JP2001322042A - 冷凍チャック装置 - Google Patents

冷凍チャック装置

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JP2001322042A JP2000147107A JP2000147107A JP2001322042A JP 2001322042 A JP2001322042 A JP 2001322042A JP 2000147107 A JP2000147107 A JP 2000147107A JP 2000147107 A JP2000147107 A JP 2000147107A JP 2001322042 A JP2001322042 A JP 2001322042A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構造でしかも凍結状態の維持性能がすぐ
れるとともに、加工時の加工力による変形が少なく、ま
た、加工基準面の平坦度を高精度にすることができ、メ
ンテンナンスも容易な循環式冷凍チャック装置を提供す
る。 【解決手段】上面にチャック面を有し内部に冷媒循環通
路を有するトップレート1と台座2と前記トップレート
1と台座2間に介在された断熱部3とを備え、前記断熱
部3が工具側から加えられる力に耐えうる大きさと数の
複数のブロック部体3aからなり、各ブロック部体3a
が相互に所定のすき間を有するように間隔的に配されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワークやこれを搭載
した治具を加工等のために固定する冷凍チャック装置の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ワークに対して種々の加工を施すような
場合にはワークを加工機械のテーブル上にしっかりと固
定することが必要である。このチャック装置として、一
般にマグネットチャック、真空チャック、バイスなどが
用いられていたが、ワークが薄かったり、壊れやすかっ
たり、複雑な形状であったりする場合に、ワークを確
実、安定的に固定することが困難であるという問題があ
った。
【0003】この対策として、ワークを凍結結氷により
固定する冷凍(凍結式)チャック装置が提案、実施され
ている。この冷凍チャック装置は、液体(通常、水)を
塗布したチャック面を冷却機構により結氷温度を下回る
温度に冷却しそれを維持することを基本とするもので、
その冷却機構として、正電流を通電したときに上面から
熱を吸収して下面に放出し、負電流を通電したときに下
面側から熱を吸収して上面側に放出する特性の熱電素子
(ペルチェー素子)を使用した熱電素子タイプのものが
知られている。
【0004】しかし、かかる従来技術は次のような問題
があった。 1)熱電素子を使用した冷凍チャックは、その熱電素子
のもつ冷凍能力に限界があるため、加工中ワ−クを固定
している氷が刃物から発生する加工熱によって溶かされ
やすく、ワーク固定力が不安定である。 2)熱電素子は素子の寿命が短いため、量産加工の用途
で長時間使用すると、部品整備の頻度が高く、メンテナ
ンスコストが高くなる。
【0005】3)熱電素子は機械的強度が小さいためチ
ャックとして必要十分な剛性を得ることが困難である。
このため加工精度の向上が困難である。 4)チャック面の材質は冷却効率の点から銅またはアル
ミニウムが使用されていた。しかし、銅やアルミニウム
は軟質で粘りがあるため、チャックを加工機械のテーブ
ルに搭載して加工基準面の平坦度を確保すべく加工機械
でチャック面をいわゆる「伴ずり」してゼロカットする
のが非常に困難で、精度の向上を図り得なかった。
【0006】他の冷凍チャック装置として、チャック面
内に冷媒を循環させる冷媒循環タイプが知られている。
この冷媒循環タイプは高価な熱電素子を使用しないた
め、安価なものとすることができ、また冷凍能力も高い
という利点があるが、次の点に問題があった。 1)冷却効率の点からチャック面の材質は銅またはアル
ミニウムを使用していたためチャックを加工機械のテー
ブルに搭載して加工基準面の平坦度を確保する場合、加
工機械でチャック面をいわゆる「伴ずり」してゼロカッ
トするのは容易でなく、ワークの加工精度の向上の大き
なネックとなっていた。
【0007】2)チャック面の下面全体にわたって断熱
材が接合されているため、チャック面が冷却されるとき
にチャック面の構成材料と断熱部の構成材料の線膨張係
数の相違によりチャック面の変形ひずみが大きくなり、
これにより加工基準としての機能が阻害されるため、ワ
ークの高精度の加工たとえば平坦度出し加工が困難であ
った。
【0008】3)断熱材の下の台座側からチャック面に
伝熱しやすく、チャック面の温度が上昇しやすい。この
ため、ワークの接着固定強度や安定性が損なわれやす
く、固定媒体の冷却温度をマイナス側に大きく取らなけ
ればならず、冷媒冷却装置として能力の高いものを要
し、コスト高となっていた。また、断熱材の下の台座か
ら加工機械のテーブルの熱が奪われるため機械本体の温
度が下がり、熱変位によって加工機械の静的精度が狂い
を生じ、結果として加工精度が損なわれる。 4)チャック面外周と断熱材外周間の距離(張出し長
さ)が20mm以上と大きく設定されている。このた
め、加工基準面出しの機械加工の際にチャック面の外周
を仕上げるべくチャック面の外周を刃物が通過するとき
にチャック外周部分が工具の押圧力でわん曲し戻るため
バウンドを起し、仕上げ加工が困難になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題点を解消するために創案されたもので、その目的と
