と、該処理具を支持する支持部材と、前記チャックテーブルを水平方向へ移送する移送手段と、前記支持部材をチャックテーブルに対して上下動させる昇降手段と、前記ワークをサブストレートに凍結固定し、該ワークの凍結状態を維持させるためのワークへの冷却水の供給手段と、前記チャックテーブルと共に前記移送手段に取付けられ、前記冷却水の供給手段がワークへ噴出した冷却水を回収する回収部材と、前記移送手段及び昇降手段を支持しこれらを制御する制御部を内部に配設した基台とを備えたワークの冷凍固定装置において、
前記冷却水の回収部材を、冷却水を回収する側の内装パネルと該内装パネルの外側に位置する外装パネルとで形成し、これらの内装パネルと外装パネルを非接触状態でかつそれらのパネル間に断熱材を介して組付け、
前記移送手段が基台に対して前記チャックテーブルをX軸方向に移送するX軸スライダと、該X軸方向に直交する方向に前記X軸スライダを移送するY軸スライダとを備え、前記X軸スライダに前記チャックテーブルと前記回収部材としての断熱トレイを配設するようにしたことを特徴とするワークの冷凍固定装置。 - ワークを固定するチャックテーブルと、前記ワークを加工処理する処理具と、該処理具を支持する支持部材と、前記チャックテーブルを水平方向へ移送する移送手段と、前記支持部材をチャックテーブルに対して上下動させる昇降手段と、前記ワークをサブストレートに凍結固定し、該ワークの凍結状態を維持させるためのワークへの冷却水の供給手段と、前記チャックテーブルと共に前記移送手段に取付けられ、前記冷却水の供給手段がワークへ噴出した冷却水を回収する回収部材と、前記移送手段及び昇降手段を支持しこれらを制御する制御部を内部に配設した基台とを備えたワークの冷凍固定装置において、
前記冷却水の回収部材を、冷却水を回収する側の内装パネルと該内装パネルの外側に位置する外装パネルとで形成し、これらの内装パネルと外装パネルを非接触状態でかつそれらのパネル間に断熱材を介して組付け、
前記回収部材を前記移送手段へ取付けるための取付金具の一端部を前記内装パネルに連結し、前記外装パネルに形成したスリット又は孔から前記取付金具の他端部を突出させ、該他端部と前記移送手段への取付部との間に断熱性を有する樹脂連結部材を設け、該樹脂連結部材を介して前記回収部材を前記移送手段に取付けるようにしたことを特徴とするワークの冷凍固定装置。 - 前記移送手段が基台に対して前記チャックテーブルをX軸方向に移送するX軸スライダと、該X軸方向に直交する方向に前記X軸スライダを移送するY軸スライダとを備え、前記X軸スライダに前記チャックテーブルと前記回収部材としての断熱トレイを配設するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のワークの冷凍固定装置。
- 前記Y軸スライダに、前記断熱トレイから排出される冷却水を回収する前記回収部材の一部としてのX軸断熱ドレンを配設したことを特徴とする請求項1,2,4のいずれか1項に記載のワークの冷凍固定装置。
- 前記基台に、前記X軸断熱ドレンから排出される冷却水を回収する前記回収部材の一部としてのY軸断熱ドレンを配設したことを特徴とする請求項5に記載のワークの冷凍固定装置。
- 前記X軸断熱ドレンを前記断熱トレイの冷却水の排出口の直下に配置し、X軸断熱ドレンを前記断熱トレイの排出口におけるX軸方向の移動範囲に対応させて延在し、かつ前記Y軸断熱ドレンを前記X軸断熱ドレンの冷却水の排出口の直下に配置し、Y軸断熱ドレンを前記X軸断熱ドレンの排出口におけるY軸方向の移動範囲に対応させて延在したことを特徴とする請求項6に記載のワークの冷凍固定装置。
- 前記ワークの周囲に断熱防水カバーを配設し、該断熱防水カバーを前記X軸スライダに固定したことを特徴とする請求項1,2,4,5,6,7のいずれか1項に記載のワークの冷凍固定装置。
- 前記Y軸スライダに前記X軸断熱ドレンを樹脂製のブラケットを介して取付け、前記基台に前記Y軸断熱ドレンを樹脂製のブラケットを介して取付け、前記Y軸スライダに断熱防水カバーを樹脂製の取付けブラケットを介して取付けたことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のワークの冷凍固定装置。
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