するところは、簡単な構造でしかも凍結状態の維持性能
がすぐれるとともに、加工時の加工力による変形が少な
く、また、加工基準面の平坦度を高精度にすることがで
き、メンテンナンスも容易な循環式冷凍チャック装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、上面をチャック面とし内部に冷媒循環通路を
有するトップレートと、下方の台座と、前記トップレー
トと台座間に介在された断熱部とを備えてなり、前記断
熱部が工具側から加えられる力に耐えうる大きさと数の
複数のブロック部体からなり、各ブロック部体が相互に
所定のすき間を有するように間隔的に配されていること
を特徴としている。
【0011】また、本発明は、上面をチャック面とし内
部に冷媒循環通路を有するトップレートと、下方の台座
と、前記トップレートと台座間に介在された断熱部とを
備えてなり、前記断熱部が、工具側から加えられる力に
耐えうる大きさと数の複数のブロック部分と平板状部分
からなり、各ブロック部分が相互に所定のすき間を有す
るように平板状部分の上に間隔的に位置し、各ブロック
部分の上面がそれぞれトップレートに結合され、平板状
部分が台座に結合されていることを特徴としている。さ
らに本発明は、断熱部が枠部と桟部で多数の窓孔を形成
している場合を含んでいる。
【0012】本発明は、トッププレート外周面の断熱部
外周面に対する張出し長さL’が短く設定されているこ
とも特徴としている。本発明において、チャック面に固
定される対象物は、加工対象物としてのワークはもとよ
り、この加工対象物としてのワークを固定したパレッ
ト、トレイ、プレートなどの各種治具を含む。後者は、
冷凍/解凍に要する時間を短縮するために本発明装置外
で予めワークを治具上に凍結固定させ、このワーク固定
済みの治具をチャック面に載せて固定することを意味す
る。この場合、トッププレートを冷却することにより治
具を介してワークを冷却し、ワークの凍結状態を維持す
るのである。
【0013】本発明の冷凍チャック装置を適用して加工
するワーク(加工対象物としてのワーク)は、鉄系、銅
系、アルミニウム系、チタン系などで代表される金属、
プラスチック系、ガラス系、カーボン系、セラミック
系、木質系、あるいはこれらの2種以上の複合材、水
晶、ダイヤモンド、CBN、ルビー、サファイヤなど材
質、形状も問わない。さらに加工方法も、平面研削、成
形研削、クリープ研削、円筒研削などの各種研削加工、
旋削加工、研摩加工、切断加工、ダイシング加工、ミー
リング加工、ラッピング加工、穴明け加工、彫刻、超音
波加工、放電加工など態様を問わない。
【0014】ワークまたは治具をチャック面に接着する
固定媒体やワークを治具に固定接着する固定媒体は問わ
ない。すなわち、水のほか、本発明者の開発した凍結温
度が水のそれよりも高い(たとえば10〜17℃)高分
子系凝固剤すなわち、シリコーンオイルを主成分とする
液状物、シリコーンオイルを主成分としこれに粉末状骨
材を混合したペースト状、クリーム状物など任意であ
る。もちろん、水と高分子系凝固剤を併用してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を添付図面を
参照して説明する。図1と図2は本発明による冷凍チャ
ック装置の第1実施例を概略的に示している。1はトッ
ププレート(冷凍板)であり、上部体1aと下部体1b
とを一体化してなり、上部体1aはワークまたは治具を
固定するチャック面10を有している。上部体1aと下
部体1bとの間には冷媒通路(コアを含む)が設けられ
ている。2は台座であり、加工機械のテーブル等に据え
付け固定される。材質は任意であり、通常、鉄鋼系の金
属が用いられる。3はトッププレート1の冷凍状態を維
持しつつ、台座2からの伝熱を遮断するための断熱部で
ある。
【0016】前記上部体1aは、本発明の場合、純銅や
アルミニウムなどの軟質な金属を使用することもできる
が、それなりの熱伝導性を有してしかも硬質で剛性が高
く、機械加工性たとえば切削性、研削性の良好なもの、
すなわち、S45Cで代表される鉄鋼材や鉄系鋳物が好
適である。またその他、黒鉛、炭素、炭素繊維焼成材、
セラミックスたとえばアルミナ、窒化ケイ素、炭化ケイ
素、窒化アルミなども採用し得る。セラミックス類は硬
質で傷がつきにくい利点がある。また、銅もベリリウム
銅で代表される切削性、研削性の良好なものは好適であ
る。下部体1bの材質は、鉄系金属、ステンレス、アル
ミニウムなど任意である。
【0017】前記トッププレート1は、全体として機械
加工中に工具から加えられる力でたわみ変形せず十分な
剛性を維持しうる厚さを有している。上部体1aと下部
体1bが鉄鋼材である場合、少なくとも10mm程度の
厚さを有していることが好適である。
【0018】前記トッププレート1は図2のように外部
の冷媒循環供給装置4を含む循環系に接続されている。
トッププレート1は冷媒の供給、戻り配管40,41を
有し、冷媒循環供給装置4は冷媒を連続供給してチャッ
ク面10を固定溶媒体の凍結温度以下に冷却するため固
定溶媒体の凍結温度特性によって種類と能力が選択され
る。冷媒は任意であるが、たとえばエチレングリコール
と水を混合した不凍液などが挙げられる。冷媒循環供給
装置4は冷凍コイルを有するタンクと冷媒吐出ポンプを
有しており、冷媒供給管40と冷媒戻り管41には電磁
式などの開閉弁400,410が介在されており、これ
よりも上流の部位の冷媒供給管40と冷媒戻し管41は
リリーフ弁412を介して接続されている。
【0019】チャック面10の凍結解除は冷媒の供給を
停止し、自然な温度上昇で行なうようにしてもよいが、
迅速化のためトッププレート1にヒータを内蔵させ、こ
のヒータの作動でチャック面10の温度を上昇させても
よい。あるいは冷媒循環供給装置4に昇温回路を併設し
てもよい。すなわち、冷媒供給管40と冷媒戻り管41
は前記開閉弁400,410よりも下流の部位でそれぞ
れ分岐され、その分岐された供給管40’と戻り管4
1’は循環式温水供給装置4’に接続されている。この
循環式温水供給装置4’はヒータを有する温水タンクと
温水吐出ポンプを有しており、供給管40’と戻り管4
0’には電磁式などの開閉弁400’,410’が設け
られ、これよりも上流の部位がリリーフ412’を介し
て接続されている。なお、この例では各開閉弁がそれぞ
れ別個になっているが、もちろん3位置切換え弁などに
よって構成されてもよい。
【0020】断熱部3は、低温強度が高く、変質、変形
しにくいものであればよく、プラスチック、煉瓦、コン
クリート、木材、セラミック、石材など任意の材質が採
用される。形状や構造も中実、ポーラス状(多孔状)、
ハニカム状など任意である。プラスチックの具体例とし
ては、硬度が高く、低温に強い性質のもの、たとえば、
結晶性のサーモプラスチックであるアセタール樹脂、M
Cナイロンなどがあげられる。
【0021】断熱部3は、トッププレート1に接触する
面積をできる限り少なくすべく、複数個の細分化された
ブロック部体3aからなっており、各ブロック部体3a
は相互に所定の間隔Lをもって配設されている。この理
由は、トッププレート1が固定用媒体の凍結温度を下回
る温度に冷却されたときに、断熱部とトップフレートの
線膨張係数の相違によりチャック面10にひずみが発生
するのを防止するためと、台座2からトッププレート1
に伝わる熱の遮断効果を向上するためであり、各ブロッ
ク部体3a間のすき間sが絶縁ないし空冷空間として機
能する。
【0022】各ブロック部体3aの厚さは、台座2から
トッププレート1に伝わる熱を遮断するに十分な寸法を
有していなければならない。これはブロック部体3aの
材質にもよるが、中実なプラスチック製である場合に
は、通常、30mm以上より好適には45mm以上であ
る。ブロック部体3aの上面の面積、数および間隔は、
機械加工中にワークを通してチャック面10に作用する
加工力に十分耐えられる機械的強度が得られるよう適宜
選定する。間隔については、トッププレート1の材質が
S45Cで厚さが15mm程度の場合、ブロック部体3
aの間隔Lは20〜30mm程度が好適である。
【0023】前記各ブロック部体3aはそれぞれ上面が
トッププレート1の下面に、下面が台座2の上面に結合
されることで3者が一体化されている。しかし、トップ
プレート1と各ブロック部体3aと台座2とを金属ボル
トで直接結合することはこれを通して伝熱されるため、
避けるべきである。
【0024】前記断熱部3の外周面30は、図1(a)
のように、トッププレート1の外周面100とできるだ
け距離L’が接近し、トッププレート1の外周面100
の張出し長さ(オーバハング量)が短くされている。こ
れは、本発明装置を加工機械のテーブル上に搭載し加工
基準面を創成すべくトッププレート1を加工したり、そ
の後ワークを機械加工する場合に、トッププレート1の
外周縁部分の強度を保持させ、工具からの加工力によっ
て外周縁部分わん曲したりだれたりしないようにするた
めに必要である。トッププレート1の剛性、強度、加工
力の程度にもよるが、前記距離(張出し長さ)L’は、
一般的に20mm以内とすることが好ましい。さらに好
ましくは15mm以下、より好ましくは10mm〜0m
mである。
【0025】図3ないし図9は第1実施例のより具体的
な実施例を示している。トッププレート1の上部体1a
と下部体1bは図5ないし図7に示すように多数のねじ
15によって締結一体化されている。上部体1aの下面
には冷媒通路用溝が形成されており、下部体1bが上部
体1aに密接されることにより冷媒通路11が形成され
ている。冷媒通路11の両端は下部体1bの長手方向一
端に開口し、ここに接続したマニホールド12に前記冷
媒供給管40と冷媒戻り管41が接続されている。
【0026】前記トッププレート1はバキューム機構を
有している。このバキューム機構は、対象物としてのワ
ークを装置外で予め凍結固定した治具を吸着固定するの
に役立つ。図示するものでは、上部体1aのチャック面
10に複数のバキューム溝12が設けられている。バキ
ューム溝12は幅方向縁部に近い位置にそれぞれ配さ
れ、各々吸引穴120とこれに接続した連結溝121で
つながれ、1つの吸引穴がホース122で接続され、こ
のホースが図示しない吸引機に接続され、それにより吸
引機の作動でチャック面10が真空チャック機能も発揮
し得るようになっている。
【0027】前記各ブロック部体3aはこの例では方形
をなし、ねじ部材6によってトッププレート1の下部体
1bと締結される一方、これと変位した位置で別のねじ
部材7によって台座2に締結されている。ブロック部体
3aは図8と図9のように上面付近に横溝31を有し、
この横溝31と直交するように縦孔32,33,33が
形成されており、一つの縦孔32はブロック部体3aの
下面に形成した座ぐり穴320に通じている。この座ぐ
り穴320を通してねじ部材6は縦孔32から下部体1
bの雌ねじ穴14にねじ込まれている。他の縦孔33,
33は台座2に形成した座ぐり穴210,210に通じ
ており、座ぐり穴210,210を介して縦孔33,3
3にボルト7が通され、横溝31に位置させたナット
7’に螺合されることにより締付け固定される。ナット
7’とボルト頭部の関係は天地が逆でもよいことはいう
までもない。
【0028】図10はブロック部体3aとトツププレー
ト1と台座2の結合構造の他の例を示しており、(a)
においては、各ブロック部体3aの上面がトッププレー
ト1の下面に接着剤5で接合され、各ブロック部体3a
の下面が台座2の上面に接着剤5’によって接合されて
いる。もとよりこの接着と図9のボルト締結とを併用し
てもよい。図10(c)においては、ブロック部体3a
がトッププレート1と台座2間に介装され、トッププレ
ート1と台座2とを機械的強度が高くかつ断面積の小さ
い線条材8で連結することにより挟持固定されている。
線条材8としては、たとえばピアノ線、アモルファス
線、高強度高弾性繊維製のケーブルなどが挙げられる。
高強度高弾性繊維は断熱性を有している点からも好都合
である。
【0029】ブロック部体3aには数本の縦孔34が貫
設され、トッププレート1の下面には縦孔34に望む係
留部材35が固定され、台座2には縦孔34に望むねじ
穴25が穿設されていて、これに係留部材26を有する
雄ねじ27がねじ込まれ、ねじ込み量の調整により係留
部材34,26間に渡されている線条材8を緊張させる
ようにしている。
【0030】図11は本発明による冷凍チャック装置の
第2実施例を示している。この実施例においては、断熱
部3が複数の細分化されたブロック部分3aと平板状部
分3bからなっており、台座2の上面に平板状部分3b
が結合され、トッププレート1の下面にブロック部体3
aが結合されている。前記ブロック部分3aと平板状部
分3bは別体に作られ、接着、ねじ止めなどによって組
み付けられてもよいが、好適には図11(b)のように
一体形成される。一体形成は一体成形、削り出しなど任
意である。
【0031】ブロック部分3aと平板状部分3bの材質
は前記第1実施例と同じであり、ブロック部分3aの厚
さ、大きさ、間隔も前記第1実施例に述べたとおりであ
る。ブロック部分3aと平板状部分3bのトッププレー
ト1と台座2に対する結合構造は図9、図10のいずれ
の態様でもよい。
【0032】図示するものは本発明の数実施例であり、
これに限定されるものではない。 1)トッププレート1の形状とくに平面形状は矩形に限
られない。 2)トッププレート1の上部体1aには溝を有していて
もよい。また、トッププレート1は上部体1aと下部体
1bだけでなく、図12に示すようにさらに電磁チャッ
クまたはマグネットチャック1cを層着している場合を
含む。これは加工対象物としてのワークを取り付けた治
具が磁性材製である場合に有効であり、磁力のオンオフ
で治具を着脱することができる。 3)トッププレート1はチャック面10にメカニカルク
ランプ機構を装備していてもよい。
【0033】4)あるいはまた、リンキング現象を利用
したチャック機構を有していてもよい。 すなわち、チ
ャック面10に治具が前後左右に動かないようにするた
めの位置決めバーを着脱可能に設けておき、治具の底面
とチャック面10間に液体(水、油、高分子軽凝固剤な
ど)を介在させて液膜を設け、前記位置決めバーに沿っ
て治具をチャック面10に載せ、トッププレート1に対
する冷媒の循環によって治具を冷却することによりワー
クの凍結を維持させ、機械加工が完了したのち、位置決
めバーを外し、治具を左右または前後に移動させてチャ
ック面10から離脱させてもよい。
【0034】5)ブロック部体やブロック部分3aの形
状も角ブロック状に限らず、円柱状、円筒状など任意で
ある。また上部と下部とが同じ断面積であることも必要
ではなく、台形状、裁頭円錐状など任意である。 6)ブロック部体3aは上下で分割され、それらが結合
されている場合を含む。また、ブロック部体3aは頂部
または/および底部につばを有していたり、厚さ方向中
間につばを有している場合を含む。
【0035】7)さらに本発明は、図17のように、断
熱部3が、外周の枠部3cとこの枠部3cを結ぶ縦横の
桟部3dを有し、枠部3cと桟部3d間に窓孔s’を形
成した全体として格子枠状となっている場合を含んでい
る。この態様の断熱部は、第1実施例のブロック部体3
aを抜き加工した部材を利用しても得ることができる利
点がある。図17の場合、断熱部3とトッププレート1
とは枠部3cと桟部3dの面積で接し、断熱部3と台座
2も枠部3cと桟部3dの面積で接する。断熱部3とト
ッププレート1との結合は前記図9および図10のいず
れの方法式でもよい。図9を適用する場合には、枠部3
cと桟部3dに横溝31,縦穴32,33が設けられ
る。図10(b)の線条体による結合の場合は、窓孔
s’が線条体8を挿通する穴として利用される。
【0036】
【実施例の作用】通常の加工すなわち、ワークをチャッ
ク面10に直接固定して加工する場合を例にとって説明
すると、ワークの加工に当たっては、本発明装置を工作
機械類のテーブル等に搭載し、台座2をもって据付け
る。そして、加工に際しては、トッププレート1のチャ
ック面10をワーク固定媒体の凝固温度よりも高い温度
に保っておく。この状態でチャック面10及び/または
ワークに固定媒体を塗布する。加工対象物のワークが薄
層物である場合にはワーク相互間に固定媒体を介在させ
る。
【0037】そして次に、ワークをチャック面10の上
に置き、適宜、位置決め、配向の調整などを行ったの
ち、チャック面の温度を固定媒体の凝固点よりも低温度
に下げこれを保持する。図示の例では、開閉弁40
0’,410’を閉じ、開閉弁400,410を開いて
冷媒循環供給装置4から供給管40を介してトップレー
ト1の冷媒通路11に冷媒を送り、戻り管41から冷媒
循環供給装置4に戻すことを反復することによって行わ
れる。
【0038】これにより、固定媒体は液相から凝固によ
り固相へと変化し、凍結した固定媒体の凝固分子により
ワークはチャック面10に接着される。なお、「凝固点
よりも低い温度」とは、固定媒体の凝固分子が緻密に結
合し、チャック面とワークとの接着による固定力(保持
力)が機械加工による負荷荷重に十分耐えられるまでに
なる温度を意味し、たとえば、固定媒体が水のときには
−5℃以下、17℃で凍結する高分子系凝固剤の場合に
は、10℃以下である。
【0039】以上でワークの固定状態が得られるので、
加工機械を作動し、所望の工具によりワークに所望の加
工を加える。このときに、工具とワークの接触部域に加
工液供給手段から加工液を供給する。これは、固定媒体
の凝固点よりも低い任意温度に冷却した加工液をノズル
Nから噴射してもよいし、あるいはこれに冷却加圧空気
供給手段からたとえば温度が0℃以下、圧力が5〜7k
g/cm2の冷却加圧空気を添加混合し、ノズルからミ
ストとして噴霧してもよい。
【0040】前述のようにクーラント液などの低温の加
工用液が注がれ、この加工液が直接本発明装置を搭載し
ているテーブルや基台に接触した場合、それらを冷却す
ることにより加工機械の変形や傾きなど静的精度の狂い
が発生するおそれがあり、それによりワークの加工精度
が低下する可能性がある。このような場合には、図13
(a)(b)のようにトッププレート1の全厚または上
部体1aの回りに槽体9を設け、この槽体9でノズルN
から噴射された加工用液rを受けるとともに、槽体9の
底部に設けたドレーン穴90から排水管91を経てろ過
装置92に回収するようにすればよい。Eは固定媒体で
ある。
【0041】これに代えて、図14(b)のようにテー
ブルTの表面、加工機械Mの要部mたとえば主軸、ハウ
ジング、主軸コラムなどを斜線で示す断熱材Dで覆い、
加工用液の飛散による温度低下の影響を受けないように
してもよい。
【0042】目的とする加工が終了したならば、チャッ
ク面の温度を固定媒体の凝固点よりも高い温度に戻す。
これは自然な温度上昇によって行なってもよいし、トッ
ププレートがヒータを内蔵している場合にはこれを作動
して強制的に解凍してもよい。図示する例の場合には、
開閉弁400,410を閉じ、開閉弁400’,41
0’を開いて循環式温水供給装置4’から固定媒体の凝
固点よりも高い温度の温水を供給管40’,40を介し
てトッププレート1に送り、戻り管41,41’から循
環式温水供給装置4’に戻すことを反復することによっ
て行われる。これで固定媒体は固相から液相に戻るため
固定力が解除され、加工済みのワークをチャック面10
から取り外すことができる。
【0043】前記した加工において、本発明装置はトッ
ププレート1と台座2間の断熱部3が相互に離間した複
数のブロック部体3aからなっている。このため、トッ
ププレート1が冷却されたときにトッププレート1と断
熱材の線膨張係数の相違による変形が防止され、このた
め、トッププレート1の形状、寸法の変化が非常に少な
くなり、トッププレート1のたわみ、うねりといった現
象が皆無となる。したがって、トッププレート1は平坦
度がよく保たれ、ワークに対して精密な加工を行なうこ
とができる。
【0044】また、複数のブロック部体3aの下面側が
それぞれ台座2に結合しており、台座との接触面積が少
ない。このため、ブロック部体3aに伝わった台座2か
らの熱が各ブロック部体3aからすき間へと放散される
こととあいまって台座2からトッププレート1に伝わる
熱の遮断効果が高くなり、トッププレート1の冷却状態
を確実、安定的に維持することができる。第2実施例で
は、複数のブロック部分3aの下面側が断熱材製の平板
状部分3を介して台座2に面接触しており、全体として
の断熱部厚さが増す。このため台座2からトッププレー
ト1への熱伝達の遮断効果を高いものにすることができ
る。 図17の実施例では断熱部3が多数の窓穴s’を
持ち、枠部3cと桟部3dという小さな面積でトッププ
レート1に接触し、かつ枠部3cと桟部3dとによって
機械加工中に作用する工具の加工力に耐えうる支持強度
を得ることができる。
【0045】以上の点から、本発明においては、トップ
プレート1の構成材料として、鉄系など剛性が高くかつ
機械加工性(被削性)のよい材料にすることができる。
これにより、加工に際して加工基準面を出すためチャッ
ク面10を工具で伴ずりして簡単にゼロカットすること
ができ、またリフレッシュ加工も簡単に行なうことがで
きる。
【0046】また、本発明においては、トッププレート
1の外周面100から断熱部3の外周面300までの距
離(張出し長さ)L’をゼロを含め小さくしている。こ
のため本加工に先立って加工基準面を得るべくチャック
面10を仕上げたり、その後の本加工でワークの端部を
加工する際に、工具がチャック面10の外周部分を通過
して加工力が強く作用しても、チャック面10がたわん
だり、だれたりそれらによりバウンドしたりせず、剛直
性が維持される。したがって、チャック面10の精度や
ワークの端部加工を精度よく行なうことができる。
【0047】本発明においては、トッププレート1と台
座2がねじ類で直接結合されておらず、図9と図10
(a)のようにトッププレート1と断熱部3、断熱部3
と台座2が別々に結合され、あるいは図10(b)のよ
うに断面積の小さい線条物8で結合されている。このた
め、台座2から断熱部3を通してトッププレート1への
熱伝達を低減することができ、前記した変形防止、冷凍
状態維持の両効果をさらに確実なものとすることができ
る。
【0048】なお、本発明のチャック装置は、前記のよ
うにワークを直接チャック面10に固定用媒体の凍結に
よって固定する場合のほか、ワークを固定した治具をチ
ャック面10に固定用媒体の凍結によって固定する場
合、さらにワークを固定用媒体で固定した治具をチャッ
ク面に非凍結的に固定する場合を含んでいる。第2番目
の場合、ワークの治具に対する固定は固定媒体を使用す
ることを含んでいる。この場合、ワークを治具に固定す
る固定媒体と治具をチャック面に固定する固定媒体は凍
結温度が異なるものを使用すると都合がよい。すなわ
ち、たとえばワークを治具に固定する固定媒体として凍
結温度の高い高分子系凝固剤を使用し、治具をチャック
面に固定する固定媒体として相対的に凍結温度が低いも
の(たとえば)水を使用すれば、加工終了時にチャック
面を水の解凍温度以上たとえば5℃に上昇させても、ワ
ークを治具に固定する固定媒体の凍結が維持するため、
ワークは治具にしっかりと固定された状態に保持され次
工程への移送等が容易となる。
【0049】図3ないし図7のようにチェック面10に
バキューム溝12と吸引穴13を有するバキューム機構
を設けた構成は、3番目の使用形態に適している。すな
わち、機外に配した外段取り用冷凍プレート装置にて治
具にワークを凍結固定しておき、その治具を本発明装置
のチャック面10に直接かまたは不凍液などを介して載
せ、バキューム機構と外部の吸引機を作動させることに
よりトッププレート1に固定させることができ、同時に
トッププレート1への冷媒の循環によって治具を介して
ワークの凍結状態を維持することができる。そして、ワ
ークの加工後、バキューム機構をオフとすることにより
治具のトッププレート1からの離脱を行なうことができ
る。本発明は、治具を介してワークの凍結状態を維持す
る際の台座側からのトッププレート1への熱の伝達を有
効に遮断し、また加工精度を高くすることができる。
【0050】本発明の具体例とそれの試験結果を示す。
まず、冷凍チャック装置の断熱材の形状と厚さによる影
響を実験した。 〔サンプル1〕 1)トップレート: 上部体−材質:S45C,厚さ12mm、幅150m
m、長さ500mm 下部体−材質:Al,厚さ8mm、幅150mm、長さ
500mm
【0051】2)断熱部 ブロック部体材質:デルリン,外径60mm、厚さ26
mm、個数:12個,ブロック部体間間隔:85mmで
等間隔
【0052】3)台座: 材質:S45C,厚さ12mm、幅150mm、長さ5
00mm 4)トッププレートと断熱部と台座との結合方式:ねじ
固定方式(図9)
【0053】〔サンプル2〕 断熱部 1)ブロック部分材質:デルリン,外径60mm、厚さ
26mm、個数:12個,ブロック部分間隔:85m
m、等間隔 平板状部分材質:デルリン、厚さ26mm、幅150m
m、長さ500mm 2)トッププレートと断熱部と台座との結合方式:ねじ
固定方式 他は、サンプル1と同じとした。
【0054】〔サンプル3〕サンプル1のブロックを図
15のように2段に重ねて連結し厚さ52mmのブロッ
ク群からなる断熱部を構成した。他の構成はサンプル1
と同じにした。
【0055】〔比較例〕 1)断熱部として、材質:デルリン,厚さ26mm、幅
150mm、長さ500mmの平板を使用した。図16
はこの状態を示している。トッププレートと断熱部と台
座との結合方式は図9のねじ止め方式とした。トッププ
レート、台座はサンプル1と同じ仕様とした。
【0056】トッププレートは外部の冷媒冷却装置に接
続し、冷媒として不凍液を使用し、流量5l/minで
循環させた。
【0057】断熱性能をみるため、チャック面の温度が
−9℃に達してから30分ごとに8時間にわたってチャ
ック面と台座下面の温度を測定し、その平均値を求めた
結果は表1のとおりである。この表1から、サンプル1
ないし3は、いずれも断熱部がトッププレートの下面全
面に接触する比較例に比べて断熱効果が高く、サンプル
2は断熱部の厚さがサンプル1の2倍であるため断熱効
果が高く、サンプル3はサンプル2と同じ厚さである
が、断熱部がブロック部体からなっているため、サンプ
ル2よりも断熱効果が高い。
【0058】
【表1】
【0059】次に、冷凍チャックプレート装置における
トッププレート外周面と断熱部外周面間の距離による影
響(ゼロカットによる平坦度加工精度)を実験した。こ
の比較実験に使用した2種の冷凍チャック装置の仕様と
加工条件は次のとおりである。
【0060】(1)冷媒循環式:不凍液を使用し、流量
5l/minで循環させ、温度−10℃に冷却した。 (2)チャックサイズ:500×150mm (3)トッププレート: 上部体−材質:S45C,厚さ12mm、幅150m
m、長さ570mm 下部体−材質:S45C,厚さ12mm、幅150m
m、長さ570mm (4)台座 材質:S45C、厚さ25mm、幅150mm、長さ6
05mm トップレートと断熱部と台座との結合方式:ボルト式
【0061】(5)断熱部 (タイプ1) ブロック材質:MCナイロン、幅40mm、長さ60m
m、厚さ47mm 個数:16個 ブロック配置間隔:前後方向22mm、左右方向12m
m ブロック外周とトップレート外周との距離:前後方向1
2mm、左右方向14mm
【0062】(タイプ2) ブロック材質:MCナイロン、直径60mm、厚さ47
mm 個数:12個 ブロック配置間隔:前後方向10mm、左右方向85m
m ブロック外周とトップレート外周との距離:前後方向1
0mm、左右方向40mm
【0063】〔加工機械〕 横軸型平面研削盤、テーブルチャックサイズ:500×
200mm 使用砥石:アランダム系レジノイドボンド砥石、粒度#
70
【0064】加工条件: トラバース研削 切込み量:粗研削=5μm/pass、仕上げ研削=2
μm/pass テーブル送り速度:15m/min テーブル前後送り速度:5mm/pass クーラント液温度:−5℃
【0065】以上の条件により、チャック面の伴ずりに
よりゼロカットして平坦度を得る加工を行なった。その
結果、タイプ1の場合の平坦度は2μm以内であった。
これに対して、タイプ2の場合の平坦度は10μm以内
であった。この結果から、トッププレート外周面と断熱
部外周面間の距離(張出し長さ)を短くすることが適切
であることがわかる。
【0066】なお、断熱部タイプ1について、前記加工
時に、工具からの加工力によるチャック面のたわみ変形
を測定した。その結果2μm以内であった。この結果か
ら、断熱部を複数のブロック部体に細分化して間隔的配
置した場合、線膨張係数の相違に起因するチャック面の
たわみ変形が少なくなり、精度が向上したことがわか
る。
【0067】次に図3ないし図9に示す本発明装置を使
用して研削加工を行なった。その結果をペルチエ素子式
チャック装置を使用した場合と比較して示す。実験装置
は次のとおりである。 〔本発明装置〕 チャックサイズ:500×150mm 冷媒循環式:不凍液を使用し、流量5l/minで循環
させた。 固定媒体: 水
【0068】(1)トッププレート 上部体−材質:S45C,厚さ12mm、幅150m
m、長さ570mm 下部体−材質:S45C,厚さ12mm、幅150m
m、長さ570mm (2)断熱部 ブロック材質:MCナイロン、幅40mm、長さ60m
m、厚さ47mm 個数:16個 ブロック配置間隔:前後方向22mm、左右方向19m
m ブロック外周とトップレート外周との距離:前後方向1
2mm、左右方向14mm
【0069】(3)台座 材質:S45C、 厚さ25mm、幅150mm、長さ
605mm (4)トップレートと断熱部と台座との結合方式:ボル
ト式 (5)加工機械のテーブルに据付け後に行なったゼロカ
ットによるチャック面の平坦度加工結果は最大2μmで
あった。
【0070】〔ペルチエ素子式チャック装置〕 固定媒体: 水 (1)トッププレート 材質:銅、厚さ10mm、幅180mm、長さ180m
m (2)断熱部 材質:デブリン、形状:平板、厚さ35mm、幅240
mm、長さ240mm
【0071】(3)台座 材質:ステンレス、厚さ20mm、幅240mm、長さ
240mm (4)ペルチエ素子:個数8個、直流電圧最大24V (5)加工機械のテーブルに据付け後に行なったゼロカ
ットによるチャック面の平坦度加工結果は最大5μmで
あった。
【0072】〔加工機械〕 横軸型平面研削盤、テーブルチャックサイズ:500×
200mm 〔加工例1〕 ワーク:タングステンカーバイド、150×15×3m
m、硬度HRC65、数量10枚、加工個所:上下両面
を研削 砥石:レジンボンドダイヤモンド砥石、粒度#270、
【0073】加工条件: 送り:トラバース研削 切込み量:粗研削=3μm/pass、仕上げ研削=1
μm/pass テーブル送り速度:8m/min テーブル前後送り速度:5mm/pass
【0074】〔加工例2〕 ワーク:材質SKS3(焼入れ鋼)、外径140mm、
内径50mm、厚さ3mm、硬度HRC62、数量1
枚、加工個所:上下両面を研削 砥石:アランダム系レジンボンド砥石、粒度#70
【0075】加工条件: 送り:トラバース研削 切込み量:粗研削=5μm/pass、仕上げ研削=2
μm/pass テーブル送り速度:10m/min テーブル前後送り速度:5mm/pass
【0076】以上の条件による加工仕上がり精度(平坦
度、平行度)を測定した結果を表2および表3に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】表2及び3から、本発明装置はペルチエ素
子式チャック装置に比べて格段に加工精度が優れている
ことがわかる。これは、冷媒循環式であるため冷却性能
が高いこと、トッププレートの剛性、強度が高くかつチ
ャック面のゼロカットが容易であること、断熱部が細分
化されたブロックから構成されていてトッププレートと
の熱膨張係数の差異によるトッププレートの変形が防止
されるとともに台座からトッププレートへの熱の伝達が
十分に遮断され、トッププレートが鉄鋼材であるにもか
かわらず効率よくかつ安定的に冷却状態を維持できたこ
と、トッププレートの外周部分の断熱部からの張出しが
少なく、加工力による変形が生じなかったことによるも
のである。
【0080】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によると
きには、上面をチャック面10とし内部に冷媒循環通路
を有するトップレート1と、下方の台座2と、前記トッ
プレート1と台座2間に介在された断熱部3とを備えて
なり、前記断熱部3が工具側から加えられる力に耐えう
る大きさと数の複数のブロック部体3aからなり、各ブ
ロック部体3aが相互に所定のすき間を有するように間
隔的に配されているので、冷媒循環式であることによる
高い冷凍能力を生かしつつ、トップレート1の冷凍状態
を安定確実に維持し、また台座2からの熱の伝達を確実
に遮断することができる。
【0081】しかも、複数の間隔をおいたブロック部体
3aが小面積でトップレート1と接し、ブロック部体3
a相互間のすき間の存在によりトップレート1の変形や
ひずみの発生を抑制することができ、これによりトップ
レート1の加工基準面特性を向上できるため、ワークを
精度高く加工することができる。さらに、トップレート
としてあえて特に熱伝導性の高い材質を使用しなくても
よくなるので、加工機械のテーブル上での加工基準面出
しを容易に行なうことができる。しかも、構造が簡単で
安価に実施できるというすぐれた効果が得られる。
【0082】請求項2によれば、断熱部3が、複数のブ
ロック部分3aと平板状部分3bからなり、各ブロック
部分3aが相互に所定のすき間を有するように平板状部
分3bの上に間隔的に位置し、各ブロック部分3aの上
面がそれぞれトップレート1に結合され、平板状部分3
bが台座2に結合されているので、台座2からトップレ
ート1への熱の伝達遮断効果を向上することができると
いうすぐれた効果が得られる。
【0083】請求項3によれば、トッププレート外周面
100の断熱部外周面30に対する張出し長さL’が短
く設定されているので、機械加工によってチャック面1
0を仕上げたりワークの端部を加工する際に、工具がチ
ャック面10の外周部分を通過して加工力が作用しても
チャック面10がたわんだり、だれたりそれらによりバ
ウンドしたりせず、剛直性を維持する。したがって、チ
ャック面10の仕上げやワークの端部加工を精度よく行
なうことができるというすぐれた効果が得られる。
【0084】請求項4によれば、チャック面10を含む
トッププレート1が鉄鋼材で代表される硬質剛性材から
なっているので、装置を加工機械に据え付けた後の加工
基準面出しのゼロカットやその後のメンテナンスを容易
かつ精度よく行なうことができるというすぐれた効果が
得られる。請求項5によれば、チャック面10がバキュ
ーム機構を有しているので、凍結によるワークの固定と
の相乗効果により、確実かつ安定的にワークを固定する
ことができ、また加工のサイクルタイムを早くすること
ができるというすぐれた効果が得られる。請求項6によ
れば、台座2から断熱部3を通してトッププレート1に
熱が伝達されるのを防止することができるので、トップ
プレート1と台座2と断熱部3とが一体的に組み付けら
れていながら良好な熱遮断性能を発揮できるというすぐ
れた効果が得られる。請求項7によれば、トッププレー
トの支持強度を高くすることができるというすぐれた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明による冷凍チャック装置の第1実
施例を概略的に示す側面図、(b)はその一部拡大図で
ある。
【図2】第1実施例を冷凍回路例とともに示す平面図で
ある。
【図3】第1実施例を適用した冷凍チャック装置の平面
図である。
【図4】第1実施例を適用した冷凍チャック装置の側面
図である。
【図5】トツププレートの部分切欠平面図である。
【図6】図6のX−X線に沿う断面図である。
【図7】図6のY−Y線に沿う断面図である。
【図8】(a)はブロック部体の一例を示す断面図、
(b)は同じくその平面図である。
【図9】ブロック部体とトッププレートと台座との結合
構造を示す断面図である。
【図10】(a)はトッププレートと断熱部および台座
の組み付け構造の別例を示す部分的断面図、(b)は同
じく別の例の部分的断面図である。
【図11】(a)は本発明の第2実施例を示す側面図、
(b)は断熱部の部分的側面図である。
【図12】本発明に適用されるトッププレートの他の例
を示す部分的側面図である。
【図13】本発明装置の使用状態の一例を示す斜視図で
ある。
【図14】本発明装置の使用状態の他の例を示す斜視図
である。
【図15】本発明の他の例を示す側面図である。
【図16】比較例の側面図である。
【図17】本発明の他の態様を示す部分切欠平面図であ
る。
【符号の説明】
1 トッププレート 2 台座 3 断熱部 3a ブロック部体(ブロック部分) 3b 平板状部分 10 チャック面 30,100 外周面 6,7 ねじ部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上面をチャック面10とし内部に冷媒循環
    通路を有するトップレート1と、下方の台座2と、前記
    トップレート1と台座2間に介在された断熱部3とを備
    えてなり、前記断熱部3が工具側から加えられる力に耐
    えうる大きさと数の複数のブロック部体3aからなり、
    各ブロック部体3aが相互に所定のすき間を有するよう
    に間隔的に配されていることを特徴とする冷凍チャック
    装置。
  2. 【請求項2】上面をチャック面10とし内部に冷媒循環
    通路を有するトップレート1と、下方の台座2と、前記
    トップレート1と台座2間に介在された断熱部3とを備
    えてなり、断熱部3が、工具側から加えられる力に耐え
    うる大きさと数の複数のブロック部分3aと平板状部分
    3bからなり、各ブロック部分3aが相互に所定のすき
    間を有するように平板状部分3bの上に間隔的に位置
    し、各ブロック部分3aの上面がそれぞれトップレート
    1に結合され、平板状部分3bが台座2に結合されてい
    ることを特徴とする冷凍チャック装置。
  3. 【請求項3】トッププレート外周面100の断熱部外周
    面30に対する張出し長さL’が短く設定されている請
    求項1または請求項2に記載の冷凍チャック装置。
  4. 【請求項4】チャック面10が鉄鋼材で代表される硬質
    剛性材からなっている請求項1ないし3のいずれかに記
    載の冷凍チャック装置。
  5. 【請求項5】チャック面10がバキューム機構を有して
    いる請求項1ないし4のいずれかに記載の冷凍チャック
    装置。
  6. 【請求項6】トップレート1とブロック部体3aとがね
    じ部材6で結合され、これと変位した位置でブロック部
    体3aと台座2とが別のねじ部材7で結合されている請
    求項1に記載の冷凍チャック装置。
  7. 【請求項7】上面をチャック面10とし内部に冷媒循環
    通路を有するトップレート1と、下方の台座2と、前記
    トップレート1と台座2間に介在された断熱部3とを備
    えてなり、前記断熱部3が枠部と桟部で多数の窓孔を形
    成していることを特徴とする冷凍チャック装置。
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